JP2013212884A - コンテナターミナルとその制御方法 - Google Patents

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Masanobu Ogasawara
正信 小笠原
Kazuaki Ando
和彰 安藤
Shinya Kashiwasuga
信哉 栢菅
Masahito Horie
雅人 堀江
Hiroshi Kasai
大至 笠井
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Abstract

【課題】運搬台車が平行する二つの走行路の間を円滑に移動することができ、荷役効率の向上と消費電力を低減することができるコンテナターミナルとその制御方法を提供する。
【解決手段】コンテナを蔵置する蔵置レーン2に隣接し、蔵置レーン2の長手方向に延在する往路11及び復路12と、往路11及び復路12を双方向に自走するカート9とを備え、少なくとも往路11と復路12の両端部に、往路11又は復路12と接続する主路14aを有し、主路14aを往路11又は復路12の一方から他方へカート9を載せたまま遷すトラバーサ13を備え、蔵置レーン2に隣接するカート9の流れを、少なくとも一つの環状の流れ10で形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンテナを蔵置する蔵置レーンの長手方向に延在する往路と復路と、往路を走行したときの逆方向に復路を自走する運搬台車と、を備えるコンテナターミナルとその制御方法に関する。
コンテナターミナルは船舶に対してコンテナを積み込み又は積み卸し、陸上輸送用の外来シャーシでコンテナを搬入および搬出する施設である。また、積み卸し又は搬入されたコンテナを一時的に保管する施設でもある。
現在、国際航路におけるコンテナ輸送システムの急速な進展に伴い、コンテナターミナル内での荷役や蔵置作業の自動化や省力化が望まれている。すなわち船舶とコンテナターミナル間のコンテナの搬送およびコンテナターミナルでのコンテナの蔵置部分での自動化や高能率化、ならびに低コスト化などが重要になっている。
そこで、一つのコンテナの両端部を二台一組で保持して、運搬するカート(運搬台車)がある(例えば、特許文献1参照)。このカートは、コンテナを運搬するカートを従来のものよりも小型化し、コンテナ運搬の効率を向上すると共に、消費電力を低減している。
一方、コンテナを蔵置する蔵置レーンに隣接し、蔵置レーンの長手方向に延在する往路と復路とを備え、カートが往路を走行したときの逆方向に復路を自走するコンテナターミナルもある(例えば、特許文献2参照)。このコンテナターミナルは、蔵置レーンに隣接するカートの走行路を、カートがコンテナを搭載して走行する往路と、コンテナを搭載しないで走行する復路とに分けることで、次々にカートにコンテナを運搬させて荷役効率を向上している。
ここで、それら二つの装置を組み合わせたコンテナターミナルの動作について、図9を参照しながら説明する。このコンテナターミナル1Xは、船舶SからコンテナCを積み卸す場合には、まず、岸壁クレーンGCが荷役したコンテナCを、周回搬送台車7が海側受渡領域3まで運搬する。
次に、海側受渡領域3の受渡架台5がそのコンテナCを二台のカート9に搭載し、その二台のカート9が往路11を自走して、コンテナCをどちらか一方のヤードクレーン6まで運搬する。次に、ヤードクレーン6が二台のカート9からコンテナCを受け取り、蔵置レーン2に蔵置する。そして二台のカート9は往路11から復路12に移載され、それぞれ復路12を自走して元に戻る。
船舶Sへ積み込む場合には、この逆の動作となり、カート9が復路12を自走し、復路12から往路11に移載され、往路11を自走し、ヤードクレーン6からコンテナCを受け取る。
また、外部からコンテナを搬入する場合には、まず、外来シャーシ8がコンテナCを陸側受渡領域4まで運搬する。次に、陸側受渡領域4の受渡架台5がそのコンテナCを二台のカート9に搭載し、その二台のカート9がコンテナCをどちらか一方のヤードクレーン6まで運搬する。次に、ヤードクレーン6が二台のカート9からコンテナCを受け取り、蔵置レーン2に蔵置する。外部へ搬出する場合には、この逆の動作を行う。
各動作において、カート9は二台一組で一つのコンテナCを搭載して往路11を自走し、復路12へと移動して、元に戻る、又は復路12を自走し、往路11へ移動して、コンテナCを搭載して元に戻る。このとき、往路11と復路12との間の移動にカート9を持ち上げる、又は吊り上げる移載機13Xを用いて、または、移載機13Xの換わりにカート9を鉛直方向に持ち上げて、往路11と復路12との間の移動を行うコンベア(図示しない)を用いて行っている。
