JP2013210452A - カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、明度(Y値)、コントラスト比(CR値)、分散性に優れ、かつ感度、直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、耐薬品性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を用いた、高明度、高コントラスト比のフィルタセグメント、高品質のカラーフィルタの提供を目的とする。
【解決手段】
上記課題は、顔料(A)と、バインダー樹脂(B)と、樹脂型分散剤(C)とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、バインダー樹脂(B)が、一般式(1)表わされる構成単位(b1)を有する繰り返し単位2〜60モル%を樹脂中に含有し、
樹脂型分散剤(C)が、特定の(メタ)アクリル系ブロック共重合体からなることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、及びカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高明度化、高コントラスト化、高色再現性の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。一般的に赤、緑、および青の3色のフィルタセグメントから形成されることが多く、これら各セグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、カラーフィルタを形成する製造工程において、一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温処理が必要である。このため、現在、カラーフィルタは、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
しかし、一般に顔料を分散したカラーフィルタは、顔料による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ON状態とOFF状態における表示装置上の輝度の比(コントラスト比)が低いという問題がある。
カラーフィルタの高輝度化、高コントラスト化を実現させるため、フィルタセグメント中に含まれる顔料を微細化処理して用いられることが多い。しかし、単純に顔料(化学反応により製造された粒子径が10〜100μmのクルードと呼ばれるものを、顔料化処理により一次粒子とこれが凝集した二次粒子の混合物にまでしたものである)を様々な微細化処理方法により微細化しても、一次粒子あるいは二次粒子の微細化が進行した顔料は一般に凝集し易く、微細化が進行し過ぎた場合には巨大な塊状の顔料固形物を形成してしまう。さらに、微細化の進行した顔料は、樹脂等を含有する顔料担体中へ分散させ、再び顔料の二次粒子をなるべく一次粒子にまで近づけて安定化させようとしても、安定な着色組成物を得ることは非常に困難である。
また微細化処理を施した顔料を、樹脂等を含有する顔料担体中へ分散させ形成されるカラーフィルタ用着色組成物は、顔料を安定に高濃度で分散することが難しく、製造工程や製品そのものに対して種々の問題を引き起こすことが知られている。
例えば、微細な粒子からなる顔料を含む顔料組成物は往々にして高粘度を示し、製品の分散機からの取り出しや輸送が困難となるばかりではなく、悪い場合は保存中にゲル化を起こし、使用困難となることさえある。さらに、顔料組成物の展色物の表面に関しては光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じる。また、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降等の現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがある。
そこで、一般的には分散状態を良好に保つために樹脂型分散剤が利用されている。樹脂型分散剤は、顔料に吸着する部位と、分散媒である溶剤と親和性の高い部位との構造を併せ持ち、この2つの機能の部位のバランスで性能が決まる。樹脂型分散剤は、被分散物である顔料の表面状態に合わせて種々のものが使用されている。
樹脂型分散剤はブロック型構造(特許文献1)や櫛形構造(特許文献2)を有する構造制御されたものが顔料分散性に優れたものとして知られている。いずれの場合も、近年顔料の微細化が進み、表面積が増加しているため、分散安定性を確保するため多量に添加する傾向にある。分散剤の増量により現像液に対する溶解性の低下や、分散剤自身の現像液に対する溶解性が悪く、所定の時間内に現像が出来ない場合や、現像可能であっても現像後の非画像部への着色樹脂組成物の未溶解物が残存し易くなる場合がある。更に基板上の非画素部に着色樹脂組成物の未溶解物が残存すると、得られるカラーフィルタは、透過率やコントラストの低下などを引き起こすほか、パターンエッジ部に残存した場合には、ITO膜の剥離や、液晶セル化工程でのシール性劣化を起こすなど、後工程にまで影響を及ぼすような事態となる。
櫛形構造の場合、1級または2級アミノ基を持つポリアミン化合物へカルボキシル基やアクリロイル基等の官能基を有する櫛の歯となる部分をグラフト化させ、残った1級または2級アミンが顔料表面に吸着する官能基とさせる方法があるが、1級または2級アミンは反応性の高い活性水素を有し好ましくない。
カラーフィルタに関しては、前述のように高コントラスト化のみならず、高明度化も要求されている。一般に高い明度を得るためには、顔料を顔料担体中に分散する際に一次粒子にまで近づけ分散体の透明度を上げて、分散体の分光スペクトルに高透過率を持たせることにより、高い明度を得ている。
こうした問題を解決するために、アクリル系ブロック共重合体の構造や酸価等を改良し、少量の添加で顔料分散性を改良する試みがなされている(特許文献3、4、5、6参照)が、十分ではないのが現状である。
特開2002−31713号公報 特開平11−1515号公報 特開2006−265528号公報 特開2006−321979号公報 特開2009−25813号公報 特表2010−506016号公報
本発明は、明度(Y値)、コントラスト比(CR値)、分散性に優れ、かつ感度、直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、耐薬品性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を用いた、高明度、高コントラスト比のフィルタセグメント、高品質のカラーフィルタの提供を目的とする。
本発明者らは前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、顔料と、特定構造を有するバインダー樹脂(B)と、特定の樹脂型分散剤(C)を含む着色組成物により、上記課題が解決することを見出したものである。
すなわち、本発明は、顔料(A)と、バインダー樹脂(B)と、樹脂型分散剤(C)とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、
バインダー樹脂(B)が、下記一般式(1)で表わされる構造(b1)を有する繰り返し単位を2〜60モル%含有し、
樹脂型分散剤(C)が、親溶媒性基と芳香環基を有するAブロックと、窒素原子を含む官能基を有するBブロックとからなるA−Bブロック共重合体またはB−A−Bブロック共重合体であって、
Aブロックが、親溶媒性基として下記一般式(2)で表わされる繰り返し単位を、共重合体中4〜40モル%と、芳香環基として下記一般式(3)で表わされる繰り返し単位を、共重合体中4〜30モル%含有し、
Bブロックが、下記一般式(4)で表わされる繰り返し単位を含有し、
かつアミン価が、有効固形分換算で10mgKOH/g以上、99mgKOH/g以下の(メタ)アクリル系ブロック共重合体であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。

Figure 2013210452
[一般式(1)中、aは単結合または二重結合である炭素−炭素結合を表す。]

Figure 2013210452
[一般式(2)中、n1は1〜10の整数を表し、R1は水素原子又はメチル基を表しR2は炭素数1〜10の分岐して良いアルキル基を表す。]

Figure 2013210452
[一般式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を表す。n2は0又は1の整数であって、φは複数の異なる置換基を有していてもよい、5〜6員の窒素原子を含んでいてもよい芳香環を表す。]

Figure 2013210452
[一般式(4)中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1以上のアルキレン基を表す。n3は0又は1の整数であって、R6〜R8は置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、X1はn3=1である場合のカウンターアニオンを表す。]
また、本発明は、バインダー樹脂(B)が、さらに下記一般式(6)で表わされる構造(b2)を有する繰り返し単位を2〜80モル%と、カルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位を2〜70モル%とを含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。

