JP2013213140A - 熱硬化性フラン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化後の成型品の収縮低減、成型品の強度アップ、そして、健康毒性の観点で安全な成型品を得ることのできる熱硬化性フラン樹脂組成物及びこれを用いたフラン樹脂積層体を提供すること。
【解決手段】フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)と、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)と、酸性硬化剤(C)とを含有する、熱硬化性フラン樹脂組成物を提供する。熱硬化性フラン樹脂組成物中のフルフリルアルコール及びフルフラール残存モノマーの合計含有量は、好ましくは全重量の1wt%未満である。
【選択図】なし
【解決手段】フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)と、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)と、酸性硬化剤(C)とを含有する、熱硬化性フラン樹脂組成物を提供する。熱硬化性フラン樹脂組成物中のフルフリルアルコール及びフルフラール残存モノマーの合計含有量は、好ましくは全重量の1wt%未満である。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱硬化性フラン樹脂組成物及びこれを用いたフラン樹脂積層体に関し、更に詳しくは、水分含有量が少ないにもかかわらず粘度が低く、積層体のマトリックス樹脂として使用した場合に含浸性が良好であり、しかも、硬化後の寸法収縮が小さい熱硬化性フラン樹脂組成物及びこれを用いたフラン樹脂積層体に関する。
従来、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの共縮合物からなる、いわゆるフラン樹脂を主成分とする熱硬化性フラン樹脂組成物は、その硬化物が耐熱性・耐溶剤性・耐薬品性に優れていることから、鋼管ライニング、メジセメント、FRP等の積層体及び複合材のマトリックス樹脂として各種産業分野において使用されている。
しかしながら、従来の熱硬化性フラン樹脂組成物は、適切な粘度に調整するために水を多く含有しているため、積層体のマトリックス樹脂として使用した際、水分放散による積層体の寸法収縮や強度低下の問題があった。
この対応のため、フラン樹脂の縮合水を合成終了後留去することで水分含有量を低下させる
方法(特許文献1参照)が提案されているが、樹脂の粘度が指数関数的に上昇し、成形する事が困難である。
方法(特許文献1参照)が提案されているが、樹脂の粘度が指数関数的に上昇し、成形する事が困難である。
また、その対応として、特許文献2において、フラン樹脂と反応性希釈剤からなる樹脂組成物が提案されており、具体的に反応性希釈剤として、フルフリルアルコールとフルフラールが例示されている。この方法により、水分を増やすことなく、樹脂粘度を低減させることができる。これにより、硬化成型物の収縮が小さくなり、強度も発現する。
フルフラール及びフルフリルアルコールは、NTP(U.S.Department of Health and Human Services Secretary)、EPA(U.S. Enviromental Protection Agency)、IARC(International Agency for Research on Cancer)の機関では発ガン性に該当はしていない。しかしながら、近年欧州においては、フルフラール及びフルフリルアルコールは、健康毒性の観点のうち発ガン性の疑いがある物質として指定されている。化学物質総合情報提供システムの情報によると、欧州ではESIS(European chemical substance Information System)において、フルフラール、フルフリルアルコールはH351(発ガン性の疑いのある物質)として指定されている。このため、フルフラール及びフルフリルアルコールは、欧州市場に展開する上では、好ましい材料とはいえない。
本発明の目的は、粘度が低く、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの共縮合物と相溶性があり、熱硬化性フラン樹脂組成物が硬化する際に共縮合物等と反応・固化するという性能をもち、フルフラール、フルフリルアルコールの代替の反応性希釈剤として使用可能で、かつ発ガン性物質として指定されていない物質を含むことにより、安全性と、基材への含浸性と、さらに長期寸法保持率が99%以上という優れた硬化性とを両立した熱硬化性フラン樹脂組成物、その製造方法、それを用いたフラン樹脂硬化物、フラン樹脂積層体ならびにその製造方法を提供することにある。
本発明者は、フルフラール、フルフリルアルコールと同じ性能をもつ反応性希釈剤であり、かつ発ガン性物質として指定されていない物質を検討した結果、フラン‐3‐カルボン酸 あるいはフラン‐2,5‐ジメタノール、あるいは2,5‐フランジカルボン酸、あるいはヒドロキシメチルフルフラールがそれに該当することを見出した。すなわち、発明の内容としては以下のとおりである。
