JP2013215799A - 押湯の構造 - Google Patents

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【課題】簡単な構造で従来技術より優れた保温性能を有する押湯の構造を提供する。
【解決手段】鋳造における押湯6の構造であって、押湯のキャビティー部1を成型後、該押湯のキャビティー部より小さい押湯スリーブ2を挿入し、押湯のキャビティー部の下部に押湯スリーブの下部の外周4を嵌合係止するとともに、その他の押湯のキャビティー部と押湯スリーブ3の外面8の間に断熱層を形成したことを特徴とする押湯の構造。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
産業上の利用分野
本発明は、鋳造において用いる押湯の構造に関するものである。目的とするところは、簡単な押湯の構造で従来技術よりも高い保温性能を有する押湯効果の大きい押湯の構造を提供することである。
鋳造においては、製品部の健全性を高めるため製品部の適宜の個所に押湯を設け、押湯から製品部の凝固収縮を補給することが行われており、一般的には製品部の上部に設ける揚り押湯や側面に設けるサイド押湯が用いられている。しかし、これらはいずれの場合も押湯のキャビティー部に充填された溶湯の押湯と鋳型が直接接触するため、冷却が速く押湯効果の時間が短い。すなわち押湯効果が小さい。そのため、押湯が大きくならざるをえず、鋳造歩留りが低くなる。
これらの押湯で効果が不十分な場合には、溶湯の保温性を確保するために発熱性又は保温性の高い特殊材料を使用した押湯スリーブが用いられている。これらは高価であるばかりでなく、その特殊材料の残留物が鋳型砂に混入することで、砂特性が劣化したり、鋳物製品の欠陥を誘発するなどの問題になっている。押湯スリーブは、造型時に模型に設置されて鋳型に埋設されて用いられる場合と、造型後に押湯のキャビティー部に挿入して用いられる場合があるが、いずれの場合も問題は同じである。
従来技術の事例を図9及び図10に示す。図9は、製品部2の上部に揚り押湯6を設けた鋳型の状態を示す。本事例では、溶湯が押湯のキャビティー部1に充填されると、押湯6と鋳型が直接接触するため、伝熱作用で押湯の外面は速やかに冷却されて押湯全体の冷却が促進される。そのため押湯効果が小さく、大きな押湯が必要である。本事例では押湯を製品部の上部に設ける揚り押湯について示したが、サイド押湯の場合も状況は全く同じである。
図10は、押湯効果を高めるために発熱性又は保温性の高い特殊材料を使用した押湯スリーブが用いられている事例である。この場合には、押湯のキャビティー部1に押湯スリーブ3が挿入されており、押湯6の保温性は高めることはできるが、押湯スリーブ3の外面は押湯のキャビティー部1に接しているので、その熱は鋳型へ伝達され易い。また、特殊材料なので高価であるとともに、残留物が鋳型砂に混入して砂特性の劣化や製品欠陥の原因ともなる。
これらの問題点を解決するために、本発明者は先に実用新案第3172601号として、従来の押湯スリーブの外面に凹部を設けることで押湯のキャビティーと押湯スリーブの接触面積を減らした保温性の高い押湯スリーブを考案登録している。しかしこれでも押湯スリーブの外面の形状は基本的に押湯のキャビティー部と同じであるので、接触面が多く保温性が不十分であった。そこでこの考案を発展させたさらに保温性の高い押湯の構造を発明した。
特開昭54−160517 特開平06−297081 特開昭63−202460 特開昭63−202459 実用新案第3172601号
発明がが解決しようとする課題
上記のような従来技術の問題点を整理すると次のようになる。一つは、押湯と鋳型が直接接するので冷却が速く押湯の保温性が低い。そのため、押湯効果が小さく大きな押湯が必要である。もうひとつは、溶湯の保温性を確保するために発熱性又は保温性の高い特殊材料を使用した押湯スリーブを用いる場合は、高価であるとともに、残留物が鋳型砂に混入して砂特性の劣化や製品欠陥の原因となる。
