JP2013208628A - Ni基合金溶接材料並びにこれを用いた溶接ワイヤ、溶接棒及び溶接用粉末 - Google Patents

Ni基合金溶接材料並びにこれを用いた溶接ワイヤ、溶接棒及び溶接用粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】高温強度に優れ、かつ、溶接性及び加工性にも優れたNi基合金溶接材料を提供する。
【解決手段】質量基準で、C:0.001〜0.1%、Co:18〜25%、Cr:16〜20%、Al:2.5〜3.5%、Mo+W:9.0〜15.0%、B:0.001〜0.03%を含み、残部がNi及び不可避的不純物であるγ’析出強化型のNi基合金を溶接材料として用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、γ’析出強化型の高強度Ni基合金でありながら、溶接性に優れた溶接材料に関する。
火力発電プラントに利用される各種の高温部品には、高温強度に優れたフェライト系耐熱鋼、Ni基超合金などが利用されている。これらの材料の多くは、溶接によって構造部品として形成される。発電効率の向上に伴って、材料の使用温度も高まっており、溶接材料にも高い強度特性が要求されている。
溶接方法としては、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接などが挙げられるが、いずれも金属材料を、一度、溶融・凝固させるプロセスを経る点では同一である。金属材料は、凝固時に体積収縮するために、冷却中に強い熱応力が発生する。Ni基合金のような高強度材では、強度が高くなる半面、延性が低下する傾向にあり、熱応力によって溶接割れが発生するなど、溶接性が悪くなる傾向が強い。特に、γ’(NiAl)相の析出により強化する合金では、溶接の際にγ’相が析出していたり、冷却中に析出したりすると、溶接割れが発生する可能性が高い。
一方で、溶接部は、凝固組織となり、凝固偏析が発生する。凝固偏析部では脆い有害相が発生する可能性が高く、これも溶接割れを助長する一因となる。また、使用温度である700〜800℃の温度環境では、原子の拡散が起こり、組織変化が生じるために、凝固偏析部では、通常の平衡状態では生じない特異な析出物が生じる可能性がある。このような析出物が形成されると、材料強度が低下して部品が損傷するなど、発電プラントの稼働に重大な支障をきたす可能性がある。
このように、溶接材料には、使用温度における十分な強度に加えて、溶接性に優れ、溶接割れが生じにくいことや、長時間使用においても有害相が発生しない凝固組織の相安定性などが要求されるが、従来技術では、700〜800℃の使用温度においてこれらの特性を満たす材料を得るに至っていないのが実情である。
例えば、特許文献1及び2には、γ’相の固溶温度または析出量を制御することにより、強度と溶接性との両立を図るNi基合金溶接材料に関する発明が開示されている。
特許文献1に記載されている合金は、γ’相の固溶温度は840℃以下として溶接性を改善しつつ、600〜700℃の熱処理でγ’相を析出させて強度を向上させたものであり、この合金は、フェライト鋼との溶接に適したものである。
特許文献2に記載されている溶接材料は、1000℃を超える温度で使用されるガスタービン動翼の溶接補修に適したものである。この溶接材料では、Alが主に耐酸化性の改善を目的として添加されており、1000℃を超える温度で使用するために鋳造Ni基合金と同等の0.05〜0.15重量%のCが添加されている。Cは、M23型炭化物を形成し、1000℃を超えるような温度域において結晶粒界の形状を樹枝状とし、粒界のクラックの進展を遅らせることが可能である。また、この溶接材料を適用した動翼は、補修溶接後に溶体化熱処理として1100℃以上の熱処理を行うため、溶接の際に発生する凝固偏析は十分に拡散し、有害相を形成しない程度に均質化されるものと考えられる。
特開2010−84167号公報 特開2004−136301号公報
特許文献1に記載されている合金は、γ’量が少なく、組織安定性の観点から固溶強化元素量も制限されるため、700〜800℃の温度においては十分な強度が得られない。
特許文献2に記載されている溶接材料を適用した動翼は、700〜800℃の温度域においては、十分な均質化が期待できないため、凝固偏析による有害相の析出が問題となる。
