JP2013216228A - 車両の衝撃吸収構造 - Google Patents

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【課題】ハニカム構造体からなる衝撃吸収部材が、衝撃をセルの軸方向の圧縮荷重として受ける車両の衝撃吸収構造において、立体的な形状の板面に対して衝撃吸収部材を固定する場合であっても、圧縮荷重の変動をできるだけ抑制しながら、変形ストロークを長くすることのできる車両の衝撃吸収構造を提供する。
【解決手段】衝撃吸収部材23は、圧縮方向に積層された第1の衝撃吸収層31と、第1の衝撃吸収層31よりも圧縮強度の大きい第2の衝撃吸収層41とを備え、第1の衝撃吸収層31は、セルの軸方向長さが均一な平板状であり、第1の衝撃吸収層31は、第1の衝撃吸収層31側とは反対側の面が、車両のパネル部材17の板面形状に対応して形成されて取付面43を構成しており、該取付面43がパネル部材17の板面に当接した状態で、衝撃吸収部材23が固定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハニカム構造体で衝撃を吸収する車両の衝撃吸収構造に関する。
ハニカム構造体は、隔壁で区切られたセルが縦横に多数配列しており、空隙が多いため軽量であるとともに、セルの軸方向に潰すと優れた衝撃吸収性能を発揮し得ることが知られている。そこで、特許文献1では、車両の側面衝突時に乗員を保護するためにドアのインナパネルとアウタパネルとの間に設けられる衝撃吸収部材として、ハニカム構造体が挿入されている。特許文献1では、インナパネルとアウタパネルとの間のような限られたスペースにハニカム構造体を配するにあたり、ハニカム構造体を合成樹脂で形成して剛性を高めることで薄くても有効に衝撃を吸収することができるようにしている。具体的に例示される衝撃吸収構造では、ハニカム構造の厚み方向(セルの軸方向)の両面に薄板が貼付されてなる厚みの均一な平板状のハニカム構造体が用いられており、平板状のインナパネルとアウタパネルで区切られたドアの内部空間に2枚重ねて挿入することでドアの内部空間いっぱいにハニカム構造体が詰められている。このような厚みの均一な平板状のハニカム構造体を衝撃吸収部材として用いた場合、圧縮荷重の変動が小さく、安定した衝撃吸収性能を発揮することが期待される。
ところが、実際の車両を構成するパネル部材は単純な平板状ではなく、機能性やデザイン性を付与するために、曲面や凹凸形状などを組み合わせた複雑な立体形状とされている。しかし、特許文献1では、立体的な板面に対してハニカム構造体を固定することは考慮されていない。これに対し、衝撃吸収を目的とするものではないが、補強のための平板状のハニカム構造体を、複雑な立体形状のドアトリムに固定する構成が特許文献2に開示されている。特許文献2では、ドアトリムにドアの内部空間に張り出す平面状の座面を一体成形し、その座面に平板状のハニカム構造体を取り付けている。
特開2004−255906号公報 特開平9−202199号公報
しかし、特許文献2のような補強目的の構成を衝撃吸収構造に適用した場合、衝撃吸収部材を配設する限られたスペースに座面が張り出しているため、その分だけ衝撃吸収部材の厚みが小さくなる。そのため、衝撃吸収部材の変形ストロークが短くなり、底付きしやすくなるという問題点が生じる。
そこで、本発明は、立体的な形状の板面に対して衝撃吸収部材を固定する場合であっても、圧縮荷重の変動をできるだけ抑制しながら、変形ストロークを長くすることのできる車両の衝撃吸収構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、隔壁で区切られたセルが面方向に並列するハニカム構造体からなる衝撃吸収部材を備え、該衝撃吸収部材が衝撃をセルの軸方向の圧縮荷重として受ける車両の衝撃吸収構造であって、前記衝撃吸収部材は、圧縮方向に積層された第1の衝撃吸収層と、該第1の衝撃吸収層よりも圧縮強度の大きい第2の衝撃吸収層とを備え、前記第1の衝撃吸収層は、セルの軸方向長さが均一な平板状であり、前記第2の衝撃吸収層は、前記第1の衝撃吸収層側とは反対側の面が、車両のパネル部材の板面形状に対応して形成されて取付面を構成しており、該取付面が前記パネル部材の板面に当接した状態で、前記衝撃吸収部材が前記パネル部材に固定されていることを特徴とする。
