JP2013213076A - 光膨張性マイクロカプセル - Google Patents

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Hiroshi Yamauchi
博史 山内
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Abstract

【課題】非加熱プロセスで発泡が可能であることから、熱に弱い材料でも充分な発泡性を付与することができ、パターン発泡性、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な光膨張性マイクロカプセルを提供する。また、本発明は、光膨張性マイクロカプセルの製造方法を提供する。
【解決手段】ガスバリア性重合体と、光により分解して気体を発生させる光分解性材料とを含有する光膨張性マイクロカプセルであって、前記光分解性材料は、アゾ化合物、アジド化合物及びテトラゾール化合物から選択される少なくとも1種である光膨張性マイクロカプセル。
【選択図】なし

Description

本発明は、非加熱プロセスで発泡が可能であることから、熱に弱い材料でも充分な発泡性を付与することができ、パターン発泡性、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な光膨張性マイクロカプセルに関する。また、本発明は、該光膨張性マイクロカプセルの製造方法に関する。
これまで、樹脂材料の軽量化や高機能化を目的として、発泡剤を用いて材料を発泡させることが行われており、このような発泡剤としては、化学発泡剤や光膨張性マイクロカプセルが一般的に用いられている。
しかしながら、化学発泡剤は、発生したガスを系内に留めておくことができず、気泡が連続気泡となったり、ボイドやガス抜けが発生したりするといった問題があった。
光膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性シェルポリマーの中に、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる液体の揮発性膨張剤が内包されているものが広く知られており、例えば、特許文献1には、低沸点の脂肪族炭化水素等の揮発性膨張剤をモノマーと混合した油性混合液を、油溶性重合触媒とともに分散剤を含有する水系分散媒体中に攪拌しながら添加し懸濁重合を行うことにより、揮発性膨張剤を内包する光膨張性マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
一方で、このような光膨張性マイクロカプセルを発泡させる場合は、全体を加熱する必要があるため、例えば、局所的に発泡させたい場合等は、対応することができなかった。また、一旦加熱を行うと、発泡が進行してしまうため、適当な発泡倍率で発泡を停止することができず、異常発泡(ボイド等)が発生してしまう、といった問題もあった。
このような場合に対応可能な方法として、非特許文献1には、UV分解性樹脂を用いたパターン発泡方法が提案されている。これは、UVで分解して酸が発生するような成分と、酸と熱が加わった場合にガスが発生する成分が備えられた樹脂とをシート状に成形加工し、発泡させたい部分のみに紫外線を照射することで、酸を発生させた後、全体を加熱することにより、紫外線を照射した部分のみを発泡させるという技術である。
しかしながら、この方法では、樹脂から発生したガスを系内にとどめておくことができず、ボイドや連続気泡、ガス抜け等が発生するという問題があった。また、最終的には加熱する必要があるため、熱に弱い材料で発泡させることができないという欠点もあった。
特公昭42−26524号公報
成形加工 Vol.19 No.4 2007 228〜232頁
本発明は、非加熱プロセスで発泡が可能であることから、熱に弱い材料でも充分な発泡性を付与することができ、パターン発泡性、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な光膨張性マイクロカプセルを提供することを目的とする。また、本発明は、該光膨張性マイクロカプセルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガスバリア性重合体と、光により分解して気体を発生させる光分解性材料とを含有する光膨張性マイクロカプセルであって、前記光分解性材料は、アゾ化合物、アジド化合物及びテトラゾール化合物から選択される少なくとも1種である光膨張性マイクロカプセルである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の光膨張性マイクロカプセルは、ガスバリア性重合体と、光分解性材料と含有する。
なお、本発明において、「光分解性材料」とは、光を照射することにより気体を発生する材料のことをいう。
本発明の光膨張性マイクロカプセルは、光分解性材料を含有することで、非加熱プロセスで発泡が可能となり、熱に弱い材料でも充分な発泡性を付与することが可能となる。また、加熱及び加熱後の冷却にかかっていた膨大なエネルギーを抑制することができる。また、光を発泡のエネルギーとして用いているために、発泡させたい場所や、発泡時期を制御することができることが容易であることから、高精細なパターンの発泡が可能となる。
