JP2009286202A - 曲げ部材の補強構造 - Google Patents

曲げ部材の補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2009286202A
JP2009286202A JP2008138890A JP2008138890A JP2009286202A JP 2009286202 A JP2009286202 A JP 2009286202A JP 2008138890 A JP2008138890 A JP 2008138890A JP 2008138890 A JP2008138890 A JP 2008138890A JP 2009286202 A JP2009286202 A JP 2009286202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing
bumper
bending member
bending
load application
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008138890A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Kinebuchi
雅男 杵渕
Tomokazu Nakagawa
知和 中川
Hironori Yamaguchi
拓則 山口
Yoshie Tachibana
美枝 橘
Kenichi Watanabe
憲一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2008138890A priority Critical patent/JP2009286202A/ja
Publication of JP2009286202A publication Critical patent/JP2009286202A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】重量増加を最小限に留めつつ曲げ強度を向上させることができるようにする。
【解決手段】板厚がt1で降伏応力がσy1である鋼で形成されたバンパー2の前側フランジ2bと外側ウェブ2aとで形成された角部に、板厚がt2で降伏応力がσy2であるアルミで形成されたL字状の補強板3を密接するように設ける。ここで、バンパー2および補強板3は、(t2×σy2)/(t1×σy1)≧0.25の関係を満足している。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の車体に取り付けられるバンパー等の曲げ部材を補強する曲げ部材の補強構造に関する。
従来、自動車の車体に取り付けられるバンパーは、薄肉材料で構成され、外力による曲げ荷重が作用する曲げ部材の一例であり、このようなバンパーの多くは、980MPa級の鋼板を用いて、B型断面に成型することにより形成されている。
バンパーの主たる役割は、衝突時に変形してエネルギーを吸収するとともに、衝撃荷重を左右のサイドメンバに伝達し、サイドメンバを変形させることで、衝突時のエネルギーを吸収させることである。即ち、サイドメンバを変形させて、エネルギーを吸収させることにより、設計通り自動車のキャビンの変形を抑制して、乗員を衝撃から守っている。
特許文献1には、中空矩形断面を構成するウエブの曲げ中立軸より圧縮フランジ側の肉厚を引張フランジ側の肉厚より厚肉とすることによって、曲げ強度を高めた自動車用バンパーリーンフォースメントが開示されている。また、特許文献2には、バンパリィンフォースの3本のリブのうち、中間リブの板厚を他のリブよりも厚くすることにより、3本のリブが座屈した際のエネルギー吸収能力の低下を防止する車両用バンパ装置が開示されている。
また、特許文献3には、曲げ荷重が作用するフランジ側と反対側のフランジ面にFRP材を設けるとともに、圧縮側のフランジの幅と厚みとの比を12以下とすることによって、エネルギー吸収量を高めた曲げ強度部材が開示されている。また、特許文献4には、鋼管の内壁に沿う外側形状で、内部にリブを形成した補強菅を挿入することにより、強度を確保させた車両の複合構造部材が開示されている。
また、特許文献5には、エネルギー吸収性能に富む充填材を中空部材の内部に挿入して中空部材に固定させることにより、耐食性を確保させた充填構造体が開示されている。また、特許文献6には、ねじれモーメントが発生するように、強度の異なる複数の部材で構成して、曲げ荷重を他部材に分散させることにより、エネルギー吸収効率を向上させた車体構造部材が開示されている。また、特許文献7には、バンパー補強材の中空部内に潰れ防止体を配置することにより、座屈変形による衝撃エネルギーの吸収能力を向上させたバンパー構造が開示されている。
特開平11−059296号公報 特開2004−148915号公報 特開2003−129611号公報 特開2003−312404号公報 特開2005−088651号公報 特開2006−248336号公報 特開2000−052897号公報
ところで、曲げ部材の一例であるバンパーにおいて、サイドメンバの間にポール状の物体が高速で衝突する場合、バンパーに高い曲げ強度が要求される。つまり、バンパーには、ポール状の物体に衝突した場合においても、大きく変形することなく、荷重をサイドメンバに伝達して、衝撃エネルギーを吸収させることが求められている。
