JP2013211449A - トランス - Google Patents
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Abstract
【課題】長手を有して厚みが薄く形成されたトランスにあって、長手方向の小形化と軽量化を図ることが可能なトランスを提供する。
【解決手段】長手を有するトランス1は、ボビン2、コイル11、E形の第1コア21、及びE形の第2コア31を備える。ボビン2は、長手方向に延びる略楕円形のコア挿入孔3aを形成した略楕円形の巻胴部3、巻胴部3の一端に連続した第1フランジ4、及び巻胴部3の他端に連続した第2フランジ7を有する。コイル11を巻胴部3の外周に巻き付ける。コア挿入孔3aに挿入された第1コア21の中央脚23及び第2コア31の中央脚33の夫々をコア挿入孔3aと略相似形とし、巻胴部3と中央脚23,33との間に無駄なギャップが形成されないようにしたことを特徴としている。
【選択図】図4
【解決手段】長手を有するトランス1は、ボビン2、コイル11、E形の第1コア21、及びE形の第2コア31を備える。ボビン2は、長手方向に延びる略楕円形のコア挿入孔3aを形成した略楕円形の巻胴部3、巻胴部3の一端に連続した第1フランジ4、及び巻胴部3の他端に連続した第2フランジ7を有する。コイル11を巻胴部3の外周に巻き付ける。コア挿入孔3aに挿入された第1コア21の中央脚23及び第2コア31の中央脚33の夫々をコア挿入孔3aと略相似形とし、巻胴部3と中央脚23,33との間に無駄なギャップが形成されないようにしたことを特徴としている。
【選択図】図4
Description
本発明は、例えばLED(発光ダイオード)を光源として有した直管形LED蛍光ランプの電源回路に使用される電源トランス等のトランスに関する。
ボビンと、このボビンの巻胴部に巻き付けられたコイルと、E形をなす一対のコアを備えた小型トランスが知られており、かつ、多用されている。電気絶縁物製のボビンは、巻胴部で囲まれたコア挿入孔を有し、巻胴部及びコア挿入孔は、略正方形の角孔又は丸孔である。コアは、その中央脚をコア挿入孔に挿入するとともに側脚をコイルの外周に沿うように配置して、ボビン及びコイルと組み合わされている(例えば、特許文献1,2参照。)。
又、ボビンを使用しない構成の小型トランスも知られている。この種のトランスの中には、中心軸の断面が略楕円形をなす中心コア部の長手方向(軸方向)両端にツバ部を設けた中コアと、中心コア部に絶縁下テープを介して巻回したコイルと、両ツバ部を接続する側コアとを備えた構成の小型トランスがある。この小型トランスは、ボビンを使用せずに、薄い絶縁下テープの上に直接巻線を巻回してコイルを形成するので、中心コア部の短軸方向に沿って薄形化を図ることが可能である(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献1,2に記載のボビン付きのトランスは、そのボビンのコア挿入孔が略正方形の角孔又は丸孔であるので、巻胴部の中心軸線が延びる方向に沿うボビンの厚みを薄くし、それに応じてトランスの厚みを薄くすることは困難である。そのため、例えば直管形LED蛍光ランプに内蔵される電源トランス等のように、電源トランスの配設スペースが電源トランスの厚み方向に狭く制限されている用途には、特許文献1,2に記載のトランスは適していない。
こうした用途に適合する対策として、本発明者は、コア挿入孔を有したボビンの巻胴部及びコアの中央脚をいずれも長手を有する細長い形状に形成することで、厚みを薄くできる低背形の電源トランスを開発した。ここで、巻胴部及び中央脚が細長いとは、それらの長手方向両端部が半円形であると共に、これら両端部間の部位が互に平行となった形状を指しており、したがって、コア挿入孔は長孔からなる。
こうして薄形化されたトランスに対しても、更なる小形化が要請されることがある。この場合の小形化は、所定の性能を維持した上でトランスの長手方向の長さ(以下、トランス全長と称する。)を、更に短くすることを指している。加えて、長手方向及び厚み方向に夫々直交する方向の長さ(以下、トランス幅と称する。)を短くする小形化も要請されることがある。