特に、上記光分解性材料が固体である場合は、液体成分や気体成分を内包しなくなることから、貯蔵時に液体成分や気体成分が脱離するという問題が生じず、貯蔵安定性を大幅に改善することができる。また、液体成分や気体成分が存在しないことで、機械的強度が向上し、例えば、射出成形等の高せん断が負荷される用途で特に好適に使用することができる。
更に、形態がマイクロカプセル型であることで、発生したガスを粒子内に留めておくことができ、独立気泡の発泡体を得ることが可能である。また、ガス抜けによる金型汚染や外観不良の問題も解決できる。
上記ガスバリア性重合体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及び塩化ビニリデン、シアン化ビニリデン、からなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性モノマーを主成分として得られる重合体が好ましい。
なお、上記ガスバリア性重合体は、重合性モノマー全量に対して上記ガスバリア性モノマーを40重量%以上含有するモノマーを重合させて得られるものであることが好ましい。
上記ガスバリア性モノマーの含有量が40重量%未満であると、ガスバリア性やシェル弾性率が下がり、発泡倍率が低下することがある。より好ましい下限は60重量%、さらにより好ましい下限は80重量%である。
上記ガスバリア性重合体に用いるその他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン等のビニルモノマー等が挙げられる。
その他の重合性モノマーは、光膨張性マイクロカプセルに必要な特性に応じて適宜選択されて使用され得るが、これらのなかでメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル等が好適に用いられる。
本発明のガスバリア性重合体を作製する際に用いる重合性モノマー全量に対する上記のその他のモノマーの、好ましい上限は、60重量%である。上記その他の重合体の含有量が60重量%を超えると、ガスバリア性が低下し、光膨張性が悪化しやすくなる。
上記その他の重合体の含有量のより好ましい上限は40重量%、さらにより好ましい上限は20重量%である。
本発明のガスバリア性重合体を作製する際に用いる重合性モノマーは、分子内に二重結合を2つ以上有するモノマー(以下、多官能モノマーともいう)を含有することが好ましい。
上記多官能モノマーは、架橋剤としての役割を有する。上記多官能モノマーを含有することにより、シェルの強度を強化することができ、光膨張時にセル壁が破泡し難くなる。また、上記多官能モノマーの添加により、歪み回復率の低下を抑制することが可能となる。
上記多官能モノマーとしては、ラジカル重合性二重結合を2以上有するモノマーが挙げられ、具体例には例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、重量平均分子量が200〜600であるポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのなかでは、トリメチロールプロパントリメタアクリレート等の3官能性のものや、ポリエチレングリコールジメタアクリレート等の2官能性のアクリレートのもの等の2官能以上のアクリレートが、アクリロニトリルを主体としたシェルには比較的均一に架橋が施され、光膨張したマイクロカプセルが収縮しにくく、膨張した状態を維持しやすいため、いわゆる「へたり」と呼ばれる現象を抑制することができ、好適に用いられる。
上記ガスバリア性重合体中における、上記多官能モノマーからなる構成単位の含有量の好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は3重量%である。上記多官能モノマーからなる構成単位の含有量が0.1重量%未満であると、架橋剤としての効果が発揮されないことがあり、上記多官能モノマーからなる構成単位が3重量%を超えると、光膨張性マイクロカプセルの発泡倍率が低下する。上記多官能モノマーからなる構成単位の含有量のより好ましい下限は0.2重量%、より好ましい上限は2重量%である。
上記ガスバリア性重合体のガラス転移温度は特に限定されないが、好ましい上限は100℃である。上記ガラス転移温度が100℃を超えると、通常の室温において重合体が硬くなり、光を照射するだけでは膨張しないことがある。上記ガスバリア性重合体のガラス転移温度の好ましい下限は−50℃、より好ましい上限は80℃で、更に好ましい上限は60℃である。
上記ガスバリア性重合体の重量平均分子量の好ましい下限は1万、好ましい上限は200万である。重量平均分子量が1万未満であると、強度が低下することがあり、重量平均分子量が200万を超えると、強度が高くなりすぎ、発泡倍率が低下することがある。
本発明の光膨張性マイクロカプセルは、光により分解して気体を発生させる光分解性材料を含有する。上記光分解性材料は、光によって分解し、光膨張性マイクロカプセルを膨張させる役割を果たす。
上記光としては、赤外線、可視光線、紫外線、電子線、エックス線、中性子線等が挙げられる。特に紫外線が好ましい。
上記光分解性材料は、光を照射することにより気体を発生する材料であり、アゾ化合物、アジド化合物及びテトラゾール化合物から選択される少なくとも1種である。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。特に好ましいのは、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等のアゾアミド化合物である。
