JP2013216737A - 重合性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるジエン系カルボン酸陰イオン、及び、微粒子を含んでなることを特徴とする重合性組成物。
[化1]
式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。X1、Y1、Z1、X2及びY2は、同一又は異なって、メチレン基、水素原子がメチル基で置換されたメチレン基、酸素原子、硫黄原子、又は、イミノ基を表す。ただし、X1、Y1及びZ1のうち、少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又は、イミノ基であり、X2及びY2のうち、少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又は、イミノ基である。点線及び実線で表される酸素原子−炭素原子−酸素原子の結合は、この結合中に含まれる2つの炭素原子−酸素原子結合が等価であり、酸素原子−炭素原子−酸素原子の結合全体で1価の陰イオンとなっていることを表す。
【選択図】なし
Description
更に本発明は、上記重合又は硬化方法により得られる、重合物又は硬化物でもある。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を表す。「(メタ)アリルオキシメチルアクリル酸」とは、アリルオキシメチルアクリル酸又はメタリルオキシメチルアクリル酸を表す。
(1)ジエン系カルボン酸陰イオン及びその塩の基本的化学構造に関する事項を説明する。
本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオンは、上記一般式(1)又は一般式(2)に示すように、酸素原子−炭素原子−酸素原子の結合全体で1価の陰イオンとなっている構造をとっており、通常のカルボン酸陰イオンと同様に、水等の高極性溶媒中の場合は、溶媒分子で溶媒和され電離した状態(いわゆる電解質溶液となっている状態)、低極性溶媒や貧溶媒中、又は実質的に無溶媒の場合は、対カチオンとイオン結合で結合したイオン性物質(いわゆる塩)の状態で存在する。なお、本明細書において、実質的に無溶媒とは、溶媒が含まれていない形態、及び、溶媒が含まれているが、溶媒効果が発揮されないほどに微量しか含まれていない形態を表している。
カルボン酸陰イオン(COO)−は、下記一般式(4)に示すように、酸素原子−炭素原子−酸素原子の結合中に含まれる2つの炭素原子−酸素原子結合が等価で、その結合の強さはC=O二重結合とC−O単結合の中間であり、酸素原子−炭素原子−酸素原子の結合全体で1価の陰イオンとなっていることが一般に知られている(例えば、有機化合物のスペクトルによる同定法(第4版)/東京化学同人、p117)。
このような現象は、対カチオンが複数の配位数を取り得る場合に生じることがあり、特に対カチオンが金属原子、又は金属原子からなる原子団である場合に生じ易い。化学式で(RCOO)2Mと表される塩(RCOO:カルボン酸陰イオン、M:金属カチオン)を例に取ると、図1に示すように複数の配位構造を取り得る。なお、図1に示したものは一部の例であり、全ての配位構造例を示したものではない。
このように、対カチオンが複数の配位数を取ることができ、かつカルボン酸陰イオンも複数の配位のしかたを取ることができるため、同じ化学式の塩でも、異なる配位構造を取ることができる。
非特許文献3:BASIC INORGANIC CHEMISTRY (SECOND EDITION)/John Wiley & Sons,p143
非特許文献4:Principles and Applications of Organotransition Metal Chemistry/UNIVERSITY SCIENCE BOOKS,p59
非特許文献5:ADVANCED INORGANIC CHEMISTRY (FIFTH EDITION)/John Wiley & Sons,p483
したがって、本発明におけるジエン系カルボン酸塩とは、単一の配位構造を指す概念ではなく、同一の化学式で表される塩であれば(すなわちジエン系カルボン酸陰イオンと対カチオンの比率が同じであれば)、複数の異なる配位構造を含む概念である。すなわち、同一の化学式であれば、異なる配位構造のもの(単一の配位構造からなっていても、複数の配位構造の混合物であっても)を、同一のものとして扱う概念である。
本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオンは、極めて優れた重合・硬化性を有し、水等の高極性溶媒中の状態のような溶媒分子で溶媒和され電離した状態(いわゆる電解質溶液となっている状態)でも、低極性溶媒や貧溶媒中、又は実質的に無溶媒の場合であるような、対カチオンとイオン結合で結合したイオン性物質の状態(いわゆる塩の状態)でも発揮される。
これは、ジエン系カルボン酸陰イオンが、図3に示すような機構で環化重合することが可能であるため、カルボニル基と共役している二重結合のα位が立体的に込み合っているにもかかわらず、高い重合・硬化性を示すものと考えられる。
対カチオンは、ジエン系カルボン酸塩の溶解性や製膜性、硬化性、硬化物の諸物性に影響する。目的や用途に応じて、適宜選択すればよい。
クロム、マンガン、鉄、コバルト等、遷移金属元素は着色する場合が多いため、できるだけ着色させたくない場合は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス等の典型金属、イットリウム、ランタン等の3族、チタン、ジルコニウム等の4族の遷移金属が、特に好ましく使用できる。