本発明は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)と、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)と、酸性硬化剤(C)とを含有する、熱硬化性フラン樹脂組成物を提供する。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物では、フルフリルアルコール及びフルフラール残存モノマーの合計含有量が全重量の1wt%未満であることが好ましい。
また、上記フルフラール誘導体(B)の含有量は、上記フラン樹脂及び変性フラン樹脂(A)100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。
さらに、水含有量は、10wt%未満であることが好ましい。より好ましくは6wt%以下である。
さらにまた、粘度は、500〜3000mPa・sであることが好ましい。より好ましくは500〜1000mPa・sである。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物では、フルフリルアルコール及びフルフラール残存モノマーの合計含有量が全重量の1wt%未満であることが好ましい。
また、上記フルフラール誘導体(B)の含有量は、上記フラン樹脂及び変性フラン樹脂(A)100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。
さらに、水含有量は、10wt%未満であることが好ましい。より好ましくは6wt%以下である。
さらにまた、粘度は、500〜3000mPa・sであることが好ましい。より好ましくは500〜1000mPa・sである。
また、本発明は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)を添加して低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を得る希釈工程と、前記低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に酸性硬化剤(C)を添加する硬化剤添加工程とを有する、熱硬化性フラン樹脂組成物の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記熱硬化性フラン樹脂組成物を加熱硬化して得られた、フラン樹脂硬化物を提供する。
また、本発明は、上記フラン樹脂硬化物と、樹脂含浸基材とを含む、フラン樹脂積層体を提供する。
さらに、本発明は、上記熱硬化性フラン樹脂組成物を、樹脂含浸基材に含浸後、加熱・硬化させてフラン樹脂積層体を製造する、フラン樹脂積層体の製造方法を提供する。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物では、高粘度のフルフリルアルコール−ホルムアルデヒド共縮合物と相溶性があり、低粘度であり、しかも熱硬化性フラン樹脂組成物が硬化する際に共縮合物等と反応・固化できる反応性希釈剤として、発ガン性の指摘されていないフラン‐3‐カルボン酸、あるいはフラン‐2,5‐ジメタノール、あるいは2,5‐フランジカルボン酸、あるいはヒドロキシメチルフルフラールを使用することで、低水分でフラン樹脂の低粘度化を図る事ができ、さらに、硬化後の成型品の収縮低減、成型品の強度アップ、そして、健康毒性の観点で安全な成型品を得るという効果がある。
[熱硬化性フラン樹脂組成物]
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)と、フルフラール誘導体(B)と、酸性硬化剤(C)とを含有する。フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)は、フラン樹脂のみ、あるいは変性フラン樹脂のみ、あるいはフラン樹脂と変性フラン樹脂との混合物である。フルフラール誘導体(B)は、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つである。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)と、フルフラール誘導体(B)と、酸性硬化剤(C)とを含有する。フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)は、フラン樹脂のみ、あるいは変性フラン樹脂のみ、あるいはフラン樹脂と変性フラン樹脂との混合物である。フルフラール誘導体(B)は、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つである。
また、この熱硬化性フラン樹脂組成物をポリエステルあるいはガラス繊維よりなる不織布に含浸させて、加熱硬化することで、所定形状の成型品を得る事ができる。
この不織布に含浸するための、熱硬化性フラン樹脂組成物の適切な粘度は例えば500〜4000mPa・sである。500mPa・sより低いと、樹脂が基材から垂れ樹脂ムラを引き起こす場合がある。また粘度が4000mPa・sより高いと含浸せず含浸不良による物性低下をひきおこす場合がある。
<フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)>
フラン樹脂は、フルフラールやフルフリルアルコールを出発物質とする重合物あるいはその前駆体(オリゴマー)であり、フルフリルアルコール型、フルフリルアルコール・フルフラール共縮合型、フルフリルアルコール・アルデヒド共縮合型、フルフラール・ケトン共縮合型、フルフラール・フェノール共縮合型、フルフリルアルコール・尿素共縮合型、フルフリルアルコール・フェノール共縮合型等が挙げられる。
