JP5739298B2 - 弦楽器用ピックアップ - Google Patents

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本発明は、弦楽器用ピックアップに関し、特に、ポールピースに巻かれた巻線を有する弦楽器用ピックアップの改良に関する。
エレキギター、アコースティックギター等の弦楽器には、弦の振動に応じた電気信号を発生するピックアップが用いられている。ピックアップが発生した電気信号は、ギター用のオーディオシステムによって増幅や音色加工等の処理が施された後、音としてスピーカから出力される。
ピックアップには、磁性体としての弦の性質を利用し、弦の振動に基づく誘導起電力を電気信号として出力するものがある。図4にはそのようなピックアップとして、シングルコイルピックアップが示されている。図4(a)および(b)は、それぞれ、上面図および正面図を示す。シングルコイルピックアップは、6本の弦50のそれぞれの近傍から伸びる6本のポールピース52と、その6本のポールピース52に巻かれた巻線54とを備える。ここでは、ポールピース52として、それぞれから発せられる磁束の向き、すなわちそれぞれの磁極の向きを揃えて配置された棒状の永久磁石が用いられている。
弦50が振動すると、その弦50に対応するポールピース52を通る磁束が変化する。これによって、ポールピース52を通って巻線54に鎖交する磁束が弦50の振動に応じて変化し、出力端子AおよびBからは、6本の弦50の振動に応じた誘導起電力が出力される。
以下の特許文献1には、シングルコイルピックアップと、ハムバッカーピックアップとが一体に構成されたピックアップ装置が記載されている。ここで、ハムバッカーピックアップは、図4(c)に示されるように、ポールピース52が2列に配列され、ポールピース52の各列に巻線が巻かれたものである。一方の列に属するポールピース52と、他方の列に属するポールピース52とでは、磁極の向きが逆とされ、各列に巻かれた巻線は、それぞれにおいて生じるハムノイズが打ち消されるよう直列接続されている。
特開平8−202366号公報
従来のハムバッカーピックアップでは、ポールピースが2列に配列されるため、多数の部材が用いられ、構造が複雑となるという問題があった。また、1本の弦の振動が2つのポールピースにおいて検出されるため、弦の長い範囲に亘って振動が検出され、音質が劣化するという問題があった。
本発明は、簡単な構成により弦楽器用ピックアップの音響特性を向上させることを目的とする。
本発明は、弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線を有する第1ピックアップブロックと、弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線を有する第2ピックアップブロックと、を備え、第1ピックアップブロックが有する複数のポールピースと、第2ピックアップブロックが有する複数のポールピースとが、それぞれから発せられる磁束の方向を揃えて共通の基準線上に1本の弦と1つのポールピースとが対応するように、弦楽器の弦間隔に合わせて配列され、第1ピックアップブロックの巻線の巻き方向と、第2ピックアップブロックの巻線の巻き方向とが逆方向であり、第1ピックアップブロックの巻線と、第2ピックアップブロックの巻線とが直列接続されることを特徴とする。
また、本発明は、弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線をそれぞれが有する複数の第1ピックアップブロックと、弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線をそれぞれが有し、複数の第1ピックアップブロックのいずれかとそれぞれが対をなす複数の第2ピックアップブロックと、複数の第1ピックアップブロックのうちいずれか1つを選択し、複数の第2ピックアップブロックのうちいずれか1つを選択し、選択された第1ピックアップブロックの巻線および第2ピックアップブロックの巻線を直列接続する選択スイッチと、を備え、第1ピックアップブロックが有する複数のポールピースと、その第1ピックアップブロックと対をなす第2ピックアップブロックが有する複数のポールピースとが、それぞれから発せられる磁束の方向を揃えて共通の基準線上に、1本の弦と1つのポールピースとが対応するように、弦楽器の弦間隔に合わせて配列され、第1ピックアップブロックおよび第2ピックアップブロックによる複数の対は、弦の長手方向について異なる位置に配置され、各第1ピックアップブロックの巻線の巻き方向と、各第2ピックアップブロックの巻線の巻き方向とが逆方向であることを特徴とする。
