JP2013214369A - 有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物、これを用いた接着フィルム、ガスバリアフィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスパネル - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物、これを用いた接着フィルム、ガスバリアフィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスパネル Download PDF

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Takanori Yamakawa
貴紀 山川
Tetsuya Saegusa
哲也 三枝
Keiji Saito
恵司 齋藤
Toshimitsu Nakamura
俊光 中村
Takumi Asanuma
匠 浅沼
Toshihiro Suzuki
俊宏 鈴木
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Abstract

【課題】悪影響を及ぼすことなく封止でき、長期間にわたって安定な発光特性を維持することができる有機EL素子封止用の樹脂組成物、該樹脂組成物からなる接着フィルム、ガスバリアフィルム、これを使用した有機EL素子及び有機ELパネルを提供する。
【解決手段】少なくとも乾燥剤および硬化性成分を含み、硬化後の粗研磨面(#1500)と細研磨面(#500)の表面自由エネルギー差が2mN/m以上である有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物、該樹脂組成物からなる接着フィルム、ガスバリアフィルム、これを使用した有機EL素子及び有機ELパネル。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界の印加によって高輝度発光する有機エレクトロルミネッセンス素子の封止に使用する樹脂組成物に関し、さらに詳しくは有機エレクトロルミネッセンス素子を水分その他から保護するために、基板上に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の全面に被覆形成される樹脂組成物、これを用いた接着フィルム、ガスバリアフィルム、有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスパネルに関する。
発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)がある。ELDの構成要素としては、無機もしくは有機エレクトロルミネッセンス素子(以降、無機もしくは有機EL素子と称す)が挙げられる。無機EL素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させる為には交流の高電圧が必要である。有機EL素子は、発光する化合物を含有する発光層を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さらに自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
有機EL素子は多結晶の半導体デバイスであり、低電圧で高輝度の発光を得られるため液晶のバックライトなどに使用され、薄型平面表示デバイスと期待されている。しかしながら、有機EL素子は水分にきわめて弱く、金属電極と有機EL層との界面が水分の影響で剥離してしまったり、金属が酸化して高抵抗化してしまったり、有機物自体が水分によって変質してしまったりし、このようなことから発光しなくなったり、輝度が低下してしまったりという欠点がある。
有機EL素子は大気に含まれる水分等に触れると発光特性が劣化する性質があるので、有機ELパネルを長時間安定的に作動させるためには、有機EL素子を大気から遮断するための封止構造が必要不可欠になっている。有機ELパネルの封止構造としては、金属製又はガラス製の封止部材と有機EL素子が形成された基板とを貼り合わせて、有機EL素子を囲う封止空間を形成し、その封止空間内に乾燥剤を配備する構造(中空封止構造)が一般に採用されてきたが、パネルの更なる薄型化や強度向上等を考慮して、基板上の有機EL素子を空間なく直接封止材料で被覆する固体封止構造の検討が進められている(特許文献1参照)。また、近年では。また、近年では封止材料中に乾燥剤を添加してこれを有機EL素子上に積層して水分による影響から有機EL素子を守る方法が提案されている(特許文献2、3参照)。
しかしながら、このように樹脂中に乾燥剤を添加させた場合でも、十分に樹脂中の水分の移動を抑制することができず、非発光点や発光面の周囲において発光が得られない表示欠陥、いわゆるダークスポットによる劣化が十分に改善できなかった。
特開2007−5107号公報 特開2009−26648号公報 特開2004−335208号公報
