JP2013211472A - 磁気検出素子及びそれを用いた磁気センサ - Google Patents

磁気検出素子及びそれを用いた磁気センサ Download PDF

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Abstract

【課題】 特に従来に比べて外乱ノイズ耐性を向上させることを可能としたセルフピン止め型の磁気検出素子及びそれを用いた磁気センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 固定磁性層3とフリー磁性層5とが非磁性材料層4を介して積層された積層構造を備え、固定磁性層3は、第1磁性層3aと第2磁性層3cとが非磁性中間層3bを介して積層され、第1磁性層と前記第2磁性層とが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型であり、前記第2磁性層が前記非磁性材料層に接している。第1磁性層3aは第2磁性層3cよりも高保磁力材料のFeCoで形成される。第1磁性層3aの膜厚t1は10Å以上で17Å以下の範囲内で第2磁性層の膜厚t2よりも薄い。第1磁性層と前記第2磁性層の磁化量の差が実質的にゼロである。非磁性中間層3bはRhで形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、セルフピン止め型の磁気検出素子に関する。
磁気検出素子を備える磁気センサは、通常、永久磁石とペアで使用され、例えば車載センサでは、100℃以上の高温環境下で、数十mT以上の磁場中での耐環境性が重要であった。
これに対して、携帯電話機等に内蔵される地磁気センサの場合、永久磁石を必要とせず、高感度に地磁気を検知する能力が求められる。地磁気センサの場合、車載センサ等に比べて高い耐熱性は必要ないが、安定した高感度特性を維持するには、優れた外乱ノイズ耐性が必要であった。
下記の特許文献1には反強磁性層を用いた磁気検出素子の発明が開示されている。しかしながら反強磁性層を用いた磁気検出素子では、固定磁性層の一方向異方性を分散なく付与するための磁場中熱処理が必要となる。このため磁場中熱処理により、フリー磁性層も固定磁性層の固定磁化方向に容易軸が付与される。したがってフリー磁性層の保磁力Hcが大きくなり、地磁気センサに適した小さい保磁力Hcを得ることができなかった。その結果、ΔMR特性(ΔMR−H曲線;ΔMRは抵抗変化率(ΔR/R)を指し、Hは外部磁界を指す)にてヒステリシスが大きくなり、またリニアリティ性(直線性)が劣り、検出精度が低下する問題があった。
一方、特許文献2に示すように、セルフピン止め型の磁気検出素子とすれば、反強磁性層を有していない構造であるため磁場中熱処理が不要となる。
米国特許第6972934号明細書 米国特許第5583725号明細書
しかしながらセルフピン止め型では、強い外部磁界(外乱磁界)が印加されると、人工反強性(以後、AAF(Artificial-AntiFerromagnetic)構造からなる固定磁性層が磁化分散してΔMR(抵抗変化率)の劣化率が大きくなり、ひいては地磁気センサの出力変動が大きくなる問題があった。すなわち従来におけるセルフピン止め型の磁気検出素子では、優れた外乱ノイズ耐性を得ることができなかった。地磁気センサは微弱な地磁気(検出磁界)を検出するものであるが、携帯電話等に内蔵された環境下では、スピーカ等からの強い外部磁界(外乱磁界)が地磁気センサに作用しやすいため、耐熱性等に比べて特に外乱ノイズ耐性を向上させることが重要となる。
特許文献2には、セルフピン止め型(self-pinned-type)の磁気検出素子について開示されているが、特許文献2には、セルフピン止め型の磁気検出素子を、携帯電話機等、永久磁石を内蔵しない磁気センサに適用した場合に関し、外乱ノイズ耐性を向上させるのに適した磁気検出素子の構造が記載されていない。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に従来に比べて外乱ノイズ耐性を向上させることを可能としたセルフピン止め型の磁気検出素子及びそれを用いた磁気センサを提供することを目的とする。
本発明は、永久磁石を内蔵しない磁気センサに使用される磁気検出素子において、
固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性材料層を介して積層された積層構造を備え、
