JP2013208719A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷性及び耐汚染性に優れ、代表的なVOCであるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒドを吸着すると共に分解する機能を有することにより、室内のアルデヒド濃度を効果的に低減し得る化粧シート及び化粧板を提供する。
【解決手段】基材シート上に、少なくとも中間樹脂層及び表面保護層が順に積層されている化粧シートであって、
(1) 前記中間樹脂層は、アルデヒド吸着剤及び無光触媒を含み、
(2) 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含む、
ことを特徴とする化粧シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気中のアルデヒド濃度を低減する機能を有する化粧シート及び化粧板に関する。
住宅部材から放出された揮発性有機化合物(VOC)が室内の空気を汚染し、シックハウス症候群を引き起こすという問題に対し、室内の大気中に含まれるVOCの濃度を効率よく低減させるように、VOCを分解する光触媒機能を有する建築用内装材のニーズが高まってきている。
一方、光触媒を用いた消臭性能を有する化粧シートとして、基材上に光触媒などを吸着させた珪藻土層を設けてなる化粧シートが提案されており(特許文献1参照)、これをVOCの分解機能を持たせた化粧シートとして適用することが考えられる。
しかしながら、特許文献1のように光触媒の分解作用のみに効果を依存する化粧シートにおいては、十分なVOC濃度の低減がなされないという問題があった。また、かかる問題は、触媒作用の発揮に必要な光の照射を十分に得られない暗所、例えばクローゼットや棚板などにおいて使用する上で特に顕著であった。
また、住宅用の内装用途に用いられる化粧シートとしては、耐傷性や耐汚染性に代表される表面物性の向上も求められているが、特許文献1に記載の化粧シートにおいては、これらの要求を満足するものではなかった。
特開2005−324488号公報
本発明は、上記従来技術における課題を鑑みてなされたものであって、耐傷性及び耐汚染性に優れ、代表的なVOCであるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒドを吸着すると共に分解する機能を有することにより、室内のアルデヒド濃度を効果的に低減し得る化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材シート上に、特定の成分を含む中間樹脂層及び表面保護層を順に積層することによって、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、下記の化粧シート及び化粧板に関する。
1. 基材シート上に、少なくとも中間樹脂層及び表面保護層が順に積層されている化粧シートであって、
(1) 前記中間樹脂層は、アルデヒド吸着剤及び無光触媒を含み、
(2) 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含む、
ことを特徴とする化粧シート。
2. 前記電離放射線硬化型樹脂が、電子線硬化型樹脂である、上記項1に記載の化粧シート。
3. 前記アルデヒド吸着剤が、無機アルデヒド吸着剤及び/又は有機無機複合アルデヒド吸着剤である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4. 前記無光触媒が、チタン、鉄、白金、銀、パラジウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、セリウム、カリウム、アルミニウム、ガリウム、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む、上記項1〜3のいずれか1項に記載の化粧シート。
5. 上記項1〜4のいずれか1項に記載の化粧シートの裏面に被着材を有する、化粧板。
以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。
≪化粧シート≫
本発明の化粧シートは、基材シート上に、少なくとも中間樹脂層及び表面保護層が順に積層されている化粧シートであって、
(1) 前記中間樹脂層は、アルデヒド吸着剤及び無光触媒を含み、
(2) 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含む、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の化粧シートは、特定の成分を含む中間樹脂層及び表面保護層が順に積層されているため、空気中のアルデヒド濃度の低減作用を示すと共に、優れた耐傷性及び耐汚染性を有する。
本発明の化粧シートの構成は限定的ではなく、基材シート上に少なくとも中間樹脂層及び表面保護層が順に積層されている化粧シートであればよい。
基材シート
基材シートとしては、特に限定されず、化粧シートにおいて一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、紙、不織布、熱可塑性樹脂シート、あるいはこれらの積層体などが使用される。