このような衝撃吸収構造によれば、衝撃吸収部材に、固定対象のパネル部材の板面形状に対応して取付面が形成されるため、パネル部材の曲面や凹凸形状などの立体的な形状の板面に対しても、該板面の形状に沿って衝撃吸収部材を当接させて直接固定することができる。そのため、限られたスペース内においても、衝撃吸収部材の軸方向長さ(厚み)を確保しやすく、変形ストロークを大きくすることができる。そして、衝撃吸収部材をパネル部材に直接当接した状態で固定するにあたり、固定対象のパネル部材に当接する第2の衝撃吸収層とは別に、第2の衝撃吸収層よりも圧縮変形しやすい専ら衝撃吸収を担う第1の衝撃吸収層が設けられている。したがって、衝撃吸収部材に圧縮荷重が付与されると、先ず、圧縮強度のより小さい第1の衝撃吸収層が圧縮変形する。第1の衝撃吸収層は、セルの軸方向長さが均一、すなわち厚みの均一な平板状であるから、反力としての圧縮荷重の変動が少なく、より安定して衝撃を吸収することができる。つまり、安定した衝撃吸収性能が優先的に発揮される。そのうえで、第1の衝撃吸収層が完全に圧縮した後には、更に第2の衝撃吸収層が圧縮変形可能とされていることで変形ストロークを長くすることができる。
衝撃吸収部材を構成するハニカム構造体は、ペーパーハニカムであるのが好ましい。この場合、軽量でありながら衝撃吸収性能に優れる。また、切り欠き加工性に優れ、パネル部材の立体的な板面形状に対応する取付面を形成しやすい。加えて、パネル部材に対して接着により容易に固定しやすい。更に、前記第1の衝撃吸収層と前記第2の衝撃吸収層とは、軸方向に直交するセルの平断面が互いに相似形であり、該セルの平断面は、前記第1の衝撃吸収層よりも前記第2の衝撃吸収層の方が小さいのが好ましい。この場合、第1の衝撃吸収層と第2の衝撃吸収層の圧縮強度の差異を、セルの平断面の大きさによって容易に設計することができる。そのため、圧縮荷重の推移をコントロールしやすく、第1の衝撃吸収層と第2の衝撃吸収層の圧縮強度の差異を小さくすることで、衝撃荷重の変動をよりなだらかにすることができる。
本発明の衝撃吸収構造は、車両の内装構造に組み込み、車両衝突時の衝撃などにより、乗員が内装に衝突した際の衝撃を吸収することができる。その一実施形態として、前記第2の衝撃吸収層の取付面がドアトリムの板面に当接した状態で、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに固定されてドアの内装に組み込まれているものがある。この場合、ドアトリムのような複雑な意匠のパネル部材に対しても衝撃吸収部材を追従させ、ドアトリムに対して、別体形成された衝撃吸収部材を直接当接した状態で固定することができるため、ドアトリムの内装面(意匠面)の外観に影響を及ぼさない。すなわち、樹脂製のドアトリムに座面体のような張り出し形状部を一体成形する場合には、内装面(意匠面)にヒケを生じるおそれがあるが、本発明の衝撃吸収構造によれば、ドアトリムに衝撃吸収部材を取り付けるための特別な立体形状を付す必要がなく、かかる不具合を生じるおそれがない。
本発明の車両の衝撃吸収構造によれば、立体的な形状の板面に対して衝撃吸収部材を固定する場合であっても、圧縮荷重の変動をできるだけ抑制しながら、変形ストロークを長くすることができる。