前記固定磁性層は、第1磁性層と第2磁性層とが非磁性中間層を介して積層され、前記第1磁性層と前記第2磁性層とが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型であり、前記第2磁性層が前記非磁性材料層に接しており、
前記第1磁性層は前記第2磁性層よりも高保磁力材料のFeCoで形成され、
前記第1磁性層の膜厚t1は10Å以上で17Å以下の範囲内で前記第2磁性層の膜厚t2よりも薄く、
前記第1磁性層と前記第2磁性層の磁化量の差が実質的にゼロであり、
前記非磁性中間層はRhで形成されることを特徴とするものである。これにより外乱ノイズ耐性を従来に比べて向上させることができる。特に本発明は、非磁性中間層にRuを用いたセルフピン止め型の磁気検出素子よりも優れた外乱ノイズ耐性を得ることができる。また本発明は、反強磁性層を用いた磁気検出素子に比べて、ヒステリシスが小さく且つリニアリティ性(直線性)に優れたΔMR特性を得ることができ、優れた検出精度を得ることができる。
本発明では、前記非磁性中間層の膜厚は、4.9Å以上で5.9Å以下の範囲内で形成されることが好ましい。安定して高い抵抗変化率(ΔMR)を得ることができる。
また本発明では、前記第1磁性層の膜厚t1は、10Å以上で13Å以下であることが好ましい。さらに、前記第1磁性層の膜厚t1は、10Å以上で12.5Å以下であることがより好ましい。
より効果的に外乱ノイズ耐性の向上を図ることができる。
また本発明における、永久磁石を内蔵しない磁気センサは、基板上に、上記に記載された磁気検出素子が配置されたことを特徴とするものである。これにより優れた外乱ノイズ耐性を備える、永久磁石を内蔵しない磁気センサにできる。
本発明では、外乱ノイズ耐性に優れたセルフピン止め型の磁気検出素子及びそれを用いた永久磁石を内蔵しない磁気センサを実現できる。
本実施形態における磁気検出素子の部分拡大縦断面図、 図1に示す磁気検出素子と、磁気検出素子に接続されるハードバイアス層との位置関係を示す部分縦断面図、 本実施形態における磁気センサの回路構成図、 第1磁性層と第2磁性層の膜厚が異なる複数のセルフピン止め型の磁気検出素子において、非磁性材料層としてRhを使用した磁気検出素子及び非磁性材料層としてRuを使用した磁気検出素子における、外部磁界とΔMR/ΔMR(初期)との関係を示すグラフ、 第1磁性層の膜厚とΔMR劣化率(5KOe印加後)との関係を示すグラフ、 第1磁性層の膜厚とΔMRとの関係を示すグラフ、 第1磁性層の膜厚と保磁力Hcとの関係を示すグラフ、 Rhの膜厚とΔMR/ΔMR(Rh=5.4Å)との関係を示すグラフ、 本実施例におけるセルフピン止め型の磁気検出素子と、比較例における反強磁性層を用いた磁気検出素子とのΔMR特性を示すグラフ。
図1は、本実施形態における磁気検出素子の部分拡大縦断面図である。
図1に示すように本実施形態の磁気検出素子(GMR素子)1は、下から、シード層2、固定磁性層3、非磁性材料層4、フリー磁性層5及び保護層6の順に積層されて成膜される。磁気検出素子1を構成する各層は、例えばスパッタにて成膜される。
シード層2は、NiFeCrあるいはCr等で形成される。またシード層2の膜厚は、36〜60Å程度である。シード層2と、図示しない基板との間に、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,W等からなる下地層が形成されていてもよい。
固定磁性層3は、第1磁性層3aと第2磁性層3cと、第1磁性層3a及び第2磁性層3c間に介在する非磁性中間層3bとのAAF構造である。
図1に示すように第1磁性層3aの固定磁化方向(P1)と、第2磁性層3cの固定磁化方向(P2)は反平行となっている。ここで固定磁性層3の固定磁化方向は、第2磁性層3cの固定磁化方向(P2)と規定される。
図1に示すように、第1磁性層3aはシード層2上に形成されており、第2磁性層3cは、後述する非磁性材料層4に接して形成されている。
本実施形態における第1磁性層3aは、第2磁性層3cよりも高保磁力材料のFexCo100-x(ただしxは、55at%以上で65at%以下)で形成される。
また図1の図では、第1磁性層3aの膜厚t1は、10Å以上で17Å以下の範囲内であり、第2磁性層3cの膜厚t2よりも薄い。
これにより本実施形態では第1磁性層3aの保磁力Hcを30(kA/m)以上、好ましくは40(kA/m)以上、より好ましくは50(kA/m)以上の安定した値に設定できる。
