JP2013216805A - ゴム配合油とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】欧州での規制を満たす程度に、ベンゾ[a]ピレンやその他の多環芳香族炭化水素(PAH)が低減されたゴム配合油を簡略な工程で製造する。
【解決手段】ナフサ含有原料の熱分解によって得られるエチレンボトム油のうち、100℃動粘度が10mm/s以上の成分(Cν)を水素化する水素化工程を有する方法で、ゴム配合油を得る。エチレンボトム油の動粘度が低い場合は、蒸留工程により、100℃動粘度が10mm/s以上となる成分を得て、これを水素化の原料とすることができる。成分(Cν)は、芳香族性炭素含有割合(13C−NMR測定における、全ピーク面積積算値に対する110〜150ppmのピークの面積積算値の割合)が55%以上、100%以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤなどのゴム製品を製造する際に、ゴムと混合して用いられるゴム配合油(ゴム用プロセスオイル、ゴム用可塑剤とも称される。)とその製造方法に関する。
ゴム配合油は、タイヤなどのゴム製品を製造する際にゴムに配合され、ゴムのポリマー組織に浸透することにより、混練、押出し、成形などのゴム製品の製造や加工を容易にすると共に、ゴム製品の物性を改善するものである。このようなゴム配合油は、ゴムに対して良好な相溶性を有することが必要である。
ゴムには天然ゴム及び合成ゴムがあり、合成ゴムにはさらに様々な種類のものがある。これらのうち、タイヤ用ゴムとしては、特に天然ゴム及びスチレン−ブタジエンゴムが多く用いられている。そして、これらのゴムに配合されるゴム配合油としては、芳香族炭化水素を多量に含み、ゴムに高い親和性を有するものが一般的に用いられる。
このようなゴム配合油には、いわゆる「エキストラクト」が用いられる。エキストラクトは、原油の減圧蒸留によって得られる潤滑油留分や、減圧残渣を脱瀝した後、必要に応じて脱ろう処理や水素化精製処理をすることによって得られる油を、芳香族炭化水素に親和性を有する溶剤で抽出処理することによって得られるものであって、比較的多くの重質な芳香族化合物を含有する。
一方、欧州では「タイヤに使用されるオイル中のPAH(多環芳香族炭化水素)の含有量は、ベンゾ[a]ピレンの含有量が1wtppm以下、かつ、対象8物質のPAH合計含有量が10wtppm以下でなければならない。」という厳しい環境関連の規制が2010年から発効となった。
このように、ゴム配合油などとして使用されるオイルについては、多環芳香族炭化水素を始めとする芳香族炭化水素濃度を低下させることが望まれている。
なお、前述の対象8物質とは、「PAH8物質」と呼ばれ、PAHのうち欧州での規制の対象となっている以下の8物質をいう。以下、これらを単にPAH8という場合がある。
(1)Benzo[a]anthracene(ベンゾアントラセン)
(2)Chrysene(クリセン)
(3)Benzo[b]fluoranthene(ベンゾ[b]フルオランテン)
(4)Benzo[j]fluoranthene(ベンゾ[j]フルオランテン)
(5)Benzo[k]fluoranthene(ベンゾ[k]フルオランテン)
(6)Benzo[e]pyrene(ベンゾ[e]ピレン)
(7)Benzo[a]pyrene(ベンゾ[a]ピレン)
(8)Dibenzo[a,h]anthracene(ジベンゾ[a,h]アントラセン
たとえば、特許文献1には、沸点260〜650℃の減圧蒸留後の潤滑油留分に対して、フルフラールなどでの抽出工程を行うことにより、多環芳香族化合物の含有量を低減させたプロセス油が開示されている。
また、特許文献2には、特定のエキストラクトと特定の潤滑油基油を用いることによって、高粘度、高引火点、高芳香族性を有しながら、特定の発がん性多環芳香族化合物の含有量が低減されたゴム配合油が開示されている。
さらに、特許文献3には、高圧・高温水素化精製したナフテン系ベースオイルとナフテン系アスファルトとを規定比率で混合することで製造されたゴム可塑剤が開示されている。
特許第3658155号公報 特開2010−229314号公報 特許第3473842号公報
しかしながら、これら特許文献1〜3に記載の従来技術は、目的物を得るための工程が複雑で、製造コストが高いという問題点がある。
