JP2013213180A - 重合体、この重合体を用いた有機薄膜及び有機薄膜素子 - Google Patents

重合体、この重合体を用いた有機薄膜及び有機薄膜素子 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたホール輸送性を有する重合体、さらにかかる重合体を含む有機薄膜及びこの有機薄膜を備える有機薄膜素子を提供する。
【解決手段】下記式(12)で表される重合体。
Figure 2013213180

(式中、X及びXは、それぞれ独立に、酸素原子等。Yは炭素原子等。R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子等。W及びWは、それぞれ独立に、−C(R’)=で表される基等(R’は、水素原子等)。Z、Z、Z及びZは、−O−等。s及びtは、それぞれ独立に、0から6の整数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、重合体、並びにこの重合体を用いた有機薄膜及びこれを備える有機薄膜素子に関する。
電荷(電子又はホール)輸送性を有する有機材料を含む薄膜は、有機薄膜トランジスタ、有機薄膜太陽電池、光センサといった有機薄膜素子への応用が期待されており、このような薄膜を形成できる重合体からなる有機p型半導体材料(ホール輸送性を示す)や有機n型半導体材料(電子輸送性を示す)が種々検討されている。
重合体からなる有機p型半導体材料としては、ポリ(3−アルキルチオフェン)が知られている(特許文献1参照。)。
一方、有機薄膜素子の一態様である有機薄膜太陽電池としては、ドナー性の重合体からなる有機p型半導体材料とアクセプター性のフラーレン誘導体とを含む組成物を有機薄膜太陽電池に用いることが記載されている(特許文献2参照。)。
米国特許第6107117号明細書 米国特許第5331183号明細書
しかし、上記従来の重合体からなる有機p型半導体材料は、ホール輸送性が十分であるとは言い難かった。
そこで、本発明は、優れたホール輸送性を有する重合体を提供することを目的とする。さらに本発明は、かかる重合体を含む有機薄膜及びこの有機薄膜を備える有機薄膜素子を提供することを目的とする。
本発明は、式(1)で表される構造単位を少なくとも2つ有し、かつ、式(2)で表される構造単位を少なくとも1つ有する、重合体を提供する。
Figure 2013213180

