JP2013212791A - アーム部材のカバー構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーム部材を覆うとともにトランクルームの収容スペースをより広くすることが可能なアーム部材のカバー構造を提供する。
【解決手段】トランクリッド13と天井パネル20とを連結するアーム部材25を覆うアーム部材のカバー構造であって、アーム部材25が、サイドパネル23の車室内側に設けられた駆動装置27によって駆動されることで、トランクリッド13によるトランク開口部16の開閉が可能な構成とされ、アーム部材25が駆動装置27の車室内側に配されるものにおいて、サイドパネル23の車室内側及びアーム部材25の車室外側に設置されるトランクサイドトリム30と、トランクサイドトリム30の車室内側に取り付けられ、アーム部材25を覆うカバー部材50と、を備え、カバー部材50は、アーム部材25を車室内側から覆う車室内側壁部52と、アーム部材25を下側から覆う底壁部53と、を備えていることに特徴を有する。
【選択図】図3
【解決手段】トランクリッド13と天井パネル20とを連結するアーム部材25を覆うアーム部材のカバー構造であって、アーム部材25が、サイドパネル23の車室内側に設けられた駆動装置27によって駆動されることで、トランクリッド13によるトランク開口部16の開閉が可能な構成とされ、アーム部材25が駆動装置27の車室内側に配されるものにおいて、サイドパネル23の車室内側及びアーム部材25の車室外側に設置されるトランクサイドトリム30と、トランクサイドトリム30の車室内側に取り付けられ、アーム部材25を覆うカバー部材50と、を備え、カバー部材50は、アーム部材25を車室内側から覆う車室内側壁部52と、アーム部材25を下側から覆う底壁部53と、を備えていることに特徴を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、アーム部材のカバー構造に関する。
従来、車両には、トランクルームのトランク開口部を開閉するためのトランクリッドが設けられている。このトランクリッドには、トランクリッドと車体を連結するためのアーム部材が取り付けられている(例えば下記特許文献1)。また、このようなアーム部材を駆動装置によって駆動させることで、トランクリッドを自動で開閉可能な構成も知られている。
上述した駆動装置は、例えば、トランクルームを構成するサイドパネルに取り付けられる。そして、駆動装置の車室内側にアーム部材が配される。つまり、サイドパネルから車室内側に向かって、駆動装置、アーム部材の順番に配列される。
また、アーム部材と駆動装置は、トランクサイドトリムとサイドパネルとの間に配される。これにより、アーム部材や駆動装置が、トランクサイドトリムによって車室内側から覆われることとなり、トランクルームの使用者から視認されることがないから、トランクルームの意匠性をより高くすることができる。
一般的にトランクサイドトリムは、サイドパネルと隣接して配置されている。このため、トランクサイドトリムとサイドパネルとの間に、アーム部材及び駆動装置を配するスペースを確保するためには、トランクサイドトリムにおいて、アーム部材(及び駆動装置)に対応する箇所を車室内側へ膨出させて膨出部を形成する必要がある。これにより、膨出部における車室内側の面とサイドパネルとの間にアーム部材及び駆動装置を配することができる。
このような車室内側へ膨出された膨出部の大きさ(具体的には、車室内側への膨出量や表面積)が大きい程、トランクルームの収容スペースが小さくなってしまう。このため膨出部は、極力小さいことが好ましい。しかしながら、トランクサイドトリムの一部である膨出部は、トランクサイドトリムの成形性や他の部分との連続性などを考慮して比較的なだらかな形状とする必要がある。この結果、膨出部は、アーム部材を覆うために必要な最小限の大きさよりも大きくなってしまい、トランクルームの収容スペースを狭くしてしまう。
特に、駆動装置でアーム部材を駆動させる構成の場合、駆動装置を備えていない構成と比べて、駆動装置の分だけアーム部材が車室内側に配されることとなり、これに対応して、膨出部の車室内側への膨出量を大きくせざるを得ない。