JP2013218086A - 弦楽器のピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】弦及び共鳴胴の振動が圧電素子に無駄なくかつ集中して伝達する弦楽器のピックアップ装置を提供する。
【解決手段】ピックアップ装置20は、弦15を支持するサドル22とブリッジ14との間に配置されている。ピックアップ装置20は、基板21上に配置されて、1つの弦15に対して、弦15の振動をピックアップする圧電素子で構成したピックアップ電極24a,24b,24c,24dを有する。サドル22の下部には、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dに向けて下方に延びた複数の脚部が設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】ピックアップ装置20は、弦15を支持するサドル22とブリッジ14との間に配置されている。ピックアップ装置20は、基板21上に配置されて、1つの弦15に対して、弦15の振動をピックアップする圧電素子で構成したピックアップ電極24a,24b,24c,24dを有する。サドル22の下部には、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dに向けて下方に延びた複数の脚部が設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ギター等の弦楽器の振動をピックアップする弦楽器のピックアップ装置に関する。
従来から、下記特許文献1に示されているように、電気コイルを用いたギターのピックアップ装置は知られている。このピックアップ装置においては、サドルを磁気透過材料で構成するとともに、サドル内に磁石を埋め込んで磁極を構成し、サドル上部の弦を挟んだ両側位置に一対の磁極先端部を上方に突出させて、一対の磁極先端部に電気コイルをそれぞれ巻き、電気コイルにより弦の振動をピックアップするようにしている。また、下記特許文献2に示されているように、圧電素子を用いたギターのピックアップ装置も知られている。このピックアップ装置においては、断面台形状かつ底面を平面に成形して弦を支持するサドルの下面に、一対の圧電結晶を弦の長手方向に沿って互いに離間して配置し、一対の圧電結晶により共鳴胴の振動をも考慮した弦の振動をピックアップするようにしている。
また、非特許文献1には、上部に弦受け部を有し、かまぼこ型(半円柱形状)かつ底面を平面に成形した台座(サドル)の下に、4極の圧電セラミックを配置して、共鳴胴の振動をも考慮した弦の3軸方向の振動を検出できるようにしたギターのピックアップ装置が示されている。また、非特許文献2には、前記非特許文献1のピックアップ装置において、台座(サドル)の形状を、断面3角形状(3角柱状)かつ底面を平面に成形することも示されている。さらに、非特許文献3には、前記非特許文献1のピックアップ装置において、台座(サドル)の形状を、正4角錐状かつ底面を平面に成形することも示されている。
音楽音響研究会資料MA2008−50第43頁〜第46頁
音楽音響研究会資料MA2010−24第9頁〜第12頁
Japanese Journal of applied Physics 50(2011)07HC03
しかし、上記特許文献1に示されたピックアップ装置においては、ナイロン弦の振動を検出できないとともに、構造が複雑であるという欠点を有する。上記特許文献2及び非特許文献1〜3に示されたピックアップ装置においては、サドルの底面が2つ又は4つの圧電素子に対して共通の平面で形成されているために、弦及び共鳴胴の振動が圧電素子に伝達され難いという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、サドルの下部に圧電素子ごとの脚部を設けることで、弦及び共鳴胴の振動が圧電素子に無駄なくかつ集中して伝達されるようにした弦楽器のピックアップ装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、後述する実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、この実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、弦(15)を支持するサドル(22,31,32,33)とブリッジ14との間に圧電素子(24a,24b,24c,24d)を配置して弦の振動をピックアップする弦楽器(10)のピックアップ装置(20)において、1つの弦に対して複数の圧電素子を設けるとともに、前記サドルの下部に前記複数の圧電素子に向けてそれぞれ下方に延びた複数の脚部(22c〜22f,31c〜31f,32c,32d,33c〜33e)を設けたことにある。