本発明は、このような従来技術を代替するものであって、前述した欧州での規制を満たす程度に、ベンゾ[a]ピレンやその他の多環芳香族炭化水素が低減されたゴム配合油を簡略な工程で製造できる製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、石油化学プラントから得られるエチレンボトム油に着目し、これを原料とすることによって、簡略な工程、容易な操作でゴム配合油を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[15]に関する。
[1]ナフサ含有原料の熱分解によって得られるエチレンボトム油のうち、100℃動粘度が10mm/s以上の成分(Cν)を水素化する水素化工程を有することを特徴とするゴム配合油の製造方法。
[2]前記成分(Cν)は、前記エチレンボトム油の蒸留残渣液である[1]に記載のゴム配合油の製造方法。
[3]前記成分(Cν)は、芳香族性炭素含有割合が55%以上、100%以下である[1]または[2]に記載のゴム配合油の製造方法。
[4]前記成分(Cν)は、PAH8物質の合計含有量が0wtppm以上、3000wtppm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[5]前記成分(Cν)は、全硫黄濃度が0質量%以上、1質量%以下である[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[6]前記ナフサ含有原料は、灯油、軽油および天然ガス液からなる群より選ばれる1種以上を1〜99質量%含有する[1]〜[5]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[7]前記水素化工程の圧力が1.0〜20.0MPaGである[1]〜[6]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[8]前記水素化工程の温度が100〜400℃である[1]〜[7]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[9]前記水素化工程では、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ボリア、マグネシア、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、L型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、チャバサイト、エリオナイト、モルデナイト、ZSM型ゼオライトおよびMFI型ゼオライトのうちの1種か、これらのうちの2種以上からなる複合酸化物または混合酸化物を担体とし、該担体に周期表第6族、第8族、第9族、第10族の元素のうち少なくとも1種の金属を担持した触媒を用いることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[10]前記成分(Cν)を飽和炭化水素、飽和エーテルおよび前記ゴム配合油からなる群より選ばれる1種以上の溶媒で希釈したものを前記水素化工程にて水素化することを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[11]前記水素化工程をトリクルベッド反応器で行うことを特徴とする請求項[1]〜[10]のいずれかに記載のゴム配合油の製造方法。
[12][1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法で得られたゴム配合油。
[13]PAH8物質の合計含有量が0wtppm以上、10wtppm以下、かつ、ベンゾ[a]ピレンの含有量が0wtppm以上、1wtppm以下である[12]に記載のゴム配合油。
[14]芳香族性炭素含有割合が5〜50%である請求項[12]または[13]に記載のゴム配合油。
[15]100℃動粘度が10〜100mm/sである請求項[12]〜[14]のいずれかに記載のゴム配合油。
本発明によれば、前述した欧州での規制を満たす程度に、ベンゾ[a]ピレンやその他の多環芳香族炭化水素が低減されたゴム配合油を簡略な工程で製造できる。また、この方法によれば、従来は用途が限られていたエチレンボトム油を有効利用することもできる。
以下に、本発明について、実施形態例を挙げて詳細に説明する。
