JP4719780B2 - タービン用の溶接型ロータおよびその製造方法 - Google Patents

タービン用の溶接型ロータおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービン,蒸気タービン等の高温部品および高温部品に使用される材料および高温部品に関わるものである。
蒸気タービン発電プラント,ガスタービン等の発電効率を向上させるためには、主蒸気温度あるいは燃焼温度の向上が有効である。主蒸気温度あるいは燃焼温度の向上に伴い、高温部品の温度が高くなるため、より耐用温度の高い耐熱材料が必要となる。蒸気タービンロータやボイラ配管などでは、温度が高い部位と低い部位があり、温度が低い部位はフェライト鋼、650℃を超える温度の高い部位はNi基超合金とし、これらを接合することがコストを抑制する上で有効である。Ni基超合金およびフェライト鋼において優れた強度と靭性を得るためには、鍛造または溶接後に適切な熱処理を行う必要がある。Ni基超合金およびフェライト鋼では適した熱処理が異なる。
フェライト鋼は、約1000℃から1100℃のオーステナイト単相域から室温以下に焼き入れ、700℃以下で焼き戻し処理を行う。焼き入れ後に700℃以上に加熱すると大きく強度特性が落ちることから溶接後の残留応力緩和処理は、700℃以下で行う必要がある。
Ni基超合金は、析出強化相であるγ′相(Ni3Al)が固溶する固溶温度以上で溶体化処理を行い、γ′相が適量析出する600〜850℃で時効処理を行う。特に高い靭性を得るためには、800〜850℃で中間時効処理を行い、γ′相を析出粗大化させるとともに結晶粒界に炭化物などを析出させ粒界を強化した後、600〜750℃で時効しγ′相を増加させることが理想的である。中間時効処理を行わなかった場合、高い強度特性は得られるが優れた延性および靭性が得られない。また、γ′相は溶接性を大きく損ねるため、γ′相がない状態、即ちγ′相の固溶温度以上で溶体化処理を行った後に溶接を行う必要がある。
フェライト鋼とNi基超合金を溶接する場合、フェライト鋼は焼き入れ焼き戻しを行った状態、Ni基超合金は溶体化処理を行った状態で溶接されることが一般的である。溶接後、超合金部の延性と靭性を確保するためには800〜850℃での中間時効処理を行う必要があるが、フェライト鋼部をこの温度域に加熱すると強度特性が大幅に劣化する。また、溶接後に700℃以下で時効処理と残留応力緩和処理を行った場合、Ni基超合金部で優れた延性と靭性を得ることができない。
特開2005−121023号公報(特許文献1)では、フェライト鋼と析出強化型のNi基合金とよりなり、中間層として溶接性に優れた固溶強化型Ni基合金(IN617)よりなる中間リングを設けた異材溶接ロータが記載されている。
特開2005−121023号公報
このように、析出強化型のNi基超合金とフェライト鋼を接合する場合、Ni基超合金とフェライト鋼の熱処理整合性が問題となり、溶接構造物全体の強度と延性および靭性を両立させることが困難である。また、特許文献1のように中間リングを用いる構成でも、リング部が固溶強化型合金であるため、起動性及び耐曲がり性が充分ではない。
本発明の課題は、耐用温度が675℃以上の析出強化型のNi基超合金とフェライト鋼を接合する際に問題となる熱処理整合性の問題を解決し、溶接構造物全体の強度と延性および靭性を両立させることである。