上記のような問題点に鑑み、本発明では、簡単な押湯の構造で従来技術よりも高い保温性能を有する押湯効果の大きい押湯の構造を提供することを目的とするものである。これには押湯スリーブを用いるが、基本的には従来のような特殊材料は用いず、鋳型砂に残留して混入しても問題がない材料を用いた押湯の構造を提供する。あるいは、特殊材料を用いる場合でも、従来やり格段に少ない量で従来と同等以上の効果が得られる押湯の構造を提供する。
課題を解決するための手段
(手段1)
鋳造における押湯の構造であって、押湯のキャビティー部を成型後、該押湯のキャビティー部より小さい押湯スリーブを挿入し、押湯のキャビティー部の下部に押湯スリーブの下部の外周を嵌合係止するとともに、その他の押湯のキャビティー部と押湯スリーブの外面の間に断熱層を形成したことを特徴とする押湯の構造である。
本手段に用いる鋳型は主として砂型について説明するが、金型でも同じように可能である。また、押湯の種類は揚り押湯でもサイド押湯でも適用できる。押湯スリーブの材質については手段7に記載したような材質で押湯の形状を保てるものであればいずれも可能である。嵌合係止とは、挿入した押湯スリーブが押湯のキャビティー部にしっかりと固定されて緩まない状態を意味する。断熱層とは、押湯の熱が鋳型へ伝導するのを阻止する効果の高い、鋳型あるいは押湯スリーブよりも熱伝導率が小さい物質の層を意味する。その最も簡便なものとして本発明では、特に空気層と発泡樹脂を用いた。また、木、布、珪藻土などもその中に気泡を含んでおり、熱伝導率が小さく断熱層とみなすことができる。
(手段2)
手段1記載の押湯の構造において、断熱層が空気層であることを特徴とする押湯の構造である。ここで空気層とは、押湯のキャビティー部に最初から存在する空気のみを意味するのではなく、溶湯が押湯のキャビティー部に充填された後に鋳型や押湯スリーブから発生するガスも含むものとする。
(手段3)
手段1記載の押湯の構造において、断熱層が発泡樹脂であることを特徴とする押湯の構造である。発泡樹脂は中に多量の気泡を含んでおり、その気泡量は発泡度で表示されるが、いずれの発泡度でも可能である。適宜の強度を有し、できるだけ発泡度の高いものが気泡量が多いので断熱性が高くかつ安価である。
(手段4)
手段1乃至3記載の押湯の構造において、押湯スリーブの内面あるいは内外面に、押湯スリーブの材質よりも熱伝導率が小さい物質又は発熱性の物質を、塗型するあるいは成型して装填したことを特徴とする押湯の構造である。
(手段5)
手段1乃至4記載の押湯の構造において、押湯のキャビティー部の下部に嵌合係止する押湯スリーブの下部の外周に凹凸又は凸の突起を設けて嵌合の緊密度を高めたことを特徴とする押湯の構造である。凹凸又は凸の突起形状については実施例において詳細に説明する。
(手段6)
手段1乃至5記載の押湯の構造において、押湯スリーブの外面に補強リブを設けたことを特徴とする押湯の構造である。
(手段7)
手段1乃至6記載の押湯の構造において、押湯スリーブの材質として、砂、紙、パルプ材、発熱材、保温材の1つ以上を用いたことを特徴とする押湯の構造である。各材質の適用方法については、次の作用の項で詳細に説明する。
作用
手段1では、押湯のキャビティー部の下部に押湯スリーブの下部の外周を嵌合係止するとともに、その他の押湯のキャビティー部と押湯スリーブの外面の間に断熱層を形成した。これによって、押湯と押湯スリーブの内面は直接接触するが、押湯スリーブと押湯のキャビティー部の鋳型は直接接触することがなくなり、冷却速度は大幅に遅くなり、押湯スリーブの保温性が高まり押湯効果の時間が延びる。この結果、押湯を小さくすることができ、鋳造歩留りが向上する。