[式中、
及びXは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又は=C(A)で表される基(Aは、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、二つのAは互いに同一でも異なっていてもよい。)を示す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜60の1価の複素環基を示す。また、R及びRは互いに結合して、これらが結合している環と縮合する炭化水素環又は複素環を形成していてもよく、該炭化水素環及び該複素環は置換基を有していてもよい。
Arは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の4価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数4〜60の4価の複素環基を示す。
Yは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、チタン原子又はスズ原子を示す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜60の1価の複素環基を示す。
Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の3価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜60の3価の複素環基を示す。
なお、式(1)において、R及びRが結合している2つの炭素の間の結合は二重結合として記載されているが、R及びRが互いに結合して環を形成し、該環内に共役(交互の単結合及び二重結合)を形成している場合には、式(1)中の当該二重結合は該共役におけるπ電子が非局在化した結合を意味する。このことは、Arが結合している2つの炭素の間の結合についても同様である。]
かかる重合体は、イオン化ポテンシャルが小さく(HOMO(最高被占軌道)が浅く)、又、優れたホール輸送性を有する。
さらに、好ましい実施形態では、本発明の重合体は有機溶媒、例えばクロロホルムへの溶解性に優れる。このような性質を有する本発明の重合体は、印刷法によりフレキシブル基板上に有機薄膜素子を形成することができるので、取り扱い性に優れる。
本発明はまた、上記本発明の重合体を含む有機薄膜を提供する。かかる本発明の有機薄膜は、本発明の重合体を含むことから、優れたホール輸送性を示すほか、好ましい実施形態では、印刷法によって容易に形成することができる。
本発明はさらに、上記本発明の有機薄膜を備える有機薄膜素子を提供する。有機薄膜素子としては、有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜太陽電池が好適である。このような有機薄膜素子は、本発明の有機薄膜を備えており、この有機薄膜は優れたホール輸送性を有することから、電極から注入された電荷や光吸収により発生した電荷を効率よく輸送することができる。また、この有機薄膜は狭いHOMO−LUMO(最低空軌道)ギャップを有することから長波長の光を効率よく吸収することができる。そのため、本発明の有機薄膜素子は優れた性能を発揮することができ、有機薄膜トランジスタは高いホール移動度を有するものとなり、有機薄膜太陽電池は高い開放端電圧及び光電変換効率を有するものとなる。
本発明によれば、優れたホール輸送性を有する重合体を提供することができる。また、本発明の好ましい実施形態では、有機溶媒への溶解性にも優れる重合体を提供することができる。さらに、本発明によれば、このような本発明の重合体を含み、優れたホール輸送性を示す有機薄膜、並びに、かかる有機薄膜を備えることで、優れた性能を発揮し得る有機薄膜素子、特に有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜太陽電池を提供することができる。
第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタの模式断面図である。 好適な実施形態に係る太陽電池の模式断面図である。 第1実施形態に係る光センサの模式断面図である。 第2実施形態に係る光センサの模式断面図である。 第3実施形態に係る光センサの模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[重合体]
まず、本発明の重合体について説明する。本発明の重合体は、式(1)で表される構造単位を少なくとも2つ有し、かつ、式(2)で表される構造単位を少なくとも1つ有するものである。ここで、重合体の「構造単位」とは、当該重合体の主鎖を構成している構造単位を意味する。また、「重合体」とは、通常オリゴマーやポリマーに分類されるものの両方を含む。
以下、式(1)で表される構造単位の好適な構成について説明する。まず、式(1)中、X及びXは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又は=C(A)で表される基を示す。Aは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示す。
又はXとして、=C(A)で表される基を有する場合、LUMOをより低くできるので、二つのAのうち少なくとも一方が電子求引性の基であることが好ましく、二つのAがいずれも電子求引性の基であることがより好ましい。電子求引性の基としては、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子が好ましく、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子がより好ましく、シアノ基が更に好ましい。アルキル基をその構造中に含むアルカノイル基のアルキル基及びアルコキシカルボニル基のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が更に好ましい。
及びXとしては、LUMOをより低くできるので、酸素原子又は=C(A)で表される基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜60の複素環基を示す。該アルキル基中の炭素原子の一部は酸素原子、硫黄原子、S=O、S(=O)又はN−Rに置換されていてもよく(Rは、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示す)、該アルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換されていてもよい。また、R及びRは互いに結合して、これらが結合している環と縮合する炭化水素環又は複素環を形成していてもよく、該炭化水素環及び該複素環は置換基を有していてもよい。
及びRにおいて、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。なお、本明細書中、後述するハロゲン原子についても同様の原子が例示される。
及びRにおいて、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基としては、炭素数3〜24の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基がより好ましい。ただし、分子間の配列をよくするためには、直鎖状のアルキル基が好ましい一方、有機溶媒への溶解性を高くするためには、分岐状のアルキル基が好ましく、これらは所望とする特性に応じて選択することができる。なお、R及びRが同じ基であると、重合体の製造が容易となるため、より好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、3,7−ジメチルオクチル基、3,7,11−トリメチルドデシル基が挙げられる。これらのアルキル基は、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよく、置換されるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基とは、アルキル基及び炭素原子以外の原子を含む基、並びにアルキル基及び不飽和結合を含む基をいう。その具体例としては、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキル−アルケニル基、アルキル−アルキニル基、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、アルキルチオアリール基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アルキルシリル基及びアルキルアミノ基が挙げられる。なかでも、アルコキシ基、アルキルチオ基が好ましく、アルキルチオ基がより好ましい。なお、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含むアルキル基以外の基に含まれるアルキル基としては、上述のアルキル基と同様のものを例示することができる。
及びRにおいて、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基としては、例えば、フェニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基を有するフェニル基、炭素数1〜12のアルキル基を有するフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられる。なかでも、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数1〜12のアルコキシ基を有するフェニル基及び炭素数1〜12のアルキル基を有するフェニル基がより好ましい。
及びRにおいて、置換基を有していてもよい炭素数2〜60の複素環基としては、例えば、チエニル基、炭素数1〜12のアルキル基を有するチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、炭素数1〜12のアルキル基を有するピリジル基が挙げられる。なかでも、炭素数3〜20の複素環基が好ましく、チエニル基、炭素数1〜12のアルキル基を有するチエニル基、ピリジル基及び炭素数1〜12のアルキル基を有するピリジル基がより好ましい。なお、複素環基とは、環状構造を有する有機基において、環を構成する少なくとも1つの原子がヘテロ原子である基をいうものであり、該複素環基としては芳香族複素環基であることが好ましい。
及びRが互いに結合して環を形成していない場合は、R及びRの少なくとも一方が、好ましくはそれぞれ独立に両方が、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルコキシ基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のフルオロアルコキシ基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキルチオ基又は炭素数1〜30のフルオロアルキルチオ基であることが好ましく、直鎖状若しく分岐状の炭素数3〜24のアルキル基、直鎖状若しく分岐状の炭素数3〜24のフルオロアルキル基又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数3〜24のアルコキシ基がより好ましく、直鎖状若しく分岐状の炭素数6〜20のアルキル基又は直鎖状若しく分岐状の炭素数6〜20のフルオロアルキル基が更に好ましい。R及びRをこれらの基にすることによって、有機溶媒への溶解性が向上する。
また、R及びRが互いに結合して環を形成している場合、かかる環は、置換基を有していてもよい炭化水素環又は置換基を有していてもよい複素環であってもよい。有機溶媒への溶解性を向上させる観点からは、R及びRが互いに結合してなる環は、置換基を有する炭化水素環又は置換基を有する複素環であることが好ましい。置換基を有していてもよい炭化水素環としては芳香族炭化水素環であることが好ましく、置換基を有していてもよい複素環としては芳香族複素環であることが好ましい。置換基としては、上述したR及びRが互いに結合して環を形成していない場合のR及びRとして好適な基と同様の基であると好ましい。置換基をこれらの基にすることによって、有機溶媒への溶解性が向上する。
炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、ペリレン環、フルオレン環が挙げられ、ベンゼン環が好ましい。
複素環としては、チオフェン環、チエノチオフェン環、フラン環、ピロール環及びピリジン環が挙げられ、チオフェン環、チエノチオフェン環が好ましい。
式(1)中、Arは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の4価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数4〜60の4価の複素環基を示す。
Arにおいて、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の4価の芳香族炭化水素基とは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素化合物における芳香環上の4つの水素原子を除いた4価の基を示す。芳香族炭化水素化合物は、単環であっても縮合環であってもよい。これらの中でも、より優れた溶解性が得られ、かつ、製造が容易であるので、単環又は5つ以下の環が縮合した縮合環が好ましく、単環又は2つの環が縮合した縮合環がより好ましく、単環が更に好ましい。
芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピレン、ペリレンが挙げられる。なかでも、ベンゼン又はナフタレンが好ましく、ベンゼンがより好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数6〜60の4価の芳香族炭化水素基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルカノイル基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数2〜60の複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。置換基としての飽和の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基が、不飽和の炭化水素基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、プロパルギル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基及び2−ブテニル基が挙げられる。また、置換基としてのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が、アルカノイル基としては、メタノイル基、エタノイル基、プロパノイル基、プロペノイル基、ベンゾイル基が、アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、炭素数1〜12のアルキル基を有するフェニルオキシ基が、複素環基としては、例えば、チエニル基、炭素数1〜12のアルキル基を有するチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数4〜60の4価の複素環基とは、置換基を有していてもよい炭素数4〜60の複素環式化合物における複素環上の4つの水素原子を除いた4価の基を示す。複素環式化合物は、単環又は縮合環であってもよく、該複素環式化合物としては芳香族複素環式化合物であることが好ましい。これらの中でも、より優れた溶解性が得られるほか、製造が容易であるので、単環又は5つ以下の環が縮合した縮合環が好ましく、単環又は2つの環が縮合した縮合環がより好ましく、単環が更に好ましい。
複素環式化合物としては、例えば、ピリジン、チオフェン、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾジチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、キノリン、インドールが挙げられる。なかでも、チオフェン、チエノチオフェン又はピリジンが好ましく、チオフェンがより好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数4〜60の4価の複素環基における置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルカノイル基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数2〜60の複素環基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。これらの置換基としては、上記と同じ基が例示できる。
Arとしては、ベンゼン又はチオフェンにおける芳香環上の4つの水素原子を除いた4価の基が好ましい。
本実施形態に係る重合体において、式(1)で表される構造単位は、式(3)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 2013213180
式(3)中、X、X、R及びRは、上記と同義であり、Zは、式(i)で表される基、式(ii)で表される基、式(iii)で表される基、式(iv)で表される基、式(v)で表される基、式(vi)で表される基、式(vii)で表される基、式(viii)で表される基又は式(ix)で表される基を示す。Zが式(i)、(ii)又は(ix)で表される基である場合、式(3)で表される基はそれぞれフラン環、チオフェン環又はピロール環の構造を有する。これらの環、特にチオフェン環は、好適な電気的性質を示すため、これらの環を有する重合体は種々の電気的特性を発揮することが可能となる。
なお、式(3)において、R及びRが結合している2つの炭素の間の結合は二重結合として記載されているが、R及びRが互いに結合して環を形成し、該環内に共役(交互の単結合及び二重結合)を形成している場合には、式(3)中の当該二重結合は該共役におけるπ電子が非局在化した結合を意味する。
Figure 2013213180
式(vii)、(viii)及び(ix)中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、R11とR12とは互いに結合して環を形成していてもよい。また、式(viii)で表される基は左右反転していてもよい。
11、R12、R13及びR14における1価の基としては、例えば、直鎖状又は分岐状の鎖状基(ここで、鎖状基とは、環式構造を有しない基を示す。)、1価の環状基(ここで、環状基とは、環式構造を有する基を示す。この環式構造は、単環でも縮合環でもよく、炭素環でも複素環でもよく、飽和でも不飽和でもよい。)が挙げられる。また、1価の基は、電子供与性の基であっても電子求引性の基であってもよい。
11、R12、R13及びR14における1価の基が有していてもよい置換基としては、炭素数20以下で構成される置換基が好ましく、炭素数17以下で構成される置換基がより好ましい。置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基をその構造中に含む基(例えば、アルコキシ基、アルキルアミノ基又はアルコキシカルボニル基)、炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基が挙げられる。
上記置換基であるアルキル基としては、直鎖状若しく分岐状の炭素数1〜16のアルキル基が好ましく、直鎖状若しく分岐状の炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。これらの基は、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよく、置換されるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。アルキル基における水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基としては、直鎖状若しく分岐状の炭素数1〜10のフルオロアルキル基が好ましい。
上記置換基であるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基が挙げられる。アルキル基をその構造中に含む基(例えば、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基)におけるアルキル基としても、上記と同様の基が例示できる。
11、R12、R13及びR14は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることがより好ましい。
式(1)で表される構造単位は、式(4)で表される構造単位であることも好ましい。
Figure 2013213180
式(4)中、X、X及びArは、前記と同義であり、
は、下記の式(xi)で表される基、式(xii)で表される基、式(xiii)で表される基、式(xiv)で表される基、式(xv)で表される基、式(xvi)で表される基、式(xvii)で表される基、式(xviii)で表される基又は式(xix)で表される基を示す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示す。
なお、式(4)において、Arが結合している2つの炭素の間の結合は二重結合として記載されているが、Arの環内に共役(交互の単結合及び二重結合)が形成されている場合には、式(4)中の当該二重結合は該共役におけるπ電子が非局在化した結合を意味する。
Figure 2013213180
式(xvii)、式(xviii)及び式(xix)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、R21とR22とは互いに結合して環を形成していてもよい。また、式(xviii)で表される基は左右反転していてもよい。
式(4)中、Zで表される基が、式(xi)、(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)又は(xvi)で表される基である場合は、R及びRの少なくとも一方が、上述したR及びRとして好適な基と同様の基であると好ましい。一方、Zで表される基が、式(xvii)、(xviii)又は(xix)で表される基である場合は、R、R並びに式(xvii)、(xviii)又は(xix)で表される基中の置換基(R21、R22、R23又はR24)のうちの少なくとも1つが、上述したR及びRとして好適な基と同様の基であると好ましい。これらの条件を満たすことで、重合体の有機溶媒への溶解性がより良好となる。
としては、式(xi)〜(xix)で表される基のうち、式(xi)、(xii)、(xiii)、(xvii)、(xviii)及び(xix)のいずれかで表される基が好ましく、式(xii)及び(xvii)のいずれかで表される基がより好ましく、式(xvii)で表される基が更に好ましい。式(xvii)で表される基の場合、R21及びR22の少なくとも一方、好ましくはそれぞれ独立に両方が、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数1〜25のフルオロアルキル基、炭素数1〜25のアルコキシ基、炭素数1〜25のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜25のアルキルチオ基又は炭素数1〜25のフルオロアルキルチオ基であることが好ましく、炭素数1〜25のアルキル基又は炭素数1〜25のフルオロアルキル基がより好ましく、炭素数6〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のフルオロアルキル基が更に好ましく、炭素数6〜12のアルキル基が特に好ましい。これらのアルキル基及びアルキル基をその構造中に含む基のアルキル基は、直鎖状、分岐状若しくは環状のいずれでもよい。これらの基にすることにより、重合体の有機溶媒への溶解性が向上する。
式(4)中、R及びRにおける置換基を有していてもよい1価の基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜18のアルキルチオ基又は炭素数1〜18のフルオロアルキルチオ基が例示される。
式(1)、式(3)及び式(4)で表される構造単位は、式(5)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 2013213180
式(5)中、X、X、R、R、Z及びZは、前記と同義である。
式(5)中、Zで表される基が、式(xi)、(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)又は(xvi)で表される基である場合は、R及びRの少なくとも一方が、上述したR及びRとして好適な基と同様の基であると好ましい。一方、Zで表される基が、式(xvii)、(xviii)又は(xix)で表される基である場合は、R、R並びに式(xvii)、(xviii)又は(xix)で表される基中の置換基(R21、R22、R23又はR24)のうちの少なくとも1つが、上述したR及びRとして好適な基と同様の基であると好ましい。これらの条件を満たすことで、重合体の有機溶媒への溶解性が向上する。
としては、式(xi)〜(xix)で表される基のうち、式(xi)、(xii)、(xiii)、(xvii)、(xviii)及び(xix)のいずれかで表される基が好ましく、式(xii)及び(xvii)のいずれかで表される基がより好ましく、式(xvii)で表される基が更に好ましい。式(xvii)で表される基の場合、R21及びR22の少なくとも一方、好ましくはそれぞれ独立に両方が、炭素数1〜25のアルキル基、炭素数1〜25のフルオロアルキル基、炭素数1〜25のアルコキシ基、炭素数1〜25のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜25のアルキルチオ基又は炭素数1〜25のフルオロアルキルチオ基であることが好ましく、炭素数1〜25のアルキル基又は炭素数1〜25のフルオロアルキル基がより好ましく、炭素数6〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のフルオロアルキル基が更に好ましく、炭素数6〜12のアルキル基が特に好ましい。これらのアルキル基及びアルキル基をその構造中に含む基のアルキル基は、直鎖状、分岐状若しくは環状のいずれでもよい。これらの基にすることにより、重合体の有機溶媒への溶解性が向上する。
式(5)中、R及びRにおける置換基を有していてもよい1価の基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のフルオロアルコキシ基、炭素数1〜18のアルキルチオ基又は炭素数1〜18のフルオロアルキルチオ基が例示される。
式(1)、式(3)、式(4)及び式(5)で表される構造単位としては、以下の化学式で示される構造単位が例示できる。
Figure 2013213180