Figure 2013210452
[一般式(6)中、R9は互いに異なって良い一個以上の置換基であり、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。また、一般式(6)中の破線部に、ベンゼン環に隣あう、置換基を有しても良い一個以上の飽和または不飽和の複素環を含む環状構造を有してもよい。]
また、本発明は、さらにアセトフェノン系化合物、ホスフィン系化合物、イミダゾール系化合物、およびオキシムエステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の光重合開始剤(D1)を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、前記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、流動性、および現像性に優れた安定なカラーフィルタ用着色組成物であって、該カラーフィルタ用着色組成物を用いることで、高コントラスト比および高明度の各色フィルタセグメントを形成することができる。
従って、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、高品質なカラーフィルタを得ることができる。
まず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物の各種構成成分について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、または「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、「アクリルおよび/またはメタクリル」、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」、または「アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド」を表すものとする。
<顔料(A)>
本発明の顔料(A)としては、例えば各色フィルタセグメントを形成する場合には、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を使用することができる。又、その化学構造としては、例えばアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。
使用できる顔料の具体例を示す。以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、または254であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、242、または254である。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、または15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55または58を挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36または58である。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、または185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、または180である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、または23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
オレンジ顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントオレンジ38、または71である。
上記の各種の顔料は、複数種を併用することもできる。例えば、色度の調整のために、顔料として、緑色顔料と黄色顔料とを併用したり、青色顔料と紫色顔料とを併用したりすることができる。
本発明の着色組成物における、顔料(A)の含有量は、全固形分100重量%中、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、又、通常95重量%以下、好ましくは85重量%以下である。顔料の割合が少な過ぎると、色濃度に対する膜厚が大きくなり過ぎて、液晶セル化の際のギャップ制御等に悪影響を及ぼすおそれがある。一方で、逆に顔料の割合が多過ぎると分散安定性が得られ難い場合がある。
[顔料の微細化]
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることができる。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化し、顔料の一次粒子径を20〜50nmの範囲とすることができる。平均一次粒子径が20nm未満の場合は顔料分散が難しくなる場合がある。また、平均一次粒子径が50nmを超えると、コントラスト比や明度が低下する場合がある。すなわち平均一次粒子径が大きくなることで、バックライトの光が散乱し偏光板がクロスの時に漏れ光が発生するためコントラスト比低下につながる。また、透過率が下がることから明度の低下にも影響する。
なお、顔料の平均一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<バインダー樹脂(B)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に含まれるバインダー樹脂(B)は、下記一般式(1)で表わされる構造(b1)を有する繰り返し単位を、全繰り返し単位を基準(100モル%)として、2〜60モル%含有することを特徴とする。

Figure 2013210452
[一般式(1)中、aは単結合または二重結合である炭素−炭素結合を表す。]
また、好ましくは、バインダー樹脂(B)が、さらに下記一般式(6)で表わされる構造(b2)を有する繰り返し単位を2〜80モル%と、カルボキシル基を有する構成単位(b3)を有する繰り返し単位を2〜70モル%とを含有するものである。