手段2では、その断熱層として空気層を用いた。押湯のキャビティー部を成型後、該押湯のキャビティー部より小さい押湯スリーブを挿入しているので、押湯のキャビティー部と押湯スリーブの外面の間に隙間ができ、この部分の空気層を断熱に用いる。つまり、従来技術では押湯又は押湯スリーブと鋳型が直接接触していたが、本手段では空気層が存在することで、断熱性が高まり、その結果押湯の冷却が大幅に遅くなり、押湯スリーブの保温性が高まり押湯効果が大きくなる。ちなみに、湿潤した鋳型砂と空気の熱伝導率は、それぞれ2.7w/mk及び0.025w/mkで、空気の熱伝導率は鋳型砂に比べて格段に小さく、断熱効果が極めて大きいことがわかる。
手段3では、断熱層として発泡樹脂を用いた。周知のように発泡樹脂は断熱材として住宅の断熱材他で広く用いられており、安価でかつその中に含まれている気泡によって断熱効果の大きな材料である。また押湯スリーブの外形状に合せて簡単に成型が可能である。本手段では、発泡樹脂を押湯スリーブの外面に被せて用いた。なお、発泡樹脂の外面を押湯のキャビティー部よりも小さくすることで、その隙間に空気層を形成させることもできる。
手段4では、押湯スリーブの内面あるいは内外面に、押湯スリーブの材質よりも熱伝導率の小さい物質又は発熱性の物質を、塗型するあるいは成型して装填したことで、押湯スリーブ内面は押湯と直接接触せずその冷却速度を遅くすることができる。また、外面も断熱性が高まって冷却速度が遅くなり、押湯スリーブの保温効果が向上する。また、発熱性の物質は、これが溶湯による熱で発熱して押湯スリーブの保温効果がさらに向上する。発熱材は鋳型に混入しても影響が少ないものを使用する。
手段5では、押湯のキャビティー部の下部に嵌合係止する押湯スリーブの下部の外周に凹凸又は凸の突起を設けて嵌合の緊密度を高めた。挿入式の押湯スリーブを用いる場合、押湯スリーブは上型に挿入されるので、鋳型の搬送中の衝撃などによって緩んだり落下したりすることが起こる。その改善策として、押湯スリーブの下部の外周に凹凸又は凸の突起を設けて嵌合の緊密度を高めた。これによって、挿入式の押湯スリーブを安定して用いることができる。
手段6では、押湯スリーブの外面に補強リブを設けたので、押湯スリーブの肉厚を溶湯の熱及び圧力に耐えうる最小限の厚さにすることができる。すなわち、肉厚が減少することで押湯スリーブの熱容量が小さくなり、押湯と押湯スリーブ内面の直接接触による押湯の冷却作用を低減することができる。これによって、押湯スリーブの保温性が高まる。
手段7として、押湯スリーブの材質として、砂、紙、パルプ材、発熱材、保温材の1つ以上を用いた。一般的には、鋳型砂と同じ砂を用いたシェル鋳型、自硬性鋳型などが最も安価でかつ、残留して混入しても問題がなく好ましい。また、一般的な紙も適宜の厚さで充填された溶湯の押湯の形状を保てるものであれば適用可能である。さらに、パルプ材に合成樹脂などを含浸させたものも押湯の形状を保てるものであれば同様に適用可能である。これらを複数組合せると、その間にまた空気層が形成され断熱効果を高める作用が生れる。
また、手段7では従来から押湯スリーブによく用いられてきた発熱材、保温材なども適用することができる。この場合には、高価であり、かつ残留して混入すると鋳型特性が劣化するあるいは製品欠陥が生じるなどの問題点があるので、本発明による保温効果によって押湯スリーブの厚さを極力薄くして最小限の少量使用とすることができる。これは押湯のキャビティー部と押湯スリーブの外面の間に断熱層を形成させたことによる効果である。
手段1、2及び7を用いた実施例1において本発明を詳細に説明する。図1は本発明の実施例1を示す押湯の構造の断面図である。押湯のキャビティー部1は製品部2の上部に造型されており、これに押湯のキャビティー部1より小さな押湯スリーブ3が挿入されている。押湯スリーブの下部11の外周4は押湯のキャビティー部1の下部に嵌合係止されている。
