JP2003303979A - 薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板及びその製造方法 - Google Patents

薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板及びその製造方法

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JP2003303979A JP2002104911A JP2002104911A JP2003303979A JP 2003303979 A JP2003303979 A JP 2003303979A JP 2002104911 A JP2002104911 A JP 2002104911A JP 2002104911 A JP2002104911 A JP 2002104911A JP 2003303979 A JP2003303979 A JP 2003303979A
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克全 阿波
Atsushi Kajimoto
淳 梶本
Tomonori Makino
智訓 牧野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池セル形成時に高温加熱されてもガス
発生量が少なく、テクスチャー効果によって高光電変換
効率を呈する薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板を
提供する。 【構成】 Si−O結合を主骨格とし、アルキル基,ア
ルケニル基,フェニル基等が側鎖として付加されたシリ
コーン系樹脂にシリカ,酸化チタン,アルミナ等の無機
充填剤を配合したシリコーン系塗料を金属基板に塗布
し、300〜380℃×100〜200秒で一次焼成し
た後、400〜500℃×200〜300秒で二次焼成
する。 【効果】 二段焼成で形成された絶縁皮膜は、500℃
に真空加熱されてもガス発生量が少なく、薄膜多結晶シ
リコン太陽電池セル形成装置を汚染しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁性,熱安定性に優
れ、テクスチャー効果によって高い光電変換効率を示す
薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】環境負荷の少ない太陽光発電は、クリー
ンな石油代替エネルギーとして大きな期待が寄せられて
いる。種々の太陽光発電がこれまで開発されているが、
主流はシリコン半導体を用いた方式であり、バルク型,
薄膜型に大別される。バルク型の単結晶シリコンや多結
晶シリコンは、シリコンの消費量が多く、半導体の生産
動向にシリコンの調達価格が大きく影響される嫌いがあ
る。薄膜型の代表であるアモルファスシリコンは、半導
体層が1μm程度の薄膜であるためシリコン消費量が少
なく、省資源,省エネルギーで製造でき、低コスト化が
可能である。太陽電池の普及が最も期待されている形態
に、住宅用太陽発電システムを用いた屋根一体型の太陽
電池がある。屋根一体型太陽電池用基板には、波型形状
等の適宜の形状に加工できるフレキシブルな金属板の使
用が好ましい。金属板は、ガラス板に比較して可撓性に
優れ、樹脂フィルムにない耐熱性をもつことも長所であ
る。金属製基板では、基板表面に設けられた絶縁皮膜を
介して太陽電池セルが作りこまれる。
【0003】薄膜多結晶シリコン太陽電池単結晶は、シ
リコンや多結晶シリコンを用いた太陽電池と比較すると
光電変換効率に劣る。光電変換効率を高めるため、アモ
ルファスシリコン等の薄膜が形成される下部電極や基板
に関する種々の改良が従来から提案されている。たとえ
ば、下部電極を凹凸のある表面形態(テクスチャー構
造)にすると、入射光が下部電極表面で多重散乱反射
し、効率よく電力に変換される(特開平3−62974
号公報)。金属基板上に絶縁性微粒子を分散させた有機
シリケートを塗布し、絶縁皮膜自体をテクスチャー構造
にすることによっても光電変換効率が向上する(特許第
2663414号明細書)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】下部電極や絶縁皮膜に