Figure 2013210452
[一般式(6)中、R9は互いに異なって良い一個以上の置換基であり、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。また、一般式(6)中の破線部に、ベンゼン環に隣あう、置換基を有しても良い一個以上の飽和または不飽和の複素環を含む環状構造を有してもよい。]
以下に、構成単位(b1)、構成単位(b2)、構成単位(b3)、及びその他の構成単位について、順に説明する。説明中のモル%は、各構成単位をバインダー樹脂(B)にもたらす全繰り返し単位(100モル%)中の値である。
[一般式(1)で表わされる構造(b1)を有する繰り返し単位]
一般式(1)で表わされる構造(b1)は、脂肪族環基による環状構造であり、顔料または樹脂型分散剤に対する親和性部位として、及び、アルカリ現像液に対する疎水性部位として機能する。バインダー樹脂(B)の全繰り返し単位を基準(100モル%)として、構造(b1)を有する繰り返し単位は、現像性とフィルタセグメントの品質や分散安定性の観点から、2〜60モル%である。2モル%未満では、顔料または樹脂型分散剤に対する親和性部位が不足し、高品質なカラーフィルタが得られないことや、カラーフィルタ用着色組成物の保存安定性が悪くなるといった問題が生じ、現像時の疎水性が不足するために画素部のパターン剥れや欠けの問題も生じる。60モル%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が遅くなり、現像時間が長くカラーフィルタの生産性が悪くなる。
一般式(1)で表わされる構造(b1)が有しているジシクロペンタン部位は、環が平面構造を取る事がなく、フィルタセグメント中の分子相互の集合状態に対して立体障害を与える事が期待できる。
Figure 2013210452
[一般式(1)中、aは単結合または二重結合である炭素−炭素結合を表す。]
構造(b1)を有する繰り返し単位の前駆体としては、下記一般式(7)に示すエチレン性不飽和単量体が挙げられる。
Figure 2013210452
[一般式(7)中、R13は、水素原子、またはメチル基であり、R14は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、n5は、0〜2の整数である。aは単結合または二重結合である炭素−炭素結合を表す。]
一般式(7)に示される、aが単結合であるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
日立化成社製ファンクリル FA−513A〔ジシクロペンタニルアクリレート、R13:水素原子、R14:なし、n5=0〕、またはFA−513M〔ジシクロペンタニルメタクリレート、R13:水素原子、R14:なし、n5=0〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(7)に示される、aが二重結合であるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
日立化成社製ファンクリル FA−511A〔ジシクロペンテニルアクリレート、R13:水素原子、R14:なし、n5=0〕、FA−512A〔ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、R13:水素原子、R14:エチレン基、n5=1〕、FA−512M〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R13:メチル基、R14:エチレン基、n5=1〕、またはFA−512MT〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R13:メチル基、R14:エチレン基、n5=1〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
[一般式(6)で表わされる構造(b2)を有する繰り返し単位]
一般式(6)で表わされる構造(b2)は、芳香族環基による環状構造であり、顔料または樹脂型分散剤に対する親和性部位として機能する。バインダー樹脂(B)の全繰り返し単位を基準(100モル%)として、構造(b2)を有する繰り返し単位は、現像性とフィルタセグメントの品質の観点から、20〜80モル%である。20モル%未満では、顔料または樹脂型分散剤に対する親和性部位が不足し、高品質なカラーフィルタが得られないことや、フィルタセグメントの耐性が悪くなるといった問題が生じる場合があり、80モル%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が遅くなり、現像時間が長くカラーフィルタの生産性が悪くなる場合がある。
Figure 2013210452
[一般式(6)中、R9は互いに異なって良い一個以上の置換基であり、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。また、一般式(6)中の破線部に、ベンゼン環に隣あう、置換基を有してもよい一個以上の飽和または不飽和の複素環を含む環状構造を有してもよい。]
構成単位(b2)を有する繰り返し単位の前駆体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、インデン、アセチルナフテン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等のモノマー・オリゴマー、または一般式(8)に示すエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
Figure 2013210452
[一般式(8)中、R10は、水素原子、またはメチル基であり、R11は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、R12は、互いに異なってもよい一個以上の置換基であり、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、n4は、1〜15の整数である。]
一般式(8)で示されるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
第一工業製薬社製ニューフロンティア CEA〔EO変性クレゾールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:メチル基、n4=1または2、〕、NP−2〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基、n4=2〕、N−177E〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基、n4=16〜17〕、若しくはPHE〔フェノキシエチルアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、
ダイセル社製、IRR169〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 1mol)、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、またはEbecryl110〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 2mol)、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=2〕、
東亞合成社製アロニックス M−101A〔フェノールEO変性(n4≒2)アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4≒2〕、M−102〔フェノールEO変性(n4≒4)アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4≒4〕、M−110〔パラクミルフェノールEO変性(n4≒1)アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:パラクミル、n4≒1〕、M−111〔n−ノニルフェノールEO変性(n4≒1)アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基、n4≒1〕、M−113〔n−ノニルフェノールEO変性(n4≒4)アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基、n4≒4〕、若しくはM−117〔n−ノニルフェノールPO変性(n4≒2.5)アクリレート、R10:水素原子、R11:プロピレン基、R12:n−ノニル基、n4≒2.5〕、
共栄社製ライトアクリレート PO−A〔フェノキシエチルアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、P−200A〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4≒2〕、NP−4EA〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基、n4≒4〕、若しくはNP−8EA〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基、n4≒8〕、またはライトエステル PO〔フェノキシエチルメタクリレート、R10:メチル基、R11:プロピレン基、R12:水素原子、n4=1〕、
日油社製ブレンマー ANE−300〔ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基、n4≒5〕、ANP−300〔ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:プロピレン基、R12:n−ノニル基、n4≒5〕、43ANEP−500〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基及びプロピレン基、R12:n−ノニル基、n4≒5+5〕、70ANEP−550〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基及びプロピレン基、R12:n−ノニル基、n4≒9+3〕、75ANEP−600〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基及びプロピレン基、R12:n−ノニル基、n4≒5+2〕、AAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、AAE−300〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4≒5.5〕、PAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R10:メチル基、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、PAE−100〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R10:メチル基、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=2〕、若しくは43PAPE−600B〔フェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート、R10:メチル基、R11:エチレン基及びプロピレン基、R12:水素原子、n4≒6+6〕、
新中村化学社製NK ESTER AMP−10G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO1mol)、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、AMP−20G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO2mol)、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4≒2〕、AMP−60G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO6mol)、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4≒6〕、PHE−1G〔フェノキシエチレングリコールメタクリレート(EO1mol)、R10:メチル基、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、
大阪有機化学社製ビスコート #192〔フェノキシエチルアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕、あるいは、
日本化薬製SR−339A〔2−フェノキシエチレングリコールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:水素原子、n4=1〕,若しくはSR−504(エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、R10:水素原子、R11:エチレン基、R12:n−ノニル基〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(8)で示されるエチレン性不飽和単量体において、R12のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10である。アルキル基は、直鎖状アルキル基だけでなく、分岐状アルキル基及び置換基としてベンゼン環を有するアルキル基も含まれる。R12のアルキル基の炭素数が1〜10のときはアルキル基が障害となり樹脂同士の接近を抑制し、顔料への吸着/配向を促進するが、炭素数が10を超えると、アルキル基の立体障害効果が高くなり、ベンゼン環の顔料への吸着/配向までをも妨げる傾向を示す。この傾向は、R12のアルキル基の炭素鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を超えると、ベンゼン環の吸着/配向が極端に低下する。R12で表されるベンゼン環を有するアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。側鎖ベンゼン環が一つ増えることによって、溶媒親和性及び顔料配向性がより改善され、分散性だけでなく、現像性も向上する。
一般式(8)で示されるエチレン性不飽和単量体において、n4は、1〜15の整数が好ましい。n4が15を越えると、親水性が増して溶媒和の効果が小さくなると共に、ビニル系樹脂の粘度が高くなり、これを用いた着色組成物の粘度も高くなり、流動性に影響を与える場合がある。溶媒和の観点から、n4は、1〜4が特に好ましい。
構造(b2)を有する繰り返し単位の前駆体としては、他の前駆体との共重合性の観点、及び顔料分散性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、または一般式(8)で示されるエチレン性不飽和単量体が好ましい。バインダー樹脂(B)の側鎖にベンゼン環を導入することよって、側鎖ベンゼン環が、顔料に配向するため、顔料への樹脂吸着を促し、更に顔料の凝集を抑える働きもする。更に、ベンジルアクリレート及び/またはベンジルメタクリレートは、現像性と分散安定性の観点から、最も好ましい。
[カルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位]
カルボキシル基(b3)は、現像時、アルカリ可溶性部位として機能する。バインダー樹脂(B)の全繰り返し単位(100モル%)中、カルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位は、現像性と分散安定性の観点から、2〜70モル%である。2モル%未満では、アルカリ性現像液による未露光部分の除去性が不十分となり、分散安定性が悪くなる場合がある。また、70モル%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が速くなり、露光部分まで溶解してしまう場合がある。
カルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位の前駆体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、若しくはα−クロルアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、またはマレイン酸、若しくはフマル酸等の不飽和ジカルボン酸等のカルボキシル基を含有しかつエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。また、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸の無水物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも使用できる。この中でも、重合性(分子量等のコントロールしやすさ)の観点から、(メタ)アクリル酸がより好ましく、特にメタクリル酸が最も好ましい。これらは、単独でも、2種類以上の併用でも使用できる。
原料の段階でカルボキシル基を含有する前駆体であっても、バインダー樹脂(B)を形成する工程でカルボキシル基がエステル結合などに変化した場合は、本明細書におけるカルボキシル基(b3)を有する構成単位には該当しない。
[その他の繰り返し単位]
その他の繰り返し単位は、構造(b1)を有する繰り返し単位、構造(b2)を有する繰り返し単位、カルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位である。
その他の繰り返し単位の前駆体としては、例えば、
メチル(メタ)メタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチルアクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプタ(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、またはオレイル(メタ)アクリレート等のアルキルまたはアルケニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等のモノマー・オリゴマーが挙げられるが、目的に応じて、これらに限定することなく他のエチレン性不飽和単量体を選ぶこともでき、2種類以上併用することもできる。
その他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、または3−メチルオキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環式置換基を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;あるいは、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
また、前記アクリル系繰り返し単位以外の前駆体としては、例えば、
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、またはイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;あるいは、
酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。アクリル構成単位以外の前記構成単位を、前記アクリル構成単位と併用することもできる。
[エチレン性不飽和二重結合の導入]
また、以下に示す方法(i)や方法(ii)によりエチレン性不飽和二重結合を導入するために、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体、または水酸基を有するエチレン性不飽和単量体も使用することができる。これらは、変性によっては、その他の構成単位以外の構成単位になる可能性もあるため、最終的な、構造(b1)を有する繰り返し単位、構造(b2)を有する繰り返し単位、カルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位を有する繰り返し単位のモル比に配慮する必要がある。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合を導入し感光性樹脂の機能を持たせ、かつ、アルカリ可溶性機能を持つカルボキシル基を導入する方法がある。
この工程に用いた不飽和一塩基酸のカルボキシル基は、エポキシ基への付加反応後にエステル結合を形成するので、本明細書におけるバインダー樹脂(B)のカルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位には該当せず、その他の構成単位に該当し、多塩基酸無水物は、水酸基との反応後にカルボキシル基を形成するので、本明細書におけるバインダー樹脂(B)のカルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位に該当する。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)
アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロ
ヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併
用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)
アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル
安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2
種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上のエチレン性不飽和単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
この場合、エポキシ基との付加反応に用いられないカルボキシル基に相当する構成単位のみが、本明細書におけるバインダー樹脂(B)のカルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位に該当する。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸や、他のエチレン性不飽和単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
バインダー樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は5,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは5,000〜80,000の範囲であり、さらに好ましくは、5,000〜30,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)が100,000を越えると樹脂間の相互作用が強くなり、カラーフィルタ用着色組成物の粘度が高くなるため、取り扱いが困難となりやすい。また、重量平均分子量(Mw)が5,000未満だと現像性やガラス等の基板への密着性に問題のおこることがある。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
バインダー樹脂(B)の含有量は、成膜性および諸耐性が良好なことから、顔料(A)100重量部に対し、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。さらに好ましくは50〜250重量部の量で用いることが好ましい。
<その他の樹脂>
本発明の着色組成物は、さらにバインダー樹脂(B)以外のその他の樹脂を含んでも良い。その他の樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂が好ましい。その他の樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
<樹脂型分散剤(C)>
本発明における樹脂型分散剤(C)は、親溶媒性基と芳香環基を有するAブロックと、窒素原子を含む官能基を有するBブロックとからなるA−Bブロック共重合体またはB−A−Bブロック共重合体であって、
Aブロックが、親溶媒性基として下記一般式(2)で表わされる繰り返し単位を、共重合体中4〜40モル%と、芳香環基として下記一般式(3)で表わされる繰り返し単位を、共重合体中4〜30モル%含有し、
Bブロックが、下記一般式(4)で表わされる繰り返し単位を含有し、
かつアミン価が、有効固形分換算で10mgKOH/g以上、99mgKOH/g以下の(メタ)アクリル系ブロック共重合体である。
Figure 2013210452
[一般式(2)中、n1は1〜10の整数を表し、R1は水素原子又はメチル基を表しR2は炭素数1〜10の分岐して良いアルキル基を表す。]

Figure 2013210452
[一般式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を表す。n2は0又は1の整数であって、φは複数の異なる置換基を有していてもよい、5〜6員の窒素原子を含んでいてもよい芳香環を表す。]