この場合、例えば、1つの弦に対して4つの圧電素子(24a〜24d)を設けるとともに、サドル(22,31)の下部に4つの脚部(22c〜22f,31c〜31f)を設けるとよい。また、1つの弦に対して3つの圧電素子(24a〜24c)を設けるとともに、サドル(33)の下部に3つの脚部(33c〜33e)を設けてもよい。さらに、1つの弦に対して2つの圧電素子(24a,24b)を設けるとともに、サドル(32)の下部に2つの脚部(32c,32d)を設けてもよい。
上記のように構成した本発明においては、サドルの下部に複数の圧電素子にそれぞれ対応した複数の脚部を設けたので、弦及び胴の振動が圧電素子に無駄なくかつ集中して伝達される。その結果、本発明によれば、弦及び胴の振動を表す良好なピックアップ信号を得ることができる。
また、本発明の他の特徴は、サドルを、複数の弦にそれぞれ独立に設けたことにある。これによれば、弦及び胴の振動(応力)が弦ごとに独立して圧電素子に付与され、弦ごとの振動が良好にピックアップされる。
また、本発明の他の構成上の特徴は、さらに、サドルと圧電素子の相対的位置を決めるサポート部材を設けたことにある。これによれば、サドルが圧電素子と確実に接触して、ずれることはない。
この場合、サドルの上部から下部に向けて徐々に太くなるように(すなわち、水平断面の面積が上部から下部に向けて大きくなるように)、サドルを形成しておくとともに、サポート部材にサドルの中間部の大きさに合った貫通孔を形成しておき、サドルの上部がサポート部材の貫通孔を下方から上方へ貫通するように、サポート部材をサドル上に載置して、サポート部材をブリッジにねじ等の固定部材で固定するようにするとよい。これによれば、圧電素子をサドルとブリッジの間に挟んだ状態で、サドルをブリッジ上に簡単に固定できる。
さらに、本発明の他の構成上の特徴は、サポート部材は、導電性材料で構成されるとともに、接地されるように構成したことにある。これによれば、圧電素子及びその周辺回路がサポート部材によって電磁シールドされ、ピックアップ信号に外部からのノイズが含まれなくなる。
以下、本発明の一実施形態に係るギターのピックアップ装置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るギター(エレクトリック・アコースティックギター)10の外観図である。
ギター10は、胴11、指板12及びヘッド13を備えるとともに、胴11の上面に固定されたブリッジ14とヘッド13との間に張設された6本の弦15を備えている。6本の弦15はブリッジ14上に設けた6個のサドル22によってそれぞれ支持され、ブリッジ14上にはサドル22を含むピックアップ装置20が配置されている。
ピックアップ装置20は、図2及び図3に示すように、サドル22に加えて、基板21及びサポート部材23を有する。基板21は、図3及び図4に示すように、非導電性の樹脂などで長方形かつ板状に形成されている。基板21上には、各組4個ずつの6組のピックアップ電極24a,24b,24c,24d、4個の取出し電極25a,25b,25c,25d、及び2つの接地電極26a,26bが配置されている。
6組のピックアップ電極24a,24b,24c,24dは、基板21の長手方向に沿って配列されており、各組ごとに6本の弦15にそれぞれ対応している。ピックアップ電極24a,24b,24c,24dは、それぞれ正方形かつ板状の圧電素子で形成され、正方形状の各頂点位置(前後方向及び左右方向に対称)にそれぞれ配置されている。なお、これらのピックアップ電極24a,24b,24c,24dは、図示省略しているが、実際には、圧電素子の上面及び下面側にそれぞれ上電極及び下電極が設けられ、上電極の上面には絶縁膜及び電磁シールド膜がそれぞれ設けられるとともに、下電極の下面は基板21の上面に固着されている。
取出し電極25a,25b,25c,25dは、基板21の長手方向の端部上面に設けられて、各組のピックアップ電極24a,24b,24c,24dによりピックアップされた振動を表す電気信号を外部に取出すための電極である。これらの4つの取出し電極25a,25b,25c,25dは、基板21内に設けられた導電体を介して、各組のピックアップ電極24a,24b,24c,24dにそれぞれ接続されている。接地電極26a,26bは、基板21の幅方向(長手方向と直交する方向)の両端部であって、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dの両側位置にて、基板21の上面に長手方向に沿って設けられている。これらの接地電極26a,26bは、基板21内に設けられた導電体を介して接地されている。また、基板21の長手方向両端部には、ねじ27a,27bを貫通させるための貫通孔21a,21bが設けられている。
