これより、本発明のすべてではなくいくつかの実施形態が示される添付図面を参照して、本発明についてより完全に以下に説明する。実際に、これらの発明は多くの異なる形態で具現することができ、本明細書において説明される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同じ参照符号は全体を通して同じ要素を指す。
本発明を、本発明の実施形態によるシステム、方法、装置、及びコンピュータプログラム製品のブロック図を参照して以下に説明する。ブロック図内の各ブロック及びブロック図内のブロックの組み合わせをそれぞれ、コンピュータプログラム命令によって実施することができることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードして、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行される命令が、以下の説明において詳述されるブロック図の各ブロック又はブロック図内のブロックの組み合わせの機能を実施する手段を生み出すことができる。
これらのコンピュータプログラム命令は、特定の様式で機能するようにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に指示することができる、コンピュータ可読メモリに記憶することもできる。それによって、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、1つ又は複数のブロック内で指定される機能を実施する命令手段を含む製品を生み出す。
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされ、一連の動作ステップがコンピュータ又は他のプログラマブル処理装置で実行されて、コンピュータ又は他のプログラマブル装置で実行される命令が1つ又は複数のブロック内で指定される機能を実施するステップを提供するようにコンピュータ実施プロセスを生成してもよい。
したがって、ブロック図のブロックは、指定された機能を実行する手段の組み合わせ、指定された機能を実行するステップの組み合わせ、及び指定された機能を実行するプログラム命令手段をサポートする。ブロック図の各ブロック及びブロック図内のブロックの組み合わせを、特定の機能又はステップを実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施することができることも理解されよう。
本発明は、コンピュータのオペレーティングシステム上で実行中のアプリケーションプログラムを通じて実施することができる。本発明は、手持ち式装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの消費者電子機器又はプログラマブル消費者電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等を含む他のコンピュータシステム構成を用いて実施することもできる。
本発明の構成要素であるアプリケーションプログラムは、特定の抽象データ型を実装し、特定のタスク、動作、又はタスクを実行するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含むことができる。分散演算環境では、アプリケーションプログラムは{全体的又は部分的に)、ローカルメモリ又は他の記憶装置に配置することができる。付加的に、又は代替的に、アプリケーションプログラムは(全体的又は部分的に)、リモートメモリ又は記憶装置に配置してもよく、これによって、タスクが通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理装置によって実行される本発明の実施が可能になる。本発明の例示的な実施形態について、図を参照して以下に説明する。同じ参照符号はいくつかの図面を通して同じ要素を示す。
誤配線及びワイヤ故障について電気ワイヤ又は電気配線システムを監視するシステム及び方法が開示される。アクティブ安全装置(ASD)を利用して、電気ワイヤの通電前、電気ワイヤの通電中、及び電気ワイヤの通電後に電気ワイヤに対してテストを実行することができる。誤配線又はワイヤ故障が電気ワイヤの通電前にASDによって識別又は検出される場合、電気ワイヤの通電を回避することができる。誤配線又はワイヤ故障が電気ワイヤの通電中又は通電後にASDによって識別又は検出される場合、電気ワイヤへの通電を解除することができる。ASDが、例えば、商業配線及び/又は家屋配線との併用のような多くの異なる種類の用途に利用できることが理解されよう。一例として、ASDは、家又は商業若しくは産業の現場に敷設された電気配線の監視に利用することができる。監視される電気配線は、建設時又は改装プロジェクト中にその場所に敷設される配線であることができる。
これより図1を参照して、本発明の例示的な実施形態による、フラット電気ワイヤシステム101において実施されるアクティブ安全装置(ASD)100を示す。フラット電気ワイヤシステム101は、ソース装置103と、フラットワイヤ105と、ライン側電源115と、宛先装置117と、負荷側宛先125とを含むことができる。ソース装置103は、ASD100と、ソースモジュール110とを含むことができる。宛先装置117は、宛先モジュール120と、拡張モジュール122とを含むことができる。本開示の目的で、ASD100は、より詳細に後述するように、反応型安全構成要素及び/又は能動型安全構成要素、回路、及び/又は回路網を含む、本発明による電気安全装置、回路、又はモジュールである。例えば、いくつかの商業用の実施形態のようないくつかの実施形態では、ソース装置103及びそれに関連付けられる構成要素、回路網、及びモジュールをASDとして設計することができることが理解されよう。本明細書において説明する例示的な実施形態はフラット電気ワイヤに関連するものであるが、本発明の実施形態によるASD100は、本明細書において開示される教示に基づく細長い円柱形の導体を含む、電気ワイヤのような従来の電気配線にも等しく適用可能である。
様々なフラットワイヤを本発明の実施形態によるASD100と併せて使用することができる。フラットワイヤ105は、フラット電気ワイヤ、又は、スピーカワイヤ、電話回線、低電圧ワイヤ、CATVワイヤ、若しくは表面下ワイヤ(under surface wire)のよな他のフラットワイヤであることができる。フラットワイヤ105は通常、積層、平坦多層、若しくは保護層状構成、又は平行若しくは同じ平面内に複数の導体を有する同一平面構成で構成することができる複数のフラット導体で構成される。さらに、フラットワイヤ105の導体は、複数の導電性の隣接した又は非絶縁性の下位層又はフラットストランドを含むことができる。フラットワイヤ105は1つ又は複数の光ファイバを含むこともできる。本発明のASD100によって使用することができるフラットワイヤの一例は、「Electrical Wire and Method of Fabricating the Electrical Wire」と題する米国特許出願第10/790,055号(米国特許出願公開公報第2005/0042942号)に記載されており、参照によりその全体を本明細書に援用する。本発明のASD100によって使用することができるフラットワイヤの他の例は、「Flat Surface-Mounted Multi-Purpose Wire」と題する米国特許第5,804,768号と、「Flat Surface-Mounted Multi-Purpose Wire」と題する米国特許第6,107,577号と、「Flat Surface-Mounted Multi-Purpose Wire」と題する米国特許第6,492,595号と、「Non-uniform Transmission Line and Method of Fabricating the Same」と題する米国特許第6,774,741号に開示されるフラットワイヤとを含むが、これらに限定されない。これらの特許文献の開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
図2は、本発明の例示的な実施形態による、ASD100と併せて使用することができる平坦多層フラットワイヤ105の断面図である。図2のフラットワイヤ105は、積層導体を有する電気フラットワイヤであることができる。少なくとも1つの通電可能導体205(すなわち、ホット導体)を2つの帰線210、215(すなわち、中性線)の間に配置することができ、2つの帰線210、215は、通電可能導体205を第1の帰線210及び第2の帰線215によって実質的に閉じ込めるように形成することができる。実質的に閉じ込めるという用語は、異物(例えば、釘、ネジ、ステープル等)が最初に帰線210、215のうちの一方に接触せずには通電可能導体205に接触し得ない状況を指すために利用することができる。実質的に閉じ込めるという用語は、帰線210、215が通電可能導体205を完全に囲むことを必ずしも意味しない(が、そのような設計も可能である)。むしろ、この用語は、帰線210と215との間の任意の距離を、異物が帰線210、215のうちの一方又は両方に接触せずには帰線210、215と通電可能導体205との間に無理なく進み得ないように十分に小さくすることができることを意味し得る。
図2を引き続き参照すると、2つの接地線220、225をフラットワイヤ105に含むことができる。フラットワイヤ105の様々な導体は、通電可能導体205が2つの帰線210、215の間に配置され、且つ3導体構成が2つの接地線220、225の間に挟まれるような積層構成で組み立てることができる。この構成をG−N−H−N−G構成と呼ぶことができる。
さらに、絶縁材料をフラットワイヤ105の導体のそれぞれの間に配置することができる。絶縁材料は、フラットワイヤ105の様々な導体が互いに接触して、フラットワイヤ105内で短絡を発生させるのを防ぐことができる。通電可能導体絶縁材料230が通電可能導体205を取り囲み、通電可能導体205がフラットワイヤ105の他の導体と電気的に接触することを防ぐことができる。さらに、帰線絶縁材料235を、帰線210、215と、対応する接地線220、225との間に配置して、第1の帰線210が対応する第1の接地線220に接触するのを防ぐと共に、第2の帰線215が対応する第2の接地線225に接触するのを防ぐ。接地線絶縁体240を第1の接地線220及び第2の接地線225に対向して配置することができ、接地線絶縁体240は、接地線220、225が、フラットワイヤ105の外部の物体又は表面に接触するのを防ぐことができる。
代替的に、フラットワイヤ105の各導体を個々に絶縁材料で包むことができる。この代替の構成では、通電可能導体絶縁材料230は通電可能導体205の両側に配置されて、通電可能導体205を帰線210、215から分離する。帰線絶縁材料235は帰線210、215のそれぞれの両側に配置されて、帰線210、215を通電可能導体205及び接地線220、225から分離する。接地線絶縁材料240は接地線220、225のそれぞれの両側に配置されて、接地線220、225を帰線210、215及びフラットワイヤ105の外部のあらゆる物体又は表面から分離する。代替の構成では、2層の絶縁材料がフラットワイヤ105の任意の2つの導体の間に配置され、それによって、フラットワイヤ105の導体間の短絡の可能性を低減する。換言すれば、フラットワイヤ105の2つの導体間の短絡は、その2つの導体の間の絶縁材料に傷がある場合に存在する。例えば、1層のみの絶縁材料がフラットワイヤ105の導体のそれぞれの間に配置される場合、通電可能導体205と一方の帰線210との間に配置される絶縁材料に傷があるとき、短絡が発生し得る。しかし、フラットワイヤ105の導体のそれぞれが絶縁材料で個々に包まれる場合、2つの導体間に配置される両方の絶縁層に傷が存在する必要があり、且つ傷が互いに並ぶ、又は互いに近傍にある必要があるため、2つの導体間の短絡の危険性は低減される。例えば、短絡が通電可能導体205と帰線210の一つとの間に発生するには、傷が2つの導体間に配置される通電可能導体絶縁材料230及び帰線絶縁材料235の両方に存在しなければならない。さらに、これらの傷は互いに並ぶか、又は互いに近傍にある必要がある。
5芯導体積層フラットワイヤを図2に示すが、ASD100は多くの異なる導体構成を有するフラットワイヤの監視に利用することができることが理解されよう。例えば、広範囲の積層導体構成を有するフラットワイヤをASD100によって監視することができる。一例として、積層構成を有する3芯導体フラットワイヤをASD100によって監視することができる。3芯導体フラットワイヤは、第1の帰線及び第2の帰線によって実質的に閉じ込められている通電可能導体を含むことができ、3芯導体構成はN−H−N構成と呼ぶことができる。さらに、平行又は同一平面構成を含むさまざまなフラットワイヤの実施形態をASD100によって監視することができる。例えば、同一平面構成を有する3芯導体フラットワイヤをASD100によって監視することができる。3芯導体同一平面フラットワイヤは、同じ平面内で平行構成で配置される通電可能導体、帰線、及び接地線を含むことができる。
再び図1を参照すると、フラットワイヤシステム101では、フラットワイヤ105はソースモジュール110を通じてASD100に接続することができる。ソースモジュール110は、ASD100から物理的に別個であってもよく、又は代替的に、ASD100に統合してもよい。ソースモジュール110は、フラットワイヤ105とASD100との間の機械的又は電気機械的な接続として機能することができる。フラットワイヤ105の様々な導体は、ソースモジュール110において終端することができる。ソースモジュール110内の終端ポイントは、端子台、クリンプ端子、プラグ−ソケットコネクタ、絶縁変位コネクタ(IDC)、導体貫通コネクタ(conductor penetration connectors)(CPC)、又は当業者に理解されるような任意の他の適した電気コネクタを含むことができる。1つ又は複数の適切な検出装置を利用して、ソースモジュール110がASD100に接続されていること、及び/又は終端ポイントがソースモジュール110に接続されていることを検証できることが理解されよう。例えば、ソースモジュール110及び/又は終端ポイントの存在を検出するために、接地ピン又はプラグは、ソースモジュール110及び/又は終端ポイントを通じて延在してもよい。別の例として、光学検出装置を利用してもよい。さらに、検出装置の組み合わせを利用してもよいことが理解されよう。
ASD100は、ライン側電源115に接続することもできる。ライン側電源115は、回路ボックスからの電線、従来の壁内電気ワイヤ、フラット電気ワイヤ、又は電力を送達することが可能な任意の他の電気ワイヤを含む任意の標準電源であることができる。フラットワイヤ105分岐回路用途では、ライン側電源115は典型的な壁取り付け式又は壁内の電源出力又は電源コンセントであることができる。通常、ライン側電源115は、約110〜130VAC又は約220〜250VACの電圧を搬送する。
ライン側電源115は、ソース装置103と物理的に別個であってもよく、又は代替的に、ソース装置103に統合してもよい。例えば、従来の壁内電気ワイヤがソース装置103に直接接続されている場合、ライン側電源115はソース装置103とは物理的に別個である。代替的に、ソース装置103が、例えば標準の電気出力に挿入することができる従来の三叉プラグを含む状況では、ライン側電源115はソース装置103に統合することができる。
さらに図1を参照すると、フラットワイヤ105は、ソースモジュール110と1つ又は複数の宛先装置117との間に接続を形成することができる。1つ又は複数の宛先装置117は、宛先モジュール120と、拡張モジュール122とを含むことができる。ソースモジュール110とかなり類似するように、宛先モジュール120は、フラットワイヤ105と宛先装置117との間の機械的又は電気機械的な接続として機能することができる。フラットワイヤ105の様々な導体は、宛先モジュール120において終端することができる。宛先モジュール120内の終端ポイントは、端子台、クリンプ端子、プラグ−ソケットコネクタ、絶縁変位コネクタ(IDC)、導体貫通コネクタ(CPC)、又は当業者に理解されるような任意の他の電気コネクタを含むことができる。
拡張モジュール122を宛先装置117内に含めることができ、拡張モジュール122は、宛先装置117と負荷側宛先125との間の機械的又は電気機械的接続として機能することができる。負荷側宛先125は、電源出力若しくはコンセント、有線装置、端子台、安全構成要素、「フライングリード」、又は当業者に理解されるような任意の他の負荷側接続を含むことができる。負荷側宛先125を拡張モジュール122に接続するために使用される拡張モジュール122内の終端ポイントは、端子台、クリンプ端子、プラグ−ソケットコネクタ、絶縁変位コネクタ(IDC)、導体貫通コネクタ(CPC)、又は当業者に理解されるような任意の他の電気コネクタを含むことができる。負荷側宛先を、拡張モジュール122に接続することの代替形態として、宛先モジュール120に接続してもよいことも当業者には理解されよう。
負荷側宛先125は、宛先装置117と物理的に別個であってもよく、又は代替的に、宛先装置117に統合してもよい。例えば、ランプのような電気装置が宛先装置117に直結された場合、負荷側宛先125は宛先装置117から物理的に分離している。代替的に、宛先装置117が1つ又は複数の電気ソケットを含む状況では、負荷側宛先125を宛先装置117に統合することができる。宛先装置117は、電気プラグを受けるように構成された任意の数の電気ソケットを含むことができる。例えば、宛先装置117は、負荷側宛先125として機能する1つ、2つ、3つ、又は4つのソケットを含むことができる。
さらに、拡張モジュール122を使用して、宛先装置117と第2の宛先装置との間に機械的又は電気機械的接続を形成することができ、これについては図18を参照してより詳細に後述する。このような実施形態では、例えば、第2のフラットワイヤ105を拡張モジュール122に接続して使用し、拡張モジュール122と第2の宛先装置との間に接続を形成することができる。拡張モジュール122内の終端ポイントは、端子台、クリンプ端子、プラグ−ソケットコネクタ、絶縁変位コネクタ(IDC)、導体貫通コネクタ(CPC)、又は当業者に理解されるような任意の他の電気コネクタを含むことができる。
より詳細に後述するように、さらに、宛先装置117は、フラットワイヤ105を介してソースモジュール110を通じてASD100と通信することが可能であり得る。宛先装置117は、第2のフラットワイヤ105を介して拡張モジュール122を通じて第2の宛先装置と通信することも可能とすることができ、これについては図15を参照してより詳細に後述する。
図3は、本発明の例示的な実施形態によるソース装置103の構成要素のブロック図である。ASD100は、ライン側入力305と、1つ又は複数のリレー310と、フラットワイヤI/Oインタフェース311と、制御ユニット312と、GFCI構成要素315、AMC構成要素320、過電流保護構成要素325、接地電流監視構成要素330、ライン側ワイヤ完全性(line side wire integrity)構成要素335、及び負荷側ワイヤ完全性(load side wire integrity)構成要素340のうちの1つ又は複数を含むさまざまな安全構成要素とを含むことができる。
ASD100は電源によって給電することができ、電源はライン側入力305においてASD100に接続することができる。例えば、ライン側電源115をASD100のライン側入力305に接続して、電力をASD100に提供することができる。さらに、1つ又は複数のリレー310が、電源からASD100を通じてソースモジュール110への、電力信号であり得る電気信号の流れを制御することができる。1つ又は複数のリレー310のそれぞれは、例えば、2極単投(DPST)リレーであることができる。ASD100が、1つ又は複数の単極単投(SPST)リレー、1つ又は複数の単極双投(SPDT)リレー、1つ又は複数の単極切替/センターオフリレー(single pole changeover or center off relay)(SPCO)、1つ又は複数の双極双投リレー(DPDT)、又は1つ又は複数の双極切替/センターオフリレー(double pole changeover or center off relay)(DPCO)を含むがこれらに限定されない多くの他のリレーを使用してもよいことが理解されよう。
ASD100は、単一(共通又は主)リレー310を含んでもよく、又はASD100内に他の適した構成で複数のリレーを含んでもよい。例えば、ASD100の各安全構成要素は従属するリレー又は専用のリレーを含んでもよく、又は代替的に、ASD100のさまざまな構成要素は共通又は主リレー310を共有してもよい。別の例として、別個のリレーを、ソースモジュール110に接続されているフラットワイヤ105の様々な導体に提供することができる。例えば、第1のリレーを通電可能導体205に提供することができ、第2のリレーを帰線210、215に提供することができる。リレーのそれぞれは互いに独立して作動してもよく、又は代替として、複数のリレーをまとめて作動させてもよい。ASD100が1つ又は複数のリレーを利用して、電力信号をフラットワイヤ105の通電可能導体205に提供せずにテスト信号をフラットワイヤ105に通信できることが理解されよう。例えば、図11を参照してより詳細に後述するように、第2のリレーを利用して、テスト信号をフラットワイヤ105の帰線210、215に通信することができ、そして、ASD100は、誤配線及び/又はワイヤ故障についてフラットワイヤ105を監視することができる。ASD100が、誤配線及び/又はワイヤ故障がフラットワイヤ105に一切存在しないと判断する場合、ASD100は第1のリレーを利用して、電力信号を通電可能導体105のみに通信させることができる。本開示において別記しない限り、簡潔にするために、フラットワイヤ105の通電可能導体105への電力信号の通信を制御するために利用される単一のリレー310を含むASD100を参照することにする。
共通又は主リレーとも呼ばれる単一のリレー310を使用する例示的な実施形態では、ASD100は、リレー310を開位置又は閉位置のいずれかに維持することができる。リレー310が閉位置に維持される場合、電力をライン側電源115からASD100を通じてソースモジュール110に流すことができる。図3に示すように、ASD電線350をASD100内に含み、電力をライン側入力305からASD100を通じてソースモジュール110に搬送することができる。しかし、電力が、例えばASD100のさまざまな個々の安全構成要素のような、ASD電線350以外の回路を介してASD100を通じて伝搬することもできることが理解されよう。ASD電線350は、本発明の理解を容易にするために簡潔にする目的で本開示に含まれる。ソースモジュール110から、電力は次にフラットワイヤ105に送られ、そして宛先モジュール120に送達することができる。
代替的に、リレー310が開位置に維持される場合、電気信号はライン側電源115からASD100を通じてソースモジュール110まで流れることができない。ASD100は、有利には、リレー310をデフォルトで開位置に維持するように構成することができる。開位置にデフォルト設定することによって、ASD100は、フラットワイヤシステム101の完全な通電又は通電前に、フラットワイヤシステム101に故障が一切存在しないことを保証することができる。したがって、ASD100が電源を失った場合は常に、リレー310が開位置にないときには、リレー310を開位置に切り替えて、ASD100がフラットワイヤシステム101に対してテストを実行できるようにすることができる。