非磁性材料層4に接する第2磁性層3cは磁気抵抗効果(GMR効果)に寄与する層であり、第2磁性層3cとフリー磁性層5には、アップスピンを持つ伝導電子とダウンスピンを持つ伝導電子の平均自由行程差を大きくできる磁性材料が選択される。
具体的には第2磁性層3cは、CoyFe100-y(ただしyは85at%以上100at%よりも小さい)で形成される。
そして第2磁性層3cの膜厚t2は、12Å以上で22Å以下の範囲内で第1磁性層3aの膜厚t2よりも厚く形成されている。
第1磁性層3a及び第2磁性層3cの各膜厚t1,t2は、第1磁性層3aと第2磁性層3cの磁化量(飽和磁化Ms・膜厚t)の差が実質的にゼロとなるように調整されている。
ここで「実質的にゼロ」とは、[(第1磁性層3aの磁化量−第2磁性層3cの磁化量)/第1磁性層3aと第2磁性層3cの平均磁化量]が絶対値で0.7%以下であることをいう。
本実施形態における固定磁性層3は、AAF構造によるセルフピン止め型である。すなわち反強磁性層を備えない構成である。
また第1磁性層3aと第2磁性層3cの間に位置する非磁性中間層3bは、Rhで形成される。また、非磁性中間層3bの膜厚t3は、4.9Å以上で5.9Å以下であることが好ましい。これにより効果的に、安定して高いΔMRを得ることが出来る。
非磁性材料層4は、Cu(銅)などの非磁性導電材料で形成される。また、非磁性材料層4は絶縁層で形成されTMR素子にも適用できる。フリー磁性層5は、NiFe、CoFe、CoFeNiなどの軟磁性材料で形成される。図1に示す構造では、フリー磁性層5は、CoFe合金層5aとNiFe合金層5bとの積層構造であるが、フリー磁性層5の構造は限定されるものでない。すなわちフリー磁性層5の材質を限定するものでなく、また、単層構造、積層構造、及びAAF構造の別を問わない。保護層6は、Ta(タンタル)などの非磁性材料で形成される。
また本実施形態では、下からフリー磁性層5、非磁性材料層4及び固定磁性層(下から第2磁性層3c、非磁性中間層3b、第1磁性層3aの順)3の順に積層された構造としてもよい。
ところで、固定磁性層3の磁化固定力を高めるには、第1磁性層3aの保磁力Hcを高めること、第1磁性層3aと第2磁性層3cの磁化量の差を実質的にゼロに調整すること、さらには非磁性中間層3bの材質や膜厚t3を調整して第1磁性層3aと第2磁性層3c間に生じるRKKY相互作用により反平行結合磁界を強めることが重要とされている。
本実施形態における磁気検出素子1は、セルフピン止め型であり、第1磁性層3a(FexCo100-x)の膜厚t1を、10Å以上で17Å以下の範囲内とした点、及び非磁性中間層3bをRhで形成した点に特徴的部分がある。
セルフピン止め型としたことで、反強磁性層を用いた場合に必要な磁場中熱処理が不要となる。これにより、固定磁性層3及びフリー磁性層5の異方性は成膜時に独立に付与可能である。したがって成膜後に、無磁場での熱処理を実施しても成膜時の異方性を固定磁性層3及びフリー磁性層5の夫々に残留させることができる。そのため、フリー磁性層5の保磁力Hcを、反強磁性層を用いた磁気検出素子に比べて小さくでき、地磁気センサ等の永久磁石を内蔵しない磁気センサに適した磁気特性を得ることができる。そして本実施形態によれば、ヒステリシスが小さく且つリニアリティ性(直線性)に優れたΔMR特性(ΔMR−H曲線;ΔMRは抵抗変化率、Hは外部磁界である)を得ることができ、優れた検出精度を得ることができる。
また本実施形態では、セルフピン止め型の磁気検出素子1において、第1磁性層3a(FexCo100-x)の膜厚t1を、10Å以上で17Å以下の範囲内とし、非磁性中間層3bをRhで形成したことで、優れた外乱ノイズ耐性を得ることが可能になる。本実施形態では、第1磁性層3aの膜厚t1を17Å以下としたが、第1磁性層3a及び第2磁性層3cの各膜厚t1,t2を厚くしすぎると、非磁性中間層3bを介して第1磁性層3aと第2磁性層3c間に作用するRKKY相互作用による反平行結合磁界Hexが小さくなる結果、ΔMRが不安定化する。
反平行結合磁界Hexと各膜厚t1,t2及び各磁性層3a,3cの飽和磁化Ms1、Ms2との間には、以下の[数1]に示す関係がある。
(数1)
E∝Hex×(Ms1×t1+Ms2×t2)
ここでEは層間交換結合エネルギーであり、層間交換結合エネルギーEは、固定値である。このため、[数1]から反平行結合磁界Hexは、各膜厚t1,t2が大きくなると小さくなることがわかる。