上記課題を解決する本発明は、第一のNi基合金と、フェライト鋼とを第二のNi基合金を介して一体化した溶接型タービンロータである。第一のNi基合金は、γ′相(Ni3Al)の固溶温度が900℃以上であり、675℃におけるクリープ破断強度が100MPa以上の析出強化型のNi基合金である。また、第二のNi基合金は、γ′相(Ni3Al)析出強化型Ni基合金であって、実質的にTi,Ta,Nbを含有せず、650℃〜700℃の温度範囲において、γ′相を体積率で10〜25%析出させることができ、かつγ′相の固溶温度が850℃以下であることを特徴とする。第二のNi基合金は、第一のNi基合金に溶接接合され、または溶接肉盛されて配することができる。上記構成によれば、675℃以上の主蒸気温度の蒸気タービンに好適である。
また、上記課題を解決する本発明は、第一のNi基合金と、フェライト鋼とを第二のNi基合金を介して一体化した溶接型タービンロータの製造方法であって、第一のNi基合金に第二のNi基合金を肉盛あるいは接合して第一のNi基合金と第二のNi基合金とを一体化し、一体化したNi基合金に900℃以上で溶体化処理を実施し、さらに第二のNi基合金の固溶温度以上900℃以下の温度範囲において安定化時効処理を行い、その後、焼入れ焼き戻し処理を行ったフェライト鋼を第二のNi基合金に溶接し、Ni基合金とフェライト鋼とが一体化されたタービンロータを650℃〜700℃で時効処理してフェライト鋼部の応力緩和処理を行うとともに、Ni基合金部の析出強化処理を行うことにある。第一のNi基合金に第二のNi基合金を肉盛あるいは接合する前に溶体化処理を施している場合には、第一のNi基合金に第二のNi基合金を肉盛あるいは接合した後の溶体化処理は省略することも可能である。
上記の第二のNi基合金はさらに溶接性と高温強度に優れたNi基合金であることが好ましい。具体的には、γ′相の固溶温度が850℃以下であり、650℃〜700℃の温度範囲においてγ′相を体積率で10〜25%析出させるNi基合金であることが好ましい。
また、0.001〜0.1wt%のC,10〜20wt%以下のCr,2.0〜3.0wt%のAl,WおよびMoを合計量で5〜12wt%、不可避的不純物を含有し、Ti,Ta,Nbを添加されていないγ′相(Ni3Al)析出強化型Ni基合金であることが好ましい。
本発明により、フェライト鋼とNi基合金からなる溶接構造物の高温強度および延性が大幅に改善され、特に蒸気またはガスタービン用溶接型ロータの信頼性が大きく向上する。
以下、上記本発明について更に詳細を説明する。
上記構成の溶接型ロータの好ましい製造方法は以下の通りである。第一のNi基合金は鍛造後そのまま、あるいはさらに溶体化処理を行った後、第二のNi基合金と溶接する。
溶接に用いる金属は第一のNi基合金あるいは第二のNi基合金を主体とした合金がよい。特に、溶接性の観点からは第二のNi基合金が好ましい。第二のNi基合金は溶接材料として第一のNi基合金に肉盛されても良い。
第一のNi基合金に第二のNi基合金を接合した後、第一のNi基合金のγ′相固溶温度以上で溶体化処理を実施し、その後第二のNi基合金の固溶温度以上900℃以下の温度範囲で中間時効処理を実施する。
中間時効処理を実施した後、第一のNi基合金と第二のNi基合金からなる構造物にフェライト鋼を溶接する。溶接金属は第二のNi基合金またはフェライト鋼の何れかを選択して使用する。溶接後の検査の容易性の観点からはフェライト鋼とすることが好ましい。
フェライト鋼を溶接した後、650〜700℃でフェライト鋼溶接部の残留効力を完全に緩和するとともに第二のNi基合金にはγ′相を析出させ、第一のNi基合金では中間時効で析出したγ′相をさらに増加させる。
フェライト鋼部の残留応力が緩和できないと、溶接残留応力と使用時の温度負荷によりクリープ損傷が進みクリープ寿命が極端に短くなる。Ni基合金とフェライト鋼の継ぎ手部のクリープ強度は、フェライト鋼側のクリープ強度で決まる。Ni基合金のクリープ強度はフェライト鋼と比較して圧倒的に強いため、Ni基合金側には残留応力が残ってもNi基合金側のクリープ寿命は問題にならない。