紙としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙、チタン紙などが使用でき、また不織布としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、レーヨン、硝子などの繊維からなる不織布が使用できる。紙や不織布の坪量は、通常20〜100g/m程度である。また、紙や不織布は、その繊維間又は他層との層間強度を強化したり、ケバ立ちを防止したりするため、更にアクリル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、または抄造時に内填)させたものでもよく、また意匠性の向上を目的として着色されたものであってもよい。
熱可塑性樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(高密度、中密度、あるいは低密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型、あるいはシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、上記したような結晶質ポリオレフィン樹脂からなるハードセグメントとエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アタクチックポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加スチレン−ブタジエンゴムなどのエラストマーからなるソフトセグメントを混合して得られるものが挙げられる。ハードセグメントとソフトセグメントとの混合比は、〔ソフトセグメント/ハードセグメント〕=5/95〜40/60(質量比)程度のものが好ましい。また、必要に応じて、エラストマー成分は、硫黄、過酸化水素などの公知の架橋剤によって架橋されていてもよい。さらに、熱可塑性樹脂シートは、意匠性の向上を目的として着色されたものであってもよい。
基材シートの層構成としては、上記したような紙、不織布、熱可塑性樹脂シートなどを単層又は接着剤、熱融着等の公知の手段によって2層以上に積層したものが挙げられる。基材シートの厚み(積層体の場合は合計した厚み)は特に限定されないが、通常25〜500μm程度である。
着色層
本発明では、基材シート上に、必要に応じて着色層を形成してもよい。
着色層は、隠蔽層、あるいは全ベタ層とも称されるものであり、基材シートの表面の全面に意図した色彩を与えるものである。通常不透明色で形成することが多いが、着色透明色で形成し、下地が持っている模様を活かすこともできる。基材シートの色を活かす場合や、基材シート自体が適切に着色されている場合には着色層の形成を省略してもよい。
着色層の形成に用いられるインキには、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース(硝化綿)系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂などから選ばれる任意のものを、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。この着色層の厚さは、通常1〜20μm程度の、いわゆるベタ印刷層が好適に用いられる。
絵柄層
本発明では、基材シート上又は着色層上に、必要に応じて絵柄層を形成してもよい。
絵柄層は、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。絵柄層に用いる絵柄インキとしては、着色層に用いるインキと同様のものを用いることができる。
中間樹脂層
基材シートと表面保護層との間(即ち、基材シートと表面保護層との中間の位置)には、中間樹脂層が形成されている。
中間樹脂層は、アルデヒド吸着剤及び無光触媒を含む。中間樹脂層は、アルデヒド吸着機能に関して即効性のあるアルデヒド吸着剤によって空気中のアルデヒドを取り込み、アルデヒド分解機能に関して持続性のある無光触媒によって当該アルデヒドを分解する。そのため、中間樹脂層は、アルデヒドを吸着及び分解する機能を有する。また、中間樹脂層は、層間密着性を付与することもできる。さらに、中間樹脂層に含まれるアルデヒド吸着剤及び無光触媒は、表面保護層とは異なる層に存在するため、化粧シートの耐汚染性及び耐傷性に影響を及ぼすことはない。
中間樹脂層は表面保護層と接していてもよく、表面保護層と中間樹脂層との間に着色層、絵柄層等が介在していてもよい。また、中間樹脂層は基材シートと接していてもよく、基材シートと中間樹脂層との間に着色層、絵柄層等が介在していてもよい。
中間樹脂層を設ける位置の具体例としては、例えば、基材シート上に着色層及び絵柄層を設ける場合においては、当該絵柄層と表面保護層との間(表面保護層の裏面)となる。
無光触媒は空気中の水を酸化作用のあるラジカルに変換し、当該ラジカルがアルデヒドなどの有機物を分解する。そのため、基材シートが吸水性を有するものであれば、基材シート付近に存在する無光触媒の分解機能がより向上し、結果として室内のアルデヒド濃度をより効率的に低減できる。
吸水性を有する基材シートとしては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が挙げられる。