本実施形態では、第1磁性層3aの膜厚t1を17Å以下としたことで、磁化分散を抑制でき、ΔMR劣化率を低く抑えることができる。ここでΔMR劣化率とは、磁気検出素子1の成膜後にΔMR(初期)を測定し、続いて、磁気検出素子1に対して外部磁界(外乱磁界)を印加した後、再びΔMRを測定して得られるΔMR/ΔMR(初期)で示される。特に後述する実験によれば、本実施形態のように非磁性中間層3bをRhで形成し且つ、第1磁性層3aの膜厚t1を17Å以下として得られたΔMR劣化率は、非磁性中間層3bをRuで形成した比較例でのΔMR劣化率の最小値よりも低くできることがわかった。
また本実施形態では、第1磁性層3aの膜厚t1を10Å以上としたことで、第1磁性層3aの保磁力Hcを高い値、具体的には30(kA/m)以上、好ましくは40(kA/m)以上、より好ましくは50(kA/m)以上に保つことができた。
第1磁性層3aの膜厚t1を薄くすると、磁化バランスを保つために第2磁性層3cの膜厚t2も薄くする必要があるが、第2磁性層3cの膜厚t2を薄くすると、磁気抵抗効果の発生起源である非磁性材料層4との界面でスピン依存散乱を生じる自由電子の平均自由行程が減少し、その結果、ΔMRが減少する。本実施形態では、図1に示す磁気検出素子1を、地磁気センサや電流センサ等、永久磁石を内蔵しない磁気センサに用いた際、10%以上のΔMRを確保すべく、第1磁性層3aの膜厚t1を10Å以上に設定した。
また本実施形態では、第1磁性層3aの膜厚t1は、10Å以上で13Å以下とすることが好ましい。後述する実験によれば、第1磁性層3aの膜厚t1を10Å以上で13Å以下に設定することで、ΔMR劣化率をほぼ最小値にて安定化させることができた。
また本実施形態では、第1磁性層3aの膜厚t1を、10Å以上で12.5Å以下に設定することが更に好ましい。ΔMR劣化率をほぼ最小値にてより安定化させることができる。なお、このとき、第2磁性層36の膜厚t2は、12Å〜16Å程度である。
本実施形態では、Rhからなる非磁性中間層3bの膜厚t3は、4.9Å以上で5.9Å以下とすることが好ましい。これにより、安定して高いΔMRを得ることができる。
また第1磁性層3aはFexCo100-xで形成され、Fe組成比xは60at%に近いほど好適であり、本実施形態では、Fe組成比xを55at%〜65at%の範囲内に設定した。これによりFeCo合金層の保磁力Hcを高い値に安定して設定することができる。
図2は、図1に示す磁気検出素子1と、磁気検出素子1に接続されるハードバイアス層との位置関係を示す部分縦断面図である。
図2(a)に示すように、磁気検出素子1は、支持基板9上に絶縁層50を介して形成されている。図2(a)に示すように磁気検出素子1上には、絶縁層51が設けられ、各ハードバイアス層36が絶縁層51の平坦化面上に形成される。
あるいは図2(b)に示すように、磁気検出素子1の一部を除去して、その除去された凹部1a上にハードバイアス層36を形成してもよい。または図2(c)に示すように、ハードバイアス層36の形成位置における磁気検出素子1を全て削除して、分離した各磁気検出素子1の間に各ハードバイアス層36を介在させる構成とすることも出来る。
これにより、磁気検出素子1を構成するフリー磁性層5(図1参照)にY方向からバイアス磁界が供給され、フリー磁性層5の磁化は、固定磁性層3の固定磁化方向に対して直交する方向に向けられる。
あるいは本実施形態では、ハードバイアス層36が形成されず、あるいはハードバイアス層36の位置に非磁性導電層(電極層)が形成された構造とすることもできる。
反強磁性層を用いた磁気検出素子では、磁場中熱処理が必要となり、このため、フリー磁性層の保磁力Hcが大きくなり、上記したバイアス構造を備えた構成や、形状異方性を付与した構成としても、リニアリティ(直線性)が劣るΔMR特性しか得られず、検出精度が低下しやすかった。これに対して、本実施形態では、セルフピン止め型の磁気検出素子としたことで、磁場中熱処理が必要ではなく、したがってフリー磁性層の保磁力Hcを小さくできる。よって上記したバイアス構造を備えた構成や、形状異方性を付与した構成とすることで、フリー磁性層5の異方性を適切に固定磁性層3の固定磁化方向に対して直交する方向に付与でき、リニアリティ(直線性)に優れたΔMR特性を得ることができ、検出精度を向上させることができる。