また、本発明に関連する弦楽器用ピックアップは、基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線をそれぞれが有する複数の第1ピックアップブロックと、基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線をそれぞれが有し、複数の第1ピックアップブロックのいずれかとそれぞれが対をなす複数の第2ピックアップブロックと、複数の第1ピックアップブロックのうちいずれか1つを選択し、複数の第2ピックアップブロックのうちいずれか1つを選択し、選択された第1ピックアップブロックの巻線および第2ピックアップブロックの巻線を直列接続する選択スイッチと、を備え、第1ピックアップブロックが有する複数のポールピースと、その第1ピックアップブロックと対をなす第2ピックアップブロックが有する複数のポールピースとが共通の基準線上に配列され、第1ピックアップブロックおよび第2ピックアップブロックによる複数の対は、弦の長手方向について異なる位置に配置されている。
本発明によれば、簡単な構成により弦楽器用ピックアップの音響特性を向上させることができる。
第1実施形態に係る弦楽器用ピックアップの構成を示す図である。 第2実施形態に係る弦楽器用ピックアップシステムの構成を示す図である。 弦楽器用ピックアップシステムの回路図である。 シングルコイルピックアップおよびハムバッカーピックアップの構成を示す図である。
図1には、本発明の第1実施形態に係る弦楽器用ピックアップの構成が示されている。図1(a)は上面図を示し、図1(b)は正面図を示す。ただし、図1(b)における上方向は弦楽器用ピックアップから弦の側に向かう方向であり、左方向は1弦から6弦に向かう方向である。
弦楽器用ピックアップは、第1ピックアップブロック10および第2ピックアップブロック20を備え、2つのピックアップブロックによって6本の弦の振動に応じた電気信号を出力端子AおよびBから出力する。
第1ピックアップブロック10は、仮想の基準線L上に配列された3本のポールピース12、3本のポールピース12に巻かれた第1巻線14、3本のポールピース12の上端部を保持する上側固定板16、および、3本のポールピース12の下端部を保持する下側固定板18を備える。ここで基準線Lは、1弦〜6弦の長手方向に対して垂直としているが、必ずしも垂直である必要はない。基準線Lは、1弦〜6弦の長手方向に対して斜めに交差するものであってもよい。また、基準線Lは必ずしも直線でなくてもよい。第1ピックアップブロック10と第2ピックアップブロック20との間で、屈折するものであってもよいし、第1ピックアップブロック10から第2ピックアップブロック20にかけて曲線を描くものであってもよい。
3本のポールピース12は、棒状の永久磁石によって形成され、磁極の向きを揃えて弦の間隔に合わせて配置されている。図1(b)においては、各ポールピース12のS極は上方に向けられ、N極は下方に向けられている。3本のポールピース12のそれぞれの上端面は、各ポールピース12に対応する1弦〜3弦を臨んでいる。
第1巻線14は、絶縁材料で被覆された導線を、3本のポールピース12に巻き付けたものである。本実施形態においては、ボビン等を介さず、3本のポールピース12に導線が直接巻き付けられている。第1巻線14の一端は出力端子Aに接続され、第1巻線14の他端は、第2ピックアップブロック20が備える第2巻線24の一端に接続されている。
上側固定板16および下側固定板18は、プラスチック樹脂、ガラス、紙、木等の非磁性材料で形成されている。上側固定板16は、各ポールピース12の上端部を貫通させ保持している。下側固定板18は、各ポールピース12の下端部を保持している。