中間樹脂層を形成する樹脂材料としては、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)などが使用できる。また、中間樹脂層を形成する樹脂材料として、電離放射線硬化型樹脂を使用することもできる。なかでも、アクリルウレタン系樹脂、ウレタン硝化綿や、2液硬化型のウレタン系樹脂などをバインダー樹脂とすることが好ましい。上記中間樹脂層を形成する樹脂材料は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記2液硬化型のウレタン系樹脂としては、硬化剤であるイソシアネート(より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)などの脂肪酸イソシアネート)と、主剤であるポリオールとしてアクリルポリオールをそれぞれ使用することが、より優れた耐候性、密着性などが得られる点で好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、後述する表面保護層で使用される電離放射線硬化型樹脂と同様の樹脂を使用することができる。
<アルデヒド吸着剤>
本発明で使用するアルデヒド吸着剤(以下、単に吸着剤と呼ぶことがある)としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒドに対する吸着力を有し、変色などを引き起こさない物である限り広く使用することができ、例えば、アミン類、尿素類、アミド類、イミド類、ヒドラジド類、アゾール類及びアジン類等の化合物の他、無機アルデヒド吸着剤(無機吸着剤)や有機無機複合アルデヒド吸着剤(有機無機複合吸着剤)等を使用できる。これらの吸着剤は1種単独で、又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
アミン類としては、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ジシアノジアミド、エチレンイミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、1,2−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、テトラメチレンジアミン、炭酸グアニジン、グリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン酸、ヘキサメチレンジアミン、メラミン、モルホリン、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、アミノ安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
尿素類としては、尿素、チオ尿素、メチル尿素、エチレン尿素、アセチル尿素、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、アセトアミド、コハク酸アミド、ジシアンジアミド等が挙げられる。
イミド類としては、スクシンイミド、ヒダントイン、イソシアヌル酸等が挙げられる。
ヒドラジド類としては、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン−2酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド等が挙げられる。
アゾール類及びアジン類としては、3−メチル−5−ピラゾロン、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、3−フェニル−6−ピラゾロン、3−メチル−1−(3−スルホフェニル)−5−ピラゾロン等のピラゾロン類、ピラゾール、3−メチルピラゾール、1,4−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチル−1−フェニルピラゾール、3−アミノピラゾール、5−アミノ−3−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸メチルエステル、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステル、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−n−ブチル−3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オン、ウラゾール(3,5−ジオキシ−1,2,4−トリアゾール)、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジン、1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、6−メチル−8−ヒドロキシトリアゾロピリダジン、4,5−ジクロロ−3−ピリダジン、マレイン酸ヒドラジド、6−メチル−3−ピリダゾン等が挙げられる。
無機吸着剤としては、ゼオライト、リン酸アルミニウム、ハイドロキシアパタイトなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。吸着性能の観点から、モルデナイト型、Y型、ZSM−5型ゼオライトが好ましく、水素イオン交換したZSM−5型ゼオライト(例えば、東ソー(株)製「HSZ−800」)がより好ましい。
有機無機複合吸着剤としては、先に挙げたアミン類、尿素類、アミド類、イミド類、ヒドラジド類、アゾール類及びアジン類等の化合物を無機化合物に担持させた複合材料などが挙げられる。ここで担体として使用できる無機化合物としては、耐熱性の点から、二酸化ケイ素、活性炭、セピオライト、雲母などが挙げられる。これらの無機化合物の中でも、吸着性能の観点から、二酸化ケイ素の多孔質体を用いることが特に好ましい。