テクスチャー構造をつけた場合でも、光電変換効率は最
大9.5%程度に留まる。太陽電池の一層の普及を図るた
めには、光電変換効率を更に向上させることが必要であ
る。そこで、薄膜型の長所である低コストを活かしなが
らも、高光電変換効率が期待できる薄膜多結晶シリコン
太陽電池が注目され、開発が進められている。薄膜多結
晶シリコン太陽電池の製造条件に工夫を加えることによ
り、光電変換効率の向上が図られる。たとえば、アモル
ファスシリコン堆積時の温度が200〜300℃であっ
た従来法に比較し、セル形成時に400〜500℃の高
温に加熱すると堆積したシリコンが多結晶化し、光電変
換効率が向上する。薄膜多結晶シリコン太陽電池は、変
換効率が12%程度に高くなるが、単結晶シリコン太陽
電池(18%),多結晶シリコン太陽電池(15%)に
比較すると依然として低い光電変換効率である。
【0005】400〜500℃の高温加熱は、光電変換
効率の向上に有効な多結晶化を進行させるが、絶縁皮膜
に含まれる有機成分が熱分解しやすくなる。熱分解でガ
スが発生すると、薄膜多結晶シリコン太陽電池セル形成
装置のチャンバが汚染され、生産性低下ばかりでなく、
作製された薄膜多結晶シリコン層に欠陥が導入されやす
くなる。本発明者等も、光電変換効率の高い薄膜多結晶
シリコン太陽電池用絶縁基板として、平均粒径3〜30
0nmの無機充填剤を5〜30質量%配合したシリコー
ン系塗料を用いて樹脂皮膜を金属基板表面に形成するこ
とを提案した(特願2000−289879号)。この
樹脂皮膜は、無機充填剤の分散によって光電変換効率に
有効なテクスチャー構造がつけられている。しかし、高
温加熱時のガス発生には十分な対策が採られていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、先願で提案し
た耐熱性,絶縁性に優れテクスチャー構造によって高光
電変換効率を示す薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基
板を更に改良すべく検討した結果、一次,二次の二段階
焼成でセル形成用高温加熱時のガス発生を抑制すること
により、薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板の熱安
定性を改善することを目的とする。
【0007】本発明の薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶
縁基板は、その目的を達成するため、300〜380℃
×100〜200秒の一次焼成及び400〜500℃×
200〜300秒の二次焼成で焼き付けられたシリコー
ン系塗料からなる絶縁皮膜が金属基板表面に形成されて
いることを特徴とする。シリコーン系塗料には、一般式 で表されるシロキサン結合(Si−O結合)を主鎖骨格
とするシリコーン系樹脂に無機充填剤を配合した塗料が
使用される。シリコーン系塗料を金属基板に塗布した
後、300〜380℃×100〜200秒の一次焼成に
続けて400〜500℃×200〜300秒で二次焼成
することにより絶縁皮膜が金属基板上に形成される。無
機充填剤には平均粒径3〜300nmのシリカ,酸化チ
タン,アルミナ等が使用され、5〜30質量%の割合で
シリコーン系樹脂に配合される。二段焼成で形成された
絶縁皮膜は、400〜500℃の温度域において優れた
熱安定性を示す。金属基板には、ステンレス鋼板,普通
鋼板,溶融Alめっき鋼板,アルミニウム板,アルミニ
ウム合金板,銅板等がある。金属基板は、シリコーン系
塗料の塗布に先立って水洗,湯洗,アルカリ又は有機溶
剤を用いた脱脂,酸洗,塗布型クロメート処理等の前処
理が適宜施される。
【0008】
【作用】塗料ベースのシリコーン系樹脂は、シロキサン
結合を主骨格とし、無機充填剤に対して優れた分散性,
親和性を呈する。シリコーン系樹脂は、分解温度(約4
20℃)以上に加熱されると徐々に分解する。分解生成
物であるシリカは絶縁皮膜に残存するが、無機充填剤と
互いに結合し皮膜強度を向上させる。しかも、未分解の
シロキサン結合が絶縁皮膜に残存しているのでヒートク
ラックを防止する程度の柔軟性が確保され、塗膜の結合
全体に対する無機結合の比率が高いことから熱安定性に
も優れた絶縁皮膜となる。
【0009】形成された絶縁皮膜は全体的に熱安定性が
向上し、薄膜多結晶シリコン太陽電池の製造過程で絶縁