第2ピックアップブロック20は、第1ピックアップブロック10と共通の基準線L上に配列された3本のポールピース22、3本のポールピース22に巻かれた第2巻線24、3本のポールピース22の上端部を保持する上側固定板26、および3本のポールピース22の下端部を保持する下側固定板28を備える。ここで、基準線Lを、第1ピックアップブロック10を通る区間と、第2ピックアップブロック20を通る区間とを弦の長手方向にずらしたクランク形状とし、第1ピックアップブロック10のポールピース12および第2ピックアップブロック20のポールピース22をオフセットさせてもよい。
3本のポールピース22は、棒状の永久磁石によって形成され、磁極の向きを揃えて弦の間隔に合わせて配置されている。この磁極の向きは、第1ピックアップブロック10が備える各ポールピース12の磁極の向きと同一とする。本実施形態においては、各ポールピース22のS極は上方に向けられ、N極は下方に向けられている。3本のポールピース22のそれぞれの上端面は、各ポールピース22に対応する4弦〜6弦を臨んでいる。また、第2ピックアップブロック20に属するポールピース22のうち、最も第1ピックアップブロック10寄りのものと、第1ピックアップブロック10に属するポールピース12のうち、最も第2ピックアップブロック20寄りのものとの間隔は、3弦および4弦の間隔に合わせた間隔とする。
第2巻線24は、絶縁材料で被覆された導線を、3本のポールピース22に巻き付けたものである。本実施形態においては、ボビン等を介さず、3本のポールピース22に導線が直接巻き付けられている。
第2巻線24の一端は、第1巻線14の一端に接続され、第2巻線24の他端は出力端子Bに接続されている。これによって、第1巻線14および第2巻線24は、巻き方向を逆にしつつ直列接続される。
第1巻線14および第2巻線24の巻き方向を、ポールピースの長手方向を上から下に見て右回りであるか、左回りであるかに基づき定義するものとすれば、第2巻線24の巻き方向は、第1巻線14の巻き方向とは逆方向とする。例えば、第1巻線14の巻き方向を上から見て右回りとした場合には、第2巻線24の巻き方向は、上から見て左回りとする。また、第1巻線14の巻き方向を上から見て左回りとした場合には、第2巻線24の巻き方向は、上から見て右回りとする。
第2巻線24の巻き回数は、第1巻線14の巻き回数と同一とする。ただし、第1ピックアップブロック10のポールピース12の磁気的特性(磁力、透磁率等)と、第2ピックアップブロック20のポールピース22の磁気的特性とが異なる場合には、磁気的特性の相違に応じて第1巻線14の巻き回数と、第2巻線24の巻き回数とに違いを持たせ、各巻線で発生する誘導起電力のばらつきを抑えることとしてもよい。
第1巻線14および第2巻線24の線径は、音質に応じて決定してもよい。例えば、線径を太くすることにより高音域が伸びることが多く、線径を細くすることで低音域が押し上げられることが多い。
上側固定板26および下側固定板28は、プラスチック樹脂、ガラス、紙、木等の非磁性材料で形成されている。上側固定板26は、各ポールピース22の上端部を貫通させ保持している。下側固定板28は、各ポールピース22の下端部を保持している。
なお、図1(b)は、第1巻線14および第2巻線24が外部に露出した構成を示しているが、これらの巻線は、プラスチック樹脂等で形成された筐体や、テープで覆われていてもよい。
また、第1ピックアップブロック10の上側固定板16と、第2ピックアップブロック20の上側固定板26とを一体化してもよいし、第1ピックアップブロック10の下側固定板18と、第2ピックアップブロック20の下側固定板28とを一体化してもよい。さらに、第1ピックアップブロック10および第2ピックアップブロック20は、各ポールピースの上端面を露出しつつ、1つの筐体にまとめて収納してもよい。この筐体は、広く市販されているピックアップと取り替え可能な形状としてもよい。
次に、弦楽器用ピックアップの動作について説明する。第1ピックアップブロック10に対応する1弦〜3弦のいずれかが振動すると、振動した弦に対応するポールピース12を通る磁束が変化する。これによって、そのポールピース12を通って第1巻線14に鎖交する磁束が弦の振動に応じて変化し、第1巻線14の両端には、1弦〜3弦の振動に応じた誘導起電力が現れる。
また、第2ピックアップブロック20に対応する4弦〜6弦のいずれかが振動すると、振動した弦に対応するポールピース22を通る磁束が変化する。これによって、そのポールピース22を通って第2巻線24に鎖交する磁束が弦の振動に応じて変化し、第2巻線24の両端には、弦の振動に応じた誘導起電力が現れる。