しかし、既述のように長手を有して細長い形状に形成されたトランスの全長は、巻胴部に巻き付けられたコイルの長手方向両端間の距離の長さが長いほど、長く形成される。この場合、コイルの長手方向両端間の距離は、コアの中央脚が嵌合されるコア挿入孔を有した巻胴部によって規定される。これとともに、厚みを薄くするために長手を有して細長い形状に形成されたトランスは、そのコアの長手方向の長さ(以下、コア全長と称する。)を長くすることで、所定の磁路断面積をコアに確保している。このため、コア全長を短くし、それに伴い巻胴部の長手方向両端間の距離を縮めて、トランスの小形化を図ることが難しい。しかも、コアの全長が長くなることで、トランスの重量が増える。
更に、本発明者は、長手を有した細長い形状にトランスを製造する上で以下の現象を見出すに至った。
即ち、巻線機を用いてボビンの巻胴部にコイルを巻き付ける場合、巻線機のジグの一部はコア挿入孔に芯として挿入され、ボビンをジグに支持した状態で、ジグを動かしながら巻線をし、巻線後にボビンはジグから外される。これに伴い、巻線されたコイルの巻き締め力で、ボビンの巻胴部がその長手方向両端から押されるので、長孔からなるコア挿入孔を形成した巻胴部が、その長軸を縮める方向に変形して、略楕円形となる現象が確認された。この現象の発生は、巻胴部の長軸が長いほど著しい。
こうして変形された巻胴部のコア挿入孔に、コアの中央脚を挿入してトランスが組立てられる。このため、巻胴部の長手方向両端から中央部に向うに従い次第に広くなるギャップが、中央脚の互に平行な側面とコア挿入孔の長手方向両端部間の内面部位との間に夫々に形成される。このギャップは、トランスの性能に悪影響を与えることはないが、無駄なスペースである。
又、細長く形成したトランスは、その製造上においてボビンの巻胴部が既述のように変形するので、巻胴部に巻き付けられたコイルは、トランスの幅方向に巻太りする。つまり、コイルにおけるトランスの幅方向に沿う寸法は、トランスの長手方向中央部側程、広くなる。
したがって、小形化のためにトランスの幅が規定された条件においては、トランスの幅方向についての巻線スペースをボビンに確保し難くなる。これへの対策としては、トランスの全長をより長く形成して要求される特性を満たせばよいが、この対策ではトランス全長を短くすることができなくなる。この逆に、トランス幅を広くしてトランス全長が長くなることを抑制すると、トランスの幅方向についての小形化ができなくなる。
加えて、コイルが既述のように巻太りすることで、コイルの使用量が増える。このため、コイルの電気抵抗による銅損が増えるに伴い、トランスの効率が低下することがある。
又、特許文献3に記載の発明は、中コアの中心コア部にコイルを直巻きするので、ボビンを用いた場合の課題を生じない。これとともに、特許文献3には、ボビンとの関係において、略楕円形をなした中心コア部の断面の長軸方向の長さを短くして小形化を図る工夫についても記載がない。このように引用文献3は、ボビンを有したトランスをより小形化するための技術を教示していない。
本発明の課題は、長手を有して厚みが薄く形成されたトランスにあって、長手方向の小形化と軽量化を図ることが可能なトランスを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の発明の長手を有するトランスは、長手を有したボビンであって、長手方向に延びる略楕円形のコア挿入孔を形成した略楕円形の巻胴部、この巻胴部の軸方向一端に連続した第1フランジ、及び前記巻胴部の軸方向他端に連続した第2フランジを有する前記ボビンと、前記巻胴部の外周に巻き付けられたコイルと、長手を有し、かつ、長手方向と直交する方向の断面がE形をなす第1コアであって、前記第1フランジを覆った基部、前記コア挿入孔と略相似形をなして前記基部の幅方向中央部に設けられて前記コア挿入孔に挿入された中央脚、及び前記基部の幅方向両側部に夫々設けられて前記コイルを外側から覆った側脚部を有する前記第1コアと、長手を有し、かつ、長手方向と直交する方向の断面がE形をなす第2コアであって、前記第2フランジを覆った基部、前記コア挿入孔と略相似形をなして前記基部の幅方向中央部に設けられて前記コア挿入孔に挿入された中央脚、及び前記基部の幅方向両側部に夫々設けられて前記コイルを外側から覆った