本実施形態では図2に示すY方向に長く延びる磁気検出素子1がX方向に間隔を空けて複数本、配置され、各磁気検出素子1の端部間が導電層により接続されたミアンダ形状となっている。
このようにミアンダ形状にて構成された磁気検出素子1は、複数個、設けられ、図3に示すブリッジ回路を構成する。図3では、各磁気検出素子1を区別するために磁気検出素子1a〜1dとした。このうち磁気検出素子1aと磁気検出素子1dとは同じ感度軸方向を持ち、磁気検出素子1bと磁気検出素子1cは、感度軸方向が磁気検出素子1a,1dに対して反対方向となっている。感度軸方向は、図1に示す固定磁性層3を構成する第2磁性層3cの固定磁化方向(P2)である。よって磁気検出素子1aと磁気検出素子1dの感度軸方向が図1に示すP2であれば、磁気検出素子1bと磁気検出素子1cの感度軸方向は図1に示すP2の反対方向である。
そして、磁気検出素子1aと第1磁気検出素子1b、及び、磁気検出素子1cと磁気検出素子1dとが、夫々、直列に接続される。磁気検出素子1a,1cは、入力端子(Vdd)に接続され、磁気検出素子1b,1dはグランド端子(GND)に接続され、磁気検出素子1aと磁気検出素子1bとの間、及び磁気検出素子1cと第1磁気検出素子1dとの間に夫々、出力端子(V1,V2)が接続されている。
図3に示す磁気センサSは、例えば携帯電話機内に内蔵される地磁気センサであり、地磁気センサには永久磁石が内蔵されていない。地磁気センサは微弱な地磁気を検知して地磁気の方位を検出するためのものである。
例えば地磁気(外部からの検出磁界)が図3に示すブリッジ回路に作用したとき、地磁気の方向が、磁気検出素子1a,1dの感度軸方向と同方向であれば、磁気検出素子1a,1dの電気抵抗値は最小となり、一方、磁気検出素子1b,1cに対しては地磁気の方向が感度軸方向と反対方向となるため磁気検出素子1b、1cの電気抵抗値は最大値となり、出力を得ることができる。
本実施形態において、地磁気を高感度にて安定して検知するためには、外乱ノイズ耐性が強化されなければならない。
本実施形態の磁気検出素子1の構成によれば、後述する実験結果に示すように外乱ノイズ耐性を効果的に向上させることができる。
本実施形態における磁気センサは、地磁気センサ以外に電流センサ等の永久磁石を内蔵しない磁気センサに適用可能である。
以下のセルフピン止め型のGMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)を作製した。
基板/シード層:NiFeCr(42)/固定磁性層[第1磁性層:Fe60at%Co40at%(t1)/非磁性中間層:(t3)/第2磁性層Co90at%Fe10at%(t2)]/非磁性材料層:Cu(22)/フリー磁性層[Co90at%Fe10at%(15)/NiFe(17)]/保護層:Ta(70)
各層における括弧内の数値は膜厚を示し、単位はÅである。
GMR−1(実施例)では、第1磁性層の膜厚t1を10Å、第2磁性層の膜厚t2を12Åとし、非磁性中間層をRhで形成し、非磁性中間層の膜厚t3を5.4Åとした。
GMR−2(比較例)では、第1磁性層の膜厚t1を18.3Å、第2磁性層の膜厚t2を24Åとし、非磁性中間層をRhで形成し、非磁性中間層の膜厚t3を5.4Åとした。
GMR−3(比較例)では、第1磁性層の膜厚t1を11Å、第2磁性層の膜厚t2を12Åとし、非磁性中間層をRuで形成し、非磁性中間層の膜厚t3を3.6Åとした。
GMR−4(比較例)では、第1磁性層の膜厚t1を18.6Å、第2磁性層の膜厚t2を24Åとし、非磁性中間層をRuで形成し、非磁性中間層の膜厚t3を3.6Åとした。
各GMR素子の第1磁性層及び第2磁性層の磁化量の差は実質的にゼロとなっている。
上記の各GMR素子を、室温環境下で成膜した。
実験では、各GMR素子に対して、まず固定磁性層の固定磁化方向に100Oe(初期)の外部磁界(検出磁界)を印加した後、ΔMR(初期)を測定した。さらに、各サンプルに対して、固定磁性層の固定磁化方向に500〜5000Oeの外部磁界(外乱磁界)を印加し、その後、再び、固定磁性層の固定磁化方向に100Oeの外部磁界(検出磁界)を印加してΔMRを測定した。そして、500Oe〜5000Oeの外部磁界(外乱磁界)を印加した後測定したΔMRを、ΔMR(初期)で割り、外部磁界とΔMR/ΔMR(初期)との関係について求めた。その実験結果が図4に示されている。
なお図4の一番左側の測定点は、各GMR素子におけるΔMR(初期)/ΔMR(初期)に該当し、全て1である。