本発明の実施形態の衝撃吸収構造が組み込まれた車両のドアを車室内側から見た正面図である。 図1に示されるドアのII線断面図である。 図2に示される衝撃吸収部材の分解斜視図である。 (A)〜(C)は、本発明の実施形態の衝撃吸収構造の衝撃吸収作用を順に示す模式図である。 (A)、(B)は、衝撃吸収部材を構成するハニカム構造の平面図である。 実施例に係る衝撃吸収構造の衝撃吸収性能試験方法を示す模式図である。 実施例1の衝撃吸収構造について衝撃吸収部材の変位と反力としての圧縮荷重との関係を示すグラフである。 実施例2の衝撃吸収構造について衝撃吸収部材の変位と反力としての圧縮荷重との関係を示すグラフである。 実施例3の衝撃吸収構造について衝撃吸収部材の変位と反力としての圧縮荷重との関係を示すグラフである。 比較例1の衝撃吸収構造について衝撃吸収部材の変位と反力としての圧縮荷重との関係を示すグラフである。 比較例2の衝撃吸収構造について衝撃吸収部材の変位と反力としての圧縮荷重との関係を示すグラフである。
図1〜図5を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。本発明の衝撃吸収構造21は、自動車の側部開口に設けられたドア11に設定されている。本実施形態の衝撃吸収構造21は、車両の側方衝突時の衝撃などによって乗員がドア11に衝突する際の略水平方向の衝突荷重を吸収することを目的とし、ドア11の後ろ寄りの位置に設けられている。なお、各図において矢印で示されるF,R,U,Lは車両の前方,後方,上方,下方を示している。
図2に示されるように、ドア11は、車両外側に面する鋼板製のアウタパネル13と、車室1側に設けられた鋼板製のインナパネル15とが端部でヘミング接合されて袋状となっており、その内部に、図示しないが、補強部材が配されたり、ドアガラスの収容スペースなどが確保されたりしている。インナパネル15の車室1側の面は、ドアトリム17で覆われており、ドアトリム17が車室1に面して車室1の内装を担っている。ドアトリム17は、樹脂製のパネル部材であり、インナパネル15から車室1の内方に膨らんだ形状で、インナパネル15との間に間隙を形成している。衝撃吸収構造21は、ドアトリム17の裏面17b(車室1に面している内装面17aとは反対側の面)に衝撃吸収部材23が配されて、内装構造に組み込まれている。
ドアトリム17の裏面17bは、上部から中間部は、凸条部19dを介して概ね平坦な垂直面19a、19bで構成されており、下部は下方に向かって車室1の外方に傾斜した傾斜面19cで構成されている。衝撃吸収部材23は、凸条部19dを挟んで分割形成されており、上側の部分(A)はドア上部の垂直面19aに固定されており、下側の部分(B)はドア中間部の垂直面19bから下部の傾斜面19cに跨って配されている。以下、本発明の効果がより顕著に発揮される下側の部分(B)を取り上げて説明する。
衝撃吸収部材23は、図3に示されるように、ハニカム構造体Hからなる第1の衝撃吸収層31と、第2の衝撃吸収層41とが積層されてなる。ハニカム構造体Hとは、隔壁51で区切られた同一形状の空洞部(セル)53が面方向に並列したハニカム構造を有するものである。本実施形態では、セル53の平面視形状(軸方向に直交する平断面形状)が六角形(図5(A))のハニカム構造を有するハニカム構造体Hが用いられている。なお、ここでのハニカム構造には、セルの平面視形状が六角形である典型的なハニカム構造だけでなく、他の多角形や台形又は円形などのものも含まれる。また、図5(B)に示されるような、セルの平面視形状が、平板状の隔壁と波板状の隔壁とを面方向に交互に連続配置した、段ボールタイプのハニカム構造も含まれる。
衝撃吸収部材23を構成するハニカム構造体Hの材質は特に限定されず、紙及び樹脂を含浸させてなる紙を基材とした複合材料からなるもの(ペーパーハニカム)や、アルミやステンレス等の金属からなるものなどを用いることができる。本実施形態では、図3に示されるように、ハニカム構造体Hとして、ハニカム構造そのものを形成するコア部55を有し、コア部55に対して、セル53の軸方向(厚み方向)の両面にシート状の表面材57を積層したペーパーハニカムを用いている。