これによって、膨出部の大きさが極端に大きくなってしまい、トランクルームの収容スペースがより一層狭くなってしまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、アーム部材を覆うとともにトランクルームの収容スペースをより広くすることが可能なアーム部材のカバー構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のアーム部材のカバー構造は、車両のトランクルームにおいて、トランク開口部の開閉を行うトランクリッドと車体とを連結するアーム部材を覆うアーム部材のカバー構造であって、前記アーム部材が、前記トランクルームの側壁部を構成するサイドパネルの車室内側に設けられた駆動装置によって駆動されることで、前記トランクリッドによる前記トランク開口部の開閉が可能な構成とされ、前記アーム部材が前記駆動装置の車室内側に配されるものにおいて、前記サイドパネルの車室内側及び前記アーム部材の車室外側に設置されるトランクサイドトリムと、前記トランクサイドトリムの車室内側に取り付けられ、前記アーム部材を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記アーム部材を車室内側から覆う車室内側壁部と、前記アーム部材を下側から覆う底壁部と、を備えていることに特徴を有する。
アーム部材をカバー部材の車室内側壁部及び底壁部によって覆うことで、アーム部材が車室内側から視認される事態を抑制できる。また、本発明では、アーム部材が、駆動装置の車室内側に配されているから、カバー部材の車室内側壁部によって、駆動装置も覆うことができる。以上のことから、トランクルームの意匠性をより高くすることができる。
本発明では、トランクサイドトリムにカバー部材を設け、このカバー部材によってアーム部材を覆う構成とした。このようなカバー部材は、トランクサイドトリムと別体であるから、トランクサイドトリムの形状に関わらず成形することができ、アーム部材を覆うために必要な最小限の大きさで成形することができる。この結果、カバー部材によってトランクルームの収容スペースが損なわれる事態を抑制でき、収容スペースをより広くすることができる。
本発明では、トランクサイドトリムにカバー部材を設け、このカバー部材によってアーム部材を覆う構成とした。このようなカバー部材は、トランクサイドトリムと別体であるから、トランクサイドトリムの形状に関わらず成形することができ、アーム部材を覆うために必要な最小限の大きさで成形することができる。この結果、カバー部材によってトランクルームの収容スペースが損なわれる事態を抑制でき、収容スペースをより広くすることができる。
上記構成において、前記底壁部が、前記駆動装置によって駆動される前記アーム部材の移動軌跡に沿った形状をなしているものとすることができる。
本発明において、カバー部材の底壁部は、駆動装置によって駆動されるアーム部材の移動軌跡に沿った形状をなしており、下方への突出が極力抑えられた形状をなしている。これにより、トランクルームにおいて、カバー部材の下方の収容スペースをより広くすることができる。
また、前記トランクサイドトリムには、当該トランクサイドトリムの一部を切り欠くことで、前記駆動装置の少なくとも一部が挿通される被挿通部が形成され、前記カバー部材は、前記トランクサイドトリムにおける前記被挿通部の周端部に対して車室外側から係止可能な係止部を備え、前記車室内側壁部と前記底壁部とから少なくとも構成される前記アーム部材の収容空間内には、前記駆動装置の少なくとも一部が、前記被挿通部を通じて進出しているものとすることができる。
アーム部材が収容される収容空間内に、駆動装置の少なくとも一部が進出する構成とすることで、駆動装置とアーム部材との連結を容易に行うことができる。また、被挿通部は、トランクサイドトリムの一部を切り欠くことで形成されている。これにより、駆動装置が設けられた車両においては、被挿通部を有するトランクサイドトリムとカバー部材を用いればよく、駆動装置を備えていない車両においては、被挿通部を形成する前のトランクサイドトリムを用いることも可能となる。つまり、被挿通部を形成する前のトランクサイドトリムのみを成形することで、2種類の仕様の車両(駆動装置を備えた車両及び駆動装置を備えていない車両)に対応することが可能となる。
本発明によれば、アーム部材を覆うとともにトランクルームの収容スペースをより広くすることが可能なアーム部材のカバー構造を提供することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図12によって説明する。図1は、車両10を後方から視た斜視図を示している。図1に示すように、車両10の後部にはトランクルーム11が設けられている。トランクルーム11には、ラゲージマット12が載置されている。ラゲージマット12は、トランクルーム11の床面を構成し、その上に荷物等を載置することが可能とされる。