本発明のゴム配合油の製造方法は、ナフサ含有原料の熱分解によって得られるエチレンボトム油のうち、100℃動粘度が10mm/s以上の成分(Cν)を原料とし、これを水素化する水素化工程を有する。この方法により、詳しくは後述するように、前述した欧州での規制を満たす程度に、ベンゾ[a]ピレンやその他の多環芳香族炭化水素が低減されたゴム配合油を製造できる。
なお、水素化とは、原料の炭素−炭素二重結合に水素原子を付加させる反応であり、水添ともいう。また、本明細書において動粘度の値は、JIS K2283にしたがって測定された値である。
<ゴム配合油の製造方法>
[エチレンボトム油]
石油化学工業では一般に、ナフサを高温で熱分解し、得られた熱分解物を蒸留して、エチレンおよびプロピレンやその他のオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、分解ケロシン、分解ガソリン等の各留分に分離し、製品としている。これらの留分のうち、最も沸点が高い重質留分を「エチレンボトム油」といい、例えばカーボンブラック等の原料及び燃料に使用される。ナフサの熱分解プラントは、エチレンプラントと称されることが多いため、前述の重質留分はエチレンボトム油と呼ばれている。また、ナフサの熱分解プラントは、ナフサクラッカーと呼ばれることもある。
本実施形態例では、エチレンボトム油として、ナフサの熱分解によって得られたエチレンボトム油の他、ナフサに加えて灯油、軽油、天然ガス液のうちの少なくとも1種をさらに含む原料を熱分解することで得られたエチレンボトム油も使用できる。
天然ガス液(NGL:Natural Gas Liquid)とは、天然ガス採取時の高沸点液成分をいい、坑井を通じて地下から産出する天然ガスから分離・回収された液体炭化水素の総称(石油/天然ガス用語辞典)である。本明細書では、ナフサを少なくとも含有し、場合によっては、灯油、軽油、天然ガス液のうちの少なくとも1種をさらに含む原料をナフサ含有原料という。
ナフサ含有原料として、ナフサに加えて灯油、軽油、天然ガス液のうちの少なくとも1種をさらに含む原料を用いる場合、灯油、軽油および天然ガス液の合計の含有量は、ナフサ含有原料100質量%中、1〜99質量%とすることができる。該含有量が高いナフサ含有原料は、ナフサよりも安価な灯油、軽油、天然ガス液を多く含むため、該含有量が低いナフサ含有原料に比べて、ナフサクラッカーとしての経済性に優れるが、その反面、該含有量が高いナフサ含有原料からは、重質油であってその用途が限定されるエチレンボトム油が多く得られ、その利用方法が問題となる場合があった。これに対して本実施形態の製造方法は、エチレンボトム油を有効に利用するものであるため、灯油、軽油および天然ガス液の合計の含有量が高いナフサ含有原料であっても、熱分解の原料として問題なく使用できる。
なお、ナフサ含有原料中に占める灯油、軽油および天然ガス液の合計比率は、原料多様化率と呼ばれることがある。
ナフサ含有原料の熱分解によって得られるエチレンボトム油の性状は、ナフサ含有原料の種類、熱分解条件、精製蒸留塔の運転条件などにもよるが、一般的な性状としては、PAH8合計含有量が1000〜3000wtppm、ベンゾ[a]ピレンの含有量が50〜200wtppmであって、100℃動粘度が10mm/s未満、芳香族性炭素含有割合が50%以上である。
なお、ベンゾ[a]ピレンをはじめとするPAH8の定量は、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)などを用いて行える。
また、本明細書において、芳香族性炭素含有割合とは、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)測定における、全ピーク面積積算値(全炭素数に相当。)に対する110〜150ppmのピークの面積積算値(芳香族炭素数に相当。)の割合(百分率)である。エチレンボトム油や、該エチレンボトム油から本実施形態例の製造方法で得られるゴム配合油には、芳香環やその縮合環を有する多くの化合物が芳香族化合物として含まれるが、これらの化合物を1つずつ同定、定量することは困難である。よって、これら対象物に含まれる芳香族化合物の量を判断する場合には、一般に、ASTM D2140で測定される芳香族性炭素含有量(Ca%)を指標とすることが多かった。ところが、最近では、NMRを用いた測定により、芳香族化合物の量を直接求めることが可能になってきた。そこで、本明細書では、13C−NMRにより前述のように求められる芳香族炭素の割合をもって、芳香族性炭素含有割合とする。