第1の衝撃吸収層31と、第2の衝撃吸収層41とは、圧縮強度の異なるハニカム構造体Hからなり、第2の衝撃吸収層41は第1の衝撃吸収層31よりも圧縮強度が大きい。ハニカム構造体H同士の圧縮強度の差異は、セル53の大きさや形状、材質等の違いにより生じさせることができ、その手段は限定されない。本実施形態では、第1の衝撃吸収層31と第2の衝撃吸収層41とは、平面視形状が互いに相似な六角形でであって、セル53の大きさの異なるペーパーハニカムを用いている。すなわち、第1の衝撃吸収層31と第2の衝撃吸収層41とには、互いにコア部55の密度が異なるペーパーハニカムが用いられている。
第1の衝撃吸収層31としては、厚みが一様、すなわちセル53の軸方向長さが均一な平板状のペーパーハニカムが用いられている。一方、第2の衝撃吸収層41は、第1の衝撃吸収層31を構成するペーパーハニカムよりも圧縮強度の大きい平板状のペーパーハニカムを元に、厚み方向の片面の一部が斜めに切り欠かれて(切り欠き部43a)、ドアトリム17の裏面17bの板面形状に対応して成形されている。この取付面43とは反対側の平らな面45に、第1の衝撃吸収層31を接着することで衝撃吸収部材23が構成されている。
この衝撃吸収構造21では、衝撃吸収部材23が、ハニカム構造がセルの軸方向(厚み方向)の圧縮荷重として衝撃を受けるように、軸方向が水平に配される。そうなるように、衝撃吸収部材23を、取付面がドアトリム17の裏面17bに当接するように固定して衝撃吸収構造21が構成されている。衝撃吸収部材23のドアトリム17に対する固定方法は限定されず、例えば、取付面をドアトリム17に接着して固定することができる。
次に、衝撃吸収構造21の作用機能について説明する。車室1内の乗員がドアトリム17に衝突してドアトリム17が車室1の外方に撓むと、衝撃吸収部材23が、ドアトリム17とインナパネル15とに挟まれて圧縮変形する。その過程を図4に模式的に示した。まず、第2の衝撃吸収層41のドアトリム17に対する取付面43は、図4(A)に示されるように、衝撃吸収部材23に対して厚み方向の衝撃が加わると、図4(B)に示されるように、より圧縮強度の大きい第2の衝撃吸収層41が土台となり、より圧縮強度の小さい第1の衝撃吸収層31が潰れる。そして、第1の衝撃吸収層31が完全に潰れると、図4(C)に示されるように、更に第2の衝撃吸収層41が潰れて引き続き衝撃吸収性能を発揮する。
このような衝撃吸収構造21によれば、衝撃吸収部材23が、衝撃吸収とドアトリム17への取付面形成の2つの機能(役割)を担う第2の衝撃吸収層41とは別に、より圧縮変形しやすい専ら衝撃吸収のみを担う第1の衝撃吸収層31を備えている。そして、衝撃吸収専用の第1の衝撃吸収層31が厚みの均一なハニカム構造体からなる。そのため、第1の衝撃吸収層31が優先的に圧縮変形し、圧縮荷重の変動が小さく、安定的な衝撃吸収性能を優先的に発揮することができる。そのうえで、更に第2の衝撃吸収層41も圧縮変形可能となっており、衝撃吸収部材23全体として変形ストロークが大きくなっている。ここで、第2の衝撃吸収層41は、ドアトリム17への取付面43の形状がドアトリム17の板面形状に対応しており、ドアトリム17の板面形状に沿っているため、限られたスペース内において変形ストロークを最大限に大きくすることができる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態では、ドアトリム17に対して衝撃吸収部材23の取付面43の形状が完全に一致している例を示したが、本発明において板面形状が対応しているとは、完全に一致している場合だけでなく、大体の傾向として形状が合っていて、取付面が固定対象のパネル部材の板面沿って状態となることをも含む。大体の傾向として形状が合っていれば、加工の煩雑さや、極端に脆弱化した部分が生じたりする不都合を回避しながら、衝撃吸収構造の作用機能を的確に発揮させることができるからである。例えば、パネル部材の傾斜面に対し、その傾斜に沿う階段状の切り欠きを形成して概ね形状を合せてもよい。