しかし、この移載機13Xを用いた方法や、コンベアを用いた方法では、自重が約2tあるカート9を持ち上げる、又は吊り上げる必要があり、且つその状態で往路11と復路12との間を移動させているため、カート9の移動に時間が掛かっていた。
また、カート9が往路11と復路12との間を移動する際に、カート9をレールから持ち上げる、又は吊り上げることにより、カート9の車輪と往路11又は復路12のレールが離れてしまい、カート9の車輪と往路11又は復路12のレールとの位置合わせを正確に行う必要があった。このとき、カート9をレール上に降ろす際には、往路11と復路12のレールとカート9の車輪との寸法差を約5mm程度以内に収めなければならず、高精度の操作、又は制御が必要である。
また、移載機13Xを用いずに、往路11と復路12の両端部のそれぞれを円環状に形成すると、カート9の自走で往路11と復路12との間の移動を行うことができるが、円環状にすることで往路11と復路12との間の幅を大きくする必要があり、蔵置レーン2の間の間隔が広くなり、蔵置レーン2を多く配置することができないという新たな問題が発生する。
米国特許出願公開US2011/0133419号明細書 米国特許出願公開US2011/0217150号明細書
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、荷役効率を向上するために、蔵置レーンに隣接する往路と復路とを設け、コンテナを運搬する運搬台車の流れを環状にする際に、運搬台車を持ち上げる、又は吊り上げることなく、往路と復路との間で円滑に移動することができるコンテナターミナルとその制御方法を提供することである。
上記の目的を解決するための本発明のコンテナターミナルは、コンテナを蔵置する蔵置レーンに隣接し、該蔵置レーンの長手方向に延在する往路及び復路と、前記往路を、前記コンテナを搭載して自走し、前記復路を、前記コンテナを搭載しないで前記往路を自走した方向の逆方向に自走する運搬台車とを備えるコンテナターミナルにおいて、少なくとも前記往路と前記復路の両端部に、前記往路又は前記復路と接続する主路を有し、該主路を前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ前記運搬台車の向きを変えずに遷す少なくとも一つのトラバーサを備え、前記蔵置レーンに隣接する前記運搬台車の流れを、少なくとも一つの環状の流れで形成して構成される。
この構成によれば、運搬台車を往路又は復路と接続される主路上に載せたままの状態で、トラバーサにより往路と復路の間を移動することができる。これにより、運搬台車を持ち上げて、又は吊り上げて移載することが無くなり、運搬台車と走行路とが接触した状態で走行路の切り換えを図ることができる。これにより、運搬台車の走行路をレールで形成する際に発生する、レールと運搬台車の車輪との位置合せを行うことなく、運搬台車をレール間で移動することができる。
また、往路と復路の両端部に上記のトラバーサを備え、運搬台車の流れを環状にすることで、運搬台車が次々にコンテナを運搬することができる。これにより、効率良くコンテナを運搬することができ、荷役効率を向上することができる。加えて、往路と復路の両端部を円環状に形成した環状路を設けた場合と比べて、往路と復路との間の間隔を狭くすることができるので、コンテナターミナル内の配置することができる蔵置レーンの数を増やすことができる。
また、上記のコンテナターミナルにおいて、前記主路に前記運搬台車が載っていることを検知する運搬台車用センサと、該運搬台車用センサに基づいて前記運搬台車と前記トラバーサを制御する制御装置とを備えると共に、前記制御装置が、前記運搬台車用センサが前記主路に前記運搬台車が載っていることを検知すると、前記運搬台車を停止して、前記運搬台車を前記主路に載せたまま前記トラバーサを前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ移動する第1手段と、前記第1手段の後に、前記運搬台車を前記主路に載る前の方向とは逆方向に自走させて、前記運搬台車用センサが前記主路に前記運搬台車が載っていることを検知しなくなると、前記運搬台車を前記主路に載せずに前記トラバーサを前記他方から前記一方へ移動する第2手段とを備えると、トラバーサを用いて、円滑に往路から復路に、又は復路から往路に運搬台車を移動させることができる。
これにより、運搬台車を次々に走行させることができるので、運搬台車同士の待ち時間をなくして、荷役効率を向上することができる。なお、上記の運搬台車は、運搬台車の車輪を双方向に回転可能な駆動装置を備え、例えば、第1手段の後に制御蔵置がその駆動装置を制御して、車輪の回転方向を変えることができるものである。