[成分(Cν)]
本実施形態例の水素化工程では、ナフサ含有原料の熱分解によって得られたエチレンボトム油のうち、100℃動粘度が10mm/s以上の成分(Cν)を原料とし、これを水素化する。ここで仮に、100℃動粘度が10mm/s未満の成分を水素化した場合には、得られるゴム配合油は粘度が低すぎ、高温でゴムに混練した際に油蒸気の発生が激しくなる、ゴム配合油を配合した加硫ゴムからゴム配合油がブリードアウトしやすくなる、などの問題が生じる。成分(Cν)の100℃動粘度は、好ましくは20mm/s以上である。また、成分(Cν)の100℃動粘度の好ましい上限値は、製造工程における取扱上の観点から、10000mm/sである。
ナフサ含有原料の熱分解によって得られたエチレンボトム油の100℃動粘度が10mm/s以上である場合には、該エチレンボトム油を成分(Cν)としてそのまま水素化工程に供することができる。これに対して、エチレンボトム油の100℃動粘度が10mm/s未満である場合には、該エチレンボトム油に含まれる低沸点成分を蒸留工程により除去し、除去後の蒸留残渣液(残油)をその100℃動粘度が10mm/s以上となるように調整し、該蒸留残渣液を成分(Cν)として水素化工程に供する。蒸留工程は、常圧蒸留、減圧蒸留(真空蒸留)、常圧蒸留と減圧蒸留とを組み合わせたもののいずれでもよく、適宜選択される。
水素化工程に供される成分(Cν)は、芳香族性炭素含有割合が55%以上、100%以下であることが好ましい。芳香族性炭素含有割合が55%未満では、最終的に得られるゴム配合油の芳香族性炭素含有割合が所望の値より低くなり、該ゴム配合油はゴムとの相溶性が低下して、ゴム配合油を配合した加硫ゴムからブリードアウトしやすくなったり、さらには、ゴム配合油を配合した加硫ゴムの常態物性及び熱老化物性にも悪影響を及ぼしたりする可能性がある。
また、成分(Cν)は、PAH8の合計含有量が0wtppm以上、3000wtppm以下であることが好ましい。3000wtppmを超えると、最終的に得られるゴム配合油のPAH8の合計含有量を充分に低減することが困難となる場合がある。
また、成分(Cν)の全硫黄濃度は0質量%以上、1質量%以下であることが好適であり、含有するアスファルテン濃度としては、0%以上、3%以下であることが好ましい。全硫黄濃度が1質量%を超えると、最終的に得られるゴム配合油のPAH8合計含有量を充分に低減することが困難となる場合がある。
[水素化工程]
水素化工程では、100℃動粘度が10mm/s以上である成分(Cν)を水素ガスと反応させる水素化を行い、成分(Cν)に含まれるPAH8物質を低減し、また、芳香族性炭素含有割合なども制御して、ゴム配合油を得る。ここで前述のとおり、ナフサ含有原料の熱分解によって得られたエチレンボトム油が、100℃動粘度10mm/s以上であれば、該エチレンボトム油をそのまま成分(Cν)として用いることができ、一方、100℃動粘度が10mm/s未満であれば、該エチレンボトム油を蒸留工程に供して低沸点成分を除去し、それにより得られた100℃動粘度が10mm/s以上の蒸留残渣液を成分(Cν)として用いる。
水素化工程は、固体触媒の存在下、連続反応方式またはバッチ反応方式で行う。生産性の点からは、連続反応方式が好ましい。
反応形態としては気液反応が好ましく、固体触媒の充填層に成分(Cν)を下向流で流すとともに、これと接触させる水素ガスも下向流で流すトリクルベッド反応器を用いたトリクルベッド方式が好ましい。反応形態が気相反応であると、成分(Cν)や溶媒を蒸発させるのに要するエネルギーが多大となり、経済的に不利となる。一方、反応形態が液相反応であると、成分(Cν)や溶媒に溶解する水素の量に限度があるため、所望の水素化処理が困難となる。
連続反応で水素化を行う場合、供給する水素ガスの割合が、成分(Cν)の供給量1tonあたり100〜1000Nmの範囲となるように、水素ガス流量を調整することが好ましい。水素ガス流量が100Nm未満では、水素化が不充分となることがあり、水素ガス流量が1000Nmを超えると、経済的に不利となる。