しかし、鋼製のバンパーにおいては、衝突面に直交する側壁が圧縮座屈するから、断面性能を十分に発揮することができず、曲げ強度が低い。側壁の座屈は材料のヤング率と板厚の3乗に大きく支配されているため、側壁の座屈を抑制するには、材料の強度を向上させるよりも、側壁の板厚を増加させた方が効率的である。しかし、鋼製のバンパーの場合、ロールフォーム成型によって製造されるため、全断面が同じ板厚となる。よって、側壁の板厚を増加させると、板厚の増加分に比例して全体重量が増加することになり、重量当たりの性能がそれほど向上しない。また、側壁の板厚の増加はそのまま重量の増加を招くのに対し、今日ではCO2削減のために車両の軽量化が要求されているという背景がある。
また、バンパーの断面内部に付加物を取り付けるのは、製造上の困難が大きく、また、大きな付加物を取り付けると重量増加が著しくなる。また、FRPによって圧縮座屈を防止することはほとんど望めない。また、これらの付加物を用いる場合、コストアップが著しいという問題点もある。
本発明の目的は、重量増加を最小限に留めつつ曲げ強度を向上させることが可能な曲げ部材の補強構造を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の曲げ部材の補強構造は、板厚がt1で降伏応力がσy1である第1の材料で形成され、荷重が付加される荷重付加方向に直交する前面壁と、前記前面壁よりも前記荷重付加方向の下流に位置して前記荷重付加方向に平行な側壁とを有する曲げ部材と、板厚がt2で降伏応力がσy2である第2の材料で形成され、前記曲げ部材の前記前面壁と前記側壁とで形成された角部に設けられた補強材と、を有し、前記曲げ部材および前記補強材は、(t2×σy2)/(t1×σy1)≧0.25の関係を満足していることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1の材料で形成された曲げ部材の前面壁と側壁とで形成された角部に、第2の材料で形成された補強材が設けられることによって、曲げ部材が補強され、両者の板厚および降伏応力が所定の関係を満足しているので、重量増加を最小限に留めつつ曲げ強度を向上させることができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造においては、前記曲げ部材の密度をρ1、前記補強材の密度をρ2としたときに、(ρ1×t1)≧(ρ2×t2)の関係を満足していてよい。上記の構成によれば、曲げ部材および補強材の板厚および密度が所定の関係を満足しているので、補強材を設けた際の補強部の重量増加を2倍以内に抑えることができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造において、前記補強材は、前記荷重付加方向に平行な方向の長さが、前記曲げ部材の前記荷重付加方向に平行な方向の長さの1/10〜1/4以内に設定されていてよい。上記の構成によれば、補強材における荷重付加方向に平行な方向の長さを曲げ部材の荷重付加方向に平行な方向の長さの1/10〜1/4以内に設定することによって、補強材による補強効果を十分に発揮させることができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造において、前記補強材が、前記角部に密接するように設けられたL字状の補強板であってよい。上記の構成によれば、L字状の補強板を角部に密接するように設けることによって、曲げ強度を好適に向上させることができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造において、前記第2の材料が前記第1の材料であり、前記補強材は、前記角部を厚肉にした厚肉部であってよい。上記の構成によれば、押し出し加工等により角部を厚肉にして厚肉部とすることによって、曲げ部材と補強材とを一体に製造することができるから、部品点数を削減し、製造コストを削減することができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造において、前記補強材は、少なくとも前記曲げ部材の前記荷重付加方向に直交する短手方向の両端の角部にそれぞれ設けられていてよい。上記の構成によれば、少なくとも曲げ部材の荷重付加方向に直交する短手方向の両端の角部に補強材をそれぞれ設けることによって、曲げ強度を好適に向上させることができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造において、前記補強材は、全ての角部にそれぞれ設けられていてよい。上記の構成によれば、全ての角部に補強材をそれぞれ設けることによって、曲げ強度を十分に向上させることができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造において、前記曲げ部材がバンパーであり、前記荷重付加方向が衝突方向であってよい。上記の構成によれば、衝突による曲げ荷重が付加されるバンパーを補強材で補強することによって、バンパーの曲げ強度を好適に向上させることができる。