好適な板状の被着体として、無機系のものとしては、ガラス基材;セラミック基材;珪酸カルシウム板、石綿スレート板、セメントスレート板等の無機質基材;アルミニウム板、銅板、ステンレス鋼板、めっき鋼板等の金属基材等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、前記した基材以外にも、合板、MDF(中密度繊維板)、パーティクルボード等の木質系基材を用いることもできる。
本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオンは、このように様々な金属原子や非金属原子又はこれらからなる原子団と組み合わせることができ、様々な用途に好適に用いることができるジエン系カルボン酸塩を形成することができる陰イオンである点に、大きな技術的意義を有している。
本発明におけるジエン系カルボン酸塩は、上述のように、単一の配位構造を指す概念ではなく、同一の化学式で表される塩であれば、複数の異なる配位構造を含む概念である。すなわち、同一の化学式であれば、異なる配位構造のもの(単一の配位構造からなっていても、複数の配位構造の混合物であっても)を、同一のものとして扱う概念である。
ジエン系カルボン酸塩の化学式を一般化すると、下記一般式(7)のように表される。
まず、簡便のため、ジエン系カルボン酸陰イオンとしては、α−アリルオキシメチルアクリル酸陰イオン(AMAイオン)のみを含む場合のみを列挙するが、他のジエン系カルボン酸陰イオンを含む場合、又は、複数種のジエン系カルボン酸陰イオンを含む場合を否定するものではない。
Li(AMA),Na(AMA),K(AMA),(CH3)4N(AMA),(Ph)4P(AMA),Mg(AMA)2,Ca(AMA)2,Sr(AMA)2,Ba(AMA)2,Y(AMA)3,La(AMA)3,Ti(AMA)4,Zr(AMA)4,Cr(AMA)3,Mn(AMA)2,Fe(AMA)3,Co(AMA)2,Ni(AMA)2,Cu(AMA)2,Ag(AMA),Zn(AMA)2,Al(AMA)3,In(AMA)3,Bi(AMA)3
Zr(O)(AMA)2,V(O)(AMA)2
これらは、AMAイオンと、金属元素及び非金属元素からなる原子団である対カチオンとの塩と表すこともできる。すなわち、Zr(O)(AMA)2はAMAイオンとZrOイオンとの塩ZrO(AMA)2、V(O)(AMA)2はAMAイオンとVOイオンとの塩VO(AMA)2と表すこともできる。
Ca(AMA)1(Ac)1,Ba(AMA)1(AA)1,Zr(AMA)2(MAA)2,Zn(AMA)1(AA)1,In(AMA)2(MAA)1
(n−C4H9)2Sn(AMA)2,(n−C4H9)2Pb(AMA)2
これらは、AMAイオンと(n−C4H9)2Snイオンとの塩、AMAイオンと(n−C4H9)2Pbイオンとの塩と解釈してもよい。
(CH3)4Sn2(O)(AMA)2
これらは、AMAイオンと(CH3)2Sn−O−Sn(CH3)2イオンとの塩と解釈してもよい。
(La)1(Cu)2(AMA)7,((C2H5)3NH)1(Ag)1(AMA)2
カルボン酸以外の陰イオン性配位子が含まれる例として、水酸化物イオン、又はアルコキシドイオン,ハロゲンイオンが含まれる例を示す。
(Ph)2Sn(OH)1(AMA)1,(n−C4H9O)2Ti(AMA)2,Y(Cl)(AMA)2
中性分子型配位子が含まれる例として、水、メタノール、2,2′−ビピリジンが配位している例を示す。なお、2,2′−ビピリジンはbpyと表す。
(H2O)2Zn(AMA)2,(H2O)1(CH3OH)1Zn(AMA)2,(bpy)2Sm(AMA)3
なお、水、メタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のような溶媒として一般的に使用し得るものは、塩中に中性分子型配位子として含まれているのか、単に塩と残存溶媒との混合物であるのかを区別することは、困難な場合が多い。
上記具体例のジエン系カルボン酸陰イオン以外の陰イオン、中性分子型配位子、及び対カチオンは、あくまで一部の例であって、これらに限定されるわけではなく、例えば、上記非特許文献3〜5に記載されているものを適用できる。
本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオン及びその塩の製造方法としては、(i)ジエン系カルボン酸又はジエン系カルボン酸の無水物を、塩基性物質又は潜在的塩基性物質と反応させる方法、(ii)ジエン系カルボン酸エステル又はジエン系カルボン酸ニトリルを、塩基性物質又は潜在的塩基性物質で加水分解して、ジエン系カルボン酸塩とした後、必要に応じて更に別のカチオンに交換する方法、の大きく2つに分けられる。
なお、上記塩基性物質又は潜在的塩基性物質は、水と反応させることで(加熱してもよい)水酸化物イオンを発生しうる物質であり、アンモニア、アミン類等の有機塩基や、種々の金属単体、金属酸化物、金属水酸化物や金属アルコキシド等が挙げられる(以下、単に塩基と表現することもある)。
したがって、ジエン系カルボン酸陰イオンを得るには、ジエン系カルボン酸、ジエン系カルボン酸の無水物、ジエン系カルボン酸エステル、ジエン系カルボン酸ニトリルのいずれかを原料とすることになる。
すなわち、ジエン系カルボン酸陰イオン及びその塩の製造方法であって、1,6−ジエン−2−カルボン酸エステル若しくはニトリル、又は、1,5−ジエン−2−カルボン酸エステル若しくはニトリルを、塩基性物質又は潜在的塩基性物質により加水分解、又は、酸により加水分解する工程を含むジエン系カルボン酸陰イオン及びその塩の製造方法は、ジエン系カルボン酸陰イオン及びその塩の製造方法の好ましい実施形態の1つである。
この方法は、塩基性物質又は潜在的塩基性物質を、好ましくは水の存在下で、AMAエステル又はAMAニトリルと攪拌することにより、反応を進行させる方法である。
生体に対する安全性の点で、原料としては、AMAエステルがより好ましい。