フラン樹脂は、フルフラールやフルフリルアルコールを出発物質とする重合物あるいはその前駆体(オリゴマー)であり、フルフリルアルコール型、フルフリルアルコール・フルフラール共縮合型、フルフリルアルコール・アルデヒド共縮合型、フルフラール・ケトン共縮合型、フルフラール・フェノール共縮合型、フルフリルアルコール・尿素共縮合型、フルフリルアルコール・フェノール共縮合型等が挙げられる。
フラン樹脂の前駆体としては、フルフリルアルコール型、フルフリルアルコール・フルフラール共縮合型、フルフリルアルコール・アルデヒド共縮合型、フルフラール・ケトン共縮合型、フルフラール・フェノール共縮合型、フルフリルアルコール・尿素共縮合型、フルフリルアルコール・フェノール共縮合型等が挙げられる。
フラン樹脂としていずれの種類のものも使用可能であるが、ライニング材に要求される特性として、強度や耐湿性以外にも可撓性や表面硬度等が挙げられることや、工業的に安定に供給されていることから、フルフリルアルコール型やフルフリルアルコール・ホルムアルデヒド共縮合型が好ましい。
変性フラン樹脂としては、例えばエポキシ変性、フェノール変性、アルデヒド変性、尿素変性、メラミン変性等のものが挙げられる。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物では、フルフリルアルコール及びフルフラール残存モノマーの合計含有量が全重量の1wt%未満であることが好ましい。
<フルフラール誘導体(B)>
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物は、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)を含んでいる。これらのフルフラール誘導体(B)は、現段階でESIS、NTP、EPA、IARCの機関で発ガン性等に指定されていない物質であり、かつ、粘度が低く、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの共縮合物と相溶性があり、熱硬化性フラン樹脂組成物が硬化する際に共縮合物等と反応・固化する。このため、安全性を確保しながら、後述の強化繊維からなる積層体への含浸が容易であり、硬化性に優れた熱硬化性フラン樹脂組成物が得られる。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物は、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)を含んでいる。これらのフルフラール誘導体(B)は、現段階でESIS、NTP、EPA、IARCの機関で発ガン性等に指定されていない物質であり、かつ、粘度が低く、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの共縮合物と相溶性があり、熱硬化性フラン樹脂組成物が硬化する際に共縮合物等と反応・固化する。このため、安全性を確保しながら、後述の強化繊維からなる積層体への含浸が容易であり、硬化性に優れた熱硬化性フラン樹脂組成物が得られる。
フルフラール誘導体(B)の添加量は、フルフラール誘導体(B)の種類、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂の初期粘度により異なるが、フラン樹脂及び変性フラン樹脂(A)100重量部に対し、概ね1〜50重量部であり、好ましくは5〜50重量部である。50重量部より多いと、粘度が低下しすぎる場合があり、かつ反応性が急激となる場合がある。また、1重量部より少ないと、低粘度改善効果も小さい場合がある。より好ましくは、10〜40重量部である。
熱硬化性フラン樹脂組成物におけるフルフラール誘導体(B)の含有量は、例えば0.2〜50wt%、好ましくは1〜50wt%、より好ましくは10〜50wt%である。
<酸性硬化剤(C)>
本発明において、酸性硬化剤(C)としては、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を硬化できるものであれば特に限定されず、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等の有機カルボン酸、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸の水溶液が使用できる。またそれらの混合物である。
本発明において、酸性硬化剤(C)としては、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を硬化できるものであれば特に限定されず、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等の有機カルボン酸、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸の水溶液が使用できる。またそれらの混合物である。
添加量は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)の種類により異なるが、概ねフラン樹脂及び変性フラン樹脂(A)100重量部に対して、0.5〜10重量部である。10重量部より多いと、反応が強くなりすぎる場合があり、0.5重量部より少ないと硬化しない場合がある。より好ましくは、1〜6重量部である。
熱硬化性フラン樹脂組成物における酸性硬化剤(C)の含有量は、例えば0.1〜10wt%、好ましくは0.1〜8wt%である。
<充填剤>