また、本発明の曲げ部材の補強構造において、前記バンパーは、当該バンパーの前記衝突方向に直交する長手方向に所定の間隔を開けて設けられた一対のステイによって支持されており、前記補強材は、少なくとも前記一対のステイ間にわたって設けられていてよい。上記の構成によれば、補強材を少なくとも一対のステイ間にわたって設けることによって、衝突による曲げ荷重の大部分を負担する一対のステイ間の部位における曲げ強度を好適に向上させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明に係る曲げ部材の補強構造について説明する。なお、曲げ部材がバンパーであり、バンパーを補強するバンパー構造を曲げ部材の補強構造として説明するが、曲げ部材はバンパーに限定されない。
(バンパー構造の構成)
本実施の形態におけるバンパー構造(曲げ部材の補強構造)1,11は、図1に示すように、矢印で示す衝突方向(荷重が付加される荷重付加方向)に直交する長手方向の全長がL3であるバンパー(曲げ部材)2と、後述する補強板3とを少なくとも有しており、バンパー2は、衝突方向に直交する長手方向に所定の間隔L4を開けて設けられた一対のステイ5,5によって支持されている。
図1のA−A断面図である図2に示すように、バンパー2は、断面がBの字形であって、第1の材料である鋼製であり、矢印で示す衝突方向に直交する前面壁である前側フランジ2bと、前側フランジ2bよりも衝突方向の下流に位置する2つの後側フランジ2eと、前側フランジ2bよりも衝突方向の下流に位置して衝突方向に平行な外側の側壁である2つの外側の側壁(以下、外側ウェブ)2aと、前側フランジ2bよりも衝突方向の下流に位置して衝突方向に平行な内側の側壁である2つの内側の側壁(以下、内側ウェブ)2cと、2つの内側ウェブ2cを接続するとともに、前側フランジ2bに面結合された前面壁である中央フランジ2dとを有している。本実施の形態において、バンパー2の各フランジ2b,2d,2eおよび各ウェブ2a,2cの板厚は、1.4mmである。なお、バンパー2は鋼製に限定されず、他の金属材料で形成されていてもよい。
また、本実施の形態におけるバンパー構造1は、図2に示すように、前側フランジ2bと外側ウェブ2aとで形成され、バンパー2の衝突方向に直交する短手方向の両端の角部に、第2の材料であるアルミ製のL字状の補強板3を補強材としてそれぞれ有している。この補強板3は、バンパー2の外側から角部に密接するように貼り付けられることによって、バンパー2を補強している。本実施の形態において、補強板3の板厚は、2.0mmである。なお、補強板3はアルミ製に限定されず、他の金属材料で形成されていてもよい。
また、本実施の形態におけるバンパー構造11は、図1のA−A断面図である図3に示すように、上述したバンパー2と、上述した補強板3とを有しているとともに、中央フランジ2dと内側ウェブ2cとで形成された2つの角部に、アルミ製のL字状の補強板4を補強材としてそれぞれ有している。この補強板4は、バンパー2の外側から角部に密接するように貼り付けられることによって、バンパー2を補強している。本実施の形態において、補強板4の板厚は、2.0mmである。なお、補強板4はアルミ製に限定されず、他の金属材料で形成されていてもよい。
ここで、バンパー2の板厚をt1、バンパー2の降伏応力をσy1、補強板3,4の板厚をt2、補強板3,4の降伏応力をσy2とすると、板厚t1、t2および降伏応力σy1、σy2は、以下の式1を満足している。言い換えれば、式1を満足するように、バンパー2を形成する鋼材および補強板3,4を形成するアルミ材が選択されている。
(t2×σy2)/(t1×σy1)≧0.25 ・・・(式1)
また、バンパー2の密度をρ1、補強板3,4の密度をρ2とすると、板厚t1、t2および密度ρ1、ρ2は、以下の式2を満足している。これにより、バンパー2の角部に補強板3,4を貼り付けたことによるバンパー構造1の補強部の重量増加が2倍以内に抑えられている。
(ρ1×t1)≧(ρ2×t2) ・・・(式2)
更に、補強板3,4は、図2、図3に示すように、衝突方向に平行な方向の長さL2が、バンパー2の衝突方向に平行な方向の長さL1の1/10〜1/4以内に設定されている。これは、補強板3,4の長さL2が外側ウェブ2aの長さL1の1/4以上であれば、板状の補強板を外側ウェブ2aに面接合させた方が効果的であり、補強板3,4の長さL2が外側ウェブ2aの長さL1の1/10未満であれば、補強効果が小さいためである。これにより、補強板3,4が十分な補強効果を発揮するようにされている。
また、図1に示すように、補強板3,4は、少なくとも一対のステイ5,5間にわたって設けられている。すなわち、補強板3,4の衝突方向に直交する長手方向の長さは、一対のステイ5,5の間隔L4以上であり、バンパー2の全長L3以下である。
(曲げ強度のシミュレーション結果)
次に、バンパー2のみで補強板3,4を有しないバンパー構造(鋼単体のバンパー構造)と、図2に示したバンパー構造1において、6000系のアルミ製の補強板3を用いたバンパー構造(アルミ補強(2箇所)のバンパー構造)と、図3に示したバンパー構造11において、6000系のアルミ製の補強板3,4を用いたバンパー構造(アルミ補強(4箇所)のバンパー構造)と、図3に示したバンパー構造11において、7000系のアルミ製の補強板3,4を用いたバンパー構造(アルミ補強(4箇所)のバンパー構造)と、図3に示したバンパー構造11において、アルミ製の補強板3,4の代わりに980級の鋼板を用いたバンパー構造(鋼補強(4箇所)のバンパー構造)と、を用いて、3点曲げ解析により、各バンパー構造の最大曲げモーメントを算出した。なお、3点曲げ解析は、2つの後側フランジ2eの中央部を支点とし、バンパー構造における衝突面の中央を載荷点として行った。
