JP2013217474A - 保持器及び円錐ころ軸受 - Google Patents

保持器及び円錐ころ軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】円錐ころ軸受において保持器の寸法精度及び強度を向上させること。
【解決手段】保持器5は、内輪2と、外輪3と、ころ4と、保持器5とを備える。保持器5は、環状の構造体であって、構造体の径方向内側と径方向外側とを貫通して、ころ4を回転可能に保持する保持部を有する。保持器5は、少なくともころ4よりも軟らかい金属材料、例えば、黄銅を切削加工することによって一体に形成される。保持器5の保持部は、保持器5の径方向外側と径方向内側とに開口する部分のうちの一方に、保持部の内側に張り出す張出部を有しており、張出部によって保持部に保持されたころ4の脱落を防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、円錐ころ軸受に用いる保持器及びこれを備えた円錐ころ軸受に関する。
円錐ころ軸受は、転がり軸受の一種である。円錐ころ軸受は、内輪と外輪との間に複数の円錐台形状のころを介在させ、これらのころを保持器によって保持する軸受である。円錐ころ軸受及びその保持器としては、例えば、保持器本体と結合環とからなる分割構造の保持器(例えば、特許文献1)及び樹脂を射出成形した保持器(例えば、特許文献2)等がある。
特開平8−281164号公報 特開2002−227849号公報
円錐ころ軸受は、例えば、鉄道車両用の軸受として使用されるが、鉄道車両用の軸受は、高い寸法精度及び高強度が要求される。保持器を分割構造とすると、保持器の強度を十分に確保することが困難である。また、樹脂の射出成形した保持器は、強度の確保が困難であることに加え、寸法精度を確保することも困難である。
本発明は、円錐ころ軸受において保持器の寸法精度及び強度を向上させることを目的とする。
本発明の一態様によれば、円錐ころ軸受のころを回転可能に支持する保持器において、環状の構造体であって、前記構造体の径方向内側と径方向外側とを貫通して、前記ころを回転可能に保持する保持部を有し、少なくとも前記ころよりも軟らかい金属材料を切削加工することによって一体に形成されることを特徴とする保持器が提供される。
この保持器は、金属材料を切削加工することにより一体で形成されているので、寸法精度を高くすることができる。また、保持器は、一体構造なので強度を高くすることができ、このように、本発明の一態様によれば、円錐ころ軸受用の保持器の寸法精度及び強度を向上させることができる。
本発明の他の態様において、前記金属は黄銅であることが好ましい。このようにすることで、ころが保持器によって傷付けられる可能性を極めて低くすることができる。また、黄銅を用いることによって、切削加工も比較的容易であり、保持器として必要な強度も十分に確保できる。
本発明の他の態様において、前記保持部は、前記構造体の径方向外側と径方向内側とに開口する部分のうちの一方に、前記保持部の内側に張り出す張出部を有することが好ましい。この張出部により、一体で形成された保持器の保持部に取り付けたころの脱落が防止される。
本発明の他の態様において、前記保持部は、前記構造体の径方向外側から見た形状が台形であり、それぞれの隅角部の内側に曲面を有することが好ましい。このようにすることで、隅角部での応力集中を抑制できる。
本発明の他の態様において、前記曲面の曲率半径は、前記ころの側面と端面とを接続する部分の曲率半径よりも大きいことが好ましい。保持部は、例えば、ボールエンドミルのような切削工具で切削加工されるが、曲面の曲率半径を、上述したようにすることで、無闇に小さい切削工具を使用する必要がなくなる。その結果、比較的容易に保持部を切削加工することができる。
本発明の一態様によれば、環状の構造体である内輪と、環状の構造体であって、前記内輪の径方向外側に配置される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置されるころと、前記ころを回転可能に保持する上記の記載の保持器と、を備える円錐ころ軸受が提供される。この円錐ころ軸受は、上述した保持器を備える。その結果、円錐ころ軸受用が有する保持器の寸法精度及び強度を向上させることができる。