皮膜上にシリコンを堆積させて多結晶化する際の加熱温
度400〜500℃においても熱分解が抑制されている
ので発生ガス量が大幅に低減する。実際、500℃に真
空加熱したときのチャンバの真空度を測定しても、加熱
開始から10分経過した時点で雰囲気圧が10-4Pa以
下の高真空度に到達しており、熱分解で発生するガスに
よる悪影響はみられない。
【0010】絶縁皮膜に分散している無機充填剤は、絶
縁皮膜の表面粗さを調節し、光電変換効率の向上に有効
なテクスチャー構造を皮膜表面に形成する。絶縁皮膜の
表面粗さは、平均粒径3〜300nmの無機充填剤によ
ってRmax:0.3〜1.5μmの範囲に収められる。Rm
ax:0.3〜1.5μmの表面粗さは、絶縁皮膜に入射す
る太陽光の多重散乱を促進させ、斜め方向の進行によっ
て実効的な光路長も長くなるテクスチャー効果を発現さ
せる。その結果、凹凸がほとんどない絶縁皮膜に比較し
て、著しく高い光電変換効率が得られる。
【0011】
【実施の形態】シリコーン系塗料から作成された絶縁皮
膜は、シロキサン結合(主骨格)に付加された側鎖の有
機結合及び無機充填剤によって柔軟性が付与されてい
る。側鎖基R1〜R4は、熱安定性を考慮すると全てを耐
熱性に優れたフェニル基にすることが考えられるが、焼
成時に結合が切れるアルキル基,アルケニル基を一部の
側鎖R1.R2として導入すると、下地金属に対する絶縁
皮膜の密着性が確保される。また、アルキル基,アルケ
ニル基よりも耐熱性の良好なフェニル基を多くする(m
<n)ことにより,塗膜全体の耐熱性が向上する。その
結果,薄膜多結晶シリコン太陽電池の製造過程で絶縁皮
膜上に堆積させたシリコンを多結晶化する際の加熱温度
域400〜500℃においても、塗膜の分解,ひいては
ガス発生が抑制される。
【0012】無機充填剤は、平均粒径が3〜300nm
の耐熱性に優れ比較的安価なシリカ,酸化チタン,アル
ミナがあり、シリコーン系樹脂に対して5〜30質量%
の割合で配合される。無機充填剤は、アスペクト比の大
きな鱗片状や繊維状よりも、先鋭なエッジのない球状に
近い粒子形状をもつものが好ましい。無機充填剤の分散
によるテクスチャー構造の発現は、平均粒径3nm以上
の無機充填剤で顕著になる。平均粒径3nm未満の無機
充填剤では凝集力が大きすぎ、絶縁皮膜の表面に極端に
大きな凹凸をつける二次粒子となる。極端に大きな凹凸
は、薄膜多結晶シリコン層に膜切れ現象を発生させ、結
果として上部電極と下部電極との接触に起因する短絡発
生の原因になる。逆に平均粒径が300nmをこえる無
機充填剤は、粒子相互間の凝集力が小さいものの、粒子
自体の径が大き過ぎることから僅かな凝集でも絶縁皮膜
の表面凹凸が比較的なだらかな形状で大きくなる。その
結果、光電変換効率を低下させる厚みムラが薄膜多結晶
シリコン層に生じる。
【0013】無機充填剤は、光電変換効率の向上に有効
なテクスチャー構造を形成するため5質量%以上の割合
でシリコーン系樹脂に配合される。無機充填剤の配合量
が少なすぎると、絶縁皮膜の表面凹凸化に必要な粒子の
絶対量が不足し、目標とするテクスチャー構造が形成さ
れない。無機充填剤の配合量不足は、シリコン堆積・加
熱時にヒートクラックが絶縁皮膜に発生する原因にもな
る。逆に過剰量の無機充填剤を配合すると、粒子が過度
に凝集して絶縁皮膜に付けた凹凸が極端に大きくなり、
薄膜多結晶シリコン層に膜切れが生じやすくなる。シリ
コーン系塗料は、好ましくは絶縁皮膜の乾燥膜厚が3〜
20μmになる塗布量で金属基板に塗布される。乾燥膜
厚3μm以上で、ピンホール,未塗装部分等の欠陥がな
くなり、光電変換効率の向上に有効なテクスチャー構造
が絶縁皮膜全面につけられる。逆に20μmを超える厚
膜では、大量のシリコーン系塗料を浪費するだけでな
く、金属基板に対する絶縁皮膜の密着性も低下しやす
い。
【0014】シリコーン系樹脂に無機充填剤を配合して
調製したシリコーン系塗料は、ロールコート法,カーテ
ンフローコート法,スプレー法等で金属基板に塗布さ
れ、300〜380℃×100〜200秒で一次焼成し
た後、400〜500℃×200〜300秒で二次焼成
される。一次焼成によりフクレ等の欠陥がない皮膜が形
成される。しかし、この皮膜には溶媒が残存しているの
で、400℃を超える二次焼成によって溶媒を完全に除
去する。300〜380℃×100〜200秒の一次焼