車両10の後部には、トランクルーム11に対して荷物の出し入れを可能とするトランク開口部16が形成されている。トランク開口部16は、上方及び車両後方に開口する形で形成されており、トランクルーム11を構成する車両パネルのうち、トランクルーム11の天井及び車両後壁を構成するパネルの一部を切り欠く形で形成されている。なお、以下の説明では、トランクルーム11の天井を構成するパネルを天井パネル20と呼ぶものとする。
トランク開口部16の開口縁には、トランクリッド13の周端部13Aが載置される。トランクリッド13は、トランク開口部16を開閉可能な構成とされる。また、トランク開口部16の開口縁には、その全周に亘ってウェザーストリップ14が取り付けられている。このウェザーストリップ14は、トランクリッド13の周端部13Aと、トランク開口部16の開口縁との間をシールする機能を担っている。
トランクリッド13の裏面において、車両前端部には、アーム部材25が取り付けられている。アーム部材25は、例えば、金属製とされ、トランクリッド13の車幅方向の両端部にそれぞれ設けられている。図10に示すように、アーム部材25は、トランクリッド13が閉じた状態では、上方が開口された略U字形状をなしている。なお、このようなアーム部材25の形状は、グースネック形状と呼ばれることもある。
アーム部材25は、その一端側において、車体パネル(例えば、天井パネル20)に対して取り付けられており、他端側においてトランクリッド13に取り付けられている。これにより、アーム部材25によって、トランクリッド13と車体(車体パネル)とが連結されている。アーム部材25の一端部は、ヒンジ26を介して、車体パネルに取り付けられている。これにより、アーム部材25は、車幅方向に沿った軸を回動軸として回動可能とされる。
図7及び図9に示すように、トランクルーム11の側壁部を構成するサイドパネル23の車室内側には、アーム部材25を回転駆動させるための駆動装置27が設けられている。駆動装置27は、電動モータ27Aと、図示しないギヤ及びクラッチなどを備えている。
アーム部材25は、図7に示すように、駆動装置27に対して、車室内側(図7の左側)に配されている。アーム部材25は、一端側(車体パネル側)に近い箇所において、リンク(図示しない)を介して、駆動装置27と接続されている。なお、図10においては、アーム部材25とリンクとの接続箇所の一例を点P1で示してある。これにより、電動モータ27Aを駆動させることで、アーム部材25を、ヒンジ26を中心として回動させることが可能な構成となっている。
駆動装置27によって、アーム部材25が回動されることで、トランクリッド13は、トランク開口部16を閉止する閉状態(図10に示す状態)と、車両後端部が上方に向かう形で立ち上がり、トランク開口部16を開放する開状態との間で回動することが可能な構成となっている。なお、図10においては、開状態におけるアーム部材25を2点鎖線で示し、符号25Bを付してある。なお、閉状態におけるアーム部材25が図10における反時計回りで回動することで開状態となる。
なお、駆動装置27の駆動時以外の状態では、例えば、アーム部材25と電動モータ27Aの間に介在されたクラッチが切断されている。これにより、手動でトランクリッド13を開閉することができる。
本実施形態においては、アーム部材25がカバー部材50によって覆われている。このカバー構造について、次に説明する。本実施形態におけるアーム部材のカバー構造は、トランクルーム11に設置されたトランクサイドトリム30(デッキサイドトリム、ラゲージサイドトリム)と、トランクサイドトリム30に取り付けられたカバー部材50と、を備えている。
トランクサイドトリム30は、トランクルーム11の側面を構成するものとされ、車幅方向の両側に対向状態で一対配置されている。ラゲージマット12やトランクサイドトリム30は、トランクルーム11の内面を構成し、トランクルーム11内の意匠性を高くするため意匠部品とされる。なお、一対のトランクサイドトリム30は、車両前後方向に沿った軸を対称軸として、互いに対称な形状をなしている。以下の説明では、車両進行方向に対して右側に配されるトランクサイドトリム30及びカバー部材50を例示して、これらの構成を説明する。
トランクサイドトリム30は、プレボード(例えば、合成樹脂製の芯材に不織布を貼り付けてなる板材)を、例えば、プレス成形によって所定の形状に成形したものとされる。トランクサイドトリム30は、図7に示すように、サイドパネル23を車室内側(図7では左側)から覆う形で配されており、クリップ(図示せず)などの取付手段によってサイドパネル23に対して取り付けられている。また、トランクサイドトリム30は、アーム部材25に対しては、車室外側に配置されている。