本発明は、円錐ころ軸受において保持器の寸法精度及び強度を向上させることができる。
図1は、一実施形態に係る円錐ころ軸受を示す一部断面図である。 図2は、一実施形態に係る円錐ころ軸受が有する保持器の斜視図である。 図3は、一実施形態に係る円錐ころ軸受が有する保持器の一部断面図である。 図4は、図3のA−A矢視図である。 図5は、図3のA−A矢視図である。 図6は、保持部が有する張出部の拡大図である。 図7は、保持器本体の径方向外側から保持部を見た状態を示す平面図である。 図8は、保持部の隅角部の拡大図である。 図9は、保持部の隅角部の拡大図である。 図10は、一実施形態の第1変形例に係る円錐ころ軸受を示す一部断面図である。 図11は、一実施形態の第1変形例に係る円錐ころ軸受が有する保持器の一部断面図である。 図12は、一実施形態の第2変形例に係る円錐ころ軸受を示す一部断面図である。 図13は、一実施形態の第2変形例に係る円錐ころ軸受が有する保持器の一部断面図である。 図14は、図12のC−C矢視図である。
以下、この発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る円錐ころ軸受を示す一部断面図である。図2は、一実施形態に係る円錐ころ軸受が有する保持器の斜視図である。図3は、一実施形態に係る円錐ころ軸受が有する保持器の一部断面図である。円錐ころ軸受1は、内輪2と、内輪2の径方向外側に配置された外輪3と、内輪2と外輪3との間に配置された転動体としてのころ4と、ころ4を回転可能に支持する保持器5とを備える。ころ4は、複数配置される。内輪2及び外輪3は、いずれも環状の構造体である。円錐ころ軸受1は、円錐台形状のころ4が、内輪2の軌道面(内輪軌道面)2RPと外輪3の軌道面(外輪軌道面)3RPとに、転動可能に接触している。内輪軌道面2RP、外輪軌道面3RP及びころ4の円錐の頂点が軸受中心軸Z上の一点に集まるように設計された軸受である。ころ4は、転動体回転中心軸Zrの周りを回転する。
円錐ころ軸受1は、保持器5が内輪2の両方の鍔部で案内される。具体的には、図1に示すように、保持器5は、保持器5の一端側5TLと内輪2の大鍔部2TLとの間及び保持器5の他端部5TSと内輪2の小鍔部2TSとの間に微小な隙間を介して配置される。このように、保持器5は、内輪2の大鍔部2TLと小鍔部2TSとの二箇所で案内される。大鍔部2TLは、内輪2の一方の端部側で径方向外側に張り出した部分であり、小鍔部2TSは、内輪2の他方の端部側で径方向外側に張り出した部分である。
図2に示すように、保持器5は、環状の構造体、より具体的には、環状かつ円錐台形状の構造体である。保持器5は、保持部(ポケットともいう)5Pを有している。保持部5Pは、環状の構造体である保持器本体5Bに設けられている。円錐ころ軸受1は、複数のころ4を有する。このため、円錐ころ軸受1は、自身が有するころ4の数に対応して複数の保持部5Pを有する。複数の保持部5Pは、保持器本体5Bの周方向に向かって等間隔で設けられている。
図2、図3に示すように、保持部5Pは、保持器本体5Bの径方向内側と径方向外側とを貫通した貫通孔である。すなわち、保持部5Pは、保持器本体5Bの内周面5iと外周面5oとを貫通している。隣接する保持部5Pの間は、柱5Sが設けられている。柱5Sは、保持器5の一端側5TLと他端側5TSとを連結している。保持器5は、複数の柱5Sを有している。保持部5Pは、保持器5の一端側5TLと他端側5TSと一対の柱5S、5Sとで囲まれる空間であるといえる。保持部5Pは、前述した貫通孔にころ4が嵌め込まれて、これを回転可能に保持する。
図3に示すように、保持器5の一端側5TLの半径RIlは、他端側5TSの半径RIsよりも大きい。また、保持器5と内輪2との関係において、保持器5の一端側5TLの半径RIlは、内輪2の大鍔部2TLの半径Rl(図1参照)よりも大きく、保持器5の他端側5TSの半径RIsは、内輪2の小鍔部2TSの半径Rs(図1参照)よりも大きい。このようにすることで、保持器5は内輪2の大鍔部2TLと小鍔部2TSとに案内される。