Figure 2013210452
[一般式(4)中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1以上のアルキレン基を表す。n3は0又は1の整数であって、R6〜R8は置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、X1はn3=1である場合のカウンターアニオンを表す。]
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものであるが、ランダム型の分散剤は顔料吸着基がランダムに配置されているため、橋かけによって増粘しやすい。一方ブロック共重合体は顔料吸着基が高密度に配列しているため、顔料への吸着が強く橋かけがない。このためブロック共重合体はより高い分散安定性を確保することができる。また、アミン価が10mgKOH/g以上99mgKOH/g以下であれば、現像液への溶解性が良好となり、現像工程において所定の時間内で現像が可能で、また、基板上の非画素部に着色樹脂組成物の未溶解物が残存することがない。より好ましくは50〜90mgKOH/gである。
また、Aブロック中に、一般式(2)で表わされる繰り返し単位を含むことで親溶媒性が付与され分散性が良化し、および親水性が付与され現像液への溶解性が良化する。一方、さらに一般式(3)で表わされる繰り返し単位を含むことでバインダー樹脂との相溶性が上がり、分散安定性が向上する。
[一般式(2)で表わされる繰り返し単位]
Figure 2013210452
[一般式(2)中、n1は1〜10の整数を表し、R1は水素原子又はメチル基を表しR2は炭素数1〜10の分岐して良いアルキル基を表す。]
一般式(2)で表される繰り返し単位は、共重合体の全繰り返し単位(100モル%)中に4〜40モル%含まれる。
[一般式(3)で表わされる繰り返し単位]
Figure 2013210452
[一般式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を表す。n2は0又は1の整数であって、φは複数の異なる置換基を有していてもよい、5〜6員の窒素原子を含んでいてもよい芳香環を表す。]
一般式(3)で表わされる繰り返し単位の前駆体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー、ベンジル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
一般式(3)で表される繰り返し単位は、共重合体の全繰り返し単位(100モル%)中に4〜30モル%含まれる。
[その他の繰り返し単位]
親溶媒性を有するAブロックのその他の繰り返し単位の前駆体であるエチレン性不飽和単量体としては、一般式(2)で表わされる繰り返し単位の前駆体と、一般式(3)で表わされる繰り返し単位と、その他のアミノ基等の窒素原子を含む官能基を有さず、Bブロックを構成するエチレン性不飽和単量体と共重合しうるものであれば特に制限は無い。
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチルアクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸塩系モノマー;酢酸ビニル系モノマー;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル系モノマーなどのコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
なかでも、Aブロックとしては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(すなわち、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含む)ものが好ましい。
窒素原子を含む官能基を有するBブロックとしては、官能基としては1〜4級アミノ基を有することが好ましい。1〜4級アミノ基の含有比率は、共重合体の全繰り返し単位(100モル%)中、窒素原子含有官能基全体の10モル%以上が好適であり、より好ましくは40モル%以上である。
アミノ基は、好ましくは−NR6R7、あるいは−NR6R7R8+・X1−(但し、NR6、R7及びR8は、各々独立に、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、X1はR8が存在して4級アミノ基を形成する場合のカウンターアニオンを表す。)で表わされ、これを含む繰り返し単位として好ましいものは、例えば下記式で表される。
Figure 2013210452
[一般式(4)中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1以上のアルキレン基を表す。n3は0又は1の整数であって、R6〜R8は置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、X1はn3=1である場合のカウンターアニオンを表す。]
中でも、R6〜R8はメチル基、エチル基、ベンジル基などが好ましく、X1−はCl−などが好ましく、R5はメチレン基、エチレン基などが好ましく、R4は水素原子又はメチル基などが好ましい。
上記の如きアミノ基を含む繰り返し単位は、1つのBブロック中に2種以上含有されていてもよい。その場合、2種以上のアミノ基を含む繰り返し単位は、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、アミノ基を含まない繰り返し単位が、Bブロック中に一部含まれていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー由来の繰り返し単位等が挙げられる。かかるアミノ基を含まない繰り返し単位の、共重合体の全繰り返し単位(100モル%)中の含有量は、好ましくは0〜60モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、かかるアミノ基非含有繰り返し単位はBブロック中に含まれないことが最も好ましい。
すなわち、本発明のアクリル系ブロック共重合体は、分散性と現像液溶解性を向上させる観点から、親溶媒性を有するAブロック中に、一般式(2)で表わされる繰り返し単位を共重合体の全繰り返し単位(100モル%)中5〜40モル%、及び一般式(3)で表わされる繰り返し単位を共重合体の全繰り返し単位(100モル%)中5〜30モル%含有し、窒素原子を含む官能基を有するBブロック中に、一般式(4)で表わされる繰り返し単位を含有することが好ましいものである。
一般式(4)で表わされる繰り返し単位がn3=1である場合、繰り返し単位はAブロック中に含まれても良い。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、1〜70重量部が好ましく、さらに好ましいのは10〜60重量部である。(メタ)アクリル系ブロック共重合体の配合量が1重量部以上の場合は、顔料分散性の効果が得られ易い。また、70重量部以下であれば、該着色組成物を用いて、フォトリソグラフィー法によってカラーフィルタの画素パターンを作製する際に、アルカリ現像性が良好となる。
<その他の樹脂型分散剤>
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、樹脂型分散剤(C)以外に、さらにその他の樹脂型分散剤を含んでいてもよく、併用可能な樹脂型分散剤としては、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等を用いることができる。
本発明に用いることのできる市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー社製のDIsperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、9076、9077、またはBYK−LPN6919、21324、21407、またはAntI−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactImon、LactImon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095、76500等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503、4300、4330等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
<顔料誘導体>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに有機顔料の酸性誘導体またはその金属塩である顔料誘導体を含有しても良い。有機顔料の酸性誘導体またはその金属塩は、顔料と樹脂型分散剤の顔料吸着をより促進し、顔料の分散性を向上させるため、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きい。そのため、有機顔料の酸性誘導体またはその金属塩を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、安定性に優れたカラーフィルタが得られる。さらに、親溶媒性を有するAブロックと、及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体またはB−A−Bブロック共重合体である樹脂型分散剤と同時に使用することで、より分散性が向上する。これは、顔料付近に配置している誘導体の酸性置換基と分散剤の塩基性置換基の酸塩基相互作用により、分散剤の顔料吸着を促すためと考えられる。
有機顔料の酸性誘導体またはその金属塩の構造としては、下記一般式(5)で示される化合物である。
P−Lx 一般式(5)
(ただし、
P:有機顔料残基、
L:酸性置換基、
x:水素原子または金属イオンである。)
Pの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;スレン系顔料;キノフタロン系顔料;ジオキサジン系顔料;金属錯体系顔料等が挙げられる。
本発明において、有機顔料の酸性誘導体またはその金属塩の合計量は、着色剤(A)100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。0.5重量部未満の場合、カラーフィルタ製造時の高熱を伴う工程により、コントラスト比の低下が起こる場合がある。また、好ましくは40重量部以下、最も好ましくは20重量部以下である。40重量部を超えると耐光性が悪化することがある。
有機顔料の酸性誘導体またはその金属塩は、単独でも、酸性誘導体および金属塩の両方含んでいてもよく、それぞれを2種類以上、もしくはその他の色素誘導体を混合して用いることもできる。
この有機顔料の酸性誘導体またはその金属塩と混合して用いることができる色素誘導体は、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものが挙げられる。
<溶剤>
溶剤は、顔料(A)を樹脂型分散剤(C)と共に十分にバインダー樹脂(B)中に分散させ、ガラス基板等の基板上に本発明の着色組成物を乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。
溶剤としては、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、P−クロロトルエン、P−ジエチルベンゼン、seC−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、及び二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
溶剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、800〜4000重量部の量で用いることが、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから好ましい。
<光重合開始剤(D)>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤(D)を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤(D)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
これらのなかでも、光重合開始剤(D)として、アセトフェノン系化合物、ホスフィン系化合物、イミダゾール系化合物、およびオキシムエステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の光重合開始剤(D1)を含むことが好ましい。
これらの光重合開始剤(D1)を含むことで、フィルタセグメントのパターン形状、および直線性がより良好なものとなる。
光重合開始剤(D)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤(E)>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤(D)100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<光重合性化合物(H)>
本発明に用いる光重合性化合物には、紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
光重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体(H)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、10〜300重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜200重量部であることがより好ましい。
<多官能チオール(F)>
本発明の着色組成物は、多官能チオール(F)を含有することができる。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物である。