側脚部を有する前記第2コアと、を具備することを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記各側脚部の長手方向の長さが前記中央脚の長手方向の長さより長いとともに、これら側脚部の長手方向両端部の厚みがこれら長手方向両端部間の中間部位の厚みより厚く、前記中間部位の内側面にこの中間部位を次第に薄くする凹みが形成されていることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2において、前記第1コアが有した前記中央脚の長手方向の端に指向するコア溝を、前記第1コアの基部の長手方向両端部に夫々形成し、前記コア挿入孔の長手方向の端に指向するボビン溝と、前記第1コアの長手方向の端面及び前記コア溝を覆うカバー端壁とを、前記第1フランジの長手方向両端部に夫々形成したことを特徴としている。
本発明は、長手を有して厚みが薄く形成されたトランスにあって、ボビンの巻胴部により形成されたコア挿入孔とこれに挿入されたコアの中央脚とを、相似形でかつ略楕円形としたので、巻胴部と中央脚との間に無駄なギャップが形成され難い。これにより、コアの中央脚の磁路断面積を大きく確保できることに応じて、この中央脚及び巻胴部の長手方向の長さが短くなるに伴い、トランスの長手方向の小形化と軽量化を図ることが可能である、という効果がある。
以下、本発明の一実施の形態について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
図1〜図3中符号1はトランスを示している。このトランス1は、例えば直管形LED蛍光ランプを定電流で点灯させる電源装置の降圧用電源トランスとして使用される。トランス1は、ボビン2と、コイル11と、E形の第1コア21と、E形の第2コア31とを備えて構成されている。
ボビン2は、電気絶縁材例えばフェノール樹脂等の合成樹脂の一体成形品であって、長手を有するボビン部に、複数の絡げ端子9を取付けて形成されている。
ここで、ボビン部が長手を有するとは、ボビン部の縦横寸法が異なっていることを指している。図3を描いた紙面でその図番の表記を基準として上下に延びる方向(縦方向)がボビン部の長手方向であり、これに対して直角に交わる方向(横方向)がボビン部の幅方向である。図3中符号L1でボビン部の全長を示し、符号Wでボビン部の幅によって規定されるトランス幅を示す。ボビン部の縦横比は例えば3倍以上であることが好ましい。
このような長手を有したボビン2を備えることで、トランス1の厚みT(図2参照)を低く、かつ、幅Wを狭くできる。これにより、直管形LED蛍光ランプの内部に組込み可能なサイズのトランス1を構成することが可能である。
ボビン部は、巻胴部3、第1フランジ4、及び第2フランジ7を有している。
図3等に示すように巻胴部3は、ボビン部の長手方向に延びる略楕円形例えば楕円形の短い筒状であり、その内側にコア挿入孔3aを形成している。コア挿入孔3aはボビン部の長手方向に延びる孔であって、巻胴部3と同形状である。このコア挿入孔3aの一端はボビン部の厚み方向の一面に開放され、他端はボビン部の厚み方向の他面に開放されている。
図2及び図4に示すように第1フランジ4は巻胴部3の軸方向一端に連続し外側に張り出して設けられている。この第1フランジ4の長手方向両端部の夫々に、ボビン溝5とカバー端壁6とが夫々設けられている。
ボビン溝5は略V字形状をなす凹みで形成されている。ボビン溝5の先細り状の溝奥端部は、コア挿入孔3aの長手方向の端に指向している。
カバー端壁6は、ボビン溝5及び第1フランジ4の長手方向の端に沿うように連続し、かつ、第2フランジ7から遠ざかる方向に起立されている。第1フランジ4の長手方向に延びる一対の側縁のうちで、図4中符号Aで示す長さ範囲を占める中間側縁部位4aは、平行ではなく、例えば緩い円弧状をなして互に反対向きに膨出されている。
図4に示すように第2フランジ7は巻胴部3の軸方向他端に連続し外側に張り出して設けられている。この第2フランジ7と第1フランジ4との間に巻線スペースが形成される。第2フランジ7は、第1フランジ4より長く形成されていて、その長手方向両端部に夫々端子取付け部8を有している。