Figure 2013213180

Figure 2013213180

Figure 2013213180

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Figure 2013213180

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Figure 2013213180
次に、式(2)で表される構造単位の好適な構成について説明する。まず、式(2)中、Yは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、チタン原子又はスズ原子を示し、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、チタン原子又はスズ原子が好ましく、ケイ素原子又はゲルマニウム原子がさらに好ましく、ケイ素原子が特に好ましい。Yがケイ素原子である場合、式(2)で表される基はシロール環の構造を有する。シロール環は、好適な電気的性質を示すため、シロール環を有する重合体は種々の電気的特性を発揮することが可能となる。
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜60の1価の複素環基を示す。
及びRの具体例としては、上記R及びRで例示した基を挙げることができる。R及びRとしては、溶媒への溶解性が高くなるので、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基及び直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基が好ましい。直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基としては、炭素数3〜24の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が好ましく、炭素数6〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基がより好ましい。ただし、分子間の配列をよくするためには、直鎖状のアルキル基が好ましい一方、有機溶媒への溶解性を高くするためには、分岐状のアルキル基が好ましく、これらは所望とする特性に応じて選択することができる。なお、R及びRが同じ基であると、重合体の製造が容易となるため、より好ましい。
式(2)中、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の3価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜60の3価の複素環基を示す。置換基を有していてもよい炭素数6〜60の3価の芳香族炭化水素基とは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の芳香族炭化水素化合物における芳香環上の3つの水素原子を除いた3価の基を示す。置換基を有していてもよい炭素数3〜60の3価の複素環基とは、置換基を有していてもよい炭素数3〜60の複素環式化合物における複素環上の3つの水素原子を除いた3価の基を示し、該複素環基としては芳香族複素環基であることが好ましい。これらの芳香族炭化水素化合物及び複素環式化合物の具体例としては、上記Arの項で例示した芳香族炭化水素化合物及び複素環式化合物を挙げることができる。
本実施形態に係る重合体において、上記式(2)で表される構造単位は、式(6)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 2013213180
式(6)中、Y、R及びRは、上記と同義である。W及びWは、それぞれ独立に、−C(R’)=で表される基(R’は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の基を示す。)又は−N=で表される基を示す。なお、W及びWが同じであると、重合体の製造が容易となるため、より好ましい。
及びWの両方が−C(R’)=で表される基又は−N=で表される基であることが好ましい。なお、W及びWが−N=で表される基である重合体は、窒素原子を含まない重合体よりも電子受容性が高くなり、その結果、重合体のLUMOを調整することができる。
式(6)中、Z及びZは、それぞれ独立に、下記の式(xxi)で表される基、式(xxii)で表される基、式(xxiii)で表される基、式(xxiv)で表される基、式(xxv)で表される基、式(xxvi)で表される基、式(xxvii)で表される基、式(xxviii)で表される基又は式(xxix)で表される基であり、式(xxii)、(xxvii)で表される基のうちのいずれかの基が好ましく、式(xxii)で表される基が特に好ましい。W及びWが−C(R’)=であり、かつZ又はZが式(xxi)、(xxii)又は(xxix)で表される基である場合、式(6)で表される基はそれぞれフラン環、チオフェン環又はピロール環の構造を有する。これらの環、特にチオフェン環は、好適な電気的性質を示すため、これらの環を有する重合体は種々の電気的特性を発揮することが可能となる。なお、Z及びZが同じであると、重合体の製造が容易となるため、より好ましい。
Figure 2013213180
式(xxvii)、(xxviii)及び(xxix)中、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、R31とR32とは互いに結合して環を形成していてもよい。また、式(xxviii)で表される基は左右反転していてもよい。
31、R32、R33及びR34で表される1価の基としては、R11、R12、R13及びR14で表される1価の基と同じ基が例示される。
式(2)及び式(6)で表される構造単位としては、以下の化学式で表される構造単位が例示できる。
Figure 2013213180

Figure 2013213180

Figure 2013213180

Figure 2013213180

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Figure 2013213180

Figure 2013213180

Figure 2013213180

Figure 2013213180
本実施形態に係る重合体は、式(7)で表される構造単位を更に有していてもよい。これにより、溶解性又は機械的、熱的若しくは電子的特性を、変化させ得る範囲が広くなる。なお、式(7)で表される構造単位は、上記式(1)で表される構造単位及び上記式(2)で表される構造単位とは異なる。
Figure 2013213180
式(7)中、Arは、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を示す。置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基とは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素化合物における芳香環上の2つの水素原子を除いた2価の基を示す。置換基を有していてもよい2価の複素環基とは、置換基を有していてもよい複素環式化合物における複素環上の2つの水素原子を除いた2価の基を示し、該複素環基としては、芳香族複素環基であることが好ましい。芳香族炭化水素化合物及び複素環式化合物の具体例としては、上記Arの項で例示した芳香族炭化水素化合物及び複素環式化合物を挙げることができる。
本実施形態に係る重合体において、上記式(7)で表される構造単位は、式(8)で表される構造単位であることが好ましい。
Figure 2013213180
式(8)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の基を示し、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよい。R及びRの具体例としては、上記R及びRで例示した基を挙げることができる。R及びRとしては、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基及び直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基が好ましく、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基がより好ましく、水素原子、炭素数6〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基が更に好ましい。
ただし、分子間の配列をよくするためには、直鎖状のアルキル基が好ましい一方、有機溶媒への溶解性を高くするためには、分岐状のアルキル基が好ましく、これらは所望とする特性に応じて選択することができる。なお、R及びRが同じ基であると、重合体の製造が容易となるため、より好ましい。
式(8)中、Zは、式(xxxi)で表される基、式(xxxii)で表される基、式(xxxiii)で表される基、式(xxxiv)で表される基、式(xxxv)で表される基、式(xxxvi)で表される基、式(xxxvii)で表される基、式(xxxviii)で表される基又は式(xxxix)で表される基であり、式(xxxii)で表される基であることが好ましい。Zが式(xxxi)、(xxxii)又は(xxxix)で表される基である場合、式(8)で表される基はそれぞれフラン環、チオフェン環又はピロール環の構造を有する。これらの環、特にチオフェン環は、好適な電気的性質を示すため、これらの環を有する重合体は種々の電気的特性を発揮することが可能となる。
Figure 2013213180
式(xxxvii)、(xxxviii)及び(xxxix)中、R41、R42、R43及びR44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、R41とR42とは互いに結合して環を形成していてもよい。また、式(xxxviii)で表される基は左右反転していてもよい。
41、R42、R43及びR44における1価の基としては、R11、R12、R13及びR14における1価の基と同じ基が例示される。
本実施形態に係る重合体の中では、ホール輸送性が向上するので、式(1)と式(2)が交互に並んだ構造を有するものが好ましい。そのような構造としては、式(11)で表される構造単位を有するものが好ましい。
Figure 2013213180
式(11)中、X、X、Y、R、R、R、R、Ar、Ar、Ar及びArは、上記と同義である。s及びtは、それぞれ独立に、0〜6の整数を示し、0〜2の整数が好ましい。Arが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。なお、複数のArが同じであると、重合体の製造が容易となるため、より好ましい。
本実施形態に係る重合体において、上記式(11)で表される構造単位は、式(12)で表される構造単位であることがより好ましい。
Figure 2013213180
式(12)中、X、X、Y、R、R、R、R、R、R、W、W,Z、Z、Z、Z、s及びtは、上記と同義であり、R、R及びZが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。なお、複数のR、R及びZがそれぞれ同じであると、重合体の製造が容易となるため、好ましい。
本実施形態に係る重合体において、上記式(12)で表される構造単位は、式(13)で表される構造単位であることがより好ましい。
Figure 2013213180
式(13)中、X、X、Y、R、R、R、R、R、R、W、W,Z、Z、Z、Z、Z、s及びtは、上記と同義であり、R、R及びZが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。なお、複数のR、R及びZがそれぞれ同じであると、重合体の製造が容易となるため、好ましい。
本実施形態に係る重合体において、上記式(11)で表される構造単位、上記式(12)で表される構造単位又は上記(13)で表される構造単位に加えて、さらに上記(7)で表される構造単位又は上記(8)で表される構造単位を有していてもよい。
本実施形態に係る重合体としては、式(14)〜(26)で表される構造を有するものが好ましい。なお、式(14)〜(26)中の各符号は、いずれも上記で説明した同一符号とそれぞれ同義である。R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の基を示す。k及びk’は、それぞれ独立に、1から6の整数を示す。R及びR10の具体例としては、上記R及びRで例示した基が挙げられる。複数あるR、R、R及びR10は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。なお、複数のR、R、R及びR10がそれぞれ同じであると、重合体の製造が容易となるため、好ましい。
Figure 2013213180
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重合体の末端基としては、例えば、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アミノ基、アリール基、1価の複素環基(これらの基に結合している水素原子の一部又は全部はフッ素原子と置換されていてもよい)、α−フルオロケトン構造を有する基や、その他の電子供与性の基及び電子求引性の基が挙げられる。なかでも、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及び1価の複素環基が好ましい。また、末端基は、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有するものも好ましい。このような末端基としては、例えば、主鎖と炭素−炭素結合を介して結合したアリール基及び1価の複素環基が挙げられる。
さらに、重合体の末端基としては、重合活性基も挙げられる。末端基として重合活性基を有している場合、その重合体は、さらに高分子量の重合体を得るための前駆体として用いることもできる。このような前駆体として用いる場合、重合体は、分子内に2つの重合活性基を有していることが好ましい。
重合活性基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルキルスタンニル基、アリールスタンニル基、アリールアルキルスタンニル基、ホウ酸エステル残基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸残基(−B(OH)で表される基)、ホルミル基、ビニル基が例示される。なかでも、ハロゲン原子、アルキルスタンニル基、ホウ酸エステル残基が好ましい。ここで、ホウ酸エステル残基とは、ホウ酸エステルにおけるホウ素原子が有する結合手の1つが結合手に置き換えられた構造を有する1価の基であり、例えば、下記式(100)〜(103)で表される基が挙げられる。
Figure 2013213180
上記の反応性基のうち、アルキル基をその構造中に含む基である、アルキルスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルキルスタンニル基、アリールアルキルスタンニル基におけるアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましい。また、アリール基をその構造中に含む基である、アリールスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アリールスタンニル基、アリールアルキルスタンニル基におけるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のあるきるアリール基が更に好ましい。
なお、本発明の重合体を有機薄膜として用いる場合、末端基として重合活性基がそのまま残っていると、有機薄膜素子を形成したときの素子特性や耐久性が低下するおそれがあることから、重合活性基は安定な基で置換していてもよい。
本発明の重合体としては、下記一般式(27)〜(37)で表される構造を有するものが、より高いホール輸送性及び優れた溶媒への溶解性を両立させ得ることから特に好適である。
Figure 2013213180
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Figure 2013213180
Figure 2013213180
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上記式(27)〜(37)中、R及びR00は、それぞれ独立に、上述した末端基を示し、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基が好ましい。R、R、R、R、R、R、R及びR10は、上記と同義であり、R、R、R、R、R、R、R及びR10が複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、j及びj’は1〜6の整数を示し、pは1以上の整数を示す。pは、重合体を用いた有機薄膜の形成方法に応じて適宜選ぶことができる。すなわち、重合体が昇華性を有しているのであれば、真空蒸着法等の気相成長法を用いて有機薄膜にすることができることから、この場合、pは2〜10が好ましく、2〜5が更に好ましい。一方、重合体を有機溶媒に溶解した溶液を塗布する方法により有機薄膜を形成する場合、pは、3〜500が好ましく、6〜300がより好ましく、20〜200が更に好ましい。
そして、上述した重合体は、塗布により有機薄膜を形成したときの膜の均一性が良好であるので、ポリスチレン換算の数平均分子量が、1×10〜1×10であると好ましく、1×10〜1×10であるとより好ましく、4×10〜1×10であると更に好ましい。
[重合体の製造方法]
次に、上述した実施形態の重合体の製造方法について説明する。重合体は、どのような方法により製造されたものであってもよいが、以下に説明する製造方法により製造することが好ましい。
すなわち、本実施形態に係る重合体は、下記式(1−m)、下記式(3−m)、下記式(4−m)又は下記式(5−m)で表されるモノマー化合物と、下記式(2−m)又は下記式(6−m)で表されるモノマー化合物と、必要に応じて下記式(7−m)又は下記式(8−m)で表されるモノマー化合物とを反応させることにより、製造することが好ましい。この場合、ひとつのモノマー化合物におけるV及びVが、別のモノマー化合物におけるV又はVとそれぞれ反応して結合が生じ、このような反応が連続して生じることにより重合体が生成する。なお、式(1−m)、式(3−m)、式(4−m)又は式(5−m)で表されるモノマー化合物は、それぞれ式(1)、式(3)、式(4)又は式(5)で表される構造単位に対応し、式(2−m)又は式(6−m)で表されるモノマー化合物は、それぞれ式(2)又は式(6)に対応し、式(7−m)又は式(8−m)で表されるモノマー化合物は、それぞれ式(7)又は式(8)で表される構造単位に対応する。
Figure 2013213180