多官能チオールは上述の光重合開始剤(D)とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる感光性着色組成物は高感度となる。特にSH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、顔料(A)100重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。
多官能チオールを0.05重量部以上用いることで、より良い現像耐性を得ることができる。チオール(SH)基が1個の単官能チオールを用いた場合には、このような現像耐性の向上は得られない。
<紫外線吸収剤(G)>
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチレート系、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(トリアセトン−アミン−N−オキシル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]等のヒンダードアミン系等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
紫外線吸収剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
紫外線吸収剤を0.01重量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
<重合禁止剤>
本発明の感光性着色組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。
重合禁止剤としては、例えばメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ベンゾキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン誘導体およびフェノール化合物、フェノチアジン、ビス−(1−ジメチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のアミン化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン等の銅およびマンガン塩化合物、4−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物およびそのアンモニウム塩またはアルミニウム塩等が挙げられる。
これらの重合禁止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
重合禁止剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
重合禁止剤を0.01重量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
<貯蔵安定剤(J)>
本発明の着色組成物は、貯蔵安定剤を含有することができる。貯蔵安定剤を含有することで、組成物の経時粘度を安定化させることができる。
貯蔵安定剤としては、例えば2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール、ペンタエリスチリル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)1,3,5−トリアジン等のヒンダードフェノール系、テトラエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン系、ジメチルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸モリブデン等の亜リン酸塩系、ドデシルスルフィド、ベンゾチオフェンなどのイオウ系、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル等が挙げられる。
これらの貯蔵安定剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
貯蔵安定剤の含有量は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
貯蔵安定剤を0.01重量部以上用いることで、着色組成物の経時安定性が向上する。
<その他の成分>
本発明の着色組成物には、透明基板等との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤、または溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
密着向上剤としては、例えばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。
これらの密着向上剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
密着向上剤は、顔料(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
これらのアミン系化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<着色組成物の製法>
本発明の着色組成物は、顔料(A)をバインダー樹脂(B)などの着色剤担体および/または溶剤中に、好ましくは樹脂型分散剤(C)と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して顔料分散体を製造し、該顔料分散体に光重合開始剤(D)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物(H)、場合によって増感剤(E)、多官能チオール(F)、紫外線吸収剤(G)、重合禁止剤、貯蔵安定剤(J)、溶剤、その他成分を混合攪拌して製造することができる。また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料分散体を別々に着色剤担体および/または溶剤中に微細に分散したものを混合し、さらに光重合開始剤(D)や光重合性化合物等を混合攪拌して製造することができる。
<粗大粒子の除去>
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基材上に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを備えるものであり、例えば、ブラックマトリックスと、赤色、緑色、青色のフィルタセグメントとを備えることができる。前記フィルタセグメントは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
透明基板等の基材としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
フィルタセグメントの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメントの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いフィルタセグメントが形成できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
本発明の着色組成物は上記記載のいずれの方法にも用いることが出来るが、フォトリソグラフィー法に最も適している。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜等が形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、樹脂または樹脂型分散剤の酸価と、樹脂型分散剤のアミン価、および塗膜のコントラスト比の測定方法は以下の通りである。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
<樹脂または樹脂型分散剤の酸価>
酸価は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。酸価は、固形分の酸価を示す。
<樹脂型分散剤のアミン価>
アミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。アミン価は、固形分のアミン価(mgKOH/g)を示す。
<塗膜のコントラスト比>
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏光板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。
続いて、実施例および比較例で用いた樹脂型分散剤、バインダー樹脂溶液、顔料誘導体、微細化顔料、顔料分散体の製造方法について説明する。樹脂型分散剤C1−2以降は特許文献6に示された合成方法を参考に製造したが、必要に応じて同文献の他の製造方法や、C1−1の方法で合成しても良い。
<樹脂型分散剤の製造方法>
(樹脂型分散剤溶液C1−1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン80部、スパルテイン2.8部、ブロモイソ酪酸エチル1.9部およびAブロック成分としてn−ブチルメタクリレート12.8部、2−エチルヘキシルメタクリレート13.7部、メチルメタクリレート25.6部、ベンジルメタクリレート17.1部、エチルトリグリコールメタクリレート13.7部を仕込み窒素気流下で40℃に昇温した。塩化第一銅 1.1部を投入し、75℃まで昇温して重合を開始した。3時間重合後、重合溶液をサンプリングし、H-NMRで重合が95%以上進行した事を確認後、Bブロック成分として、ジメチルアミノエチルメタクリレート23.9部、及びメチルエチルケトン20.0部を添加し、更に、重合を行った。2時間後重合溶液の固形分から重合収率が97%以上であるのを確認し、室温に冷却して重合を停止した。得られた樹脂溶液100部をメチルエチルケトン100部で希釈し、カチオン交換樹脂「ダイアイオン PK228LH(三菱化学社製)」60部を添加し室温で1時間攪拌し、更に、中和剤として「キョーワード500SN(協和化学工業社製)」を6部添加し30分攪拌を行った。濾過によりカチオン交換樹脂と吸着剤を取り除く事で重合触媒の残渣を取り除いた。更に、樹脂型分散剤溶液を濃縮しプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換して固形分率が50重量%の樹脂型分散剤溶液C1−1を得た(アミン価94mgKOH/g)。重量平均分子量(Mw)は7750であった。
(樹脂型分散剤溶液C1−2)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、2−メトキシプロパノール30部、BlocBuilder(硬化速度制御剤、Arkema社製)3部、およびAブロック成分としてn−ブチルメタクリレート13.1部、2−エチルヘキシルメタクリレート12.1部、メチルメタクリレート21.5部、ベンジルメタクリレート9.7部、エチルトリグリコールメタクリレート10.6部を仕込み窒素気流下で120℃に昇温した。H−NMRで重合が95%以上進行した事を確認後、Bブロック成分として、ジメチルアミノエチルメタクリレート22.4部、2−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリド75%水溶液を固形分換算で22.4部及び2−メトキシプロパノール20.0部を添加し、更に、重合を行った。2時間後重合溶液の固形分から重合収率が97%以上であるのを確認し、室温に冷却して重合を停止した。溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換して固形分率が50重量%の樹脂型分散剤溶液C1−2を得た(アミン価56mgKOH/g)。重量平均分子量(Mw)は8960であった。
(樹脂型分散剤溶液C1−3〜C1−9、C2−1〜C2−4)
樹脂型分散剤溶液C1−2と同様の方法で表1のモル比になる様に原料種と仕込み比を変えて樹脂型分散剤(樹脂型分散剤溶液C1−3〜C1−9、C2−1〜C2−4)を合成した。
(樹脂型分散剤溶液C2−5)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、2−メトキシプロパノール50部、BlocBuilder(硬化速度制御剤、Arkema社製)3部、およびn−ブチルメタクリレート11.5部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.7部、メチルメタクリレート24.9部、ベンジルメタクリレート11.8部、エチルトリグリコールメタクリレート8.3部、ジメチルアミノエチルメタクリレート19.0部、2−(メタクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウムクロリド75%水溶液を固形分換算で13.8部を仕込み窒素気流下で120℃に昇温した。H-NMRで重合が97%以上進行した事を確認し、室温に冷却して重合を停止した。溶剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換して固形分率が50重量%のランダム共重合体である樹脂型分散剤溶液C2−5を得た(アミン価76mgKOH/g)。重量平均分子量(Mw)は8530であった。
各樹脂型分散剤の組成(各構成単位を樹脂型分散剤にもたらす全繰り返し単位(100モル%)中のモル%)と有効固形分換算のアミン価(mgKOH/g)、重量平均分子量を表1にまとめた。
Figure 2013210452
<微細化顔料の製造方法>
(赤色顔料1の調製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色顔料1を得た。
(赤色顔料2の調製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254を赤色顔料C.I.ピグメント レッド177(チバスペシャルティケミカルズ社製「クロモフタルレッド A2B」)に代えたこと以外は、赤色顔料1の調製と同様の手順で赤色顔料2を得た。
(緑色顔料1の調製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254をハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)に代えたこと以外は、赤色顔料1の調製と同様の手順で緑色顔料1を得た。