ここで、バンパー2の前側フランジ2bは、両端付近で支持された梁とみなすことができる。このため、衝突時にバンパー構造が受けた荷重に対し、前側フランジ2bは曲げ支配で抵抗する。よって、バンパー構造が負担することが可能な最大曲げモーメントが大きいほど、曲げ強度が高いことになる。
バンパー2を構成する鋼板の板厚、補強板3,4を構成するアルミ板の種類および板厚、A、補強箇所、重量比、および、最大曲げモーメント比を表1に示す。ここで、A=(t2×σy2)/(t1×σy1)である。
Figure 2009286202
図4、図5は曲げ強度のシミュレーション結果をグラフにしたものである。縦軸が最大曲げモーメント比、横軸が重量比の図4のグラフから、鋼単体のバンパー構造において、鋼板の板厚を1.4mmから2.0mmに増加させると、重量比が高くなるが、それにともなって最大曲げモーメント比も高くなることがわかる。一方、アルミ補強(2箇所)のバンパー構造、アルミ補強(4箇所)のバンパー構造、および、鋼補強(4箇所)のバンパー構造においては、重量比の増加を、鋼単体のバンパー構造において鋼板の板厚を増加させるよりも、小さく抑えながら、最大曲げモーメント比を高めることができることがわかる。また、アルミ補強(4箇所)のバンパー構造は、アルミ補強(2箇所)のバンパー構造に対して重量比の増加を好適に抑えながら最大曲げモーメント比をさらに高めることができることがわかる。
また、鋼板の板厚が0.7mmである鋼補強(4箇所)のバンパー構造は、アルミ板の板厚が2.0mmであるアルミ補強(4箇所)のバンパー構造と同等の重量比で同等の最大曲げモーメント比であることがわかる。これに対し、鋼板の板厚が1.4mmである鋼補強(4箇所)のバンパー構造は、鋼板の板厚の増加にともなって、アルミ補強(4箇所)のバンパー構造よりも重量比が高くなるが、鋼板の板厚が2.0mmである鋼単体のバンパー構造よりも重量比が低いにもかかわらず、鋼板の板厚が2.0mmである鋼単体のバンパー構造よりも最大曲げモーメント比が高いことがわかる。このように、アルミ補強または鋼補強のバンパー構造における重量当たりの最大曲げモーメント比の向上は、鋼単体のバンパー構造において鋼板の板厚を増加させるのに比べて、大きいことがわかる。破線で示すように、同一重量比において、アルミ補強または鋼補強のバンパー構造は、鋼単体のバンパー構造よりも最大曲げモーメント比が10%以上向上している。
また、縦軸が最大曲げモーメント比、横軸がA(A=(t2×σy2)/(t1×σy1))の図5のグラフから、2箇所以上の補強によって、Aの値が0.25以上、最大曲げモーメント比が1.2以上であることがわかる。特に、4箇所補強により、最大曲げモーメントが40%以上高くなることがわかる。
このように、鋼で形成されたバンパー2の前側フランジ2bと外側ウェブ2aまたは内側ウェブ2cとで形成された角部に、アルミで形成されたL字状の補強板3,4が密接するように設けられることによって、バンパー2が補強され、両者の板厚および降伏応力が式1の関係を満足しているので、重量増加を最小限に留めつつ曲げ強度を向上させることができる。
また、バンパー2および補強板3,4の板厚および密度が式2の関係を満足しているので、補強板3,4を設けた際の補強部の重量増加を2倍以内に抑えることができる。
また、補強板3,4における衝突方向に平行な方向の長さをバンパー2の衝突方向に平行な方向の長さの1/10〜1/4以内に設定することによって、補強板3,4による補強効果を十分に発揮させることができる。
また、図2に示したバンパー構造1において、バンパー2の衝突方向に直交する短手方向の両端の角部に補強板3をそれぞれ設けることによって、曲げ強度を好適に向上させることができる。さらに、図3に示したバンパー構造11において、全ての角部に補強板3,4をそれぞれ設けることによって、曲げ強度を十分に向上させることができる。
以上のように、衝突による曲げ荷重が付加されるバンパー2を補強板3,4で補強することによって、バンパー2の曲げ強度を好適に向上させることができる。さらに、補強板3,4を少なくとも一対のステイ5,5間にわたって設けることによって、衝突による曲げ荷重の大部分を負担する一対のステイ5,5間の部位における曲げ強度を好適に向上させることができる。
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態の曲げ部材の補強構造(バンパー構造1,11)は、板厚がt1で降伏応力がσy1である第1の材料(鋼等)で形成され、荷重が付加される荷重付加方向(衝突方向)に直交する前面壁(前側フランジ2b等)と、前面壁よりも荷重付加方向の下流に位置して荷重付加方向に平行な側壁(外側ウェブ2a、内側ウェブ2c等)とを有する曲げ部材(バンパー2等)と、板厚がt2で降伏応力がσy2である第2の材料(アルミ等)で形成され、曲げ部材の前面壁と側壁とで形成された角部に設けられた補強材(補強板3,4)と、を有し、曲げ部材および補強材は、(t2×σy2)/(t1×σy1)≧0.25の関係を満足している構成にされている。