図3に示すように、トランクサイドトリム30における車両前側の部分は、車室内側に膨出された形状をなす第1トリム部31とされている。第1トリム部31は、車両タイヤ(駆動輪)を収容するホイールハウス(図示せず)の形状に対応して車室内側に膨出されている。つまり、第1トリム部31は、ホイールハウスを避ける形状をなしている。
トランクサイドトリム30における車両後側の部分は、第1トリム部31に対して車室外側に凹む第2トリム部40とされる。つまり、第2トリム部40は、第1トリム部31に対して車両後側に配されており、トランクルーム11は、車両後側が相対的に広い構成となっている。
図2に示すように、第1トリム部31において、アーム部材25に対応する箇所を切り欠くことで、切欠部32(被挿通部)が形成されている。なお、図11及び図12においては、切欠部32が形成される前のトランクサイドトリム30(符号30Aを付す)を図示してあり、切り欠かれた箇所に符号33を付してある。
切欠部32は、図2及び図12に示すように、第1トリム部31の上部付近において上方に開口する形で形成されている。この切欠部32には、図9に示すように、駆動装置27の一部が挿通される構成となっている。つまり、切欠部32を設けることで駆動装置27とトランクサイドトリム30とが干渉することなく、トランクサイドトリム30を設置することができる。なお、図9においては駆動装置27を概略的に図示している。
そして、トランクサイドトリム30には、図4に示すように、この切欠部32と正面視において重なる形で、アーム部材25を覆うカバー部材50が取り付けられている。カバー部材50は、図5及び図6に示すように、アーム部材25を収容可能な本体部51を有している。
本体部51は、図3に示すように、上方に開口された形状をなしており、第1トリム部31に対して、車室内側に膨出する形で設けられている。本体部51は、アーム部材25を車室内側から覆う車室内側壁部52と、車室内側壁部52における下端から車室外側に向かって延びる底壁部53と、車室内側壁部52に対して車室外側から対向配置される車室外側壁部54とを備えている。
底壁部53は、図7に示すように、アーム部材25を下側から覆うものとされる。底壁部53は、上述した駆動装置27によるアーム部材25の回動軌跡(移動軌跡)に沿った湾曲形状をなしている(図10参照)。車室内側壁部52は、下端が底壁部53に対応した湾曲形状をなし、全体として略半月状をなしている。
図10に示すように、トランクリッド13の閉状態において、アーム部材25の被収容部25A(アーム部材25において一端部及び他端部を除く箇所)は、車室内側壁部52、底壁部53、車室外側壁部54に囲まれた空間(収容空間S1)に収容されている。そして、閉状態のアーム部材25が、駆動装置27によって、図10の反時計回りに回動される(アーム部材25の車両後端が上方に向く方向に回動される)と、被収容部25Aは、上方に開口されている本体部51の車両後端部を通じて、本体部51から外部に進出する構成となっている。
底壁部53における車室外側の周端部からは、図6に示すように、底壁部53に対して略直角をなす形で周端壁部55が延設されている。この周端壁部55は、第1トリム部31における切欠部32の周端部に対応した形状(例えば、切欠部32の周端部のほぼ全周に亘って延びる形状)をなしている。図7及び図9に示すように、周端壁部55の一部は、切欠部32の周端部に対して車室外側から係止可能な係止部とされる。
また、図8に示すように、底壁部53の下面には、上方に凹む溝部53Aが形成され、この溝部53Aが、第1トリム部31における切欠部32の周端部の一部と嵌合されている。なお、周端壁部55には、例えば、クリップ24が挿通される挿通孔55Aが形成されており、周端壁部55は、クリップ24によってサイドパネル23に取り付けられている。
また、車室外側壁部54には、図3に示すように、切欠部32と重畳する形で、切欠部32よりも一回り小さい切欠部54Aが形成されている。これにより、図7及び図9に示すように、駆動装置27の一部が、トランクサイドトリム30における車室外側から、切欠部32(及び切欠部54A)を通じて、収容空間S1内に進出する構成とされる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態のアーム部材のカバー構造は、車両10のトランクルーム11において、トランク開口部16の開閉を行うトランクリッド13と天井パネル20(車体パネル)とを連結するアーム部材25を覆うアーム部材のカバー構造であって、アーム部材25が、トランクルーム11の側壁部を構成するサイドパネル23の車室内側に設けられた駆動装置27によって駆動されることで、トランクリッド13によるトランク開口部16の開閉が可能な構成とされ、アーム部材25が駆動装置27の車室内側に配されるものにおいて、サイドパネル23の車室内側に設置されるトランクサイドトリム30と、トランクサイドトリム30の車室内側に取り付けられ、アーム部材25を覆うカバー部材50と、を備え、カバー部材50は、アーム部材25を車室内側から覆う車室内側壁部52と、アーム部材25を下側から覆う底壁部53と、を備えている。