図4に示すように、ΔMR/ΔMR(初期)は、最もGMR−1が安定していることがわかった。すなわちGMR−1の場合、GMR−2〜GMR−4に比べて、ΔMRが外部磁界(外乱磁界)の印加によっても低下しにくく外乱ノイズ耐性に優れていることがわかった。
各GMR素子について詳しく見てみると、GMR−4では、3500Oe以上の外部磁界(外乱磁界)印加後におけるΔMR/ΔMR(初期)が、0.95を下回った。またGMR−2及びGMR−3では、4000Oe以上の外部磁界(外乱磁界)印加後におけるΔMR/ΔMR(初期)が、0.95を下回った。
一方、GMR−1のΔMR/ΔMR(初期)は、5000Oeの外部磁界(外乱磁界)印加後においても約0.95程度を保つことができた。
GMR−1は、非磁性中間層にRhを用い、第2磁性層の膜厚を12Åに設定したセルフピン型のGMR素子である。一方、GMR−3は、非磁性中間層にRuを用い、第2磁性層の膜厚を12Åに設定したセルフピン型のGMR素子である。GMR−1及びGMR−3に対し、第2磁性層の膜厚を略同一厚に設定し、第1磁性層の膜厚を変化させて第1磁性層と第2磁性層の磁化量(Ms・t)の差が実質的にゼロとなるように調整した。
GMR−1とGMR−3とを比較して明らかなように非磁性中間層にRhを用いることで、ΔMR/ΔMR(初期)を飛躍的に向上させることができ、優れた外乱ノイズ耐性を得ることができるとわかった。
またGMR−1とGMR−2は、いずれも非磁性中間層にRhを用いたセルフピン止め型のGMR素子であるが、GMR−1のほうがGMR−2に比べて優れたΔMR/ΔMR(初期)を得ることができるとわかった。これはGMR−1の第1磁性層の膜厚及び第2磁性層の膜厚が、GMR−2よりも薄いためである。そこで以下では第1磁性層の膜厚に関する実験を行った。
図5は、横軸を第1磁性層の膜厚とし、縦軸をΔMR劣化率としたグラフである。なお図5の実験では、非磁性中間層にRh(膜厚は5.4Åに固定)、あるいはRu(膜厚は、3.6Åに固定)を用い、また第1磁性層の膜厚変化に合わせて第2磁性層の膜厚も変化させ、第1磁性層と第2磁性層の磁化量の差が実質的にゼロとなるようにバランスをとった。固定磁性層以外の膜構成は図4の実験で使用した膜構成と同じである。
図5でのΔMR劣化率は、[(ΔMR(初期)−ΔMR(5kOe印加後))/ΔMR(初期)]×100(%)で示される。
図5に示すように、非磁性中間層にRhを用いたセルフピン止め型のGMR素子(以下では、Rh−GMRと呼ぶ)では、非磁性中間層にRuを用いたセルフピン止め型のGMR素子(以下では、Ru−GMRと呼ぶ)に比べて、低いΔMR劣化率を得ることができた。
図5に示すように、Ru−GMRでは、第1磁性層(及び第2磁性層)の膜厚を薄くしていくとΔMR劣化率は徐々に小さくなり、ある程度、改善できる。しかしながら第1磁性層の膜厚を14Å程度にまで薄くするとΔMR劣化率は飽和傾向になりそれ以上、小さくすることができないとわかった。図5の実験に示すRu−GMRでは、ΔMR劣化率の最小値が13.5%程度であった。
一方、Rh−GMRのΔMR劣化率と、Ru−GMRのΔMR劣化率とを同じ第1磁性層の膜厚で比較したとき、Rh−GMRのΔMR劣化率は、常にRu−GMRのΔMR劣化率よりも低くなった。
また、Rh−GMRでは、第1磁性層の膜厚を14Å以下に設定しても、ΔMR劣化率の改善効果が見られた。
上記したように、Ru−GMRにおけるΔMR劣化率(5kOeの外部磁界印加後)の最小値は13.5%程度であった。そして図5に示すようにRh−GMRの第1磁性層の膜厚を17Å以下に設定することで、Ru−GMRよりも常に低いΔMR劣化率を得ることができるとわかった。
また、Rh−GMRにおいて、第1磁性層の膜厚を13Å以下に設定すると、ΔMR劣化率をほぼ最小値にて安定させることができるとわかった。さらに、Rh−GMRにおいて、第1磁性層の膜厚を12.5Å以下に設定すると、より効果的に、ΔMR劣化率をほぼ最小値にて安定させることができるとわかった。
なお、図5の実験は、5kOeの外部磁界印加後におけるΔMR劣化率で評価したものであるが、外部磁界(外乱磁界)の磁界強度が変化しても、ΔMR劣化率の大きさが変化するだけで、グラフの曲線傾向は図5とほぼ同じであると考えられる。したがって外部磁界(外乱磁界)の磁界強度に係らず、Rh−GMRにおいて、第1磁性層の膜厚を17Å以下に設定することで、Ru−GMRよりも常に低いΔMR劣化率を得ることができると考えられる。