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また、本実施形態に係る重合体は、上記モノマー化合物を原料として反応させることにより合成中間体を得た後、当該合成中間体をさらに反応させることにより製造することもできる。合成中間体としては、下記式(11−m)、下記式(12−m)又は式(13−m)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2013213180

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Figure 2013213180
式(1−m)、(2−m)、(3−m)、(4−m)、(5−m)、(6−m)、(7−m)、(8−m)、(11−m)、(12−m)及び(13−m)中、X、X、Y、R、R、R、R、R、R、R、R、W、W、Z、Z、Z、Z、Z、Ar、Ar、Ar、Ar、s及びtは、上記と同義であり、R、R、Ar及びZが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。なお、複数のR、R、Ar及びZがそれぞれ同じであると、重合体の製造が容易となるため、好ましい。
及びVは、それぞれ独立に、重合反応性基を示す。重合反応性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルキルスタンニル基、アリールスタンニル基、アリールアルキルスタンニル基、ホウ酸エステル残基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸残基、ホルミル基、ビニル基が挙げられる。
上記モノマー化合物の合成がし易く、かつ、反応がし易いので、V及びVは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアルキルスルホニル基、アルキルスタンニル基、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基が好ましい。重合反応性基がこれらの基であると、モノマー化合物同士の反応は生じ易いので、合成上有利である。
重合体の製造方法としては、例えば、Wittig反応を用いる方法、Heck反応を用いる方法、Horner−Wadsworth−Emmons反応を用いる方法、Knoevenagel反応を用いる方法、Suzukiカップリング反応を用いる方法、Grignard反応を用いる方法、Stille反応を用いる方法、Ni(0)触媒を用いる方法、FeCl等の酸化剤を用いる方法、電気化学的な酸化反応を用いる方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体化合物の分解による方法が挙げられる。
これらのうち、Wittig反応を用いる方法、Heck反応を用いる方法、Horner−Wadsworth−Emmons反応を用いる方法、Knoevenagel反応を用いる方法、Suzukiカップリング反応を用いる方法、Grignard反応を用いる方法、Stille反応を用いる方法及びNi(0)触媒を用いる方法が、重合体の構造を制御し易いので好ましい。さらに、Suzukiカップリング反応を用いる方法、Grignard反応を用いる方法、Stille反応を用いる方法、Ni(0)触媒を用いる方法は、原料を入手しやすく、かつ、反応操作が簡便であるのでより好ましい。
上記式(1−m)、(2−m)、(3−m)、(4−m)、(5−m)、(6−m)、(7−m)、(8−m)、(11−m)、(12−m)及び(13−m)で表されるモノマー化合物は、必要に応じて有機溶媒に溶解させた状態で、アルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で反応させることができる。
反応に用いられる有機溶媒は、用いるモノマー化合物や反応の種類によっても異なるが、副反応を抑制するために、十分に脱酸素処理が施されていることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の不飽和炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。また、有機溶媒に代えて、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸を用いてもよい。
アルカリや適当な触媒を添加する場合、これらは生じさせる反応に応じて選択すればよい。アルカリや触媒としては、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。
また、反応は、不活性雰囲気下で進行させることが好ましい。さらに、同様に、反応中には、脱水処理を行うことが好ましい(ただし、Suzukiカップリング反応等の水との2相系での反応の場合にはその限りではない。)。
反応後には、例えば水で反応を止めた後に有機溶媒を用いた抽出を行い、その後溶媒を留去する等の通常の後処理を行うことにより、重合体を得ることができる。得られた重合体の単離及び精製は、クロマトグラフィによる分取や再結晶等の方法により行うことができる。
なお、重合体を有機薄膜素子用の材料として用いる場合は、その純度が素子特性に影響を与えることがあるので、反応前の各モノマー化合物を蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製した後に反応させる(重合させる)ことが好ましい。重合体を合成した後には、再沈澱、クロマトグラフィによる分別等の純化処理をすることが好ましい。純度を高めて良好な素子特性を得るために、上述した製造方法で得られた重合体を、さらに蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で純化処理することが好ましい。
なお、上記の例では、式(1)、式(3)、式(4)又は式(5)で表される構造単位、式(2)又は式(6)で表される構造単位及び任意の式(7)又は式(8)で表される構造単位を有する重合体の製造方法を例に挙げて説明したが、これら以外の構造単位を有する重合体も、モノマー化合物を適宜選択することにより、上記反応と同様にして製造することができる。
[組成物]
次に、好適な実施形態に係る組成物について説明する。本実施形態に係る組成物は、上述した好適な実施形態の重合体を含む。
組成物は、本実施形態に係る重合体の1種類を単独で含むものであってもよく、2種類以上を組み合わせて含むものであってもよい。また、組成物は、その用途に合わせて、成分を適宜変更することができる。以下、本実施形態に係る重合体を好適に用いることができる有機薄膜製造用組成物について説明する。
有機薄膜製造用組成物は、有機薄膜の電子輸送性又はホール輸送性を高めるため、電子輸送性を有する低分子化合物又は高分子化合物(以下、「電子輸送性材料」という。)、ホール輸送性を有する低分子化合物又は高分子化合物(以下、「ホール輸送性材料」という。)を混合して含むものであると好ましい。
ホール輸送性材料としては、公知のものが使用できる。その具体例としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリアリールジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリアリーレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体が挙げられる。
電子輸送性材料としては、公知のものが使用できる。その具体例としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体又は8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、C60等のフラーレン類及びその誘導体が挙げられる。
有機薄膜製造用組成物がホール輸送性材料及び/又は電子輸送性材料を含む場合のその含有量は、所望の性質に合わせて適宜調整することができるが、例えば本実施形態に係る重合体100質量部に対して、1〜1000質量部であると好ましく、10〜300質量部であるとより好ましい。
有機薄膜製造用組成物は、有機薄膜中で吸収した光により電荷を発生させるために、電荷発生材料を含んでいてもよい。電荷発生材料としては、公知のものが使用できる。その具体例としては、アゾ化合物及びその誘導体、ジアゾ化合物及びその誘導体、無金属フタロシアニン化合物及びその誘導体、金属フタロシアニン化合物及びその誘導体、ペリレン化合物及びその誘導体、多環キノン系化合物及びその誘導体、スクアリリウム化合物及びその誘導体、アズレニウム化合物及びその誘導体、チアピリリウム化合物及びその誘導体、C60等のフラーレン類及びその誘導体が挙げられる。
有機薄膜製造用組成物が電荷発生材料を含む場合のその含有量は、所望の性質に合わせて適宜調整することができるが、例えば本実施形態に係る重合体100質量部に対して、1〜1000質量部であると好ましく、10〜300質量部であるとより好ましい。
有機薄膜製造用組成物は、種々の機能を発現させるために必要なその他の材料を含んでいてもよい。その他の材料としては、例えば、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、安定性を増すための安定化剤、紫外(UV)光を吸収するためのUV吸収剤等が挙げられる。
有機薄膜製造用組成物は、機械的特性を高めることができるので、本実施形態に係る重合体以外の高分子材料を高分子バインダーとして含んでいてもよい。高分子バインダーとしては、電子輸送性又はホール輸送性を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好ましく用いられる。
このような高分子バインダーとしては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンが例示される。
有機薄膜製造用組成物は、成膜し易くするために、溶媒に溶解させて溶液として用いることもできる。溶媒としては、本実施形態に係る重合体やこれと混合する電子輸送性材料、ホール輸送性材料、電荷発生材料、高分子バインダーを溶解させるものであればよい。例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類系溶媒が例示される。本実施形態に係る重合体は、その構造や分子量にもよるが、通常これらの溶媒に0.1質量%以上溶解させることができる。溶媒に溶解させる重合体の量の上限は特に限定されないが、例えば10質量%以下とすることができる。
[有機薄膜]
次に、好適な実施形態に係る有機薄膜について説明する。本実施形態に係る有機薄膜は、上述した好適な実施形態の重合体、または上述した好適な実施形態の有機薄膜製造用組成物を含む。
有機薄膜は、厚さが1nm〜100μmであると好ましく、2nm〜1000nmであるとより好ましく、5nm〜500nmであると更に好ましく、20nm〜200nmであると特に好ましい。
本実施形態に係る有機薄膜の製造方法としては、例えば、本実施形態に係る重合体のほか、必要に応じて混合する電子輸送性材料、ホール輸送性材料、電荷発生材料、高分子バインダーを溶媒に溶解させて、得られた溶液を用いて成膜する方法が挙げられる。また、本実施形態に係る重合体が昇華性を有する場合は、真空蒸着法により薄膜を形成することもできる。
溶液を用いた成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができる。これらのうち、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法及びキャピラリーコート法が好ましい。
有機薄膜を製造する工程には、本実施形態に係る重合体を配向させる工程が含まれていてもよい。この工程により重合体を配向させることで、主鎖分子又は側鎖分子が一方向に並ぶので、有機薄膜による電子移動度又はホール移動度が向上する。
本実施形態に係る重合体を配向させる方法としては、液晶の配向手法として知られている方法を用いることができる。なかでも、ラビング法、光配向法、シェアリング法(ずり応力印加法)や引き上げ塗布法が配向手法として簡便かつ有用で利用しやすく、ラビング法、シェアリング法がより好ましい。
また、有機薄膜を製造する工程には、成膜後にアニール処理をする工程が含まれていてもよい。この工程により、本実施形態に係る重合体間の相互作用が促進される等、有機薄膜の膜質が改善され、電子移動度又はホール移動度が更に向上する。アニール処理の処理温度としては、50℃から本実施形態に係る重合体のガラス転移温度(Tg)付近の間の温度が好ましく、(Tg−30℃)からTgの間の温度がより好ましい。アニール処理する時間としては、1分から10時間が好ましく、10分から1時間がより好ましい。アニール処理する雰囲気としては、真空中又は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中が好ましい。
本実施形態に係る有機薄膜は、電荷輸送性(特に、優れたホール輸送性)を有することから、電極から注入された電荷又は光吸収により発生した電荷を輸送制御することにより、有機薄膜トランジスタ、有機薄膜太陽電池、光センサ等、種々の有機薄膜素子に用いることができる。有機薄膜をこれらの有機薄膜素子に用いる場合は、配向処理により配向させて用いることが、高い電荷輸送性が得られることからより好ましい。
[有機薄膜素子]
上述した好適な実施形態に係る有機薄膜は、本実施形態に係る重合体を含むことから、優れた電荷輸送性(特に、優れたホール輸送性)を有するものである。したがって、この有機薄膜は、電極等から注入された電荷又は光吸収により発生した電荷を効率よく輸送できるものであり、有機薄膜を用いた各種の電気素子(有機薄膜素子)に応用することができる。以下、有機薄膜素子の例についてそれぞれ説明する。
(有機薄膜トランジスタ)
まず、好適な実施形態に係る有機薄膜トランジスタについて説明する。有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となり本実施形態に係る重合体を含む活性層(即ち、有機薄膜層)、電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を備えた構造であればよい。有機薄膜トランジスタとしては、電界効果型、静電誘導型が例示される。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となり本実施形態に係る重合体を含む活性層、電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、活性層とゲート電極との間に配置される絶縁層を備えることが好ましい。特に、ソース電極及びドレイン電極が、本実施形態に係る重合体を含む活性層に接して設けられており、さらに活性層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが好ましい。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となり本実施形態に係る重合体を含有する活性層、並びに電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を有し、該ゲート電極が活性層中に設けられていることが好ましい。特に、ソース電極、ドレイン電極及び活性層中に設けられたゲート電極が、本実施形態に係る重合体を含有する活性層に接して設けられていることが好ましい。ゲート電極の構造としては、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成され、かつゲート電極に印加した電圧で電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、櫛形電極が挙げられる。