AMAエステルとしては、加水分解のし易さから低級エステルが好ましく、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル、グリシジル、テトラヒドロフルフリル等の炭素数が1〜5のエステルが好ましい。
アルカリ金属・アルカリ土類金属としては、入手性、反応の進行のし易さの点で、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
これらアルカリ金属・アルカリ土類金属の水酸化物を水溶液として使用する場合、その濃度は、AMAエステルの種類や反応温度等に応じて適宜選択すればよいが、0.1〜60質量%が好ましく、1〜50%が更に好ましく、最も好ましくは3〜40質量%である。
反応温度としては、水酸化アルカリの濃度やAMAエステルの種類に応じて適宜選択すればよいが、−20〜120℃であることが好ましく、−10〜100℃が更に好ましく、0〜80℃が最も好ましい。
この方法は、カチオンMa +からなるAMA塩(「AMAのMa塩」と表現する)と、カチオンMb +からなる原料塩(単に「原料Mb塩」と表現する)とを、両者を溶解する溶媒中で、場合によっては触媒存在下で混合してカチオンを交換し、カチオンMb +からなるAMA塩(「AMAのMb塩」と表現する)を製造する方法である。
溶媒としては、AMAのMa塩と原料Mb塩との両方を一部でも溶解できるものであればよいが、水、アルコール類が好ましく、水が最も好ましい。
AMAのMa塩としては、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属の塩が好ましく、入手性、反応の進行のし易さの点で、特にナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
反応温度としては、各カチオン(Ma +、Mb +)の種類に応じて適宜選択すればよいが、−20〜120℃であることが好ましく、−10〜100℃が更に好ましく、0〜80℃が最も好ましい。
目的のAMAのMb塩は、特に操作をしなくても分離する場合もあるし、適切な有機溶媒(例えば、ジエチルエーテル、トルエン、クロロホルム等)で抽出、分離してもよい。
このプロセスは、AMAカルボン酸を得る工程(前段工程)と、それに引き続いて行う直接法により別のカチオンの塩とする工程(後段工程)に分けられる。
前段工程は、水の存在下、AMA塩を酸(好ましくは強酸)で処理する工程であり、AMA塩の水溶液と強酸を混合するのが簡便で、最も好ましい。酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、有機スルホン酸(p−トルエンスルホン酸等)、トリフルオロ酢酸、リン酸や、酸性イオン交換樹脂(特にスルホン酸型のものが好ましい)が、好ましく挙げられる。
反応温度としては、−20〜120℃であることが好ましく、−10〜100℃が更に好ましく、0〜80℃が最も好ましい。
必要に応じて、後段工程の前にAMAカルボン酸を単離・精製してもよい。単離・精製方法としては、特に限定されないが、例えば、適切な有機溶媒(例えば、ジエチルエーテル、トルエン、クロロホルム等)で抽出、分離する方法が挙げられる。
直接法は、目的とするAMA塩が加水分解性で水溶液中での合成が困難であったり、AMA塩が水溶性で抽出が困難である場合や、原料となる塩基(例えば、金属水酸化物、アミン、ホスフィン等)が容易に入手できる場合に、特に有効である。
また、ジエン系カルボン酸塩を得る方法として、2種以上の塩を混合する方法も好ましく、特に複合タイプの塩が簡便に得られる。例えば、アクリル酸のMa塩とAMAのMa塩を混合するだけで、混合比率に応じたアクリル酸−AMAカルボン酸の複合Ma塩を得ることができる。同様に、AMAのMa塩とAMAのMb塩を混ぜればAMAカルボン酸のMa−Mb複合塩が得られる。
本発明は、上記一般式(1)又は一般式(2)で表されるジエン系カルボン酸陰イオン、及び、微粒子を含んでなることを特徴とする重合性組成物である。
上記重合性組成物中のジエン系カルボン酸陰イオンの総量は、重合性組成物の総量100質量%に対して、製膜性、硬化性、微粒子の含有量の点から、好ましくは0.001〜95質量%、より好ましくは0.01〜90質量%である。
また、重合性組成物中の固形分(不揮発分)としては、塗布性の点から、好ましくは1〜100質量%、より好ましくは5〜100質量%である。重合性組成物中のジエン系カルボン酸塩が常温で流動性が高いものである場合は、揮発成分を加えなくとも使用可能な場合がある。
本発明の重合性組成物の必須成分であるジエン系カルボン酸陰イオンは、各種のカチオンとイオン結合して塩を形成し、その塩は、常温、それ単体で優れた製膜性を発揮するが、対カチオンが金属イオンの場合は塗布できるほどの流動性には欠ける傾向にあるため、常温で塗布するような使用方法の場合、何らかの液媒体で塗布できるほどの粘度にまで希釈するのが好ましい。したがって、本発明の重合性組成物の好ましい形態として、更に液媒体を含む形態が挙げられる。ジエン系カルボン酸陰イオンの塩が常温・単体で塗布できるほどの流動性がある場合(対カチオンがアンモニウムイオンのような有機カチオンの場合等)や、加圧成型のように流動性に乏しくとも成型できる程度の粘度であればよい用途の場合は、液媒体で希釈しなくてもよい。
次に、必要に応じて含む(B)液媒体について説明し、更に、添加剤については(C)ラジカル開始剤、(D)ドライヤー、(E)その他添加剤に分けて説明する。
本発明の重合性組成物の必須成分である微粒子は、着色、UVカット、IRカット、高硬度化、ゴム弾性付与、耐擦傷性向上、耐摩耗性向上、高屈折率化、低屈折率化、抗菌性付与等、微粒子そのものに由来する様々な機能を重合・硬化物に付与又は性能を向上する目的で使用される、有機又は無機の微粒子である。