成及び400〜500℃×200〜300秒の二次焼成
は、通常のプレコート鋼板連続塗装設備を用いて実施で
きる。プレコート鋼板連続塗装設備が使用可能なこと
は、製造コストの低減にもつながる。シリコーン系塗料
の溶媒は、300℃以上,100秒以上の一次焼成及び
400℃以上,200秒以上の二次焼成によって絶縁皮
膜から完全に除去される。その結果、絶縁皮膜は熱安定
性に優れ、セル形成時に400〜500℃に高温加熱さ
れても熱分解で発生したガスの悪影響がみられない。実
際、500℃真空加熱で、加熱時間10分以内に到達真
空度が10-4Paより高真空に達する。
【0015】これに対し、300℃未満,100秒未満
以上の一次焼成又は400℃未満,200秒未満の二次
焼成で得られる絶縁皮膜では溶媒が残存しやすい。溶媒
が残留している絶縁皮膜を500℃真空加熱すると、到
達真空度が10分経過後も10-2〜10-3Paと低く、
薄膜多結晶シリコン太陽電池セル形成装置のチャンバが
発生ガスで汚染され、薄膜多結晶シリコン層に欠陥が導
入されやすくなる。逆に、380℃を超える高温加熱や
200秒を越える長時間加熱の一次焼成では、溶媒の急
激な蒸発に起因してワキが発生しやすくなる。また、5
00℃を超える高温加熱や300秒を越える長時間加熱
の二次焼成では、ラインの生産性が低下することは勿
論、シリコーン系樹脂の分解・焼失に起因したピンホー
ル状欠陥が絶縁皮膜に発生しやすくなる。ワキやピンホ
ール状欠陥は、太陽電池セル間を短絡させる原因にな
る。
【0016】
【実施例】アルカリ脱脂した板厚0.30mmのSUS
430ステンレス鋼板を金属基板に使用した。表1のシ
リコーン系塗料を金属基板に塗布し、350℃×120
秒の一次焼成後に400℃×120秒で二次焼成するこ
とにより、乾燥膜厚10μmの絶縁皮膜を形成した。 〔絶縁皮膜からのガス発生の評価〕絶縁皮膜が形成され
た金属基板から試験片を切り出し、真空焼鈍炉のチャン
バ内に試験片をセットした。チャンバ内で500℃に加
熱した試験片を継続保持し、所定経過時間ごとにチャン
バ内の到達真空度を測定し、ガス発生の指標とした。加
熱時間10分を基準とし、加熱時間10分以内に到達真
空度が10-4Pa領域に達したものを○,10分過ぎて
も10-4Paに達しないものを×と絶縁皮膜の熱安定性
を評価した。
【0017】〔光電変換効率の評価〕絶縁皮膜上に、次
の工程で太陽電池を作り込んだ。35mm角の絶縁皮膜
表面に金属アルミニウムを蒸着して下部電極を形成した
後,下部電極上に加熱温度500℃で薄膜多結晶シリコ
ン層をプラズマCVD法により成膜した。次いで,薄膜
多結晶シリコン層をマスキングした後、酸化インジウム
をスパッタリングし、10mm角の透光性上部電極9個
を薄膜多結晶シリコン層の上に設けた。上部電極形成後
に、上部電極から下部電極までをレーザ切断し、9個の
セルに分割した。次いで、ボンディングにより9個のセ
ルを直列接続し、一つのモジュールを形成した。得られ
た各太陽電池モジュールの光電変換効率をソーラシミュ
レータ(山下電装株式会社製)で測定した。
【0018】表1の調査結果にみられるように、試験番
号1〜5(本発明例)では、500℃真空加熱時の到達
真空度が何れも10-4Paより高真空であり、薄膜多結
晶シリコン太陽電池セル形成装置に悪影響を及ぼすガス
発生が少ないことが判る。試験番号3の絶縁皮膜につい
て500℃真空加熱時の到達真空度を所定時間ごとに求
めた結果(図1)からも、ガス発生が少ないことが理解
される。他方、本発明と同じシリコーン系塗料を使用し
た場合でも、一次焼成(350℃×120秒)のみで焼
成した試験番号6(比較例)の絶縁皮膜では、500℃
真空加熱で加熱時間が10分に達しても到達真空度が1
-3Pa程度に留まった。無機充填剤を含まない試験番
号7(比較例)の絶縁皮膜は、二段焼成しても加熱時間
10分経過後の到達真空度が10-2〜10-3Pa程度で
あった。到達真空度が低いことから、何れもガス発生量
の多い絶縁皮膜といえる。また、絶縁皮膜上に作りこま
れた太陽電池セルも、従来の薄膜多結晶太陽電池の光電
変換効率と同程度の11〜12%であった。
【0019】この対比から明らかなように、二段焼成で
形成された絶縁皮膜は、薄膜多結晶シリコン太陽電池形
成時の高温加熱によっても有機成分の熱分解に起因する
ガスの発生量が少なくなっている。しかも、テクスチャ