本発明の一態様によれば、リレー310はゼロ交差回路の部分であることができる。代替的に、ゼロ交差回路は制御ユニット312の部分であってもよく、制御ユニット312は、交流電流電力信号のような電力信号をライン側入力305から受け取り、(120VAC、24VDC、又は12VDC信号のような)コイル制御信号をリレー310に提供することができる。ゼロ交差回路は、交流電流負荷電圧を、交流電流の半周期毎に1回発生するゼロ位相での、又はその付近での交流電流負荷電圧を検出する電気回路である。ゼロ交差回路をリレー310の開閉と併せて使用して、入力信号のゼロ位相に近い時点でのリレー310の開閉を支援することができる。ゼロ交差回路は、電圧ゼロ交差又は電流ゼロ交差で動作することができる。ゼロ交差回路は、主リレー310のゼロ交差接点を閉じるか又はブレークするときに、リレー310に関連付けられる固有のターンオン遅延及びターンオフ遅延を考慮することができる。多くの国々での典型的な電力系統は60サイクル/秒すなわち60ヘルツで運営されているため、ゼロ交差は約8.3ミリ秒(ms)毎に発生する。典型的なリレー310は、例えば、5ミリ秒作動時間(閉時間)及び3ミリ秒ブレーク時間(開時間)を有し得る。この例では、ゼロ交差でのターンオンのために、入力信号の次のゼロ交差時にリレー310の接点を閉じる(作動させる)ために、入力信号の最後のゼロ交差後にリレーコイルを3.3ms(すなわち、8.3ms周期時間−5ms作動時間)間にわたって通電しなければならない。同様に、同じ例において、入力信号の次のゼロ交差時に接点ブレーク(非作動化又は開離)を発生させるために、最後のゼロ交差後にリレーコイルを5.3ms(すなわち、8.3ms周期時間−3msブレーク時間)間にわたって通電解除しなければならない。したがって、ASD100からフラットワイヤ105への電力の出力は、リレー310が閉じた後、可能な限りすぐに開始される。さらに、ライン側115からの入力波形は、フラットワイヤ105にわたる出力波形と可能な限り一致することになり、ASD100及びソースモジュール110回路内に散逸するエネルギーがより少ないことを意味する。ASD100がリレー310のゼロ交差でのターンオン又はターンオフを実行する能力は、リレー310の接点の寿命を延ばし、接点アーク間欠(arc-showering)の影響を制限すると共に、電磁放射を制限すると共に、リレー310からの伝導電気ノイズを制限することができる。
本発明の別の態様によれば、リレー310を、テストをフラットワイヤ105に対して実行することができる短時間にわたって作動させることができることが理解されよう。例えば、リレー310を、典型的な電力周期の2分の1の場合にかかる時間未満又はその時間におおよそ等しい時間にわたって作動させることができる。図9、図11、及び図12を参照してより詳細に後述するように、ASD100は、リレー310が作動している時間中にフラットワイヤ105の1つ又は複数の導体をテストすることができる。
本発明の別の態様によれば、ASD100は、リレー310内のブレークの遅い(すなわち、動きの悪い(sticky))接点を検出することが可能であり得る。ASD100の制御ユニット312は、カウンタ又は他のタイミング装置を用いてリレー310の接点ブレーク時間を監視することができる。制御ユニット312は、リレー310のブレーク時間を直接監視してもよいか、又はフラットワイヤI/Oインタフェース311から情報を受け取ることによってリレー310のブレーク時間を監視してもよい。リレー310のブレーク時間を監視することによって、制御ユニット312はリレー310の遅いブレーク時間を検出することができる。予防的保守の目的で、ASD100は、ASD100を修理又は交換することができるように、これらのブレークの遅い接点をユーザに警告することができる。ASD100は、いくつかの方法でユーザに警告することができる。ユーザに警告する1つの可能な方法は、ユーザに主リレー接点の問題の可能性を警告するASD100の外側にあるLEDを作動させることである。ユーザに警告する別の方法は、ASD100から別のASD100、中央ハブ若しくは制御パネル、又は他の何らかの装置のいずれかに通信を送信することであり、これについては図16及び図17を参照してより詳細に後述する。
本発明の別の態様によれば、ASD100は制御ユニット312を備えることができる。制御ユニット312は、ASD100のさまざまな安全構成要素を制御することができる。代替的に、ASD100の個々の各安全構成要素は、各自の制御ユニットを備えてもよいか、又は制御ユニットを共有してもよい。制御ユニット312は、1つ又は複数のマイクロコントローラと、抵抗、ダイオード、キャパシタ、及び水晶のような関連付けられる構成要素とを含んでもよく、又は代替的に任意の関連付けられるファームウェア及びソフトウェアと共にマイクロプロセッサ、1つ又は複数のプログラマブルロジックアレイ、状態機械、ミニコンピュータ、又は汎用コンピュータを含むがこれらに限定されない、電子回路を制御する任意の他の適した素子及び関連付けられる回路であってもよい。多くの異なる種類の制御ユニットがASD100に組み込むか、関連付けるか、又は通信することができることが理解されよう。制御ユニットが任意の数のプロセッサを含んでよいことがさらに理解されよう。制御ユニットはASD100に対して外部にあってもよく、且つ/又はリモートに配置してもよく、例えば有線ネットワーク接続又は無線ネットワーク接続のような、適したネットワーク接続を介してASD100の構成要素と通信してもよい。
本発明の一態様によれば、制御ユニット312は、ASD100の動作に関連付けられる様々な種類のデータを記憶するように構成又は動作可能である。データは、ASD100のさまざまな安全構成要素の動作に関連付けられるデータを含み得る。さらに、データは、ASD100のさまざまな安全構成要素の動作に従ってフラットワイヤ105を監視している間に測定される測定データも含み得る。データは、ASD100及びASD100のさまざまな安全構成要素の動作に関連付けられる1つ又は複数のカウンタも含み得る。例えば、データは、ASD100及び/又はASD100のさまざまな安全構成要素がASD100によって監視中のフラットワイヤ上の誤配線又はワイヤ故障を認識したいくつかのカウンタを含み得る。記憶されたデータは、ASD100の後続の動作中に利用することができる。例えば、ASD100の安全構成要素の動作に関連付けられて記憶されるデータを後に、ASD100の安全構成要素の動作に関連付けて、且つ/又はASD100の他の安全構成要素(又は制御ユニット312)の動作に関連付けて利用することができる。広範囲のデータをASD100又はASD100に関連付けられる1つ又は複数のメモリ装置に記憶できることが理解されよう。ASD100が記憶し得るデータ項目としては、以下の表1に列挙されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
ASD100が他のデータ項目を記憶することができることが理解されよう。本発明のいくつかの実施形態では、データ項目のうちの1つ又は複数の初期値が表1に列挙される値と異なってもよいことも理解されよう。表1を参照すると、ホットリレー通常作動カウントは、リレー310がASD100の通常動作過程中に作動する回数を追跡することができる。ホットリレー通常作動リミットは、ASD100の寿命中にリレー310の通常作動のリミットを確立することができる。ホットリレー高電流作動カウントは、リレー310が高電流事象の結果としてトリップする回数を追跡することができ、これについては図4Aを参照してより詳細に後述する。ホットリレー高電流作動寿命終了リミットパラメータは、ASD100の寿命中のリレー310の高電流作動回数のリミットを確立することができ、これについては図4Aを参照してより詳細に後述する。致命的リセット不可能故障コードは、任意の識別される致命的なリセット不可能故障に対して記憶されるべきコードを確立することができる。非致命的制限付きリセット可能故障カウントは、識別される致命的でない制限付きリセット可能な故障の回数を追跡することができる。非致命的無制限リセット可能故障カウントは、識別される致命的でない無制限リセット可能な故障の回数を追跡することができる。ホットリレー作動時間パラメータは、リレー100を作動させるためにかかった時間の値を確立することができる。ホットリレー解放時間パラメータは、リレー100を解放するためにかかる時間の値を確立することができる。故障コード1〜19カウントのパラメータは、ASD100によって識別されるいくつかの異なる種類の故障を追跡することができる。多くの異なる種類の故障を識別することができ、各故障に各自のカウンタを関連付けることができることが理解されよう。
図4Aは、本発明の特定の実施形態によるASD100に関連付けることができる例示的な制御ユニット312のブロック図である。制御ユニット312はメモリ405と、プロセッサ410とを含むことができる。メモリは、本発明によるプログラムロジック415(例えば、ソフトウェアコード)を記憶することができる。メモリ405は、本発明の動作に利用される測定データ420と、本発明の動作に利用されるカウンタ又は状態422と、オペレーティングシステム425とを含むこともできる。プロセッサ410は、オペレーティングシステム425を利用してプログラムロジック415を実行し、そうするときに、測定データ420も利用する。プログラムロジック415は、ASD100の1つ又は複数の安全構成要素の動作に関連付けられるロジックを含むこともできる。データバス430が、メモリ405とプロセッサ410との間に通信を提供することができる。制御ユニット312は、ASD100の他の構成要素、及び、場合によっては、例えばライト、スピーカ、キーボード、マウス装置、及び他のユーザインタフェース装置のような他の外部装置、並びに他のASDに接続されているデータ線又は電気機器とI/Oインタフェース440を介して通信することができる。さらに、フラットワイヤ105のさまざまな電気測定を行うように構成される測定装置が、測定装置インタフェース450を介して制御ユニット312と直接通信してもよいか、又は代替的に、I/Oインタフェース440を介して制御ユニット312と通信してもよい。これらの測定装置をフラットワイヤのI/Oインタフェース311に含んでもよく、これについてはより詳細に後述する。さらに、制御ユニット312及びそれによって実装されるプログラムロジック415は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
制御ユニット312は、ASD100のさまざまな安全構成要素を制御し、且つ/又は含むことができる。さらに、制御ユニット312は、フラットワイヤシステム101の状態に関連するデータを記憶することができる。例えば、制御ユニット312は、ASD100の安全構成要素のそれぞれのフラグ又は状態を保持して、ASD100のリレー310をいつトリップさせるべきかを判断すると共に、誤配線又は故障が検出された場合には、どの安全構成要素がフラットワイヤ105の誤配線又は故障を識別したのかを示すことができる。制御ユニット312は、ASD100のさまざまな安全構成要素の動作に関連付けられる測定データ420を記憶することもできる。さらに、ASD100のリレー310を閉じて、フラットワイヤ105を通電させる前に、制御ユニット312は、各安全構成要素に、誤配線及び/又はワイヤ故障についてフラットワイヤ105をテストさせることができる。制御ユニット312は、フラットワイヤ105内で誤配線又はワイヤ故障が検出される場合に、制御動作をとるように構成することもできる。制御動作は、リレー310を開位置に維持するか又は強制的に開位置にすることに加えて、ASD100のユーザに誤配線又は故障の検出について通知する動作を含み得る。例えば、LCDディスプレイ又は1つ若しくは複数のLEDのような視覚的インジケータをASD100に含むことができ、ディスプレイ又はLEDを、誤配線又は故障の検出、及び検出された誤配線又は故障の性質をユーザに通知するように作動させることができる。一例として、ASD100は、故障検出時に制御ユニット312によって作動して故障をユーザに通知する単一のLEDを備えることができる。代替の例として、ASD100は、ASD100の各安全構成要素に関連付けられるLEDを備えてもよく、誤配線又は故障が検出される場合、誤配線又は故障を検出した安全構成要素に関連付けられるLEDを作動させることができる。制御ユニット312がとることができる別の制御動作は、誤配線又は故障の検出を示すメッセージの送信である。制御ユニット312は、このメッセージを別のASD100、中央ハブ若しくは制御パネル、又は別の宛先に送信することができ、これについてはより詳細に後述する。ASD100が可聴アラームのような他のインジケータも利用してもよいことが理解されよう。ASD100が使用することができるインジケータは、有利には、ユーザのために、ユーザに故障を通知し、潜在的に故障を特定することによってASD100の全体の安全性を高める。
制御ユニット312は、1つ又は複数のカウンタ及び/又はタイマ422を含むこともできる。制御ユニット312は、各安全構成要素に関連付けられるカウンタ及び/又はタイマ422を使用して、特定の安全構成要素がフラットワイヤ105内で誤配線又はワイヤ故障を検出した回数を追跡することができる。さらに、ユニバーサルタイマ又はカウンタを使用して、ASD100がフラットワイヤシステム101内で誤配線又はワイヤ故障を検出した回数を追跡することができる。検出された誤配線及び検出されたワイヤ故障の追跡に別個のカウンタを利用してもよい。これらのカウンタ及び/又はタイマ422を使用してフラットワイヤシステム101を監視することができると共に、フラットワイヤシステム101の現在の状況を示す状態を生成することができる。カウント及び/又は状態を使用して、フラットワイヤシステム101に対して予防的な保守を実行することができる。カウンタ及び/又はタイマ422の記憶性能は、電力障害又は電圧低下という状況中にカウント及び状態を含む情報が失われないように、例えば不揮発性メモリのように不揮発性であってもよい。
本発明の一態様によれば、制御ユニット312は少なくとも1つの寿命カウンタをさらに含むことができる。リレー310は当該リレー310に関連付けられる寿命を有し得ることが理解されよう。換言すれば、リレー310は、特定の回数分、通常に作動した後、又は高電流事象が検出された結果として数回トリップした後、適切に動作を停止することができる。リレー310の通常作動の場合、リレーの寿命は、例えば表1のホットリレー通常作動寿命終了リミットパラメータに示される値のようなかなり大きな値であり得る。高電流事象検出に起因するトリップ回数の場合、リレー310の予測寿命は、例えば、表1のホットリレー高電流作動寿命終了リミットパラメータのように、リレー310の故障に対する平均トリップ回数と同様であることができる。ASD100が利用できる異なる種類のリレー310に異なる寿命を関連付けることができる。リレー310に関連付けられる寿命カウンタは、所定の閾値からカウントダウンするか、又は所定の閾値までカウントアップするように構成することができる。閾値は、リレー310の予測寿命以下の値であることができる。例えば、リレーの予測寿命が8〜10回のトリップである場合、閾値をリレー310のトリップ5回として確立することができる。リレー310が閾値に等しい回数トリップした場合、ASD100はリレー310を非アクティブ化し、リレー310が、例えばASD100のリセットのようなユーザイベントによって閉じられないようにする。トリップ5回として確立された閾値を有するリレー310の例を利用すると、ユーザは、リレー310の最初の4回のトリップ後、ASD100及びリレー310をリセットすることができる。しかし、リレー310が5回目にトリップすると、ユーザによるASD100及びリレー310のリセットは許可されない。このような状況では、ユーザは、ASD100を小売店、流通業者、製造業者、又はASD100に関連する修理センタに返却又は送付して、リレー310及び/又はASD100をテスト、更新、及び/又は修理させることが要求され得る。寿命カウンタによって、ASD100及びリレー310がリセットされるが、リレー310がASD100によって誤配線又はワイヤ故障が検出されるときにトリップ不可能となる状況を回避できることが理解されよう。
本発明の一態様によれば、ASD100の1つ又は複数の寿命カウンタのそれぞれに、ASD100によって検出される特定の種類のエラーを関連付けることができる。例えば、寿命カウンタに、高電流事象に起因するリレー310のトリップをもたらすエラーを関連付けることができ、それによって、通電したフラットワイヤ105を通電解除させることができる。ASD100によって検出されるか又は検出可能なすべてのエラーが、高電流事象の結果としてリレー310のトリップをもたらすわけではないことが理解されよう。例えば、フラットワイヤ105の通電前に検出されたエラーは、リレー310のトリップにもたらさない場合がある。本発明の一態様によれば、ASD100によって認識することができる3つの異なる種類の例外又はアラームがある。第1の種類のアラームは致命的リセット不可能アラームであり、これは、ASD100の任意の内部回路の故障が検出される場合に認識され得る。例えば、致命的リセット不可能アラームは、スタックしたリレーが識別される場合、ASD100に組み込まれたヒューズが飛んだ場合、検出された信号が検出可能範囲外である場合、ASD100に関連付けられる自己試験回路の故障が検出される場合、及び/又は寿命カウンタが閾値を超えるか、若しくは閾値に達する場合に認識され得る。第2の種類のアラームは非致命的制限付きリセット可能アラームであり、これは、フラットワイヤ105上の高電流事象に関連付けられるアラームであり得る。例えば、非致命的制限付きリセット可能アラームは、ワイヤ故障が通電したフラットワイヤ105上で検出される場合に認識され得る。第3の種類のアラームは、非致命的無制限リセット可能アラームとすることができ、これは、高電流事象を含まない非致命的アラームに関連付けられ得る。ASD100は無制限数の第3の種類のアラームの発生を許容し得ることが理解されよう。一方、リミットをこの種類のアラームに関連付けてもよいことも理解されよう。本発明によるASD100が多くの異なる種類のアラームを認識することができ、本明細書において説明するアラームが単に例示的なアラームの種類であることがさらに理解されよう。
図4Bは、本発明の例示的な実施形態による、図3のASD100及び図4Aの制御ユニット312の全般的な動作の例示的なフローチャートである。図4Bに説明される動作は、ASD100によってフラットワイヤ105を監視するために実行される動作を含むことができる。ブロック455において、電力をASD100に印加することができ、ブロック460において、ASD100は動作を開始することができる。ブロック460において、ASD100は誤配線についてライン側115をテストすることができる。ブロック465において、ライン側誤配線が検出される場合、ASD100はブロック470に進み、リレー310が閉じないようにし、それによって、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。ブロック465において、ライン側誤配線がASD100によって検出されない場合、ASD100はブロック475に進み、誤配線及び/又はワイヤ故障について負荷側フラットワイヤ105をテストすることができる。ブロック480において、誤配線又はワイヤ故障がフラットワイヤ105上で検出される場合、ASD100はブロック470に進み、リレー310が閉じないようにし、それによって、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、ブロック480において、誤配線及び/又はワイヤ故障がフラットワイヤ105上で検出されない場合、ASD100はステップ485に進むことができる。ブロック485において、ASD100のリレー310を閉じることができると共に、フラットワイヤ105を通電させることができる。フラットワイヤ105の通電中及びフラットワイヤ105が通電された後、ASD100は、ブロック490において、ワイヤ故障についてフラットワイヤ105を監視することができる。ブロック495において、故障がフラットワイヤ105上で検出される場合、ASD100はブロック470に進み、リレー310を開き、それによって、フラットワイヤ105を通電解除又は通電解除させることができる。一方、ブロック495において、故障がフラットワイヤ105上で一切検出されない場合、ASD100はブロック490に進み、フラットワイヤ105を引き続き監視することができる。
制御ユニット312によって実行されるテストが、必ずしも図4Bのロジックに記される順序で実行される必要はなく、むしろ、任意の適した順序で実行することができることも当業者に理解されよう。制御ユニット312が図4Bに記される各テストを実行する必要はなく、むしろ、図4Bに記されるすべてのテストに満たないテストを実行してもよいことも理解されよう。さらに、誤配線又はワイヤ故障が制御ユニット312又は制御ユニット312と通信する安全構成要素によって検出される場合、制御ユニット312又は関連付けられる安全構成要素はインジケータを記憶することができ、インジケータは、いずれのテスト(複数可)が誤配線又はワイヤ故障が検出される結果になったかについての情報を含むことができる。このインジケータは、次に、ASD100によって第2のASD100、中央監視装置、又はコンピュータのような別の装置に送信することができる。
上述したように、ASD100は、反応型安全構成要素及び/又は能動型安全構成要素を含むことができる。ASD100の反応型安全構成要素は、フラットワイヤ105が完全に通電した後、フラットワイヤ105内のワイヤ故障を検出することができる。反応型安全構成要素は、フラットワイヤ105の完全な通電中、又は完全通電信号がフラットワイヤ105に流れることを許された後にフラットワイヤ105を完全に通電させるためにかかる時間中に、ワイヤ故障を検出することもできる。換言すれば、反応型安全構成要素は、約90〜130VAC(北米電力系統のような標準の120VAC電力系統の場合)の範囲の電圧又は約220〜250VAC(欧州電力系統のような標準の240VAC電力系統の場合)の範囲の電圧が電気フラットワイヤ105に存在する間に、ワイヤ故障を検出することができる。各国又は各地域が、ASD100の設計及び実装に考慮され得る異なる電圧規格又は電流規格を有し得ることが理解されよう。さらに、1つ又は複数の反応式テストをフラットワイヤ105の通電に続いて連続的に実行し得ることが理解されよう。代替的に、フラットワイヤ105の通電に続き、1つ又は複数の反応式テストを定期的に実行してもよい。
ASD100の能動型安全構成要素は、フラットワイヤ105の完全な通電前にワイヤ故障を検出することができる。換言すれば、能動型安全構成要素は、フラットワイヤ105を完全に通電させる前に、電気フラットワイヤ105に対して、例えば、フラットワイヤ105上への電圧又は電流のテスト信号の通信を含むチェック又はテストのようなチェック又はテストを実行することができる。
ASD100の反応型安全構成要素は、漏電回路遮断器(GFCI)315、アーク軽減回路(AMC)320、過電流保護安全構成要素325、及び接地電流監視安全構成要素330のうちの1つ又は複数を含むことができる。ASD100の能動型安全構成要素は、ライン側ワイヤ完全性構成要素335及び負荷側ワイヤ完全性構成要素340のうちの一方又は両方を含むことができる。これらの安全構成要素のそれぞれについてより詳細に後述する。
ASD100の反応型安全構成要素及び能動型安全構成要素は、誤配線状況又はワイヤ故障がASD100のいずれのかの側に存在するか否かを判断するときに、ライン側の従来の配線、並びにASD100及びソースモジュール110に接続されているフラットワイヤ105それぞれに関連付けられるさまざまな電気測定を利用することができる。ASD100は、さまざまな測定を利用して、ASD100のライン側の誤配線を検出すると共に、ASD100の負荷側に接続されているフラットワイヤ105上の誤配線及び/又はワイヤ故障を検出することができる。ASD100は、ASD100に接続されているフラットワイヤ105の様々な導体に関連付けられる電気的測定を行うことが可能なフラットワイヤI/Oインタフェース311を含むことができる。代替的に、これらの電気測定は、ASD100のさまざまな構成要素によって行われもよい。例えば、フラットワイヤI/Oインタフェース311及び/又はASD100の構成要素が、フラットワイヤ105に関連付けられる電圧、電流、インピーダンス、抵抗、又は任意の他の電気特性を測定することができる。例えば、フラットワイヤI/Oインタフェース311又はASD100の構成要素が、変流器のような任意の適した電流測定装置を用いてフラットワイヤ105の任意の導体に存在する電流を測定することができる。別の例として、フラットワイヤI/Oインタフェース311又はASD100の構成要素は、信号調整回路又は電圧計のような任意の適した電圧測定装置を用いてフラットワイヤ105の任意の導体に存在する電圧を測定することができる。ASD100の各構成要素は、その構成要素に関連付けられる測定装置を含んでもよく、又は代替的に、ASD100の或る構成要素が、ASD100の別の構成要素によって使用される測定装置を利用してもよい。ASD100は、図3に示すように、ASD100のすべての構成要素によって使用されるフラットワイヤI/Oインタフェース311内に単一セットの測定装置も含んでもよいことが理解されよう。