保持器5は、少なくともころ4よりも軟らかい金属材料を切削加工することによって一体に形成される。すなわち、保持器5は、金属製かつ一体型のもみ抜き保持器である。保持器5は、例えば、環状かつ円錐台形状の部材を切削し、保持部5P等を形成して製造される。保持器5は、ころ4、より具体的には軸受鋼又は軸受用セラミック等よりも軟らかい金属材料で作られるので、ころ4に傷を付ける可能性を極めて低くすることができる。その結果、円錐ころ軸受1の性能を確実に発揮させ、かつ十分な耐久性を確保することができる。保持器5は、好ましくは、内輪案内の場合は内輪2よりも軟らかく、外輪案内の場合は及び外輪3よりも軟らかい金属材料を用いることが好ましい。このようにすることで、内輪2又は外輪3を傷付ける可能性を極めて低くすることができ傷付けの結果、円錐ころ軸受1の性能をより確実に発揮させ、かつさらに十分な耐久性を確保することができる。
保持器5は、少なくともころ4よりも軟らかい金属材料で作られるが、さらに、所定の強度を有していることが好ましい。このようにすることで、ころ4を確実に保持することができる。このような材料としては、例えば、黄銅が挙げられる。保持器5に用いられる黄銅は、6/4黄銅、7/3黄銅、ネーバル黄銅又はアドミラリティ黄銅等、特に限定されるものではない。また、黄銅以外でも、少なくともころ4よりも軟らかく、かつ所定の強度を有していれば、保持器5に用いることができる。
保持器5の材料は、硬さがHV215以下であることが好ましい。このような範囲であれば、保持器5はころ4等よりも軟らかく(硬度が低く)なるので、保持器5がころ4等を傷付ける可能性を極めて低くすることができる。また、保持器5の材料は、引張強さが280MPa以上であることが好ましい。このような範囲であれば、ころ4を確実に所定の位置に保持して、保持器5としての機能を十分に発揮することができる。例えば、黄銅、軟鋼、マグネシウム合金、アルミニウム合金又はチタン若しくはチタン合金等を保持器5の材料として用いることができるが、このような材料に限定されない。また、保持器5は、適宜熱処理又は表面処理等を施して、硬さ又は引張強さ等の機械的性質を調整してもよい。次に、保持部5Pの構造についてより詳細に説明する。
図4、図5は、図3のA−A矢視図である。図4はころ4が保持部5Pに保持されている状態を示し、図5は、保持部5Pにころ4が保持されていない状態を示している。図6は、保持部が有する張出部の拡大図である。図4に示すように、保持部5Pの内周面5Ppは、ころ4の側面4Sの形状に沿った形状となっている。保持部5Pの内周面5Ppにおける曲率半径rhは、ころ4の半径rkよりも大きくなっている。このため、ころ4が保持部5Pに取り付けられると、保持部5Pの内周面5Ppところ4の側面4Sとの間には隙間が設けられる。この隙間があることにより、保持部5Pは、ころ4を回転可能に支持する。
本実施形態において、保持器5は、環状の構造体、すなわち、保持器本体5Bの径方向外側と径方向内側とにそれぞれ開口する部分のうちの一方に、保持部5Pの内側に張り出す張出部6を有する。張出部6は、保持部5Pに保持されたころ4が保持部5Pから脱落することを防止するためのものである。本実施形態において、保持器5は、内輪案内であるため、保持器5の径方向外側からころ4を保持部5P内に取り付ける。このため、張出部6は、保持部5Pの径方向外側における開口(外側開口)5Po側に設けられる。
張出部6は、保持器本体5Bの周方向(図4、図5の矢印Cで示す方向)における両側に設けられる。したがって、保持部5Pが有する張出部6、6は、対向して配置される。張出部6は、保持部5Pの両側にある柱5Sの一部である。張出部6は、保持部5P内のころ4が保持部5Pから保持器本体5Bの径方向外側に移動しようとした場合、ころ4と当接してころ4が保持部5Pから脱落することを防止する。