有機無機複合吸着剤として、より具体的には、特開2003−52800号公報の段落[0016]に記載のように、第1級アミノ基を有するアミン類の化合物を上述の無機化合物に担持させた複合材料を例示できる。第1級アミノ基を有するアミン類の化合物としては、同公報の段落[0020]に記載のように、脂肪族化合物としては「HN−(CHCH−NH)−CHCHNH(nは0以上3以下の整数)」で表される化合物が好ましく、芳香族のものとしてはアニリンが好ましい。
無機吸着剤及び有機無機複合吸着剤の平均粒径は、0.1〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。ここで、本明細書における平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した値である。
本発明においては、これらの中でも、中間樹脂層の変色やブリードアウト等を起こしにくい材料として、無機吸着剤及び/又は有機無機複合吸着剤を使用することが好ましく、吸着機能に優れる点から、有機無機複合吸着剤を使用することがさらに好ましい。
中間樹脂層中のアルデヒド吸着剤の含有量は、中間樹脂層を形成する樹脂材料100質量部に対して0.5〜50質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましい。
<無光触媒>
本発明で使用する無光触媒とは、紫外線や可視光線の照射を受けなくてもアルデヒドを分解する触媒機能を発現する物質を指し、上記の条件を満たすものであれば特に限定無く使用できる。かかる機能を有する物質を中間樹脂層中に含むことにより、吸着剤に吸着されたアルデヒドを分解でき、吸着剤の機能を効率的かつ長期的に発揮させることができる。また、光の照射を必要としないため、夜間においてもアルデヒド分解作用を発揮できるほか、暗所であるクローゼット内部や棚板等の部位への使用に適した化粧シートを提供できる。また、無光触媒は比較的緩やかな触媒作用を示すため、有機系のバインダー等と組み合わせた場合においても当該有機成分を分解してしまう虞が低いので、長期耐久性に優れる化粧シートを提供できる。
無光触媒としては、例えば、チタン、鉄、白金、銀、パラジウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、セリウム、カリウム、アルミニウム、ガリウム、コバルト、ニッケル等の金属を含む無機材料が使用できる。具体的には、リン酸チタニウム系化合物、酸化鉄などが挙げられるほか、例えば特開2002−1121号公報に記載のような電荷移動型触媒(CT触媒)として知られる材料が使用できる。上記の無光触媒は、1種単独で、又は2種以上を組合せて使用できる。
これらのうち、特にリン酸チタニウム系化合物が効果の点から最も好ましい。リン酸チタニウム系化合物としては、例えば、Ti(OH)(HPO(OR)、Ti(OH)(PO)、Ti(OH)(HPO)(OR)、Ti(OH)(HPO)(OR)、Ti(OH)(HPO)(HPO)、Ti(OH)(HPO、Ti(OH)(HPO)又はこれらの縮合体などが使用できる。ここでRは炭素数1〜4のアルキル基である。
中間樹脂層中の無光触媒の含有量は、中間樹脂層を形成する樹脂材料100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
無光触媒の平均粒径は、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜7μmがより好ましい。
中間樹脂層の形成は、樹脂材料、アルデヒド吸着剤及び無光触媒をそのままで又は溶媒に溶解、もしくは分散させた状態で混合して用い、グラビア印刷などの公知の印刷方法、塗布方法などに従って形成することができる。また、中間樹脂層の塗工量は、通常0.5〜5g/m程度である。
表面保護層
表面保護層は、化粧シートの最表面層として設けられる層であり、着色層、絵柄層、中間樹脂層など、基材シートと表面保護層との間にある層を保護するために設けられる。
本発明の化粧シートにおける表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含む。そのため、優れた耐傷性及び耐汚染性が得られる。ここで、表面保護層は、塗工量として、通常1〜30g/m(固形分基準)の範囲であることが好ましく、1〜15g/mであることがさらに好ましい。
<電離放射線硬化型樹脂>
表面保護層に用いられる電離放射線硬化型樹脂とは、紫外線、電子線などの電離放射線を照射することにより、架橋・硬化される樹脂を指す。
電離放射線硬化型樹脂としては、従来公知の化合物を適宜使用することができる。具体的には、電離放射線硬化型樹脂として慣用されている重合性のモノマー又はオリゴマー(いわゆるプレポリマーと呼ばれるものを含む)の中から適宜選択して又は適宜組み合わせて用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、類似する用語も同様の意味である。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、中でもラジカル重合性不飽和基を持つアクリレート系オリゴマーが好ましく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ) アクリレート系などが挙げられる。ここで、