加えて、上記のコンテナターミナルにおいて、前記蔵置レーンに、外部から搬入されるコンテナを蔵置する搬入コンテナ領域と、外部へ搬出されるコンテナを蔵置する搬出コンテナ領域とを備えると共に、前記搬入コンテナ領域と前記搬出コンテナ領域との境界の延長線上の近傍に、前記トラバーサを備え、前記環状の流れを、前記搬入コンテナ領域で荷役するときの搬入用環状の流れと、前記搬出コンテナ領域で荷役するときの搬出用環状の流れとで形成すると、前述の作用効果に加えて、運搬台車の走行距離を短くすることができる。これにより、運搬台車が環状の流れを周回する時間を短縮すると共に、運搬台車の台数を少なくすることができる。
例えば、コンテナターミナルから外部へコンテナを搬出する場合は、搬出コンテナ領域のみで荷役作業が行われるため、運搬台車が搬入コンテナ領域まで走行することは無駄であり、上記の構成によれば、その無駄な運搬台車の走行を省くことができる。
さらに、上記のコンテナターミナルにおいて、前記ヤードクレーンのどちらか一方のヤードクレーン用走行路を、前記往路と前記復路の間に配置し、少なくとも、前記搬入コンテナ領域と前記搬出コンテナ領域との境界の延長線上の近傍の前記トラバーサに、前記ヤードクレーン用走行路の一部である副路を備えると共に、前記主路を前記往路又は前記復路に接続すると、前記副路が前記ヤードクレーン用走行路と接続されるように、二つの前記副路の間に前記主路を配置すると、ヤードクレーン用走行路と交差するトラバーサを設けても、そのトラバーサにヤードクレーン用走行路と接続される副路を備えるので、ヤードクレーンの走行を妨げることがない。これにより、蔵置レーン、往路、ヤードクレーンの走行路、及び復路の順に配置することができ、配置スペースを小さくすることができる。これにより、複数の蔵置レーンの並べた場合に、隣接する蔵置レーンの距離を短くすることができ、コンテナターミナル内により多くの蔵置レーンを設置することができる。
その上、上記のコンテナターミナルにおいて、前記主路と接続され、自走できない前記運搬台車が、後追いの前記運搬台車に押されて進入する故障車用路を備えると、往路又は復路上で自走不能になった運搬台車を、その運搬台車の後ろを自走していた運搬台車で故障車用路まで押し込むことができる。これにより、運搬台車が故障してもコンテナターミナルの荷役作業を止めることなく継続することができる。
上記の目的を解決するための本発明のコンテナターミナルの制御方法は、コンテナを蔵置する蔵置レーンに隣接し、該蔵置レーンの長手方向に延在する往路及び復路と、前記往路を、前記コンテナを搭載して自走し、前記復路を、前記コンテナを搭載しないで前記往路を自走した方向の逆方向に自走する運搬台車とを備えるコンテナターミナルの制御方法において、前記往路又は前記復路と接続する主路を有し、該主路を前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ前記運搬台車の向きを変えずに遷す少なくとも一つのトラバーサを備え、前記往路から前記復路に、又は前記復路から前記往路に前記運搬台車を前記主路に載せたまま移動する際に、前記運搬台車が前記主路に載ったときに、前記トラバーサを前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ移動する第1工程と、前記第1工程の後に、前記運搬台車が前記主路から降りたときに、前記トラバーサを前記他方から前記一方に移動することを特徴とする方法である。
この方法によれば、往路と復路の延在方向に略直交する方向に運搬台車の移動を、トラバーサで運搬台車の向きそのままに移動し、運搬台車の自走方向を換えることで行うことができる。
本発明によれば、荷役効率を向上するために、蔵置レーンに隣接する往路と復路とを設け、コンテナを運搬する運搬台車の流れを環状にする際に、運搬台車を持ち上げる、又は吊り上げることなく、往路と復路との間で円滑に移動することができる。これにより、運搬台車に効率よくコンテナを運搬させることができるので、荷役効率を向上し、且つ消費電力を低減することができる。
本発明に係る第1の実施の形態のコンテナターミナルの一つの蔵置レーンを示した平面図である。 図1に示すトラバーサを拡大した拡大図である。 図1に示すトラバーサの動作を示した図であり、(a)は往路と主路が接続され、運搬台車がトラバーサで停止した状態を示し、(b)はトラバーサが運搬台車を載せたまま往路から復路に移動する状態を示し、(c)は運搬台車がトラバーサから復路へ移動し、トラバーサを復路から往路に移動する状態を示す。 図1に示す故障車用路へ自走不能な運搬台車を運ぶ動作を示した図であり、(a)は自走不能な運搬台車を後追いの運搬台車が押す状態を示し、(b)は自走不能な運搬台車を故障車用路へ押し込む状態を示し、(c)は後追いの運搬台車がトラバーサに載った状態を示す。 本発明に係る第2の実施の形態のコンテナターミナルの一つの蔵置レーンを示した平面図である。 図5に示すトラバーサを拡大した拡大図である。 本発明に係る第3の実施の形態のコンテナターミナルの方向転換部を示した拡大図である。 本発明に係る第4の実施の形態のコンテナターミナルの方向転換部を示した拡大図である。 従来のコンテナターミナルを示した平面図である。