サドル22は、図3及び図5に示すように、樹脂などの硬質材料で成形され、上端部を平面に形成した正四角錐状(前後方向及び左右方向に対称)の本体部22aを備えている。本体部22aの上面には、弦15の延設方向に沿って延設されて、弦15を支持するための支持溝22bが形成されている。本体部22aの底部には、底部の4隅から斜め下方に延設された4本の脚部22c,22d,22e,22f(ただし、脚部22dは図示せず)が一体的に設けられている。これらの脚部22c,22d,22e,22fの各底面は、同一平面を形成するように構成されるとともに、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dよりも若干小さく設定されている。そして、脚部22c,22d,22e,22fの底面をピックアップ電極24a,24b,24c,24d位置に合わせて、サドル22を基板21上に載置した状態では、脚部22c,22d,22e,22fの各底面がピックアップ電極24a,24b,24c,24dの上面にそれぞれ密着する。
サポート部材23は、図2及び図3に示すように、導電性を有する金属(例えば、アルミニウム)で、下方にて開口した直方体状に成形されている。このサポート部材23の長手方向の長さは基板21の長手方向の長さとほぼ同じであり、幅方向(長手方向に対して直交する方向)の長さは基板21の幅方向の長さよりも若干短く、具体的には基板21の接地電極26a,26b間の長さに等しく設定されている。サポート部材23の上面部23aには、6個のサドル22にそれぞれ対応した正方形状の貫通孔23a1が設けられている。この貫通孔23a1の大きさはサドル22の中間部の大きさに設定されており、貫通孔23a1の内側面は下方に向かって広がりかつサドル22の外側傾斜面の角度と一致している。これにより、貫通孔23a1にサドル22をそれぞれ貫通させて、サポート部材23をサドル22上に載置した状態では、サドル22の外側傾斜面と貫通孔23a1の内側面が当接するようになっている。
また、サポート部材23の側部23bの高さは、前記サポート部材23をサドル22上に載置したでは、側部23bの底面が基板21に密着するように設定されている。特に、サポート部材23の幅方向の両側部23b、23bの各底面は基板21の接地電極26a,26bに密着して電気的に接続されるようになっている。また、サポート部材23の上面部23aの長手方向両端部には、ねじ27a,27bを貫通させるための貫通孔23a2,23a3が設けられている。
このように構成したピックアップ装置20をギター10のブリッジ14に組み付けるには、図2(B)に示すように、まず、ブリッジ14に設けた方形状の穴14a内に基板21を収納させる。次に、基板21の6組のピックアップ電極24a,24b,24c,24d上に、6個のサドル22の脚部22c,22d,22e,22fの底面をそれぞれ位置させて、6個のサドル22を基板21上にそれぞれ載置する。次に、サポート部材23の6個の貫通孔23a1を6個のサドル22が貫通するように、サポート部材23をサドル22及び基板21上に載置する。そして、ねじ27a,27bを、サポート部材23の貫通孔23a2,23a3及び基板21の貫通孔21a,21bを通過させて、ブリッジ14に締め付け固定する。これにより、図2(A)に示すように、基板21、サドル22及びサポート部材23からなるピックアップ装置20がギター10のブリッジ14に組み付けられる。その後、弦15をサドル22に支持させて、ブリッジ14とヘッド13との間に張設する。この弦15をサドル22に支持させた状態では、サドル22が弦15によって基板21上に押し付けられており、サポート部材23はサドル22と基板21(すなわちピックアップ電極24a,24b,24c,24d)間の相対的位置を決める部材として機能する。
このようにして構成されたギター10においては、演奏者が弦15を弾くことによりギター演奏を行うと、弦15の振動がサドル22の脚部22c,22d,22e,22fを介して基板21のピックアップ電極24a,24b,24c,24dに伝達され、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dから弦15の振動に対応した電気信号が取出し電極25a,25b,25c,25dを介して取出される。また、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dは基板21上に設けられ、基板21はギター10のブリッジ14に密着固定されているので、ギター10の胴11の共鳴振動に対応した電気信号も、前記弦15の振動に対応した電気信号に加えて、取出し電極25a,25b,25c,25dから取出される。