(青色顔料1の調製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254をフタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」)に代えたこと以外は、赤色顔料1の調製と同様の手順で緑色顔料1を得た。
(黄色顔料1の調製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254を黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 138(BASF社「Paliotol Yellow L 0962 HD」)に代えたこと以外は、赤色顔料1の調製と同様の手順で黄色顔料1を得た。
(紫色顔料1の調製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254を黄色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)に代えたこと以外は、赤色顔料1の調製と同様の手順で紫色顔料1を得た。
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
[樹脂溶液(B1−1)]
(段階1:樹脂主鎖の重合)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン16.2部、グリシジルメタクリレート35.5部、ジシクロペンタニルメタクリレート41.0部、およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒としてアゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
(段階2:エポキシ基への化合)
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸17.0部およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒としてトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応を行い、重量平均分子量が約12000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。投入したアクリル酸はグリシジルメタクリレート構成単位のエポキシ基末端にエステル結合するので樹脂構造中にカルボキシル基を生じさせない。
(段階3:水酸基への化合)
さらにテトラヒドロ無水フタル酸30.4部およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒として、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させた。加えたテトラヒドロ無水フタル酸は無水カルボン酸部位が開裂して生じた2個のカルボキシル基の一方が樹脂構造中の水酸基にエステル結合し、他方がカルボキシル基末端を生じさせる。
(段階4:不揮発分の調整)
不揮発分が40%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(B1−1)を得た。
樹脂溶液(B1−1)における構成単位のモル比は、構成単位(b1)としてテトラヒドロ無水フタル酸;25.4%、構成単位(b2)としてスチレン;19.8%、構成単位(b3)としてジシクロペンタニルメタクリレート;23.7%、その他の構成単位としてグリシジルメタクリレートおよびそのグリシジル末端にエステル結合したアクリル酸の合計;31.1%である。
[樹脂溶液(B1−2)]
樹脂溶液(B1−1)のジシクロペンタニルメタクリレートをジシクロペンテニルメタクリレートにし、各原料の配合比を表2の様に変えた以外は樹脂溶液(B1−1)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(B1−2)を得た。
[樹脂溶液(B1−3)]
樹脂溶液(B1−1)のジシクロペンタニルメタクリレートをジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートにし、各原料の配合比を表2の様に変えた以外は樹脂溶液(B1−1)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(B1−3)を調製した。
[樹脂溶液(B1−4)]
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにPGMEA370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(エポキシ基の当量)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の当量)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにPGMACを添加してアクリル樹脂溶液(B1−4)を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
[樹脂溶液(B1−5〜15)および(B2−1〜3)]
樹脂溶液(B1−1)と同様の方法で樹脂溶液(B1−5)〜(B1−15)および(B2−1)〜(B2−3)]の調整を行った。
すなわち樹脂溶液(B1−1)の製造法中、構成単位(b1)〜(b3)およびその他の構成単位に該当する前駆体、および配合量(モル%)を表2に則して置き換えた。表中にGMA−AAまたはGMA−MAAが存在しない樹脂溶液の場合は全ての前駆体を混合して製造の段階1と段階4のみを実施する。表中にGMA−AAまたはGMA−MAAが存在し、さらにTHPAが存在する場合は、まずGMAと構成単位(b2)、(b3)およびその他の構成単位中のGMA−AAまたはGMA−MAAを除く前駆体を混合して製造の段階1を実施し、次にGMAのエポキシ等量のAA又はMAAを前駆体として加えて製造の段階2を実施し、さらにTHPAを前駆体として加えて製造の段階3、段階4を実施する。表中にGMA−AAまたはGMA−MAAが存在し、THPAが存在しない場合は、まずGMAと構成単位(b1)〜(b3)およびその他の構成単位中のGMA−AAまたはGMA−MAAを除く前駆体を混合して製造の段階1を実施し、次にGMAのエポキシ等量のAA又はMAAを前駆体として加えて製造の段階2を実施し、さらに段階4を実施する。各段階に要する触媒の部数は、各段階で混合した前駆体の合計の部数に比例させて混合する。
得られた樹脂溶液(B1−1〜15)および樹脂溶液(B2−1〜2)の組成および重量比を表2に示す。カッコ内は各構成単位をバインダー樹脂(B)にもたらす全繰り返し単位(100モル%)中のモル%である。
Figure 2013210452
表2における構成単位の前駆体および構成単位の略称の説明
MAA:メタクリル酸
THPA:テトラヒドロフタル酸無水物(4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物
BzMA:ベンジルメタクリレート
St:スチレン
M110:パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
GMA−AA:構成単位GMAにアクリル酸が付加反応し結合したもの
GMA−MAA:構成単位GMAにメタクリル酸が付加反応し結合したもの
BMA:n−ブチルメタクリレート
[樹脂溶液(B2−3)の調製]
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、アクリル樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成したアクリル樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂溶液(B2−3)を調製した。重量平均分子量(Mw)は40000であった。
[実施例1]
(着色組成物(DG1−1))
緑色着色組成物の作製と評価
作製段階1、作製段階2を経て着色組成物(DG1−1)を作製し、成膜後に明度、コントラスト比、分散安定性を評価し表3に示した。
(作成段階1)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体を作製した。
緑色顔料1 :12.0部
黄色顔料1 : 4.0部
バインダー樹脂溶液(B2−3) : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :70.0部
樹脂型分散剤溶液(C1−1) : 6.0部
(作成段階2)
下記の混合物を追加し、下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体を作製した。
作製段階1の顔料分散体 :60.0部
バインダー樹脂溶液(B1−1) :18.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :22.0部
(明度(Y値)、コントラスト比(CR値)評価)
得られた緑色着色組成物を100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、C光源においてx=0.300、y=0.600(プラスマイナス0.001以内)になるような膜厚に塗布し、70℃で20分熱風オーブンで乾燥したのち、さらに、230℃で60分加熱することで塗膜を得た。その後、得られた塗布基板の明度(Y値)および、コントラスト比(CR値)を測定した。
なお、色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(分散安定性評価)
着色組成物の作製当日の粘度を初期粘度(η0:mPa・s)と、40℃の恒温室にて7日間保存した後の粘度(η7:mPa・s)をそれぞれ測定し、分散安定性を下記の基準で評価した。
◎:η7/η0が1.10未満であり、粘度の上昇がほとんど起こらず分散安定性良好
○:η7/η0が1.10以上1.20未満であり、ごくわずかに粘度の上昇がみられるが分散安定性良好
△:η7/η0が1.20以上1.50未満であり、わずかに粘度の上昇が見られ分散
安定性が若干劣る
×:η7/η0が1.50以上であり、粘度の上昇がみられ分散安定性が劣る
[実施例2〜135]
(着色組成物(DG1−2〜135))
実施例1(着色組成物(DG1−1))中、作製段階1の樹脂型分散剤溶液(C1−1)を同部数の(C1−1)〜(C1−9)の範囲で、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−1)を同部数の(B1−1)〜(B1−15)の範囲で入れ替え、着色組成物(DG1−2)〜(DG1−135)を作製した以外は実施例1(着色組成物(DG1−1))と同様にして、着色組成物(DG1−2〜135)を得た。各実施例の樹脂型分散剤溶液、主成分樹脂溶液、および評価結果の関係を表3〜5に示した。
[比較例1〜89]
(着色組成物(DG2−1〜89))
実施例1(着色組成物(DG1−1))中、作製段階1の樹脂型分散剤溶液(C1−1)を同部数の(C1−1)〜(C1−9)、または(C2−1)〜(C2−5)の範囲で、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−1)を同部数の(B1−1)〜(B1−15)、または(B2−1)〜(B2−2)の範囲で入れ替え、着色組成物(DG2−1)〜(DG2−89)を作製した以外は実施例1(着色組成物(DG1−1))と同様の試験を行った。各比較例の樹脂型分散剤溶液、主成分樹脂溶液、および評価結果の関係を表3〜5に示した。
Figure 2013210452
Figure 2013210452
Figure 2013210452
[実施例201]
(着色組成物(DB1−201))
青色着色組成物の作製と評価
実施例1(着色組成物(DG1−1))の緑色顔料1(12.0部)を青色顔料1(13.0部)に、黄色顔料1(4.0部)を紫色顔料1(3.0部)に、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−1)を樹脂溶液(B1−6)に代えたこと以外は、着色組成物(DG1−1)と同様の手順で青色着色組成物(DB1−201)を得た。
明度(Y値)、コントラスト比(CR値)評価時の膜厚をC光源においてx=0.150、y=0.060(プラスマイナス0.001以内)にしたこと以外は、緑色着色組成物と同様の手順で青色着色組成物(DB1−201)を評価した。
[実施例202〜218]
(着色組成物(DB1−202〜218))
実施例201(着色組成物(DB1−201))中、作製段階1の樹脂型分散剤溶液(C1−1)を同部数の(C1−1)〜(C1−9)の範囲で、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−6)を同部数の(B1−6)〜(B1−7)の範囲で入れ替え、着色組成物(DB1−202)〜(DB1−218)を作製した以外は実施例201(着色組成物(DB1−201))と同様にして、着色組成物(DB1−202〜218)を得た。各実施例の樹脂型分散剤溶液、主成分樹脂溶液、および評価結果の関係を表6に示した。
[比較例201〜217]
(着色組成物(DB2−201〜217))
実施例201(着色組成物(DB1−201))中、作製段階1の樹脂型分散剤溶液(C1−1)を同部数の(C1−1)〜(C1−9)、または(C2−1)〜(C2−5)の範囲で、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−6)を同部数の(B1−6)〜(B1−7)、または(B2−1)の範囲で入れ替え、着色組成物(DB2−201)〜(DB2−217)を作製した以外は実施例201(着色組成物(DB1−201))と同様にして、着色組成物(DB2−201〜217)を得た。各比較例の樹脂型分散剤溶液、主成分樹脂溶液、および評価結果の関係を表6に示した。
Figure 2013210452
[実施例301]
(着色組成物(DR1−301))
赤色着色組成物の作製と評価
実施例1(着色組成物(DG1−1))の緑色顔料1(12.0部)を赤色顔料1(13.5部)に、黄色顔料1(4.0部)を赤色顔料2(2.5部)に、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−1)を樹脂溶液(B1−6)代えたこと以外は、着色組成物(DG1−1)と同様の手順で赤色着色組成物(DR1−301)を得た。