ー構造をもつ表面層が金属基板上に形成されるため、薄
膜多結晶シリコン層に膜切れを生じさせることなく、従
来の薄膜多結晶シリコン太陽電池に比較して光電変換効
率が改善されることが確認される。
【0020】
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、無機結合比率が
高いシリコーン系樹脂に無機充填剤を配合したシリコー
ン系塗料を金属基板に塗布し、一次焼成,二次焼成の二
段焼成で絶縁皮膜を形成するとき、太陽電池セル形成時
の500℃真空加熱時においても絶縁皮膜からのガス発
生が大幅に抑えられる。その結果、薄膜多結晶シリコン
太陽電池セル形成装置のチャンバ内を汚染することがな
く、絶縁皮膜に分散させた無機充填剤によるテクスチャ
ー構造と相俟って高光電変換効率を呈する太陽電池セル
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 絶縁皮膜を500℃真空加熱したときに発生
するガス量を到達真空度と比較したグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 智訓 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 5F051 AA05 CB12 CB13 CB14 EA02 FA04 FA06 GA02 GA03 GA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 300〜380℃×100〜200秒の
    一次焼成及び400〜500℃×200〜300秒の二
    次焼成で焼き付けられたシリコーン系塗料からなる絶縁
    皮膜が金属基板表面に形成されていることを特徴とする
    薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板。
  2. 【請求項2】 一般式 で表されるシロキサン結合(Si−O結合)を主鎖骨格
    とするシリコーン系樹脂に平均粒径3〜300nmの無
    機充填剤が5〜30質量%の割合で配合されているシリ
    コーン系塗料から絶縁皮膜が作られている請求項1記載
    の薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板。
  3. 【請求項3】 無機充填剤がシリカ,酸化チタン,アル
    ミナの1種又は2種以上である請求項1又は2記載の薄
    膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板。
  4. 【請求項4】 一般式 で表されるシロキサン結合(Si−O結合)を主鎖骨格
    とするシリコーン系樹脂に平均粒径3〜300nmの無
    機充填剤が5〜30質量%の割合で配合されているシリ
    コーン系塗料を金属基板に塗布し、300〜380℃×
    100〜200秒で一次焼成した後、400〜500℃
    ×200〜300秒で二次焼成することにより金属基板
    の表面に絶縁皮膜を形成することを特徴とする薄膜多結
    晶シリコン太陽電池用絶縁基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリカ,酸化チタン,アルミナの1種又
    は2種以上を無機充填剤として配合したシリコーン系塗
    料を使用する請求項4記載の製造方法。
JP2002104911A 2002-04-08 2002-04-08 薄膜多結晶シリコン太陽電池用絶縁基板及びその製造方法 Withdrawn JP2003303979A (ja)

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Cited By (3)

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JP2007088044A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Nippon Steel Materials Co Ltd 被覆ステンレス箔及び薄膜太陽電池
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