以下、本発明に係る実施の形態のコンテナターミナルについて、図面を参照しながら説明する。この実施の形態では、蔵置レーンが海陸方向に長手方向を有するコンテナターミナルを例に説明するが、本発明はこれに限定せず、例えば、蔵置レーンが海陸方向と直交する方向に長手方向を有するコンテナターミナルでも適用することができる。なお、図面に関しては、構成が分かり易いように寸法を変化させており、各部材、各部品の板厚や幅や長さなどの比率も必ずしも実際に製造するものの比率とは一致させていない。
まず、本発明に係る第1の実施の形態のコンテナターミナルについて、図1及び図2を参照しながら説明する。図9に示す従来のコンテナターミナルの移載機に換えて、図1に示すように、コンテナターミナル1は、蔵置レーン2に隣接し、カート(運搬台車)9が自走する往路11と復路12の両端部に、トラバーサ(遷車台)13aと13bを備え、カート9の流れを往路11、復路12、及びトラバーサ13aと13bとからなり、図中の矢印で示す環状の流れ10(場合によっては逆方向となる)で形成する。
この環状の流れ10とは、例えば、カート9が往路11を自走し、トラバーサ13bで往路11から復路12へ移動し、カート9が往路11を自走した方向とは逆向きに復路12を自走し、トラバーサ13aで復路12から往路11へ移動する流れのことであり、蔵置レーン2に隣接する双方向(図中の時計回り、又は反時計回り)の周回軌道である。
このコンテナターミナル1のカート9は、無人の運搬台車であり、また、往路11又は復路12を海から陸へ向かう方向に、及び陸から海へ向かう方向に、つまり双方向に自走可能な運搬台車である。このカート9は、例えば、一つのコンテナCを一台で搭載できるものを用いることができるが、好ましくは、コンテナCの両端部を二台で保持して運搬することができるものがよい。
この実施の形態では、コンテナCの両端部を二台で保持して運搬するカート9を用いて説明する。このカート9は、全長が短く、且つ自重が軽いため、コンテナ運搬の効率を向上すると共に、消費電力を低減することができる。
往路11と復路12を、蔵置レーン2の長手方向、つまり海陸方向に延在する一対のレールで形成し、往路11を蔵置レーン2側に配置し、且つ往路11と復路12とを略平行に配置する。この往路11は、カート9が二台一組になりコンテナCを運搬する走行路であり、復路12は、カート9がコンテナCを運搬せず一台ずつ自走する走行路である。
トラバーサ13(トラバーサ13aと13bは構成が同一になるため、以下13で統一する)は、図2に示すように、トラバーサ本体(遷車台ともいう)14、立坑15、トラバーサ用路16、及び故障車用路17を備える。また、このトラバーサ13は、制御装置18、及び、カート用センサ(運搬台車用センサ)19aと19bを備える。
トラバーサ本体14は、往路11又は復路12の一部であり、それぞれと接続される主路14aを備え、その主路14aを往路11及び復路12の延在方向と直角な方向に移動する遷車台であり、立坑15内に敷設されたトラバーサ用路16を走行する。このトラバーサ本体14は、主路14a、基台14b、車輪14c及び駆動装置14dを備える。
また、このトラバーサ本体14は、全長が短く、且つ自重が軽いカート9を主路14aに載せたまま往路11と復路12との間を移動することができればよく、トラバーサ本体14を小さくすることができ、合せて立坑15も小さくすることができるので、設置スペ
ースを小さくし、且つトラバーサ本体14を駆動するために消費する電力を低減することができる。
この実施の形態では地面に掘られた立坑15に敷設したトラバーサ用路16を走行する構成としたが、例えば、地面上に敷設したレール上を走行するトラバーサや、基台14bを用いずに主路14aに直接車輪などを取り付けて可動桁とするものでもよい。
故障車用路17は主路14aと接続可能に形成し、この実施の形態では、往路11又は復路12の延長上に配置するが、トラバーサ本体14が横行した際に往路11又は復路12と接続する位置とは別の位置に配置してもよい。
制御装置18は、電気回路によってコンテナターミナル1の制御を担当している電気的な制御を総合的に行うマイクロコントローラであり、カート用センサ19aと19bが検知する信号に基づいて駆動装置14dの駆動を制御している。また、カート9の走行も制御している。この制御装置18は、例えば荷役作業を管理する管理棟などに設けてもよい。
カート用センサ19aは、主路14a上のカート9を検知することができればよく、また、カート用センサ19bは、故障車用路17上のカート9を検知することができればよく、例えば、映像でカート9を検知するセンサやカート9側に設けた発信機と連動して検知するセンサでもよい。