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド等や、3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、光、熱及び衝撃等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記テトラゾール化合物としては、下記一般式(1)、一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2013213076
上記一般式(1)〜(3)中、R、Rは、シアネート基、マレイミド基、グリシジル基、エポキシ基、水酸基又はアミノ基を含有する置換基を表す。
上記テトラゾール化合物は、紫外線を照射することにより気体(窒素ガス)を発生する一方、200℃程度の高温下でも分解しない高い耐熱性を有する。
このような置換基を有することにより、上記官能基含有(メタ)アクリル系共重合体と反応させて、側鎖にテトラゾール骨格を有するポリマーを得ることができる。なお、R、Rは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物は、具体的には例えば、5−アミノメチルテトラゾール、5−アミノテトラゾールモノハイドレート、1−(ジメチルアミノエチル)−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1H−5ヒドロキシ−テトラゾール、1フェニル−5ヒドロキシ−テトラゾール、5−アセタアミドテトラゾール、5−アミノフェニルテトラゾール−2−(5−テトラゾリル)アニリン等が挙げられる。
上記一般式(2)で表されるテトラゾール化合物は、具体的には例えば、5,5’−ビス(アミノテトラゾール)等が挙げられる。
上記一般式(3)で表されるテトラゾール化合物は、具体的には例えば、5,5’−アゾビステトラゾールアミノグアニジン等が挙げられる。
本発明の光膨張性マイクロカプセルにおける光分解性材料は常温(40℃以下)で固体であることが好ましい。これにより、貯蔵安定性や機械的強度を大幅に改善することができる。
上記光分解性材料は、ガスバリア性モノマーの重合時の温度、時間で分解しないことが好ましい。具体的には、熱天秤を用いて測定した、100℃15分加熱した前後の重量残存率が95重量%以上であることが好ましい。95重量%よりも低いと、ガスバリア性モノマー重合時に、光分解性材料が熱により分解され、このマイクロカプセルを膨張させる際に必要な光分解性材料としての有効成分が少なくなり、膨張しにくくなる。より好ましくは、97重量%以上である。
本発明の光膨張性マイクロカプセル中の光分解性材料の含有量は、重合性モノマーと光分解性材料の合計量100重量部に対して5〜80重量部であることが好ましい。5重量部よりも少ないと、発生ガス量が少なく、膨張性が低くなる。80重量部より多いと、相対的にガスバリア成分が少なくなり、マイクロカプセル中にガスを留めておくことが困難になり、ガス抜けが発生して膨張性が低下する可能性がある。より好ましくは、10〜60重量部である。更に好ましくは20〜40重量部である。合計が上記範囲である限り、上記化合物を複数用いても良いし、単独で用いても良い。
本発明の光膨張性マイクロカプセルにおけるガスバリア性重合体と光分解性材料の形態としては、ガスバリア性重合体からなるシェルと、光分解性材料からなるコアとを有する構造であってもよく、ガスバリア性重合体と光分解性材料がミクロ相分離した構造であってもよく、ガスバリア性重合体と光分解性材料とが相溶していてもよい。
上記ガスバリア性重合体からなるシェルと、光分解性材料からなるコアとを有する構造である場合、光照射によって光分解性材料が分解することで、膨張剤として役割を果たす。また、光分解性材料がガスバリア性重合体に内包された構造をとることで、光分解性材料が抜けることなくシェルを膨張させることができる。
上記コアシェル構造である場合、シェルの厚みは0.1〜20μmであることが好ましい。上記範囲内とすることで内部で発生したガスを外部に抜けることなくシェルを膨張させることが可能であるために、より高膨張倍率を得ることが可能となる。
上記ガスバリア性重合体と光分解性材料とがミクロ相分離構造や、相溶している場合、光が均等に光分解性材料に照射され、膨張する速度を速くすることが可能になるという利点がある。
このような形態とする場合、上記ガスバリア性重合体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及び塩化ビニリデン、シアン化ビニリデン、からなる群より選択される少なくとも1種のガスバリア性モノマーを主成分として得られる重合体を用いることが好ましく、上記光分解性材料としては、光を照射することにより気体を発生する、アゾ化合物、アジド化合物、テトラゾール化合物から選択される材料を用いることが好ましい。