明度(Y値)、コントラスト比(CR値)評価時の膜厚をC光源においてx=0.640、y=0.330(プラスマイナス0.001以内)にしたこと以外は、緑色着色組成物と同様の手順で赤色着色組成物(DR1−301)を評価した。
[実施例302〜318]
(着色組成物(DR1−302〜318))
実施例301(着色組成物(DR1−301))中、作製段階1の樹脂型分散剤溶液(C1−1)を同部数の(C1−1)〜(C1−9)の範囲で、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−6)を同部数の(B1−6)〜(B1−7)の範囲で入れ替え、着色組成物(DR1−302)〜(DR1−318)を作製した以外は実施例301(着色組成物(DR1−301))と同様にして、着色組成物(DR1−302〜318)を得た。各実施例の樹脂型分散剤溶液、主成分樹脂溶液、および評価結果の関係を表7に示した。
[比較例301〜325]
(着色組成物(DR2−301〜317))
実施例301(着色組成物(DR1−301))中、作製段階1の樹脂型分散剤溶液(C1−1)を同部数の(C1−1)〜(C1−9)、または(C2−1)〜(C2−5)の範囲で、作製段階2の主成分樹脂溶液(B1−6)を同部数の(B1−6)〜(B1−7)、または(B2−1)の範囲で入れ替え、着色組成物(DR2−301)〜(DR2−317)を作製した以外は実施例301(着色組成物(DR1−301))と同様にして、着色組成物(DR2−301〜317)を得た。各比較例の樹脂型分散剤溶液、主成分樹脂溶液、および評価結果の関係を表7に示した。
Figure 2013210452
特定の構造を有する親溶媒性を有するAブロックと、窒素原子を含む官能基を有するBブロックとからなるA−Bブロック共重合体またはB−A−Bブロック共重合体であり、かつアミン価が、有効固形分換算で10mgKOH/g以上99mgKOH/g以下である(メタ)アクリル系ブロック共重合体である樹脂型分散剤(C)と含む本発明のカラーフィルター用着色組成物は、一般式(1)表わされる構成単位(b1)を有する繰り返し単位2〜60モル%を樹脂中に含有するバインダー樹脂との組み合わせで、高い明度(Y値)とコントラスト比(CR値)と分散安定性を有するという良好な結果を得た。
特に樹脂型分散剤(C)の芳香環成分(一般式(2))とバインダー樹脂(B)中の構成単位(b1)との相互作用性が認められ、各々の樹脂構成中に適当量存在するとY値とCR値を向上させている。さらにバインダー樹脂(B)中の芳香族成分、構成単位(b2)もブロック共重合体中の芳香族成分とのπ−π相互作用による親和性を有すると容易に想像され、CR値の向上に寄与している事が認められる。樹脂型分散剤(C)がブロック共重合体である事は必要な条件でありランダム共重合体になると分散安定性の低下などに伴い着色組成物の性能が低下する。また樹脂型分散剤(C)中の親溶媒性基(一般式(2))、バインダー樹脂(B)中の構成単位(b3)、窒素原子を含む官能基((一般式(4))は分散安定性のバランスに寄与しており、これらを欠いたり、多すぎると安定性は低下する事が認められる。
[実施例401〜442、比較例401〜420]
(感光性着色組成物(RG−1〜32、RB−1〜15、RR−1〜15))
表8〜10に示す組成、配合量で各材料を混合・攪拌し、1μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(RG−1〜32、RB−1〜15、RR−1〜15)を得た。
Figure 2013210452
Figure 2013210452
Figure 2013210452
表8〜10中の略語について以下に示す。
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤D1:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
プロパン−1−オン
(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)
光重合開始剤D2:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1
−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(チバ・ジャパン社製「イルガキュア379」)
光重合開始剤D3:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサ
イド
(BASF社製「ルシリンTPO」)
光重合開始剤D4:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テト
ラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
(黒金化成社製「ビイミダゾール」)
光重合開始剤D5:p−ジメチルアミノアセトフェノン
(ダイキファイン社製「DMA」)
光重合開始剤D6:エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイ
ル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアOXE02」)
<増感剤(E)>
増感剤E1:2,4−ジエチルチオキサントン
(日本化薬社製「カヤキュアDETX−S」)
<光重合性化合物(H)>
光重合性化合物H1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(東亞合成社製「アロニックス M−402」)
<多官能チオール(F)>
多官能チオールF1:トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)
(昭和電工社製「TEMB」)
<紫外線吸収剤(G)>
紫外線吸収剤G1:2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)
オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス
(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
(チバ・ジャパン社製「TINUVIN400」)
紫外線吸収剤G2:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−
メチル−1−フェニルエチル)フェノール
(チバ・ジャパン社製「TINUVIN900」)
<貯蔵安定剤(J)>
貯蔵安定剤J1:2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール
(本州化学工業社製「BHT」)
貯蔵安定剤J2:トリフェニルホスフィン
(北興化学工業社製「TPP」)
<溶剤>
PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[感光性着色組成物の評価]
得られた感光性着色組成物(RG−1〜32、RB−1〜15、RR−1〜15)について、明度(Y値)、コントラスト比(CR値)、感度、直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、薬品耐性、経時安定性を下記の方法で評価した。結果を表11に示す。それぞれの評価結果においての判定は、◎は非常に良好なレベル、○は良好レベル、△は使用には差し支えないレベル、×は使用には好ましくないレベルとした。
(明度(Y値)、コントラスト比(CR値)評価)
得られた感光性着色組成物を100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、C光源において後処理後に、緑色感光性着色組成物においてはx=0.300およびy=0.600、青色感光性着色組成物においてはx=0.150およびy=0.060、赤色感光性着色組成物においてはx=0.640およびy=0.330になるような膜厚に塗布し、70℃で20分熱風オーブンで乾燥したのち、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光を行った後に230℃で1時間加熱して放冷し、赤色塗膜を得た。その後、得られた塗布基板の明度(Y)および、コントラスト比(CR)を測定した。
なお、色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(感度、直線性、パターン形状、解像度、現像耐性、薬品耐性評価)
得られた感光性着色組成物を100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で20分間加温して溶剤を除去し、約2μmの塗膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)および25μm幅(ピッチ50μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で330分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での塗膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。
塗膜の膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて行った。
(感度評価)
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ン膜厚を測定し、塗工後膜厚に対して90%以上となる最小露光量を評価した。最小露光量が小さい程、高感度で良好な感光性着色組成物となる。
評価のランクは次の通りである。
○:50mJ/cm2未満
△:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満
×:100mJ/cm2以上
(直線性評価)
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ンについて、光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
○:直線性良好
△:部分的に直線性不良
×:直線性不良
(パターン形状評価)
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ンの断面について、電子顕微鏡を用いて観察して評価を行った。パターン断面は順テーパーが良好である。評価のランクは次の通りである。
○:断面が順テーパー形状
×:断面が逆テーパー形状
(解像性評価)
上記方法で形成されたフィルタセグメントの25μmフォトマスク部分でのパターンについて、光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。解像性不良とは、隣接するストライプパターンが繋がったり、欠けが発生したりすることである。評価のランクは次の通りである。
◎:解像性および直線性良好
○:直線性の点でやや劣るが解像性良好
△:部分的に解像性不良
×:解像性不良
(現像耐性評価)
スプレー現像時に、適正時間の2倍で現像して形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ン膜厚を測定し、適正現像時間で現像して形成されたパターン膜厚と比較した。評価のランクは次の通りである。
◎:膜厚差20%以内
○:膜厚差20%より大きく、40%以内
△:膜厚差が40%より大きい
×:2倍現像で欠けやハガレが発生
(薬品耐性評価)
上記方法で形成されたフィルタセグメントをN−メチルピロリドン溶液に30分浸漬後、イオン交換水で洗浄、風乾し、100μmフォトマスク部分でのパターンについて光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
◎:外観、色に変化なく良好
○:一部にシワ等が発生するが、色には変化なく良好
△:若干の色落ちが発生
×:ハガレや色落ちが発生
(着色組成物の経時安定性評価)
得られた感光性着色組成物について、初期および室温1ヵ月後の粘度を測定し、初期粘度に対する粘度増加度合いを算出して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
(経時粘度変化率)=|[(初期粘度)−(経時粘度)]/(初期粘度)|×100(%)
◎:粘度増加の割合が5%以下で良好
○:粘度増加の割合が5%より大きく10%以下
×:粘度増加の割合が10%より大きい
Figure 2013210452
本発明における、特定の樹脂型分散剤(C)と、構成単位(b1)を有するバインダー樹脂(B)と共に用いた感光性着色組成物は、全ての評価で高水準の評価結果を得た。
また、光重合開始剤(D)がアセトフェノン系化合物、ホスフィン系化合物、イミダゾール系化合物、オキシムエステル系化合物のいずれかとの組み合わせであれば感度、直線性、解像度がより良好である。
さらに多官能チオールを含む感光性着色組成物では、現像耐性により優れていた。
また、さらに紫外線吸収剤を含む感光性着色組成物では、解像性により優れていた。
また、さらに貯蔵安定剤を含む感光性着色組成物では、経時安定性により優れていた。
(カラーフィルタの製造)
100mm×100mmのガラス基板上にダイコータで感光性着色組成物(RR−1)を約2μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に20分間溶剤を除去乾燥させた。次いで、露光装置を用いて紫外線によりストライプパターン露光を行った。露光量は100mJ/cm2とした。更に、炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で30分加熱して線幅約50μmの赤色フィルタセグメントを形成した。次いで、同様の所作により、赤色フィルタセグメントの隣に緑色感光性着色組成物(RG−1)を用いて緑色フィルタセグメントを、次いで青色感光性着色組成物(RB−1)を用いて青色フィルタセグメントを形成し、同一ガラス基板上に3色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタを得た。
本発明におけるカラーフィルタ用着色組成物を用いると、広い色度範囲において色特性に優れ、耐熱性の良好な赤色フィルタセグメントを有する高精細のカラーフィルタを作製することができた。