また、5kOeの外部磁界(外乱磁界)は、図4に示す実験での最大値であるから、第1磁性層の膜厚を13Å以下に設定すれば、5kOe以下の外部磁界(外乱磁界)の印加に対して、ΔMR劣化率を5%以下に設定することが可能になる。
図6は、図5の実験で使用したRh−GMR及びRu−GMRの第1磁性層の膜厚とΔMRとの関係を示したグラフである。図6に示すΔMRは、ΔMR(初期)に該当する。
図6に示すように、第1磁性層の膜厚が12Å以上となると、Rh−GMRのΔMR及びRu−GMRのΔMRにさほどの違いが見られないが、第1磁性層の膜厚が12Å以下に設定されると、Rh−GMR素子のΔMRのほうがRu−GMR素子に比べてやや大きくなった。
ただしRh−GMRにおいても、第1磁性層の膜厚が10Å程度まで薄くなるとΔMRが10%程度まで低下し、さらに第1磁性層の膜厚が薄くなると急激にΔMRが低下するものと推測される。
ΔMRは、第1磁性層の保磁力Hcと関係がある。すなわち磁気抵抗効果の発現のために、第1磁性層は高Hcであることが必要である。そこで、次に、第1磁性層の保磁力Hcを測定することとした。
以下の積層膜を形成した。
基板/シード層:NiFeCr(42)/第1磁性層:Fe60at%Co40at%(X)/非磁性中間層:Ru(3.6)/非磁性材料層:Cu(22)/保護層:Ta(50)
各層における括弧内の数値は膜厚を示し、単位はÅである。
上記積層膜には第2磁性層及びフリー磁性層は形成されていない。これは第1磁性層の保磁力Hcを適切に測定するためである。
図7は、第1磁性層の膜厚と第1磁性層の保磁力Hcとの関係を示すグラフである。
図7に示すように、第1磁性層の膜厚が10Åより小さくなると、強磁性が弱くなり、急激な保磁力Hcの低下が見られた。保磁力Hcの低下は、磁化分散、ΔMRの減少、信頼性低下に繋がるため好ましくない。
そこで、図6、図7の実験結果により第1磁性層の膜厚を10Å以上に設定した。
以上により本実施例では、非磁性中間層にRhを用いたセルフピン止め型の磁気検出素子において、第1磁性層の膜厚を10Å以上で17Å以下に設定し、また10Å以上で13Å以下を好ましい範囲とした。さらに、第1磁性層の膜厚のより好ましい範囲を10Å以上で12.5Å以下に設定した。
次に、以下のセルフピン止め型のGMR素子を作製した。
基板/シード層:NiFeCr(42)/固定磁性層[第1磁性層:Fe60at%Co40at%(18.7)/非磁性中間層:Rh(t3)/第2磁性層Co90at%Fe10at%(24)]/非磁性材料層:Cu(22)/フリー磁性層[Co90at%Fe10at%(15)/NiFe(17)]/保護層:Ta(70)
各層における括弧内の数値は膜厚を示し、単位はÅである。
実験では、まず、Rhからなる非磁性中間層の膜厚を5.4Åに設定したセルフピン止め型のGMR素子に対し、固定磁性層の固定磁化方向に100Oeの外部磁界(検出磁界)を印加してΔMR(Rh=5.4Å)を測定した。
続いて、Rhからなる非磁性中間層の膜厚を4.5Å〜6.5Åの範囲内で変化させたセルフピン止め型のGMR素子に対し、固定磁性層の固定磁化方向に100Oeの外部磁界(検出磁界)を印加してΔMRを測定した。そして非磁性中間層の膜厚とΔMR/ΔMR(Rh=5.4Å)との関係を求めた。
その実験結果が図8に示されている。図8に示す非磁性中間層の膜厚が5.4Åのときは、ΔMR(Rh=5.4Å)/ΔMR(Rh=5.4Å)であるから、ΔMR/ΔMR(Rh=5.4Å)は1となり、この値は最大値であった。すなわちRhからなる非磁性中間層の膜厚を5.4Åとすれば、ΔMRを最も大きくすることができるとわかった。そして、非磁性中間層の膜厚を5.4Å以下、及び5.4Å以上にすると、徐々にΔMR/ΔMR(Rh=5.4Å)が1から低下していった。
図8に示すように、非磁性中間層の膜厚を4.9Å以上で5.9Å以下に設定することで、ΔMR/ΔMR(Rh=5.4Å)を0.95以上(ΔMR変動率を5%以内)に収めることができるとわかった。
次に、以下のセルフピン止め型のGMR素子(実施例)を作製した。
基板/シード層:NiFeCr(42)/固定磁性層[第1磁性層:Fe60at%Co40at%(12.5)/非磁性中間層:Rh(5.4)/第2磁性層Co90at%Fe10at%(16)]/非磁性材料層:Cu(20)/フリー磁性層[Co90at%Fe10at%(5)/Co70at%Fe30at%(3)/NiFe(30)]/保護層:Ta(70)