本発明は上記問題を解決し、有機EL素子に悪影響を及ぼすことなく封止を行うことにより長期間にわたって安定な発光特性を維持することができる有機EL素子封止用の樹脂組成物、該樹脂組成物からなる接着フィルム、ガスバリアフィルム、これを使用した有機EL素子や有機ELパネルを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、接着剤層中の水分低減に使用する乾燥剤と樹脂界面の密着性の重要性から、硬化後の粗研磨面と細研磨面の表面自由エネルギー差が課題解決の糸口を見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明の上記課題は下記の手段により達成された。
(1)少なくとも乾燥剤および硬化性成分を含み、硬化後の粗研磨面(#1500)と細研磨面(#500)の表面自由エネルギー差が2mN/m以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物。
(2)接着剤層が、(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物からなり、該接着剤層の両面または片面に剥離フィルムを仮着させた接着フィルム。
(3)前記接着フィルムが、2層以上の層を有し、このうち少なくとも1層は前記接着剤層であって、かつ有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層が、乾燥剤を含有しないことを特徴とする(2)に記載の接着フィルム。
(4)前記(1)に記載の記有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物を含むことを特徴とするガスバリアフィルム。
(5)前記(1)に記載の記有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物で封止されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子。
(6)前記(5)に記載の記有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
本発明により、有機EL素子に悪影響を及ぼすことなく封止を行うことにより長期間にわたって安定な発光特性を維持することができる有機EL素子封止用の樹脂組成物、該樹脂組成物からなる接着フィルム、ガスバリアフィルム、これを使用した有機EL素子や有機ELパネルが提供できる。
本発明の封止用接着フィルムの好ましい形態の断面を模式的に示す図である。 本発明の封止用接着フィルムで封止された有機EL素子の別の好ましい形態の断面を模式的に示す図である。 本発明の2層の接着剤層の封止用接着フィルムで封止された有機EL素子の好ましい形態の断面を模式的に示す図である。 本発明の2層の接着剤層の封止用接着フィルムで封止された有機EL素子の別の好ましい形態の断面を模式的に示す図である。 表面自由エネルギーを求めるための接触角を示す模式図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)封止用樹脂組成物である。
有機EL素子の封止は、次のように行われる。
まず、ガラスまたはフィルム基板上に透明電極を約0.1μmの厚みで成膜する。透明電極の成膜に際しては、真空蒸着及びスパッタ等による方法がある。ただし、真空蒸着による成膜は、結晶粒が成長して膜表面の平滑度を低下させることがあり、薄膜ELに適用する場合には絶縁破壊膜や不均一発光の原因を作るため注意を要する。一方、スパッタによる成膜は表面の平滑性がよく、その上に薄膜デバイスを積層する場合に好ましい結果が得られている。続いて、透明電極の上部に正孔輸送層及び有機EL層を0.05μm厚みで順次成膜する。また、有機EL層の上部に背面電極を0.1〜0.3μmの厚みで成膜する。
これらの素子の成膜を終えたガラスまたはフィルム基板の上部に本発明の熱硬化型の樹脂組成物をロールラミネータ等で転写する。この時、本発明の熱硬化型の樹脂組成物は予め基体フィルム(離型フィルム)状に延展されフィルム状に形成されていて、このフィルム状に形成された熱硬化型組成物をロールラミネータで転写する。次いで、転写した熱硬化型の樹脂組成物の上から非透水性ガラスまたはフィルム基板を重ね合わせる。これを、真空ラミネータ装置を用いて加熱圧着させ、上下基板の仮固着を行う。その後、加熱し、この加熱工程の温度で熱硬化型樹脂を完全硬化させる。なお、この加熱工程における加熱硬化の温度は、有機EL素子にダメージを与えないように120℃以下で行うことが望ましい。
<樹脂組成物および接着剤層>
本発明の樹脂組成物は、少なくとも乾燥剤および硬化性成分を含み、硬化後の粗研磨面(#1500)と細研磨面(#500)の表面自由エネルギー差が2mN/m以上である。
表面自由エネルギー差は、2mN/m以上15mN/m以下が好ましく、2mN/m以上10mN/m以下がより好ましく、3mN/m以上8mN/m以下がさらに好ましい。
表面自由エネルギー差は、以下のようにして求めることができる。
(表面自由エネルギー差の測定方法)