成型品の強度向上ために、適宜充填剤を添加するのがよい。充填剤としては、無機系充填材を添加する事も好ましい。その際、無機系充填材としては、弾性率が高く、高充填が可能であれば特に限定されないが、硬化阻害を防止する観点から、pHが10以下の無機系フィラーが好ましく、具体的には、ガラスパウダー・シリカ・タルク・カオリン・マイカ等が好ましく、コストの点からカオリン・タルクが最も好ましい。
成型品の強度向上ために、適宜充填剤を添加するのがよい。充填剤としては、無機系充填材を添加する事も好ましい。その際、無機系充填材としては、弾性率が高く、高充填が可能であれば特に限定されないが、硬化阻害を防止する観点から、pHが10以下の無機系フィラーが好ましく、具体的には、ガラスパウダー・シリカ・タルク・カオリン・マイカ等が好ましく、コストの点からカオリン・タルクが最も好ましい。
また、無機系充填材としては、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)との界面接着力向上の点から、表面処理を施すことは好ましい。その際、表面処理剤としては、無機系充填材やフラン系樹脂と反応、あるいは結合が可能であれば特に限定さないが、結合が形成しやすい、有機シラン系表面処理が好ましく、具体的には、アミノシラン系表面処理剤、エポキシシラン系表面処理剤、アクリルシラン系表面処理剤が最も好ましい。
無機系充填材の添加量は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)の粘度により異なるが、少なすぎると強度特性向上の効果が得られず、一方、多すぎると増粘による基材への含浸性低下が発生するおそれがあることから、フラン樹脂及び変性フラン樹脂(A)100重量部に対して、10〜200重量部であることが好ましく、20〜150重量部が更に好ましく、30〜100重量部が最も好ましい。
なお、充填剤をいれることで、熱硬化性フラン樹脂組成物の粘度が急激に上昇する。このため、基材への良好な含浸のためには、充填剤を含んだ状態で、熱硬化性フラン樹脂組成物の粘度が500〜4000mPa・sであることが好ましい。従って、充填剤をいれる場合には、充填する素材の種類、量により大きく異なるが、未充填の熱硬化性フラン樹脂組成物に望まれる粘度スペックは500〜3000mPa・sで、より望ましくは500〜2500mPa・sである。
<水分>
熱硬化性フラン樹脂組成物の水含有量は、10wt%未満であることが好ましい。水含有量が10wt%以上では、硬化した場合に収縮が大きくなりやすい。より好ましくは6wt%以下である。
熱硬化性フラン樹脂組成物の水含有量は、10wt%未満であることが好ましい。水含有量が10wt%以上では、硬化した場合に収縮が大きくなりやすい。より好ましくは6wt%以下である。
[熱硬化性フラン樹脂組成物の製造方法]
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物の製造方法は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)を添加して低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を得る希釈工程と、前記低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に酸性硬化剤(C)を添加する硬化剤添加工程とを有している。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物の製造方法は、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)を添加して低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を得る希釈工程と、前記低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に酸性硬化剤(C)を添加する硬化剤添加工程とを有している。
希釈工程では、フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に上記フルフラール誘導体(B)添加後、攪拌等して混合し、低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を得る。硬化剤添加工程では、希釈工程で得られた低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に酸性硬化剤(C)を添加後、攪拌等して混合し、熱硬化性フラン樹脂組成物を得る。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物の製造方法では、上記フルフラール誘導体(B)を使用してフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を希釈するため、安全性が高い。希釈工程では、希釈後のフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)の粘度を、500〜4000mPa・sと調整することが好ましい。さらに充填剤を添加する場合には、希釈後のフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)の粘度を、500〜3000mPa・sと調整することが好ましく、500〜2500mPa・sと調整することがより好ましい。充填剤は、上記希釈工程後に添加できる。