ここでγ′相は溶接性を損ねるため、第二のNi基合金には、フェライト鋼との溶接時、すなわち中間時効処理を行った後もγ′相の析出がない必要がある。なおかつ、650〜700℃での時効によりγ′相を析出させ、必要な強度を得ることができる必要がある。
第二のNi基合金に650℃以下で有効な耐力を与えるためには、10%以上のγ′相を析出させる必要がある。一方、γ′相の量が25%を超えると中間時効処理後の冷却中にγ′相が析出し溶接性を阻害する。従って、650〜700℃の時効処理で析出するγ′相の量は体積率で10〜25%であることが望ましい。
γ′相の固溶温度と低温でのγ′相の析出量は相関関係がある。一般的なNi基合金では、固溶温度が800℃の場合、700℃でのγ′相の析出量は5%程度である。第二のNi基合金はこれまでのNi基合金とは異なった特性をもつNi基合金である必要がある。このような特性およびフェライト鋼との化学的親和性を得るのに必要な第二のNi基合金の好ましい化学成分は以下の通りである。
Crは、耐食性を確保する上で重要な元素であり、10〜18重量%を添加する。通常、Ni基合金を高温で使用するためには、15wt%以上のCr添加が必要である。また、過剰に添加すると、脆化相として知られるσ相が析出するため、23wt%程度までの添加が一般的である。しかしながら本発明では、第二のNi基合金の使用温度は650℃以下であることから10%以上でよい。また、第二のNi基合金とフェライト鋼との溶接の際、Crがフェライト鋼側に拡散すると、界面近傍のフェライト鋼中に有害なδフェライト相を析出するため、18wt%以下に抑えることが望ましい。
Nb,Ti,Taは、γ′相を高温まで安定化し、強度を高める効果があるが、700℃以下ではγ′相の安定化に寄与しない。従って、本発明では添加せず、実質的に合金中に含有させないことが好ましい。これらの元素を使用しないことで、固溶温度の低減と低温でのγ′相析出量の増加を両立させることができる。Nb,Ti,Taは、高温ではγ′相を安定化し高強度化するため、従来のNi基鍛造合金では不可欠な添加元素とされてきた(たとえば特開2005−97650号公報参照)。この点で本発明は従来例の合金設計思想と異なる。
Coは固溶強化元素であり強度向上に寄与する。一方、有害相であるσ相を安定にしてしまう。従って、Coの量は23wt%以下とする必要がある。
W,Moなどの耐火元素は、γ′相が析出するマトリックスを固溶強化し、拡散係数を下げて高温でのγ′相の粗大化を抑える効果がある。従って、W,Moなどの耐火元素を5wt%以上添加することが望ましい。一方、耐火元素は有害相であるσ相やμ相を安定化する。また、固溶強化は高温まで維持され、γ′相固溶温度以上でも溶接性に悪影響を与えるため、耐火元素の添加量は12wt%以下とすることが望ましい。
図3に、蒸気タービンの溶接型ロータの構造例を示す。図3Aは、高温側をNi基合金、低温側をフェライト鋼で成形し、溶接した従来型溶接型ロータである。図3Bは、第二のNi基合金で中間リングを作成し、高温側Ni基合金、低温側フェライト鋼と溶接した溶接型ロータである。図3Cは、高温側Ni基合金と、低温側フェライト鋼とを第二のNi基合金の肉盛溶接で溶接した溶接型ロータである。
大型のタービンロータなど、高温側のNi基合金とフェライト鋼の線膨張係数の差が非常に大きい場合は、図3Bのように間に中間リングを入れることで熱膨張係数の差を緩和することが好ましい。また、リングとNi基合金、フェライト鋼の溶接を行う溶接金属は、リングと同様に第二のNi基合金とすることが可能である。一方、線膨張係数の差が小さいものの場合には、図3Cの構成が有効である。