本発明の光膨張性マイクロカプセルの体積平均粒子径の好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は100μmである。0.01μm未満であると、相対的にシェルの厚みが薄くなるために発生したガスがカプセルから抜けるために発泡しないことがあり、100μmを超えると、得られる成形体の気泡が大きくなるため、意匠性や強度等の面で問題となることがある。より好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は50μmである。
本発明の光膨張性マイクロカプセルには、更に必要に応じて、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シランカップリング剤、色剤等を含有していてもよい。
本発明の光膨張性マイクロカプセルを製造する方法としては、重合性モノマーと光分解性材料と重合開始剤と水を含む混合体を作製する工程と、重合性モノマーを重合させる工程を有する方法(A)や、重合性モノマーを重合する工程と、得られた重合体と光分解性材料を含む混合体を作製する工程を有する方法(B)等がある。
例えば、ソープフリー重合法を用いて重合を行う方法、ミニエマルション重合法を用いて重合を行う方法、乳化重合法を用いて重合を行う方法、懸濁重合法を用いて重合を行う方法を用いることができる。
本発明の光膨張性マイクロカプセルの製造方法では、液体成分を内包する光膨張性マイクロカプセルを製造する場合のように粒子作製上の条件が少なく、幅広い粒径の光膨張性マイクロカプセルを作製することができる。
(A)による方法としては、例えば、アクリロニトリル等のガスバリア性モノマーとメタクリル酸イソブチル等のその他のモノマーと、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等の光分解性材料と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の重合性開始剤を相溶して油性成分を作製し、この油性成分を、分散剤としてポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを溶解させた水溶液に投入し、ホモジナイザー等で乳化し、その後に加熱してモノマーを重合させて得る方法が挙げられる。
(B)による方法としては、例えば、アクリロニトリル等のガスバリア性モノマーとメタクリル酸イソブチル等のその他のモノマーを相溶して油性成分を作製し、この油性成分を、イオン交換水に投入し、攪拌しながら加熱し、加熱後に過硫酸アンモニウム等の重合性開始剤を加えてガスバリア性モノマーとその他モノマーの共重合体微粒子分散液を作製し、得られた微粒子分散液を噴霧乾燥等で乾燥して、微粒子粉体を作製し、微粒子粉体と2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等の光分解性材料を乾式ミキサーで混合し、混合体を90℃の熱風オーブン等で加熱、乾燥させて得る方法等が挙げられる。
上記分散剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートのような界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのような水溶性ポリマー、コロイダルシリカ、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムのような固体粒子等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物等が好適に用いられる。
具体例には、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化ジアルキル、イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の過酸化ジアシル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α、α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等のパーオキシエステル、ジ−2−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
上記重合開始剤は、ガスバリアモノマーの重合時の温度、時間で良好に分解していることが好ましい。具体的には、熱天秤を用いて測定した、100℃15分加熱した前後の重量残存率が80重量%以下であることが好ましい。80重量%よりも高いと、ガスバリア性モノマー重合時に、ガスバリアモノマーが有効に重合せず、得られるマイクロカプセルにガスバリア性が無く、膨張性が低下する問題や、重合しなかった残留モノマーが多くなり、製品収率が下がる、環境に対する悪影響が高くなる等の問題が発生する。より好ましくは、70重量%以下である。
また、上記重合開始剤の添加量は、重合性モノマー100重量部に対して0.05〜7重量部であることが好ましい。0.05重量部よりも少ないと、重合が充分に進行せず、得られる光膨張性マイクロカプセルのガスバリア性が低下して、膨張性が悪化する問題や、重合後に残留モノマーが多くなり、製品収率が下がる、環境に対する悪影響が高くなる等の問題が発生する。7重量部より多いと、重合を終えても残留している開始剤があり、マイクロカプセルを保管している間に徐々に分解してしまい、マイクロカプセルの膨張性が低下する可能性がある。より好ましくは、0.2〜5重量部である。更に好ましくは0.5〜3重量部である。合計が上記範囲である限り、上記化合物を複数用いても良いし、単独で用いても良い。