[フラン樹脂硬化物]
本発明のフラン樹脂硬化物は、上記熱硬化性フラン樹脂組成物を加熱硬化して得られる。硬化条件としては、特に限定されないが、一般的に、例えば70〜130℃で、例えば5〜10時間硬化することが好ましい。本発明のフラン樹脂硬化物では、曲げ弾性率が2450MPa以上(例えば2450〜4000MPa)である。また、寸法保持率が99%以上の優れた特性を有する。
本発明のフラン樹脂硬化物は、上記熱硬化性フラン樹脂組成物を加熱硬化して得られる。硬化条件としては、特に限定されないが、一般的に、例えば70〜130℃で、例えば5〜10時間硬化することが好ましい。本発明のフラン樹脂硬化物では、曲げ弾性率が2450MPa以上(例えば2450〜4000MPa)である。また、寸法保持率が99%以上の優れた特性を有する。
[フラン樹脂積層体]
本発明のフラン樹脂積層体は、上記フラン樹脂硬化物と、樹脂含浸基材とを含んでいる。フラン樹脂積層体におけるフラン樹脂硬化物の含有量は、例えば80〜95wt%とすることができる。
本発明のフラン樹脂積層体は、上記フラン樹脂硬化物と、樹脂含浸基材とを含んでいる。フラン樹脂積層体におけるフラン樹脂硬化物の含有量は、例えば80〜95wt%とすることができる。
<樹脂含浸基材>
樹脂含浸基材は、空隙率が90%以下、好ましくは10〜90%であるのが硬化性樹脂を確実に含浸させることができ、その結果、硬化後の樹脂含浸基材にボイド等が形成される不具合を最小限に抑えうるので好ましく、また、肉厚が3mm以上、好ましくは4mm以上であるのが十分な保護特性を発現させうるので好ましい。
樹脂含浸基材は、空隙率が90%以下、好ましくは10〜90%であるのが硬化性樹脂を確実に含浸させることができ、その結果、硬化後の樹脂含浸基材にボイド等が形成される不具合を最小限に抑えうるので好ましく、また、肉厚が3mm以上、好ましくは4mm以上であるのが十分な保護特性を発現させうるので好ましい。
樹脂含浸基材は、熱硬化性フラン樹脂組成物を含浸させる基材である限り、どんな材質であってもよいが、樹脂吸収基材には、例えば不織布やチョップドストランドマット等が用いられる。
不織布の材料としては、例えばポリエステル、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン等の石油系の樹脂で、中でも高強度、高弾性の樹脂が好ましく、また、可撓性を有し多孔質である、連続フィラメント又はステープルファイバーを備えたフェルト、マット、スパンボンド、ウェブなども使用可能である。
また、天然繊維としては、木綿・苧麻・亜麻黄麻・ケナフ等から作られる繊維が例示できる。樹脂含浸性や加工性・供給安定性の点から苧麻・亜麻が特に好ましい。
チョップドストランドマットとしては、例えばガラス繊維等のストランドを一定長さに切断し、マット状に分散させた後、熱可塑性樹脂等の粘接着剤を均一に付与して熱溶融し、ストランド同士を接着させてマットとしたものなどが好ましい。チョップドストランドマットの方が、樹脂不織布を用いた場合よりも高い強度の樹脂含浸基材層を得ることができる。
[フラン樹脂積層体の製造方法]
本発明のフラン樹脂積層体の製造方法では、上記熱硬化性フラン樹脂組成物を、樹脂含浸基材に含浸・硬化させる。樹脂含浸基材としては、上記例示のものが使用できる。
本発明のフラン樹脂積層体の製造方法では、上記熱硬化性フラン樹脂組成物を、樹脂含浸基材に含浸・硬化させる。樹脂含浸基材としては、上記例示のものが使用できる。
樹脂含浸基材に熱硬化性フラン樹脂組成物を含浸させる方法は特に限定されず、例えば、樹脂含浸基材に熱硬化性フラン樹脂組成物を含浸ロールにて含浸させる方法等が挙げられる。
樹脂含浸基材に含浸させた熱硬化性フラン樹脂組成物の硬化方法は特に限定されず、例えば、熱硬化性フラン樹脂組成物を含浸させた樹脂含浸基材を金型内に設置し、熱風であるいは熱板に挟み込んで加熱硬化する方法等が挙げられる。
上記本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物を加熱硬化する際の温度は、特に限定されないが、一般的に、例えば70〜130℃が好ましい。加熱硬化時間は、特に限定されないが、一般的に、例えば5〜10時間が好ましい。
上記本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物を加熱硬化する際の温度は、特に限定されないが、一般的に、例えば70〜130℃が好ましい。加熱硬化時間は、特に限定されないが、一般的に、例えば5〜10時間が好ましい。
本発明のフラン樹脂積層体の製造方法では、安全性の高い熱硬化性フラン樹脂組成物を用いながら、寸法変化の小さな積層体を簡便に与える事ができる。したがって、本発明により、品質が良好なフラン樹脂積層体を安全に製造することができるものであり、例えばFRPなどの用途に特に好適に用いることができるものである。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
本発明における各物性値の測定方法を以下に示す。
本発明における各物性値の測定方法を以下に示す。
(1)粘度(単位:%)
JIS K7117−1『ブルックフィールド形回転粘度計による見かけ粘度の測定方法』におけるB型粘度計法に準拠してフラン樹脂の粘度を測定した。
JIS K7117−1『ブルックフィールド形回転粘度計による見かけ粘度の測定方法』におけるB型粘度計法に準拠してフラン樹脂の粘度を測定した。