押湯スリーブは、押湯スリーブの下部の外周4以外は押湯のキャビティー部1より小さいので、当然その間に隙間が生じ、そこに空気層5ができる。本発明では、この空気層5を断熱層として利用するのである。これが従来の押湯の構造と全く異なる点である。すなわち、従来技術の押湯の構造では、例えば前述の図9のように、押湯6と押湯のキャビティー部1の鋳型が直接接触しているので、熱伝導性が高く押湯6の冷却が促進されて押湯効果が小さかった。また、押湯スリーブを利用した図10の場合も、押湯スリーブの外面8と押湯キャビティー1が接触しているので熱伝導性が高く、押湯6の冷却が促進されて押湯効果が小さかった。
これに対し本発明では、押湯6と押湯スリーブの内面7は接しているが、押湯スリーブの外面8と押湯のキャビティー部1の間には隙間が存在し、空気層5があるので断熱効果が極めて大きい。その結果、押湯スリーブの保温性が高まることで押湯6の冷却は大幅に遅くなり、押湯6の効果時間が延びる。すなわち、押湯効果が格段に高まり、押湯6を小さくすることができる。なお、押湯6と押湯スリーブの内面7の接触による押湯6の冷却を防ぐために、押湯スリーブ3の厚さを強度が許す限り極力薄くして、すなわち熱容量を小さくして押湯6の熱が押湯スリーブ3によって奪われることを防ぐようにする。
ちなみに、湿潤した鋳型砂と空気の熱伝導率は、それぞれ2.7w/mk及び0.025w/mkで、空気の熱伝導率は鋳型砂に比べて格段に小さく、断熱効果が大きいことがわかる。この空気層5を押湯6の断熱層として有効に利用するものである。空気層5の厚みは大きいほど断熱効果は大きいが、押湯6の大きさに応じて適宜な厚さとする。なお、本発明の効果が得られる最小の空気層の厚さはほぼ0.5mm以上である。
押湯スリーブ3の材質は、砂、紙、パルプ材、発熱材、保温材などを用いることができる。通常は鋳型砂と同じ砂を用いたシェル鋳型、自硬性鋳型などが鋳型砂と同材質で安価であり、かつ残留して混入しても問題がなく最も好ましい。また、一般的な紙も熱伝導率は0.06W/mkで断熱性が高く、押湯スリーブとして、適宜の厚さであれば押湯の熱に対しでも押湯形状を保てて適用可能である。さらに、パルプ材に合成樹脂などを含浸させたものも同様に適用可能である。紙、パルプ材などは複数枚を積層して用いると、各層の間に空気層ができて断熱効果が高くなり、高機能の押湯スリーブとなる。この簡便な材料として段ボール材なども有効である。
上記の押湯スリーブの材質は、1つあるいは複数で用いる。複数の場合は、コストは上がるが、各押湯スリーブの間に空気層が形成され、さらに断熱性が高められる。
また、従来から押湯スリーブによく用いられてきたアルミ粉末とニッケル粉末などの発熱材、熱伝導性の低い材料、例えば珪藻土、シラスバルーンなどを用いた保温材なども本発明に適用することができる。この場合には、高価であり、かつ残留して混入すると鋳型特性が劣化する場合には、本発明の効果を利用して、押湯スリーブの厚さを極力薄くして最小限の少量使用とすることができる。
図2に同じく手段1、2及び6を用いた実施例2を示す。図2(a)は押湯スリーブ3の外観図であって、図2(b)はそのA−A断面図である。押湯スリーブ3の外面8に軸方向の突起9が数本設けられている。これは押湯スリーブ3の肉厚を薄くしたときに、溶湯の熱と圧力で破損することがないように設けた補強リブである。これによって、押湯スリーブ3の肉厚を極力薄くして押湯6の温度低下を防ぐことができる。この軸方向の突起9は押湯のキャビティー部1に接触しても、接触しなくてもよい。また、突起形状はこれに限定されるものではなく、適宜の形状、位置、範囲に設けることができる。
図3は同じく手段1、2、5及び6を用いた実施例3を示す押湯の構造の断面図である。押湯キャビティー部1、製品部2、押湯スリーブ3の構成はほぼ実施例1と同じである。本実施例では、押湯のキャビティー部1の下部が少し広げられ、押湯スリーブの下部の外周4がそれに嵌合係止するようになっている。これによって、押湯スリーブ3の挿入深さが決まり安定した挿入が可能になった。また、押湯スリーブの外面8にいくつかの外面突起10を設けている。これも実施例2と同じように、押湯スリーブ3を薄くしたときの補強リブである。この突起形状もこれに限定されるものではなく、適宜の形状、位置、範囲に設けることができる。