当該粒子径の測定方法は、粒子の種類や粒子径に応じて適宜選択すればよい。例えば、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて測定できる。液媒体に分散された状態の場合、動的光散乱法等によっても測定できる。なお、本明細書においては、粒子径とは電子顕微鏡観察による算術平均値として表わされる平均一次粒子径を意味する。
付与又は向上させたい機能が、透明性、硬度、耐擦傷性、耐摩耗性に重きをおいたものであって、微粒子が分散している状態を作る方法が上記方法(ii)である場合、そのような別途用意しておく微粒子分散液としては、例えばシリカ微粒子の水又は有機溶媒分散液が挙げられる。具体的には、例えば、ST−30、ST−O、ST−N、ST−C、ST−AK、ST−AK−A、IPA−ST、MEK−ST,TOL−ST(以上、日産化学社製)等が挙げられる。
このように、付与又は向上させたい機能に応じて、適宜、微粒子の種類を選択すればよい。
上記のように、本発明の重合性組成物の好ましい形態として、使用する温度において塗布できるほどの粘度にまで何らかの液媒体で希釈する形態が挙げられる。
本発明の重合性組成物の好ましい粘度は、塗布方法、塗布層の厚み等によって変わりうるが、好ましくは0.1〜100000mPa・s、より好ましくは0.5〜50000mPa・s、更に好ましくは1〜10000mPa・sである。
当該粘度は、毛細管粘度計、落球粘度計、回転粘度計等、一般に用いられる粘度計を用いて測定することができ、測定の簡便性や適用範囲の広さの点で回転粘度計が好ましい。なお、本明細書においては、当該粘度は25℃における値であり、コーンプレート型の回転粘度計(E型粘度計)にて測定される値を用いる。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類。
これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよく、また、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。
液状オリゴマー・ポリマーとしては、例えば、ポリエーテル骨格、ポリシロキサン骨格、ポリブタジエン骨格等、繰り返し単位が結合した構造を有するもの等が挙げられる。
上記液媒体は、本発明の重合性組成物の必須成分ではなく、用途や硬化条件等に応じて添加しない方がよい場合もあるため、0質量%であってもよい。
本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオン及びその塩は、加熱及び/又は電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射によりラジカル重合を開始し、重合・硬化させることができるが、ラジカル開始剤を併用することにより、より効果的に硬化させることができる。
上記ラジカル開始剤としては、加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル開始剤と、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤とがあり、通常ラジカル開始剤として用いられるものを1種又は2種以上使用できる。
また、必要に応じて、通常用いられるラジカル重合促進剤、光増感剤等を1種又は2種以上添加することも好ましい。
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α′−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機過酸化物系開始剤。
ドライヤーは、過酸化物の分解促進作用を有する化合物、すなわち、レドックス作用により過酸化物を分解して酸化物ラジカル、又は過酸化物ラジカルを発生させる化合物であり、通常ドライヤーとして用いられるものを1種又は2種以上使用できる。
このようなドライヤーとしては、特に限定されないが、例えば、コバルト、銅、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニウム、クロム、バナジウム、カルシウム、カリウム、セリウム、サマリウム等の金属の有機塩、無機塩、酸化物、又は金属錯体;1級、2級、3級のアミン化合物;4級アンモニウム塩;チオ尿素化合物;ケトン化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸バナジウム、ジメチルアニリン、トリエタノールアミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ(2−ヒドロキシエチル)p−トルイジン、エチレンチオ尿素、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル等が挙げられる。また、ジエン系カルボン酸塩そのものが、このようなドライヤーともなり得る。
上記(C)ラジカル開始剤、(D)ドライヤー以外の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ラジカル開始剤及びドライヤー以外の硬化促進剤、安定剤、レベリング剤、単官能又は多官能性の重合性単量体、バインダー樹脂、分散剤、フィラー、密着性向上剤、離型剤、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、艶消し剤、消泡剤、帯電防止剤、スリップ剤、表面改質剤、酸発生剤等が挙げられる。以下に主だったものについて説明する。
ラジカル開始剤及びドライヤー以外の硬化促進剤としては、多官能チオールが挙げられる。多官能チオールは、ラジカル硬化において多官能性連鎖移動剤として作用でき、また、本発明におけるジエン系カルボン酸塩がα−(メタ)アリルオキシメチルカルボン酸塩である場合、(メタ)アリルエーテル基とのエン−チオール反応機構に基づく架橋剤としても作用できるため、本発明におけるジエン系カルボン酸塩の硬化性を向上することができる。このような多官能チオールとしては、メルカプト基を同一分子内に2個以上有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記ラジカル開始剤及びドライヤー以外の硬化促進剤は、本発明の重合性組成物の必須成分ではなく、用途や硬化条件等に応じて添加しない方がよい場合もあるため、0質量%であってもよい。