端子取付け部8の幅によってボビン部の幅、つまり、トランス幅Wが規定されている。第2フランジ7の端子取付け部8間の中間部位の幅は、端子取付け部8の幅より狭い。この第2フランジ7の中間部位の長さは第1フランジ4の全長に略等しい。第2フランジ7の中間部位の長手方向に延びる一対の側縁のうちで、図3及び図4中符号Bで示す長さ範囲を占める中間側縁部位7aは、平行ではなく、例えば緩い円弧状をなして互に反対向きに膨出されている。中間側縁部位4a,7aの円弧の長さと曲率は同じである。
各端子取付け部8の夫々に絡げ端子9が複数本取付けられている。これらの絡げ端子9は、例えばボビン2の長手方向に沿って真っ直ぐ延びているが、これに限らず、トランス1が実装される図示しない電源基板に挿入可能となるように下方へ折れ曲がっていてもよい。端子取付け部8には、図3及び図4に示すようにコイル11を絡げ端子9に導くためのガイド溝8aが複数形成されている。
図3に示すようにコイル11は、巻胴部3の外周にこの巻胴部3と相似形に巻き付けられている。コイル11は、エナメル被覆電線などからなる一次巻線及び二次巻線を含んでいる。巻胴部3に巻き付けられたコイル11の端末部や必要に応じて設けられる中間タップ巻線は、一般的にガイド溝8aに配線され絡げ端子9に絡げられた状態で、半田付けにより絡げ端子9に固定される。しかし、コイル11の端末部を絡げ端子9に接続しない場合、その端末部はボビン溝5を通って外部に引出されて電源基板等に半田付けされる。
図3に示すようにコイル端11a(つまり、略楕円形に巻かれたコイル11の長手方向の端)と絡げ端子9との間には、電気絶縁上の所定の耐圧を得るために必要な絶縁距離Dが夫々確保されている。更に、コイル11の最大幅はボビン2の長手方向中間部位の最大幅より狭い。ボビン2の長手方向中間部位の最大幅は、前記中間側縁部位4aの最大離間寸法、及びこれと同じ寸法である前記中間側縁部位7aの最大離間寸法で規定される。こうした寸法関係により、トランス1が組立てられる際、コイル11の外周とコアとの接触が防止されて、コイル11の外周が擦り傷を負うことを防止できる。
第1コア21は、磁性材料、例えばフェライト製の一体成型品であり、長手を有し、かつ、長手方向と直交する方向の断面が図2に示すようにE形である。
この第1コア21の全長Cはボビン2の第1フランジ4の全長と略同じである。この第1コア21は、図2及び図5(A)(B)に示すように基部22、中央脚23、及び側脚部24を有している。
基部22は第1フランジ4を上方から覆う大きさに形成されている。中央脚23は、コア挿入孔3aに挿入される部位であって、基部22の幅方向中央部の裏面に突設されている。中央脚23の形状は、図4に示すように略楕円形でかつコア挿入孔3aと相似形である。この中央脚23は基部22の長手方向に延びて形成されている。更に、中央脚23の全長E(図3及び図4参照)は、側脚部24及び基部22の全長Cより短い。
基部22は、その長手方向両端部にコア溝25を夫々有している。コア溝25は、前記ボビン溝5と相似形であり、中央脚23の長手方向の端に指向して形成されている。
側脚部24は、コイル11をその長手方向に沿って外側から覆う部位であって、基部22の幅方向両側部の裏面にこれらの縁部から折れ曲がるように夫々突設されている。これら側脚部24の全長は、基部22の全長Cと同じであり、かつ、中央脚23の全長Eより長い。
図5(A)に示すように各側脚部24の長手方向両端部の厚みは、これら両端部間の中間部位の厚みより厚い。これとともに、中間部位の内側面に、この中間部位を次第に薄くするための例えば緩い円弧状をなす凹み24aが形成されている。この凹み24aは、トランス1を組み立てる際に側脚部24が前記中間側縁部位4a及び中間側縁部位7aと干渉しないようにこれらに対応して設けられている。
第2コア31も、磁性材料、例えばフェライト製の一体成型品であり、長手を有し、かつ、長手方向と直交する方向の断面が図2に示すようにE形をなしている。本実施形態では、部品の共通化を図るため、第2コア31は、第1コア21と同じ構成で、かつ、同じ大きさに形成されている。
このため、第2コア31の全長はボビン2の第1フランジ4の全長と略同じである。この第2コア31は、図2及び図4に示すように基部32、中央脚33、及び側脚部34を有している。