上記の構成によれば、第1の材料で形成された曲げ部材の前面壁と側壁とで形成された角部に、第2の材料で形成された補強材が設けられることによって、曲げ部材が補強され、両者の板厚および降伏応力が所定の関係を満足しているので、重量増加を最小限に留めつつ曲げ強度を向上させることができる。
また、本実施の形態の曲げ部材の補強構造においては、曲げ部材の密度をρ1、補強材の密度をρ2としたときに、(ρ1×t1)≧(ρ2×t2)の関係を満足している構成にされている。上記の構成によれば、曲げ部材および補強材の板厚および密度が所定の関係を満足しているので、補強材を設けた際の補強部の重量増加を2倍以内に抑えることができる。
また、本実施の形態の曲げ部材の補強構造において、補強材は、荷重付加方向に平行な方向の長さが、曲げ部材の荷重付加方向に平行な方向の長さの1/10〜1/4以内に設定されている構成にされている。上記の構成によれば、補強材における荷重付加方向に平行な方向の長さを曲げ部材の荷重付加方向に平行な方向の長さの1/10〜1/4以内に設定することによって、補強材による補強効果を十分に発揮させることができる。
また、本実施の形態の曲げ部材の補強構造において、補強材が、角部に密接するように設けられたL字状の補強板3,4である構成にされている。上記の構成によれば、L字状の補強板3,4を角部に密接するように設けることによって、曲げ強度を好適に向上させることができる。
また、本実施の形態の曲げ部材の補強構造において、補強材は、少なくとも曲げ部材の荷重付加方向に直交する短手方向の両端の角部にそれぞれ設けられている構成にされている。上記の構成によれば、少なくとも曲げ部材の荷重付加方向に直交する短手方向の両端の角部に補強材をそれぞれ設けることによって、曲げ強度を好適に向上させることができる。
また、本実施の形態の曲げ部材の補強構造において、補強材は、全ての角部にそれぞれ設けられている構成にされている。上記の構成によれば、全ての角部に補強材をそれぞれ設けることによって、曲げ強度を十分に向上させることができる。
また、本実施の形態の曲げ部材の補強構造において、曲げ部材がバンパー2であり、荷重付加方向が衝突方向である構成にされている。上記の構成によれば、衝突による曲げ荷重が付加されるバンパー2を補強材で補強することによって、バンパー2の曲げ強度を好適に向上させることができる。
また、本実施の形態の曲げ部材の補強構造において、バンパー2は、バンパー2の衝突方向に直交する長手方向に所定の間隔L4を開けて設けられた一対のステイ5,5によって支持されており、補強材は、少なくとも一対のステイ5,5間にわたって設けられている構成にされている。上記の構成によれば、補強材を少なくとも一対のステイ5,5間にわたって設けることによって、衝突による曲げ荷重の大部分を負担する一対のステイ5,5間の部位における曲げ強度を好適に向上させることができる。
(本実施の形態の変形例)
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、本実施の形態において、バンパー2の角部に補強板3,4が貼り付けられた構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、図6に示すように、アルミ等で形成されるバンパー2を押し出し加工等する際に、バンパー2の角部の各々に厚肉部6を設けて補強材とした構成にされていてもよい。このバンパー構造21の構成によれば、曲げ部材(バンパー2)と補強材(厚肉部6)とを一体に製造することができるから、部品点数を削減し、製造コストを削減することができる。
また、バンパー2の角部に、L字状の補強板が複数重ねて貼り付けられた構成にされていてもよい。また、バンパー2の角部に補強材がボルト付け等された構成や、バンパー2の角部に補強材が埋め込まれた構成にされていてもよい。
バンパー構造の模式図。 バンパー構造の断面図。 バンパー構造の断面図。 シミュレーション結果を表わすグラフ。 シミュレーション結果を表わすグラフ。 バンパー構造の断面図。
符号の説明
1,11,21 バンパー構造
2 バンパー
2a 外側の側壁(外側ウェブ)
2b 前面壁(前側フランジ)
2c 内側の側壁(内側ウェブ)
2d 前面壁(中央フランジ)
3,4 補強板
5 ステイ
6 厚肉部

Claims (9)

  1. 板厚がt1で降伏応力がσy1である第1の材料で形成され、荷重が付加される荷重付加方向に直交する前面壁と、前記前面壁よりも前記荷重付加方向の下流に位置して前記荷重付加方向に平行な側壁とを有する曲げ部材と、
    板厚がt2で降伏応力がσy2である第2の材料で形成され、前記曲げ部材の前記前面壁と前記側壁とで形成された角部に設けられた補強材と、
    を有し、
    前記曲げ部材および前記補強材は、(t2×σy2)/(t1×σy1)≧0.25の関係を満足していることを特徴とする曲げ部材の補強構造。
  2. 前記曲げ部材の密度をρ1、前記補強材の密度をρ2としたときに、(ρ1×t1)≧(ρ2×t2)の関係を満足していることを特徴とする請求項1に記載の曲げ部材の補強構造。
