JP2013209236A - セメント組成物、及び、コンクリート組成物 - Google Patents

セメント組成物、及び、コンクリート組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】セメント組成物等と水とが混練されて硬化することで形成された硬化体の物性を維持しつつ、混練物の流動性を維持することができるセメント組成物、及び、該セメント組成物を用いたコンクリート組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも半水石膏と無水石膏とを含む石膏成分をSO3換算で1.3重量%以上2.2重量%以下含有し、無水石膏をSO3換算で0.35重量%以上1.25重量%以下含有し、C3Aに対する半水石膏のモル比がSO3換算で1.0以上4.3以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、水と混練された後においても、適度な流動性を保持するセメント組成物、及び、該セメント組成物を用いたコンクリート組成物に関する。
セメント組成物、及び、該セメント組成物を用いたコンクリート組成物(以下、セメント組成物等と記す)は、水分と混練された際に適度な流動性を有することが必要とされる。このような流動性の調整は、セメント組成物が水和反応によって凝結するまでの時間を調整することで行われる。凝結(水和反応)が始まるまでの時間は、一般的に、セメント組成物等と水分とを混練する際の水分量や、混和剤として用いられる減水剤の含有量等を調整することが可能である。
また、上記のように、凝結が始まるまでの時間を調節した場合であっても、セメント組成物等と水とを混練した後、比較的早期に、混練物の流動性が低下する場合がある。斯かる流動性の低下は、セメント組成物の凝結によるものではなく、セメント組成物に含有されている半水石膏と水分とが反応し、急激に二水石膏を析出することで生じるものである。斯かる流動性の低下は、セメント組成物に凝結が生じる前に生じるものであり、一般的に偽凝結と言われている。このような偽凝結を抑制する方法としては、セメント組成物を製造する際に生成される半水石膏の量(半水化率)を調整する方法が提案されている(特許文献1参照)。該半水化率は、セメント組成物中の石膏成分の合計量に対する半水石膏の割合である。
特開2008−214147号公報
ここで、半水石膏は、セメント組成物を製造する際に生成されるものである。具体的には、半水石膏は、セメントクリンカーと石膏成分とが粉砕される際に生じる熱(粉砕熱)によって、石膏成分中の二水石膏が水分子を失うことで生成される。このため、粉砕熱の発生を抑制し、半水石膏の生成を抑制することで、半水化率を低減し、偽凝結を抑制することが考えられる。しかしながら、半水石膏の生成を効果的に抑制できる程度に粉砕熱を制御することは、一般的に困難である。
また、セメント組成物を製造する際に、セメントクリンカーと共に粉砕する石膏成分の総量を低減することで、生成する半水石膏の量を低減することも考えられる。しかしながら、石膏成分の総量を低減すると、混練物が硬化して形成された硬化体の強度が低下したり、硬化体の乾燥収縮が大きくなったりする等、硬化体の物性を低下させる要因になる。また、半水石膏の含有量を低減すると、C3Aの水和反応を遅延させることが困難となり、混練物の凝結が早期に生じ、混練物の流動性が低下し易くなる。
また、セメント組成物に含有されるC3Aは、セメント組成物が水と混練された際に、半水石膏と反応して、半水石膏を消費する。このため、C3Aの存在によってセメント組成物における半水化率が低減される。しかしながら、C3Aは、水和熱が高いため、C3Aの含有量を増加させて半水石膏の消費を向上させようとした場合、水和熱が高くなり、混練物が硬化して形成された硬化体にひび割れを生じさせる要因となる。その反面、水和熱を低減するべくC3Aの含有量を比較的低く設定すると、C3Aに対する半水石膏の割合が増加し、偽凝結が生じ易くなる。
そこで、本発明は、セメント組成物等と水とが混練されて硬化することで形成された硬化体の物性を維持しつつ、混練物の流動性を維持することができるセメント組成物、及び、該セメント組成物を用いたコンクリート組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、石膏成分の一部を無水石膏に置換することで、硬化体の物性を維持しつつ、混練物の流動性の低下を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に係るセメント組成物は、少なくとも半水石膏と無水石膏とを含む石膏成分をSO3換算で1.3重量%以上2.2重量%以下含有し、無水石膏をSO3換算で0.35重量%以上1.25重量%以下含有し、C3Aに対する半水石膏のモル比がSO3換算で1.0以上4.3以下であることを特徴とする。
斯かる構成によれば、石膏成分の総量の一部が無水石膏で置換されることで、セメント組成物中の石膏成分の総量を維持しつつ、半水石膏の割合が低減される。また、C3Aに対する半水石膏のモル比が上記の範囲であることで、セメント組成物と水分とが混練した際に、半水石膏によってC3Aの水和反応が効果的に遅延されると共に、C3Aによって半水石膏が効果的に消費される。