次に、カート9が往路11と復路12との間で移動するときのコンテナターミナル1の制御方法について、図3を参照しながら説明する。なお、ここでは、カート9が往路11を海側か陸側に自走し、復路12を陸側から海側に自走するときの移動を例に説明するが、カート9が逆向きに自走するときの移動も同様の動作であるため、省略する。
まず、往路11を海側から陸側に自走していたカート9が主路14aに載ると、カート用センサ19aがカート9を検知する(ステップS1)。次に、図3の(a)に示すように、制御装置18がカート9を停止する(ステップS2)。このとき、カート9の停止位置が正しいか否かを判断するためのステップを行ってもよい。また、停止位置を正確にするために、往路11上、又は往路11のレール間に停止位置を容易に合せることができる車輪止めを設けてもよい。
次に、図3の(b)に示すように、制御装置18が、駆動装置24dを駆動して、主路14aにカート9を載せたまま、トラバーサ本体14を往路11から復路12に移動する(ステップS3)。次に、トラバーサ本体14が復路12まで移動して、主路14aと復路12とを接続する(ステップS4)。このとき、トラバーサ本体14が復路12側に到着すると主路14aと復路12とを接続することができるが、安全性を確保するために、主路14aと往路11又は復路12とが接続されたか否かを判断するためのセンサを設けてもよい。
次に、制御装置18が、カート9の自走方向を、トラバーサ本体14に載る前、つまり往路11を自走していた方向と逆方向の陸側から海側に変えて、カート9を自走させる(ステップS5)。次に、カート9が主路14aから降り、カート用センサ19aがカート9を検知できなくなる(ステップS6)。このステップS6まで、カート用センサ19aはカート9を検知し続けている。
次に、制御蔵置18が、主路14aにカート9を載せずに、復路12から往路11に移動する(ステップS7)。そして、主路14aと往路11とを接続する(ステップS8)
と、この制御方法は完了する。
この制御方法によれば、カート9の向きを変えずに、且つカート9の車輪と主路14aとを接触させたまま、往路11と復路12との移動をトラバーサ13によって行うことができるので、略平行して配置した往路11と復路12との間でカート9を略直角に移動することができる。
また、往路11と復路12との間の移動を、カート9を持ち上げずに、又は吊り上げずに行うことができるので、その際に発生するカート9の車輪と往路11又は復路12のレールとの位置合わせを省くことができる。
さらに、トラバーサ13にカート9が進入した際に、カート9に電力を給電するように構成すると、往路11と復路12の両端部でカート9へ給電することができる。この給電方法は例えば、非接触給電やパンダグラフなどの接触式給電などを用いることができる。
次に、上記の動作を往路11と復路12の両端部で行う第1の実施の形態のコンテナターミナル1の動作について、図1を参照しながら説明する。このコンテナターミナル1は、図1に示すように、カート9の流れを、往路11と復路12とトラバーサ13a及び13bとからなる環状の流れ10にすることで、蔵置レーン2内のコンテナCの運搬を円滑に効率よく行うことができる。
例えば、カート9が海側受渡領域3の受渡架台5からコンテナCを受け取り、どちらか一方のヤードクレーン6まで運搬する場合は、カート9は環状の流れ10を右回りする。詳しくは、カート9は、往路11を海側から陸側に向かって自走し、ヤードクレーン6にコンテナCを渡した後に、トラバーサ13bで往路11から復路12へ移動し、復路11を陸側から海側に向かって自走して戻る。
このとき、往路11では、カート9が海側から陸側へ自走し、トラバーサ13bで復路12へと移動し、一方、復路12でも、カート9が陸側から海側へ自走し、トラバーサ13aで往路11へと戻るため、待機時間が少なく、次々にコンテナCを運搬することができる。
ヤードクレーン6からコンテナCを受け取り、陸側受渡領域4の受渡架台5まで運搬する場合は、まずカート9が復路12を陸側から海側へ自走し、トラバーサ13aで復路12から往路11へ移動し、往路11を海側から陸側へ自走し、ヤードクレーン6からコンテナCを受け取り、陸側受渡領域4の受渡架台5まで運搬する。
逆に、陸側受渡領域の受渡架台5からコンテナを受け取る場合と、ヤードクレーン6からコンテナCを受け取り、海側受渡領域3の受渡架台5まで運搬する場合は、カート9は前述と逆向き、つまり環状の流れ10を左回りする。