固体触媒としては、水素化反応の触媒として作用し得るものを使用できるが、なかでも、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ボリア、マグネシア、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、L型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、チャバサイト、エリオナイト、モルデナイト、ZSM型ゼオライトおよびMFI型ゼオライトのうちの1種か、これらのうちの2種以上からなる複合酸化物または混合酸化物を担体とし、該担体に周期表第6族、第8族、第9族、第10族の元素のうち少なくとも1種の金属を担持した触媒を用いることが好ましい。周期表6族金属としては、Cr、Mo及びWを挙げることができる。周期表第8族、第9族、第10族金属としては、Co、Ni、Rh、Ru、Pd、Ptなどを挙げることができる。担持する金属としては、好ましくは、Ni−Mo、Co−Mo、Ni−W等の組み合わせが挙げられる。
なお、ゼオライトを用いる場合には、上記のものの他、例えばフォージャサイトなども使用できるが、中でもY型ゼオライトが好ましい。
液空間速度(LHSV)は、成分(Cν)基準で、通常0.1〜10hr−1、好ましくは0.3〜8hr−1の範囲で適宜調節すればよい。LHSVが0.1hr−1未満では、固体触媒量が多すぎて経済性の点で有利ではなく、一方、10hr−1を超えると、水素化が不充分となる可能性がある。
水素化の温度は、通常100〜400℃であり、250〜350℃の範囲とすることが好ましい。反応温度が100℃未満では、水素化が不充分となることがあり、400℃を超えると、成分(Cν)の水素化分解により、原料原単位が悪化する可能性がある。
水素化の圧力は、通常1.0〜20.0MPaG、好ましくは2.0〜5.0MPaGの範囲とする。圧力が上記範囲未満では所望の水素化が充分に進行せず、最終的に得られるゴム配合油のPAH8合計含有量が10wtppmを超えたり、ゴム配合油の芳香族性炭素含有割合の制御が困難となったりする場合がある。
また、水素化においては、発生する反応熱を除去するために、成分(Cν)を溶媒で希釈して反応を行ってもよい。例えば、得られるゴム配合油の極性をコントロールするためなどに、積極的に芳香環の核水素化を進行させた場合には反応熱が大きく、該反応熱を除去しないと反応温度の制御が困難となる場合がある。また、触媒のファウリング防止の観点からも、溶媒にて基質である成分(Cν)を希釈することは有効な手段となる。
希釈に用いられる溶媒には、本実施形態例の水素化工程において不活性であること;成分(Cν)を充分に溶解すること;後に蒸留などでゴム配合油から容易に分離できるように、得られるゴム配合油よりも低沸点であること;などが求められる。このような条件を満たす溶媒としては、飽和炭化水素、飽和エーテルなどから適宜選択でき、例えばデカヒドロナフタレン、テトラリン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが好ましく例示できる。
また、溶媒としては、本実施形態例の水素化工程を経て製造されたゴム配合油を用いることもできる。ゴム配合油を溶媒として選択した場合には、溶媒と製品(ゴム配合油)とが同じであるため、これらを分離する必要がなく、溶媒と製品との混合物の一部を循環して溶媒として再利用すればよい。よって、経済的に有効なプロセスとなり得る。
バッチ反応方式の場合には、反応器としてオートクレーブなどを用いる。その際、反応時間は1〜5時間が好ましい。使用する固体触媒、成分(Cν)と水素ガスとの比率、水素化の温度、圧力などの各種条件は、連続反応方式の場合と同様である。また、バッチ反応方式の場合も、成分(Cν)を溶媒で希釈して水素化を行ってもよい。
水素化反応の終了後、反応液を気液分離して、水素化によって副生した硫化水素を系外へパージし、凝縮液を得る。そして、この凝縮液に対して、必要に応じて蒸留などで精製を行うことにより、目的のゴム配合油を得ることができる。
なお、硫化水素を系外へパージする際には、水素ガスが同伴されるが、同伴される水素ガス量が多く、経済面での悪影響が大きい場合には、アミンや苛性ソーダなどの吸収液を用いて硫化水素を選択除去した後に、水素ガスを水素化の反応器へ循環させ、再利用することが好ましい。
<ゴム配合油>
以上説明した製造方法によれば、用途が限定されていたエチレンボトム油を用い、ベンゾ[a]ピレンやその他の多環芳香族炭化水素が低減されたゴム配合油を簡略な工程で製造できる。このようにして得られたゴム配合油は、前述した欧州での規制、すなわち、PAH8合計含有量が0wtppm以上、10wtppm以下であり、かつ、ベンゾ[a]ピレンの含有量が0wtppm以上、1wtppm以下との条件を満たす。