基部32は第2フランジ7の端子取付け部8以外の部位を下方から覆う大きさに形成されている。中央脚33は、コア挿入孔3aに挿入される部位であって、図4等に示すように基部32の幅方向中央部の裏面に突設されている。この中央脚33は、コア挿入孔3aと相似形をなす略楕円形であって、基部32の長手方向に延びて形成されている。更に、中央脚33の全長Eは、側脚部34及び基部32の全長Cより短い。
基部32はその長手方向両端部にコア溝35を夫々有している。なお、部品の共通化を図らない場合、これらのコア溝35は省略できる。
側脚部34は、コイル11をその長手方向に沿って外側から覆う部位であって、基部32の幅方向両側部の裏面にこれらの縁部から折れ曲がるように夫々突設されている。
各側脚部34の長手方向両端部の厚みは、これら両端部間の中間部位の厚みより厚い。これとともに、各側脚部34の中間部位の内側面に、この中間部位を次第に薄くするための例えば緩い円弧状をなす凹み34aが形成されている。この凹み34aは、トランス1を組み立てる際に側脚部24が前記中間側縁部位4a及び中間側縁部位7aと干渉しないようにこれらに対応して設けられている。側脚部34の全長Cは凹み34aの容積に見合って中央脚33の全長Eより長く形成されている。
トランス1の組立て手順は次の通りである。まず、図示しない巻線機を用いて、ボビン2が有する巻胴部3の外周にコイル11を巻き付ける。ボビン2に巻き付けられたコイル11は、巻胴部3の形状に沿って略楕円形となる。巻き付けられたコイル11の端末部を、必要に応じて絡げ端子9に絡げて半田付けする。若しくは、絡げ端子9への接続に代えてコイル11の端末部をボビン2の巻線スペース外に引出した状態とする。後者の場合、コイル11の端末部は、第1フランジ4に形成されたボビン溝5を通して引出す。
次に、コイル11が巻き付けられたボビン2を巻線機のジグから外した上で、ボビン2に第1コア21と第2コア31を組付ける。即ち、第1コア21をボビン2に対して上側から組み付ける。それにより、第1コア21の中央脚23がコア挿入孔3aに挿入され、第1コア21の側脚部24がボビン2に巻き付けられたコイル11の長手方向両端部間の外周部位を覆い、かつ、第1コア21の基部22の裏面がボビン2の第1フランジ4に接してこれを覆った状態に配設される。同様に、第2コア31をボビン2に対して下側から組み付ける。それにより、第2コア31の中央脚33がコア挿入孔3aに挿入され、第2コア31の側脚部34がボビン2に巻き付けられたコイル11の長手方向両端部間の外周部位を覆い、かつ、第2コア31の基部32の裏面がボビン2の第2フランジ7に接してこれを覆った状態に配設される。
以上のようにボビン2に組み付けられた第1コア21の基部22は、第1フランジ4がその長手方向両端に夫々有したカバー端壁6間に配置されるので、これらカバー端壁6によって基部22の長手方向の端面及びコア溝25が覆われる。この場合、ボビン溝5に沿っていてコア挿入孔3aの長手方向の端に指向する突部を形成しているカバー端壁6の中央部が、第1コア21のコア溝25に嵌合される。この状態を図1に示す。したがって、既述のようにコイル11の端末部がボビン溝5を通って引出されている場合、この端末部が第1コア21の端面に接することがカバー端壁6により妨げられる。これにより、ボビン溝5を通って引出されたコイル11の端末部と第1コア21との間の電気的絶縁を確保できる。
以上のようにボビン2に組み付けられた第1コア21の中央脚23の突出方向先端面と第2コア31の中央脚33の突出方向先端面とは、図2に示すように互いに接触する。同様に、第1コア21の側脚部24の突出方向先端面と第2コア31の側脚部24の突出方向先端面も、図2に示すように互いに接触する。又、以上の組立て状態を維持するために、第1コア21と第2コア31とは、例えば側脚部同士を図示しない接着剤で接着するとともに、これら第1コア21及び第2コア31とボビン2も適当箇所において接着剤で接着される。なお、トランス1に要求される性能によっては、第1コア21の中央脚23と第2コア31の中央脚33とは、これらの間にギャップを形成して非接触とすることも可能である。