図3Bの溶接型ロータの製造方法は、下記の通りである。まず、第一のNi基合金に第二のNi基合金よりなる中間リングを溶接する。第一,第二のNi基合金を溶接した後、溶体化処理を実施する。溶体化処理後、安定化時効処理を行う。一方、フェライト鋼には、事前に焼入れ・焼き戻し処理を行う。このフェライト鋼を安定化時効処理されたNi基合金に溶接する。溶接されたタービンロータを時効処理し、フェライト鋼部の応力緩和処理,Ni基合金部の析出強化処理を行う。
実施例2として、従来の第一のNi基合金と比較し、本発明の第二のNi基合金の組成・物性について説明する。表1に供試材の化学成分を示す。各供試材を、高周波溶解により作製し、鍛造し板材とした。
Figure 0004719780
図1に、これらの合金のγ′相固溶温度と700℃でのγ′相析出量(面積率)の関係を示す。γ′相の固溶温度は、熱示差分析により決定した。熱示差分析では、溶体化時効処理によりγ′相を析出させた後、試料を昇温させγ′相が固溶する際の反応熱が検知される温度をもとに固溶温度を決定した。700℃でのγ′相析出量は、供試材を700℃において長時間時効した後、SEM観察を行いSEM像について画像解析を行い決定した。長時間時効処理は48時間前後が適当である。
従来材では、γ′相固溶温度が高いほど700℃でのγ′相析出量が多くなり、γ′相の析出強化が強くなり、より高強度となった。CA617などの合金ではγ′相の固溶温度は800℃程度であるが、700℃でのγ′相析出量が5%程度であり、有効な強度が得られない。CA263ではγ′相の析出量は十分であるが固溶温度が900℃以上であり、800〜850℃の中間時効処理で溶接性を悪化させるγ′相が析出する。
Ti,Ta,Nbの添加量が実質的にゼロで、0.001〜0.1wt%のC,10〜20wt%以下のCr,2.0〜3.0wt%のAl,WとMoの和が5〜12wt%のNi基合金(第二のNi基合金)では、γ′相の固溶温度が850℃程度であっても、700℃で10%以上のγ′相を析出させることができた。従って、中間時効処理で溶接性を悪化させるγ′相の析出がなく、650〜700℃の応力緩和処理で十分な強度が得られる。
次に、各合金の溶体化処理,中間時効(時効1)処理,応力緩和処理(時効2)処理を行い、各組織を観察した。図2に、観察の結果を分類し示した。
CA263など、従来材のNi基合金である第一のNi基合金では、時効1により粒界に炭化物などが析出するとともにγ′相が析出した。時効2によりγ′相が成長した。
第二のNi基合金では、時効1により粒界に炭化物などが析出するが、γ′相の析出はない。時効2により、γ′相を10〜30%析出させた。
従来材のNi基合金であるCA617では、上述のように時効2によりγ′相が析出するが析出量が少なかった。
実施例1の蒸気タービン用の溶接ロータの製作を想定し、各種の材料試験を行った。
表2に、溶接ロータの構造(従来:図3A,リング:図3B,肉盛:図3C),熱処理工程、使用した中間材(第二のNi基合金)の組み合わせを示す。高温部にはNi基合金としてCA706,低温部にフェライト鋼(C:0.15wt%,Cr:10wt%,Mo:1.3wt%,W:0.3wt%,Nb:0.1wt%,残部Fe)を用いた。
Figure 0004719780
溶接ロータの製作で想定される熱処理条件を表3に示す。このような処理により、供試材に溶接ロータの各部材の溶接,熱処理作業を想定した熱履歴を与えることができる。Ni基合金部とフェライト鋼は時効応力緩和処理の前に溶接した。表2の熱処理1〜3は表3の熱処理条件と対応する。
Figure 0004719780
上記材料,構造,熱処理を組み合わせた特性評価結果を併せて表2に示す。特性評価の指標として、第一のNi基合金の700℃における引張延性を示す。これは、第一のNi基合金で問題となる高温延性の指標である。第二のNi基合金では、650℃における0.2%耐力値を示す。フェライト鋼についても650℃における0.2%耐力値を示す。