また、衝撃吸収部材23において、第1の衝撃吸収層31が単層構造の例を示したが、第2の衝撃吸収層41よりも潰れやすいハニカム構造体を積層した複層構造としてもよい。
また、本発明の衝撃吸収構造は、車室の内装を構成するパネル部材と、その外側に配されたパネル部材の間に衝撃吸収部材が配されて内装構造に組み込むことで、乗員の保護機能を奏する。サイドドアに限らず、バックドアに組み込んでもよいし、そのほか、例えば、天井などに組み込んでもよい。
以下に、本発明の衝撃吸収構造による衝撃吸収性能を評価した結果について説明するが、本発明は当該実施例に限られるものではない。
(実施例1〜3)
実施例1〜3では、図6に示されるように、衝撃吸収部材の固定対象であるパネル部材の代わりに、一端が階段状に盛り上がっている試験台111を用意した。そして、70×50×(厚み)28mmの衝撃吸収部材23を作成した。具体的には、圧縮強度の異なるペーパーハニカムを積層し、圧縮強度の大きいペーパーハニカムを試験台111の形状に合わせて階段状に切り欠いた。そうして、第1の衝撃吸収層31(厚み13mm)と、より圧縮強度の大きい第2の衝撃吸収層41(厚み15mm)と備える、実施例1〜3の衝撃吸収部材を作成した。各衝撃吸収部材で材料としたペーパーハニカムは、コア部55の両面に表面材57が積層されたものであり、コア部55の形状は、図5(A)に示されるような、セルが平面視形状が六角形のもの(六角形タイプ)と、図5(B)に示されるような、片面ダンボールを連続積層したもの(段ボールタイプ)がある。各衝撃吸収部材の第1の衝撃吸収層31と、第2の衝撃吸収層41を構成するペーパーハニカムの構成は以下のとおりである。
<実施例1>
(第1の衝撃吸収層)
コア部の形態:六角形(対向辺間距離L1=12mm)
コア部の密度:0.039g/cm3
表面材の目付:340g/m2
(第2の衝撃吸収層)
セルの平面視形状:段ボールタイプ(平板状の隔壁の間の距離L2=12mm)
コア部の密度:0.050g/cm3
表面材の目付:340g/m2
<実施例2>
(第1の衝撃吸収層)
コア部の形態:六角形(対向辺間距離L1=12mm)
コア部の密度:0.039g/cm3
表面材の目付:340g/m2
(第2の衝撃吸収層)
セルの平面視形状:段ボールタイプ(平板状の隔壁の間の距離L2=10mm)
コア部の密度:0.081g/cm3
表面材の目付:340g/m2
<実施例3>
(第1の衝撃吸収層)
コア部の形態:六角形(対向辺間距離L1=19mm)
コア部の密度:0.028g/cm3
表面材の目付:340g/m2
(第2の衝撃吸収層)
コア部の形態:六角形(対向辺間距離L1=12mm)
コア部の密度:0.039g/cm3
表面材の目付:660g/m2
上記構成の実施例1〜3の各衝撃吸収部材を、図6に示されるように試験台111に載置し、島津製作所製オートグラフAG−100KNEを用い、2mm/minの速度で衝撃吸収部材23の全面を押圧して、厚み方向に圧縮した。その結果、実施例1〜3のいずれの衝撃吸収部材も、先ず第1の衝撃吸収層31が圧縮変形し、第1の衝撃吸収層31が完全に潰れた後に第2の衝撃吸収層41が圧縮変形した。このときの変位と圧縮荷重の関係を測定した。その結果を、図7〜9に示す。
<比較例1>
比較例1では、上記実施例1の第1の衝撃吸収層を構成するペーパーハニカム一層のみを、平らな試験台に載置し、実施例と同様に厚み方向に圧縮した。その結果を図10に示す。
<比較例2>
比較例2では、30×30×(厚み)60mmの厚みが均一な以下の構成のペーパーハニカムを平らな平らな試験台に載置し、実施例と同様に厚み方向に圧縮した。その結果を図11に示す。
コア部の形態:六角形(対向辺間距離L1=12mm)
コア部の密度:0.028g/cm3
表面材:無し
実施例1の結果(図7)を見ると、第1の衝撃吸収層31の圧縮変形による変位(a)の後に、第2の衝撃吸収層41の圧縮変形による変位(b)が認められる。この結果と、比較例1の結果(図10)とを比較すると、第1の衝撃吸収層31に第2の衝撃吸収層41が積層されることで、その分だけ変位量(変形ストローク)を延ばすことができることが確認された。