図4は実施例3の押湯スリーブの下部11のB−B断面を示す図である。図4では手段5を用いて、押湯スリーブの下部11の外周4にはノコ刃状の凹凸突起12が設けられている。この凹凸突起12によって、押湯スリーブの下部の外周4は押湯のキャビティー部1の下部に食い込み、高い緊密度で嵌合係止することができる。
また、図5は同じく実施例3の押湯スリーブの下部11のB−B断面を示す別の一例図である。図5では同じく手段5を用いて、押湯スリーブの下部の外周4には半球状の突起13が設けられている。この凸突起13によって、押湯スリーブの下部の外周4は押湯のキャビティー部1の下部に食い込み、高い緊密度で嵌合係止することができる。図3、4、5のような改良によって、押湯スリーブの強度向上及び嵌合係止の緊密度の向上がなされ、本発明の実施がさらに安定して行えるようになった。図4及び図5に示したノコ刃状の凹凸突起12及び半球状の凸突起13は押湯スリーブ3の嵌合係止の緊密度を高めるための一例として示したもので、その形状には限定されない。
図6は手段3を用いた本発明の実施例4を示す押湯の構造の断面図である。押湯のキャビティー部1、製品部2、押湯スリーブ3の構成はほぼ実施例1と同じである。本実施例では、押湯スリーブの外面8に発泡樹脂14を被せている。つまり、断熱層として発泡樹脂14を用いたものである。発泡樹脂14は空気層に比べて断熱性は劣るが、押湯スリーブ3を薄くしたときの補強材としても有効である。なお、発泡樹脂14の外面を押湯のキャビティー部1よりも小さくすることで、その隙間に手段2の断熱性の空気層を形成させることもできる。
また、ある程度の強度を有する発泡樹脂14を用いたことで、押湯スリーブ3を挿入式だけでなく、押湯スリーブ3を造型前に模型にセットして用いる設置型の押湯スリーブとしても使用可能になり、本発明の適用範囲が広がることでもその効果は大きい。なお、発泡樹脂14は押湯の大きさによってはその熱によってガス化し易いが、ガス化した場合は、それ自体がガス層、すなわち本発明でいうところの空気層として作用して実施例1と同様な効果を発生する。
図7は手段4を用いた本発明の実施例5を示す押湯の構造の断面図である。押湯キャビティー部1、製品部2、押湯スリーブ3の構成はほぼ実施例1と同じである。本実施例では、押湯スリーブの内面7に押湯スリーブ3よりも熱伝導率が小さく断熱性が高い物質、例えば珪藻土などの断熱性の塗型15を施している。これによって、押湯スリーブの内面7は押湯6と直接接触することがなくなり、押湯6の冷却は遅くなり、押湯スリーブ3の保温性が高くなる。断熱性の塗型15は押湯スリーブの内面7のみでなく、押湯スリーブの外面8に実施するとさらに断熱性が高められる。断熱性の高い塗型としては、シラスバルーンやグラスウール、ロックウォールなども用いることができるが、できるだけ鋳型材と同種類のものが好ましい。
また、上記断熱性の高い物質の代わりに、発熱性の物質を塗型することで、溶湯の熱によって発熱しさらに押湯スリーブ3の保温性が向上する。発熱材としては、Al粉末とNi粉末などの混合金属粉末、あるいは酸化し易い金属粉末と酸化物粉末、酸化促進剤の混合粉末などが有効である。
また、上記熱伝導率が小さい物質又は発熱性の物質を砂、粘結材などと混合して成型し、これを押湯スリーブ3の内面又は外面に装填することも塗型するのと同様な効果を得ることができる。
図8は手段1及び2を用いた本発明の実施例6を示す押湯の構造の断面図である。本実施例では、本発明をサイド押湯に用いた例を説明する。サイド押湯16は製品部2の側面に設けられており、押湯スリーブ3はそのサイド押湯16の上部に挿入されて嵌合係止されている。これによって、サイド押湯16の上部は実施例1と同様に断熱保温されて前記と同様な効果を得ることができる。また、本図のような押湯の上部のみでなく、押湯の下部及び堰部もその形状に合せて成型した本発明を用いた押湯スリーブを同様な方法で設置することができる。あるいは、サイド押湯全体を本発明の押湯スリーブとすることもできる。