上記のように第1巻線14および第2巻線24は直列接続されている。そのため、第1巻線14および第2巻線24のそれぞれにおいて発生した誘導起電力、すなわち、1弦〜6弦の振動に基づく誘導起電力は出力端子AおよびBから出力される。
また、ノイズ電磁波が到来することにより、第1巻線14および第2巻線24のそれぞれには、ハムノイズとしてノイズ電圧が誘起される。本実施形態に係る弦楽器用ピックアップにおいては、第1巻線14の巻き方向と、第2巻線24の巻き方向とは逆方向である。そのため、出力端子Bを基準として接続節点Cに現れる第2巻線24のノイズ電圧と、接続節点Cを基準として出力端子Aに現れる第1巻線14のノイズ電圧とは逆位相となり、それぞれの巻線は誘起されたノイズ電圧を互いに抑制し合う。これよって、本実施形態に係る弦楽器用ピックアップは、ハムバッカーピックアップとして動作し、出力端子AおよびBに現れるノイズ電圧が低減される。
このように、本実施形態に係る弦楽器用ピックアップによれば、簡単な構成によってハムノイズが低減される。また、巻線をポールピースに直接巻くことで、ボビン等を介する場合に比較して、弦の振動がより忠実に誘導起電力に変換される。さらに、第1ピックアップブロック10のポールピース12の磁極の向きと、第2ピックアップブロック20のポールピース22の磁極の向きとを同一方向とすることで、3弦および4弦による誘導起電力が打ち消されることが回避される。
また、図4(c)に示されるような従来のハムバッカーピックアップでは、ポールピースの列間に振動の節がある振動成分を検出することが困難であり、音質が劣化するという問題があった。本実施形態に係る弦楽器用ピックアップによれば、1列に配列されたポールピースによって弦の振動が検出されるため、このような音質劣化が抑制される。
次に、本発明の第2実施形態に係る弦楽器用ピックアップシステムについて説明する。図2には、本実施形態に係る弦楽器用ピックアップシステムをエレキギターに取り付けたときの構成が示されている。このシステムは、エレキギターの弦における3つの異なるピックアップ位置P1〜P3のそれぞれに、第1ピックアップブロックおよび第2ピックアップブロックの対を配置したものである。図2に示されるように、3個の第1ピックアップブロック10−1〜10−3は、1弦〜3弦の3つのピックアップ位置P1〜P3にそれぞれ配置されている。そして、これらの第1ピックアップブロックと対をなす3個の第2ピックアップブロック20−1〜20−3は、4弦〜6弦の3つの位置P1〜P3にそれぞれ配置されている。
第1選択スイッチ30は、第1ピックアップブロック10−1〜10−3のうち、1弦〜3弦の振動検出に使用するものを1つ選択する。第2選択スイッチ32は、第2ピックアップブロック20−1〜20−3のうち、4弦〜6弦の振動検出に使用するものを1つ選択する。第1選択スイッチ30によって選択された第1ピックアップブロックの第1巻線と、第2選択スイッチ32によって選択された第2ピックアップブロックの第2巻線とは直列接続される。
ジャック34には、オーディオシステムに至るケーブルのプラグが差し込まれる。ジャック34からは、第1選択スイッチ30および第2選択スイッチ32によって選択され直列接続された第1ピックアップブロックと第2ピックアップブロックの誘導起電力が、電気信号として出力される。
図3には、弦楽器用ピックアップシステムの回路図が示されている。この回路図においては、第1ピックアップブロック10−1〜10−3について、それぞれ、第1巻線14−1〜14−3およびポールピース12が描かれている。また、第2ピックアップブロック20−1〜20−3について、第2巻線24−1〜24−3およびポールピース22が描かれている。
第1選択スイッチ30は、基準端子T0、選択端子T1〜T6、および基準端子T7を備える。第1選択スイッチ30の操作により、基準端子T0は、切片40によって選択端子T1〜T3のうちいずれか1つに接続される。同時に、選択端子T4〜T6のうちいずれか1つは、もう一つの切片42によって基準端子T7に接続される。第1選択スイッチ30の切片40が、基準端子T0と選択端子T1〜T3のうちいずれか1つとを接続する動作と、第1選択スイッチ30の切片42が、選択端子T4〜T6のうちいずれかと基準端子T7とを接続する動作とは連動する。第1選択スイッチ30には、ロータリスイッチを用いてもよい。