(2)水分含有量
JIS K0113 8『カールフィッシャー滴定方法』における定量滴定方法に準拠してフラン樹脂の水分含有量を測定した。
JIS K0113 8『カールフィッシャー滴定方法』における定量滴定方法に準拠してフラン樹脂の水分含有量を測定した。
(3)含浸性
フラン樹脂積層体の成形時の樹脂含浸基材に対する熱硬化性フラン樹脂組成物の含浸度合いを目視にて観察した。
フラン樹脂積層体の成形時の樹脂含浸基材に対する熱硬化性フラン樹脂組成物の含浸度合いを目視にて観察した。
(4)寸法保持率
成形したフラン樹脂積層体を100mm×100mmにカット後寸法測定し、25℃(湿度50%RH)の恒温室で10日間養生した後、以下の式を元に比較、寸法保持率を求めた。
寸法保持率(%)=10日後の寸法(mm)/カット後寸法(mm)×100
成形したフラン樹脂積層体を100mm×100mmにカット後寸法測定し、25℃(湿度50%RH)の恒温室で10日間養生した後、以下の式を元に比較、寸法保持率を求めた。
寸法保持率(%)=10日後の寸法(mm)/カット後寸法(mm)×100
(5)曲げ弾性率
JIS K7171 「曲げ特性の求め方」に準拠して、平板から切り出されたサンプルの曲げ弾性率を測定した。
JIS K7171 「曲げ特性の求め方」に準拠して、平板から切り出されたサンプルの曲げ弾性率を測定した。
実施例1
<熱硬化性フラン樹脂組成物の調製>
フルフリルアルコール(FA)とホルムアルデヒドを酸触媒により共縮合し、中和調整後(PH6.5)、蒸留することで、残存FAの含有量1wt%未満のフラン樹脂を得た(粘度6000mPa・s、水分含有量0.5重量%)。このフラン樹脂100重量部に対し、水、4重量部と、フラン‐3‐カルボン酸、20重量部を添加した後、ホモディスパーを用い、1000rpmで5分間攪拌することで、組成物(1)を得た。組成物(1)100重量部に対し、酸硬化剤として、パラトルエンスルホン酸1.5重量部添加し、1000rpmで5分間攪拌することで、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。
<熱硬化性フラン樹脂組成物の調製>
フルフリルアルコール(FA)とホルムアルデヒドを酸触媒により共縮合し、中和調整後(PH6.5)、蒸留することで、残存FAの含有量1wt%未満のフラン樹脂を得た(粘度6000mPa・s、水分含有量0.5重量%)。このフラン樹脂100重量部に対し、水、4重量部と、フラン‐3‐カルボン酸、20重量部を添加した後、ホモディスパーを用い、1000rpmで5分間攪拌することで、組成物(1)を得た。組成物(1)100重量部に対し、酸硬化剤として、パラトルエンスルホン酸1.5重量部添加し、1000rpmで5分間攪拌することで、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。
<試料の作成>
熱硬化性フラン樹脂組成物を、厚さ5mmのポリエステル製不織布(1100g/m2)に含浸ロールにて均一に含浸した後、内寸240mm×240mm×5.5mmの金型内に静置し、80℃で3時間硬化し、フラン樹脂積層体(1)を得た。フラン樹脂積層体中の熱硬化性フラン樹脂組成物の含浸量は、6000g/m2であった。
熱硬化性フラン樹脂組成物を、厚さ5mmのポリエステル製不織布(1100g/m2)に含浸ロールにて均一に含浸した後、内寸240mm×240mm×5.5mmの金型内に静置し、80℃で3時間硬化し、フラン樹脂積層体(1)を得た。フラン樹脂積層体中の熱硬化性フラン樹脂組成物の含浸量は、6000g/m2であった。
実施例2
フラン‐3‐カルボン酸をフラン‐2,5‐ジメタノールに変更した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(2)を得た。
フラン‐3‐カルボン酸をフラン‐2,5‐ジメタノールに変更した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(2)を得た。
実施例3
フラン‐3‐カルボン酸を2,5‐フランジカルボン酸に変更した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(3)を得た。
フラン‐3‐カルボン酸を2,5‐フランジカルボン酸に変更した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(3)を得た。
実施例4
フラン‐3‐カルボン酸をヒドロキシメチルフルフラールに変更した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(4)を得た。
フラン‐3‐カルボン酸をヒドロキシメチルフルフラールに変更した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(4)を得た。
比較例1
実施例1のうち、フラン‐3‐カルボン酸を添加せずにそのまま攪拌した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(5)を得た。
実施例1のうち、フラン‐3‐カルボン酸を添加せずにそのまま攪拌した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(5)を得た。
比較例2
実施例1のうち、フラン‐3‐カルボン酸のかわりにフルフリルアルコールを添加し攪拌した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(6)を得た。