安定剤は、取扱い性や貯蔵安定性を向上するために、ラジカル重合や酸化重合を防止する機能を持つ化合物であり、通常用いられる重合禁止剤、酸化防止剤を1種又は2種以上使用でき、特に限定されるものではない。
このような化合物としては、例えば、フェノール系化合物、有機酸銅塩、フェノチアジン類、ホスファイト類、ホスフィン類、チオエーテル類、ヒンダードアミン系化合物、アスコルビン酸類、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体等を挙げることができる。これらの中では、着色や相溶性等の点でフェノール系化合物が好ましく、具体的には、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。また、これらフェノール系化合物と、ホスファイト類やチオエーテル類に代表されるいわゆる2次酸化防止剤に分類される安定剤とを併用すると、より重合防止性や着色防止性が高まり、更に好ましい。
レベリング剤は、表面張力を低下させることにより塗布性を向上する機能を持ち、通常レベリング剤又は界面活性剤として分類される、親油性部位と親水性部位とを有する化合物である。本発明の重合性組成物は、レベリング剤を含まずとも十分に表面張力が低い場合もあるが、必要に応じてレベリング剤を添加してもよい。
本発明の重合性組成物は、目的や用途に応じて、単官能又は多官能性の重合性単量体(加熱又は活性エネルギー線の照射等により重合しうる重合性基を有する低分子化合物)を含んでいてもよい。このうち、特に特に常温で液状・低粘度のものは粘度調整機能も有するため反応性希釈剤に分類されることがある。重合性基としては、炭素−炭素不飽和結合のようなラジカル重合性基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基のようなカチオン重合性基が挙げられ、これら重合性基を同一分子内に1つだけ(単官能性)、又は2つ以上(多官能性)を有していてもよい。2つ以上有する場合、同じ重合性基でも異なる2種以上でもよい。
本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオンは、ラジカル重合性を有するため、同じ機構で硬化することができるラジカル重合性基を有する重合性単量体が、相乗効果を得られやすく好ましい。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル類。
特に、R’が水素原子や、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニルオキシエチル、ベンジル、メトキシエチル、テトラヒドロフルフリル等の、炭素数が12以下の酸素原子を含んでいてもよい炭化水素骨格を有する1価の有機基である場合、希釈性が非常に高く、好ましい。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類。
上記重合性単量体は、本発明の重合性組成物の必須成分ではなく、用途や硬化条件等に応じて添加しない方がよい場合もあるため、0質量%であってもよい。
バインダー樹脂は、塗膜形成性付与/向上、型崩れ防止等の充填剤的な役割をするオリゴマー又はポリマーであり、目的や用途に応じて、更に、アルカリ現像性、色材分散性、耐熱性、密着性等、様々な機能を付与する。このようなバインダー樹脂としては、様々なオリゴマー又はポリマーを1種又は2種以上使用でき、特に限定されるものではない。
上記バインダー樹脂は、本発明の重合性組成物の必須成分ではなく、用途や硬化条件等に応じて添加しない方がよい場合もあるため、0質量%であってもよい。
本発明の重合性組成物の重合又は硬化方法は、加熱、活性エネルギー線の照射、及び、酸素を含む雰囲気下への暴露からなる群から選択される少なくとも1種の方法を施す工程を含むものである。
上述のように、本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオン及びその塩は、ラジカル重合機構及び/又は酸化重合機構が可能であるため、加熱、活性エネルギー線の照射、酸素を含む雰囲気下への曝露、の3通りの方法で硬化させることができる。またこれらの方法のうち、1種類だけを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような硬化は、水をはじめ揮発成分(有機溶剤等)を含んだ状態で行ってもよく、本発明の重合性組成物を塗布・乾燥して、水をはじめ揮発成分をほとんど含まない状態としてから行ってもよく、目的、用途に応じて使い分ければよい。
硬化促進剤を併用する場合には、併用しない場合よりも低い温度で硬化させることができ、0〜400℃が好ましく、より好ましくは10〜350℃、更に好ましくは20〜350℃である。
本発明の重合物又は硬化物は、上記重合性組成物の重合又は硬化方法により得られることを特徴とするものである。
本発明の重合・硬化物は、その重合・硬化物中に多くのイオン結合が導入され、特にジエン系カルボン酸塩が金属塩である場合、金属も導入されることになる。これらイオン結合、及び/又は金属に応じた諸特性が発揮されることになるが、そのような諸特性としては、例えば、硬度、耐擦傷性、耐指紋付着性、ガスバリア性、水蒸気バリア性、酸素吸収性、紫外線カット、赤外線カット、発色・着色、高屈折率、密着性、各種触媒能、蛍光・発光能、光増幅、分散性、帯電防止等、様々な諸特性が挙げられ、このような諸特性を利用した様々な応用方法に適用できることになる。更に、MOD材料としても好適に用いることができる。