図1は第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図1に示す有機薄膜トランジスタ100は、基板1と、基板1上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4を備えるものである。
図2は第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図2に示す有機薄膜トランジスタ110は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を覆うようにして基板1上に形成された活性層2と、ソース電極5と所定の間隔を持って活性層2上に形成されたドレイン電極6と、活性層2及びドレイン電極6上に形成された絶縁層3と、ソース電極5とドレイン電極6との間の絶縁層3の領域を覆うように絶縁層3上に形成されたゲート電極4を備えるものである。
図3は、第3の実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図3に示す有機薄膜トランジスタ120は、基板1と、基板1上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を一部覆うようにして活性層2上に形成された絶縁層3と、ソース電極5が下部に形成されている絶縁層3の領域とドレイン電極6が下部に形成されている絶縁層3の領域とをそれぞれ一部覆うように、絶縁層3上に形成されたゲート電極4を備えるものである。
図4は第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図4に示す有機薄膜トランジスタ130は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を一部覆うように、絶縁層3上に所定の間隔を持って形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6を一部覆うように絶縁層3上に形成された活性層2を備えるものである。
図5は第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図5に示す有機薄膜トランジスタ140は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を一部覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ソース電極5を一部覆うようにして絶縁層3上に形成された活性層2と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6を備えるものである。
図6は第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(電界効果型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図6に示す有機薄膜トランジスタ150は、基板1と、基板1上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4を覆うようにして基板1上に形成された絶縁層3と、ゲート電極4が下部に形成されている絶縁層3の領域を覆うように形成された活性層2と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように絶縁層3上に形成されたソース電極5と、ゲート電極4が下部に形成されている活性層2の領域を一部覆うように、ソース電極5と所定の間隔を持って絶縁層3上に形成されたドレイン電極6を備えるものである。
図7は第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタ(静電誘導型有機薄膜トランジスタ)の模式断面図である。図7に示す有機薄膜トランジスタ160は、基板1と、基板1上に形成されたソース電極5と、ソース電極5上に形成された活性層2と、活性層2上に所定の間隔を持って複数形成されたゲート電極4と、ゲート電極4の全てを覆うようにして活性層2上に形成された活性層2a(活性層2aを構成する材料は、活性層2と同一でも異なっていてもよい)と、活性層2a上に形成されたドレイン電極6を備えるものである。
第1〜第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタにおいては、活性層2及び/又は活性層2aは、本実施形態に係る重合体を含有しており、ソース電極5とドレイン電極6の間の電流通路(チャネル)となる。また、ゲート電極4は、電圧を印加することにより活性層2及び/又は活性層2aにおける電流通路(チャネル)を通る電流量を制御する。
このような電界効果型有機薄膜トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。また、静電誘導型有機薄膜トランジスタは、公知の方法、例えば特開2004−006476号公報記載の方法により製造することができる。
基板1としては有機薄膜トランジスタとしての特性を阻害しなければよく、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板を用いることができる。
活性層2を形成する際には、有機溶媒に可溶な化合物を用いることが、製造上有利であるため好ましい。その場合、上記で説明した有機薄膜の製造方法を適用して、活性層2となる有機薄膜を形成することができる。
活性層2に接した絶縁層3としては、電気の絶縁性が高い材料であればよく、公知のものを用いることができる。例えば、SiOx,SiNx、Ta、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、有機ガラス及びフォトレジストが挙げられる。低電圧化できるので、誘電率の高い材料の方が好ましい。
絶縁層3の上に活性層2を形成する場合は、絶縁層3と活性層2の界面特性を改善するため、シランカップリング剤等の表面処理剤で絶縁層3の表面を処理して表面改質した後に活性層2を形成することも可能である。表面処理剤としては、例えば、長鎖アルキルクロロシラン類、長鎖アルキルアルコキシシラン類、フッ素化アルキルクロロシラン類、フッ素化アルキルアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシリルアミン化合物が挙げられる。表面処理剤で処理する前に、絶縁層表面をオゾンUV、Oプラズマで処理をしておくことも可能である。
また、有機薄膜トランジスタを作製後、素子を保護するために有機薄膜トランジスタ上に保護膜を形成することが好ましい。これにより、有機薄膜トランジスタが、大気から遮断され、有機薄膜トランジスタの特性の低下を抑えることができる。また、保護膜により有機薄膜トランジスタの上に、有機薄膜トランジスタにより駆動する表示デバイスを形成する工程における外部からの影響を低減することができる。
保護膜を形成する方法としては、例えば、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂又は無機のSiONx膜でカバーする方法が挙げられる。大気との遮断を効果的に行うため、有機薄膜トランジスタを作製後、保護膜を形成するまでの工程を大気に曝すことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中又は真空中で)行うことが好ましい。
有機薄膜トランジスタを複数集積することにより有機薄膜トランジスタアレイを構成することができ、フラットパネルディスプレイのバックプレーンとして用いることもできる。
(有機薄膜太陽電池)
次に、好適な実施形態の有機薄膜太陽電池への応用について説明する。図8は、好適な実施形態に係る有機薄膜太陽電池の模式断面図である。図8に示す有機薄膜太陽電池200は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された本実施形態に係る重合体を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
本実施形態に係る有機薄膜太陽電池においては、第1の電極7a及び第2の電極7bの少なくとも一方に透明又は半透明の電極を用いる。電極材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属又はそれらの半透明膜、透明導電膜を用いることができる。高い開放電圧を得るためには、それぞれの電極として、仕事関数の差が大きくなるように選ばれることが好ましい。活性層2中には光感度を高めるために電荷発生剤、増感剤等を添加して用いることができる。基板1としては、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。
有機薄膜太陽電池の動作機構を説明する。透明又は半透明の電極から入射した光エネルギーがアクセプター性化合物及び/又はドナー性化合物で吸収され、電子とホールの結合した励起子を生成する。生成した励起子が移動して、アクセプター性化合物とドナー性化合物が隣接しているヘテロ接合界面に達すると、該界面での各々の化合物のHOMO及びLUMOのエネルギーの違いにより電子とホールが分離し、独立に動くことができる電荷が発生する。発生した電子は陰極へ、発生したホールは陽極へ移動することにより外部へ電気エネルギー(電流)として取り出すことができる。
このような動作機構を考慮すると光電変換効率の高い有機薄膜太陽電池を得るためには、所望の入射光のスペクトルを効率的に吸収することができる吸収域を有したアクセプター性化合物及び/又はドナー性化合物を用いること、励起子を効率よく分離するために有機薄膜太陽電池がヘテロ接合界面を多く含むこと、生成した電荷を速やかに電極へ輸送する電荷輸送性を有する材料を用いることが重要である。
本発明の有機薄膜太陽電池としては、第1の電極7a及び第2の電極7bの少なくとも一方の電極と該素子中の活性層2との間に付加的な層を設けてもよい。付加的な層としては、例えば、ホール又は電子を輸送する電荷輸送層、電極と有機層を隔離するためのバッファ層が挙げられる。
具体的には、図8に示す有機薄膜太陽電池200において、アクセプター性化合物及びドナー性化合物を含有する活性層2と上記一対の電極のうちの一方又は両方との間にバッファ層を有する上記有機薄膜太陽電池が好ましい。
有機薄膜太陽電池は、透明又は半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。本発明の重合体は、優れたホール輸送性を有することからドナー性化合物として機能する。
(光センサ)
次に、本実施形態に係る有機薄膜の光センサへの応用を説明する。図9は、第1実施形態に係る光センサの模式断面図である。図9に示す光センサ300は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された本実施形態に係る重合体を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された電荷発生層8と、電荷発生層8上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
図10は、第2実施形態に係る光センサの模式断面図である。図10に示す光センサ310は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された電荷発生層8と、電荷発生層8上に形成された本実施形態に係る重合体を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
図11は、第3実施形態に係る光センサの模式断面図である。図11に示す光センサ320は、基板1と、基板1上に形成された第1の電極7aと、第1の電極7a上に形成された本実施形態に係る重合体を含有する有機薄膜からなる活性層2と、活性層2上に形成された第2の電極7bと、を備えるものである。
第1〜第3実施形態に係る光センサにおいては、第1の電極7a及び第2の電極7bの少なくとも一方に透明又は半透明の電極を用いる。電荷発生層8は光を吸収して電荷を発生する層である。電極材料としては、アルミニウム、金、銀、銅、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属又はそれらの半透明膜、透明導電膜を用いることができる。活性層2中には光感度を高めるためにキャリア発生剤、増感剤等を添加して用いることができる。また基板1としては、シリコン基板、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例においては、例えば式Aで表される化合物を「化合物A」と表記することとし、式B〜Pで表される化合物についても同様に表記する。
[測定条件等]
まず、後述する実験において行った各測定の条件について説明する。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、JEOL(日本電子株式会社)製の商品名JMN−270(H測定時400MHz)を用いて測定した。ケミカルシフトは百万分率(ppm)で表している。内部標準0ppmには、テトラメチルシラン(TMS)を用いた。結合定数(J)は、ヘルツで示しており、略号s、d、t、q、m及びbrは、それぞれ、一重線(singlet)、二重線(doublet)、三重線(triplet)、四重線(quartet)、多重線(multiplet)及び広幅線(broad)を表す。マイクロウェーブ照射下での反応は、Biotage AB社製のInitiatorTM Ver.2.5を用い、出力400W、2.45GHzで行った。
カラムクロマトグラフィにおけるシリカゲルは、関東化学株式会社製の商品名Silicagel 60N(40〜50μm)を用いた。全ての化学物質は、試薬級であり、和光純薬工業株式会社、東京化成工業株式会社、関東化学株式会社、ナカライテスク株式会社、シグマアルドリッチジャパン株式会社又はダイキン化成品株式会社より購入した。
化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による精製では、GPCシステムCO−8020(東ソー株式会社製)を用いた。
ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、日立ハイテクノロジーズ社製の日立高速液体クロマトグラフシステム(L-2420/L-2130)に、GPC用充填カラム(shodex K-803L)を装着して測定した。分子量分布(PDI)は、Mw/Mnの関係式から求めた。
吸収スペクトル測定は、磁気分光光度計(UV-3100PC:(株)島津製作所製)を用い、スリット幅1mmの条件で測定した。溶液の吸収スペクトル測定は、重合体を1×10-6mol/Lのクロロベンゼン溶液となるように調製し、セル幅1cmの石英セルを用いて行った。薄膜の吸収スペクトルは、重合体の薄膜を石英基板上に成膜して行った。吸収スペクトルのピークとなる波長をλmaxとし、薄膜吸収スペクトルの吸収端波長(λc)から光学ギャップエネルギー(Eg)をEg(eV)=1240/λc(nm)の関係式から求めた。
<化合物Cの合成>
窒素雰囲気下、反応容器に化合物A(1g,3.03mmol)、塩化チオニル(SOCl)(2.16g,18.2mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)(触媒量)を入れて、70℃で1時間攪拌を行った。SOClを減圧留去した後、ジクロロメタン(10mL)に溶かして0℃で塩化アルミニウム(AlCl)、化合物Bを順に加えて2時間攪拌した。水洗しクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒を留去し、真空乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、黄色の固体(化合物C)を得た(収量:1.06g、収率:65%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=8.06(s,2H),2.75(t,4H),1.69−1.61(m,4H),1.45−1.24(m,12H),0.91(t,6H).
Figure 2013213180
実施例1
<重合体Eの合成>
化合物Dを、文献(J. Hou et al. J. Am. Chem. Soc., 2008, 130, 16144.)に記載の方法で合成した。ふた付き試験管に化合物C(108mg,0.2mmol)、化合物D(150mg,0.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))(3.6mg,0.004mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(4.8mg,0.016mmol)、クロロベンゼン(2mL)を入れ、アルゴンで置換した後、microwave(200℃,30分)照射下で反応を行った。溶媒を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒クロロホルム)で分離精製を行った。さらに、メタノール、ヘキサン、クロロホルムの順にSoxhletで分離精製し、深青色固体(重合体E)を得た(収量:120mg、収率:75%)。
Mn=19500 PDI=1.46 λmax=610nm
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=8.18(br,2H),7.94(br,2H),2.80(br,4H),1.80−0.70(br,56H).
Figure 2013213180
<化合物Gの合成>
窒素雰囲気下、反応容器に化合物A(1g,3.03mmol)、塩化チオニル(SOCl)(2.16g,18.2mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)(触媒量)を入れて、70℃で1時間攪拌を行った。SOClを減圧留去した後、ジクロロメタン(10mL)に溶かして0℃で塩化アルミニウム(AlCl)、化合物Fを順に加えて2時間攪拌した。水洗しクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒を留去し、真空乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、黄色の固体(化合物G)を得た。(収量:1.12g、収率:76%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=8.04(s,2H),2.74(t,4H),1.66−1.55(m,4H),1.47−1.38(m,4H),0.94(t,6H).
Figure 2013213180
実施例2
<重合体Hの合成>
ふた付き試験管に化合物G、化合物D、(Pd(dba))、トリ−o−トリルホスフィン、クロロベンゼンを入れ、アルゴンで置換した後、microwave(200℃,30分)照射下で反応を行う。溶媒を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶媒クロロホルム)で分離精製を行う。さらに、メタノール、ヘキサン、クロロホルムの順にSoxhletで分離精製し、重合体Hを得る。
Figure 2013213180
<化合物Jの合成>
窒素雰囲気下、反応容器に化合物A(1g,3.03mmol)、SOCl (2.16g,18.2mmol)、DMF(触媒量)を入れて、70℃で1時間攪拌を行った。SOClを減圧留去した後、ジクロロメタン(10mL)に溶かして0℃でAlCl、化合物Iを順に加えて2時間攪拌した。水洗しクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒を留去し、真空乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、黄色の固体Jを得た(収量:1.30g、収率:71%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=4.35(s,4H),1.79−1.74(m,4H),1.4−1.2(m,20H),0.89(t,6H).
Figure 2013213180
実施例3
<重合体Kの合成>
ふた付き試験管に化合物J、化合物D、Pd(dba)、トリ−o−トリルホスフィン、クロロベンゼンを入れ、アルゴンで置換した後、microwave(200℃,30分)照射下で反応を行う。カラムクロマトグラフィ(溶媒クロロホルム)で分離精製を行った後、さらに、メタノール、ヘキサン、クロロホルムの順にSoxhletで分離精製し、重合体Kを得る。
Figure 2013213180
実施例4
<重合体Mの合成>
化合物Lを、文献(C J. Kudla, D Dolfen, K J.Schottler, J-M Koenen, D Breusov, SAllard, U Scherf. Macromolecules, 2010, 43, 7864-7867)に記載の方法で合成する。
ふた付き試験管に化合物G、化合物L、Pd(dba)、トリ−o−トリルホスフィン、クロロベンゼンを入れ、アルゴンで置換した後、microwave(200℃,30分)照射下で反応を行う。カラムクロマトグラフィ(溶媒クロロホルム)で分離精製を行った後、さらに、メタノール、ヘキサン、クロロホルムの順にSoxhletで分離精製し、重合体Mを得る。
Figure 2013213180
実施例5
<重合体Nの合成>
ふた付き試験管に化合物C、化合物L、Pd(dba)、トリ−o−トリルホスフィン、クロロベンゼンを入れ、アルゴンで置換した後、microwave(200℃,30分)照射下で反応を行う。カラムクロマトグラフィ(溶媒クロロホルム)で分離精製を行った後、さらにメタノール、ヘキサン、クロロホルムの順にSoxhletで分離精製し、重合体Nを得る。
Figure 2013213180
実施例6
<重合体Oの合成>
ふた付き試験管に化合物J、化合物L、Pd(dba)、トリ−o−トリルホスフィン、クロロベンゼンを入れ、アルゴンで置換した後、microwave(200℃,30分)照射下で反応を行う。カラムクロマトグラフィ(溶媒クロロホルム)で分離精製を行った後、さらに、メタノール、ヘキサン、クロロホルムの順にSoxhletで分離精製し、重合体Oを得る。
Figure 2013213180
実施例7
<有機薄膜素子1の作製及び太陽電池特性の評価>
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(スタルクヴイテック(株)製、Baytron(登録商標)PAI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した後、スピンコートにより44nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、実施例1で合成した重合体E及びフラーレンC70PCBM(フェニルC71−酪酸メチルエステル)(phenyl C71-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製)(重合体E/C70PCBMの重量比=1/2)を混合し、オルトジクロロベンゼンに溶解(重合体EとC70PCBMとの重量の合計は2.0重量%)して塗布液を調製した。該塗布液を用い、スピンコートにより基板上に塗布して、重合体Eを含む有機薄膜を堆積させた(膜厚約100nm)。このようにして作製した有機薄膜の光吸収末端波長は770nmであった。その後、有機薄膜上に真空蒸着機によりカルシウムを厚さ8nmで蒸着し、次いでAlを厚さ100nmで蒸着した。得られた有機薄膜素子1の形状は、2mm×2mmの正四角形であった。得られた有機薄膜素子1にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO−SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)=11.36mA/cm、Voc(開放端電圧)=0.90V、ff(フィルファクター(曲線因子))=0.48、光電変換効率(η)=4.9%と、良好な太陽電池特性が得られた。
実施例8
<有機薄膜素子2の作製及びトランジスタ特性の評価>
ゲート電極としての高濃度にドープされたp型シリコン基板の表面に、300nmのシリコン酸化膜を熱酸化により絶縁膜として形成した基板を準備した。この基板の上に、リフトオフ法により、チャネル幅2mm、チャネル長20μmのソース電極及びドレイン電極を形成した。電極付き基板をアセトンで10分間、次いでイソプロピルアルコールで10分間超音波洗浄した後、オゾンUVを20分間照射し表面を洗浄した。表面洗浄した電極付き基板上に、β−フェニルトリクロロシラン(β−PTS)(信越化学製LP−1990)のトルエン希釈溶液(β−PTS/トルエン:0.2mL/10mL)を滴下した後、スピンコーターでスピンして基板表面をSAM処理した。さらにトルエンを滴下、スピンコートすることにより余分なβ−PTSを洗い流し、表面処理された電極付き基板を作製した。実施例1で合成した重合体Eを用いてクロロホルムに0.5質量%の濃度で溶解させたところ、重合体Eは、クロロホルムに完全に溶解し、有機溶媒に溶解可能であることを確認できた。この溶液を、表面処理した上記基板上にスピンコート法により回転数1500rpmで、1分間かけて塗布するともに乾燥して、重合体Eの有機薄膜を堆積させた(膜厚約100nm)。その後、窒素雰囲気で170℃にて30分間アニール処理をし、有機薄膜素子2を得た。半導体パラメータアナライザー(keithley社製、商品名「4200−SCS」)を用いて、真空中でゲート電圧Vg及びソース−ドレイン間電圧Vsdを+20〜−40Vの範囲で変化させながら、有機薄膜素子2の有機トランジスタ特性を測定したところ、良好なp型半導体のドレイン電流(Id)−ゲート電圧(Vg)特性が得られた。このときの移動度は7.9×10−4cm/Vsであり、しきい値電圧は−1.7Vであり、オン/オフ比は約10であり、いずれも良好であった。このことから、有機薄膜素子2は、p型有機トランジスタとして有効に機能することが確認された。また、このことから、重合体Eは優れたホール輸送性を有し、有機p型半導体として利用可能であることが確認された。
比較例1
<有機薄膜素子C1の作製及び太陽電池特性の評価>
重合体Eの代わりにポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT:アルドリッチ製)を用いたほかは実施例7と同じ条件で、有機薄膜素子C1を作製した。なお、P3HTを含む有機薄膜の膜厚は115nmであり、有機薄膜の光吸収末端波長は660nmであった。得られた有機薄膜素子C1に実施例7と同様にしてソーラシミュレーターを用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)=4.09mA/cm、Voc(開放端電圧)=0.67V、ff(フィルファクター(曲線因子))=0.44、光電変換効率(η)=1.2%と、実施例7の有機薄膜素子1よりも低い特性であった。
比較例2
<有機薄膜素子C2の作製及び太陽電池特性の評価>
重合体Eの代わりにpoly[2,6-(4,4'-bis(2-ethylhexyl)dithieno[3,2-b:2',3'-d]silole)-alt-4,7(2,1,3-benzothiadiazole)](PSBTBT:Luminescence Technology Corporation製:LT-S951)を用いたほかは実施例7と同じ条件で、有機薄膜素子C2を作製した。なお、PSBTBTを含む有機薄膜の膜厚は111nmであり、有機薄膜の光吸収末端波長は860nmであった。得られた有機薄膜素子C2に実施例7と同様にしてソーラシミュレーターを用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)=9.61mA/cm、Voc(開放端電圧)=0.66V、ff(フィルファクター(曲線因子))=0.42、光電変換効率(η)=2.7%と、実施例7の有機薄膜素子1よりも低い特性であった。
<化合物Qの合成>
窒素雰囲気下、反応容器に化合物A(1g,3.03mmol)、SOCl(2.16g,18.2mmol)、DMF(触媒量)を入れて、70℃で1時間攪拌を行った。SOClを減圧留去した後、ジクロロメタン(10ml)に溶かして0℃でAlCl及びG.barbarella,L.Favaretto, A.Bongini. J. Org. Chem. 1998, 63, 5497に記載の方法で合成した化合物P(1.15g,4.55mmol)を順に加えて2時間攪拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、黄色固体の化合物Qを得た(収量:1.23g、収率:74%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=3.32(t,4H),1.75−1.69(m,4H),1.43−1.31(m,12H),0.89(t,6H).
Figure 2013213180
Figure 2013213180
実施例9
<重合体Rの合成>