トラバーサ13aと13bが上記のように動作して、カート9の流れを環状の流れ10にすることができ、カート9が次々にコンテナCを運搬することができる。よって、蔵置レーン2を跨ぎ、蔵置レーン2の長手方向に移動するヤードクレーン6にはコンテナCの吊り上げ下げを担当させ、カート9には蔵置レーン2内でのコンテナCの運搬を担当させることができるので、蔵置レーン2内のコンテナCの運搬を効率良く行うことができ、且つ次々にコンテナCを運搬することができる。これにより、コンテナターミナル1の荷役効率を向上することができる。
加えて、往路11と復路12の両端部に円環状の走行路を設けた場合と比べて、往路1
1と復路12との間の間隔を狭くすることができるので、コンテナターミナル1内に配置することができる蔵置レーン2の数を増やすことができる。
この実施の形態では、上記のトラバーサ13aと13bを往路11と復路12の両端部に備えること以外は、周知の技術のコンテナターミナルを用いることができる。また、往路11と復路12との間にヤードクレーン6の一方の走行路6bを配置すると、蔵置レーン2、往路11、ヤードクレーンの一方の走行路6b、及び復路12の順に並べることができ、配置スペースを小さくすることができる。これにより、複数の蔵置レーン2の並べた場合に、隣接する蔵置レーン2の間隔を短くすることができ、より多くの蔵置レーン2を設置することができる。この配置は、上記の配置に限定しない。例えば、蔵置レーン2、ヤードクレーン6の一方の走行路6b、往路11、及び復路12の順でもよい。
次に、故障車用路17へ自走不能なカート9aを運ぶ動作について、図4を参照しながら説明する。ここで自走不能なカートをカート9a、自走可能なカートをカート9bとする。この実施の形態では往路11上で自走不能になったカート9aを故障車用路17へ進入させる動作を例に説明するが、復路12で自走不能になったカートにも適用することができる。
まず、図4の(a)に示すように、往路11で自走不能になったカート9aを、自走可能で、カート9aを後追いするカート9bが、トラバーサ本体14へ向けて押して、自走する(ステップS11)。このとき、制御装置18はカート9aが故障し、自走不能であることを検知し、カート9aをカート用センサ19aが検知しないように、また、カート9aを故障車用路17に退避させるまで、カート9bをカート用センサ19aが検知しないように制御するとよい。
次に、図4の(b)に示すように、カート9bがカート9aを押したまま、主路14aで停車せず、主路14aと接続された故障車用路17へ進入する(ステップS12)。この実施の形態では、往路11と主路14aと故障車用路17とが直線上に配置され、接続されているため、カート9bがカート9aを故障車用路17に押し込む際に、トラバーサ本体14を移動しなかったが、故障車用路17の配置がこれ以外の場合は、トラバーサ本体14を少なくとも二台のカート9aと9bを搭載可能に形成し、主路14aを故障車用路17と接続するために移動するステップを行う。
次に、カート用センサ19bがカート9aを検知する(ステップS13)。次に、図4の(c)に示すように、カート9bの自走方向を反転し、陸側から海側へ自走して、主路14aに載る(ステップS14)と、前述と同様の動作で往路11と復路12との間で移動する。
この動作によれば、往路11又は復路12でカート9aが故障しても、その他のカート9bを用いて、故障したカート9aを環状の流れ10から退けることができるので、コンテナターミナル1の荷役作業を止めることなく継続することができる。
この故障車用路17をカート9aに電力を充電するよう構成すると、電力不足で自走不能になったカート9aに電力を供給して、自走可能にすることができる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態のコンテナターミナルについて、図5及び図6を参照しながら説明する。図5に示すように、このコンテナターミナル20は、第1の実施の形態の蔵置レーン2に、搬入コンテナ領域2aと搬出コンテナ領域2bとを備え、往路11と復路12の両端部に加えて、その搬入コンテナ領域2aと搬出コンテナ領域2bとの境界の延長線2c上の近傍に中間トラバーサ21を備える。
搬入コンテナ領域2aは、コンテナターミナル1の外部から外来シャーシ8が搬入し、船舶へ積み込まれるコンテナを配置する領域である。また、搬出コンテナ領域2bは、船舶から積み卸しされ、外来シャーシ8がコンテナターミナル1の外部へ搬出するコンテナを配置する領域である。蔵置レーン2の海側を搬入コンテナ領域2aと陸側を搬出コンテナ領域2bとに大まかに区別して配置することでより荷役効率を上げることができる。
往路11と復路12の両端部以外に、中間トラバーサ21を備えると、その中間トラバーサ21を境にして、環状の流れ10を、カート9が搬入コンテナ領域2a内を環状に流れる搬入用環状の流れ10aと、カート9が搬出コンテナ領域2b内を環状に流れる搬出用環状の流れ10bとに分割することができる。