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ) アクリル酸
を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ) アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
電離放射線硬化型樹脂の中でも、後述する電子線によって硬化する電子線硬化型樹脂であることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を、表面保護層を形成する樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜10質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2 , 2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4 ’− ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
表面保護層には、さらにシリコーン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。シリコーン(メタ)アクリレートは電離放射線硬化型樹脂との相乗効果により、主に化粧シートの耐汚染性をさらに向上させるものである。シリコーン(メタ)アクリレートは、ポリシロキサンからなるシリコーンオイルのうち、または片方乃至両方の末端に(メタ)アクリル基を導入した変性シリコーンオイルの中の一つである。シリコーン(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基が(メタ)アクリル基であれば特に限定されず、該有機基を1乃至2つ有する変性シリコーンオイルが好ましい。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。
上記シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、耐汚染性の向上とその使用効果を十分に得る観点から、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。また、シリコーン(メタ)アクリレートの官能基当量(分子量/官能基数)としては、例えば100〜20000の条件を有するものが挙げられる。
<その他の添加剤>
表面保護層には、目的や用途により求められる物性に応じて、各種添加剤を含有させることができる。この添加剤としては、アルミナ、シリカ等の無機粒子やアクリル等の樹脂粒子などの耐摩耗性向上剤、ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂類をエステル系などの有機溶剤に溶解又は分散して得られるワックス、耐候性改善剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、着色剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、これらの各種添加剤の配合量は、各種添加剤の効果を十分に得つつ、本発明の効果を損なわない範囲において適宜設定するものである。
表面保護層には、本発明の効果を損なわない範囲で光触媒を含んでいてもよい。光触媒としては公知の物質が使用でき、可視光線によりアルデヒドを分解する機能を発現する物質であれば特に限定されない。
≪化粧シートの製造方法≫
本発明の化粧シートは、例えば以下の製造方法によって製造されるが、これによって制限されるものではない。
基材シート上に着色層及び絵柄層を順次形成し、次いで樹脂材料、アルデヒド吸着剤及び無光触媒を混合して調製した中間樹脂層形成組成物を塗工する。次いで、電離放射線硬化型樹脂を含む表面保護層形成組成物を塗工し、電離放射線を照射して表面保護層形成組成物を架橋して硬化させることで、表面保護層を形成し、目的の化粧シートを得る。
着色層及び絵柄層を設ける場合の形成方法は特に制限は無く、用途に応じて公知の方法を用いればよい。着色層及び絵柄層は、例えば、インキ又は塗液を用いて、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント等の印刷法、あるいは、グラビアコート、ロールコート等の塗工法により形成できる。
中間樹脂層形成組成物及び表面保護層形成組成物の塗工方法についても特に制限は無く、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の塗工方法や、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷等の印刷法など公知の方式が使用できる。
電離放射線としては、通常電子線や紫外線が使用されるが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常70〜300kV程度である。なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、電子線により劣化する基材シートを使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材シートへの余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材シートの劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、通常波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる。