したがって、本発明の重合性組成物、及び、その重合・硬化物は、コーティング材、アイオノマー樹脂、接着剤、封止材、粘着剤、塗料、顔料分散、反応性乳化剤、反応性界面活性剤、金属/金属酸化物微粒子の分散、インク、レジスト、MOD材料、成型材料、ガスバリア材料、水蒸気バリア材料、酸素吸収材料、レンズ、歯科材料、抗菌剤、ゴム、タイヤ、照明、太陽電池、配線材料、電極材料、めっきアンダーコート、光ファイバー、光導波路、超伝導材料、半導体チップ、磁性材料、メモリ、コンデンサ、圧電体にいたるまで、情報技術(IT)分野や自動車、建築、医療、日用品等の種々の分野において幅広く応用できる。
以下に、本発明におけるジエン系カルボン酸陰イオンを含む水溶液の合成、及び分析について説明する。なお、分析に用いた機器、及び条件は次の通りである。
[HPLC分析]
下記高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置、及び条件にて行った。
この装置及び条件により、α−アリルオキシメチルアクリル酸エステル、α−アリルオキシメチルアクリル酸の検出ができる。α−アリルオキシメチルアクリル酸イオンは、溶出溶媒に含まれるリン酸の作用によりα−アリルオキシメチルアクリル酸の形で検出される。
HPLC装置:DGU−20A5、LC−20AD、SIL−20A、SPD−20A、CTO−20A(いずれも島津製作所社製)の組み合わせ
希釈溶媒:アセトニトリル/メタノール=2/1(質量比)
溶出溶媒:0.1mol%リン酸水溶液/アセトニトリル/メタノール混合溶媒
分離カラム:CAPCELL PACK C18 TYPE:AQ (資生堂社製)
核磁気共鳴装置(400MHz/Varian社製)を用いた。
[IR透過スペクトル測定]
赤外分光装置(装置名:NEXUS−670/サーモニコレー社製)を用いた。
[ICP発光分析]
ICP発光分光分析装置(装置名:CIROS120/SPECTRO社製)を用いた。
[不揮発分]
約0.4gの試料をアルミカップに秤量し、室温で30分風乾した後、真空乾燥器で80℃、30分間乾燥した。乾燥後の質量を秤量し、試料の残存質量から不揮発分を計算した。
α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル:Me−AMAの合成
合成は、国際公開第2011/148903号の実施例28の通りに行った。
得られた無色透明の液体を重ジメチルスルホキシド(d−DMSO)に溶解し、1H−NMRスペクトル測定を行った。得られたNMRスペクトルと帰属を図7−1に示す。また、臭化カリウム(KBr)板を用いた液膜法によりIR透過スペクトル測定を行ったところ、カルボン酸陰イオンに帰属される吸収帯は存在せず、カルボン酸又はカルボン酸エステルのC=O伸縮振動に帰属される吸収帯が存在し、該吸収帯の吸収が最大値となる波数(以下、ν(C=O)と表記する)は1720cm−1であった。得られたIRスペクトルと帰属を図7−2に示す。
アクリル酸イオン(AA−)及び亜鉛イオン(Zn2+)を含む水溶液の調製
攪拌子を入れた反応器に、アクリル酸亜鉛(アルドリッチ社製、以下Zn(AA)2と表する)30.0部及び蒸留水70.0部を加え、反応器を30〜35℃の温浴で温めながら30分攪拌した。その後、0.45μm孔径のフィルターで濾過し、無色透明な液体として、Zn(AA)2の水溶液、すなわちアクリル酸イオン(AA−)及び亜鉛イオン(Zn2+)を2:1(モル比)で含む水溶液95.0部を得た。不揮発分は30.6%であった。
アクリル酸イオン(AA−)及び亜鉛イオン(Zn2+)を含むMeOH(メタノール)溶液の調製
攪拌子を入れた反応器に、Zn(AA)230.0部及びMeOH55.0部を加え、反応器を30〜35℃の温浴で温めながら30分攪拌した。その後、0.45μm孔径のフィルターで濾過し、無色透明な液体として、Zn(AA)2のMeOH溶液、すなわちアクリル酸イオン(AA−)及び亜鉛イオン(Zn2+)を2:1(モル比)で含むMeOH溶液80.0部を得た。不揮発分は37.2%であった。
α−アリルオキシメチルアクリル酸イオン(AMA−)及びナトリウムイオン(Na+)を含む水溶液の調製
攪拌子を入れた反応器に10%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液40.0部とMe−AMA15.0部を仕込み、水浴で冷却しながらマグネチックスターラーで攪拌した。Me−AMAが消失するまで攪拌を続け、AMA−及びNa+を1:1(モル比)で含む水溶液、すなわちα−アリルオキシメチルアクリル酸のナトリウム塩(以下、Na(AMA)と表す)の水溶液を得た。なお、Me−AMAの消失はHPLC分析で確認した。
反応器からNa(AMA)水溶液を少量採取してKBr板を用いた液膜法によりIR測定を行い、水との差スペクトルを測定したところ、カルボン酸陰イオンの逆対称伸縮に帰属される吸収が確認でき、該吸収帯の吸収が最大値となる波数(以下、ν(COO−)と表記する)は1554cm−1であった。
α−アリルオキシメチルアクリル酸イオン(AMA−)及び亜鉛イオン(Zn2+)を含む水溶液の調製
合成・調製例1−4のNa(AMA)水溶液の入った反応器に、ジイソプロピルエーテル(DIPE)50mlを加え、次いで硫酸亜鉛七水和物13.5部を加え、1時間攪拌した。
内容物を滴下漏斗に移し、DIPEによる抽出、分液を行った。DIPE層に、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、及びアデカスタブAO−412(アデカ社製)をそれぞれ0.005部、0.008部加えてから、エバポレーターを用いてDIPEを留去して濃縮し、無色透明の液体として、モル比2:1のAMA−とZn2+からなる塩(以下、Zn(AMA)2と表す)のDIPE溶液46.0部を得た。