これらによって、セメント組成物と水分とが混練されてなる混練物が早期に凝結したり、混練物に偽凝結が生じたりするのを抑制することができ、混練物の流動性を効果的に維持することができる。
3Aが1.3重量%以上5重量%以下含有されていることが好ましい。また、材齢28日の水和熱が290J/g以下であることが好ましい。
本願発明に係るコンクリート組成物は、上記何れかに記載のセメント組成物と骨材とを含有することを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、セメント組成物等と水とが混練されて硬化することで形成された硬化体の物性を維持しつつ、混練物の流動性を維持することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明に係るセメント組成物は、水分と共に混練されてペースト状で施工されたり、骨材等と混合されてコンクリート組成物を構成したりするものである。斯かるセメント組成物は、石膏成分として、少なくとも半水石膏と無水石膏とを含有するものである。セメント組成物中の石膏成分の含有量としては、従来のように、無水石膏を含有しないセメント組成物を形成する際に必要な石膏成分の含有量と同等であることが好ましい。具体的には、セメント組成物に対する石膏成分の含有量としては、SO3換算で1.3重量%以上であり、1.1重量%以上であることが好ましい。また、SO3換算で2.2重量%以下であり、2.0重量%以下であることが好ましい。
前記半水石膏は、セメント組成物を形成する際に生成される。具体的には、セメント組成物を形成する際には、セメントクリンカーと共に、石膏成分としての二水石膏の塊が所定の粒度となるように粉砕される。この際、粉砕熱によって二水石膏から水分子が失われることにより、半水石膏が生成され、セメント組成物中に含有される。
なお、セメント組成物に含有される半水石膏としては、上述のように、二水石膏から生成されたもの以外に、塊状の半水石膏がセメントクリンカーと共に粉砕機へ投入されて粉砕されたものであってもよい。また、セメント組成物に半水石膏を含有させる方法としては、粉砕されたセメントクリンカーと粉砕された半水石膏とを混合する方法や、セメントクリンカー及び塊状の二水石膏を粉砕したものと、セメントクリンカー及び塊状の半水石膏を粉砕したものとを混合する方法が挙げられる。
セメント組成物中の半水石膏の含有量としては、SO3換算で0.6重量%以上であることが好ましく、0.8重量%以上であることがより好ましい。また、SO3換算で1.5重量%以下であることが好ましく、1.2重量%以下であることがより好ましい。また、石膏成分中の半水石膏の含有量としては、SO3換算で26重量%以上であることが好ましく、35重量%以上であることがより好ましい。
前記無水石膏は、セメント組成物を製造する際に、セメントクリンカーと共に塊状の無水石膏が所定の粒度となるように粉砕されることによって、セメント組成物中に含有される。無水石膏としては、I型(高温型)、II型(不溶性)、III型(可溶性)の何れであっても良いが、水と反応して半水石膏を生成しないII型の不溶性無水石膏を用いることが好ましい。
なお、セメント組成物に含有される無水石膏としては、上述のように、塊状の無水石膏がセメントクリンカーと共に粉砕されたもの以外に、セメントクリンカーとは別に粉砕されたものであってもよい。また、セメント組成物に無水石膏を含有させる方法としては、セメントクリンカー及び塊状の二水石膏を粉砕したものと、セメントクリンカー及び塊状の無水石膏を粉砕したものとを混合する方法や、塊状の無水石膏と、塊状の二水石膏又は塊状の半水石膏とを混合した状態で、セメントクリンカーと共に粉砕する方法が挙げられる。
セメント組成物中の無水石膏の含有量は、セメント組成物中の石膏成分の含有量が上記の含有量となるように調整される。つまり、本発明のセメント組成物は、従来技術のような無水石膏を含有しないセメント組成物中の石膏成分の一部を無水石膏で置換したものである。セメント組成物中の無水石膏の含有量としては、SO3換算で0.35重量%以上であり、0.5重量%以上であることがより好ましい。また、SO3換算で1.25重量%以下であり、1.0重量%以下であることがより好ましい。石膏成分中の無水石膏の含有量としては、SO3換算で40重量%以上であることが好ましく、45重量%以上であることがより好ましく、55重量%以上であることが更に好ましい。また、SO3換算で95重量%以下であることが好ましく、80重量%以下であることがより好ましい。
セメント組成物に含有される他の石膏成分としては、二水石膏が挙げられる。二水石膏は、セメント組成物を製造する際に、セメントクリンカーと共に所定の粒度となるように粉砕されることによって、セメント組成物中に含有される。なお、上述のように、二水石膏の一部は、半水石膏になってセメント組成物中に含有される。
半水石膏、二水石膏、及び、無水石膏の含有量は、石膏成分の全量が所定の値となるように調整される。具体的には、従来技術のように、石膏成分として無水石膏を含有しないセメント組成物を製造する際に設定される石膏成分の含有量を維持するように、半水石膏、二水石膏、及び、無水石膏の含有量が調整される。二水石膏、半水石膏、無水石膏は、一般的に使用されているものであれば起源は、限定されるものではない。