  3. 前記補強材は、前記荷重付加方向に平行な方向の長さが、前記曲げ部材の前記荷重付加方向に平行な方向の長さの1/10〜1/4以内に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の曲げ部材の補強構造。
  4. 前記補強材が、前記角部に密接するように設けられたL字状の補強板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の曲げ部材の補強構造。
  5. 前記第2の材料が前記第1の材料であり、
    前記補強材は、前記角部を厚肉にした厚肉部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の曲げ部材の補強構造。
  6. 前記補強材は、少なくとも前記曲げ部材の前記荷重付加方向に直交する短手方向の両端の角部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の曲げ部材の補強構造。
  7. 前記補強材は、全ての角部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の曲げ部材の補強構造。
  8. 前記曲げ部材がバンパーであり、
    前記荷重付加方向が衝突方向であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の曲げ部材の補強構造。
  9. 前記バンパーは、当該バンパーの前記衝突方向に直交する長手方向に所定の間隔を開けて設けられた一対のステイによって支持されており、
    前記補強材は、少なくとも前記一対のステイ間にわたって設けられていることを特徴とする請求項8に記載の曲げ部材の補強構造。
JP2008138890A 2008-05-28 2008-05-28 曲げ部材の補強構造 Pending JP2009286202A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008138890A JP2009286202A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 曲げ部材の補強構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008138890A JP2009286202A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 曲げ部材の補強構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009286202A true JP2009286202A (ja) 2009-12-10

Family

ID=41455854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008138890A Pending JP2009286202A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 曲げ部材の補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009286202A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012030620A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Aisin Seiki Co Ltd バンパリインホース及び車両用バンパ装置
CN108137102A (zh) * 2015-10-09 2018-06-08 新日铁住金株式会社 构造构件和车辆
WO2022145763A1 (ko) * 2020-12-30 2022-07-07 중부대학교 산학협력단 가로빔 강성보강형 범퍼 프레임
KR20220095950A (ko) * 2020-12-30 2022-07-07 중부대학교 산학협력단 크래쉬박스 강성보강형 범퍼 프레임

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5539518A (en) * 1978-09-09 1980-03-19 Rokude Sangyo Kk Ornamental metal pilllar employing cylindrical steel core
JPH11170935A (ja) * 1997-12-15 1999-06-29 Nippon Steel Corp 構造部材
JP2003129611A (ja) * 2001-08-01 2003-05-08 Kobe Steel Ltd 曲げ強度部材
JP2003182481A (ja) * 2001-12-25 2003-07-03 Unipres Corp 車両用バンパリインフォースメント
JP2003252134A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Unipres Corp バンパレインフォース補強構造