反応器からZn(AMA)2のDIPE溶液を少量採取し、真空ポンプを用いて乾燥した。これにd−DMSOを加えて溶解したものについて1H−NMR測定を行った。得られたスペクトルと帰属を図8−1に示す。また、同様に真空ポンプで乾燥した少量サンプルにジクロロメタンを加えて溶解したものをKBr板に塗布、室温で放置し乾燥したものをIR測定したところ、ν(COO−)は1594cm−1であった。得られたスペクトルと帰属を図8−2に示す。また採取したZn(AMA)2のDIPE溶液をキシレンで希釈しICP発光分析を行ったところ、亜鉛に帰属される強いピークを確認した。
Zn(AMA)2のDIPE溶液が入った反応器に蒸留水60.0部を追加し、反応器を30〜35℃の温浴で温めながらDIPEを減圧留去して除去し、溶媒を水に交換した。0.45μm孔径のフィルターで濾過し、Zn(AMA)2の水溶液、すなわちAMA−及びZn2+を2:1(モル比)で含む水溶液66.0部を得た。不揮発分は20.9%であった。
α−アリルオキシメチルアクリル酸イオン(AMA−)及び亜鉛イオン(Zn2+)を含むイソプロパノール(IPA)溶液の調製
合成・調製例1−5と同様にして、Zn(AMA)2のDIPE溶液を得た後、真空ポンプを用いてDIPEほぼ完全に留去したところ、無色透明の水飴状物質としてZn(AMA)2が得られた。そこへIPA60.0部を加えて再溶解した後、IPAを減圧留去して濃縮した。0.45μm孔径のフィルターで濾過し、Zn(AMA)2のIPA溶液、すなわちAMA−及びZn2+を2:1(モル比)で含むIPA溶液41.0部を得た。不揮発分は33.6%であった。
合成・調製例1−5で得たZn(AMA)2水溶液9.0部、及び合成・調製例1−2で得たZn(AA)2水溶液11.0部を混合し、AMA−、AA−、Zn2+をそれぞれモル比1:3:2で含む水溶液を得た。これは、Zn(AMA)2とZn(AA)2をモル比で1:3、質量比で36:64で含む水溶液に相当する。なお、この水溶液の不揮発分は、Zn(AMA)2水溶液の不揮発分とZn(AA)2水溶液の不揮発分から26.2%と算出した。
[実施例1−1]
合成・調製例1−7で得た水溶液をスクリュー管に2.0部秤り取り、攪拌子で攪拌しながらシリカ微粒子の水分散液0.184部を滴下した。これは、不揮発分中のシリカ微粒子の割合が5%となる量である。
なお、用いたシリカ微粒子の水分散液の詳細は次のとおりである。
・製品名:ST−AK−A(日産化学社製)
・粒子径:10〜15nm
・微粒子含量(不揮発分):15.0%
更に、不揮発分が19.1%となるように蒸留水0.71部を添加し、透明な水系分散組成物を得た。
この水系分散組成物を、ガラス板上にNo.8のバーコーターを用いて塗布したところ、はじきは全く観察されず、均一な湿潤塗膜を得ることができた。結果を表1に示す。
不揮発分中のシリカ微粒子の割合が表1に示した割合になるようにST−AK−Aの添加量を、また不揮発分が19.1%となるように蒸留水の添加量を調整したこと以外は、実施例1−1と同様にして水系分散組成物を得た。得られた水系分散組成物の塗布性を確認したところ、いずれもはじきは全く観察されず、均一な湿潤塗膜を得ることができた。結果を表1に示す。
ST−AK−Aを添加しなかったこと以外は、実施例1−2〜1−6と同様にして水系組成物を得た。得られた水系組成物の塗布性を確認したところ、バーコーターで塗布した瞬間に強くはじいてしまい、全く湿潤塗膜を得ることができなかった。
実施例1−1〜1−6と比較例1との対比から、シリカ微粒子を分散させることにより塗布性が飛躍的に向上していることが分かる。
[実施例2]
合成・調製例1−6で得たZn(AMA)2のIPA溶液をスクリュー管に2.0部秤り取り、攪拌子で攪拌しながらシリカ微粒子のIPA分散液0.944部を滴下した。これは、不揮発分中のシリカ微粒子の割合が30%となる量である。
なお、用いたシリカ微粒子のIPA分散液の詳細は次のとおりである。
・製品名:IPA−ST(日産化学社製)
・粒子径:10〜15nm
・微粒子含量(不揮発分):30.5%
更に、不揮発分が30.8%となるようにIPA0.17部を添加し、ついで光ラジカル開始剤としてダロキュア1173(BASF社製)0.034部を添加して、透明なシリカ微粒子のIPA分散組成物を得た。
乾燥膜厚が2μmとなるようにNo.5のバーコーターを用いて、このIPA分散組成物をガラス板に塗布した。
なお、乾燥膜厚は次式にしたがって計算した。
乾燥膜厚[μm]=1.3×バーコーターNo.×不揮発分(質量%)÷100
なお、用いたベルトコンベア式UV照射機は、次の通りである。
UV照射装置:ライトハンマー6
ベルトコンベア装置:モデルLC−6B
以上、フュージョンUVシステムズ社製
UV照射条件は、次の通りである。
光源:Hバルブ
波長365nmにおける照度:200mW/cm2
ベストスピード:6.0m/s
1パスあたりの照射時間:1秒
1パスあたりの積算光量:200mJ/cm2
照射回数:20パス
このUV硬化塗膜について、JIS K 5600−4に準拠し、引っかき硬度(鉛筆法)を測定したところ5Hであった。
IPA−STを添加せず、不揮発分が30.8%となるようにIPAの添加量を0.18部に変えたこと以外は実施例2と同様に操作して、シリカ微粒子を含まないUV硬化塗膜を得た。このUV硬化塗膜について、引っかき硬度(鉛筆法)を測定したところ3〜4Hであった。
実施例2と比較例2との対比から、シリカ微粒子を分散させることにより硬化物の硬度が向上していることが分かる。
[実施例3]
実施例1−4と全く同じ操作により、AMA−、AA−、Zn2+をそれぞれモル比1:3:2で含み、かつ不揮発分中に30%となる量のシリカ微粒子が均一分散された水系組成物の湿潤塗膜を形成した。
これを真空乾燥器にて80℃で10分間乾燥したところ、透明均一な乾燥塗膜が得られた。
すなわち、AMA−、AA−、Zn2+をそれぞれモル比1:3:2で含み、シリカ微粒子を30質量%含む透明均一な乾燥塗膜が得られた。