第2選択スイッチ32は、基準端子U0、および選択端子U1〜U3を備える。第2選択スイッチ32の操作により、基準端子U0は、切片44により選択端子U1〜U3のうちいずれか1つに接続される。第2選択スイッチ32には、ロータリスイッチを用いてもよい。以下においては、接地導体G、第2巻線24−1〜24−3、第2選択スイッチ32、第1選択スイッチ30、第1巻線14−1〜14−3、およびジャック34の順に、これらの接続構成について説明する。
第2巻線24−1〜24−3のそれぞれの一端は、接地導体Gに接続されている。第2巻線24−1〜24−3のそれぞれの他端は、第2選択スイッチ32の選択端子U1〜U3にそれぞれ接続されている。第2選択スイッチ32の基準端子U0は、第1選択スイッチ30の基準端子T0に接続されている。
第1巻線14−1〜14−3のそれぞれの一端は、第1選択スイッチ30の選択端子T1〜T3にそれぞれ接続されている。第1巻線14−1〜14−3のそれぞれの他端は、第1選択スイッチ30の選択端子T4〜T6にそれぞれ接続されている。第1選択スイッチ30の基準端子T7は、ジャック34の信号端子36に接続されている。ジャック34の接地端子38は接地導体Gに接続されている。
次に、弦楽器用ピックアップシステムの動作について説明する。第1選択スイッチ30の操作により、その切片40は、選択端子T1〜T3のうちいずれか1つと基準端子T0とを接続する。これに連動して、もう一つの切片42は、選択端子T4〜T6のうちいずれか1つと基準端子T7とを接続する。例えば、第1ピックアップブロック10−2を選択する操作がなされた場合には、切片40は、選択端子T2と基準端子T0とを接続し、もう一つの切片42は、選択端子T5と基準端子T7とを接続する。
第2選択スイッチ32の操作により、その切片44は、選択端子U1〜U3のうちいずれか1つと基準端子U0とを接続する。例えば、第2ピックアップブロック20−2を選択する操作がなされた場合には、切片44は、選択端子U2と基準端子U0とを接続する。
これによって、第1選択スイッチ30によって選択された第1ピックアップブロックの第1巻線と、第2選択スイッチ32によって選択された第2ピックアップブロックの第2巻線とが直列接続される。
第1実施形態に係る弦楽器用ピックアップと同様の原理により、第1選択スイッチ30によって選択された第1ピックアップブロックの第1巻線の両端には、1弦〜3弦の振動に応じた誘導起電力が現れる。そして、第2選択スイッチ32によって選択された第2ピックアップブロックの第2巻線の両端には、4弦〜6弦の振動に応じた誘導起電力が現れる。これによって、第1巻線および第2巻線のそれぞれにおいて発生した誘導起電力、すなわち、1弦〜6弦の振動に基づく誘導起電力がジャック34の信号端子36から出力される。
本実施形態においては、第1巻線14−1〜14−3の巻き方向と、第2巻線24−1〜24−3の巻き方向は逆方向である。そのため、接地導体Gを基準として基準端子U0およびT0に現れる第2巻線のノイズ電圧と、基準端子U0およびT0を基準としてジャック34の信号端子36に現れる第1巻線のノイズ電圧とは逆位相となり、第1巻線および第2巻線は、誘起されたノイズ電圧を互いに抑制し合う。これよって、ジャック34の信号端子36と接地端子38との間に現れるノイズ電圧が低減される。
さらに、本実施形態に係る弦楽器用ピックアップシステムによれば、以下に説明する原理に基づき、ユーザは弦の振動検出に使用するピックアップブロックを適宜選択し、音色を選択することができる。
弦の振動には、基本振動の他、複数の高次振動が含まれる。そして、弦の位置によって各振動成分の割合が異なるため、振動を検出する位置によって検出される音色が異なる。例えば、弦の固定端から弦の長さの4分の1だけ離れた位置では、4次振動成分(4倍音)が小さくなる。演奏家の間では、固定端に近い位置で振動が検出された場合にはシャープな音が発せられ、固定端から遠い位置で振動が検出された場合にはマイルドな音が発せられるといわれている。
ここで、第1ピックアップブロック10−1〜10−3は、1弦〜3弦の異なる3つの位置P1〜P3にそれぞれ配置され、第2ピックアップブロック20−1〜20−3は、4弦〜6弦の異なる3つの位置P1〜P3にそれぞれ配置されている。したがって、1弦〜3弦については、音色の異なる第1ピックアップブロック10−1〜10−3のうちいずれか1つを選択して振動を検出し、4弦〜6弦については、音色の異なる第2ピックアップブロック20−1〜20−3のうちいずれか1つを選択して振動を検出することができる。これによって、ユーザは、1弦〜3弦の音色と、4弦〜6弦の音色とを独立に設定することができる。