厚み20μmの接着剤層の両面に剥離シートを有する接着フィルムを2つ作成し、有機EL素子を接着させる側の接着剤層の剥離シートを剥離し、ガラスに60℃で加熱しながら貼り合わせた。その後、封止基板を接着させる側の接着剤層の剥離シートを剥離し、加熱炉中で接着剤層を100℃、3時間かけて加熱硬化させた。得られた接着剤層付ガラスサンプルのこのうちの1つを封止基板を接着させる側の接着剤層表面を細研磨用の耐水性紙やすり(#1500)を使用し、蒸留水をつけて一定方向に20往復して、研磨した。また、残りの接着剤層付ガラスサンプルを、粗研磨用の耐水性紙やすり(#150)を使用し、同様に研磨した。得られた研磨面を、蒸留水を含ませたワイプで拭き取り、封止基板を接着させる側の接着剤の細研磨面と粗研磨面を得た。その後、下記の方法で表面自由エネルギーを算出した。算出には研磨方向に対して垂直方向に測定した接触角(θ)を用いた。
(表面自由エネルギー)
表面自由エネルギーは、接触角を測定し、得られた接触角を使用してFowkes法に基づき、下記式(Fowke式)で算出する。
接触角は、接触角計(例えば協和界面科学製CA−V)により、23℃で水とジヨードメタンのそれぞれの接触角を測定した。ここで、液滴容量は水の場合2μL、ジヨードメタンの場合3マイクロLで、いずれも読み取り時間は滴下30秒後である。
ここで、接触角(θ)は研磨方向に対して垂直方向の接触角であり、図5に模式的に示した。
図5で、γは液体の表面張力、γは接着剤層の表面張力、γSLは接着剤層と液体の界面張力を示し、研磨方向とは、図5で示せば、γ−γSL方向である。
Figure 2013214369
算出した粗研磨面の表面自由エネルギーγs1と細研磨面の表面自由エネルギーγs2の差(γs1−γs2)を表面自由エネルギー差とした。
本発明の樹脂組成物は、硬化型の樹脂組成物であり、この樹脂組成物を半硬化させた接着フィルム状態とすることが取り扱い性の面から好ましい。
すなわち、樹脂組成物からなるフィルム状の接着剤層を形成するものであり、該接着剤層の両面または片面に剥離フィルムを仮着させることが取り扱い性の面からより好ましい。
このため、以下、樹脂組成物を接着剤層と称して説明する。
接着剤層としては、硬化性成分を含むものからなる。
これらの硬化性成分を硬化させる目的で各成分の硬化剤を適宜使用することもできる。
接着剤層の厚さは、3〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
(バインダー樹脂)
接着剤層には、フィルムに可とう性を付与する目的でバインダー樹脂を使用することができる。
このようなバインダー樹脂としては、(メタ)アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系ポリマー、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらは1種でも2種以上併用してもよい。
このうち、本発明においては、(メタ)アクリル系ポリマー、フェノキシ樹脂、ポリエステル系ポリマーが好ましい。
(メタ)アクリル系ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステルを構成成分とする重合体もしくは共重合体であることが好ましい。また、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、ニトリル基等を有する(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルを構成成分に含んでもよい。(メタ)アクリル系ポリマーの調製方法に特に制限はなく、溶液重合、エマルジョン重合、懸濁重合、塊状重合等の通常の方法で合成することができる。
このような(メタ)アクリル系ポリマーは質量平均分子量が5万以上であることが好ましく、特に10〜100万であることがより好ましい。質量平均分子量が5万以上であると、シート状またはフィルム状としたときの可とう性、強度、タック性が適当である。質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
また、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、トリメチルシクロヘキサン骨格から選択される1種以上の骨格を有するものが挙げられる。これらは1種または2種以上を使用してもよい。フェノキシ樹脂の質量平均分子量としては、30,000〜100,000が好ましく、40,000〜80,000であることがより好ましい。
フェノキシ樹脂の市販品としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン(株)製1256、4250(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製YX8100(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製YX6954(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、ユニオンカーバイド社製PKHH(質量平均分子量(Mw)42,600、数平均分子量(Mn)11,200)、東都化成(株)製FX280、FX293、ジャパンエポキシレジン(株)製YL7553BH30、YL6794、YL7213、YL7290、YL7482等が挙げられ、なかでもジャパンエポキシレジン(株)製1256(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製YX8100(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製YX6954(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、ユニオンカーバイド社製PKHH(質量平均分子量(Mw)42,600、数平均分子量(Mn)11,200)が好ましい。