ただし、この場合は、トラバーサ21の動作上に、ヤードクレーン6の走行路6bが交差する。そこで、中間トラバーサ21は、図6に示すように、主路22、副路23aと23b、トラバーサ本体24、立坑25、及びトラバーサ用路26を備える。
副路23aと23bを、往路11と復路12の間に敷設されたヤードクレーン6の走行路6bの一部で形成し、副路23aを主路22よりも復路12側に、復路23bを主路22よりも往路11側に配置する、つまり副路23aと23bの間に主路22を配置する。
この構成によれば、主路22が往路11と接続されているときに、副路23aがヤードクレーン6の走行路6bと接続され、また、主路22が復路12と接続されているときに、復路23bがヤードクレーン6の走行路6bと接続されるので、ヤードクレーン6の走行路6bが途切れることがなくなる。これにより、コンテナターミナル20に、搬入用環状の流れ10aと搬出用環状の流れ10bとを形成することができる。
例えば、事前に外部から搬入されたコンテナを搬入コンテナ領域2aに、また外部へ搬出されるコンテナを搬出コンテナ領域2bに蔵置しておくと、船舶にコンテナを積み込む場合、又は外来シャーシ8で搬出する場合に、荷役作業は搬入コンテナ領域2a、又は搬出コンテナ領域2b内でそれぞれ行われるため、一方で作業が行われている場合に、もう一方では作業が行われていない。
そこで、上記の構成によれば、船舶にコンテナを積み込む場合、又は外来シャーシ8で搬出する場合に、カート9が搬入用環状の流れ10a又は搬出用環状の流れ10bのどちらか一方の流れの中で走行することで、カート9の走行距離を短くすることができる。これにより、カート9が環状に流れる時間を短縮すると共に、カート9の台数を少なくすることができ、コンテナターミナル1のコストを低減することができる。
上記の構成は、例えば、外部から搬入されたコンテナを搬入コンテナ領域2aに、また、船舶から積み卸しされたコンテナを搬出コンテナ領域2bに蔵置するときには、第1の実施の形態と同様の環状の流れ10として用いることができる。
次に、本発明に係る第3の実施の形態のコンテナターミナルについて、図7を参照しながら説明する。このコンテナターミナル30は、第1の実施の形態のトラバーサに換えて、トラバーサ31を少なくとも往路11と復路12の両端部に備える。
このトラバーサ31は、カート9を二台搭載可能なトラバーサ本体32と立坑33とトラバーサ用路34とを備える。カート9は二台一組でコンテナを搭載して、運搬するため、トラバーサ本体32を二台のカート9を搭載可能に構成にすると、二台のカート9にタイムラグが無くなるため、荷役効率を向上することができる。
また、トラバーサ本体32に二台のカート9を搭載可能なため、故障車用路35を往路11又は復路12と直線上に配置する必要がない。但し、二台のカート9がトラバーサ本体32に停車したときをトラバーサ本体32の移動の合図とするため、カート用センサ19aを一つのトラバーサ本体32に付き二つ用意するとよい。
次に、本発明に係る第4の実施の形態のコンテナターミナルについて、図8を参照しながら説明する。このコンテナターミナル40は、第1の実施の形態のコンテナターミナルを海陸方向と直交する方向に並べて配置すると共に、蔵置レーン2cと蔵置レーン2dとの間に二つの往路41aと41bと共有の復路42を配置する構成である。
また、このコンテナターミナル40は、往路41a及び41bと、復路42の両端部にトラバーサ43を備える。このトラバーサ43は、往路41aと接続され、復路42と接続される主路44aを有し、往路41aと復路42の間を移動するトラバーサ本体44と、往路41bと接続され、復路42と接続される主路45aを有し、往路41bと復路42の間を移動するトラバーサ本体45とを備える。
このトラバーサ本体44と45は、立坑46内に敷設されたトラバーサ用路47を走行して、それぞれカート9を、往路41aと復路42の間で、及び往路41bと復路42の間で移動することができる。
このコンテナターミナル40の動作は、トラバーサ本体44を用いてカート9の往路41aと復路42との間の移動を行うことに加えて、もう一方のトラバーサ本体45を用いてカート9の往路41bと復路42との間の移動を行う。
上記の構成によれば、復路42を共有し、少なくとも二台のトラバーサ本体44と45を用いて、カート9の移動を行うので、隣接する蔵置レーン2の間を狭くすることができる。これにより、多くの蔵置レーン2cと2dをコンテナターミナル40に設けることができる。
本発明のコンテナターミナルは、運搬台車を持ち上げること、又は吊り上げることをせずに、蔵置レーンに隣接する往路と復路との間の運搬台車の移動を円滑に行うことができる。また、コンテナを搭載して自走する往路と、コンテナを搭載しないで自走する復路とで運搬台車を環状に走行させることができ、荷役効率を向上することができるので、特に、海陸方向に長手方向を有する蔵置レーンを備えるコンテナターミナルに利用することができる。