アーム部材25をカバー部材50の車室内側壁部52及び底壁部53によって覆うことで、アーム部材25が車室内側から視認される事態を抑制できる。また、本実施形態では、アーム部材25が、駆動装置27の車室内側に配されているから、カバー部材50の車室内側壁部52によって、駆動装置27も覆うことができる。以上のことから、トランクルーム11の意匠性をより高くすることができる。
そして、本実施形態では、トランクサイドトリム30にカバー部材50を設け、このカバー部材50によってアーム部材25を覆う構成とした。このようなカバー部材50は、トランクサイドトリム30と別体であるから、トランクサイドトリム30の形状に関わらず成形することができ、アーム部材25を覆うために必要な最小限の大きさで成形することができる。この結果、カバー部材50によってトランクルーム11の収容スペースが損なわれる事態を抑制でき、収容スペースをより広くすることができる。
これについて、図7及び図9を用いて具体的に説明する。図7及び図9においては、仮に、カバー部材50の代わりにトランクサイドトリム30の一部を膨出させてアーム部材25を覆う構成(従来の構成)とした場合の膨出部(符号34を付す)の表面形状を2点鎖線で図示してある。トランクサイドトリム30の一部を膨出させて成形する場合、その膨出部34は、図7及び図9に示すように、トランクサイドトリム30の成形性や他の部分との連続性などを考慮して比較的なだらかな形状とする必要がある。
このため、図7及び図9に示すように、本実施形態のカバー部材50の配置領域に比べて、膨出部34の配置領域は下方及び車両後側(図9の右側)まで広がってしまう。これによって、トランクルーム11の収容スペースが損なわれる。
この点、本実施形態では、トランクサイドトリム30の形状に関わらず、カバー部材50の形状を設定することができる。例えば、カバー部材50においては、図7に示すように、底壁部53を車室内側壁部52に対してほぼ直角をなす形で成形することができ、底壁部53が下方に膨出する事態を抑制できる。つまり、カバー部材50をアーム部材25を覆うために必要な最小限の大きさとすることができるから、トランクルーム11の収容スペースを従来の構成と比べて、より広くすることができる。
また、本実施形態では、底壁部53が、駆動装置27によって駆動されるアーム部材25の回動軌跡(移動軌跡)に沿った形状をなしている。
本実施形態において、カバー部材50の底壁部53は、駆動装置27によって駆動されるアーム部材25の移動軌跡に沿った湾曲形状をなしており、下方への突出が極力抑えられた形状をなしている。これにより、トランクルーム11において、カバー部材50の下方の収容スペースをより広くすることができる。
また、トランクサイドトリム30には、トランクサイドトリム30の一部を切り欠くことで、駆動装置27の少なくとも一部が挿通される切欠部32が形成され、カバー部材50は、トランクサイドトリム30における切欠部32の周端部に対して車室外側から係止可能な周端壁部55(係止部)を備え、車室内側壁部52と底壁部53とから少なくとも構成されるアーム部材25の収容空間S1内には、駆動装置27の一部が、切欠部32を通じて進出している。
アーム部材25が収容される収容空間S1内に、駆動装置27の一部が進出する構成とすることで、駆動装置27とアーム部材25との連結を容易に行うことができる。また、切欠部32は、トランクサイドトリム30の一部を切り欠くことで形成されている。これにより、駆動装置27が設けられた車両10においては、切欠部32を有するトランクサイドトリム30とカバー部材50を用いればよく、駆動装置27を備えていない車両においては、切欠部32を形成する前のトランクサイドトリム30A(図11及び図12に示す)を用いることも可能となる。
なぜなら、駆動装置27を備えていない車両の場合は、駆動装置27が設けられていない分だけ、アーム部材25を車室外側(サイドパネル23側)に近づけて配置することができ、トランクサイドトリム30Aとサイドパネル23の間のスペースにアーム部材25を配置することも可能となる。この場合、カバー部材50を設ける必要がないためである。
仮に、カバー部材50を設けない従来の構成では、駆動装置27を備えた車両には、上述した膨出部34を有するトランクサイドトリムを用いる必要がある。これに対して、駆動装置27を備えていない車両では、膨出部34を設ける必要がないから、膨出部34を有していないトランクサイドトリムを用いることが好ましい。つまり、駆動装置27の有無によって、2種類のトランクサイドトリムを用意する必要がある。