さらに、フラットワイヤI/Oインタフェース311又はASD100の構成要素は、フラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数に信号を通信することが可能な励起回路又は装置を備えることができる。励起回路又は装置は、フラットワイヤ105の導体又は層のうちの1つ又は複数に電流信号を通信することが可能であり得る。電流信号をフラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数に通信するのに適した励起回路又は装置は、変流器と、電流源と、アイソレータと、マルチプレクサと、リレーとを含むが、これらに限定されない。電流信号をフラットワイヤ105に送ることの代替形態として、又は付加的に、励起回路又は装置は、フラットワイヤ105の1つ又は複数の導体又は層に電圧信号を送ることが可能であり得る。電圧信号をフラットワイヤ105の1つ又は複数の導体に通信するのに適した励起回路又は装置は、変圧器と、マルチプレクサと、ドライバと、電圧源とを含むが、これらに限定されない。ASD100の各構成要素は、その構成要素に関連付けられる励起回路装置を含んでもよく、又は代替的に、ASD100の或る構成要素が、ASD100の別の構成要素によって使用される励起装置を利用してもよい。ASD100は、図3に示すように、ASD100の構成要素のすべてによって使用されるフラットワイヤI/Oインタフェース311内に単一セットの励起回路又は装置を含んでもよい。より詳細に後述するように、励起装置を測定装置と併せて使用して、フラットワイヤ105に対してテストを実行することができる。
ASD100の反応型安全構成要素及び能動型安全構成要素は、互いに独立して動作してもよく、又は代替的に、それぞれの動作は制御ユニット312によって制御されてもよい。フラットワイヤI/Oインタフェース311内に含まれる単一セットの測定装置を有する図3の例示的な実施形態では、個々の安全構成要素は、電気測定をフラットワイヤI/Oインタフェース311から受け取ってもよく、又は代替的に、電気測定をフラットワイヤI/Oインタフェース311から制御ユニット312若しくは別の安全構成要素を通じて受け取ってもよい。さらに、ASD100のさまざまな安全構成要素のうちの1つ又は複数が1つ又は複数の回路構成要素を共有してもよいことが理解されよう。
本発明の一態様によれば、漏電回路遮断器(GFCI)安全構成要素315をASD100に関連付けることができ、これを本明細書ではGFCI構成要素315と呼ぶ。GFCI構成要素315は、フラットワイヤ105のシステム内の地絡故障を検出することができる。地絡故障は、電流をグランドに分流させる非意図的な電気経路である。GFCI安全構成要素は、後述するように、フラットワイヤ105と併せて使用されることを考慮に入れるように特に設計することができる。図2に関連して上述したように、フラットワイヤ105は通常、1つの通電可能導体又はホット導体205を有し、1つ又は複数の帰線又は中性線210、215を有することができる。GFCI構成要素315は、フラットワイヤ105の通電可能導体205と1つ又は複数の帰線210、215との間の電流差を監視することができる。通電可能導体205を流れている電流が1つ又は複数の帰線210、215のうちのいずれかを流れている合計電流と異なる場合、GFCI構成要素315は、ASD100にリレー310を開かせ、それによって、フラットワイヤ105にさらなる電力が流れないようにすることができる。例えば、通電可能導体205と1つ又は複数の帰線210、215のうちのいずれかの合計電流との電流差(すなわち、H−N)が約5.5ミリアンペア以上の場合、GFCI構成要素315は、ASD100にリレー310を開かせることができる。GFCI構成要素315は、任意の数又は測定電流差に基づいてASD100のリレー310を開くように設定することができることも当業者には理解されよう。
さらに、GFCI構成要素315のトリップ時間、すなわちGFCI構成要素315がリレー310を開くためにかかる時間は、GFCI構成要素315によって検出される電流差に伴って変化し得る。例えば、より遅いトリップ時間はより小さい電流差に関連付けられることができ、より速いトリップ時間はより大きい電流差に関連付けられることができる。GFCI構成要素315のトリップ時間は、GFCI構成要素315によって検出される電流差の線形関数であることができる。代替的に、GFCI構成要素315のトリップ時間は、Underwriters Laboratories, Inc.(UL)によって確立された規格であるUL943によって規定されるものであるようなGFCI構成要素315によって検出される電流差の非線形関数であることもできる。
本発明の別の態様によれば、アーク軽減回路(AMC)安全構成要素320をASD100に関連付けることができ、これを本明細書ではAMC構成要素320と呼ぶ。AMC構成要素320は、フラットワイヤ105に存在するアーク放電状況を検出することができる。アーク放電状況は、2つ以上の導体間での電気エネルギーの高出力放電を含むことができる。アーク放電状況は、必ずしもフラットワイヤシステム101の構成要素の通常最大負荷リミットを超える必要はない。標準の電気出力の通常最大負荷リミットは、例えば、15アンペアでは120ボルト、すなわち1800ワットである。アーク放電状況によって放電される電気エネルギーは、1800ワットを超える場合もあれば、超えない場合もある。従来の配線では、広範囲のアーク故障電流シグネチャがあるが、シグネチャは通常、正弦波シグネチャとは対照的に電気信号の電圧ピーク付近の電流のスパイクによって特徴付けられる。通常の回路遮断器はアーク故障を確実に検出及びトリップしないため、従来のワイヤでのアーク故障又はアーク放電故障は、家庭電気配線に起因する火災の主要原因の1つである。不要なアーク放電が発生した場合、木、紙、及びカーペットのような付近の可燃物に燃え移り得る極めて局所的な高温又はスポット高温を発生し得る。
フラットワイヤ105上のアーク放電状況は、従来の配線上でのアーク放電とかなり異なり得る。従来のワイヤと異なり、フラットワイヤ105上でのアーク放電状況は、アークフラッシュと呼ばれることがある持続時間の短いフラッシュであり得る。典型的なフラッシュは、消去されない場合、フラットワイヤ105の通電の開始から、ワイヤ故障が識別され、リレー310が開離されるまで続き得る。過電流保護構成要素325及び接地電流監視構成要素330は、結果として貫通又は異常に高いRMS電流を生じる他の種類のワイヤ故障によるフラットワイヤ105への電力の除去を担う主要な安全構成要素であり得る。オーム抵抗あるいはそれ以上の抵抗である「短絡」に起因するアーク放電事象の場合、高いピークトゥピーク(peak-to-peak)値を有するが、標準電流リミットである15アンペアRMSを超えないRMS値を有する、関連付けられるアークシグネチャ電流があり得る。標準アーク故障は比較的遅い現象であり、検出及び応答するには、いくつかの交流電流周期を必要とするため、フラットワイヤ105上で発生し得るアークフラッシュとは異なる。フラットワイヤ105の場合、AMC構成要素320及びASD100の他の安全構成要素を、アークフラッシュ事象を軽減するためのシステムとして機能するように設計することができる。
通常、フラットワイヤ105で発生し得る2つの種類のアークフラッシュ事象がある。第1の種類は、貫通物体によってフラットワイヤ105の活性状態(通電した状態)での貫通中に発生することがあり、それによって、特定の状況下では、貫通物体の周囲に、ホットガス又は微粒子物質の漏出若しくは流出が発生するおそれがある。第2の種類のアークフラッシュ事象は、貫通物体がフラットワイヤ105から除去された後に発生する可能性がある。フラットワイヤ105が再び通電した場合、アークフラッシュが、ASD100の他の安全構成要素がワイヤ故障を識別する前に発生し得る。フラットワイヤ105が通電してから、ASD100又は他の安全装置が反応してフラットワイヤ105を再び通電解除するまでに、アークフラッシュが発生する可能性があり、それによって、ホットガス及び微粒子物質が、除去された物体によって残されたオリフィスから放出される。
AMC構成要素320は、上述した種類のアークフラッシュ事象において、放出されるガス及び微粒子物質のエネルギー量及び温度を低減するように設計することができる。第1の最も直接的な手法は、アークフラッシュ事象中の電流シグネチャ解析を軸とする。しかし、フラットワイヤ105それ自体に使用される構造及び材料も、アークフラッシュ事象を軽減する効果を有することができる。フラットワイヤ105は、絶縁された導体の個々の層を含むことができ、個々の層をさらに接合して、本質的に分離不可能な層セットを形成することができる。この接合技法は、強制的に低インピーダンスの層間短絡にすることによってアークフラッシュ事象を軽減する傾向を有する。したがって、ASD100の安全構成要素は、これらの事象をより容易に検出することが可能であり得る。さらに、図12を参照して後述する負荷側ワイヤ完全性構成要素は、潜在的なアーク放電状況のより容易な認識を可能にする。
アークフラッシュのアークシグネチャ検出のために、AMC構成要素320は、例えば変流器のような、適した電流検出装置を介して通電可能導体205上の電流の波形を感知するように動作可能であり得る。AMC構成要素320は、電流の変化率、ピーク電流、及びピーク電流のフェージングを解析して、アーク放電事象の存在を判断することができる。
GFCI構成要素315と同様に、AMC構成要素320は、後述するように、フラットワイヤ105の物理的特性を考慮に入れるように設計することができる。AMC構成要素320は、危険であり得る、フラットワイヤ105上で発生し得る特定のアーク放電状況を検出することができる。AMC構成要素320は、不要なアーク放電状況と通常のアーク放電状況とを区別することができる。通常のアーク放電状況は、回路のオン/オフ切替え又は電気出力からの装置の引き抜きの際である。不要なアーク放電状況は、通電可能導体205とフラットワイヤ105の他の導体のうちの1つとの間の絶縁層230に貫通、穴、又は傷がある場合に、フラットワイヤ105に存在し得る。各導体を別個に包むような複数の絶縁層がフラットワイヤ105の2つの導体間に存在する場合、アークフラッシュは、各絶縁層が傷(例えば、穴)を有し、その傷が互いに近傍にある場合に発生し得る。換言すれば、アークフラッシュは、絶縁層の傷が互いに並ぶか、又は互いに近傍にある場合に発生し得る。アークフラッシュ状況は、フラットワイヤ105が異物によって貫通され、貫通した物体がフラットワイヤ105から除去される場合にも発生し得る。異物が除去されると導体はもはや共に短絡することがなくなり、且つフラットワイヤ105が通電した場合にアークフラッシュが発生し得る状況が存在し得る。
AMC構成要素320は、電流感知回路を使用して、フラットワイヤ105内の通常のアーク放電状況と不要なアーク放電状況とを区別する。AMC構成要素320は、フラットワイヤ105に固有の特定のアークフラッシュ電流シグネチャを検出することができる。これらのフラットワイヤ105のアークフラッシュ電流シグネチャは、多くの場合、従来のワイヤのアーク故障電流シグネチャと異なる。さらに、AMC構成要素320は、別のフラットワイヤ105内のアークフラッシュ、及びフラット電気ワイヤシステム101の外部にある従来のワイヤ内のアーク故障を含む、フラットワイヤ150の終端を超えて宛先モジュール120にあるワイヤのポイントに端を発するアーク放電状況を検出するように構成することができる。不要なアーク放電状況が、フラットワイヤ105又は任意のダウンライン負荷において検出されると、リレー310が開離されてフラットワイヤ105が通電解除され、それによって、火災又は他の危険な状況の発生する危険性を低減する。
フラットワイヤ105のアークフラッシュシグネチャは、互いの近傍に積層導電層を含む、フラットワイヤ105の物理的な構造によって他の形態の電気ワイヤのアーク故障シグネチャと異なり得る。アークフラッシュ状況がフラットワイヤ105、通常はフラットワイヤ105への貫通又は破損の初期ポイントで開始されると、銅及び炭化した破片の高温小滴が貫通視界(sight)から放出され得る。銅及び破片の大部分がフラットワイヤ105の破損箇所オリフィスから放出されるが、いくらかはフラットワイヤ105内を横方向に進み、それによって、破損を受けたエリアの半径が増大し得る。この現象が未チェックで進行する場合、フラットワイヤ105に固有の一意の電流シグネチャを有するより広いエリアに蓄積するか、又はなだれ込む危険性がある。
例えばフラットワイヤ105でのワイヤ故障のような、フラットワイヤ105でのアークフラッシュをもたらし得る潜在的に危険な状況を、より詳細に後述するように、ASD100の他の安全構成要素のうちの1つ又は複数によって検出することができることが当業者に理解されよう。したがって、フラットワイヤ105にアークフラッシュが形成される前に、アークフラッシュをもたらし得る潜在的に危険な状況を検出することができる。
本発明の別の態様によれば、過電流保護安全構成要素325をASD100に関連付けることができ、これを本明細書では過電流保護構成要素325と呼ぶ。過電流保護構成要素325は、一次過電流保護及び/又は二次過電流保護を提供することができる。ワイヤに多すぎる電流が流れた場合、ワイヤが過熱するおそれがあり、火災が木、紙、及びカーペットのような付近の可燃物に発生する危険性がある。過電流保護構成要素325は、標準の回路遮断器によって提供される保護に加えて、二次過電流保護を提供することができる。通常、回路遮断器は、適切にトリップするために有効に処理することができる最大電流を定格とし、回路を流れる電流(短絡によって生じ得る)が、回路遮断器の最大定格電流よりも高い場合、回路遮断器は無効であり得る。このような状況が発生する場合、ASD100の過電流保護構成要素325は、二次過電流保護を提供することができる。代替的に、過電流保護構成要素325は、ライン側電源115に接続されているか若しくは関連付けられる回路遮断器がない場合、又は接続されている回路遮断器が無効の場合、一次過電流保護を提供することができる。例えば、過電流保護構成要素325は、家人が回路を横切って1セント硬貨を置くことによって回路遮断器内の回路を閉じた場合、一次過電流保護を提供する。
ASD100の過電流保護構成要素325は、フラットワイヤ105の通電可能導体305を通じて流れる電流を監視することができる。通電可能導体305を通じて流れる電流が最大閾値を超えて増大する場合、リレー310が開離されてフラットワイヤ105を通電解除する。最大閾値電流値を多くの異なる値に設定することができることが当業者に理解されよう。例えば、過電流保護構成要素325は、通電可能導体305内の電流が約15アンペア(120VAC用途の場合)を超える場合、リレー310を開離させることができる。過電流保護構成要素325は、電気フラットワイヤ105の1つ又は複数の帰線210、215のうちのいずれかを流れる電流を、通電可能導体205を監視する方法と同様にして調べることもできる。
過電流保護構成要素325は、通電可能導体205の電流を監視するときに、可変スケールアルゴリズムを利用することができる。通電可能導体305に存在する過電流のレベル又は量に基づいて、過電流保護構成要素325は、可変トリップ時間、すなわちリレー310を作動停止すなわち開離させるためにかかる時間を有し得る。例えば、通電可能導体の許容最大電流が15アンペアに設定され、過電流保護構成要素325が通電可能導体205において15.1アンペアの電流を測定した場合、過電流保護構成要素325のトリップ時間は約1秒であり得る。トリップ時間は、次のゼロ交差状況に向けて調整されてもよく、又は調整されなくてもよい。代替的に、50アンペア以上の電流が通電可能導体205において検出された場合、過電流保護構成要素325のトリップ時間は、およそ即時のトリップ時間(追加遅延なし)であってもよく、又は次のゼロ交差状況に設定されてもよい。低い過電流レベルほど長いトリップ時間にすることは、フラットワイヤ105上の負荷突入電流による誤ったトリップ状況を軽減する役割を果たすことができる。広範囲のトリップ時間を有する多くの異なるスマートアルゴリズムを本発明の過電流保護構成要素325と併せて使用してもよいことが当業者には理解されよう。さらに、過電流保護構成要素325のトリップ時間は、過電流保護構成要素325によって検出される過電流の量の線形関数であってもよい。代替的に、過電流保護構成要素325のトリップ時間は、過電流保護構成要素325によって検出される過電流の量の非線形関数であってもよい。
本発明のさらに別の態様によれば、ASD100は、接地電流監視を実行する接地電流監視安全構成要素330を含むことができ、これを本明細書では接地電流監視構成要素330と呼ぶ。接地電流監視構成要素は、反応型構成要素として、又はASD100の能動型構成要素と併せて利用することができる。本発明の特定の実施形態を開示するための本明細書において利用するフラットワイヤ設計では、ASD100に接続されているフラットワイヤ105の接地線220、225にはいかなる大きな電流も存在すべきではない。大きな電流がASD100に接続されているフラットワイヤ105の接地線220、225に存在する場合、危険な状況が存在し得る。例えば、フラットワイヤ105に短絡があり得る。代替的に、電力が負荷に供給されており、その電力のいくらかが、例えば接地線220、225のうちの一方を通じてフラットワイヤ105を渡ってソースモジュール110まで逆供給される状況が存在し得る。このような状況は、フラットワイヤ105が、欠陥のある電気機器又は誤作動している電気機器に給電している場合、又は外部電源が負荷側125を介してフラットワイヤシステム101に誤配線された場合に発生し得る。
接地電流監視構成要素330は、ASD100に接続されているフラットワイヤ105の接地線220、225のうちの一方又は両方を流れる電流を監視する。電流が所定の最大閾値を超える場合、リレー310を開離してフラットワイヤ105を通電解除することができる。最大閾値電流値を多くの異なる値に設定することができることが当業者には理解されよう。例えば、接地電流監視構成要素330は、任意の接地線内の電流が約3.0ミリアンペアを超える場合、リレー310を開離することができる。
本発明の一態様によれば、ASD100は、本明細書ではソースワイヤ完全性(Source Wire Integrity)(SWI)構成要素335とも呼ばれるライン側ワイヤ完全性(又は誤配線)安全構成要素335を含むことができる。SWI構成要素335は、フラットワイヤ105を完全に通電する前に、フラットワイヤシステム101内のライン側故障又は欠陥を検出することが可能な能動型安全装置であることができる。ASD100のリレー310を閉じ、それによって、フラットワイヤ105を通電させる前に、SWI構成要素335は、ライン側のフラットワイヤシステム101をテストし、ライン側電源115がライン側で適切に終端されているか否かを判断することができる。本開示では、ライン側という用語は、ASD100に入力される電線を指すことができる。ライン側は従来のワイヤ、フラットワイヤ、電気出力、又はASD100への別の入力であってもよいことが理解されよう。
SWI構成要素335は、ライン側入力305を介して、従来の配線又はフラットワイヤであり得るライン側電源115のライン側誤配線を検出することができる。ライン側電源115は、ASD100が接続又はプラグインされた電気出力であってもよい。熟練した電気技師による場合であっても、電気出力の誤配線が一般的な誤りであることが理解されよう。ライン側誤配線は、ライン側電源115の導体がASD100のライン側入力305に接続されない場合に発生し得る、ライン側電源115の開路導体を含み得る。代替的に、ライン側誤配線は、ライン側電源115の1つ又は複数の導体がASD100のライン側入力305に不適切に接続されている場合、例えば2つの導体がライン側入力305に逆に接続されている場合に発生し得る。例えば、ライン側電源115が従来の電気ワイヤである場合、SWI構成要素335は、ライン側通電可能導体又はホット導体、及びライン側帰線又は中性線がライン側入力305への接続時に交換された状況を検出することができる。別の例として、ライン側電源115が電気フラットワイヤ105の場合、SWI構成要素335は、ライン側通電可能導体205、及びライン側帰線のうちの一方210がライン側入力305への接続時に交換されてしまった状況を検出することができる。
SWI構成要素335は、1つ又は複数のテスト信号を使用して、誤配線状況を発見して検出するライン側誤配線検出開路を含むことができる。図5は、本発明によるASD100に組み込むことができる、例示的なライン側ワイヤ完全性構成要素335の概略図である。ASD100のライン側入力305に接続されているライン側電源115は、通電可能(又はホット)導体505、帰線(又は中性線)510、及び接地線515を含むことができる。ライン側入力305が3つ以上の導体を含んでもよいことが理解されよう。例えば、ライン側入力305が電気フラットワイヤの場合、ライン側入力305は5つの導体を含むことができる。
SWI構成要素335は、3つの電流センサ520、525、530及び信号処理回路535を含むことができる。任意の数の電流センサ及び/又は信号処理回路をSWI構成要素335に関連付けられることが理解されよう。SWI構成要素335は、任意選択的に、SWIリレードライバ540及びSWIリレー545を含むことができる。SWI構成要素335の信号処理回路535は、制御ユニット通信リンク550を介してASD100の制御ユニット312と通信することができ、又は代替的に、制御ユニット312内に組み込むこともできる。信号処理回路535は、単独で又は制御ユニット312と併せて、小さなテスト電流をライン側電源115から送らせて、少しでもライン側誤配線が存在するか否かを判断することができる。
信号処理回路535は任意の適切な信号処理回路であることができ、任意の数の回路構成要素を含み得る。信号処理回路535は、ライン側で検出される電流の値を、解析のためにこれらの値を制御ユニット312に通信する前に制限するように動作することができる。したがって、制御ユニット312は、電流測定を各電流センサ520、525、530から受信することができ、制御ユニット312はこれらの測定を利用して、ライン側が正しく配線されているか否かを判断することができる。信号処理回路535は、ライン側電源115の通電可能導体又はホット導体505を、それがどこでライン側入力305に接続されているかに関わりなく発見し、小さなテスト電流を通電可能導体505から流すことができる。テスト信号は、例えば、約1ミリアンペア未満の電流テスト信号のような、電圧又は電流のテスト信号であることができる。ライン側入力305に接続されている通電可能導体505がない場合、SWI構成要素335は、通電可能導体505を発見してテスト信号を得ることができない。このような状況では、SWI構成要素335の信号処理回路535及び/又は制御ユニット312は、通電可能導体505がライン側で開路であることを判断することができる。しかし、通電可能導体505がライン側入力305に接続されている場合、信号処理回路535は、通電可能導体505からテスト信号を流すことができる。信号処理回路535は、次に、電流センサ520、525、530によって検出される電流を監視して、何らかのライン側誤配線が存在するか否かを判断することができる。ホット−中性(「H−N」)電流センサ520は、通電可能(又はホット)導体505と帰線(又は中性線)510との間の電流を検出するために使用することができる。ホット−接地(「H−G」)電流センサ525は、通電可能導体505と接地線515との間の電流を検出するために使用することができる。中性−接地(「N−G」)電流センサ520は、帰線510と接地線515との間の電流を検出するために使用することができる。ライン側導体に印加されるテスト電流は、適切な電気規格及び規則によって制限され得ることが当業者には理解されよう。例えば、ライン側電源115の接地線に印加されるテスト電流は、Underwriters Laboratory, Inc.によって確立された規格によって約0.5ミリアンペアの上限に制限され得る。