中間樹脂層形成組成物に電離放射線硬化型樹脂を含む場合、中間樹脂層形成組成物を塗工した後、表面保護層形成組成物を塗工する前に、電離放射線を照射して中間樹脂層を硬化(不完全硬化又は完全硬化)させることができる。また、1回の電離放射線照射によって表面保護層形成組成物を硬化(完全硬化)させるとともに、未硬化又は不完全硬化の中間樹脂層形成組成物を硬化(完全硬化)させることもできる。なお、不完全硬化とは、樹脂の硬化が生じているが、さらなる硬化の余地を残している状態を指す。
また、本発明の化粧シートは、意匠性を向上させることを目的としてエンボス加工による凹凸模様が形成されていてもよい。凹凸模様は、製造過程にある化粧シートがいずれかの手段によってエンボス可能な温度となっているときに、表面保護層の上面、すなわち最外層側からエンボス版で加熱加圧することにより形成することができる。凹凸模様の形成には、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸模様の形状としては、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
≪化粧板≫
本発明の化粧シートは、各種被着材と接合することにより、化粧板とすることができる。被着材の材質は特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等の材質が挙げられる。
具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶
磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料などが挙げられる。
金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。
木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。
プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
化粧板は、該化粧板を任意切断し、表面や木口部にルーター、カッターなどの切削加工機を用いて溝加工、面取加工などの任意加飾を施すことができる。そして種々の用途、例えば、壁、天井、床などの建築物の内装または外装材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モールなどの建具の表面化粧板、キッチン、家具又は弱電、OA機器などのキャビネットの表面化粧板、車両の内装、外装などに好適に用いることができる。
被着材と化粧シートとを貼り合わせる場合、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤を用いることができる。本発明では、非ホルムアルデヒド系接着剤、並びにJAS及びJISの放出ホルムアルデヒド規格「F☆☆☆☆」に規定される低ホルムアルデヒド系接着剤からなる群から選ばれた少なくとも1種を使用することが好ましい。
被着材と接合後は、例えば、最終製品の特性に応じて、裁断、テノーナーを用いてサネ加工、V字形状の条溝付与、四辺の面取り等を施してもよい。
本発明の化粧シートは、壁紙、床材、キッチン用品、ドア材などの建材用途に好適であり、住宅部材から放出される揮発性有機化合物(VOC)などによる室内の汚染を効果的に浄化し得るものである。本発明の化粧板は、上記化粧シートと同様の優れた効果を有し、上述の化粧シートと同様の用途に好適である。
本発明の化粧シート及び化粧板は、特定の成分を含む中間樹脂層及び表面保護層が順に積層されているため、空気中のアルデヒド濃度の低減作用を示すと共に、優れた耐傷性及び耐汚染性を有する。
本発明の化粧シートの一例を示す模式図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
建材薄紙(一般紙グレード、坪量30g/m)からなる基材シート上に、バインダー樹脂がアクリル樹脂であり着色剤として酸化チタンを含有する白色隠蔽性の全ベタ層(着色層)と、バインダー樹脂が硝化綿樹脂であり着色剤を含有する木目柄層(絵柄層)とを、グラビア印刷によって順次形成した。次いで、得られた積層体上に、下記組成の中間樹脂層形成組成物をグラビア印刷にて塗工量2g/mで塗工することにより、中間樹脂層を形成した。さらに、下記組成の電子線硬化型樹脂組成物(表面保護層形成組成物)をグラビアオフセット法にて塗工量4g/mで塗工した後、電子線を照射(加速電圧175kV、照射量50kGy)して塗膜を架橋硬化させて、無色透明な表面保護層を形成し、化粧シートを作製した。
<中間樹脂層形成組成物>
・アクリルポリオール 85質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI) 15質量部
・アルデヒド吸着剤(有機無機複合吸着剤、東亜合成株式会社製、NS−103、平均粒径5μm)15質量部
・リン酸チタニウム系化合物(株式会社YOOコーポレーション製、エコキメラ、平均粒径250nm)1質量部
<電子線硬化型樹脂組成物>
・3官能アクリレートモノマー 60質量部
・2官能アクリレートモノマー 40質量部
・シリコーンメタクリレート 0.6質量部