合成・調製例1−7で得た水溶液(AMA−、AA−、Zn2+をそれぞれモル比1:3:2で含む水溶液)の代わりに合成・調製例1−2で得た水溶液(AA−、Zn2+をそれぞれモル比2:1で含む水溶液)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、AA−、Zn2+をそれぞれモル比2:1で含み、かつ不揮発分中に30%となる量のシリカ微粒子が均一分散された水系組成物を調製し、これをガラス板上に塗布し、湿潤塗膜を形成した。
これを真空乾燥器にて80℃で10分間乾燥したところ、全面的に白化した乾燥塗膜となった。
実施例3と比較例3の対比から、ジエン系カルボン酸陰イオンを用いることにより、製膜性が発現することが分かる。
[実施例4−1]
合成・調製例1−7で得た水溶液に対して、水溶液中の不揮発分に対して3質量%の量のイルガキュア2959(BASF社製)を光ラジカル開始剤として更に添加し、70〜80℃に加温しながら振り混ぜて均一な溶液とした。
この光ラジカル開始剤を含む水溶液4.0部を攪拌子を入れた容器に取り、攪拌しながら3.0部のST−AK−A3.0部を滴下し、透明な水系組成物を得た。この水系組成物は、不揮発分中にシリカ微粒子を30質量%含むことになる。また、得られた水系組成物の不揮発分を21.4%と算出した。
0.45μm孔径のフィルターで濾過してから、上記の計算式により乾燥膜厚が2μmとなるようにNo.7のバーコーターを用いてガラス板に塗布し、真空乾燥器にて100℃で10分間乾燥して乾燥塗膜を得た。
この乾燥塗膜は、光ラジカル開始剤を含むこと以外は、実施例3と同じ乾燥塗膜(AMA−、AA−、Zn2+をそれぞれモル比1:3:2で含み、シリカ微粒子を30質量%含む乾燥塗膜)である。これを実施例2と同様にしてUV硬化させた。
このガラス板上に形成された硬化塗膜について、JIS K 5600−5−6(クロスカット法)に準拠し、ガラス板に対する密着性を評価した。ただし、マス目は10×10マス=100マスで行い、100マスの中で剥がれや破損が生じずに残存しているマス目の数として密着性を評価した。結果を表2に示す。
用いた基材を表2に示したものに変えたこと以外は、実施例4−1と同様にして密着性を評価した。結果を表2に示す。
合成・調製例1−6で得たZn(AMA)2のIPA溶液0.8部と合成・調製例1−3で得たZn(AA)2のMeOH溶液1.29部とを混合し、攪拌子で攪拌しながら、1.05部のIPA−STを滴下した。更に、不揮発分に対して3質量%となるように0.023部のイルガキュア2959(BASF社製)、及び0.34部のIPAを添加した後、0.45μm孔径のフィルターで濾過した。
上記の計算式により乾燥膜厚が2μmとなるようにNo.5のバーコーターを用いてガラス板に塗布し、真空乾燥器にて80℃で10分間乾燥して乾燥塗膜を得た。この乾燥塗膜は、実施例4−1と同じものである。
以後の操作は実施例4−1と全く同じ操作を行い、ガラス板に対する密着性を評価した。結果を表2に示す。
硬化性、製膜性の良好な化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)を、濃度が30.5%となるようにIPAに溶解し、更にTMPTAに対して3%となるようにイルガキュア2959(BASF社製)を加えてよく振り混ぜた。この溶液2.0部を秤り取り、攪拌子で攪拌しながら0.86部のIPA−STを滴下した後、0.45μm孔径のフィルターで濾過し、均一透明な分散組成物を得た。これは、不揮発分中にシリカ微粒子を30%含む組成物である。
以後の操作は実施例4−7と同様にして、ガラス板に対する密着性を評価した。結果を表2に示す。
実施例4−1、4−7と比較例4の対比から、ジエン系カルボン酸陰イオンを用いることにより、密着性が飛躍的に向上することが分かる。また、実施例4−1〜4−6より、本発明の硬化物は、様々な基材に対して密着することが分かる。
このように、上記一般式(1)又は(2)で表される特定のジエン系カルボン酸陰イオン、及び、微粒子を含んでなる重合性組成物とすることによって、当該重合性組成物が優れた製膜性と重合性を有し、更に、その重合・硬化物が、イオン結合及び/又は金属に応じた諸特性(硬度、耐擦傷性、耐指紋付着性、ガスバリア性、水蒸気バリア性、酸素吸収性、紫外線カット、赤外線カット、発色・着色、高屈折率、密着性、各種触媒能、蛍光・発光能、光増幅、分散性、帯電防止等)を発揮する作用機序はすべて同様であるものと考えられる。
したがって、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。
Claims (5)
- 下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるジエン系カルボン酸陰イオン、及び、微粒子を含んでなることを特徴とする重合性組成物。
- 前記組成物は、更に、液媒体を含むことを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
- 前記組成物は、更に、ラジカル開始剤及び/又はドライヤーを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の重合性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の重合性組成物を重合又は硬化させる方法であって、
該重合又は硬化方法は、加熱、活性エネルギー線の照射、及び、酸素を含む雰囲気下への暴露からなる群から選択される少なくとも1種の方法を施す工程を含むことを特徴とする重合性組成物の重合又は硬化方法。 - 請求項4に記載の重合又は硬化方法により得られることを特徴とする重合物又は硬化物。
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