実施例1のうち、フラン‐3‐カルボン酸のかわりにフルフリルアルコールを添加し攪拌した事以外は実施例1と同様にして、熱硬化性フラン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で、積層体を作成し、フラン樹脂積層体(6)を得た。
表1に、実施例及び比較例で得られた熱硬化性フラン樹脂組成物、及びフラン樹脂積層体(1)〜(6)の評価結果を示す。
表1に示すように、実施例1〜4では、安全性を向上させながら、比較例2とほぼ同じレベルの性能が実現され、含浸性、曲弾性率、寸法保持率のいずれも優れていた。上記実験結果により、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)では、粘度が低く、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの共縮合物と相溶性があり、さらに、熱硬化性フラン樹脂組成物が硬化する際に共縮合物等と反応・固化して、25℃(湿度50%RH)の恒温室で10日間養生した後の寸法保持率が99%以上という優れた結果を示した。このため、安全性を確保しながら、後述の強化繊維からなる積層体への含浸が容易であり、硬化性に優れた熱硬化性フラン樹脂組成物が得られた。フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及び/またはヒドロキシメチルフルフラールであるフルフラール誘導体(B)は、反応性希釈剤として、フルフラルアルコールの代替材料として使用でき、優れた熱硬化性フラン樹脂組成物ならびにフラン樹脂積層体が得られた。
本発明の熱硬化性フラン樹脂組成物では、高粘度のフルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの共縮合物に対して使用可能な低粘度の反応性希釈剤として、フラン‐3‐カルボン酸、あるいはフラン‐2,5‐ジメタノール、あるいは2,5‐フランジカルボン酸、及び/またはヒドロキシメチルフルフラールを含有することで、低水分でフラン樹脂の低粘度化を図る事ができるため、硬化後の成型品の収縮低減、成型品の強度アップ、そして、健康毒性の観点で安全な成型品を得ることができる。
Claims (9)
- フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)と、
フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)と、
酸性硬化剤(C)と
を含有する、熱硬化性フラン樹脂組成物。 - フルフリルアルコール及びフルフラール残存モノマーの合計含有量が全重量の1wt%未満である、請求項1記載の熱硬化性フラン樹脂組成物
- 前記フルフラール誘導体(B)の含有量が、前記フラン樹脂及び変性フラン樹脂(A)100重量部に対して1〜50重量部である、請求項1又は2記載の熱硬化性フラン樹脂組成物。
- 水含有量が10wt%未満である、請求項1〜3の何れか1項に記載の熱硬化性フラン樹脂組成物。
- 粘度が500〜3000mPa・sである、請求項1〜4の何れか1項に記載の熱硬化性フラン樹脂組成物。
- フラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に、フラン‐3‐カルボン酸、フラン‐2,5‐ジメタノール、2,5‐フランジカルボン酸、及びヒドロキシメチルフルフラールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのフルフラール誘導体(B)を添加して低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)を得る希釈工程と、前記低粘度化されたフラン樹脂及び/又は変性フラン樹脂(A)に酸性硬化剤(C)を添加する硬化剤添加工程とを有する、熱硬化性フラン樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の熱硬化性フラン樹脂組成物を加熱硬化して得られた、フラン樹脂硬化物。
- 請求項7記載のフラン樹脂硬化物と、樹脂含浸基材とを含む、フラン樹脂積層体。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の熱硬化性フラン樹脂組成物を、樹脂含浸基材に含浸後、加熱・硬化させてフラン樹脂積層体を製造する、フラン樹脂積層体の製造方法。
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JP2012084162A JP2013213140A (ja) | 2012-04-02 | 2012-04-02 | 熱硬化性フラン樹脂組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016535144A (ja) * | 2013-08-01 | 2016-11-10 | コンプネクスト・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ | 補強層および樹脂を有する複合材料製品の製造方法 |
-
2012
- 2012-04-02 JP JP2012084162A patent/JP2013213140A/ja active Pending
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