ライン側が正しく配線されている場合、通電可能導体505と帰線510との間の電流がH−N電流センサ520によって検出され、通電可能導体505と接地線515との間の電流がH−G電流センサ525によって検出され、帰線510と接地線515との間の電流は、N−G電流センサ530によって検出されない。ライン側誤配線がある場合、適切に配線されたライン側について上述したものとは異なるセットの電流測定を電流センサ520、525、530によって行うことができ、SWI構成要素335は誤配線を検出することができる。開路通電可能導体505に加えて、SWI構成要素335は、ライン側の他の開路導体を検出することができる。例えば、帰線510がライン側で開路である場合、H−N電流センサ525は、通電可能導体505と帰線510との間で電流を検出しない。別の例として、接地線515がライン側で開路である場合、H−G電流センサ525は、通電可能導体505と接地線515との間で電流を検出しない。
SWI構成要素335は、ライン側入力305への接続時に誤配線又は交換された導体を検出することもできる。例えば、通電可能導体505及び帰線510がライン側入力305への接続時に交換された場合、電流は逆方向からH−N電流センサ520をわたって流れるため、H−N電流センサ520によって検出される電流は逆になる。さらに、H−G電流センサ525は電流を検出せず、N−G電流センサ530は電流を検出する。通電可能導体505及び接地線515がライン側入力305への接続時に交換された場合、電流は逆方向からH−G電流センサ525をわたって流れるため、H−G電流センサ525によって検出される電流は逆になる。さらに、H−N電流センサ520は電流を検出せず、N−G電流センサ530は電流を検出する。適切に配線されたライン側の電流表現セット以外の電流センサ520、525、535を横切る異なるセットの電流を生成するライン側の任意の他の誤配線もSWI構成要素335によって検出されることが当業者には理解されよう。
SWI構成要素335がライン側で誤配線を検出する場合、ASD100のリレー310を開位置に維持して、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。誤配線がSWI構成要素335によって検出されない場合、リレー310を閉じて、フラットワイヤ105を通電させる可能性がある。代替的に、SWI構成要素335がライン側で誤配線を検出する場合、SWIリレー545を開位置に維持して、電力がソースモジュール通信リンク555を介してライン側入力305からソースモジュール110に流れないようにすることができる。ソースモジュール通信リンク555は、例えば、有線接続のような任意の適した通信リンクであることができる。誤配線がSWI構成要素335によって検出されない場合、SWIリレードライバ540を使用して、SWIリレー545を閉じ、電力をライン側入力305からソースモジュール110に流すことができる。SWI構成要素335は、電力がライン側電源115に印加された後、短い時間間隔中にフラットワイヤシステム101のライン側でテストを実行することができる。例えば、SWI構成要素335は、電力がライン側電源115に印加された時点から約500ミリ秒以内に、フラットワイヤシステム101のライン側でテストを実行することができる。さらに、SWI構成要素335によって誤配線が検出されなかったことを示すように、SWI構成要素フラグ又は状態をASD100内で設定することができる。SWI構成要素フラグは、例えば、制御ユニット312のメモリ405並びに/又は、制御ユニット312及び/若しくはSWI構成要素335に関連付けられる1つ若しくは複数の他のメモリに記憶することができる。ASD100は、SWI構成要素フラグ又は状態をASD100によって実行される他のテストの結果と併せて使用して、ASD100のリレー310を閉じることができるか否かを判断することができる。SWI構成要素335に関連付けられる他のデータ、及び/又はSWI構成要素335の動作に従ってとられた測定値は、例えば制御ユニット312のメモリ405のような、1つ又は複数の適切なメモリに記憶することができることが理解されよう。
SWI構成要素335は、電流信号をライン側電源115の通電可能導体505から流し、それからライン側を電流信号についてテストするものとして上述したが、例えば電圧信号のような他の種類の信号をライン側電源115から流してもよいことが理解されよう。さらに、電圧信号がライン側電源115から流される場合、SWI構成要素335は、ライン側で電圧信号を検出し、ライン側誤配線を識別又は位置特定することができる。
図5を引き続き参照すると、SWI構成要素335は、ライン側電源115からASD100に大きすぎる電流が流れた場合にフェールセーフとして機能するように動作可能な少なくとも1つのヒューズ560を含むことができる。ヒューズ560は図5においてSWI構成要素335の一部として示されるが、ヒューズがASD100の他の構成要素に代替として又は追加として含まれてもよいことが理解されよう。さらに、ASD100が、例えば標準の50アンペアヒューズのような多くの異なる種類のヒューズを利用してもよいことが理解されよう。50アンペアヒューズが利用される場合、ヒューズ560は、約50アンペア以上の電流がライン側電源115からASD100に流れ込んだ場合に飛ぶおそれがある。ヒューズ560が飛ぶと、電力信号はもはやライン側電源115からASD100に流れ込むことができない。
図6は、本発明の一態様の例示的な一実施形態によるSWI構成要素335の動作の例示的なフローチャートである。ブロック605において、電力がSWI構成要素335に印加される場合、SWI構成要素335は、ライン側入力305に接続されているライン側電源115をライン側誤配線についてチェックすることができる。例えば、ブロック610において、SWI構成要素335は、開路通電可能(又はホット)導体505についてライン側電源115をチェックすることができる。開路通電可能導体505が検出される場合、SWI構成要素335はブロック640に進み、ASD100のリレー310が閉じないようにすることによってフラットワイヤ105の通電を回避することができる。ブロック610において、開路ライン側電源通電可能導体505が検出されない場合、SWI構成要素335はブロック615に進み、開路帰線(又は中性線)510についてライン側電源115をチェックすることができる。ブロック615において、開路ライン側電源帰線510が検出される場合、SWI構成要素335はブロック640に進み、ASD100のリレー310が閉じないようにすることができる。ブロック615において、開路ライン側電源帰線510が検出されない場合、SWI構成要素335はブロック620に進み、開路接地線515についてライン側電源115をチェックすることができる。ブロック620において、開路ライン側電源接地線515が検出される場合、SWI構成要素335はブロック640に進み、ASD100のリレー310が閉じないようにすることができる。ブロック620において、開路ライン側電源接地線515が検出されない場合、SWI構成要素335はブロック625に進むことができる。ブロック625において、SWI構成要素335は、逆になった通電可能導体505及び帰線510についてライン側電源115をチェックすることができる。ライン側電源通電可能導体505が、ライン側入力305においてライン側電源帰線510と逆になっている場合、SWI構成要素335はブロック640に進み、ASD100のリレー310が閉じないようにすることができる。一方、ブロック625において、逆になったライン側電源通電可能導体505及び帰線510が検出されない場合、SWI構成要素335はブロック630に進むことができる。ブロック630において、SWI構成要素335は、逆になった通電可能導体505及び接地線515についてライン側電源115をチェックすることができる。通電可能導体505が、ライン側入力305において接地線515と逆になっている場合、SWI構成要素335はブロック640に進み、ASD100のリレー310が閉じないようにすることができる。一方、ブロック630において、逆になったライン側電源通電可能導体505及び接地線515が検出されない場合、SWI構成要素335はブロック645に進み、SWI構成要素335のリレー310を閉じることができる。
SWI構成要素335によって実行されるテストは必ずしも図5のロジックに示される順序で実行される必要はなく、それに代えて、任意の適した順序で実行してもよいことが当業者には理解されよう。SWI構成要素335は図5に記される各テストを実行する必要はなく、それに代えて、図5に記されるテストのすべてに満たないテストを行ってもよいことも理解されたい。任意のテストの結果、ブロック540が実行されることになっても、SWI構成要素335はなお残りのテストを実行することができ、各テストの結果又は少なくとも肯定的な誤配線指示という結果になったテストの結果を記録することができる。さらに、誤配線がSWI構成要素335によって検出された場合、インジケータをSWI構成要素335又は制御ユニット312によって記憶することができ、このインジケータは、いずれのテスト(複数可)が誤配線が検出される結果になったかについての情報を含むことができる。このインジケータは、ASD100によって第2のASD100、中央監視装置、又はコンピュータのような別の装置に通信することもできる。SWI構成要素335及び/又は制御ユニット312は、SWI構成要素335の動作に関連付けられる様々なインジケータ及び/又は測定データを記憶するように動作可能な、例えば制御ユニット312のメモリ405のような1つ又は複数のメモリ装置に関連付けることもできる。
本発明の別の態様によれば、ASD100は、負荷側又は宛先完全性(destination integrity)(又は負荷側誤配線若しくは短絡/故障検出)構成要素340を含むことができ、これを本明細書では宛先ワイヤ完全性(DWI)構成要素340と呼ぶ。DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の完全な通電前にフラットワイヤ105内の故障若しくは欠陥又は負荷側での誤配線を検出することが可能な能動型安全装置であることができる。本開示の目的のために、負荷側という用語は、ASD100と下流宛先装置117及び/又は下流ASD100との間に接続されているフラットワイヤ105又は他のワイヤを指すために利用することができる。ASD100のリレー310が閉じられ、それによってフラットワイヤ105の通電を許す前に、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の負荷側をテストして、フラットワイヤ105に故障、欠陥、及び/又は誤配線がないかを判断することができる。より詳細に後述するように、DWI構成要素340は、電圧又は電流のテスト信号をフラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数に印加し、フラットワイヤ105の他の導体での応答を測定することによって、フラットワイヤ105をテストすることができる。より詳細に後述するように、DWI構成要素340は、電圧ベースのテストシステム及び電流ベースのテストシステムの一方又は両方を使用して、誤配線及びワイヤ故障についてフラットワイヤ105をチェックすることができる。
本発明の一態様によれば、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の負荷側誤配線を検出することができる。負荷側誤配線は、フラットワイヤ105の導体が宛先モジュール120又はソースモジュール110に接続されない場合に発生し得るフラットワイヤ105の開路導体を含むことができる。これに加えて、負荷側誤配線は、例えば、宛先モジュール120に逆に接続されている2つの導体のような、宛先モジュール120に不適切に接続されているフラットワイヤ105の導体を含むことができる。例えば、DWI構成要素340は、通電可能導体205と帰線のうちの一方210とが、宛先モジュール120への接続時に交換された状況を検出することができる。DWI構成要素340が負荷側の誤配線を検出する場合、リレー310は開位置に維持され、フラットワイヤ105の通電が回避される。
本発明の別の態様によれば、ASD100は、フラットワイヤ105に関連して存在し得る潜在的に危険な状況を検出することができる。特に重要な1つの危険な状況は、フラットワイヤ105内の層間短絡に繋がり得るフラットワイヤ105の貫通である。層間短絡は、フラットワイヤ105内の導体がフラットワイヤ105内の1つ又は複数の他の導体に接して配置された場合に発生する。層間短絡は通常、物体、特に金属物体がフラットワイヤ105を貫通する場合に発生する。フラットワイヤ105の様々な種類の貫通が検討及び解析されてきた。壁又は天井のような表面に敷設されるフラットワイヤ105に関して、典型的な貫通は釘、ネジ、押しピン、鋲、ステープル、ナイフでの切断、又は鋸での切断によって発生し得る。各種類の貫通は、火災及びショックの危険の克服に対して異なる問題を呈する。貫通は、フラットワイヤ105が通電している間、又は通電前に発生し得る。貫通している物体は、フラットワイヤ105の初期通電中に存在する場合もあれば、存在しない場合もある。層間短絡に加えて、フラットワイヤの貫通は、ASD100のAMC安全構成要素によって検出することができるアークフラッシュ又は他のアーク放電状況をもたらし得る。
低インピーダンス層間短絡は通常、回路遮断器のような一次安全装置を飛ばすために必要である。デッドショート又はグッドショート(good short)と呼ばれることもあるこれらのより望ましい低インピーダンス短絡は通常、フラットワイヤ105の貫通中、又は貫通物体がフラットワイヤ105内に依然として埋め込まれている場合はフラットワイヤ105の貫通後に発生する。貫通している物体がフラットワイヤ105から除去されると、電流が流れることができる並列路を提供する貫通している金属物体がもはやなくなり、それによって、良い層間短絡がなくなり得る。さらに、貫通している物体は、フラットワイヤ105の導体を共に押圧するように作用する圧縮力をもはや付加しない。この圧縮力の欠如は、良質の層間短絡を維持できなくなることの一因となり得る。したがって、貫通している物体の除去後、層間短絡は通常、低インピーダンス層間短絡ではなく、回路遮断器のような一次安全装置のトリップを成功させる可能性が低くなる。
より詳細に後述するようにASD100DWI構成要素340は、これらの層間短絡の検出を支援することができる。DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の完全な通電前にフラットワイヤ105内の故障又は欠陥を検出することが可能な能動型安全装置であることができる。代替的に、図11を参照してより詳細に後述するように、DWI構成要素340は、能動型構成要素と反応型構成要素との組み合わせを含み得る。能動型装置が利用される場合、リレー310が閉じられる前に、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の貫通を原因とし得るフラットワイヤ105内の層間短絡についてチェックする。DWI構成要素340は、フラットワイヤ105内の低インピーダンス層間短絡(例えば、デッドショート又はグッドショート)及び高インピーダンス層間短絡を検出することができる。層間短絡が検出される場合、DWI構成要素340又は制御ユニット312はリレー310を開離し、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。能動型構成要素及び反応型構成要素の両方を含むDWI構成要素340では、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の1つ又は複数の導体を通電させ、フラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数の導体を帰還信号について監視することによって、短絡及び/又はワイヤ故障(及び誤配線)を検出することができる。
電圧ベースのテスト方法及び電流ベースのテスト方法の両方において、DWI構成要素340は、テスト信号をフラットワイヤ105の1つ又は複数の導体又は層に印加又は通信し、フラットワイヤ105の他の導体又は層のうちの1つ又は複数での帰還信号についてテストする。2つの帰線210、215は帰線ループを形成することができ、2つの接地線220、225は接地線ループを形成することができる。ループは、信号がASD100から1つの導体を介してフラットワイヤ105を通り宛先モジュール120まで移動し、それからフラットワイヤ105の別の導体を介してASD100に戻る場合に発生し得る。例えば、信号は、第1の帰線210を介してフラットワイヤ105を通り、宛先モジュール120を通り、そして第2の帰線215を介して再びフラットワイヤ105を通じて移動することができる。DWI構成要素340は、帰線ループ及び接地線ループを独立したテスト信号を用いてテストすることができる。代替的に、DWI構成要素340は、帰線ループ及び接地線ループを単一のテスト信号を使用してテストすることができる。単一のテスト信号が帰線ループ及び接地線ループのテストに使用される場合、テスト信号の交流周期を使用して、帰線ループ及び接地線ループを独立してテストすることができる。さらに、帰線ループ及び接地線ループの両方が、DWI構成要素340によって適切に終端していると判断される場合、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の通電可能導体205が宛先モジュール120において適切に終端されていると推測することができる。代替的に、DWI構成要素340は、通電可能導体205に追加のテストを実行して、通電可能導体205が適切に終端されているか否かを判断することができる。例えば、DWI構成要素340は通電可能導体205をテストして、通電可能導体205が、帰線210、215、又は接地線220、225のうちの1つ又は複数に短絡しているか否かを判断することができる。
図7は、本発明の例示的な一実施形態によるDWI構成要素340の全般的な動作の例示的なフローチャートである。図7の方法は、電圧ベースのテストシステム又は電流ベースのテストシステムでDWI構成要素340によって実施することができる。ブロック705において、電力がDWI構成要素340に印加されると、DWI構成要素340はブロック710に進むことができる。ブロック710において、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の接地線ループをテストすることができる。ブロック715において、DWI構成要素340は、接地線ループが適切に終端されているか否か、及び接地線220、225に故障があるか否かを判断することができる。接地線ループが適切に終端されていないと判断される場合、又は接地線220、225のうちの一方に故障が見つかる場合、DWI構成要素340はブロック740に進み、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、ブロック715において、接地線が適切に終端されていると判断され、且つワイヤ故障が接地線220、225に見つからない場合、DWI構成要素340はブロック720に進むことができる。ブロック720において、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の帰線ループをテストすることができる。ブロック725において、DWI構成要素340は、帰線ループが適切に終端されているか否か、及び帰線210、215に故障があるか否かを判断することができる。帰線ループが適切に終端されていないと判断される場合、又は帰線210、215のうちの一方において故障が検出される場合、DWI構成要素340はブロック740に進み、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、ブロック725において、帰線が適切に終端されていると判断され、且つワイヤ故障が帰線210、215に見つからない場合、DWI構成要素340はブロック730に進むことができる。ブロック730において、DWI構成要素340は、通電可能導体205をテストして、適切に終端されているか否か、及び通電可能導体205に何らかのワイヤ故障があるか否かを判断することができる。ブロック735において、通電可能導体205が適切に終端されていないと判断される場合、又はワイヤ故障が通電可能導体205において検出される場合、DWI構成要素340はブロック740に進み、リレー310が閉じられないようにすることができる。一方、ブロック735において、通電可能導体205が適切に終端されていると判断され、且つワイヤ故障が通電可能導体205において検出されない場合、DWI構成要素340はブロック745に進み、リレー310が閉じられることを可能にする。代替的に、制御ユニット312はDWI構成要素フラグを設定し記憶することができ、ASD100はこのフラグを他のテストと併せて使用して、リレー310を閉じることができるか否かを判断することができる。
DWI構成要素340によって実行されるテストは必ずしも図7のロジックに記される順序で実行される必要はなく、それに代えて、任意の適した順序で実行してもよいことも当業者には理解されよう。上述したように、図7に記されるテストのうちのいくつかは互いに並列に実行することが可能である。DWI構成要素340は図7に記される各テストを実行する必要はなく、それに代えて、図7に記されるテストのすべてに満たないテストを実行してもよいことも理解されよう。任意のテストの結果、ブロック740が実行されることになっても、DWI構成要素340はなお残りのテストを実行することができ、各テストの結果又は少なくとも肯定的な誤配線指示という結果になったテストの結果を記録することができる。さらに、誤配線がDWI構成要素340によって検出された場合、インジケータをDWI構成要素340又は制御ユニット312によって記憶することができ、このインジケータは、いずれのテスト(複数可)が誤配線が検出される結果になったかについての情報を含むことができる。次に、このインジケータは、ASD100によって第2のASD100、中央監視装置、又はコンピュータのような別の装置に送信することができる。DWI構成要素340及び/又は制御ユニット312は、DWI構成要素340の動作に関連付けられる様々なインジケータ及び/又は測定データを記憶するように動作可能な、例えば制御ユニット312のメモリ405のような1つ又は複数のメモリ装置に関連付けることができる。