JP2003312404A (ja) * 2002-04-24 2003-11-06 Press Kogyo Co Ltd 車両の複合構造部材
JP2007261525A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Aisin Seiki Co Ltd 自動車用バンパ装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5539518A (en) * 1978-09-09 1980-03-19 Rokude Sangyo Kk Ornamental metal pilllar employing cylindrical steel core
JPH11170935A (ja) * 1997-12-15 1999-06-29 Nippon Steel Corp 構造部材
JP2003129611A (ja) * 2001-08-01 2003-05-08 Kobe Steel Ltd 曲げ強度部材
JP2003182481A (ja) * 2001-12-25 2003-07-03 Unipres Corp 車両用バンパリインフォースメント
JP2003252134A (ja) * 2002-02-27 2003-09-10 Unipres Corp バンパレインフォース補強構造
JP2003312404A (ja) * 2002-04-24 2003-11-06 Press Kogyo Co Ltd 車両の複合構造部材
JP2007261525A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Aisin Seiki Co Ltd 自動車用バンパ装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012030620A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Aisin Seiki Co Ltd バンパリインホース及び車両用バンパ装置
CN108137102A (zh) * 2015-10-09 2018-06-08 新日铁住金株式会社 构造构件和车辆
CN108137102B (zh) * 2015-10-09 2018-10-19 新日铁住金株式会社 构造构件和车辆
WO2022145763A1 (ko) * 2020-12-30 2022-07-07 중부대학교 산학협력단 가로빔 강성보강형 범퍼 프레임
KR20220095950A (ko) * 2020-12-30 2022-07-07 중부대학교 산학협력단 크래쉬박스 강성보강형 범퍼 프레임
KR102492467B1 (ko) 2020-12-30 2023-01-26 중부대학교 산학협력단 크래쉬박스 강성보강형 범퍼 프레임

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5133297B2 (ja) バンパー構造
KR101166641B1 (ko) 범퍼 빔
US11135902B2 (en) Impact absorption member
US9751479B2 (en) Vehicle bumper reinforcement structure
US20210122216A1 (en) Impact absorption member
JP2009286202A (ja) 曲げ部材の補強構造
JP4542602B2 (ja) 曲げ強度部材およびバンパーリーンフォースメント
US11208150B2 (en) Automotive frame member and electric vehicle
JP5875449B2 (ja) 車両用バンパメンバ
JP5149509B2 (ja) 車両のバンパ構造
JP2018111378A (ja) 車両用バンパ構造
JP2017202730A (ja) 車体前部構造
JP5965282B2 (ja) 車両用外装ビーム
JP6747928B2 (ja) 衝撃吸収部材
JP2010228685A (ja) 車両用バンパビーム
JP3992408B2 (ja) エネルギー吸収部材
JP2009248856A (ja) エネルギ吸収構造
JP5254662B2 (ja) 車両用衝撃吸収具及び車両用バンパ装置
GB2555457A (en) Impact-absorbing structure for vehicles
JP2008254711A (ja) エネルギ吸収体
KR100828815B1 (ko) 차체 측면보강구조
JP2020083149A (ja) 車両の荷重支持構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110204

A977 Report on retrieval

Effective date: 20120629

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120703

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20120821

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130507