(A)による方法としてのより詳しい例として、例えば、水性媒体を調製する工程、ガスバリア性重合体を形成するためのモノマーと、光分解性材料を含有する油性混合液を水性媒体中に分散させる工程、及び、上記モノマーを重合させる工程を行うことにより製造することができる。
本発明の光膨張性マイクロカプセルを製造する場合、最初に水性媒体を調製する工程を行う。具体例には例えば、重合反応容器に、水と分散安定剤、必要に応じて補助安定剤を加えることにより、分散安定剤を含有する水性分散媒体を調製する。また、必要に応じて、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、重クロム酸カリウム等を添加してもよい。
上記分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
上記分散安定剤の添加量は特に限定されず、分散安定剤の種類、マイクロカプセルの粒子径等により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。
上記補助安定剤としては、例えば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル、各種乳化剤等が挙げられる。
また、上記分散安定剤と補助安定剤との組み合わせとしては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカと縮合生成物との組み合わせ、コロイダルシリカと水溶性窒素含有化合物との組み合わせ、水酸化マグネシウム又はリン酸カルシウムと乳化剤との組み合わせ等が挙げられる。これらの中では、コロイダルシリカと縮合生成物との組み合わせが好ましい。
更に、上記縮合生成物としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸との縮合物やジエタノールアミンとイタコン酸との縮合生成物が好ましい。
上記水溶性窒素含有化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートやポリジメチルアミノエチルアクリレートに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドやポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに代表されるポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリカチオン性アクリルアミド、ポリアミンサルフォン、ポリアリルアミン等が挙げられる。これらのなかでは、ポリビニルピロリドンが好適に用いられる。
上記コロイダルシリカの添加量は、光膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。更に好ましい下限は2重量部、更に好ましい上限は10重量部である。また、上記縮合生成物又は水溶性窒素含有化合物の量についても光膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が2重量部である。
上記分散安定剤及び補助安定剤に加えて、更に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を添加してもよい。無機塩を添加することで、より均一な粒子形状を有する光膨張性マイクロカプセルが得ることができる。上記無機塩の添加量は、通常、モノマー100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
上記分散安定剤を含有する水性分散媒体は、分散安定剤や補助安定剤を脱イオン水に配合して調製され、この際の水相のpHは、使用する分散安定剤や補助安定剤の種類によって適宜決められる。例えば、分散安定剤としてコロイダルシリカ等のシリカを使用する場合は、酸性媒体で重合がおこなわれ、水性媒体を酸性にするには、必要に応じて塩酸等の酸を加えて系のpHが3〜4に調製される。一方、水酸化マグネシウム又はリン酸カルシウムを使用する場合は、アルカリ性媒体の中で重合させる。
次いで、油性混合液を水性媒体中に分散させる工程を行う。なお、上記モノマーを重合するために、重合開始剤が使用されるが、上記重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加してもよく、水性分散媒体と油性混合液とを重合反応容器内で攪拌混合した後に添加してもよい。
上記油性混合液を水性分散媒体中に所定の粒子径で乳化分散させる方法としては、ホモミキサー(例えば、特殊機化工業社製)等により攪拌する方法や、ラインミキサーやエレメント式静止型分散器等の静止型分散装置を通過させる方法等が挙げられる。
なお、上記静止型分散装置には水系分散媒体と重合性混合物を別々に供給してもよいし、予め混合、攪拌した分散液を供給してもよい。
本発明の光膨張性マイクロカプセルに、熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂を加えた樹脂組成物、又は、光膨張性マイクロカプセルと熱可塑性樹脂等のベースレジンとを混合したマスターバッチペレットに熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂を加えた樹脂組成物を添加し、射出成形等の成形方法を用いて成形した後、光を照射することにより、上記光膨張性マイクロカプセルを発泡させることにより、発泡成形体を製造することができる。