これに対して、本実施形態のように、カバー部材50を設ける構成とすれば、切欠部32を形成する前のトランクサイドトリム30Aを用意し、駆動装置27を備えた車両では、切欠部32を形成するとともにカバー部材50を取り付ければよい。また、駆動装置27を備えていない車両では(切欠部32を形成せずに)、トランクサイドトリム30A(図11及び図12参照)をそのまま用いればよい。つまり、1種類のトランクサイドトリム30Aを成形するだけで、2種類の仕様の車両(駆動装置27を備えた車両及び駆動装置27を備えていない車両)に対応することが可能となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)トランクサイドトリム30、カバー部材50及びアーム部材25の形状は上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。
(2)アーム部材25を駆動させる駆動装置27としては、電動モータ27Aを用いたものに限定されない。例えば、空圧シリンダなどを用いてアーム部材25を駆動させる構成としてもよい。また、アーム部材25の回動軌跡(移動軌跡)についても上記実施形態のものに限定されない。
また、上記実施形態では、アーム部材25が回動する構成を例示したがアーム部材25の運動は回動に限定されない。例えば、アーム部材25が直線状に進退(スライド移動)することでトランクリッド13を開閉させる構成としてもよい。この場合、カバー部材50の底壁部53の形状をアーム部材25の進退方向に沿った平面形状とすればよい。
(3)上記実施形態においては、上方に開口する切欠部32を例示したが、切欠部32の形状は適宜変更可能である。例えば、切欠部32を閉じた孔形状としてもよい。
10…車両、11…トランクルーム、13…トランクリッド、16…トランク開口部、20…天井パネル(車体の一部)、23…サイドパネル、25…アーム部材、27…駆動装置、30…トランクサイドトリム、32…切欠部、50…カバー部材、52…車室内側壁部、53…底壁部、55…周端壁部(係止部)、S1…収容空間(アーム部材の収容空間)
Claims (3)
- 車両のトランクルームにおいて、トランク開口部の開閉を行うトランクリッドと車体とを連結するアーム部材を覆うアーム部材のカバー構造であって、
前記アーム部材が前記トランクルームの側壁部を構成するサイドパネルの車室内側に設けられた駆動装置によって駆動されることで、前記トランクリッドによる前記トランク開口部の開閉が可能な構成とされ、
前記アーム部材が前記駆動装置の車室内側に配されるものにおいて、
前記サイドパネルの車室内側及び前記アーム部材の車室外側に設置されるトランクサイドトリムと、
前記トランクサイドトリムの車室内側に取り付けられ、前記アーム部材を覆うカバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、
前記アーム部材を車室内側から覆う車室内側壁部と、
前記アーム部材を下側から覆う底壁部と、を備えているアーム部材のカバー構造。 - 前記底壁部が、前記駆動装置によって駆動される前記アーム部材の移動軌跡に沿った形状をなしている請求項1に記載のアーム部材のカバー構造。
- 前記トランクサイドトリムの一部を切り欠くことで、前記駆動装置の少なくとも一部が挿通される被挿通部が形成され、
前記カバー部材は、前記トランクサイドトリムにおける前記被挿通部の周端部に対して車室外側から係止可能な係止部を備え、
前記車室内側壁部と前記底壁部とから少なくとも構成される前記アーム部材の収容空間内には、前記駆動装置の少なくとも一部が、前記被挿通部を通じて進出している請求項1又は請求項2に記載のアーム部材のカバー構造。
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JP2012084709A Pending JP2013212791A (ja) | 2012-04-03 | 2012-04-03 | アーム部材のカバー構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013212791A (ja) |
-
2012
- 2012-04-03 JP JP2012084709A patent/JP2013212791A/ja active Pending
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