ポリエステル系ポリマーは、多価カルボン酸成分とポリオール(グリコール)成分との重縮合により得られる。当該多価カルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等の公知のものが挙げられる。また、上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの脂肪族アルコールや、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオールなどが挙げられる。本発明に用いるポリエステル系ポリマーの質量平均分子量は5,000〜50,000であることが好ましく、10,000〜30,000であることがより好ましい。
また、本発明に用いるポリエステル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−20〜80℃であることが好ましく、0〜60℃であることがさらに好ましい。
Tgが高すぎると、樹脂組成物の可とう性が劣ってくる、逆に低すぎると樹脂組成物のタックが高くなり、作業性が悪化することがある。
バインダー樹脂の樹脂組成物中の含有量は、固形分(不揮発成分)100質量部に対し、10〜90質量部が好ましく、30〜70質量部がより好ましい。
(硬化成分)
硬化性成分とは、熱、光などにより硬化反応を起こす組成物をいう。具体的には例えば、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物が挙げられる。
このうち本発明においてはエポキシ基を有するエポキシ化合物もしくは樹脂(以下、まとめてエポキシ樹脂と称する)が好ましい。
エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであれば特に制限はないが、二官能基以上で、好ましくは分子量もしくは質量平均分子量が5,000未満、より好ましくは,3000未満のエポキシ樹脂が使用できる。また、好ましくは分子量が500以上、より好ましくは800以上のエポキシ樹脂が使用できる。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などの二官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、多官能エポキシ樹脂や複素環含有エポキシ樹脂等、一般に知られているものを適用することもできる。これらは単独または二種類以上を組み合わせて使用することができる。さらに、特性を損なわない範囲でエポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。本発明においては、少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂(グリシジル基でフェノールの水酸基がエーテル化されたp−連結のビスフェノールもしくはノボラック型樹脂)が特に好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は100〜1000g/eqが好ましく、150〜800g/eqがより好ましい。
(硬化剤)
エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、フェノール系樹脂を使用できる。フェノール系樹脂としては、アルキルフェノール、多価フェノール、ナフトール、ビフェニレン等のフェノール類とアルデヒド類との縮合物等が特に制限されることなく用いられる。これらのフェノール系樹脂に含まれるフェノール性水酸基は、エポキシ樹脂のエポキシ基と加熱により容易に付加反応して、耐衝撃性の高い硬化物を形成できる。
フェノール系樹脂の水酸基当量は50〜300g/eqが好ましく、95〜240g/eqがより好ましい。
さらに、フェノール系樹脂には、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンクレゾール樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、フェノールビフェニレン樹脂、あるいはこれらの変性物等が好ましく用いられる。
フェノール系樹脂の含有量としては、エポキシ樹脂のエポキシ当量/フェノール系樹脂の水酸基当量で0.5〜2程度が好ましく、0.8〜1.2程度がより好ましい。