ふた付き試験管に化合物Q(190mg,0.35mmol)及び化合物D(260mg,0.35mmol)、Pd(dba)(7mg,2%mol)、トリ−o−トリルホスフィン(9mg,8%mol)、トルエン(8ml,0.05M)を入れ、アルゴンで置換した後、120℃で二日間反応を行った。再沈殿を行った後、メタノール、ヘキサン、クロロホルムの順にSoxhletで分離精製し、黒色固体として重合体Rを得た(収量:240mg、収率:80%)。
Mn=19.8kg/mol PDI=1.51
λmax=581nm(in solution)
λmax=599nm(in film)
Eg=1.72eV
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=7.78(br,2H),3.47(br,4H),1.80(Br,4H),1.52(Br,4H),1.39−1.25(br,30H),1.94−0.81(br,18H).
Figure 2013213180
実施例10
<有機薄膜素子3の作製及び太陽電池特性の評価>
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(スタルクヴイテック(株)製、Baytron(登録商標)PAI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した後、スピンコートにより44nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、実施例9で合成した重合体R及びC70PCBM(フェニルC71−酪酸メチルエステル)(phenyl C71-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製)(重合体R/C70PCBMの重量比=1/2)を混合し、オルトジクロロベンゼンに溶解(重合体EとC70PCBMとの重量の合計は2.0重量%)して塗布液を調製した。該塗布液を用い、スピンコートにより基板上に塗布して、重合体Rを含む有機薄膜を堆積させた(膜厚約80nm)。その後、有機薄膜上に真空蒸着機によりAlを厚さ100nmで蒸着した。得られた有機薄膜素子3の形状は、3mm×3mmの正四角形であった。得られた有機薄膜素子3にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO−SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)=7.71mA/cm、Voc(開放端電圧)=0.98V、ff(フィルファクター(曲線因子))=0.43、光電変換効率(η)=3.2%と、良好な太陽電池特性が得られた。
実施例11
<有機薄膜素子4の作製及び太陽電池特性の評価>
実施例10と同様にして、C70PCBMの代わりにC60PCBM(フェニルC61−酪酸メチルエステル)(phenylC61-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製)を用いて、重合体R及びC60PCBM(重合体R/C60PCBMの重量比=1/2)を含む有機薄膜を有した有機薄膜素子4を作製した。得られた有機薄膜素子4にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO−SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)=6.01mA/cm、Voc(開放端電圧)=0.98V、ff(フィルファクター(曲線因子))=0.46、光電変換効率(η)=2.70%と、良好な太陽電池特性が得られた。
<化合物Tの合成>
内部の気体をアルゴンで置換した300mLフラスコに、化合物S(2.00g,4.97mmol)及び脱水THF(80mL)を入れて均一な溶液とした。得られたTHF溶液を−78℃に冷却して保ち、1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(7.76mL,12.4mmol)を10分かけて滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で2時間攪拌した。その後、反応液を再び−78℃に冷却し、反応液にトリブチルスズクロリド(4.45g,13.7mmol)を加えた。添加後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で3時間攪拌した。その後、反応液に水(100mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチルを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。酢酸エチル溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過した後、ろ液の溶媒成分をエバポレーターで留去した。得られたオイル状の物質を展開溶媒としてヘキサンを用いたシリカゲルカラムで精製した。シリカゲルカラムは、あらかじめ5wt%のトリエチルアミンを含むヘキサンに5分間浸し、その後、ヘキサンですすいだシリカゲルを用いた。精製後、化合物Tを得た(収量:3.30g,収率:68%)。
Figure 2013213180
実施例12
<重合体Uの合成>
内部の気体をアルゴンで置換した100mLフラスコに、化合物T(125.0mg,0.127mmol)、化合物C(68.5mg,0.127mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィン(3.5mg,0.011mmol)及び脱水トルエン(5mL)を入れて均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.74mg,0.0019mmol)を加え、105℃で6時間攪拌し、反応液にフェニルブロミド(100mg)を加え、さらに105℃で3時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、メタノール(200mL)と濃塩酸(20mL)との混合溶液に注いだ。析出したポリマーをろ取して回収し、得られたポリマーを、円筒ろ紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトン及びヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。円筒ろ紙内に残ったポリマーを、o−ジクロロベンゼン(7mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.11g)と水(2.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を除去した後、有機層を水(50mL)で2回洗浄し、次いで、3wt%の酢酸水溶液(50mL)で2回洗浄し、最後に、水(50mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ取した後、乾燥し、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン7mLに再度溶解し、アルミナ/シリカゲルカラムで精製した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーをろ取した後、乾燥することによって重合体U(23mg)を得た。
Figure 2013213180
<化合物Wの合成>
内部の気体をアルゴンで置換した300mLフラスコに、化合物V(1.00g,1.59mmol)及び脱水THF(20mL)を入れて均一な溶液とした。得られたTHF溶液を−78℃に冷却して保ち、2.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.45mL,6.38mmol)を10分かけて滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で2時間攪拌した。その後、反応液を再び−78℃に冷却し、反応液にトリブチルスズクロリド(2.34g,7.18mmol)を加えた。添加後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で3時間攪拌した。その後、反応液に水(100mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチルを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。酢酸エチル溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、ろ液の溶媒成分をエバポレーターで留去した。得られたオイル状の物質を、オクタデシルシリル基を表面に結合させたシリカゲル(和光純薬製 Wakogel 100C18)を用いたカラムで精製した。展開溶媒としてはアセトニトリルとテトラヒドロフランの混合溶液を用いた。精製後、化合物Wを得た(収量:1.14g,収率:59%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=6.89(s,2H),1.79(t,4H),0.85−1.75(m,116H).
Figure 2013213180
<化合物Xの合成>
窒素気流雰囲気下、ジムロートを取付けた200mL3口フラスコに化合物A(3.0g,9.1mmol)、トルエン(150mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)を室温下にて仕込み、オキサリルクロリド(3.18mL,36mmol)を滴下し、1時間加熱還流した。還流後、室温まで冷却し、反応液をエバポレーターで濃縮し、脱水ジクロロメタン(100mL)を入れ、0℃まで冷却した。ジクロロメタン溶液に塩化アルミニウム(5.33g)をゆっくり加え、0℃で30分間攪拌した。反応液に、1,2−ジエチルベンゼン(1.49g)のジクロロメタン(20mL)溶液をシリンジでゆっくりと滴下し、0℃で1時間攪拌した後、室温まで昇温させ、さらに2時間攪拌した。その後、水を加え、炭酸水素ナトリウム水溶液で水層を中和し、有機層をクロロホルムで抽出し、有機層を水(50mL)で3回洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に、ろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、再結晶によって化合物Xを得た(収量:2.32g,収率:54%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)=8.09(s,2H),2.80(q,4H),1.31(t,6H).
Figure 2013213180
実施例13
<重合体Yの合成>
内部の気体をアルゴンで置換した100mLフラスコに、化合物W(200mg,0.166mmol)、化合物X(71.0mg,0.166mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィン(4.5mg,0.015mmol)及び脱水トルエン(30mL)を入れて均一溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.3mg,0.0025mmol)を加え、105℃で6時間攪拌し、反応液にフェニルブロミド(100mg)を加え、さらに105℃で3時間攪拌した。その後、反応液を室温まで冷却し、メタノール(200mL)と濃塩酸(20mL)との混合溶液に注いだ。析出したポリマーをろ取して回収し、得られたポリマーを、円筒ろ紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトン及びヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。円筒ろ紙内に残ったポリマーを、o−ジクロロベンゼン(7mL)に溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.11g)と水(2.0mL)を加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を除去した後、有機層を水(50mL)で2回洗浄し、次いで、3wt%の酢酸水溶液(50mL)で2回洗浄し、最後に、水(50mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ取した後、乾燥し、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン(7mL)に再度溶解し、アルミナ/シリカゲルカラムで精製した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーをろ取した後、乾燥することによって重合体Y(135mg)を得た。
Figure 2013213180
実施例14
<有機薄膜素子5の作製及びトランジスタ特性の評価>
重合体Eの代わりに重合体Yを用いたほかは実施例8と同じ条件で、有機薄膜素子5を作製した。なお、重合体Yを含む有機薄膜の膜厚は50nmであった。得られた有機薄膜素子5に実施例8と同様にして半導体パラメータアナライザー(keithley社製、商品名「4200−SCS」)を用いて、真空中でゲート電圧Vg及びソース−ドレイン間電圧Vsdを+20〜−40Vの範囲で変化させながら、有機薄膜素子2の有機トランジスタ特性を測定した。移動度は2.8×10−4cm/Vsであり、しきい値電圧は13.3Vであり、オン/オフ比は約10であり、いずれも良好であった。このことから、有機薄膜素子5は、p型有機トランジスタとして有効に機能することが確認された。また、このことから、重合体Yは優れたホール輸送性を有し、有機p型半導体として利用可能であることが確認された。
1…基板、2…活性層、2a…活性層、3…絶縁層、4…ゲート電極、5…ソース電極、6…ドレイン電極、7a…第1の電極、7b…第2の電極、8…電荷発生層、100…第1実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、110…第2実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、120…第3実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、130…第4実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、140…第5実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、150…第6実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、160…第7実施形態に係る有機薄膜トランジスタ、200…実施形態に係る有機薄膜太陽電池、300…第1実施形態に係る光センサ、310…第2実施形態に係る光センサ、320…第3実施形態に係る光センサ。