図8は、本発明の一態様の例示的な一実施形態によるDWI構成要素340によって印加することができるテスト信号のタイミング図である。上述したように、帰線ループ及び接地線ループは、テスト信号の交流周期805及び810においてテストして、テスト中のループを分離することができる。本発明の一態様によれば、帰線ループ及び接地線ループを駆動するために使用される信号は、例えば2400ヘルツ(Hz)方形波信号のような、交流周期を有する任意の信号であることができる。より詳細に後述するように、信号は、マイクロコントローラ、クロック回路、又は他の信号生成装置によって生成し、フラットワイヤ105の2つのループに通信することができる。信号は、フラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数に通信される前にローパスフィルタに通して、任意の不要なノイズ及び/又は高調波を除去することができる。帰線ループ及び接地線ループの両方に対するテストは同じテスト信号を用いて実行してもよく、両ループが適切に終端されていると判断され、且つフラットワイヤ105に故障が検出されない場合、ASD100のリレー310を閉じて、フラットワイヤ105を通電させることができる。これに加えて、ASD100において、導体ループが適切に終端されているか否かを示すフラグ又は状態を設定することができる。ASD100は、導体ループ終端フラグを、ASD100が実行した他のテストの結果と併せて使用して、ASD100のリレー310を閉じることができるか否かを判断することができる。両ループに対するテストは、約300ミリ秒未満の第1の時間815においてDWI構成要素340によって実行することができ、それから、リレー310を閉じるべきか否かについての判断を第2の時間820において行うことができる。第2の時間820は約375ミリ秒未満であり得る。図8に記されるタイミングは例示的なタイミングに過ぎず、様々なタイミング目標又はベンチマークを本発明の実施形態によって利用することができることが理解されよう。
本発明のいくつかの実施形態によれば、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の1つ又は複数の導体を通電させ、フラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数を帰還信号についてテストすることによってフラットワイヤ105をテストすることができる。例えば、図11を参照してより詳細に後述するように、帰線210、215のうちの1つ又は複数を通電させ、フラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数を帰還信号について監視又はテストすることができる。誤配線及び/又はワイヤ故障は、1つ又は複数の帰還信号に少なくとも部分的に基づいて識別することができる。接地線220、225のうちの1つ又は複数を通電させ、フラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数のを帰還信号についてテストすることによって同様の方法を行うことができることが理解されよう。テストのために通電する1つ又は複数の導体は、テストを行うために任意の時間にわたって通電することができることが理解されよう。
別の例として、フラットワイヤ105の通電可能導体205は、所定の時間にわたって通電することができ、フラットワイヤ105の1つ又は複数の導体を誤配線及び/又はワイヤ故障について監視することができる。例えば、リレー310を或るゼロ交差において閉じ、それから次のゼロ交差で開くことができ、それによって、電力信号の半周期分をライン側電源115からフラットワイヤ105に通信させることができる。次に、フラットワイヤ105の1つ又は複数の導体を、誤配線及び/又はワイヤ故障の存在を示す帰還信号について監視することができる。例えば、帰還信号が接地線220、225のうちの1つ又は複数で検出される場合、誤配線又は層間短絡がフラットワイヤ105に存在する可能性がある。誤配線又は層間短絡が識別される場合、DWI構成要素340及び/又は制御ユニット312は、リレー310を開位置に維持することによってフラットワイヤ105のさらなる通電を回避することができる。上述したテストはDWI構成要素340によって、例えば、ASD100の設置又はリセット状況後のフラットワイヤ105の初期通電中のような任意の時点で行うことができることが理解されよう。フラットワイヤ105がテストのために通電される所定の時間は、実質的にあらゆる所定の時間であってもよく、半周期分の電力信号は例示的な時間として考察されているに過ぎないことがさらに理解されよう。
さらに、DWI構成要素340によって実行されるテストは、フラットワイヤシステム101のソースモジュール110と宛先モジュール120との間に含むことができる。したがって、電流又は電圧はライン側電源115又は負荷側宛先125に渡ることはできない。
DWI構成要素340は、電圧ベースの方法を使用して、負荷側の誤配線及びワイヤ故障についてフラットワイヤ105をテストすることができる。電圧ベースの方法は、電圧テスト信号をフラットワイヤ105の選択された導体又は層(刺激される層)に直接印加し、その間、残りの導体又は層(刺激されない層)での電圧を測定する。フラットワイヤ故障低インピーダンス短絡若しくは高インピーダンス短絡の形態の導体間の不要な導通は、刺激されない導体又は層に存在する予期されない電圧を検出することによって識別することができる。
図9Aは、本発明の一態様によるASD100に組み込むことができる電圧ベースのDWI構成要素340の概略図である。前置きとして、図9Aが図3に示すソース装置とは異なるソース装置103を示すことが留意され得る。図9Aでは、ライン側電源115はソース装置103に組み込まれる。このような状況は、例えば、ソース装置103が、電源コンセントにプラグインすることができる標準の電気プラグを含む場合に起こり得る。
図9Aに示すように、電圧ベースのDWI構成要素340は、ソース/感知回路900、通電可能(又はホット)導体接続901、帰線接続902、接地線接続903、及び1つ又は複数のテスト信号リレー904を含むことができる。ソース/感知回路900は、電圧テスト信号をフラットワイヤ105の導体のうちの1つに送信し、それから、帰還電圧についてフラットワイヤ105の導体を監視するように構成することができる。ソース/感知回路900は、図8を参照してより詳細に上述したように、同じテスト信号の交流周期を使用することによって、フラットワイヤ105の2つ以上の導体を同時にテストできることが理解されよう。ソース/感知回路900は、通電可能導体接続901を介して電圧テスト信号を通電可能導体205に送信し、且つ/又は通電可能導体205を監視することができる。同様に、ソース/感知回路900は、帰線接続902を介して電圧テスト信号を帰線210、215のうちの1つ又は複数に送信し、且つ/又は帰線210、215のうちの1つ又は複数を監視することができる。さらに、ソース/感知回路900は、接地線接続902を介して電圧テスト信号を接地線220、225のうちの1つ又は複数に送信し、且つ/又は帰線220、225のうちの1つ又は複数を監視することができる。
ソース/感知回路900によって送信される電圧ベースのテスト信号は、低電圧信号であることができる。電圧ベースのテスト信号は、例えば、約5ボルトの電圧又は約12ボルトの電圧であることができるが、他の電圧レベルをテスト信号に使用してもよいことが理解されよう。安全上の予防措置として、電圧ベースのテスト信号の最大振幅を約30ボルトに制限することができるが、30ボルトよりも大きな振幅を有するテスト信号を本発明の実施形態と併せて使用してもよいことが理解されよう。さらに、電圧ベースのテスト信号は、ライン側電源115からASD100内に入来する信号から導出されてもよい。ソース/感知回路900は、電圧信号をライン側電源115から受信し、その信号を、フラットワイヤ105に対するテストの実行に使用できるか、又はそのようなテストを実行するように変更することができる低電圧信号に降圧することができる。例えば、ソース/感知回路900は、約110V〜130V又は約220V〜250Vの電圧信号を受信し、その電圧信号を、フラットワイヤ105をテストするための低電圧信号に降圧することができる。電圧は、当業者によって理解されるように、降圧変圧器、キャパシタ、又は電圧信号の振幅を低減する任意の他の適した装置を使用して下げることができる。ソース/感知回路900は、テスト信号をフラットワイヤ105に印加するときに、分離された電源を構成してもよいことも理解されよう。
DWI構成要素340は、電圧テストリレー904を使用して、DWI構成要素340によってテストされている間にフラットワイヤが完全に通電することができないことを保証することができる。図9Aに示すように、電圧テストリレー904は双極単投リレーであり得るが、他の種類のリレー又はリレーの組み合わせを本発明の実施形態によって使用してもよいことが理解されよう。電圧テストリレー904が閉位置にある場合、電力をライン側電源115からASD100を通じてフラットワイヤ105に流すことができる。一方、電圧テストリレー904がテスト位置(すなわち開位置)にある場合、電力をライン側電源115からASD100を通じてフラットワイヤ105に流すことができない。それに代えて、電圧ベースのテスト信号をソース/感知回路900からフラットワイヤ105に流すことができる。電圧テストリレー904が、図9Aに示すように、主リレー又は共通リレー310に使用される回路と同じ回路であってもよいことが当業者には理解されよう。代替的に、電圧テストリレー904は、DWI構成要素340と併せて使用される1つ又は複数の別個のリレーであってもよい。
電圧テストリレー904がテスト位置に維持される場合、ソース/感知回路900は、帰還電圧についてフラットワイヤ105の導体を監視しながら、電圧ベースのテスト信号をフラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数に送信又は通信することができる。例えば、ソース/感知回路900は、電圧ベースのテスト信号を、通電可能導体接続901を介してフラットワイヤ105の通電可能導体205に通信することができる。次に、ソース/感知回路900は、電圧信号についてフラットワイヤ105の導体を監視して、何らかの層間短絡、終端短絡、又は故障がフラットワイヤ105に存在するか否かを判断することができる。電圧信号が帰線接続902又は接地線接続903によって検出される場合、ソース/感知回路900(又はソース/感知回路900と通信する制御ユニット312)は、層間短絡又は終端短絡がフラットワイヤ105の通電可能導体205とフラットワイヤ105の他の導体のうちの1つとの間に存在すると判断することができる。同様に、ソース/感知回路900は、電圧ベースのテスト信号を、帰線接続902を介してフラットワイヤ105の帰線210、215に通信し、それから、電圧信号についてフラットワイヤ105の導体を監視して、何らかの層間短絡又は終端短絡が帰線210、215のうちの1つ又は複数と、フラットワイヤ105の他の導体のうちの1つ又は複数との間に存在するか否かを判断することができる。電圧信号が、通電可能導体接続901又は接地線接続903によって検出される場合、層間短絡又は終端短絡がフラットワイヤ105に存在すると判断することができる。同じ方法をフラットワイヤ105の接地線220、225のテストに使用することができる。ソース/感知回路900は、電圧ベースのテスト信号を、接地線接続903を介してフラットワイヤ105の接地線220、225に通信し、それから電圧信号についてフラットワイヤ105の導体を監視して、何らかの層間短絡又は終端短絡が接地線220、225のうちの1つ又は複数と、フラットワイヤ105の他の導体のうちの1つ又は複数との間に存在するか否かを判断することができる。電圧信号が、通電可能導体接続901又は帰線接続902によって検出される場合、層間短絡又は終端短絡がフラットワイヤ105に存在すると判断することができる。
図9Aに示すように、テスト信号は、ソース/感知回路900によって帰線210、215の両方又は接地線220、225の両方に同時に印加することができる。しかし、テスト信号をフラットワイヤ105の単一の導体に個々に印加してもよいことが当業者には理解されよう。例えば、テスト信号をフラットワイヤ105の帰線210、215のそれぞれに個々に印加し、帰線210、215を個々に監視するために、2つの帰線接続を含んでもよい。層間短絡がフラットワイヤ105に存在するか否かを判断するときに、ループ内の1つの導体に印加される電圧ベースのテスト信号は、宛先モジュール120を通りループ内の関連付けられる他の導体を介してソース装置103内のDWI構成要素340に戻って送信されるため、フラットワイヤの帰線210、215のそれぞれ又は接地線220、225のそれぞれを個々にテストし監視する必要はない。負荷側では、帰還信号を宛先モジュール120のみを通じて送信してもよく、又は代替的に、宛先モジュール120、及びフラットワイヤシステム101に接続されている任意の負荷側宛先125の両方を通じて送信してもよい。
フラットワイヤ105の2つの導体間の検出可能な層間インピーダンス範囲に制限を課すことができる。帰線210、215と通電可能導体205との間の検出可能な層間インピーダンス範囲は、フラットワイヤ105の負荷側125に接続されている実際の負荷が存在する可能性によって制限することができる。このような負荷の一例は、電気出力にプラグインされたヘアドライヤーである。負荷側125に接続されている実際の負荷は、8オーム〜10オームという低いインピーダンスをフラットワイヤ105に生成し得るため、通電可能導体205と帰線21、215との間の層間インピーダンスチェックは、8オーム〜10オーム未満、又は約1オーム未満に制限することができる。例えば、高インピーダンス層間短絡が190オームであり、実際の負荷が10オームである場合、結果として生じる、すなわち結合されたインピーダンスは9.5オーム[(190×10)/(190+10)]であるため、高インピーダンス層間短絡は実質的に検出不可能であり得る。これは実負荷効果(real load effect)と呼ばれる。実負荷効果を回避するために、宛先リレー(図示せず)を宛先モジュール120内に配置することができる。宛先リレーは、DWI構成要素340がテストを実行する間に、電源投入シーケンス時に実負荷への接続を遅らせるようにタイミング調整し、それによって、8オーム〜10オームの制限をなくすことができる。
帰線210、215と接地線220、225との間の検出可能な層間インピーダンス範囲に関して、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の完全な通電前に約5000オームという高い層間インピーダンスを正確に検出することができる。
DWI構成要素340は、層間短絡についてフラットワイヤ105をテストする前に、フラットワイヤ105に対して事前テストを実行することによってフォールスアラームの検出を制限するか又はなくすことができる。DWI構成要素340は、層間短絡についてフラットワイヤ105をテストした後に、フラットワイヤ105に対して事後テストを実行することによってもフォールスアラームの検出を制限するか又はなくすことができる。フラットワイヤ105の事前テストの場合、ソース/感知回路900は、フラットワイヤ105に電圧ベースのテスト信号を送信する前に、電圧信号についてフラットワイヤ105の導体を監視することができる。電圧信号が、テスト信号をフラットワイヤ105に印加する前にフラットワイヤ105の導体のうちの1つで検出される場合、ソース/感知回路900は、テスト信号がフラットワイヤ105に印加される前に、フラットワイヤ105の通電解除を待つことができる。フラットワイヤ105の事後テストの場合、フラットワイヤ105が電圧ベースのテスト信号を用いてテストされた後、ソース/感知回路900は、電圧信号についてフラットワイヤ105の導体を引き続き監視することができる。フラットワイヤ105の導体のうちの1つに電圧信号が検出される限り、テスト信号を使用するフラットワイヤ105のさらなる電圧ベースのテストを許可しないことができる。
誤配線及びワイヤ故障についてフラットワイヤ105の負荷側をテストする電圧ベースの方法は、ASD100のDWI構成要素340以外の装置によって実施されてもよいことが当業者には理解されよう。例えば、電圧ベースの方法は、可搬性手持ち式フラットワイヤテスト装置のような汎用可搬性フラットワイヤシステムにおいて特に有用であり得る。
本発明の別の態様によれば、DWI構成要素340は、1つ又は複数の電流ベースの方法を利用して、ASD100に接続されているフラットワイヤ105のライン側故障又は誤配線を識別又は発見することができる。ASD100のリレー310を閉じ、それによってフラットワイヤ105を通電させる前に、DWI構成要素340は、電流ベースの方法を使用して、負荷側のフラットワイヤ105をテストし、フラットワイヤ105が適切に接続又は配線されたか否かを判断することができる。フラットワイヤ105を完全に通電させる前に、フラットワイヤ105が適切に接続されているか否かを判断することは、誤配線によって発生する感電死、他の身体的危害、又は資産損害の回避を助けることができる。DWI構成要素340の電流ベースの方法を使用することによって、DWI構成要素340及び/又は制御ユニット312は、フラットワイヤ105を通電させる前に、フラットワイヤ105が正しく敷設されているか否かを判断することができる。DWI構成要素340及び/又は制御ユニット312は、フラットワイヤ105が通電する前に、何らかの故障がフラットワイヤ105に存在するか否かを判断することもできる。
図9Bは、本発明の例示的な一実施形態による、ASD100に組み込むことができる電流ベースのDWI構成要素340の概略図である。前置きとして、図9Bが、図3に示すものとは異なるソース装置103及び宛先装置117を示すことが留意され得る。図9Bでは、ライン側電源115はソース装置103に組み込まれ、負荷側宛先125は宛先装置117に組み込まれる。このような状況は、例えば、ソース装置103が、電気コンセントにプラグインすることができる標準の電気プラグを含み、且つ宛先装置117が1つ又は複数の電気コンセントを含む場合に起こり得る。
図9Bに示すように、DWI構成要素340は、1つ又は複数の励起又は駆動回路905、910並びにフラットワイヤ105の誤配線及び/又はワイヤ故障の検出に使用される1つ又は複数の感知回路915、920、925と通信することができる。励起回路905、910及び感知回路915、920、925は、DWI構成要素に含まれるか又はDWI構成要素によって制御することができる。代替的に、励起回路905、910及び感知回路915、920、925は、フラットワイヤI/Oインタフェース311に含まれてもよく、DWI構成要素340は、フラットワイヤI/Oインタフェース311、励起回路905、910、及び感知回路915、920、925と通信してもよい。DWI構成要素340は、フラットワイヤ100の通電前に、ASD100に接続されているフラットワイヤ105が適切に終端されているか否かを判断することができる。図9Bに示されるDWI構成要素340は、通電可能導体205と、通電可能導体205の両側に形成される2つの帰線210、215とを含む電気フラットワイヤと併せて使用されるように設計される。電気フラットワイヤは、通電可能導体205と帰線220、225との組み合わせの両側に形成される2つの接地線220、225をさらに含むことができる。しかし、本発明によるDWI構成要素340は、フラットワイヤに含まれる導体の数及び種類に関わりなく、任意のフラットワイヤ(及び/又は任意の従来のワイヤ)と併せて使用することができることが当業者には理解されよう。
図9Bを参照すると、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の1つの導体を介して電流ベースの信号を送信し、フラットワイヤ105の他の導体のうちの1つ又は複数を帰還信号についてテストすることによって、誤配線についてフラットワイヤ105をテストすることができる。例えば、ループの関連付けられる導体を、フラットワイヤ100が正しく配線されていることを示す電流についてテストすることができる。例えば、DWI構成要素340は、第1の接地線220を介して電流ベースの信号を送信し、それから、接地線220、225が正しく配線されていることを示す電流について第2の接地線225を監視することができる。代替的に、DWI構成要素340は、第1の帰線210を介して電流ベースの信号を送信し、それから、帰線210、215が正しく配線されていることを示す電流について第2の帰線215を監視することができる。接地線220、225及び帰線210、215が正しく配線されている場合、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105の通電可能導体205が正しく配線されていると見なすことができる。代替的に、図13を参照してより詳細に後述するようにDWI構成要素340は、追加のテストを実行して、フラットワイヤ105が適切に終端されていることを検証することができる。テストする電流は、所定の閾値電流であってもよく、例えば、10ミリアンペアであってもよい。フラットワイヤループの関連付けられる導体で検出される電流が10ミリアンペア未満の場合、ループは宛先モジュール120において正しく配線又は終端されていないおそれがある。
フラットワイヤ105の接地線220、225が正しく配線されたか否かを判断する方法及び回路についてこれよりより詳細に説明する。帰線210、215が正しく配線されたか否かを判断するために、同じ又は同様の方法を使用できることが理解されよう。正しい配線についてテストするために、DWI構成要素340(及び/又は制御ユニット312)の制御下にある接地励起回路905が、第1の接地線220を介して電流信号を送信することができる。接地励起回路905は、励起変流器又はマルチプレクサ、アイソレータ、及びリレーを含むがこれらに限定されない第1の接地線220を介して信号を送信することが可能な他の任意の適した装置であってもよい。電流信号を第1の接地線220に送信するために、テスト信号を使用して電圧/電流変換器を駆動し、そして電圧/電流変換器は、電接地励起回路905内の変流器の一次巻線に強制的に電流を流す。さらに、フラットワイヤ105での励起の大きさを最小に抑えるために、接地励起回路905によって送信される信号は、通常、電気ワイヤを介して搬送される周波数である50Hz又は60Hzよりもはるかに大きな周波数であり得る。本発明の一態様によれば、接地励起回路905によって送信される信号の周波数は、約1000Hz以上の周波数であり得る。第1の接地線220に通信又は送信される電流ベースの信号は、図8を参照して上述したように、接地線ループ及び帰線ループの両方を同時にテストするために使用される交流信号の部分であってもよい。代替的に、接地線ループのテストに使用される電流ベースの信号は、帰線ループのテストに使用される信号とは別個の信号であってもよい。
信号が第1の接地線220を介して送信された後、接地線220、225が適切に終端されている場合、信号は宛先モジュール120を通り、第2の接地線225を介してソースモジュール110に戻る。第2の接地線225に接続されている接地感知回路915を使用して、接地線220、225に存在する電流を検出することができる。接地感知回路915は感知変流器であってもよく、又は抵抗、アイソレータ、及びホール効果素子を含むがこれらに限定されない電流を感知することが可能な任意の他の適した装置であってもよい。
DWI構成要素340は、帰線210、215が負荷側で正しく配線されたか否かを判断することもできる。正しい配線についてテストするために、DWI構成要素340の制御下にある帰還励起回路910が、接地励起回路905が第1の接地線220を介して信号を送信したのと同じように、第1の帰線210を介して電流ベースの信号を送信する。第1の接地線220に通信又は送信される電流ベースの信号は、図8を参照して上述したように、接地線ループ及び帰線ループの両方を同時にテストするために使用される交流信号の部分であってもよい。代替的に、帰線ループのテストに使用される電流ベースの信号は、接地線ループのテストに使用される信号とは別個の信号であってもよい。信号が第1の帰線210を介して送信された後、帰線210、215が適切に終端されている場合、信号は宛先モジュール120を通り、第2の帰線215を介してソースモジュール110に戻る。第2の帰線215に接続されている帰還感知回路920を使用して、帰線210、215に存在する電流を検出することができる。帰還感知回路920は感知変流器であってもよく、又は抵抗、アイソレータ、及びホール効果素子を含むがこれらに限定されない、電流を感知することが可能な任意の他の適した装置であってもよい。