二水石膏と半水石膏の合計量に対する半水石膏の割合としては、SO3換算で80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。また、二水石膏と半水石膏の合計量に対する半水石膏の割合としては、SO3換算で100重量%以下であることが好ましく、95重量%以下であることがより好ましい。
セメント組成物中の他の成分としては、C2S、C3A、C4AF等が挙げられる。これらの成分は、セメントクリンカーの成分であって、セメントクリンカーと石膏成分とが粉砕されることでセメント組成物中に含有される。
セメント組成物中のC2Sの含有量としては、50重量%以上であることが好ましく、53重量%以上であることがより好ましい。また、70重量%以下であることが好ましく、60重量%以下であることがより好ましい。
セメント組成物中のC3Aの含有量としては、1.2重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましい。また、5重量%以下であることが好ましく、2.5重量%以下であることがより好ましい。C3Aが1.2重量%以上であることで、セメント原料を焼成してセメントクリンカーを形成する際に、液相として存在するC4AF及びC3Aのうち、融点の低いC4AFのC3Aに対する比率が低減される。これにより、液相粘性が向上し、セメントクリンカーの形成(造粒)を適切に進行させることができる。これにより、比較的小さい粒径のセメントクリンカーが形成される。このようなセメントクリンカーがクリンカークーラーに到達しても、クリンカークーラー中の層圧が一定になり、セメントクリンカーの急冷を効果的に行うことができる。また、C3Aは、水和熱が高いため、C3Aが5重量%以下であることで、材齢28日の水和熱を290J/g以下に設定することができる。
セメント組成物中のC4AFの含有量としては、9重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましい。また、13.5重量%以下であることが好ましく、12重量%以下であることがより好ましい。
3AとC4AFとの合計量(間隙質量)としては、11重量%以上であることが好ましく、12重量%以上であることがより好ましい。また、15重量%以下であることが好ましく、14重量%以下であることがより好ましい。間隙質量が11重量%以上であることで、セメント原料を焼成してセメントクリンカーを形成する際に、適切な量の液相が形成される。これにより、液相介在による固相-液相反応が速やかに進行する。また、焼成時にダストが飛散し易くなるのが抑制され、ダストによって焼成熱が吸収(キルン中におけるバーナーからの輻射熱の遮断)されるのが抑制される。これにより、セメント原料の焼成が効率的に行われる。一方、間隙質量が15重量%以下であることで、キルン内のコーチング量が低減され、キルンの安定運転を維持することができ、また、カルシウムシリケート鉱物の生成が適当に行われる。これにより、セメント組成物と水分とを混練した混練物が硬化した際に、硬化体の強度低下を抑制することができる。
本願発明では、C3Aに対する半水石膏の割合(モル比)が制御される。具体的には、C3Aに対する半水石膏のモル比は、SO3換算で4.3以下であり、4.0以下であることがより好ましく、3.5以下であることが更に好ましい。また、SO3換算で1.0以上となるものである。前記モル比が4.3以下であることで、セメント組成物と水分とを混練した後、早い時期(注水から15分間)での流動性の低下(偽凝結)を抑制することができる。また、前記モル比が1.0以上であることで、C3Aの水和反応(凝結)が適度に遅延され、混練物の流動性を維持することができる。
上記のような構成を有するセメント組成物としては、特に限定されるものではなく、例えば、水和熱の小さいビーライトの比率を高くしたものが挙げられる。具体的には、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントなどの間隙質量(C3AとC4AFとの合計量)の比較的少ないセメント組成物が挙げられる。
以上のように、本発明に係るセメント組成物、及び、コンクリート組成物によれば、セメント組成物等と水とが混練されて硬化することで形成された硬化体の物性を維持しつつ、混練物の流動性を維持することができる。
即ち、石膏成分の総量の一部が無水石膏で置換されることで、セメント組成物中の石膏成分の総量を維持しつつ、半水石膏の割合が低減される。また、C3Aに対する半水石膏のモル比が上記の範囲であることで、セメント組成物と水分とが混練した際に、半水石膏によってC3Aの水和反応が効果的に遅延されると共に、C3Aによって半水石膏が効果的に消費される。
これらによって、セメント組成物と水分とが混練されてなる混練物が早期に凝結したり、混練物に偽凝結が生じたりするのを抑制することができ、混練物の流動性を効果的に維持することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
<実施例>
1.セメント組成物の作製
下記表1及び2に示す成分組成となるようにセメント組成物を作製した。なお、下記表1における各成分の含有量は、セメント組成物全体に対する重量割合である。また、石膏成分の含有量は、SO3に換算したものである。