以上説明したトランス1において、第1コア21の中央脚23及び第2コア31の中央脚33を楕円形としたので、これら中央脚23,33の磁路断面積が増える。これにより、トランス1としてその中央脚に要求される所定の磁路断面積を確保する上で、中央脚23,33の長手方向の全長Eを短くできる。これに伴い、第1コア21及び第2コア31の全長を規定する側脚部24,34の全長Cを夫々短くできる。
そのため、中央脚23,33の全長Eに応じて楕円形をなす巻胴部3の全長L2(図3参照)を短くできる。したがって、コイル11のコイル端11aから絡げ端子9との間に必要な絶縁距離Dを確保した状態でのボビン部の全長L1が長手方向に短くなり、それに応じてトランス1をその長手方向に小形化できる。
ちなみに、トランス厚み(高さ)Tを8.8mm、トランス幅Wを14.2mmとした本実施形態に係るトランス1のボビン部の全長L1は50.5mmであった。これに対して、長孔からなるコア挿入孔が形成されたボビン、及び長孔と同形状の中央脚を有したコアを備えるとともに、トランス厚みT及びトランス幅W、その他磁気的な条件を同じとした比較例のトランスでは、その全長は55.5mmであった。したがって、この比較例に対して本実施形態のトランス1はその全長を約10%短くできた。
又、巻胴部3に対するコイル11の巻き付け後において、巻線機のジグからボビン2が外されるに伴ってコイル11の巻き締め力が、楕円形の巻胴部3がその長手方向の両端を力点として作用する。それにも拘らず、以上説明したように巻胴部3の長手方向の長さ(全長L2)が短いので、前記力によって巻胴部3がその長手方向両端を接近させるように変形することが抑制される。
これとともに、既述のようにボビン2が有する巻胴部3によって形成されたコア挿入孔3aは楕円形であり、このコア挿入孔3aに挿入された第1コア21の中央脚23及び第2コア31の中央脚33の断面形状は、コア挿入孔3aと略同じ大きさの相似形である。
したがって、図3に示すようにコア挿入孔3aと中央脚23及び中央脚33との間に、無駄なスペースが形成されることを抑制することが可能である。
更に、既述のようにコイル11の巻き付けを原因とする巻胴部3の変形が抑制されるので、巻胴部3に巻き付けられて略楕円形となったコイル11の最大幅が増えることが抑制される。つまり、コイル11の巻き太りが抑制される。
しかも、本実施形態のトランス1では、第1コア21の側脚部24の内側面に凹み24aが形成されているとともに、この凹み24aに対してトランス1の厚み方向に連続する凹み34aが、第2コア31の側脚部34の内側面に形成されている。これにより、コイル11が多少巻き太ることがあっても、コイル11が側脚部34の内側面に干渉することを、凹み24a,34aによって防止できる。これとともに、前記巻き太りを原因としてトランス1の幅Wが増えることを凹み24a,34aによって防止できるので、トランス幅Wを規定値に保持することができる。
凹み24aを側脚部24に設けたことで、当該部位における側脚部24の磁路断面積は減少し、同様に、凹み34aを側脚部34に設けたことで、当該部位における側脚部34の磁路断面積は減少する。しかし、左右に対をなす側脚部24は、凹み24aの面積に相当する分に応じて第1コア21の中央脚23より長く形成されて、中央脚23の磁路断面積の1/2に相当する磁路断面積を夫々確保している。同様に、左右に対をなす側脚部34は、凹み34aの面積に相当する分に応じて第2コア31の中央脚33より長く形成されて、中央脚33の磁路断面積の1/2に相当する磁路断面積を夫々確保している。したがって、凹み24a,34aによる磁気回路上で有効磁束の低下がもたらされることがない。
なお、凹み24a,34aに対応する側脚部24,34の長さの増加分は、巻胴部3の全長の短縮化に比較すると僅かであるので、側脚部24,34の長さは、図3に示すように巻胴部3に巻き付けられたコイル11の長手方向の長さ以下に維持される。このため、側脚部24,34の長さの増加分が、ボビン2のボビン部によって規定されるトランス1の全長を長くする因子とはならない。
又、既述のように巻胴部3の全長L2に応じてコイル11の長手方向の長さCが短くなることに加えて、コイル11の巻き太りも抑制されるので、コイル11の使用量が削減される。それに伴い、コイル11による銅損が減るので、トランス1の回路効率を向上することが可能である。