本発明の一態様によれば、DWI構成要素340は、任意の所与のループ内でテストされている導体以外のフラットワイヤ105の導体上で電流が検出される場合に、フラットワイヤ105が適切に終端されていないと判断することもできる。より詳細に後述するように、このような状況はワイヤ故障も示すおそれがある。DWI構成要素340は、他の導体のうちの1つで検出される電流信号の大きさ及び/又は電流信号が検出される他の導体の数に基づいて、誤配線かワイヤ故障かを区別するできることが理解されよう。例えば、テスト電流が帰線210に印加され、テスト電流におおよそ等しい電流が通電可能導体205上で検出される場合、DWI構成要素340は、通電可能導体205及び他の帰線215が誤配線されたと判断することができる。別の例として、テスト電流が帰線210に印加され、電流信号が、フラットワイヤ105のすべての導体で検出される場合(検出される電流信号はテスト信号よりも低い振幅を有し得る)、DWI構成要素340は、ワイヤ故障が存在し、フラットワイヤ105の導体が共に短絡したと判断することができる。
本発明の別の態様によれば、DWI構成要素340は電流ベースの方法を使用して、フラットワイヤ105の通電前に、任意のワイヤ故障又は層間短絡がフラットワイヤ105に存在するか否かを判断することができる。DWI構成要素340は、低レベル電流を、通電可能導体205のような単一のフラットワイヤ導体を通じて、又は帰線210、215のようなフラットワイヤ105の1組の層を通じて送信することによって、通電されていないフラットワイヤ105での層間短絡を検出することができる。次に、DWI構成要素340は、帰還電流についてフラットワイヤ105の他の層のうちの1つ又は複数を監視することができる。例えば、電流をフラットワイヤ105の1つ又は複数の帰線210、215に送信することができる。次に、DWI構成要素340は、帰還信号についてフラットワイヤ105の通電可能導体205及び1つ又は複数の接地線220、225を監視することができる。別の例として、電流をフラットワイヤ105の通電可能導体205に送信することができ、DWI構成要素340は、帰還電流についてフラットワイヤ105の1つ又は複数の帰線210、215及び1つ又は複数の接地線220、225を監視する。
DWI構成要素340は、フラットワイヤ105内の誤配線についてのテストをフラットワイヤ105上のワイヤ故障又は層間短絡についてのテストと組み合わせることができる。例えば、図9Bを参照して、電流ベースのテスト信号が、接地励起回路905によって第1の接地線220に送信される場合、感知回路915、920、925を使用して、フラットワイヤ105が何らかの誤配線又は層間短絡を含むか否かを判断することができる。上述したように、接地感知回路915を使用して、接地線220、225が負荷側で適切に終端されたか否かを判断することができる。さらに、帰還感知回路920及び通電可能(又はホット)感知回路925を使用して、誤配線又は層間短絡についてフラットワイヤ105を監視することができる。電流ベースの信号が、帰還感知回路920によって第2の帰線210上で検出される場合、DWI構成要素340は、接地線220、225のうちの1つ又は複数と帰線210、215のうちの1つ又は複数との間に層間短絡があると判断することができる。同様に、電流ベースの信号が、通電可能感知回路925によって通電可能導体205上で検出される場合、DWI構成要素340は、接地線220、225のうちの1つ又は複数と通電可能導体205との間に層間短絡があると判断することができる。
一例として、約10ミリアンペア(mA)のテスト電流を、接地励起回路910によってフラットワイヤ105の第1の接地線220に送信することができる。接地感知回路915が、約10ミリアンペアの信号を第2の接地線220で検出する場合、DWI構成要素340は、接地線220、225が適切に終端されていると判断することができる。一方、接地感知回路915が、約10ミリアンペアの信号を第2の接地線220で検出しない場合、DWI構成要素340は、接地線220、225が適切に終端されていないと判断し、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。さらに、電流が、帰還感知回路920によって第2の帰線215で、又は通電可能感知回路925によって通電可能導体205で検出される場合、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105内に層間短絡があると判断することができる。次に、DWI構成要素340は、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。
図9Bに示す励起回路905、910と感知回路915、920、925との組み合わせは、本発明によって使用することができるこれらの回路の1つの組み合わせにすぎない。フラットワイヤ105の導体のいずれかに信号を送信するか、又は当該導線を監視するために、励起回路及び/又は感知回路を使用できることが理解されよう。上記の例を用いると、テスト信号が第1の接地線220に送信される場合、追加の感知回路を使用して、接地線220、225のうちの1つ又は複数と第1の帰線210との間の層間短絡を示す帰還信号について、フラットワイヤ105の第1の帰線210を監視することができる。しかし、2つの帰線210、215は、正しく配線された場合にはループを形成するため、接地線220、225のうちの1つ又は複数と第1の帰線210との間の任意の層間短絡もまた、第2の帰線215を監視している帰還感知回路920によって検出されることが理解されよう。
励起回路905、910及び感知回路915、920、925は、DWI構成要素340に組み込むことができる。代替的に、励起回路905、910及び感知回路915、920、925はフラットワイヤI/Oインタフェース311内に含まれてもよく、DWI構成要素340は、直接又は制御ユニット312を介してフラットワイヤI/Oインタフェース311と通信することができる。
さらに、DWI構成要素340の電流ベースの方法は、帰還信号についての感知回路915、920、925の監視と併せて1つ又は複数のテストリレーを利用することができる。テストリレーは、測定するときに、フラットワイヤ105の1つ又は複数の導体又は層を共に短絡させるために使用することができる。テストリレーによって発生する短絡は、フラットワイヤ105の任意の2つの導体にわたる電流の測定を支援することができる。したがって、テストリレーは、誤配線された導体を発見又は識別し、且つ/又はフラットワイヤ故障を位置特定するのを支援することができる。一例として、DWI構成要素340は、2つのテストリレー930、935を、誤配線及び層間短絡についてのフラットワイヤ105の監視と併せて使用することができる。図9Cは、本発明の特定の実施形態による、2つのテストリレー930、935を誤配線及び層間短絡についてのフラットワイヤ105の監視と併せて利用する例示的なDWI構成要素340の概略図である。図9Cに示すように、テストリレー930、935のいずれも作動しない、又は換言すればテストリレー930、935のいずれも閉位置にない場合、接地ループ及び帰還ループの両方をフラットワイヤ105上で完成することができるデフォルト状態が存在することができる。テストリレー930、935のいずれも作動しない場合、DWI構成要素340は、完全な接地線ループ及び帰線ループについてフラットワイヤ105をテストすることができる。第1のテストリレー930が作動する、すなわち閉位置にある場合、帰還励起回路910を接地感知回路915に接続すなわち短絡させることができ、それによって、帰線210、215のうちの1つ又は複数と接地線220、225のうちの1つ又は複数との間の層間短絡をチェックするために必要なループの半分が形成される。層間短絡が帰線210、215のうちの1つ又は複数と接地線220、225のうちの1つ又は複数との間に存在する場合、ループは完成され、DWI構成要素340は層間短絡を検出する。同様に、第2のテストリレー935が作動する、すなわち閉位置にある場合、帰還励起回路910を通電可能又はホット感知回路925に接続すなわち短絡させることができ、それによって、帰線210、215のうちの1つ又は複数と通電可能導体205との間の層間短絡をチェックするために必要なループの半分が作られる。層間短絡が帰線210、215のうちの1つ又は複数と通電可能導体205との間に存在する場合、ループは完成され、DWI構成要素340は層間短絡を検出する。DWI構成要素340がテストを完了すると、テストリレー930、935は両方とも通電解除して、元の状態すなわちデフォルト状態に戻すことができる。
図10は、本発明の例示的な一実施形態によるDWI構成要素340による電流ベースの検出方法の動作の例示的なフローチャートである。図10のフローチャートは、図9Bを参照して上述した電流ベースの検出方法及び回路に関連付けられることができる。ブロック1005において、電力がDWI構成要素340に印加されると、DWI構成要素340はブロック1010に進むことができる。ブロック1010において、DWI構成要素340は、テスト信号をフラットワイヤ105の第1の接地線220に印加することができる。次に、DWI構成要素340はブロック1015に進み、帰還信号についてフラットワイヤ105の残りの導体を監視することができる。ブロック1020において、DWI構成要素は、適切な帰還信号が第2の接地線225に存在するか否かを判断することによって、接地線ループが適切に終端されているか否かを判断することができる。接地線ループが適切に終端されていると判断されない場合、DWI構成要素340はブロック1065に進み、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、ブロック1020において、接地線ループが適切に終端されていると判断される場合、DWI構成要素340はブロック1025に進むことができる。ブロック1025において、DWI構成要素340は、帰還信号が通電可能導体205、第1の帰線210、及び第2の帰線215のうちの1つ又は複数に存在するか否かを判断することによって、接地線220、225とフラットワイヤ105の他の導体のいずれかとの間に短絡回路が存在するか否かを判断することができる。帰還信号が接地線220、225以外の導体のいずれかで検出される場合、ワイヤ故障がフラットワイヤ105に存在するおそれがあり、DWI構成要素340はブロック1065に進み、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、帰還信号が接地線220、225以外の導体のいずれにおいても検出されない場合、DWI構成要素はブロック1030に進むことができる。
ブロック1030において、DWI構成要素340は、テスト信号をフラットワイヤ105の第1の帰線210に印加することができる。次に、DWI構成要素340はブロック1035に進み、帰還信号についてフラットワイヤ105の残りの導体を監視することができる。ブロック1040において、DWI構成要素は、適切な帰還信号が第2の帰線215に存在するか否かを判断することによって、帰線ループが適切に終端されているか否かを判断することができる。帰線ループが適切に終端されていると判断されない場合、DWI構成要素340はブロック1065に進み、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、ブロック1040において、帰線ループが適切に終端されていると判断される場合、DWI構成要素340はブロック1045に進むことができる。ブロック1045において、DWI構成要素340は、帰還信号が通電可能導体205、第1の接地線220、及び第2の接地線225のうちの1つ又は複数に存在するか否かを判断することによって、帰線210、215とフラットワイヤ105の他の導体のいずれかとの間に短絡回路が存在するか否かを判断することができる。帰還信号が帰線210、215以外の導体のいずれかで検出される場合、ワイヤ故障がフラットワイヤ105に存在するおそれがあり、DWI構成要素340はブロック1065に進み、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、帰還信号が帰線210、215以外の導体のいずれにおいても検出されない場合、DWI構成要素340はブロック1050に進むことができる。
ブロック1050において、DWI構成要素340は、テスト信号をフラットワイヤ105の通電可能導体205に印加することができる。次に、DWI構成要素340はブロック1055に進み、帰還信号についてフラットワイヤ105の残りの導体を監視することができる。ブロック1060において、DWI構成要素340は、帰還信号がフラットワイヤ105の他の導体のいずれかに存在するか否かを判断することができる。他の導体のいずれかに帰還信号があることは、通電可能導体205の誤配線又は通電可能導体205とフラットワイヤ105の他の導体のうちの1つとの間の短絡を示し得る。ブロック1060において、帰還信号がフラットワイヤ105の他の導体のうちの1つで検出される場合、DWI構成要素340はブロック1065に進み、リレー310が閉じられないようにして、フラットワイヤ105の通電を回避することができる。一方、ブロック1060において、帰還信号がフラットワイヤ105の他の導体のいずれにおいても検出されない場合、DWI構成要素340はブロック1070に進み、ASD100のリレー310を閉じさせることができる。代替的に、DWI構成要素フラグ又は状態を設定することができ、ASD100はこのフラグ又は状態を他のテストからのフラグ又は状態と併せて使用して、リレー310を閉じさせるか否かを判断することができる。
DWI構成要素340の電流ベースの方法によって実行されるテストは、必ずしも図10のロジックに記される順序で実行される必要はなく、それに代えて、任意の適した順序で実行してもよいことも当業者には理解されよう。DWI構成要素340は図10に記される各テストを実行する必要はなく、それに代えて、図10に記されるテストのすべてに満たないテストを実行してもよいことも理解されたい。任意のテストの結果、ブロック1065が実行されることになっても、DWI構成要素340はなお残りのテストを実行することができ、各テストの結果又は少なくとも肯定的な誤配線又は故障の指示という結果になったテストの結果を記録することができる。さらに、誤配線又は故障がDWI構成要素340によって検出された場合、インジケータをDWI構成要素340又は制御ユニット312によって記憶することができ、このインジケータは、いずれのテスト(複数可)が誤配線が検出される結果になったかについての情報を含むことができる。次に、このインジケータは、ASD100によって第2のASD100、中央監視装置、又はコンピュータのような別の装置に送信することができる。DWI構成要素340及び/又は制御ユニット312は、例えばDWI構成要素340の構成要素によってとられた測定データのような追加のデータを、例えば制御ユニット312のメモリ405のような適切なメモリに記憶させることもできる。
図11は、本発明の一実施形態によるASD100に組み込むことができる代替のDWI構成要素340の概略図である。図示のように、ASD100は、フラットワイヤ105のテストに利用できる2つ以上のリレー310、1105を含むことができる。図11を参照すると、ASD100は、第1のリレー310の作動を制御して、ライン側電源115からフラットワイヤ105の通電可能導体315への電力信号の通信を制御することができる。ASD100は、第2のリレー1105の作動を制御して、ライン側電源115からフラットワイヤ105の1つ又は複数の帰線210、215への電気信号の通信を制御することもできる。本発明の一態様によれば、2つのリレー310、1105は互いに独立して作動することができる。例えば、第2のリレー1105をDWI構成要素340と関連して利用して、誤配線及び/又はワイヤ故障についてフラットワイヤ105をテストすることができる。第2のリレー1105を、例えばライン側電源115の電力信号の半周期のような所定の時間にわたって閉じ、それによって、電気信号を帰線210、215のうちの1つ又は複数に通信させることができる。帰線210、215のうちの1つ又は複数に通信される電気信号が、ライン側電源115から通信される電力信号であってもよく、又は代替的に、この電気信号は、ライン側電源信号が変更されたものであってもよいことが理解されよう。例えば、ライン側電源信号は、帰線210、215のうちの1つ又は複数に通信される前に、適切な変圧器、及び/又は適切な抵抗素子によって制限される電流によって電圧を増減することができる。
電気信号が帰線210、215のうちの1つ又は複数に通信されると、DWI構成要素340に関連付けられる1つ又は複数のセンサ1110、1115、1120を利用して、帰還信号についてフラットワイヤ105をテストすることができる。1つ又は複数のセンサ1110、1115、1120は、上述したように、適切な電圧センサ又は電流センサであってもよい。例えば、1つ又は複数のセンサ1110、1115、1120は変流器であってもよい。図11に示すように、1つ又は複数のセンサ1110、1115、1120は、通電可能導体205、帰線210、215のうちの1つ又は複数、及び接地線220、225のうちの1つ又は複数の、帰還信号についてのテストに利用することができる。帰線210、215及び接地線220、225は、宛先モジュール120において適切に終端されている場合、それぞれループを形成するため、導体の各ペアに利用されるセンサが1つのみでよいことが理解されよう。さらに、通電可能導体205及び帰線210、215のうちの1つ又は複数での帰還信号についてのテストに利用されるセンサ1110、1115は、GFCI構成要素315によって利用される電流センサであってもよいことが理解されよう。
図11のDWI構成要素340は、図10を参照して帰線に関して上述した様式と同様にして、誤配線及び/又はワイヤ故障についてフラットワイヤ105をテストすることができる。例えば、電気信号を帰線210、215のうちの1つ又は複数に通信した後、1つ又は複数のセンサ1110、1115、1120によって検出される帰還信号によって、誤配線及び/又はワイヤ故障を識別することができる。帰還信号が通電可能導体205、及び/又は接地線220、225のうちの1つ又は複数で検出される場合、誤配線及び/又はワイヤ故障がフラットワイヤ105に存在するおそれがある。さらに、電気信号が第1の帰線210に印加され、帰還信号が第2の帰線215で検出されない場合、誤配線をフラットワイヤ105において識別することができる。
ASD100は任意の数のリレーを含んでよく、電気信号はテストのためにフラットワイヤ105の任意の導体(複数可)に通信してもよいことが理解されよう。例えば、リレーを利用して、電気信号をフラットワイヤ105の接地線220、225のうちの1つ又は複数に通信させることができ、図11を参照して上述した様式と同様にして、フラットワイヤ105を帰還信号についてテストすることができる。2つ以上のリレーの使用によって、リレーのうちの1つ又は複数のバウンス及び損耗の回避を助けることができることが理解されよう。例えば、リレー1105が、帰線210、215のうちの1つ又は複数への電気信号の通信の制御に利用される場合、リレー1105は、通電可能導体205に関連して利用されるリレー310が受けるバウンス及び/又は損耗を受けないことができる。
図12は、本発明の一実施形態による、フラットワイヤ105内の高インピーダンス短絡又はワイヤ故障の検出に利用できるASD100及びDWI構成要素340の概略図である。図12を参照すると、2つ以上のリレー310、1205をASD100内に組み込むことができる。第1のリレー310は、ライン側電源115からフラットワイヤ105への電力信号の通信の制御に利用することができる。第2のリレー1205は、フラットワイヤ105へのテスト信号の通信の制御に利用することができる。テスト信号は、電力信号の電流が制限されたものとすることができる。例えば、電力信号を適切な抵抗素子1210(例えば、抵抗)に通して、終端テスト信号の電流を制限することができる。電流を、例えば約6mA〜約100mAの電流のような任意の適切な値に制限することができることが理解されよう。本発明の一態様によれば、電流は約20mAに制限することができる。さらに、テスト信号の他のパラメータを適切な回路1215によって変更することができる。例えば、テスト信号の電圧を、フラットワイヤ105への通信前に変更することができる。一例として、テスト信号の電圧は、フラットワイヤ100への通信前に、適切な変圧器によってより高い電圧値に上げることができる。別の例として、テスト信号の電圧は、フラットワイヤ100への通信前に、適切な反転技法によって上げることができる。本発明の一態様によれば、テスト信号は約120V〜1000Vの電圧を有することができるが、より高い電圧値を使用してもよい。さらに、テスト信号は交流電流信号であってもよく、又は、例えばライン側電源115から受信される電力信号を整流することによって得られる直流信号のような直流電流信号であってもよいことが理解されよう。テスト信号は実質的にあらゆる周波数を有することができることも理解されよう。例えば、テスト信号は約50Hz〜約1MHzの周波数を有することができる。本発明の一態様によれば、テスト信号は約30KHzの周波数を有することができる。
高電圧テスト信号の使用が、フラットワイヤ105での高インピーダンス短絡又はワイヤ故障の検出を支援することができることが理解されよう。例えば、高電圧テスト信号は、フラットワイヤ105でのアークフラッシュ又は他のアーク放電状況の検出を支援することができる。電流が制限されたシングルの使用が、ワイヤ故障がフラットワイヤ105に存在する場合にさらなる安全を提供できることがさらに理解されよう。さらに、ASD100がフラットワイヤ105をテストするために図12を参照して説明したテスト信号の使用法を、本明細書において説明した、又は当業者にとって自明な他の能動式安全テストのうちの1つ又は複数から独立して、又はこれ(ら)に加えて、能動式安全テストとして使用してもよいことが理解されよう。
テスト信号は、第2のリレー1205を閉じることによってフラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数に通信することができる。第2のリレー1205は所定の時間にわたって閉じることができることが理解されよう。当業者に理解されるように、実質的にあらゆる所定の時間を利用することができる。さらに、テスト信号はフラットワイヤ105の導体のいずれにも通信することができる。例えば、テスト信号は、図11を参照して上述したように、フラットワイヤ105の帰線210、215のうちの1つ又は複数に通信することができる。別の例として、テスト信号は、フラットワイヤ105の接地線220、225のうちの1つ又は複数に通信してもよい。さらに別の例として、テスト信号は、フラットワイヤ105の通電可能導体205に通信してもよい。テスト信号がフラットワイヤ105の1つ又は複数の導体に通信された後、DWI構成要素340は、図11を参照して上述した様式と同様にして、帰還信号についてフラットワイヤ105の1つ又は複数の導体を監視することができる。帰還信号の検出は、フラットワイヤ105上の誤配線及び/又はワイヤ故障の存在を示し得る。例えば、テスト信号が第1の帰線210に通信される場合、通電可能導体205、及び/又は接地線220、225のうちの1つ又は複数での帰還信号の検出は、誤配線及び/又はワイヤ故障を示し得る。誤配線又はワイヤ故障がDWI構成要素340によって検出される場合、リレー310を開位置に維持し、それによって、フラットワイヤ105の完全な通電を回避することができる。さらに、第2のリレー1205を開位置に維持することができる。一方、DWI構成要素340が誤配線又はワイヤ故障を検出しない場合、第1のリレー310を閉じさせ、それによって、フラットワイヤ105を完全に通電させることができる。