ころ4を保持部5Pに取り付ける場合、保持部5Pの外側開口5Poから径方向内側における開口(内側開口)5Piに向かってころ4Pを押し込む。図5に示すように、保持部5Pは、張出部6、6から径方向外側に向かうにしたがって、開口部が広がっている。このため、ころ4を保持部5Pに押し込みやすくなる。保持器本体5Bの周方向における外側開口5Poの開口長は、隣接して対向する張出部6間の間隔Wiよりも大きく、また図4に示すころ4の直径Dよりも大きい。外側開口5Poの張出部6からの開き角度θは、ころ4の保持部5Pへの押し込み易さ及び保持部5Pからの脱落のしにくさ等を考慮して適切な大きさに設定される。開き角度θは、張出部6の頂部6T及び保持器5の軸受中心軸Zを通る直線LP1と、外側開口5Poの柱5S側に向かって広がっている面とのなす角度である。
張出部6の間隔Wiは、図4に示すころ4の直径Dよりも小さい。このため、ころ4を外側開口5Poから保持部5Pに押し込むと、ころ4は外側開口5Poを通過するが、それぞれの張出部6、6に引っかかってしまう。この状態で、ころ4を保持部5Pの内側開口5Piに向かって押し込むと、それぞれの張出部6、6は両者が遠ざかる方向に向かって弾性変形する。この張出部6、6の弾性変形によって、ころ4は対向する張出部6、6の間を通過して保持部5Pに取り付けられる。ころ4が対向する張出部6、6を通過して保持部5Pに取り付けられた後は、対向する張出部6、6の弾性変形が解除され、両者は元の位置に戻る。このため、対向する張出部6、6は、保持器本体5Bの径方向外側に向かうころ4の動きを規制して、保持部5Pからのころ4の脱落が防止される。
保持器5は、切削加工により一体で形成されているため、分解できない。ころ4を保持部5Pに取り付ける際に、対向する張出部6、6を弾性変形させ、取付けが終了した後は、対向する張出部6、6が元に戻ってころ4が保持部5Pから脱落することを防止する。このように、本実施形態においては、保持部5Pの外側開口5Po側に配置した対向する張出部6、6を弾性変形の範囲内で変形させることにより、分解不可能な保持器5において、簡単にころ4を保持部5Pに取り付けることができると同時に、ころ4の脱落も防止できる。
図6に示す、隣接して対向する張出部6、6間の間隔Wiは、張出部6、6同士の頂部6T、6T間の最短距離である。張出部6の張出量tは、(2×rh−Wi)/2である。この張出量tは、位置Pを通り、かつ接線LCと直交する直線LPと、張出部6の頂部6Tとの最短距離であり、直線LPと直交し、かつ張出部6の頂部6Tを通る直線上における、直線LPと頂部6Tとの距離となる。ここで、位置Pは、ころ4の回転中心軸、すなわち、転動体回転中心軸Zrを通る円CVの、転動体回転中心軸Zrにおける接線LCと、保持部5Pの内周面5Ppとが交差する位置である。上述した張出量tは、ころ4を保持部5Pに取り付ける際におけるころ4の押し込み力等を考慮して、張出部6の変形が弾性変形の範囲内となるように定められる。
図7は、保持器本体の径方向外側から保持部を見た状態を示す平面図である。図8、図9は、保持部の隅角部の拡大図である。保持部5Pは、保持器本体5Bの径方向外側から見た形状が台形であり、それぞれの隅角部7の内側に曲面7Rを有する。曲面7Rにより、隅角部7での応力集中を抑制できる。台形形状の保持部5Pは、下底(台形の平行な2辺のうち長い方)に対応する側が保持器本体5Bの一端側5TLであり、上底(台形の平行な2辺のうち短い方)に対応する側がと他端側5TSになる。
ころ4は、直径が小さい方の端面(小径端面)4TSと、側面4Sと、直径が大きい方の端面(大径端面)4TLとを有している。このため、ころ4を図1に示す転動体回転中心軸Zrを含む平面で切った場合の断面は台形形状になる。図8に示すように、保持部5Pの隅角部7に形成されている曲面7Rの曲率半径rpは、ころ4の側面4Sと端面(大径端面4TL及び小径端面4TS)とを接続する部分(接続部)4Cの曲率半径rtよりも大きい。ころ4の接続部4Cは、曲面に形成されたり、面取りされたりしているが、rp>rtとすることで、ころ4の接続部4Cと隅角部7との干渉を回避できる。