Claims (12)

  1. 式(1)で表される構造単位を少なくとも2つ有し、かつ、式(2)で表される構造単位を少なくとも1つ有する、重合体。
    Figure 2013213180

    [式中、
    及びXは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又は=C(A)で表される基(Aは、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、二つのAは互いに同一でも異なっていてもよい。)を示す。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜60の1価の複素環基を示す。また、R及びRは互いに結合して、これらが結合している環と縮合する炭化水素環又は複素環を形成していてもよく、該炭化水素環及び該複素環は置換基を有していてもよい。
    Arは、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の4価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数4〜60の4価の複素環基を示す。
    Yは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、チタン原子又はスズ原子を示す。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数1〜30のアルキル基を含む1価の非アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜60の1価の複素環基を示す。
    Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数6〜60の3価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜60の3価の複素環基を示す。]
  2. 前記式(1)で表される構造単位が、式(3)で表される構造単位である、請求項1に記載の重合体。
    Figure 2013213180

    [式中、
    、X、R及びRは、前記と同義である。
    は、式(i)で表される基、式(ii)で表される基、式(iii)で表される基、式(iv)で表される基、式(v)で表される基、式(vi)で表される基、式(vii)で表される基、式(viii)で表される基又は式(ix)で表される基を示す。]
    Figure 2013213180

    [式中、
    11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、R11とR12とは互いに結合して環を形成していてもよい。]
  3. 前記式(2)で表される構造単位が、式(6)で表される構造単位である、請求項1又は2に記載の重合体。
    Figure 2013213180

    [式中、
    Y、R及びRは、前記と同義である。
    及びWは、それぞれ独立に、−C(R’)=で表される基(R’は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の基を示す。)又は−N=で表される基を示す。
    及びZは、それぞれ独立に、式(xxi)で表される基、式(xxii)で表される基、式(xxiii)で表される基、式(xxiv)で表される基、式(xxv)で表される基、式(xxvi)で表される基、式(xxvii)で表される基、式(xxviii)で表される基又は式(xxix)で表される基を示す。]
    Figure 2013213180

    [式中、
    31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、R31とR32とは互いに結合して環を形成していてもよい。]
  4. 式(7)で表される構造単位を更に有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合体。
    Figure 2013213180

    [式中、
    Arは、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を示す。]
  5. 式(11)で表される構造単位を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合体。
    Figure 2013213180

    [式中、
    、X、Y、R、R、R、R、Ar、Ar、Ar及びArは、前記と同義である。
    s及びtは、それぞれ独立に、0から6の整数を示す。
    Arが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  6. 式(12)で表される構造単位を有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の重合体。
    Figure 2013213180

    [式中、
    、X、Y、R、R、R、R、W、W,Z、Z及びZは、前記と同義である。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は1価の基を示し、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよい。
    は、式(xxxi)で表される基、式(xxxii)で表される基、式(xxxiii)で表される基、式(xxxiv)で表される基、式(xxxv)で表される基、式(xxxvi)で表される基、式(xxxvii)で表される基、式(xxxviii)で表される基又は式(xxxix)で表される基を示す。
    s及びtは、それぞれ独立に、0から6の整数を示す。
    、R及びZが複数ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2013213180

    [式中、
    41、R42、R43及びR44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい1価の基を示し、R41とR42とは互いに結合して環を形成していてもよい。]
  7. 前記Zが、前記式(ii)で表される基である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の重合体。
  8. 前記Z及び前記Zが、前記式(xxii)で表される基であり、かつ、Yがケイ素原子である、請求項3〜7のいずれか一項に記載の重合体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の重合体を含む有機薄膜。
  10. 請求項9に記載の有機薄膜を備える有機薄膜素子。
  11. 請求項9に記載の有機薄膜を備える有機薄膜トランジスタ。
  12. 請求項9に記載の有機薄膜を備える有機薄膜太陽電池。
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