2.セメントペーストの作製
各セメント組成物と、水分と、減水剤(BASFポゾリス社製 15S)を混練することで、セメントペーストを作製した。水分の添加量としては、得られる各セメントペーストがJIS R 5201に規定する方法で測定される標準軟度となるような水分量とした。減水剤の添加量としては、セメント組成物の重量に対して1重量%とした。
3.流動性の評価
JIS R 5201の「セメントの物理試験方法」における「8.凝結試験」で使用する装置(ビカー針装置、及び、セメントペースト容器)を用いて、上記各セメントペーストに対して、流動性の評価を行った。具体的には、セメントペーストを収容する容器として、前記ビカー針装置のセメントペースト容器を用い、該セメントペースト容器中に上記のセメントペーストを流し込んだ。そして、セメントペーストの上面を略水平な状態にした。セメントペースト中に降下させる棒部材として、上記ビカー針装置の標準棒を用い、該標準棒の下方にセメントペーストを収容したセメントペースト容器を配置した。
次に、標準棒の下端部をセメントペーストの上面に接触させた状態から棒部材の自重によってセメントペーストに対して荷重を加えた。これにより、標準棒をセメントペースト中へ降下させた。そして、標準棒がセメントペースト中に降下し始めてから30秒経過した時の降下距離を測定した。なお、降下距離の測定は、混練した直後のセメントペーストをセメントペースト容器内に流し込んだ直後を0分とし、0分後、5分後、10分後、15分後の各時間において各セメントペーストに対して行った。降下距離の測定結果については、下記表3に示す。
4.モルタル圧縮強さの測定
JIS R 5201に準拠し、モルタル(硬化体)を成型し、材齢7日および28日のモルタル圧縮強さを測定した。測定結果については、下記表3に示す。
5.硬化体の乾燥収縮の測定
JIS A 1129 「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法−第3部:ダイヤルゲージ方法」に準拠し、材齢28日、56日の乾燥収縮を測定した。測定結果については、下記表3に示す。
6.水和熱の測定
JIS R 5203に準拠し、材齢28日の水和熱を測定した。測定結果については、下記表3に示す。
Figure 2013209236
Figure 2013209236
Figure 2013209236
<まとめ>
1.流動性について
実施例1〜8と、比較例1〜4とを比較すると、各実施例の方が長時間に亘って混練物の流動性(効果距離)が維持されることが認められる。これは、比較例1においては、C3Aに対する半水石膏のモル比が各実施例よりも大きいため、C3Aによって半水石膏が効果的に消費されず、混練物に偽凝結が生じ、流動性が低下したものと考えられる。また、比較例4においては、C3Aに対する半水石膏のモル比が各実施例と同様であるものの、セメント組成物中の無水石膏の割合が各実施例よりも低いため、セメント組成物中の半水石膏の割合が高くなり、混練物に偽凝結が生じ、流動性が低下したものと考えられる。また、比較例2及び3においては、C3Aに対する半水石膏のモル比が各実施例よりも小さいため、半水石膏によってC3Aの水和反応が効果的に遅延されず、混練物に凝結が生じ、流動性が低下したものと考えられる。
2.モルタル圧縮強さ・乾燥収縮について
また、実施例1と、比較例5とを比較すると、実施例1の方がモルタル圧縮強さが高く、乾燥収縮が小さくなることが認められる。これは、比較例5においては、石膏成分の総量が実施例よりも低くなっているため、硬化体の物性が低下したものと考えられる。
3.水和熱について
また、実施例1〜4,実施例8と、比較例6とを比較すると、各実施例の方が水和熱が低いことが認められる。これは、比較例6においては、C3Aの含有量が各実施例よりも高いため、C3Aの水和によって各実施例よりも高い水和熱が発生したものと考えられる。
3.まとめ
以上のように、石膏成分の総量が所定量となるように、石膏成分の一部を無水石膏で置換し、無水石膏の含有量とC3Aに対する半水石膏のモル比とを調整することで、硬化体の物性を維持しつつ、混練物の流動性を長期に亘って維持することが可能となる。

Claims (4)

  1. 少なくとも半水石膏と無水石膏とを含む石膏成分をSO3換算で1.3重量%以上2.2重量%以下含有し、無水石膏をSO3換算で0.35重量%以上1.25重量%以下含有し、C3Aに対する半水石膏のモル比がSO3換算で1.0以上4.3以下であることを特徴とするセメント組成物。
  2. 3Aが1.3重量%以上5重量%以下含有されていることを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 材齢28日の水和熱が290J/g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント組成物。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のセメント組成物と骨材とを含有することを特徴とするコンクリート組成物。
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