また、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dによってピックアップされた振動に対応した電気信号は、取出し電極25a,25b,25c,25dを介して独立に取出されるので、図示しない電気回路による演算処理により弦15の延設方向に加えて、前記延設方向とそれぞれ直交する弦15の横方向及び上下方向の3方向の振動、すなわち3次元の振動に対応した電気信号であるピックアップ信号を得られる。
上記のように構成した実施形態においては、サドル22の下部に、圧電素子で構成したピックアップ電極24a,24b,24c,24dごとの脚部22c,22d,22e,22fを設けたので、弦15及び胴11の振動がピックアップ電極24a,24b,24c,24dに無駄なくかつ集中して伝達される。その結果、上記実施形態によれば、弦15及び胴11の振動を表す良好なピックアップ信号を得ることができる。
また、6つのサドル22は6本の弦15にそれぞれ独立して設けられているので、弦15ごとに独立した振動(応力)がピックアップ電極24a,24b,24c,24dに付与され、弦15ごとの振動が良好にピックアップされる。
また、上記実施形態においては、サポート部材23を用いて、サドル22とピックアップ電極24a,24b,24c,24d間の相対的位置を決めるようにしたので、サドル22とピックアップ電極24a,24b,24c,24dとが確実に接触して、ずれることがなくなる。特に、上記実施形態においては、サドル22は正四角錐状に形成されていて、サドル22の上部から下部に向けて徐々に太くなっており、すなわち水平断面の面積が上部から下部に向けて大きくなっており、サドル22の上部をサポート部材23の貫通孔23a1に下方から上方へ貫通させ、サポート部材23をサドル22上に載置するとともにサポート部材23でサドル22とピックアップ電極24a,24b,24c,24dの相対的位置を決めている。したがって、基板21(ピックアップ電極24a,24b,24c,24d)をサドル22とブリッジ14の間に挟んだ状態で、サドル22とピックアップ電極24a,24b,24c,24が確実に接触して、ずれることがなくなる。
また、このサポート部材23は、導電性の金属材料で構成され、基板21上に設けた接地電極26a,26bを介して接地される。これにより、ピックアップ電極24a,24b,24c,24d及びその周辺回路はサポート部材23により電磁シールドされ、ピックアップ信号に外部からのノイズが含まれなくなる。
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、正四角錐形状のサドル22を用いるようにしたが、サドルの形状としては種々のものが考えられる。例えば、図6に示すように、下部を直方体状に形成するともに、上部をかまぼこ型(すなわち半円柱形状)に形成した本体部31aを有するサドル31を用いることもできる。このサドル31においても、上端部に弦15を支持するための支持溝31bが形成されている。また、本体部31aの底部には、底部の4隅から下方にそれぞれ延設された4本の正四角柱状の脚部31c,31d,31e,31f(ただし、脚部31dは図示せず)が一体的に設けられている。これらの脚部31c,31d,31e,31fの場合も、各底面は同一平面を形成するように構成されるとともに、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dよりも若干小さく設定されている。また、サポート部材23の上面部23aに設ける貫通孔23a1の形状は、サドル31の本体部31aの上部の形状に合わせた方形状である。
また、図7に示すように、弦15に垂直な断面形状を台形とする四角柱状の本体部32aを有するサドル32を用いることもできる。このサドル32においても、上端部に弦15を支持するための支持溝32bが形成されている。また、本体部32aの底部には、底部の両端部から斜め下方にそれぞれ延設された2本の正四角柱状の脚部32c,32dが一体的に設けられている。これらの脚部32c,32dの場合も、各底面は同一平面を形成するように構成されている。ただし、この場合には、脚部32c,32dの数に合わせて、基板21には、各弦15に対応して2つのピックアップ電極24a,24bをそれぞれ設けるとともに、2つの取出し電極25a,25bを設けるだけでよい。そして、脚部32c,32dの各底面部はピックアップ電極24a,24bよりも若干小さく設定される。また、サポート部材23の上面部23aに設ける貫通孔23a1の形状は、サドル32の本体部32aの中間部の形状に合わせた方形状である。