その他の硬化剤として、熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤を使用することもできる。この硬化剤は、室温ではエポキシ樹脂と反応せず、ある温度以上の加熱により活性化し、エポキシ樹脂と反応するタイプの硬化剤である。活性化方法としては、加熱による化学反応で活性種(アニオン、カチオン)を生成する方法、室温付近ではエポキシ樹脂中に安定に分散しており高温でエポキシ樹脂と相溶・溶解し、硬化反応を開始する方法、モレキュラーシーブ封入タイプの硬化剤により高温で溶出して硬化反応を開始する方法、マイクロカプセルによる方法等が存在する。
熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤としては、各種のオニウム塩や、二塩基酸ジヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、アミンアダクト硬化剤、イミダゾール化合物等の高融点活性水素化合物等を挙げることができる。
(硬化促進剤)
また、助剤として硬化促進剤等を使用することもできる。本発明に用いることができる硬化促進剤としては特に制限がなく、例えば、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩などを用いることができる。本発明において好ましく使用されるイミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を併用することもできる。イミダゾール類は、例えば、四国化成工業(株)から、2E4MZ、2PZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、硬化促進剤は0.02〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。
(乾燥剤)
接着剤層中の水分低減、低透湿とするために乾燥剤を添加することが好ましく、本発明においては、少なくとも1層の接着剤層に乾燥剤を含有する。ここで、得られる乾燥剤含有接着剤層の状態として、乾燥剤と樹脂界面の密着が弱い状態にすることが好ましい。乾燥剤/樹脂界面の密着が強い場合、接着剤層中の乾燥剤/樹脂界面の水の拡散が遅くなり、結果として接着剤層の樹脂中に水が残りやすく、乾燥剤表面に水が拡散しにくくなるため乾燥剤が十分に水を吸収できない。また、乾燥剤の吸水能が低くなるために水が透過しやすくなり、低透湿も達成困難となる。これに対し、乾燥剤/樹脂界面の密着が弱い場合、界面の水の拡散が早くなり、乾燥剤が十分に水を吸収でき、結果として接着剤層の樹脂中の水分を乾燥剤が吸水することで、樹脂中の水分が減少し、有機EL素子中へダメージが抑えられる。また、乾燥剤の吸水能が高くなるために水が透過しにくくなり、低透湿が達成可能となる。
本発明では、硬化後の接着剤層の粗研磨面(#150)と細研磨面(#1500)の表面エネルギー差を2mN/m以上とすることで、粗研磨した場合に乾燥剤のフィラー表面の露出面積増加、フィラー脱落による表面積増加が起き、粗研磨面の表面エネルギーが高くなり、表面エネルギーの差が大きくなり、乾燥剤/樹脂界面の密着を弱くすることができる。
表面エネルギー差を2mN/m以上にするには、樹脂、乾燥剤の種類や、乾燥剤の粒径、形状、添加方法等を適宜変更することで達成することができる。
具体的には、バインダー樹脂に分子量1〜10万のフェノキシ樹脂やポリエステル系ポリマーと乾燥剤に酸化マグネシウム、酸化カルシウムのような金属酸化物からなる乾燥剤を使用し、ビーズミルを用いてバインダー樹脂と乾燥剤を溶剤希釈し混合した状態で乾燥剤の平均粒径が0.5〜5umになるまで破砕したプレワニスを作製し、その後最終的な接着剤ワニスを作製すること。エポキシ当量の高いエポキシ樹脂(400〜800g/eq)とエポキシ当量の低いエポキシ樹脂(150〜300g/eq)を併用すること等で調整できる。バインダー樹脂と金属酸化物を先に混合して破砕することで金属酸化物表面に密着性の悪いバインダー樹脂が被覆された状態となり、乾燥剤/樹脂界面の密着が弱くなる。エポキシ樹脂に関してはエポキシ当量の高いエポキシ樹脂を併用することで硬化後のエポキシ樹脂と乾燥剤界面の密着性を弱くすることができ、乾燥剤/樹脂界面の密着が弱くなる。ここでエポキシ当量の低いエポキシ樹脂のみだと硬化後のエポキシ樹脂と乾燥剤界面の密着性が強くなり、適当ではない。また、エポキシ当量の高いエポキシ樹脂のみだと接着性で問題となることがある。
乾燥剤としては特に限定されず、例えば、シリカゲル、モレキュラーシーブ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物等が挙げられ、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムが好ましい。このような乾燥剤としては、平均粒径0.1〜10μmの範囲の粒子であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmであることが好ましい。平均粒径が0.1μm以下だと、乾燥剤/樹脂界面の密着が弱い場合、接着剤層の硬化後の強度が低下し問題となる。また、10μm以上になると、フィルム状にした際に平滑な面が得られない、乾燥剤の吸水能が得られない等の問題がある。