各層における括弧内の数値は膜厚を示し、単位はÅである。
また、以下の反強磁性層を用いたGMR素子(比較例)を作製した。
基板/シード層:NiFeCr(60)/反強磁性層;PtMn(200)/固定磁性層[第1磁性層:Co90at%Fe10at%(12.3)/非磁性中間層:Ru(8.7)/第2磁性層Co90at%Fe10at%(10.5)]/非磁性材料層:Cu(20.5)/フリー磁性層[Co90at%Fe10at%(12)/NiFe(20)]/保護層:Ta(50)
各層における括弧内の数値は膜厚を示し、単位はÅである。
そして、実施例及び比較例におけるGMR素子の固定磁性層の固定磁化方向に−100Oe〜100Oeの外部磁界(検出磁界)を印加しΔMRを測定した。
その実験結果が図9に示されている。なおプラス値の外部磁界H(検出磁界)と、マイナス値の外部磁界H(検出磁界)とは、外部磁界の方向が互いに反対方向を示している。
また、実施例及び比較例の素子特性について調べ、その実験結果を以下の表1に示した。
Figure 2013211472
表1で注目すべき点は、フリー磁性層の保磁力Hcである。表1に示すように、実施例におけるフリー磁性層の保磁力Hcは、比較例に比べて十分に小さくなることがわかった。
反強磁性層を用いたGMR素子(比較例)では、固定磁性層と反強磁性層間で交換結合磁界(Hex)を生じさせるために磁場中熱処理が必要とされる。一方、セルフピン止め型のGMR素子(実施例)では、磁場中熱処理を必要とせず、固定磁性層及びフリー磁性層の異方性は成膜時に独立に付与可能である。したがって成膜後に、無磁場での熱処理を実施しても成膜時の異方性を固定磁性層及びフリー磁性層の夫々に残留させることができる。そのため、フリー磁性層の保磁力Hcを、反強磁性層を用いたGMR素子に比べて小さくできる。
図9の実験結果を見て明らかなように、実施例によれば、比較例に比べて、ヒステリシスが小さく且つリニアリティ性(直線性)に優れたΔMR特性を得ることができた。
P1、P2 磁化固定方向
S 磁気センサ
t1 (第1磁性層の)膜厚
t2 (第2磁性層の)膜厚
t3 (非磁性中間層の)膜厚
1、1a〜1d 磁気検出素子
3 固定磁性層
3a 第1磁性層
3b 非磁性中間層
3c 第2磁性層
4 非磁性材料層
5 フリー磁性層

Claims (6)

  1. 永久磁石を内蔵しない磁気センサに使用される磁気検出素子において、
    固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性材料層を介して積層された積層構造を備え、
    前記固定磁性層は、第1磁性層と第2磁性層とが非磁性中間層を介して積層され、前記第1磁性層と前記第2磁性層とが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型であり、前記第2磁性層が前記非磁性材料層に接しており、
    前記第1磁性層は前記第2磁性層よりも高保磁力材料のFeCoで形成され、
    前記第1磁性層の膜厚t1は10Å以上で17Å以下の範囲内で前記第2磁性層の膜厚t2よりも薄く、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層の磁化量の差が実質的にゼロであり、
    前記非磁性中間層はRhで形成されることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記非磁性中間層の膜厚は、4.9Å以上で5.9Å以下の範囲内で形成される請求項1記載の磁気検出素子。
  3. 前記第1磁性層の膜厚t1は、10Å以上で13Å以下である請求項1又は2に記載の磁気検出素子。
  4. 前記第1磁性層の膜厚t1は、10Å以上で12.5Å以下である請求項3記載の磁気検出素子。
  5. 前記第1磁性層は、FexCo100-x(ただしxは、55at%以上で65at%以下)で形成される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気検出素子。
  6. 基板上に、請求項1ないし5のいずれか一項に記載された前記磁気検出素子が配置されたことを特徴とする永久磁石を内蔵しない磁気センサ。
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