また、保持部5Pは、切削加工によって保持器本体5Bに形成されるが、切削工具(例えば、ボールエンドミル)はある程度の寸法を有しているため、保持部5Pの隅角部7における曲面7Rの曲率半径rpを小さくすることには限界がある。rp>rtとすることにより、無闇に小さい(回転半径が小さい)切削工具を使用する必要がなくなるので、比較的容易に保持部5P及びその隅角部7を加工することができる。また、rp>rtとすることにより、隅角部7に潤滑油を保持することもできるので、ころ4の潤滑性能が向上する。
ころ4の接続部4Cが面取りされている場合、図8に示す接続部4Cの面取り寸法をaとすると、rp>a/2とすることが好ましい。このようにすることで、保持部5P及び隅角部7の加工が比較的容易になるとともに、ころ4の潤滑性能の向上を図ることができる。なお、本実施形態において、rp≦rt又はrp≦a/2を排除するものではなく、接続部4Cの曲率半径rt又は接続部4Cの面取り寸法aよりも回転半径が小さい切削工具が使用できる場合、rp≦rt又はrp≦a/2としてもよい。
本実施形態において、保持器5は、金属材料を切削加工することにより一体で形成されているので、金属板のプレス成形と比較して、寸法精度を高くすることができる。このように、保持器5は各部の寸法精度が高くできるとともに、高い信頼性を確保できる。このため、保持器5を用いた円錐ころ軸受1は、例えば、鉄道車両用の軸受のように全数検査が要求されるような場合でも、歩留まりの低下を抑制することができる。また、保持器5は一体構造なので強度(剛性)が高くなり、柱5Sの根元における応力が小さくなる。このため、寸法を大きくすることも可能である。さらに、構造が簡単なので、製造が比較的容易で使用する材料も少なくすることができる。
保持器を樹脂で製造する場合、吸湿によって寸法が変化し、寸法精度が低くなることがある。また、保持器を樹脂で製造する場合は射出成型を用いるが、射出成型では寸法精度が低い箇所が発生してしまう。さらに、樹脂の強度を高めるためにガラス繊維等を樹脂に含めることがあるが、使用によってガラス繊維等が樹脂の保持器の表面に露出してころ等に傷を付ける可能性がある。保持器5は金属材料の切削加工により形成されるので、樹脂の保持器と比較して寸法精度を高くすることができる。また、保持器5は、少なくともころ4よりも軟らかい金属材料で作られるので、ころ4を傷付ける可能性を極めて低くすることができる。
また、保持器5は、保持部5Pに対向する張出部6、6を有しており、ころ4を保持部5Pに取り付ける場合には、対向する張出部6、6を通してころ4を保持部5Pに嵌め込むだけでよい。このため、円錐ころ軸受1の組立てが容易になる。また、対向する張出部6、6によって保持部5Pに取り付けられたころ4の脱落が防止されるので、円錐ころ軸受1の組立てがより容易になる。
(保持器の案内の変形例)
図10は、一実施形態の第1変形例に係る円錐ころ軸受を示す一部断面図である。図11は、一実施形態の第1変形例に係る円錐ころ軸受が有する保持器の一部断面図である。円錐ころ軸受1aは、保持器5aが内輪2の一方の鍔部で案内される。具体的には、図10に示すように、保持器5aは、保持器5の一端側5TLと内輪2の大鍔部2TLとの間に微小な隙間を介して配置される。このため、保持器5と内輪2との関係において、保持器5の一端側5TLの半径RIlは、内輪2の大鍔部2TLの半径Rlよりも大きい。また、保持器5の他端側5TSと内輪2の小鍔部2TSとの間には、所定の隙間sが設けられている。このような構造により、保持器5aは、内輪2の大鍔部2TLで案内される。
図12は、一実施形態の第2変形例に係る円錐ころ軸受を示す一部断面図である。図13は、一実施形態の第2変形例に係る円錐ころ軸受が有する保持器の一部断面図である。図14は、図12のC−C矢視図である。円錐ころ軸受1bは、保持器5bがころ4で案内される。具体的には、図11に示すように、保持器5bは、保持器5bの一端側5TLと内輪2の大鍔部2TLとの間及び他端側5TSと内輪2の小鍔輪2TSbとの間に所定の隙間を設けて配置される。このため、保持器5と内輪2との関係において、保持器5の一端側5TLの半径RIlは内輪2の大鍔部2TLの半径Rlよりも大きく、他端側5TSの半径RIsは内輪2の小鍔輪2TSbの半径RSよりも大きい。このような構造により、保持器5bは、ころ4で案内される。