乾燥剤の含有量は、固形分(不揮発成分)100質量部(乾燥剤除く)に対し、乾燥剤は5〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
(その他の添加剤)
接着剤層には、シランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤としては、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は2種類以上を混合してもよい。これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403:信越化学工業社製)は、エポキシ樹脂との相性がよく、安定性に優れているため好ましい。シランカップリング剤の含有量は、固形分(不揮発成分)で全樹脂組成物100質量部(乾燥剤除く)に対して0.02〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。
本発明では、本発明の目的を達成可能な限り、さらにその他の成分、例えば保存安定剤、酸化防止剤、可塑剤、タック調整剤や樹脂安定剤等を添加することも可能であるが、それらの添加成分中の水分や不純物には注意が必要である。
<剥離シート>
本発明においては、上記樹脂組成物を接着フィルム状にする際、樹脂組成物からなる接着剤層は片面または両面に剥離シートを仮着させた構成とすることが好ましい。
剥離シートは、接着フィルムの取り扱い性を良くする目的で、また接着剤層を保護する目的で用いられる。
剥離シートとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ピニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が挙げられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。特にコスト、取り扱い性等の面からポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。
剥離シートの表面張力は、40mN/m以下であることが好ましく、35mN/m以下であることがより好ましい。このような表面張力の低い剥離シートは、材質を適宜に選択して得ることが可能であり、またシートの表面にシリコーン樹脂等を塗布して離型処理を施すことで得ることもできる。
剥離シートから接着剤層を剥離する際の剥離力の例としては、0.3N/20mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2N/20mmである。剥離力の下限に特に制限はないが、0.005N/20mm以上が実際的である。また、両面に剥離フィルムを仮着させる場合には、取り扱い性を良くするために、剥離力の異なるものを使用することが好ましい。
剥離シートの膜厚は、通常は5〜300μm、好ましくは10〜200μm、特に好ましくは20〜100μm程度である。
<接着フィルム>
本発明における接着フィルムは、少なくとも1層の接着剤層からなるが、好ましくは、この接着剤層の両面または片面に、上記剥離シートを有する。
接着フィルムは、2層以上の接着剤層を有してもよく、接着剤層以外の層を有してもよい。
2層以上の層を有する場合、好ましくは、2層以上が接着剤層である。この場合、有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層の最外層と基板を接着する側の最外層が接着剤層であることが好ましい。
また、前記接着フィルムが、2層以上の層を有する場合、このうち少なくとも1層は乾燥剤を有する本発明の接着剤層であって、かつ有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層が、乾燥剤を含有しないことが好ましい。ここで、2層以上が接着剤層である場合、有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層の最外層が乾燥剤を有さない接着剤層であり、基板を接着する側の最外層が乾燥剤を含有する本発明の接着剤層であることが特に好ましい。
ここで、接着剤層の厚さは、通常は3〜100μm、好ましくは5〜50μmであるが、2層以上が接着剤層である場合、有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層の最外層の厚さは0.5〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。また、基板を接着する側の最外層が乾燥剤を含有する本発明の接着剤層の厚さは5〜50μmがより好ましく、10〜20μmがさらに好ましい。また、基板を接着する側の最外層が乾燥剤を含有する本発明の接着剤層の厚さは、有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層の接着剤層より、厚いことが好ましい。