1 コンテナターミナル
2 蔵置レーン
3 海側受渡領域
4 陸側受渡領域
5 受渡架台
6 ヤードクレーン
7 搬送台車
8 外来シャーシ
9 カート(運搬台車)
10 環状の流れ
11 往路
12 復路
13 トラバーサ
14 トラバーサ本体
14a 主路
15 立坑
16 トラバーサ用路
17 故障車用路
18 制御装置
19a、19b カート用センサ(運搬台車用センサ)

Claims (6)

  1. コンテナを蔵置する蔵置レーンに隣接し、該蔵置レーンの長手方向に延在する往路及び復路と、前記往路を、前記コンテナを搭載して自走し、前記復路を、前記コンテナを搭載しないで前記往路を自走した方向の逆方向に自走する運搬台車とを備えるコンテナターミナルにおいて、
    少なくとも前記往路と前記復路の両端部に、前記往路又は前記復路と接続する主路を有し、該主路を前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ前記運搬台車の向きを変えずに遷す少なくとも一つのトラバーサを備え、
    前記蔵置レーンに隣接する前記運搬台車の流れを、少なくとも一つの環状の流れで形成することを特徴とするコンテナターミナル。
  2. 前記主路に前記運搬台車が載っていることを検知する運搬台車用センサと、該運搬台車用センサに基づいて前記運搬台車と前記トラバーサを制御する制御装置とを備えると共に、
    前記制御装置が、前記運搬台車用センサが前記主路に前記運搬台車が載っていることを検知すると、前記運搬台車を停止して、前記運搬台車を前記主路に載せたまま前記トラバーサを前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ移動する第1手段と、
    前記第1手段の後に、前記運搬台車を前記主路に載る前の方向とは逆方向に自走させて、前記運搬台車用センサが前記主路に前記運搬台車が載っていることを検知しなくなると、前記運搬台車を前記主路に載せずに前記トラバーサを前記他方から前記一方へ移動する第2手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテナターミナル。
  3. 前記蔵置レーンに、外部から搬入されるコンテナを蔵置する搬入コンテナ領域と、外部へ搬出されるコンテナを蔵置する搬出コンテナ領域とを備えると共に、
    前記搬入コンテナ領域と前記搬出コンテナ領域との境界の延長線上の近傍に、前記トラバーサを備え、
    前記蔵置レーンに隣接する前記運搬台車の流れを、前記搬入コンテナ領域で荷役するときの搬入用環状の流れと、前記搬出コンテナ領域で荷役するときの搬出用環状の流れとで形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナターミナル。
  4. 前記ヤードクレーンのどちらか一方のヤードクレーン用走行路を、前記往路と前記復路の間に配置し、
    前記搬入コンテナ領域と前記搬出コンテナ領域との境界の延長線上の近傍の前記トラバーサに、前記主路を前記往路又は前記復路に接続すると、前記ヤードクレーン用走行路と接続される副路を少なくとも二つ備え、
    二つの前記副路の間に前記主路を配置することを特徴とする請求項3に記載のコンテナターミナル。
  5. 前記主路と接続され、自走できない前記運搬台車が、後追いの前記運搬台車に押されて進入する故障車用路を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテナターミナル。
  6. コンテナを蔵置する蔵置レーンに隣接し、該蔵置レーンの長手方向に延在する往路及び復路と、前記往路を、前記コンテナを搭載して自走し、前記復路を、前記コンテナを搭載しないで前記往路を自走した方向の逆方向に自走する運搬台車とを備えるコンテナターミナルの制御方法において、
    前記往路又は前記復路と接続する主路を有し、該主路を前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ前記運搬台車の向きを変えずに遷す少なくとも一つのトラバーサを備え、
    前記往路から前記復路に、又は前記復路から前記往路に前記運搬台車を前記主路に載せたまま移動する際に、前記運搬台車が前記主路に載ったときに、前記トラバーサを前記往路又は前記復路のどちらか一方から他方へ移動する第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記運搬台車が前記主路から降りたときに、前記トラバーサを前記他方から前記一方に移動する第2工程と、を含むことを特徴とするコンテナターミナルの制御方法。
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