更に、コイル11の使用量が削減されることに加えて、既述のように第1コア21及び第2コア31の全長が短くなっていて、第1コア21及び第2コア31を構成する材料の量が削減されていることから、コストダウンとともに、トランス1を軽量化することができる。
なお、本発明は前記一実施形態には制約されない。例えば、本発明は電源トランス以外のトランスにも適用可能である。又、本発明において、コア挿入孔、巻胴部、及びコアの中央脚が略楕円形であるとは、数学的に定義される楕円形であることを含んでいるだけではなく、これに近似する形状も含んでいる。従って、例えば、半円状をなす長手方向の両端部と、巻胴部などの最大幅を形成する長手方向の中央部とにわたる部位が、楕円形のように円弧ではなく直線である形状、言い換えれば、略そろばん玉のような形状も、略楕円形の範囲に含まれる。更に、本発明において、中央脚がコア挿入孔と略相似形であるとは、数学的に定義される相似形であることを含んでいるだけではなく、これに近似する形状も含んでいる。
1…トランス、2…ボビン、3…巻胴部、3a…コア挿入孔、4…第1フランジ、5…ボビン溝、6…カバー端壁、7…第2フランジ、11…コイル、21…第1コア、22…第1コアの基部、23…第1コアの中央脚、24…第1コアの側脚部、24a…第1コアの凹み、25…第1コアのコア溝、31…第2コア、32…第2コアの基部、33…第2コアの中央脚、34…第2コアの側脚部、34a…第2コアの凹み
Claims (3)
- 長手を有したボビンであって、長手方向に延びる略楕円形のコア挿入孔を形成した略楕円形の巻胴部、この巻胴部の軸方向一端に連続した第1フランジ、及び前記巻胴部の軸方向他端に連続した第2フランジを有する前記ボビンと、
前記巻胴部の外周に巻き付けられたコイルと、
長手を有し、かつ、長手方向と直交する方向の断面がE形をなす第1コアであって、前記第1フランジを覆った基部、前記コア挿入孔と略相似形をなして前記基部の幅方向中央部に設けられて前記コア挿入孔に挿入された中央脚、及び前記基部の幅方向両側部に夫々設けられて前記コイルを外側から覆った側脚部を有する前記第1コアと、
長手を有し、かつ、長手方向と直交する方向の断面がE形をなす第2コアであって、前記第2フランジを覆った基部、前記コア挿入孔と略相似形をなして前記基部の幅方向中央部に設けられて前記コア挿入孔に挿入された中央脚、及び前記基部の幅方向両側部に夫々設けられて前記コイルを外側から覆った側脚部を有する前記第2コアと、
を具備することを特徴とするトランス。 - 前記各側脚部の長手方向の長さが前記中央脚の長手方向の長さより長いとともに、これら側脚部の長手方向両端部の厚みがこれら長手方向両端部間の中間部位の厚みより厚く、前記中間部位の内側面にこの中間部位を次第に薄くする凹みが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトランス。
- 前記第1コアが有した前記中央脚の長手方向の端に指向するコア溝を、前記第1コアの基部の長手方向両端部に夫々形成し、
前記コア挿入孔の長手方向の端に指向するボビン溝と、前記第1コアの長手方向の端面及び前記コア溝を覆うカバー端壁とを、前記第1フランジの長手方向両端部に夫々形成したことを特徴とする請求項2に記載のトランス。
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JP2019161178A (ja) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 東芝ライテック株式会社 | トランスおよび紫外線照射装置 |
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-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012081442A patent/JP2013211449A/ja active Pending
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