・シリカ粒子(平均粒径4〜5μm) 15質量部
実施例2
アルデヒド吸着剤の含有量を15質量部に代えて3質量部とする以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例3
アルデヒド吸着剤の含有量を15質量部に代えて30質量部とする以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例4
実施例1と同様にして化粧シートを作製した。化粧板基材(被着材)として、パーチクルボードに酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤(アイカ工業製、アイカアイボンA−593T)を塗布した後、上記化粧シートを積層し、一体化して化粧板を得た。
比較例1
中間樹脂層を形成しない以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例2
中間樹脂層にアルデヒド吸着剤を含有しない以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例3
実施例1と同様にして、基材シート上に着色層、絵柄層及び中間樹脂層が形成された積層体を作製した。次いで、当該積層体の上に、下記組成の熱硬化型樹脂組成物をグラビアオフセット法にて塗工量4g/mで塗工した後、養生(70℃、24時間)を行うことによって、化粧シートを作製した。
<熱硬化型樹脂組成物>
・アクリルポリオール 85質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI) 15質量部
・シリコーンオイル 4質量部
・シリカ粒子(平均粒径4〜5μm) 15質量部
性能評価(i)耐汚染性試験
JAS汚染A試験に準じ、耐汚染性を評価した。具体的には化粧シート及び化粧板を切断して10cm角としたものを試験片とし、これを水平に置いた後、試験片の表面保護層面に一般市販品事務用青色インキ、黒色インキ(JIS S6037マーキングペンに定めるもの)および赤色クレヨン(JIS S6026に定めるもの)でそれぞれ幅10mm、長さ10cmの直線を描き、4時間放置した後、布で乾拭きし、拭き取れないものがあった場合はエタノールを含浸した布で拭き取った。乾拭きで拭き取れたものを○、エタノール拭きで拭き取れたものを△、エタノール拭きでも拭き取れないものがあったものを×とした。
性能評価(ii)耐擦傷性試験
21kPa(1.5kgf/7cm)の荷重が加わるおもりに、スチールウール(日本スチールウール(株)製、商品名「ボンスター」)を取り付け、化粧シート及び化粧板の表面を20往復擦り付けるラビング試験(耐スチールウール試験)を実施した後、化粧シート表面の傷状態を目視観察することで耐擦傷性を評価した。傷が無いものを○、傷が確認されたものを×とした。
性能評価(iii)アルデヒド吸着性能試験
化粧シート及び化粧板を切断して10cm角とした試験片を内容量5リットルのテドラーバック内に挿入した。28%ホルムアルデヒド水溶液と合成空気〔(窒素:酸素)容積比4:1、相対湿度50%〕を用いてホルムアルデヒド濃度50ppmのガスを調製し、テドラーバック内に1リットル送り込んだ。その後、テドラーバック内のホルムアルデヒド濃度の経時変化をガスクロマトグラフィーにより測定し、6時間後のホルムアルデヒド除去率を以下の式(1)により算出した。
(ホルムアルデヒド除去率)[%]=[{(初期濃度)−(6時間後の濃度)}/(初期濃度)]×100 (1)
評価基準は以下の通りである。なお、評価がA、B又はCであれば製品として合格である。
A:ホルムアルデヒド除去率が90%以上
B:ホルムアルデヒド除去率が80%以上90%未満
C:ホルムアルデヒド除去率が70%以上80%未満
D:ホルムアルデヒド除去率が70%未満
各実施例及び比較例の評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2013208719
1.基材シート
2.着色層
3.絵柄層
4.中間樹脂層
5.表面保護層

Claims (5)

  1. 基材シート上に、少なくとも中間樹脂層及び表面保護層が順に積層されている化粧シートであって、
    (1) 前記中間樹脂層は、アルデヒド吸着剤及び無光触媒を含み、
    (2) 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含む、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記電離放射線硬化型樹脂が、電子線硬化型樹脂である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記アルデヒド吸着剤が、無機アルデヒド吸着剤及び/又は有機無機複合アルデヒド吸着剤である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記無光触媒が、チタン、鉄、白金、銀、パラジウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、セリウム、カリウム、アルミニウム、ガリウム、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧シートの裏面に被着材を有する、化粧板。
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