発明の効果
以上説明した通り、本発明は、押湯のキャビティー部と押湯スリーブの外面の間に空気層や発泡樹脂などの断熱層を形成させることによって、保温効果が大幅に高められて次のような効果が得られた。
1.押湯の保温効果が向上したことで、押湯を小さくすることができた。すなわち、押湯が削減されて鋳造歩留りが向上した。その結果、大幅な省エネルギー効果が得られた。
2.従来の押湯スリーブに使用されていた発熱剤や保温材に比べると保温性は低いが安価な材質、例えば鋳型砂と同じ砂を用いたシェル鋳型、あるいは紙やパルプ材などを、本発明の保温性の高い押湯の構造のスリーブとして用いるもことができるようになった。
3.本発明で押湯スリーブに砂、紙、パルプ材などを用いた場合には、従来の押湯スリーブのような特殊な材料を使用しないので、残留物による鋳型砂の特性劣化や製品欠陥などの問題がなくなった。
4.発熱剤や保温材を用いる場合も、本発明の押湯の構造による高い保温効果によってその使用量を大幅に減らすことができ、原価低減が達成され、また混入する残留物も減少させることができた。
5.押湯スリーブの下部の外周に凹凸又は凸の突起を設けたので、嵌合係止の安定性が向上し、挿入式の押湯スリーブの使用が容易になった。
6.安価な押湯スリーブを提供できたので、多くの鋳物に押湯スリーブを簡便に適用でき、鋳物の健全性確保が容易になった。
本発明の実施例1を示す図である。 本発明の実施例2を示す図である。 本発明の実施例3を示す図である。 本発明の実施例3のB−B断面図の一例である。 本発明の実施例3のB−B断面図の別の一例である。 本発明の実施例4を示す図である。 本発明の実施例5を示す図である。 本発明の実施例6を示す図である。 従来技術の押湯の構造の一例を示す図である。 従来技術の押湯の構造の別の一例を示す図である。
1 押湯のキャビティー部
2 製品部
3 押湯スリーブ
4 押湯スリーブの下部の外周
5 空気層
6 押湯
7 押湯スリーブの内面
8 押湯スリーブの外面
9 軸方向の突起
10 外面突起
11 押湯スリーブの下部
12 ノコ刃状の凹凸突起
13 半球状の凸突起
14 発泡樹脂
15 断熱性の塗型
16 サイド押湯

Claims (7)

  1. 鋳造における押湯の構造であって、押湯のキャビティー部を成型後、該押湯のキャビティー部より小さい押湯スリーブを挿入し、押湯のキャビティー部の下部に押湯スリーブの下部の外周を嵌合係止するとともに、その他の押湯のキャビティー部と押湯スリーブの外面の間に断熱層を形成したことを特徴とする押湯の構造。
  2. 請求項1記載の押湯の構造において、断熱層が空気層であることを特徴とする押湯の構造。
  3. 請求項1記載の押湯の構造において、断熱層が発泡樹脂であることを特徴とする押湯の構造。
  4. 請求項1乃至3記載の押湯の構造において、押湯スリーブの内面あるいは内外面に、押湯スリーブの材質よりも熱伝導率の小さい物質又は発熱性の物質を、塗型するあるいは成型して装填したことを特徴とする押湯の構造。
  5. 請求項1乃至4記載の押湯の構造において、押湯のキャビティー部の下部に嵌合係止する押湯スリーブの下部の外周に凹凸又は凸の突起を設けて嵌合の緊密度を高めたことを特徴とする押湯の構造。
  6. 請求項1乃至5記載の押湯の構造において、押湯スリーブの外面に補強リブを設けたことを特徴とする押湯の構造。
  7. 請求項1乃至6記載の押湯の構造において、押湯スリーブの材質として、砂、紙、パルプ材、発熱材、保温材の1つ以上を用いたことを特徴とする押湯の構造。
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