上述のように、従来のNi基合金は、溶接性は良好であるが強度が不十分なものか、高強度であるが溶接性に乏しいかのいずれかであり、700〜800℃の使用環境にそのまま適用することは不可能であった。
本発明は、700〜800℃の温度範囲において高い溶接継手強度が得られ、溶接性及び加工性にも優れたNi基合金溶接材料を提供することを目的とする。
本発明のNi基合金溶接材料は、質量基準で、C:0.001〜0.1%、Co:18〜25%、Cr:16〜20%、Al:2.5〜3.5%、Mo+W:9.0〜15.0%、B:0.001〜0.03%を含むことを特徴とする。
本発明によれば、γ’相析出強化型であって高温強度に優れ、かつ、溶接性及び加工性にも優れたNi基合金溶接材料を得ることができ、発電プラントの高温化及び高効率化に寄与することができる。
溶接継手の引張試験によって得られた各合金の800℃における0.2%耐力を示すグラフである。 クリープ破断時間を示すグラフである。 γ’相の固溶温度と析出量との相関を示すグラフである。
本発明者は、材料試験や熱力学計算による溶接材料の特性改善を検討してきた。その結果、合金成分範囲を選定することにより、700〜800℃の温度範囲で使用可能な溶接材料を開発するに至った。
なお、本明細書においては、炭素、コバルト、クロム、アルミニウム、モリブデン、タングステン、ほう素及びニッケルについて元素記号C、Co、Cr、Al、Mo、W、B、Niで表している。また、Mo+Wは、モリブデン及びタングステンの含有量の和を示している。
以下、本発明の実施形態に係るNi基合金溶接材料並びにこれを用いた溶接ワイヤ、溶接棒及び溶接用粉末について説明する。
前記Ni基合金溶接材料は、質量基準で、C:0.001〜0.1%、Co:18〜25%、Cr:16〜20%、Al:2.5〜3.5%、Mo+W:9.0〜15.0%、B:0.001〜0.03%を含み、残部がNi及び不可避的不純物であることを特徴とする。
前記Ni基合金溶接材料は、質量基準で、C:0.001〜0.05%、Co:18〜25%、Cr:16〜20%、Al:2.5〜3.5%、Mo+W:9.0〜15.0%、B:0.001〜0.03%を含み、残部がNi及び不可避的不純物であることが望ましい。
前記Ni基合金溶接材料は、質量基準で、C:0.001〜0.05%、Co:18〜25%、Cr:16〜20%、Al:2.5〜3.5%、Mo+W:10.0〜14.0%、B:0.001〜0.03%を含み、残部がNi及び不可避的不純物であることが望ましい。
前記Ni基合金溶接材料は、質量基準で、C:0.01〜0.04%、Co:20〜23%、Cr:17〜19%、Al:2.8〜3.2%、Mo+W:10.0〜12.0%、B:0.003〜0.01%を含み、残部がNi及び不可避的不純物であることが望ましい。
前記Ni基合金溶接材料は、強化相であるγ’(NiAl)相の固溶温度が850〜900℃の範囲であり、800℃における析出量が体積率で10〜25%であることが望ましい。
前記Ni基合金溶接材料は、800℃、294MPaの条件における溶接部クリープ破断時間が200時間以上であることが望ましい。
前記Ni基合金溶接材料は、溶接ワイヤ、溶接棒、溶接用粉末等の形態で使用に供することができる。
以下に、前記Ni基合金溶接材料を構成する元素の成分範囲および限定理由を述べる。なお、以下の百分率は、特に説明しない場合、質量基準である。
Cは、母相に固溶して高温での引張強さを向上させると共に、MC、M23などの炭化物を形成する。これらの析出物は、凝固時に形成されるデンドライト組織の境界に主に析出し、粒界が直線化するのを防ぐことで、粒界強度を向上させる効果がある。この効果は、0.001%程度から確認される。このような炭化物による粒界強化は、特許文献1のような1000℃を超えるような高温域で使用する場合には特に重要であり、C量を多くして析出物も多くするほうが望ましい。
しかし、Cは、凝固時に偏析を生じやすい元素であり、過剰に添加すると偏析によって溶接割れを助長する。また、偏析が残ったままでは、高温で長時間保持した場合に炭化物が粗大に析出して脆化するおそれがある。
800℃以下の温度で使用する場合には、1000℃の場合と比較して、拡散があまり起こらず、粒界の直線化が起こりにくいため、C量の上限値を0.1%とし、ガスタービン動翼の溶接材料に比べて少なくしてもよい。C量を少なくすることによって、偏析に起因する溶接割れ及び脆化を抑制することが可能となる。好ましい範囲としては、0.001〜0.05%である。更に好ましくは0.01〜0.05%である。