上記発泡成形体の成形方法としては、特に限定されず、例えば、混練成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等が挙げられる。
その他に、光膨張性マイクロカプセルに、熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂を混合し、場合によって有機溶剤で希釈することにより、ペースト状組成物を作製した後、アプリケーター等でフィルム、シート状に塗布し、乾燥させ、光を照射して、上記光膨張性マイクロカプセルを発泡させることにより、発泡フィルム、シートを製造することができる。
本発明によれば、非加熱プロセスで発泡が可能であることから、熱に弱い材料でも充分な発泡性を付与することができ、パターン発泡性、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な光膨張性マイクロカプセルを提供できる。また、本発明は、該光膨張性マイクロカプセルの製造方法を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
アクリロニトリル35重量部、アクリル酸nブチル34重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1重量部、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)30重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.2重量部を溶解し、油性混合物を作製した。水200重量部に、コロイダルシリカ20重量%水分散液(ADEKA社製、AT−20)20重量部、ポリビニルピロリドン30重量%水溶液(第一工業製薬社製、PVP K−30)0.5重量部、1N塩酸(和光純薬工業社製)0.15重量部、塩化ナトリウム100重量部を混合し、水性混合物を作製した。水性混合物に油性混合物を投入し、超音波ホモジナイザーで乳化した。乳化した液を70℃まで加熱し、12時間後、冷却した。得られた液体から濾紙と吸引濾過器を用いて粒子を分離し、さらに200重量部の水を2回添加して洗浄を繰り返した。得られたウェットケーキ状の粒子を50℃のオーブンに投入し、24時間乾燥することで、光膨張性マイクロカプセルを得た。
(実施例2)
アクリロニトリル35重量部、アクリル酸nブチル34重量部の代わりに、アクリロニトリル34重量部、塩化ビニリデン35重量部を用いた以外は実施例1と同様にして光膨張性マイクロカプセルを得た。
(実施例3)
アクリル酸nブチル34重量部の代わりに、メタクリル酸イソブチル34重量部を用いた以外は実施例1と同様にして光膨張性マイクロカプセルを得た。
(実施例4)
アクリロニトリル35重量部、アクリル酸nブチル34重量部の代わりに、アクリロニトリル24重量部、メタクリロニトリル10重量部、塩化ビニリデン35重量部を用いた以外は実施例1と同様にして光膨張性マイクロカプセルを得た。
(実施例5)
2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)30重量部の代わりに、2,2‘−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)(VAm111、和光純薬工業社製)30重量部を用いた以外は実施例2と同様にして光膨張性マイクロカプセルを得た。
(実施例6)
2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)30重量部の代わりに、5−アミノメチルテトラゾール(和光純薬工業社製)30重量部を用いた以外は実施例2と同様にして光膨張性マイクロカプセルを得た。
(実施例7)
アクリロニトリル35重量部、アクリル酸nブチル34重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1重量部、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)30重量部の代わりに、アクリロニトリル50重量部、メタクリロニトリル25重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1重量部、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)24重量部を用いた以外は実施例1と同様にして光膨張性マイクロカプセルを得た。
(比較例1)
2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)30重量部の代わりにイソペンタン(和光純薬工業社製)30重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてマイクロカプセルを得た。
(比較例2)
2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)30重量部の代わりに、イソペンタン(和光純薬工業社製)30重量部を用いた以外は実施例2と同様にしてマイクロカプセルを得た。
(比較例3)