乾燥剤を含有しない接着剤層(有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層の接着剤層)の前記の表面自由エネルギー差は、乾燥剤を含有する接着剤層のように、2mN/m以上を必ずしも満たす必要はなく、むしろ乾燥剤を含有する接着剤層より小さいことが好ましく、2mN/m未満であることがより好ましい。
ここで、有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層の最外層が乾燥剤を有さない接着剤層は、乾燥剤を含有しなければ、どのような接着剤層でも構わないが、乾燥剤を含まない以外は、前述の接着剤層が好ましい。
有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層の最外層が乾燥剤を含有せず、基板を接着する側の最外層が乾燥剤を含有させることで、有機EL素子へのダメージが軽減できる。
なお、乾燥剤を含有する場合、硬度が高い無機物が接着剤層表面に微細突起となって出ることがあり、この突起が有機EL素子表面の伝電極層などを傷つけることなり、リーク電流の原因などを引き起こして有機EL素子の発光機能を低下させる問題が生じる。
本発明の樹脂組成物は、接着剤層の接着フィルムを得る際、溶剤を含有してもよい。
このような溶剤としては、メチルエチルケトン、トルエン、エタノール、イソプロパノールの有機溶剤や水が挙げられ、有機溶剤が好ましく、メチルエチルケトン、トルエンが特に好ましい。このような溶剤に樹脂組成物に含まれる個々の素材を加え、混合分散し、得られた接着剤ワニス(分散液)を、剥離シートの剥離面上にロールナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなど一般に公知の方法にしたがって直接または転写によって塗工し、乾燥させて接着剤層を得ることができる。
本発明の接着フィルムは、上記のように水分だけでなく水蒸気ガス、炭酸ガス、酸素ガス等のガスバリア性が高く、ガスバリアフィルムの機能も果たし、ガスバリアフィルムとしても有用である。
<有機EL素子、有機ELパネル>
本発明の有機EL素子は、本発明の樹脂組成物、接着フィルムで封止された構造を有する。
本発明の有機EL素子の好ましい態様を図4に示す。図4では、基板(31)上に、陽極(32)、正孔注入層(33)、正孔輸送層(34)、発光層(35)、電子注入層(36)、および陰極(37)がこの順に設けられた有機EL素子が示され、当該素子は本発明の封止材により封止されて気密性が高められている。また、図4に示される接着フィルム(接着剤層)は、2層構造の接着剤層を有し、乾燥剤含有接着剤層(11)を外側に、乾燥剤を含有しない接着剤層(12)を内側にして、陽極(32)、正孔注入層(33)、正孔輸送層(34)、発光層(35)、電子注入層(36)および陰極(37)を覆うように有機EL素子に密着して配設されている。なお、本発明の有機EL素子の構成は上記態様に限定されるものではなく、有機EL素子として機能しうる素子の構成を有し、かつ本発明の封止材で封止されていれば、いずれも本発明の有機EL素子に包含される。
本発明の有機EL素子は、気密性に優れ、性能の劣化がより抑えられた素子である。
以下、実施例に基づき本発明の構成をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜8、比較例1〜3
(接着フィルムの作製)
下記の表1、2に示す配合の樹脂組成物にメチルエチルケトンを加えて攪拌混合して接着剤ワニスを作製した。乾燥剤によっては接着剤ワニス作製前にバインダー樹脂と混合し、ビーズミルにて粉砕したものを使用した。下記表1の樹脂組成物は乾燥剤入りであり封止基板側に貼り付ける接着剤層であり、下記表2に記載の樹脂組成物は乾燥剤なしで有機EL素子側に貼り付ける接着剤層である。
作製した下記表1に記載の樹脂組成物の接着剤ワニスを、剥離シート上に、乾燥後の厚さが15μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥させ、接着剤層を作製した。次いで、下記表2に記載の樹脂組成物の接着剤ワニスを、別の剥離シート上に、乾燥後の厚さが5μmになるように塗工し、110℃2分間乾燥させた後、下記表3、4の構成となるように下記表1に記載の接着剤層と貼り合わせ、剥離シート/下記表1に記載の樹脂組成物/下記表2に記載の樹脂組成物/剥離シートがこの順に積層された接着フィルムを作製した。このようにして比較例1〜3、実施例1〜7の接着フィルムを作製した。また、実施例8に関しては下記表1に記載の樹脂組成物を乾燥後の厚さ20μmとなるように塗工し、そのまま剥離シートを貼り合わせ接着フィルムを作製した。
ここで接着剤樹脂組成物の各組成は以下の通りである。
バインダー樹脂
A1 アクリルポリマー:質量平均分子量80万 ガラス転移温度(Tg)5℃
A2 フェノキシ樹脂:ビスフェノールA型樹脂 質量平均分子量5万
A3 ポリエステル系ポリマー:質量平均分子量3万、ガラス転移温度(Tg)5℃
硬化性成分
B1 エポキシ樹脂:液状ビスフェノールF型樹脂 エポキシ当量160〜190g/eq
B2 エポキシ樹脂:ビスフェノールA型樹脂 エポキシ当量450〜500g/eq
硬化剤
C1 硬化剤:フェノールアラルキル型フェノール樹脂 水酸基当量172g/eq
硬化促進剤