Coは、Niと置換して母相に固溶することで、基材の高温強度を向上させる効果を有する。この効果は、18%以上の置換で顕著に現れる。相安定性の点では、Niよりも有害相を形成しやすく、添加量が25%を超えると、σ相、μ相等の有害相の析出が認められるようになる。よって、好ましい範囲は18〜25%である。更に好ましい範囲は20〜23%である。
Crは、合金の表面にCrの緻密な酸化皮膜を形成して、耐酸化性及び高温耐食性を向上させる効果を有する。溶接部の耐酸化性及び耐食性の観点からは、少なくとも16%を含有することが必要である。しかし、添加量が20%を超えると、σ相が析出して材料の延性及び破壊靭性が悪化するため、20%以下とする。よって、好ましい範囲は16〜20%である。特に好適な範囲は17〜19%である。
Alは、γ’(NiAl)相を形成する元素であり、Ni基合金の強度向上に不可欠な元素である。十分な強度を得るためには、γ’(NiAl)相が体積基準で10%以上の析出量が必要である。想定される使用温度の700〜800℃でこの析出量を得るためには、質量基準で2.5%以上の添加が必要である。添加量が増えるほど強度は高くなるが、その反面、溶接性は低下することになる。溶接割れ抑制の観点から、γ’(NiAl)相の固溶温度を900℃以下にすることが本発明の特徴の一つであるが、そのためにAl量の上限値は3.5%とする。よって、好ましい範囲は2.5〜3.5%である。強度と溶接性とのバランスから、更に好ましい範囲としては2.8〜3.2%である。
Mo及びWは、固溶強化によって母相を強化する効果を有する。本発明の合金は、溶接性の観点から、Al量の上限が決められている。このため、強度向上のために、Mo及びWを多く含むことが望まれる。800℃において十分な強度を得るためには、Mo及びWを合わせて9.0%以上添加する必要がある。
特許文献1においても、Mo及びWといった元素を多く添加することが記載されているが、本発明において溶接の対象とする基材はNi基合金であり、フェライト鋼に比べて溶接希釈部において有害相が形成されにくい。よって、Mo及びWは、最大で15.0%まで添加することが可能である。Mo及びWが15.0%を超えると、溶接金属自体に硬質で脆い金属間化合物相が形成される。よって、好ましい範囲は9.0〜15.0%である。更に好ましい成分範囲は、10.0〜14.0%、特に好ましくは10.0〜12.0%である。
Bは、Cと同様に粒界の強度向上に効果を有し、Bの添加によって高温延性の改善が期待できる。0.001%の添加でこの効果は得られるが、0.03%を超えると粒界の部分溶融や、有害相の析出を引き起こす。よって、好ましい範囲は0.001〜0.03%である。更に好ましい特性が得られる範囲は、0.003〜0.015%である。
以下、実施例及び比較例について詳細を説明する。
表1は、供試材として用いた合金の化学成分を示したものである。表中、No.1〜10は実施例であり、No.11〜15は比較例である。
Figure 2013208628
各供試材の合金のインゴットは、10kgずつ真空溶解にて作製した。作製したインゴットは、表面の酸化被膜や鋳造欠陥を除去した後、熱間鍛造加工及び冷間伸線加工によってφ1.2mmの溶接ワイヤに加工した。この溶接ワイヤを用いて、外径34mm、内径18mmの管形状のNi基合金素材にTIG溶接を施し、特性評価用の溶接継手を作製した。ここで、TIG溶接は、Tungsten Inert Gas溶接の略称である。
本実施例においては、合金をワイヤ形状に加工して溶接したが、棒状又は粉末状であっても良い。溶接継手から試験片を採取し、引張試験及びクリープ試験により高温強度特性を評価した。また、溶接部の断面の組織観察を行い、溶接割れや有害相の有無を確認することで、各合金の溶接性を評価した。
表2は、引張試験、クリープ試験及び溶接性の試験結果を示したものである。
Figure 2013208628
図1は、溶接継手の引張試験によって得られた各合金の800℃における0.2%耐力を示すグラフである。
高温部材として使用する場合、推定される使用温度である800℃において500MPa程度の0.2%耐力が望まれる。実施例であるNo.1〜10は、いずれも500MPaを超える強度を有している。