なお、上記では、各第1ピックアップブロックの第1巻線の巻き方向と、各第2ピックアップブロックの第2巻線の巻き方向とを逆方向とし、ハムバッカーピックアップとして機能させる例について説明した。ここで、1弦〜3弦の音色と、4弦〜6弦の音色とを独立に設定するという機能のみが必要であり、ハムバッカーピックアップとしての機能が必要でない場合には、各第1ピックアップブロックの第1巻線の巻き方向と、各第2ピックアップブロックの第2巻線の巻き方向とを同一としてもよい。
また、上記の第1および第2実施形態としては、6本の弦を有する弦楽器に用いられる弦楽器用ピックアップおよび弦楽器用ピックアップシステムについて採り上げた。本発明は、弦の本数が6本ではない弦楽器に用いてもよい。この場合、弦の本数に応じた数のポールピースを設ける。例えば、4本の弦を有するベースギターでは、第1ピックアップブロックおよび第2ピックアップブロックのそれぞれに2本のポールピースを設け、合計4本のポールピースを設ける構成とすればよい。
1〜6,50 弦、10,10−1〜10−3 第1ピックアップブロック、12,22,52 ポールピース、14,14−1〜14−3 第1巻線、16,26 上側固定板、18,28 下側固定板、20,20−1〜20−3 第2ピックアップブロック、24,24−1〜24−3 第2巻線、30 第1選択スイッチ、32 第2選択スイッチ、34 ジャック、36 信号端子、40,42,44 切片、54 巻線、L 基準線、A,B 出力端子、C 接続節点、P1〜P3 ピックアップ位置、T1〜T6,U1〜U3 選択端子、T0,T7,U0 基準端子、G 接地導体。

Claims (2)

  1. 弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線を有する第1ピックアップブロックと、
    弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線を有する第2ピックアップブロックと、を備え、
    第1ピックアップブロックが有する複数のポールピースと、第2ピックアップブロックが有する複数のポールピースとが、それぞれから発せられる磁束の方向を揃えて共通の基準線上に1本の弦と1つのポールピースとが対応するように、弦楽器の弦間隔に合わせて配列され、
    第1ピックアップブロックの巻線の巻き方向と、第2ピックアップブロックの巻線の巻き方向とが逆方向であり、
    第1ピックアップブロックの巻線と、第2ピックアップブロックの巻線とが直列接続されることを特徴とする弦楽器用ピックアップ。
  2. 弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線をそれぞれが有する複数の第1ピックアップブロックと、
    弦楽器の各弦に交差する基準線上に配列された複数のポールピース、および、その複数のポールピースの周りに巻かれた巻線をそれぞれが有し、複数の第1ピックアップブロックのいずれかとそれぞれが対をなす複数の第2ピックアップブロックと、
    複数の第1ピックアップブロックのうちいずれか1つを選択し、複数の第2ピックアップブロックのうちいずれか1つを選択し、選択された第1ピックアップブロックの巻線および第2ピックアップブロックの巻線を直列接続する選択スイッチと、を備え、
    第1ピックアップブロックが有する複数のポールピースと、その第1ピックアップブロックと対をなす第2ピックアップブロックが有する複数のポールピースとが、それぞれから発せられる磁束の方向を揃えて共通の基準線上に、1本の弦と1つのポールピースとが対応するように、弦楽器の弦間隔に合わせて配列され、
    第1ピックアップブロックおよび第2ピックアップブロックによる複数の対は、弦の長手方向について異なる位置に配置され、
    各第1ピックアップブロックの巻線の巻き方向と、各第2ピックアップブロックの巻線の巻き方向とが逆方向であることを特徴とする弦楽器用ピックアップ。
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