D1 硬化促進剤:2-フェニルイミダゾール
乾燥剤
E1 乾燥剤:酸化カルシウム 平均粒径2μm
E2 乾燥剤:酸化カルシウム 平均粒径1μm(バインダー樹脂混合、粉砕)
E3 乾燥剤:酸化マグネシウム 平均粒径0.5μm(バインダー樹脂混合、粉砕)
E4 乾燥剤:酸化マグネシウム 平均粒径2μm(バインダー樹脂混合、粉砕)
なお、上記E2、3、4は先にバインダー樹脂と混合し、ビーズミルで表記の平均粒径に粉砕した。
Figure 2013214369
Figure 2013214369
(表面自由エネルギー差の測定)
上記のようにして、各実施例、比較例の接着フィルムを2つ作成し、有機EL素子を接着させる側の接着剤層の剥離シートを剥離し、ガラスに60℃で加熱しながら貼り合わせた。その後、封止基板を接着させる側の接着剤層の剥離シートを剥離し、加熱炉中で接着剤層を100℃、3時間かけて加熱硬化させた。得られた接着剤層付ガラスサンプルのこのうちの1つを封止基板を接着させる側の接着剤層表面を細研磨用の耐水性紙やすり(#1500)を使用し、蒸留水をつけて一定方向に20往復して、研磨した。また、残りの接着剤層付ガラスサンプルを、粗研磨用の耐水性紙やすり(#150)を使用し、同様に研磨した。得られた研磨面を、蒸留水を含ませたワイプで拭き取り、封止基板を接着させる側の接着剤の細研磨面と粗研磨面を得た。その後、下記の方法で表面自由エネルギーを算出した。算出には研磨方向に対して垂直方向で測定した接触角を用いた。
(表面自由エネルギー)
表面自由エネルギーは、接触角を測定し、得られた接触角を使用してFowkes法に基づき、下記式(Fowke式)で算出した。
接触角は、接触角計(協和界面科学製CA−V)により、水とジヨードメタンのそれぞれの接触角を測定した。ここで、液滴容量は水の場合2μL、ジヨードメタンの場合3マイクロLで、いずれも読み取り時間は滴下30秒後に行なった。
Figure 2013214369
算出した粗研磨面の表面自由エネルギーE1と細研磨面の表面自由エネルギーE2の差(E1−E2)を表面自由エネルギー差とした。
これらの結果を下記表3、4にまとめて示す。
(ダークスポット評価)
接着フィルムの封止基板側の剥離シートを剥離し、封止基板にロールラミネータを用いて60℃で加熱しながら貼り合わせた。貼合後、接着フィルムの有機EL素子側の剥離シートを剥離し、有機EL素子が形成されている発光基板に真空ラミネータ〔ニチゴーモートン(株)製 小型加圧式真空ラミネーター モデルV130〕を用いて100℃/0.1MPa/1秒の条件で接着剤層を加熱圧着させた。その後、加熱炉中で接着剤層を100℃、3時間で加熱硬化させた。このようにして有機ELパネルを作製し、連続点灯で60℃、相対湿度90%の環境でダークスポットの成長を観察した。1000時間経過後の100μm以上のダークスポットがない場合は○、ある場合は×とした。
得られた結果をまとめて下記表3、4に示す。
Figure 2013214369
Figure 2013214369
上記表3、4から明らかなように、比較例1〜3では封止基板側樹脂層の表面エネルギー差が少ないために乾燥剤の吸水能が十分ではなく、ダークスポットが発生した。実施例1〜8では封止基板側樹脂層の表面エネルギー差が大きいために乾燥剤の吸水能が十分であり、ダークスポット発生なく良好な結果が得られた。
1 接着フィルム(接着剤層)
10 有機薄膜(接着剤層)
11 乾燥剤含有接着剤層
12 乾燥剤を含有しない接着剤層
20 封止基板
21 発光側基板
23 有機EL素子
30 封止された有機EL素子
31 基板
32 陽極
33 正孔注入層
34 正孔輸送層
35 発光層
36 電子注入層
37 陰極

Claims (6)

  1. 少なくとも乾燥剤および硬化性成分を含み、硬化後の粗研磨面(#1500)と細研磨面(#500)の表面自由エネルギー差が2mN/m以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物。
  2. 接着剤層が、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物からなり、該接着剤層の両面または片面に剥離フィルムを仮着させた接着フィルム。
  3. 前記接着フィルムが、2層以上の層を有し、このうち少なくとも1層は前記接着剤層であって、かつ有機エレクトロルミネッセンス素子を接着する側の層が、乾燥剤を含有しないことを特徴とする請求項2に記載の接着フィルム。
  4. 請求項1に記載の記有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物を含むことを特徴とするガスバリアフィルム。
  5. 請求項1に記載の記有機エレクトロルミネッセンス素子封止用樹脂組成物で封止されてなる有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項5に記載の記有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
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