また、図8に示すように、正三角錐形状の本体部33aを有するサドル33を用いることもできる。このサドル33においても、本体部33aの上端部を平面に形成して、上端部には弦15を支持するための支持溝33bが形成されている。また、本体部33aの3角形の底部には、3角形の各頂点から斜め下方にそれぞれ延設された3本の断面方形状の脚部33c,33d,33eが一体的に設けられている。これらの脚部33c,33d,33eの場合も、各底面は同一平面を形成するように構成されている。ただし、この場合には、脚部33c,33d、33eの数に合わせて、基板21には、各弦15に対応して3つのピックアップ電極24a,24b,24cを脚部33c,33d、33eの底面位置に合わせてそれぞれ設けるとともに、3つの取出し電極25a,25b,25cを設ける。そして、脚部33c,33d,33eの各底面部はピックアップ電極24a,24b,24cよりも若干小さく設定される。また、サポート部材23の上面部23aに設ける貫通孔23a1の形状は、サドル32の本体部32aの中間部の形状に合わせた3角形状である。さらに、この場合には、サドル33が正三角錐状に形成されているので、6つのサドル33を基板21上に配置する際には、スペースの関係上、弦15の延設方向に対してサドル33の向きを交互に前後逆にするとよい。
これらの図6乃至図8のサドル31,32,33を用いた場合も、サドル31,32,33の下部に脚部31c,31d,31e,31f,32c,32d,33c,33d,33eを設けたので、上記実施形態の場合と同様に、弦15及び胴11の振動がピックアップ電極24a,24b,24c,24dに無駄なくかつ集中して伝達されて、弦15及び胴11の振動を表す良好なピックアップ信号を得ることができる。また、これらの変形例の場合も、弦15ごとに独立して振動(応力)がピックアップ電極24a,24b,24c,24dが付与され、弦15ごとの振動が良好にピックアップされる。さらに、これらの変形例の場合も、サポート部材23により、サドル31,32,33とピックアップ電極24a,24b,24c,24d間の相対的位置が決められて、サドル31,32,33とピックアップ電極24a,24b,24c,24dが確実に接触してずれることが無くなるとともに、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dの電気的かつ磁気的なシールド性も向上する。
また、図6及び図8の変形例に場合には、サドル31の脚部31c,31d,31e,31f及びサドル33の脚部33c,33d,33eは3つ以上であり、ピックアップ電極24a,24b,24c,24dも3つ以上あるので、図示しない電気回路による演算処理により、弦15及び胴11の3次元の振動に対応したピックアップ信号を得られる。しかし、図7の変形例の場合には、サドル32の脚部32c,32dは2つしかなく、ピックアップ電極24a,24bも2つしかないので、図示しない電気回路による演算処理によっても、弦15及び胴11の2次元の振動に対応したピックアップ信号しか得られない。ただし、この場合には、サドル33及び基板21の構成が簡素化される。
また、図9は、図6のサドル31部分をさらに変形した変形例を示している。この変形例においては、6つのサドル31が、各サドル31間に設けたラバー等の弾性を有する素材からなる連結部材34によって連結されている。この場合、サポート部材23の上面部23aには、その形状が連結された6つのサドル23の全体形状に合わせた方形状の1つの貫通孔23a1のみを設ける。これによっても、連結部材34がサドル31間の振動を吸収するので、図6の変形例の場合と同様な効果が期待されるとともに、ピックアップ装置20の組み付け時にサドル31を1つずつ基板21上に載置する必要がないので、生産効率が向上する。なお、このような連結部材34によるサドル31の連結に関しては、上記実施形態の図5のサドル22、図7及び図8のサドル32,33にも適用され得る。
また、ラバーなどの連結部材34に代えて、サドル31間の振動を吸収する部材であれば、弾力性のある梁などの細い連結部材を用いてもよい。この場合には、サポート部材23の上面部23aに設ける貫通孔23a1に関しては、上記実施形態及び各種変形例の場合と同様にする。
また、上記実施形態及び各種変形例においては、サドル22を正四角錐状、かまぼこ型、垂直断面を台形状とする四角柱状及び正三角錐状に成形するとともに、サポート部材23にサドル22の中間部の形状に合った貫通孔23a1を設けておき、サポート部材23の貫通孔23a1にサドル22を貫通させてサポート部材23をブリッジ14に固定するようにした。しかし、サポート部材23の機能は、サドル22を貫通孔23a1に貫通させて、サドル22とピックアップ電極24a,24b,24c,24dとの相対的位置を決めることにある。したがって、サドル22の形状及びサポート部材23の貫通孔23a1の形状は上記実施形態及び各種変形例の形状に限定されるものではない。すなわち、サドル22は、その上部から下部に向けて徐々に太くなるように(すなわち、水平断面の面積が上部から下部に向けて大きくなるように)形成し、サポート部材23にサドルの中間部の大きさに合った貫通孔を形成しておけばよい。たとえば、サドル22を円錐状、又は正五角錐状、正六角錐状などの正多角錐状に形成するとともに、サポート部材23にサドルの中間部の大きさに合った円形、又は正五角形、正六角形などの正多角形の貫通孔を設けておけばよい。