また、ゴム配合油は、100℃における動粘度が10〜100mm/sの範囲であることが好ましく、20〜40mm/sの範囲であることがより好ましい。該動粘度が低すぎると、ゴム配合油を配合した加硫ゴムの常態物性が不充分となったり、熱老化時の油分蒸発により熱老化物性が劣ったりする場合がある。一方、該動粘度が高すぎると、流動性が低く取扱性が低下する傾向にある。
また、製造されたゴム配合油の芳香族性炭素含有割合は、5〜50%であることが好ましく、10〜40%であることがより好ましい。5%未満であると、ゴムとの相溶性が低下して、ゴム配合油を配合した加硫ゴムにブリードが発生したり、さらにはゴム配合油を配合した加硫ゴムの常態物性及び熱老化物性が劣ったりすることがある。一方、50%を超えると、PAH8合計含有量も10wtppmを超えやすい傾向にある。なお、芳香族性炭素含有割合は、先に説明したように、13C−NMRを用いて求められる値である。
また、ゴム配合油は、ゴムとの親和性、軟化性、高引火点、安全性、ハンドリング性の観点や、該ゴム配合油を配合したタイヤ用ゴム組成物を調製し、該組成物からタイヤを製造した場合に、タイヤの低燃費性、グリップ性及び耐熱老化性を良好にする観点から、さらに以下の諸性状を有することが好ましい。
15℃における密度:通常0.90〜1.10g/cm、好ましくは0.95〜1.05g/cmである。
引火点:通常200℃以上、好ましくは250℃以上である。
40℃における動粘度:通常20〜2000mm/s、好ましくは100〜1000mm/sである。
アニリン点:通常20℃〜110℃、好ましくは30℃〜80℃である。
流動点:通常−40〜+30℃、好ましくは−30〜+20℃である。
ガラス転移点(Tg):通常−60〜−10℃、好ましくは−55〜−30℃である。ここでガラス転移点(Tg)とは、DSC(示差走査熱量計)にて一定の昇温速度(10℃/分)で昇温した際に観察される、ガラス転移領域における熱量変化ピークから算出した温度である。
以上説明したように、本実施形態例の製造方法によれば、用途が限定されていたエチレンボトム油を用い、ベンゾ[a]ピレンやその他の多環芳香族炭化水素が低減されたゴム配合油を簡略な工程で製造できる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
各例において、以下の方法にて各種測定を行った。
(1)PAH8合計含有量およびベンゾ[a]ピレンの含有量
GC−MSのSIM分析により実施した。条件は以下のとおりとした。
内部標準物質:ペリレンd−12
カラム:HP−5MS 5% Phenyl Methyl Siloxaneを使用
カラム長さ:30m
インジェクション:280℃
初期温度:80℃
昇温速度:10℃/min
最終温度:300℃
(2)芳香族性炭素含有割合
13C−NMR測定により実施した(測定機種:JEOL EX−400(日本電子株式会社製))。
(i)NMRサンプル調製
試料0.18〜0.20gとクロロホルム−D(Wako クロロホルム−D,(D,99.8%)+0.05v/v%TMS,536−74263)0.60g〜0.65gを混合し、これをNMR用試料管(内径φ4.2mm)に、管底より4cmの高さとなるように加える。
(ii)測定法
待ち時間(Pulse Delay)を20秒に設定し、非NOEモードゲーテッドデカップリングを用いて積算回数2000回で測定する。
(iii)解析法
得られたFID信号をEXcalibur for Windows(登録商標) version 4.5(日本電子株式会社製)を用いて、フェーズ補正、ベースライン補正、参照ピーク設定(TMS, CHCl)を行う(通常自動設定)。
化学シフトδ10ppm〜50ppm間のピーク面積SAlと化学シフトδ110ppm〜150ppm間のピーク面積SArから、芳香族性炭素含有割合(%):DAr=100×SAr/(SAr+SAl)を算出する。
なお、通常のエチレンボトム油およびその水素化物には、化学シフトδ10ppm〜50ppm間と110ppm〜150ppm間にのみ炭素のピークが出現し、これら領域以外には炭素のピークは出現しない。以下の実施例で測定したエチレンボトム油、成分(Cν)、ゴム配合油についても同様であった。
(3)全硫黄濃度