上述したように、追加のテストをフラットワイヤ105の通電可能導体205に対して実行して、通電可能導体205が適切に終端されていると判断することができる。これらの追加のテストは、本明細書において反応式テストとして説明されるが、フラットワイヤ105の完全な通電前に能動式テストを利用してもよいことが理解されよう。これらのテストを負荷側ワイヤ完全性に関連付けることもできる。したがって、DWI構成要素340は、反応型要素及び能動型要素の両方を含むことができる。図13は、本発明の一実施形態による、宛先モジュール120でのフラットワイヤ適切な終端についてテストするために利用できる例示的な回路の概略図である。図13を参照すると、フラットワイヤ105の通電中及び/又はフラットワイヤ105の通電後に、ASD100は通電可能導体205の適切な終端についてテストすることができる。換言すれば、リレー310が閉じられると、ASD100は、通電可能導体205が宛先モジュール120において適切に終端されることを示す適切な帰還信号についてテストすることができる。宛先モジュール120において通電可能導体205の適切な終端についてテストするために、電気負荷1305を宛先モジュール120内に組み込むことができる。電気負荷1305は、例えば1つ又は複数のLED、1つ又は複数の抵抗、及び/又は1つ又は複数のキャパシタような、ASD100によって検出可能な受動負荷とすることができる。電気負荷1305は、フラットワイヤ105の通電可能導体205と帰線210、215のうちの1つ又は複数との間に接続してもよい。電気負荷1305は、ASD100内に含まれる1つ又は複数の電流感知装置によって識別可能な実質的にあらゆる総インピーダンスを有してもよい。
リレー310が閉じられ、電力信号がフラットワイヤ105に通信されると、電気負荷1305は、例えば、DWI構成要素340に関連付けて利用される電流センサような、ASD100の適切な電流センサによって検出可能であり得る電流をフラットワイヤ105に発生させるように動作することができる。次に、発生した電流は、ASD100に関連付けられる1つ又は複数の適切な電流センサによって検出することができ、検出された電流の振幅に少なくとも部分的に基づいて、通電可能導体205及び/又は帰線210、215のうちの1つ又は複数が適切に終端されているか否かを判断することができる。換言すれば、検出された電流が所定の閾値を上回る場合、通電可能導体205、及び/又は帰線210、215のうちの1つ又は複数が適切に終端されていると判断することができる。一方、検出された電流が所定の閾値を下回る場合、通電可能導体205及び/又は帰線210、215のうちの1つ又は複数が適切に終端されていないと判断することができ、リレー310を開き、それによって、フラットワイヤ105を通電解除することができる。例えば約20mAの所定の閾値のような、多くの異なる所定の閾値を本発明によって利用することができる。例えば、ランプ又は掃除機のような電気装置が宛先モジュール120に接続されている場合、より大きな電気負荷1035がフラットワイヤ105に存在し得ることも理解されよう。上述したように、過電流保護構成要素325は、フラットワイヤ105上の電流が、例えば15Aの電流のような最大許容電流を超える場合、フラットワイヤ105を通電解除することができる。
一例として、フラットワイヤ105が完全に通電すると、120VAC信号を通電可能導体205を介して宛先モジュール120に通信することができる。120VAC信号は、次に、通電可能導体205と、宛先モジュール120の帰線210、215の1つ又は複数との間に接続されている電気負荷1305を通じて通信されることができ、それによって、フラットワイヤ105に電流を発生させる。次に、電流をASD100において検出し、所定の閾値と比較して、フラットワイヤ105が適切に終端されているか否かを検証することができる。LEDが宛先モジュール120内の電気負荷1305の部分として利用される場合、LEDもフラットワイヤ105の適切な終端の視覚的な表示を提供できることが理解されよう。さらに、通電可能導体205について図13を参照して上述したテストと同様のテストをフラットワイヤ105の他の導体のうちの1つ又は複数に対して実行してもよいことが理解されよう。
適切に終端されている通電可能導体を検出するテストは反応式テストとして上述したが、フラットワイヤ105の完全な通電前に能動式テストを利用してもよいことが理解されよう。例えば、電圧テスト信号をフラットワイヤ105の通電可能導体205に通信し、宛先モジュール120内の受動負荷を通じて通信してから、ASD100に戻すことができる。受動負荷は、フラットワイヤ105内に検出可能な電圧降下を発生させることができる。次に、ASD100内の適切な電圧センサが受動負荷の両端の電圧降下を検出し、通電可能導体205が適切に終端されているか否かを判断することができる。宛先モジュール120は、電圧テスト信号が、例えばランプ又は掃除機のような、電気装置に通信されないようにすることができる適切なリレーを含むことができることが理解されよう。換言すれば、受動負荷は、フラットワイヤ105の能動式テスト中に宛先モジュール120においてフラットワイヤ105に接続されている唯一の負荷であることができる。終端テスト信号の電圧が、フラットワイヤ105に通信される前に上げられる場合、電気負荷100の検出がより容易であり得る。少なくとも部分的にASD100において検出される電圧に基づいて、DWI構成要素340及び/又は制御ユニット312は、通電可能導体205が適切に終端されているか否かを判断することができる。適切な電圧信号を利用して、フラットワイヤ105の他の導体を適切な終端についてテストしてもよいことが理解されよう。
他の安全構成要素をASD100内に含めるか若しくは組み込むか、又は関連付けることができることが理解されよう。本明細書において説明される安全構成要素は単なる例示にすぎない。他の安全構成要素が当業者には容易に明らかであろう。
様々な安全構成要素又は他の特徴を宛先装置117に含めてもよいことが理解されよう。上述したように、宛先装置117は、フラットワイヤ105の適切な終端のテストを支援する受動負荷を含むことができる。宛先装置117は、図19を参照して後述するように、宛先装置117から下流に接続されている、フラットワイヤをテストするために利用することができる1つ又は複数の安全構成要素を含むこともできる。含まれることができる1つ又は複数の安全構成要素は、ASD100に関して上述した安全構成要素のうちの1つ又は複数と同様であることができる。宛先装置117は、発光ダイオード(LED)、又は宛先装置117に給電されているときをユーザに示すことができる別の適した装置を含むこともできる。宛先装置117は、危険な高電流信号が宛先装置117を流れないようにすることができるとしたサージ保護装置及び関連付けられるヒューズを含むこともできる。例えば、宛先装置117は、通電可能導体205と帰線210、215との間に適したサージ保護装置を含むことができる。別の例として、宛先装置117は、通電可能導体205と接地線220、225との間に適したサージ保護装置を含むことができる。
宛先装置117及び/又はASD100は、停電時にフラットワイヤ105に対して少なくとも能動式テストを実行できるようにするバッテリバックアップを含むこともできる。バッテリバックアップは、例えば、電力がライン側電源115からASD100及び/又は宛先装置117に提供されている間に充電することができる充電可能なバッテリのような、任意の種類のバッテリであってもよい。さらに、上述したように、宛先装置117及び/又はASD100は任意の数の電気ソケットを含むことができる。宛先装置117に組み込むことができる他の特徴が当業者には明らかであろう。
安全は、特に通電可能導体205の貫通の可能性がある場合に、危険な電圧レベルを搬送し得る配線系統の設計において重要な考慮事項である。釘、ネジ、ドリルビット、ナイフの刃、鋸の歯、はさみ、ステープル、ダーツ、銃弾、玩具等のような物体によるフラットワイヤ105の貫通又は傷を考慮すべきである。
当業者ならば理解するように、本発明の開示のために本明細書において説明されるフラットワイヤ105はそれ自体、貫通された場合に安全であるように設計することができる。火災保護及び電気ショックに対する安全は、分岐回路主電盤内の回路遮断器又はヒューズのような一次安全装置のトリップ時間を早めながら、電圧を制限すること、ひいてはフラットワイヤ105内の電流を制限することに基づく。二次保護も、本発明のASD100によって提供することができる。
フラットワイヤ105は、貫通時に、第1の接地線220、第1の帰線210、通電可能導体205、第2の帰線215、及び第2の接地線225(G−N−H−N−G)の間にこの順序で短絡を発生させるように設計することができる。最高で4倍のコンダクタンスが各接地に結び付けられ、ライン電圧又はホット電圧よりも接地電圧に有利な分圧器が形成される。繰り返しのテストは、フラットワイヤ105の貫通部位に存在する電圧が、通常は25ミリ秒未満である一次安全装置のトリップ時間を超える時間にわたって約50VACを超えないことを示す。さらに、貫通部位に存在する電圧は、約8ミリ秒であり得るASD100のような二次安全装置のトリップ時間を超える時間にわって約50VACを超えない。
貫通は、先鋭な物体によってフラットワイヤ100の広い側面又は平坦な表面を通じて発生し得る。代替的に、貫通は、ナイフの刃又はドライウォールソー(drywall saw)のような物体によってフラットワイヤ100のエッジを通じて発生し得る。いずれの状況でも、結果として生じる短絡は、低電圧で高電流を短時間(トリップ時間未満)にわたって発生させるおそれがある。驚愕作用(startle effect)、すなわち爆音及び局所加熱は、保護層状フラットワイヤ105の性質によって最小に抑えることができる。
図14A〜図14Fは、活性状態の平坦多層フラットワイヤ105に釘又は鋲が貫通する過程の一例を示す一連の図である。ここでも、保護層状フラットワイヤ105は、例えば、釘のような貫通物体1400が最初に接地線(GI)220を貫通し、それから帰線又は中性線(N1)210を貫通してから、ホット通電可能導体205に任意に接触することを保証することによって、従来のワイヤよりも明確な利点を有する。
図14Aは、貫通物体1400がフラットワイヤ105の1つの接地線220のみを貫通した状況を示す。同様に、図14Bは、貫通物体1400が1つの接地線220及び1つの帰線210のみを貫通した状況を示す。図14A及び図14Bの両方において、通電可能導体205はまだ貫通されていない。したがって、図14A及び図14Bの両方において、貫通物体1400に電圧も電流も存在し得ない。さらに、フラットワイヤ105の通電可能導体205に存在する電流は、或る通常の負荷電流であることができる。通電可能導体205に存在する通常の負荷電流は、標準の米国分岐用途では約15アンペア未満、又は標準の欧州分岐用途では約6アンペア未満の電流であり得る。
図14Cは、貫通物体1400が通電可能導体205、帰線のうちの1つ210、及び接地線のうちの1つ220を短絡させた状況を示す。同様に、図14Dは、貫通物体1400が通電可能導体205、両方の帰線210、215、及び接地線のうちの1つ220を短絡させた状況を示す。図14Eは、貫通物体1400が通電可能導体205、両方の帰線210、215、及び両方の接地線220、225を短絡させた状況を示す。図14C〜図14Eのそれぞれにおいて、通電可能導体205と、他の導体210、215、220、225のうちの任意の導体との間に発生するフラットワイヤ105内の短絡回路は、回路遮断器のような一次安全装置又はASD100のような二次安全装置がトリップするまで、分圧器として機能することができる。図14C〜図14Eのそれぞれにおいて、貫通物体1400に比較的低い電圧が存在し得る。この低電圧は、標準の120VACワイヤでは約50VAC未満であることができ、標準の240VACラインでは約100VAC未満であることができる。さらに、図14C〜図14Eのそれぞれにおいて、通電可能導体205に存在する電流は、一次安全装置又は二次安全装置(ASD)100がトリップするまで、約100アンペアを超え得る。接地線220、225のうちの一方、及び/又は帰線210、215のうちの一方にも電流が存在する場合があり、これもASD100のトリップを促す。
外側の接地層110から通電可能導体205に貫通する(図14A〜図14C)までの時間は通常、1ミリ秒未満であることができ、これは、回路遮断器のような一次安全装置の典型的なトリップ時間のわずか数分の一である。同様に、通電可能導体205から裏側の接地層225まで続けて貫通する(図14C〜図14E)時間も比較的短時間であることができる。貫通中に形成される短絡回路は、連続した性質のものであり得る。短絡回路の連続性は、2つの主な要因、すなわち、貫通物体1400の側面での導体接触が、第1に、貫通中では絶縁変位プロセスによって、第2に、短絡が開始されてからは接触エリアの近傍にある溶けた銅によって維持されることに起因する。
図14Fは、貫通物体1400がフラットワイヤ105から取り外された後の貫通を示す。回路遮断器がリセットされて、フラットワイヤ105が通電された場合、回路遮断器が再びトリップする前に、何らかの追加の破損がフラットワイヤ105に対して発生し得るが、ASD100がフラットワイヤ105に接続されている場合、あらゆる追加の破損を回避することができる。ASD100の能動型安全構成要素は、フラットワイヤ100を完全に通電させる前に、故障がフラットワイヤ100に存在すると判断することができる。例えば、フラットワイヤ105を通電前にテストする場合、ASD100のDWI構成要素340は、フラットワイヤ105の導体間又は層間に短絡が存在すると判断することができる。次に、ASD100は、フラットワイヤ100が通電されないようにする。
図15は、フラットワイヤ105の貫通中に存在する電圧及び電流の波形の代表的なグラフである。貫通物体1400に存在する電圧波形及び通電可能導体205に存在する電流波形は、Gould Ultima 500オシロスコープのようなオシロスコープによって捕捉することができる。この例では、貫通物体1400は4d共通サイズの釘であり、使用された回路遮断器は共通の20アンペアGE回路遮断器であった。図14に示すように、回路遮断器のトリップ時間は、貫通物体1400がフラットワイヤ105を貫通する場合に約12ミリ秒〜25ミリ秒であり得る。回路遮断器のトリップ時間が、標準の120VAC、60Hz電気ワイヤの1周期期間未満であり得ることに留意されたい。フラットワイヤ105に接続されているASD100のトリップ時間も、標準の120VAC、60Hz電気ワイヤの1周期期間未満であり得る。さらに、ASD100のトリップ時間は回路遮断器のトリップ時間未満であり得る。ASD100のトリップ時間は、例えば、約8ミリ秒未満であることができ、回路遮断器のトリップ前にASD100をトリップさせる。ASD100がトリップし、フラットワイヤ105を通電解除した後、回路遮断器はトリップすることもあれば、又はトリップしないこともある。
図16A〜図16Dは、活性状態でない平坦多層フラットワイヤ105の貫通の過程の例を示す一連の図である。図16Aは、釘のような貫通物体1600がフラットワイヤ105を貫通するときに発生する層間短絡を示す。通電していない状態では、フラットワイヤ105の導体は、高電流からの追加の破損又は溶融を受けることはないが、複数の層間短絡が発生するおそれがある。図16Bは、貫通物体1600がフラットワイヤ105から取り外された後の残留層間短絡を示す。ASD100のDWI構成要素340は、フラットワイヤ105を完全に通電させる前に、この層間短絡を検出することが可能であり得る。DWI構成要素340は、フラットワイヤ105を完全に通電させる前に、接地層ループ又は帰線層ループのような、フラットワイヤ105の層ループが完成されていないと判断することも可能であり得る。ASD100の能動型安全構成要素は、フラットワイヤ105を完全に通電させる前に欠陥を認識することによって、フラットワイヤ105の通電時に発生し得るフラッシュ又はプルーム(例えば、アークフラッシュ)を防ぐことができる。
フラットワイヤ105が通電した後に貫通物体1600がフラットワイヤ105を貫通した場合、GFCI構成要素315及び接地電流監視構成要素330を含む反応型安全構成要素が、フラットワイヤ105内の瑕疵を検出し、ASD100のリレー310を開き、それによってフラットワイヤ105を通電解除することができる。
図16Cは、はさみのような切断物体1605によるフラットワイヤ105の横断切断を示す。図16Cでは、切断物体1605は切断中であり、まだフラットワイヤ105内に示されている。図16Dは、切断物体1605が取り外されると、部分的に切断されたフラットワイヤ105の断面がどのように見えるかを示す。フラットワイヤ105に接続されているASD100のDWI構成要素340は、フラットワイヤを完全に通電させる前に、切断物体1605によって形成される層間短絡を検出することが可能であり得る。代替的に、DWI構成要素340は、フラットワイヤ105を完全に通電させる前に、接地層ループ又は帰線層ループのようなフラットワイヤ105の層ループが完成されていないと判断することが可能であり得る。ASD100の能動型安全構成要素は、フラットワイヤ105を完全に通電させる前に欠陥を認識することによって、フラットワイヤ105に発生するおそれのあるフラッシュ又はプルーム(例えば、アークフラッシュ)を防ぐことができる。
フラットワイヤ105が通電した後に切断物体1605がフラットワイヤ105を切断する場合、GFCI構成要素315及び接地電流監視構成要素330を含む反応型安全構成要素が、フラットワイヤ105内の瑕疵を検出し、ASD100のリレー310を開き、それによってフラットワイヤ105を通電解除することができる。
ASD100のさまざまな安全構成要素はさまざまな回路を共有することができる。さまざまな安全構成要素は本明細書では個々の構成要素として説明されるが、共通回路を利用してもよいことが理解されよう。例えば、ASD100は、ASD100の各安全構成要素が必要に応じて使用するただ1つの励起回路及びただ1つの感知回路を備えてもよい。
ASD100のさまざまな構成要素による回路の共有は、コンパクトな装置の構築を容易にすることができる。したがって、ASD100は、概ね共通電源コンセントのサイズの電源ボックス又は穴のような、コンパクトなエンクロージャ内に配置することができる。例えば、ASD100は、電源コンセントに使用される穴のサイズである電源ボックス内に配置することができる。ASD100は、従来の壁内電気ワイヤによって給電されてもよい。代替的に、ASD100は、従来の壁のレセプタクルコンセントにプラグインされ、そのコンセントによって給電されてもよい。ASD100がコンセントにプラグインされる場合、ソース装置103は、例えば、コンセントに挿入することができる従来の三叉電気プラグのようなプラグを備えることができる。このような状況では、プラグはフラットワイヤシステム101のライン側電源115であり、ライン側電源115はソース装置103に組み込まれる。次に、フラットワイヤ105をASD100に接続し、ASD100によって監視することができる。さらに、ASD100は、ASD100の外表面に配置される補助レセプタクル又はプラグを有することができる。これらのプラグは、一般的な二叉プラグ又は三叉プラグであってもよく、電子装置への給電に使用することができる。
本発明の一態様によれば、ASD100は、標準の電源コンセントであるライン側電源115から電力及び電力信号を受信するように構成することができる。さらに、ASD100は、ASD100を通じて電力信号を最初に通信することなく、フラットワイヤ105への電力信号の通信を阻止するように構成することができる。したがって、ASD100は、フラットワイヤ105の通電前、フラットワイヤ105の通電中、及び/又はフラットワイヤ105の通電後に、当該フラットワイヤ105に対して一つ又は複数のテストを実行することができる。図17Aは、本発明の例示的な実施形態による、電源コンセント1705及びフラットワイヤ105への例示的なソース装置接続の概略図である。ソース装置103は、フラットワイヤ105に関連付けられる終端装置1710に接続することができる。図17Aを参照すると、ASD100のソース装置103は、電源コンセント1705の対応するソケット1720にプラグインされるように構成される電気プラグ1715を含むことができる。さらに、ASD100のソースモジュール110は、終端装置1710に関連付けられる1つ又は複数の対応する終端プラグ1730にプラグインされるように構成される、1つ又は複数のソース終端ポイント1725を含むことができる。フラットワイヤ105は終端装置1710に接続することができ、フラットワイヤ105の各導体は、終端装置1710のそれぞれの終端プラグ1730において終端することができる。フラットワイヤ105の導体は、終端装置1710において、例えば、G−N−H−N−G構成のような適切な順序で終端することができる。例えば、フラットワイヤ105の接地線220をまず終端することができ、それから、他方の接地線225が終端されるまで、フラットワイヤ105の他の導体を順序通りに終端することができる。本開示において説明される例示的なフラットワイヤ105の対称性を前提とすると、フラットワイヤ105は、G−N−H−N−G構成が使用され、且つフラットワイヤ105の導体が接地線220、225から始まる順序で終端される場合、接地線220、225のいずれが最初に終端されるかに関わらず正しく終端されるはずであることが理解されよう。
引き続き図17Aを参照すると、ASD100が電源コンセント1705にプラグインされると、ソース終端ポイント1725も終端装置1710の対応する終端プラグ1730に接続されることになる。ASD100が電源コンセント1705から外されると、終端装置1710との接続も切断される。さらに、終端装置1710は電源コンセント1705から離れて配置され、ASD100にライン側電源115とフラットワイヤ105との間の接続を完成するように要求することができる。したがって、ASD100は、電力信号をライン側電源115からフラットワイヤ105に通信する前に、フラットワイヤ105をテストすることができる。
図17Aに示すように、ソース終端ポイント1725はオス終端ポイントであり、終端装置1710の対応する終端プラグ1730はメス終端ポイントである。しかし、ソース装置103がメス終端ポイントを備えてもよく、終端装置1710がオス終端装置を備えてもよいことが理解されよう。さらに、当業者には理解されるように、他の種類の接続をソース装置103と終端装置1710との間で利用してもよいことが理解されよう。さらに、図17Aに示される接続に使用する必要がある電源コンセント1705のソケットは、ソケット1720のみであることが理解されよう。したがって、電源コンセント1705の残りの任意のソケットは他の装置に自由に使用することができる。
本発明の別の態様によれば、ASD100は、標準の電気プラグをASD100にプラグインすることができるようにする1つ若しくは複数の電気ソケット又は拡張コンセントを備えるか、又は組み込むことができる。図17Bは、本発明の例示的な実施形態による、拡張コンセントを含むASD100の概略図である。図17BのASD100は、例えば、壁1735の表面に配置される図17Aの電気ソケット1705のような電気ソケットにプラグインされて示されている。ASD100が任意の数の拡張コンセントを備えることができ、これらの拡張コンセントはASD100の任意の表面に配置されることができることが理解されよう。図17Bに示すように、ASD100は、ASD100の正面から壁1735の正面まで延びる2つの拡張コンセント1740、1745をASD100の周面に備えることができる。拡張コンセント1740、1745は、当該拡張コンセントのメス接続が部屋の床又は天井に対して水平に配置されるように構成することができる。したがって、各拡張コンセント1740、1745は、壁1735に接触することなく挿入される変圧器を含む電気プラグを可能にすることができる。拡張コンセント1740、1745は、それらのメス接続が、例えば図17Aの標準電気コンセント1705のメス接続のような任意の様式で配置されるように構成してもよいことを理解されよう。宛先装置117が1つ又は複数の電気コンセントを備えてもよいことも理解されよう。