Claims (4)

  1. 顔料(A)と、バインダー樹脂(B)と、樹脂型分散剤(C)とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、
    バインダー樹脂(B)が、下記一般式(1)で表わされる構造(b1)を有する繰り返し単位を2〜60モル%含有し、
    樹脂型分散剤(C)が、親溶媒性基と芳香環基を有するAブロックと、窒素原子を含む官能基を有するBブロックとからなるA−Bブロック共重合体またはB−A−Bブロック共重合体であって、
    Aブロックが、親溶媒性基として下記一般式(2)で表わされる繰り返し単位を、共重合体中4〜40モル%と、芳香環基として下記一般式(3)で表わされる繰り返し単位を、共重合体中4〜30モル%含有し、
    Bブロックが、下記一般式(4)で表わされる繰り返し単位を含有し、
    かつアミン価が、有効固形分換算で10mgKOH/g以上、99mgKOH/g以下の(メタ)アクリル系ブロック共重合体であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。

    Figure 2013210452
    [一般式(1)中、aは単結合または二重結合である炭素−炭素結合を表す。]

    Figure 2013210452
    [一般式(2)中、n1は1〜10の整数を表し、R1は水素原子又はメチル基を表しR2は炭素数1〜10の分岐して良いアルキル基を表す。]

    Figure 2013210452
    [一般式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を表す。n2は0又は1の整数であって、φは複数の異なる置換基を有していてもよい、5〜6員の窒素原子を含んでいてもよい芳香環を表す。]

    Figure 2013210452
    [一般式(4)中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1以上のアルキレン基を表す。n3は0又は1の整数であって、R6〜R8は置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、X1はn3=1である場合のカウンターアニオンを表す。]
  2. バインダー樹脂(B)が、さらに下記一般式(6)で表わされる構造(b2)を有する繰り返し単位を2〜80モル%と、カルボキシル基(b3)を有する繰り返し単位を2〜70モル%とを含有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。

    構造(b2):
    Figure 2013210452
    [一般式(6)中、R9は互いに異なって良い一個以上の置換基であり、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。また、一般式(6)中の破線部に、ベンゼン環に隣あう、置換基を有してもよい一個以上の飽和または不飽和の複素環を含む環状構造を有してもよい。]
  3. さらにアセトフェノン系化合物、ホスフィン系化合物、イミダゾール系化合物、およびオキシムエステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類の光重合開始剤(D1)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 基材上に、請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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