保持器5bがころ4で案内される場合、保持器5bの保持部5Pbは、外側開口5Po側に図4、図5に示すような張出部6は設けられていない。保持器5bの保持部5Pbは、外側開口5Poから内側開口5Piに向かって周方向(図14の矢印Cで示す方向)における寸法が単調に増加するようになっている。保持部5Pb内のころ4は、外側開口5Poに設けられた一対のころ押さえ8、8によって脱落が防止される。円錐ころ軸受1bを組み立てる場合、ころ4を保持器5bの径方向内側から保持部5Pbに取付け、その後、図12に示す内輪軌道面2RPにころ4を取り付けた保持器5bをセットする。そして、小鍔輪2TSbを内輪2の大鍔部2TLとは反対側の端部に焼き嵌めによって取り付ける。
上述した実施形態及び変形例においては、保持器5等を内輪案内としたが、保持器5等を外輪3によって案内する外輪案内でもよい。この場合、図4から図6に示す対向する張出部6、6は、保持器5等が有する保持部5Pの径方向内側に設けられる。そして、ころ4は、保持器5等の径方向内側から保持部5Pに取り付けられる。
以上、一実施形態及びその変形例について説明したが、上述した内容にこれらの一実施形態及びその変形例が限定されるものではない。また、一実施形態及びその変形例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、一実施形態及びその変形例の構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、一実施形態及びその変形例の要旨を逸脱しない範囲で各実施形態の構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うこともできる。
1、1a、1b 円錐ころ軸受
2 内輪
2RP 内輪軌道面(軌道面)
2TL 大鍔部
2TS、2TSb 小鍔部
2RP 内輪軌道面
3 外輪
3RP 外輪軌道面(軌道面)
4 ころ
4C 接続部
4S 側面
4TS 小径端面
4TL 大径端面
5、5a、5b 保持器
5i 内周面
5o 外周面
5B、5Bb 保持器本体
5P、5Pb 保持部
5Po 外側開口
5Pi 内側開口
5Pp 内周面
5S 柱
5TL 一端側
5TS 他端側
6 張出部
6T 頂部
7 隅角部
7R 曲面
8 ころ押さえ

Claims (6)

  1. 円錐ころ軸受のころを回転可能に支持する保持器において、
    環状の構造体であって、前記構造体の径方向内側と径方向外側とを貫通して、前記ころを回転可能に保持する保持部を有し、少なくとも前記ころよりも軟らかい金属材料を切削加工することによって一体に形成されることを特徴とする保持器。
  2. 前記金属は黄銅である、請求項1に記載の保持器。
  3. 前記保持部は、前記構造体の径方向外側と径方向内側とに開口する部分のうちの一方に、前記保持部の内側に張り出す張出部を有する、請求項1又は2に記載の保持器。
  4. 前記保持部は、前記構造体の径方向外側から見た形状が台形であり、それぞれの隅角部の内側に曲面を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の保持器。
  5. 前記曲面の曲率半径は、前記ころの側面と端面とを接続する部分の曲率半径よりも大きい、請求項4に記載の保持器。
  6. 環状の構造体である内輪と、
    環状の構造体であって、前記内輪の径方向外側に配置される外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間に配置されるころと、
    前記ころを回転可能に保持する請求項1から5のいずれか1項に記載の保持器と、
    を備える円錐ころ軸受。
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