塩素硫黄分析装置(三菱化成工業製、モデルTSX−10型)を用いて、以下の測定法にて実施した。
電解液:アジ化ナトリウム25mg水溶液;50mL+氷酢酸;0.3mL+ヨウ化カリウム;0.24g
脱水液:リン酸;7.5mL+純水;1.5mL
対極液:特級硝酸カリウム10質量%水溶液
酸素導入圧力:0.4MPaG
アルゴン導入圧力:0.4MPaG
試料導入部温度:850〜950℃
試料:30μLをマイクロシリンジにて注入。
(4)アスファルテン濃度
イアトロスキャン MK−6(三菱化学メディエンス株式会社製)を用いて、以下の測定法にて実施した。
(i)サンプル調製
試料をTHFに溶解させ1wt%溶液とする。この試料をイアトロスキャン MK−6に付属のスポッティングガイドおよびマイクロディスペンサを用いてイアトロスキャン用焼結薄層棒クロマロッド−SIII(三菱化学メディエンス株式会社製)の原点に約1mmスポットする。この焼結薄層棒を展開層DT−150(展開溶媒70ml)を用いてn−ヘキサン、トルエン、ジクロロメタン/0.1vol%メタノール混合溶媒の順に展開していく。展開溶媒の切り替え時には、ロッドドライアTK−8を用いて120℃で溶媒除去を行う。
(ii)測定法
水素炎イオン化検出器を用い、スキャンスピード 30秒/スキャンにて測定を行う。
(iii)解析法
SIC 480II for IATROSCAN(システム インスツルメンツ株式会社社製)を用いて原点に近いピークからそれぞれアスファルテン分、レジン分、芳香族分、飽和分として分類し、全ピーク面積に対するアスファルテン分のピーク面積をアスファルテン濃度(アスファルテン率)(%)とする。
[実施例1]
ナフサの熱分解によって得られたエチレンボトム油について、100℃動粘度を測定したところ、3.8mm/sであった。そこで、該エチレンボトム油に対して、以下の蒸留工程を行った。なお、該エチレンボトム油の性状を表1に示す。
(蒸留工程)
エチレンボトム油を減圧蒸留して、低沸点成分を除去し、100℃動粘度が373mm/sである残油(蒸留残渣液)を得た。
具体的には、棚段式オルダーショウ(10段)にて、エチレンボトム油1Lを釜に仕込み、数Torrの真空条件にて還流比を5として、釜温度220℃まで昇温し、留出した成分を除去することにより、上記残油(蒸留残渣液)を得た。
得られた残油(蒸留残渣液)の性状を表1に示す。
(水素化工程)
残油(蒸留残渣液)5.0g、デカヒドロナフタレン50cc、触媒として300℃で水素還元済のズードケミー触媒株式会社製NiSAT310RSの3.0gを容量100ccのオートクレーブに仕込み、気相部を窒素ガスにてパージ後、水素ガスで3MPaGまで昇圧した。その後、200rpmで容器内を攪拌し、150℃まで昇温を行った後、2.0時間その状態を維持した。
反応終了後、容器内の液を加圧ろ過して触媒を分離した後、エバポレーターにてデカヒドロナフタレンを留去してゴム配合油を得た。
得られたゴム配合油の性状を表1に示す。
なお、用いた上記触媒は、シリカ、アルミナを主成分とした担体にニッケルを担持したものである。
[実施例2]
実施例1にて得られた残油(蒸留残渣液)100gをデカヒドロナフタレンに溶解し、2000gの溶液(α)を得た。
一方、反応管(内径19.4mm、触媒充填有効長さは420mm)に、ズードケミー触媒株式会社製NiSAT310RSの20gを充填し、300℃、大気圧下にて水素ガスを流通し、触媒を水素還元処理した。その後、上記溶液(α)(残油5質量%溶液)を25g/hにて、水素ガスを10NL/hの流量にて、反応圧力3MPaG、触媒層温度250℃下、それぞれ反応管に供給した。溶液(α)と水素ガスとは平行、下降流で反応管に供給するトリクルベッド反応方式とした。なお、成分(Cν)基準のLHSVは、0.044hr−1である。
反応器出口流体を大気圧下で気液分離し、ゴム配合油を含む反応液を得た。反応開始から4時間後に得た反応液について、PAH8の合計含有量、ベンゾ[a]ピレンの含有量を分析した。これら各含有量について、ゴム配合油を基準として換算した値を表1に示す。
一方、上記反応液からエバポレーターにてデカヒドロナフタレンを留去し、得られたゴム配合油について、芳香族性炭素含有割合の測定と100℃動粘度の測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2013216805