いずれの試験においても、溶接金属部で破断していることから、これらの値は溶接金属自体の強度である。これは、各合金の鍛造材自体について引張試験を行った結果とほぼ同等である。また、溶接部における割れなどの欠陥は確認されなかったことから、いずれの実施例も、優れた溶接性を有していると判断できる。
他方、比較例11〜13においては、溶接金属、あるいは溶接金属と基材との境界部において割れが認められた。よって、比較例11〜13では、それらの割れが基点となって破断が進行したと考えられる。したがって、比較例11〜13の場合、合金の本来の強度よりも低い500MPa以下の応力で材料が降伏している。割れが発生した要因は、Al量が多く、γ’相析出温度が900℃以上と高いためと考えられる。
比較例14及び15においては、溶接性は良好であり、溶接割れは認められなかった。しかし、Al量が少なくγ’相析出量が十分ではない、または固溶強化元素であるMo+W量が十分でないため、溶接欠陥がなくとも、継手としての強度が不足している。
図2に示すクリープ試験の結果でも、引張試験の結果と同様の傾向が見られる。今回の試験条件(800℃、294MPa)の条件では、破断時間が200時間以上であれば耐用温度は800℃を満たすと考えてよい。
実施例の場合は、析出強化及び固溶強化の元素を望ましい量含有している。また、溶接性も良好であり、欠陥のない溶接継手が得られている。したがって、実施例の場合は、目標とする200時間を上回るクリープ強度が得られている。
他方、比較例の場合は、溶接割れや、溶接金属自体の強度不足によって半分程度のクリープ強度しか得られていない。
図3は、各合金のγ’相固溶温度と800℃におけるγ’析出量との相関を示したものである。
本図において、両者の関係は概ね比例関係にあり、Al量が多く、γ’相の安定性が高いほど、固溶温度が高く析出量も多くなる傾向にある。
本発明の合金は、溶接性の観点から固溶温度が850〜900℃以下であり、なおかつ使用温度における強度の観点から800℃におけるγ’析出量が10〜25%であることが必要である。すなわち、γ’相固溶温度及びγ’析出量は、図中の点線で示す範囲にあることが必要である。
上記のような成分、γ’相固溶温度及びγ’析出量を満足する合金であれば、溶接性と強度とを両立した溶接継手を得ることができ、800℃程度の高温で使用するボイラ、蒸気タービン、ガスタービン等の溶接部材に使用することができる。溶接材料として用いる場合の形態としては、ワイヤ形状、棒状及び粉末状のいずれであっても同様の効果が得られると考えられる。

Claims (9)

  1. 質量基準で、C:0.001〜0.1%、Co:18〜25%、Cr:16〜20%、Al:2.5〜3.5%、Mo+W:9.0〜15.0%、B:0.001〜0.03%を含み、残部がNi及び不可避的不純物であることを特徴とするNi基合金溶接材料。
  2. 質量基準でCの含有量が0.001〜0.05%であることを特徴とする請求項1記載のNi基合金溶接材料。
  3. 質量基準でMo+Wの含有量が10.0〜14.0%であることを特徴とする請求項2記載のNi基合金溶接材料。
  4. 質量基準で、C:0.01〜0.04%、Co:20〜23%、Cr:17〜19%、Al:2.8〜3.2%、Mo+W:10.0〜12.0%、B:0.003〜0.01%を含むことを特徴とする請求項3記載のNi基合金溶接材料。
  5. 強化相であるγ’(NiAl)相の固溶温度が850〜900℃の範囲であり、800℃における析出量が体積基準で10〜25%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のNi基合金溶接材料。
  6. 800℃、294MPaの条件における溶接部クリープ破断時間が200時間以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のNi基合金溶接材料。
  7. 請求項1〜6に記載のNi基合金溶接材料を含むことを特徴とする溶接ワイヤ。
  8. 請求項1〜6に記載のNi基合金溶接材料を含むことを特徴とする溶接棒。
  9. 請求項1〜6に記載のNi基合金溶接材料を含むことを特徴とする溶接用粉末。
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