本発明の別の態様によれば、ASD100は、2本以上のフラットワイヤ105をサポート及び監視することが可能であり得る。複数のフラットワイヤ105は、ASD100から別個の宛先モジュール120又は別個の負荷125に延在することができる。代替的に、又は付加的に、図18に示すように、2つ以上のフラットワイヤ105を、ASD100と宛先装置117又は負荷125との間に配置することができる。図18には、本発明の例示的な実施形態による、同じ宛先装置117に接続されている2つのフラットワイヤ105、1805を監視するASD100を含む、フラットワイヤシステム1801の概略図が示される。例えば、図18に示すように、一次フラットワイヤ105及び二次フラットワイヤ1805は両方とも、ASD100から宛先装置117まで延在することができる。ASD100は、一次フラットワイヤ105内でワイヤ故障を検出する場合、一次フラットワイヤ105に接続されているリレー310を開位置に維持し、それによって一次フラットワイヤ105が通電されないようにすることができる。次に、ASD100は二次フラットワイヤ1805に接続されているリレーを閉じ、二次フラットワイヤ1805を通電させて、負荷125に給電することができる。二次フラットワイヤ1805は、一次フラットワイヤ105と同様にしてASD100によって監視できることが理解されよう。さらに、ASD100の制御ユニット312又は代替的にASD100の安全構成要素は、二次フラットワイヤ1805への変更のインジケーションをユーザに提供することができる。このインジケーションは、ASD100による二次フラットワイヤ1805への変更を示すLEDの作動のような任意の制御動作であることができる。行うことができる別の制御動作は、ASD100による二次フラットワイヤ1805への変更を示すメッセージの送信である。このメッセージは、より詳細に後述するように、別のASD100、中央ハブ若しくは制御パネル、又は別の宛先に送信することができる。
本発明の別の態様によれば、ASD100、又はASD100を含むソース装置103は、直列接続されている2つ以上の宛先装置117と併せて使用することができる。図19は、本発明の例示的な実施形態による、単一のソース装置103によってサポートされている直列構成の複数の宛先装置117a〜117nの概略図である。図19に示すように、ASD100を含む単一のソース装置103が、ソース装置103から一連の宛先装置117a〜117nまで延びるフラットワイヤ105を監視することができる。各宛先装置117a〜117nは、コンセントアセンブリ又はレセプタクルのような電気負荷であることができる。この種の構成は、レセプタクル追加構成又はデイジーチェイン構成と呼ぶこともできる。任意の数のASD及び/又は宛先装置を直列接続することができることが理解されよう。
図19に示すように、フラットワイヤ105はソース装置103から宛先装置117a〜117nを通じて延在することができる。フラットワイヤ105の入力セグメントは各宛先装置117a〜117nで終端することができ、それから、フラットワイヤ105の新しい出力セグメントを使用して、次の宛先装置117a〜117nに接続することができる。例えば、フラットワイヤ105の第1のセグメントは、ソースモジュール110を第1の宛先装置117aの宛先モジュール120に接続することができ、そこでフラットワイヤ105の第1のセグメントは終端する。次に、フラットワイヤ105の別個のセグメントが、第1の宛先装置117aを第2の宛先装置117bに接続することができる。このパターンは、フラットワイヤ105が最後の宛先装置117nに達するまで続けることができる。代替的に、フラットワイヤ105の単一のセグメントを使用して、すべての宛先装置117a〜117nを接続してもよい。各宛先装置117a〜117nは、フラットワイヤ105の各導体を宛先装置117a〜117nに接続する、適した端子を使用して、フラットワイヤ105に接続することができる。各宛先装置117の宛先モジュール120及び拡張モジュール122内の終端ポイントは、フラットワイヤ105を宛先装置117に接続するために使用され、端子台、クリンプ端子、プラグ−ソケットコネクタ、絶縁変位コネクタ(IDC)、導体貫通コネクタ(CPC)、又は当業者に理解されるような任意の他の適した電気コネクタを含むことができる。
各宛先装置117a〜117nは、フラットワイヤ105によって搬送される信号を次の宛先装置117a〜117nに渡すために、ASD100と通信しASD100によって制御されるリレーを備えることができる。例えば、第1の宛先装置117aは、フラットワイヤ105によって搬送される電力及び/又は信号を、第2の宛先装置117bに渡すリレーを備えることができる。フラットワイヤ105は、フラットワイヤがリレーで制御する必要がない最後の宛先装置117nに達するまで、各宛先装置117a〜117n−1を通じてリレーで制御することができる。任意選択的に、各宛先装置117は、宛先装置117から下流の次の宛先装置まで延在するフラットワイヤ105をテストするために使用されるDWI構成要素340を含むことができる。リレーは時間遅延リレーであってもよく、これは、各リレーが、電力を受けた後、最小の時間で作動するか又は閉じることができることを意味する。各リレーが作動前に電力を受ける必要がある時間は、例えば、約375ミリ秒のような、フラットワイヤ105の次の下流セグメントをテストするために十分な時間であることができる。さらに、各リレーが作動前に電力を受ける必要がある時間は、調整可能な時間であることができる。リレーの代替として、リレーを備える宛先装置117a〜117nを参照してより詳細に後述するように、各宛先モジュール117a〜l17nが、制御ユニット、又はASD100と通信すると共に、フラットワイヤ105の瑕疵を分離するために使用される他の制御ロジックを備えることができることが理解されよう。
さらに、各宛先装置117a〜117nは、より詳細に後述するように、ASD100と通信することができる。ASD100がフラットワイヤ105を監視している間、誤配線又は故障がフラットワイヤ105において検出される場合、誤配線又は故障は、ASD100がリレーを使用することによって分離することができる。例として、ASD100のリレー310が閉じられる前に、ASD100は、誤配線又は故障についてフラットワイヤ105をテストすることができる。ASD100はまず、ソースモジュール110と第1の宛先装置117aの宛先モジュール120との間に延びる、フラットワイヤ105の第1のセグメントをテストすることができる。誤配線又は故障が検出される場合、ASD100はリレー310を開位置に維持し、フラットワイヤ105が通電されないようにすることができる。誤配線又は故障がフラットワイヤ105の第1のセグメントにおいて検出されない場合、ASD100は、フラットワイヤ105の第1のセグメントと、第1の宛先装置117a及び第2の宛先装置117bを接続する、フラットワイヤ105第2のセグメントとの組み合わせをテストすることができる。誤配線又は故障が検出される場合、ASD100はフラットワイヤ105が通電されないようにすることができるか、又はリレーに開いた状態を保つように命令する信号を第1の宛先装置117aのリレーに送信することができる。次に、フラットワイヤ105の第1のセグメントを通電させて、第1の宛先装置117aに接続されている負荷が電力を受け取ることができるようにすることができる。しかし、第1の宛先装置117aからラインの下流に接続されている宛先装置117b〜117nのいずれも電力を受け取らない。したがって、フラットワイヤ105内の誤配線又は故障をASD100によって分離することができ、誤配線又は故障を含むフラットワイヤセグメントの前にある、ASD100に接続されているいずれの宛先装置117a〜117nも識別され、電力を受け取ることができる。他のフラットワイヤセグメントは、電力の受け取りが阻止され得る。別の例として、ASD100は、フラットワイヤ105が通電している間にフラットワイヤ105内に誤配線又は故障を検出する場合、リレー310を開き、フラットワイヤ105を通電解除することができる。次に、ASD100は、上記の例において説明した方法を使用して、誤配線又は故障が発生したフラットワイヤ105のセグメントを分離することができると共に、誤配線又は故障が発生したフラットワイヤ105のセグメントの前までのフラットワイヤ105を通電させることができる。別の例として、増分的なテスト実施に関連付けられるタイミング遅延を回避するために、フラットワイヤ105の通電前に、フラットワイヤ105の全長(又は2つ以上のフラットワイヤセグメント)をテストすることができる。これを実現するために、各宛先装置117a〜117n内のリレーを閉じ、テスト信号をASD100によってフラットワイヤ105を通じて通信することができる。誤配線又は故障がフラットワイヤ105内で検出される場合、上述した増分的方法を利用して、誤配線又は故障を分離することができる。
代替的に、各宛先装置117a〜117nがDWI構成要素340を備える場合、各宛先装置117a〜117nはフラットワイヤ105の次の下流のセグメントを、フラットワイヤ105のそのセグメントが通電する前にテストすることができる。各宛先装置117a〜117nのDWI構成要素340によって実行されるテストを使用して、フラットワイヤ105内の誤配線又は故障を分離し、フラットワイヤ105の誤配線又は故障のあるセグメント及び下流のあらゆるフラットワイヤセグメントが電力を受け取らないようにすることができる。例として、ASD100はまず、ソースモジュール110と第1の宛先装置117aの宛先モジュール120との間に延びる、フラットワイヤ105の第1のセグメントをテストすることができる。誤配線又は故障が検出される場合、ASD100はリレー310を開位置に維持し、フラットワイヤ105が通電されないようにすることができる。誤配線又は故障がフラットワイヤ105の第1のセグメントにおいて検出されない場合、ASD100は、フラットワイヤ105の第1のセグメントを通電させることができる。次に、第1の宛先装置117aのDWI構成要素340が、第1の宛先装置117aと第2の宛先装置117bとを接続するフラットワイヤ105の第2のセグメントをテストすることができる。誤配線又は故障が検出される場合、第1の宛先装置117aは、第1の宛先装置117aのリレーを開くことによってフラットワイヤ105の第2のセグメントが通電されないようにすることができる。一方、誤配線又は故障がフラットワイヤ105の第2のセグメントにおいて検出されない場合、第1の宛先装置117aは、フラットワイヤ105の第2のセグメントを通電させることができる。第1の宛先装置117aから下流の宛先装置117b〜nは、第1の宛先装置117aと同じ機能を含むことができる。したがって、フラットワイヤ105内の誤配線又は故障をASD100によって分離することができ、フラットワイヤ105の誤配線又は故障があるセグメントよりも前の、ASD100に接続されているいずれの宛先装置117a〜117nも識別され、電力を受け取ることができる。他のフラットワイヤセグメントは、電力の受け取りが阻止される。別の例として、ASD100は、フラットワイヤ105が通電している間にフラットワイヤ105内に誤配線又は故障を検出する場合、リレー310を開き、フラットワイヤ105を通電解除することができる。次に、ASD100及び宛先装置117a〜117nは、上記の例において説明した方法を使用して、誤配線又は故障が発生したフラットワイヤ105のセグメントを分離することができると共に、誤配線又は故障が発生したフラットワイヤ105のセグメントの前までのフラットワイヤ105を通電させることができる。
さらに、フラットワイヤ105の複数のセグメントが各宛先装置117a〜117nの接続に使用される場合、ASD100は、各宛先装置117a〜117n内のスイッチを切り替えて、図17を参照して上述したように、フラットワイヤ105を介して一次フラットワイヤセグメントではなく二次フラットワイヤセグメントを通して送信信号をルーティングすることができる。フラットワイヤ105の通電前に上記の例を使用して、誤配線又は故障が、第1の宛先装置117aと第2の宛先装置117bとを接続するフラットワイヤ105のセグメントに存在する場合、ASD100は、第1の宛先装置117a内のスイッチを切り替えて、第1の宛先装置117aと第2の宛先装置117bとを接続するフラットワイヤのセグメントを、フラットワイヤ105の一次セグメントではなくフラットワイヤ1805の二次セグメントに切り替えることができる。この時点において、ASD100及び/又は宛先装置117a〜117nは、第1の宛先装置117aと第2の宛先装置117bとを接続する、フラットワイヤ105の二次セグメントをテストすることによって、フラットワイヤ105のテストを再開することができる。
図20は、本発明の例示的な実施形態による、複数のソース装置103a〜103dが、或る部屋内の複数のフラットワイヤ105a〜105dを監視する中央装置を形成するためのシステムの概略図である。各ソース装置103はASD100を含むことができる。図19に示すように、2つ以上のソース装置103a〜103dを、単一の装置であって、この結合装置から延びるフラットワイヤ105a〜105dの複数の分岐を監視することができる単一の装置に組み立てることができる。したがって、結合装置は、複数のフラットワイヤ分岐105a〜105dを監視することができる中央装置を形成することができる。各フラットワイヤ分岐105a〜105dは宛先装置117a〜117dにおいて終端することができる。例えば、結合ソース装置103a〜103は部屋の1つの壁内、1つの壁の表面、又は1つの壁の近傍に配置することができ、別個のフラットワイヤ分岐105a〜105dは、結合ソース装置から部屋の各壁まで延在することができる。そして、結合ソース装置内の個々のASDは、結合装置から延在するフラットワイヤ分岐105a〜105dのうちの1つ又は複数を監視することができる。図19の中央装置はソース装置103a〜103dの組み合わせとして示されるが、本発明の実施形態によって、単一の装置を利用して、複数のフラットワイヤ分岐105a〜105dを監視してもよいことが理解されよう。
図21は、本発明の例示的な実施形態による、中央ハブ2105によって監視されるソース装置103のネットワークを含むフラットワイヤネットワーク2100の概略図である。ソース装置103のそれぞれは、ソース装置103に接続されているフラットワイヤ分岐105を監視することができる、1つ又は複数のASD100を含むことができる。従来のワイヤ及び/又はフラットワイヤ105であってもよい1つ又は複数の電気ワイヤ2110が、共通回路遮断器盤に関連付けることができる中央ハブ2105と建物内の各部屋との間に接続されるネットワークを確立することができる。これらの電気ワイヤ2110のそれぞれは、別個の部屋内のソース装置103に接続することができる。したがって、各ソース装置103は、部屋全体にサービスする電力センタとして使用することができる。この配線方法は、例えば、多少老朽化した家屋のような、壁内リノベーションが現実的ではない家屋の配線をし直す安価な方法であり得る。電気ワイヤが中央ハブ2105から部屋に延ばされると、フラットワイヤ105は、部屋の壁又は部屋の天井若しくは床のそれぞれに配電する経済的で実現可能な方法になる。ソース装置103は、ゲートウェイを電気ワイヤ2110と部屋内のフラットワイヤ105の分岐回路との間に提供することによって、各部屋にサービスする電力センタとして機能することができる。フラットワイヤ105の分岐回路のそれぞれは、上述したように、1つ又は複数の宛先装置117に接続することができる。図21に示されるソース装置103のそれぞれが、1つ又は複数のフラットワイヤ105の分岐回路を監視することができる単一のASD100を含んでもよく、又は代替的に、ソース装置117のそれぞれが、図20を参照して上述したように、フラットワイヤ105の分岐回路を監視する2つ以上のASD100を含んでもよいことも理解されよう。
部屋内で、各ソース装置103は、フラットワイヤ105の分岐回路を有する壁、天井、及び床のいずれかにサービスすることができる。各ソース装置103は、接続されているフラットワイヤ105の分岐回路を個々に制御することができる。さらに、各ソース装置103は、フラットワイヤ105を介して分岐回路の宛先装置117と通信して、回路の安全及び通電状態を監視することができる。上述したように、宛先装置117は、リレー、検出回路、及び/又は宛先装置117が接続されているフラットワイヤ分岐回路105を監視する、ソース装置117と通信する制御ユニットを含むことができる。したがって、フラットワイヤネットワークの任意のセグメントを、瑕疵がそのセグメントに検出された場合、分離して遮断することができる。さらに各ソース装置117は、壁の表面に取り付けてもよく、部屋内の壁の内部に取り付けてもよく、又は壁の付近に配置してもよい。
各ソース装置103は中央ハブ2105と通信することもできる。中央ハブは、好ましくは、回路遮断器盤付近に、又は少なくとも建物内に配置される。しかし、中央ハブ2105を建物から離れて配置することも可能である。中央ハブ2105は、各ソース装置103からデータを収集し、安全及び通電状態を建物内のすべての分岐回路105に提供することができる。中央ハブ2105は、壁の表面に取り付けられてもよく、又は壁の内部に取り付けられてもよい。
フラットワイヤ105の誤配線又は故障が任意の所与の分岐回路において検出される場合、その分岐回路を制御している中央ハブ2105若しくはソース装置103のいずれか、又はこれら両方が、その分岐回路を使用不可能にし、他の分岐から分離することができる。代替的に、ソース装置103に接続されている下流宛先装置117は、誤配線又は故障を有する分岐回路を使用不可能にし、他の分岐から分離することができる。換言すれば、その分岐回路を通電させないようにすることができる。このようにして、他の分岐回路の少なくとも一部は影響を受けずに、誤配線又は故障を有する分岐回路を使用不可能にすることができる。したがって、フラットワイヤ105が貫通するか、又はフラットワイヤ105の導体が誤配線されても、結果として生じる電力損失はフラットワイヤネットワークの1つの分岐においてのみであり得る。
本発明の別の態様によれば、フラットワイヤ105を使用して信号を通信することができる。これらの信号は、フラットワイヤ105を介してフラットワイヤネットワーク内又はフラットワイヤ分岐回路内の任意の装置間で通信することができる。例えば、図20を参照すると、フラットワイヤ105を介して信号をソース装置103内のASD100と宛先装置117a〜117nのいずれかとの間で通信することができる。同様に、図21を参照すると、フラットワイヤ105を介して信号を1つのソース装置103から別のソース装置103に、又は中央ハブ2105とソース装置103のうちの1つとの間で送信することができる。しかし、フラットワイヤネットワーク又はフラット分岐回路内の装置がフラットワイヤ105に対して外部のワイヤ、導体、若しくは光ファイバを通して、又は代替的に、例えば無線ローカルエリアネットワークのような無線通信手段を通して互いに通信してもよいことが理解されよう。
通信信号は、フラットワイヤ105の任意の導体を介して送信することができる。別個の通信信号を、フラットワイヤ105の個々の導体のそれぞれを介して送信することができる。信号は、例えば、図9Bを参照して上述した励起回路のような励起回路によってフラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数に通信することができる。次に、例えば図9Bを参照して上述した感知回路のような感知回路によって信号を識別し、フラットワイヤ105の1つ又は複数の導体から読み取ることができる。一例として、フラットワイヤ105の接地線220、225を信号の通信に使用することができる。接地線220、225を介して通信される信号は、約0.1ボルト〜5.0ボルトの範囲内の低電圧信号であることができる。さらに、接地線220、225を介して通信される信号の周波数は、約1000Hz以上の周波数であることができる。通常、接地線220、225には電圧も電流も存在しないため、接地線220、225は、フラットワイヤ105が完全に通電した場合であっても、通信信号の送信に有利に使用することができる。接地線220、225と同様に、通信信号は、フラットワイヤ105の帰線210、215を介して送信することができる。帰線210、215を介して通信される信号は、約0.1ボルト〜5.0ボルトの範囲内の低電圧信号であることができる。さらに、帰線210、215を介して通信される信号の周波数は、約1000Hz以上の周波数であることができる。信号は、フラットワイヤ105が通電している間にフラットワイヤ105の導体を介して通信することができる。信号が、例えば、信号の識別に利用でき、したがって、ASD100の安全構成要素のうちの1つ又は複数による誤トリップを回避できる信号ヘッダのような、適切な識別子を含み得ることが理解されよう。
通信信号は、フラットワイヤ105の通電可能導体205を介して送信することもできる。通電可能導体205を介して通信される信号は、約0.1ボルト〜5.0ボルトの電圧の低電圧信号であることができる。さらに、通電可能導体205を介して通信される信号の周波数は、約1000Hz以上の周波数であることができる。信号は、フラットワイヤ105が通電しているとき、及びフラットワイヤ105が通電していないときのいずれのときでも通電可能導体205を介して送信することができる。本開示と併せて使用されるフラットワイヤ105によって、通電したフラットワイヤ105は約110ボルト〜130ボルト(北米用途の場合)、又は約230ボルト〜250ボルト(欧州用途の場合)の電圧信号を約50ヘルツ〜60ヘルツの周波数で搬送することができる。しかし、当業者に理解されるように、それでも通信は、電力線搬送(PLC)技術又は電力線ブロードバンド(BPL)技術を使用して通電可能導体205を介して送信することができる。通電可能導体205を介して送信されるPLC信号又はBPL信号は、約0.1ボルト〜20ボルトの電圧であることができる。例示的な実施形態では、通電可能導体205を介して送信される信号の電圧は、約0.1ボルト〜5ボルトの電圧であることができる。さらに、通電可能導体205を介して送信されるPLC信号又はBPL信号は、約1メガヘルツ(MHz)よりも高い周波数であることができる。例えば、周波数は約2MHz〜20MHzの範囲内にあることができるが、約40MHzまで、及び約40Hzを超える周波数を本発明と併せて使用することができることが理解されよう。さらに、上述したように、信号は適切な識別子を含むことができる。
本発明の別の態様によれば、フラットワイヤ105の導体のうちの1つ又は複数を介して送信される通信信号を使用して、フラットワイヤ105によって接続されている装置間に通信を確立することができる。例えば、通信信号を使用して、2つのASD100間、ASD100と宛先装置117との間、又はASD100と中央ハブ2105との間で通信を確立することができる。さらに、通信信号は、通信プロトコルに従ってフラットワイヤ105によって接続されている装置によって、フラットワイヤ105を介して送信することができる。例えば、通信信号は、当業者に理解されるように、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル(TCP)、又は別のプロトコルを介して伝送してもよい。さらに、通信信号を使用して、フラットワイヤ105によって接続されている2つの装置間に接続を確立することができる。確立される接続は、ポイントツーポイント接続であってもよく、又は、ピアツーピア接続若しくはローカルエリアネットワーク接続のような、他の何らかの種類の接続であってもよい。
上記説明及び関連付けられる図面に提示される教示から恩恵を受ける本発明に関連する分野の当業者ならば、本明細書に示される本発明の多くの変更形態及び他の実施形態を思い付くであろう。したがって、本発明は開示される特定の実施形態に限定されるべきではなく、変更形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に包含されることを意図されることを理解されたい。特定の用語が本明細書において利用されるが、それらの用語は限定のためではなく、一般的且つ説明的な意味でのみ使用されている。