各実施例によれば、簡略な工程で、ベンゾ[a]ピレン含有量およびPAH8合計含有量が前述した欧州での規制を満たすように低減されたゴム配合油を製造できた。
本発明によれば、従来は原油の減圧蒸留留分、減圧蒸留残渣に限られていたゴム配合油の原料ソースを、原油の常圧蒸留で得られるナフサ留分の熱分解プロセスのボトム成分、すなわち、エチレンボトム油から得ることができる。エチレンボトム油の用途は、従来はカーボンブラックの原料や燃料などの低価値品に限定されていたため、該エチレンボトム油の有効利用という観点からも、本発明の製造方法は有益である。特に近年は、熱分解原料として、ナフサに加えて安価な灯油、軽油などの重質成分を併用した原料を用いる傾向にあり、これにより、エチレンボトム油の生産量も増加している。よって、本発明の産業上のメリットは非常に大きい。

Claims (15)

  1. ナフサ含有原料の熱分解によって得られるエチレンボトム油のうち、100℃動粘度が10mm/s以上の成分(Cν)を水素化する水素化工程を有することを特徴とするゴム配合油の製造方法。
  2. 前記成分(Cν)は、前記エチレンボトム油の蒸留残渣液である請求項1に記載のゴム配合油の製造方法。
  3. 前記成分(Cν)は、芳香族性炭素含有割合が55%以上、100%以下である請求項1または2に記載のゴム配合油の製造方法。
  4. 前記成分(Cν)は、PAH8物質の合計含有量が0wtppm以上、3000wtppm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  5. 前記成分(Cν)は、全硫黄濃度が0質量%以上、1質量%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  6. 前記ナフサ含有原料は、灯油、軽油および天然ガス液からなる群より選ばれる1種以上を1〜99質量%含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  7. 前記水素化工程の圧力が1.0〜20.0MPaGである請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  8. 前記水素化工程の温度が100〜400℃である請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  9. 前記水素化工程では、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ボリア、マグネシア、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、L型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、チャバサイト、エリオナイト、モルデナイト、ZSM型ゼオライトおよびMFI型ゼオライトのうちの1種か、これらのうちの2種以上からなる複合酸化物または混合酸化物を担体とし、該担体に周期表第6族、第8族、第9族、第10族の元素のうち少なくとも1種の金属を担持した触媒を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  10. 前記成分(Cν)を飽和炭化水素、飽和エーテルおよび前記ゴム配合油からなる群より選ばれる1種以上の溶媒で希釈したものを前記水素化工程にて水素化することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  11. 前記水素化工程をトリクルベッド反応器で行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のゴム配合油の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法で得られたゴム配合油。
  13. PAH8物質の合計含有量が0wtppm以上、10wtppm以下、かつ、ベンゾ[a]ピレンの含有量が0wtppm以上、1wtppm以下である請求項12に記載のゴム配合油。
  14. 芳香族性炭素含有割合が5〜50%である請求項12または13に記載のゴム配合油。
  15. 100℃動粘度が10〜100mm/sである請求項12〜14のいずれか一項に記載のゴム配合油。
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