また、実施例1、2の結果(図7、8)を見ると、先の第1の衝撃吸収層31の圧縮変形による変位(a)の際は、圧縮荷重がより安定していることがわかる。すなわち、安定した衝撃吸収性能がより優先的に発揮されることがわかる。更に、実施例3の結果(図9)を見ると、第1の衝撃吸収層31と第2の衝撃吸収層41の圧縮強度の差異を小さくすることで、圧縮荷重をよりなだらかに推移させられることがわかる。この実施例3では、第1の衝撃吸収層31と第2の衝撃吸収層41として、軸方向に直交するセルの平断面が六角形の相似形であり、セルの大きさが異なるペーパーハニカムが用いられている。この場合、第2の衝撃吸収層41に第1の衝撃吸収層よりもセルが小さいペーパーハニカムを用い、セルの大きさのバランスを変えることにより、第2の衝撃吸収層41の圧縮強度を第1の衝撃吸収層31よりも相対的に高めながらもその差を小さくする設計が容易である。
これに対し、比較例2の結果(図11)を見ると、変位量は大きいものの、圧縮荷重の安定領域がない。潰れたペーパーハニカムを観察すると、側端面で隔壁がくの字に座屈し、セルが真っ直ぐに潰れていなかった。これにより、単に単層のペーパーハニカムの厚みを増してパネル部材に固定したとしても、安定した衝撃吸収性能を発揮することはできないことがわかる。
1 車室
17 ドアトリム
21 衝撃吸収構造
23 衝撃吸収部材
31 第1の衝撃吸収層
41 第2の衝撃吸収層
43 取付面
51 隔壁
53 セル
55 コア部
57 表面材
H ハニカム構造体

Claims (5)

  1. 隔壁で区切られたセルが面方向に並列するハニカム構造体からなる衝撃吸収部材を備え、該衝撃吸収部材が衝撃をセルの軸方向の圧縮荷重として受ける車両の衝撃吸収構造であって、
    前記衝撃吸収部材は、圧縮方向に積層された第1の衝撃吸収層と、該第1の衝撃吸収層よりも圧縮強度の大きい第2の衝撃吸収層とを備え、
    前記第1の衝撃吸収層は、セルの軸方向長さが均一な平板状であり、
    前記第2の衝撃吸収層は、前記第1の衝撃吸収層側とは反対側の面が、車両のパネル部材の板面形状に対応して形成されて取付面を構成しており、該取付面が前記パネル部材の板面に当接した状態で、前記衝撃吸収部材が前記パネル部材に固定されていることを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
  2. 請求項1に記載の車両の衝撃吸収構造であって、
    前記衝撃吸収部材を構成するハニカム構造体がペーパーハニカムであることを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
  3. 請求項2に記載の車両の衝撃吸収構造であって、
    前記第1の衝撃吸収層と前記第2の衝撃吸収層とは、軸方向に直交するセルの平断面が互いに相似形であり、該セルの平断面は、前記第1の衝撃吸収層よりも前記第2の衝撃吸収層の方が小さいことを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の車両の衝撃吸収構造であって、
    車両の内装構造に組み込まれていることを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
  5. 請求項4に記載の車両の衝撃吸収構造であって、
    前記パネル部材はドアトリムであり、前記第2の衝撃吸収層の取付面が前記ドアトリムの板面に当接した状態で、前記衝撃吸収部材が前記ドアトリムに固定されてドアの内装に組み込まれていることを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
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