また、上記実施形態及び各種変形例においては、電極、絶縁膜、電磁シール膜などを圧電素子に積層したピックアップ電極24a,24b,24c,24dを基板21上に一体的に設けるようにした。しかし、これに代えて、市販の圧電素子を基板21上に配置するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態及び各種変形例においては、本発明に係るピックアップ装置20をギター10に適用した例について説明したが、このピックアップ装置20は、ベースギター、ヴァイオリン、マンドリン等の他の弦楽器にも適用できる。
10…ギター、14…ブリッジ、15…弦、20…ピックアップ装置、21…基板、22,31,32,33…サドル、22a,31a,32a,33a…本体部、22b,31b,32b,33b…支持溝、22c〜22f,31c〜31f,32c,32d,33c〜33e…脚部、23…サポート部材、23a1…貫通孔、24a,24b,24c,24d…ピックアップ電極、34…連結部材
Claims (7)
- 弦を支持するサドルとブリッジとの間に圧電素子を配置して弦の振動をピックアップする弦楽器のピックアップ装置において、
1つの弦に対して複数の圧電素子を設けるとともに、前記サドルの下部に前記複数の圧電素子に向けてそれぞれ下方に延びた複数の脚部を設けたことを特徴とする弦楽器のピックアップ装置。 - 請求項1に記載の弦楽器のピックアップ装置において、さらに、
前記サドルと前記圧電素子の相対的位置を決めるサポート部材を設けたことを特徴する弦楽器のピックアップ装置。 - 前記サポート部材は、導電性材料で構成されるとともに、接地されるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の弦楽器のピックアップ装置。
- 1つの弦に対して4つの圧電素子を設けるとともに、前記サドルの下部に4つの脚部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の弦楽器のピックアップ装置。
- 1つの弦に対して3つの圧電素子を設けるとともに、前記サドルの下部に3つの脚部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の弦楽器のピックアップ装置。
- 1つの弦に対して2つの圧電素子を設けるとともに、前記サドルの下部に2つの脚部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の弦楽器のピックアップ装置。
- 前記サドルを、複数の弦にそれぞれ独立に設けたことを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載の弦楽器のピックアップ装置。
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JP2012088031A JP2013218086A (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | 弦楽器のピックアップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012088031A JP2013218086A (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | 弦楽器のピックアップ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013218086A true JP2013218086A (ja) | 2013-10-24 |
Family
ID=49590253
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012088031A Pending JP2013218086A (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | 弦楽器のピックアップ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013218086A (ja) |
-
2012
- 2012-04-09 JP JP2012088031A patent/JP2013218086A/ja active Pending
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