2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド(VAm110、和光純薬工業社製)の代わりにイソペンタン(和光純薬工業社製)24重量部を用いた以外は実施例7と同様にしてマイクロカプセルを得た。
(評価)
実施例、比較例で得られた光膨張性マイクロカプセルについて、下記性能を評価した。結果を表1に示した。
(1)平均粒子径
得られた光膨張性マイクロカプセルの乾燥粉体を、走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個が観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個の微粒子についてノギスを用いて最長径を測定し、この値の数平均値を発泡前平均粒子径とした。
(2)光発泡性
得られた光膨張性マイクロカプセルの乾燥粉体を、スライドガラスの上に乗せ、紫外線照射機(高圧水銀灯 オーク製作所社製)にて光量5000mJを照射した。その後、走査型電子顕微鏡により、1視野に約100個が観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個の微粒子についてノギスを用いて最長径を測定し、この値の数平均値を発泡後平均粒子径とした。
得られた数値を以下の基準で評価した。
発泡後平均粒子径/発泡前平均粒子径が、
◎ 1.4以上
○ 1.2以上1.4未満
△ 1.1以上1.2未満
× 1.1未満
(3)貯蔵安定性
アルミカップに光膨張性マイクロカプセルを1〜2g秤量し、90℃のオーブンで、5時間加熱した。次いで、加熱後の重量を測定し、([加熱後の重量/加熱前の重量]×100)を算出した。
得られた数値が90%を超える場合を「◎」、80〜90%である場合を「○」、70〜80%である場合を「△」、70%未満である場合を「×」とした。
Figure 2013213076
本発明によれば、非加熱プロセスで発泡が可能であることから、熱に弱い材料でも充分な発泡性を付与することができ、パターン発泡性、貯蔵安定性に優れ、強い剪断力が加えられる成形等にも好適に使用可能な光膨張性マイクロカプセルを提供できる。また、本発明によれば、該光膨張性マイクロカプセルの製造方法を提供できる。

Claims (11)

  1. ガスバリア性重合体と、光により分解して気体を発生させる光分解性材料とを含有する光膨張性マイクロカプセルであって、前記光分解性材料は、アゾ化合物、アジド化合物及びテトラゾール化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする光膨張性マイクロカプセル。
  2. ガスバリア性重合体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン及びシアン化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを主成分として得られる重合体からなることを特徴とする請求項1記載の光膨張性マイクロカプセル。
  3. ガスバリア性重合体は、ガラス転移温度が100℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の光膨張性マイクロカプセル。
  4. 光分解性材料は、アゾ化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光膨張性マイクロカプセル。
  5. 光分解性材料は、テトラゾール化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光膨張性マイクロカプセル。
  6. ガスバリア性重合体からなるシェルと、光分解性材料からなるコアとを有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の光膨張性マイクロカプセル。
  7. ガスバリア性重合体と光分解性材料とが相溶していることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の光膨張性マイクロカプセル。
  8. ガスバリア性重合体と、光分解性材料とがミクロ相分離していることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の光膨張性マイクロカプセル。
  9. 体積平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の光膨張性マイクロカプセル。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の光膨張性マイクロカプセルを製造する方法であって、重合性モノマーと光分解性材料と重合開始剤と水とを含有する混合物を作製する工程と、重合性モノマーを重合させる工程とを有することを特徴とする光膨張性マイクロカプセルの製造方法。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の光膨張性マイクロカプセルを製造する方法であって、重合性モノマーを重合する工程と、得られた重合体と光分解性材料とを含有する混合物を作製する工程とを有することを特徴とする光膨張性マイクロカプセルの製造方法。
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