ロータ1では、第一のNi基合金の延性が確保できなかった。溶接ロータ2では、第一のNi基合金の延性が改善されているものの、フェライト鋼が高い温度にさらされるためフェライト鋼部の強度が大幅に劣化していた。ロータ3では、Ni基合金およびフェライト鋼部の強度および延性は良好であったが、溶接時にNi基合金側に溶接性を悪化させるγ′相が析出しているため溶接割れが発生した。従って、従来構造を採用したロータ1ないし3では、高温強度および延性を両立させることが難しい。
リングを用いたロータ4〜9では、いずれも溶接割れは生じなかった。しかしながら、ロータ4および5では、中間時効処理がないため、粒界に炭化物などを析出させておらず、第一のNi基合金の延性が確保できなかった。
また、リング材として従来材を使用したロータ7〜9では、熱処理条件に関わらず、中間材部の強度を高めることが困難であった。
ロータ6では、第二のNi基合金に、実施例2のNi基合金を使用し、960℃での溶体化処理,中間時効処理,応力緩和処理(熱処理3)を行ったものであって、第一のNi基合金の延性,フェライト鋼部および第二のNi基合金の強度が何れも優れていた。ロータ6と同様に、第二のNi基合金部を溶接肉盛としたロータ10でもNi基合金と同様にロータ全体で優れた特性が得られた。
本発明は、温度勾配を有する部品で高温部をNi基合金、低温部をフェライト鋼とする溶接構造物全般に適用でき、溶接部全体で高い強度,延性を得ることが可能である。図4は、溶接型ロータ以外の適用例を示す図である。
図4Aは、高温配管の構成例を示す図である。上述の実施例と同様に処理を行うことにより、第一のNi基合金の延性,フェライト鋼部および第二のNi基合金の強度が何れも優れていた。その結果、溶接構造物全体の強度と延性および靭性を向上させることができる。このような配管は、ボイラ用などの高温用途で広く使用できる。
図4Bは、フェライト鋼の軸に、リング状のNi基合金をはめ、溶接して構成されるリング溶接型ロータの構造を示す図である。第一のNi基合金よりなるリングと、フェライト鋼よりなるロータ軸材を、本発明の第二のNi基合金で接続することにより、溶接構造物全体の高温強度と延性を向上させることができる。
γ′相固溶温度と700℃におけるγ′相析出量の関係。 供試材の組織変化の模式図。 溶接型ロータの構成。 その他の溶接構造物への適用例。

Claims (5)

  1. 第一のNi基合金よりなる部材と、フェライト鋼よりなる部材とを第二のNi基合金を介して一体化して構成される溶接型タービンロータであって、
    前記第一のNi基合金はγ′相の固溶温度が900℃以上であり、675℃におけるクリープ破断強度が100MPa以上であるNi基合金であり、
    前記第二のNi基合金は、γ′相析出強化型Ni基合金であって、γ′相の固溶温度が850℃以下であり、650℃〜700℃の温度範囲において、γ′相を体積率で10〜25%析出させることができ、かつTi,Ta,Nbを含まないNi基合金であることを特徴とする溶接型タービンロータ。
  2. 請求項1に記載された溶接型タービンロータであって、
    前記第二のNi基合金よりなる部材が前記第一のNi基合金よりなる部材と溶接接合されており、かつ前記第二のNi基合金よりなる部材が前記フェライト鋼よりなる部材と溶接接合されていることを特徴とする溶接型タービンロータ。
  3. 請求項1に記載された溶接型タービンロータであって、
    前記第一のNi基合金よりなる部材と、前記フェライト鋼よりなる部材とは、前記第二のNi基合金を溶接金属として溶接されていることを特徴とする溶接型タービンロータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された溶接型タービンロータであって、
    主蒸気温度675℃以上の蒸気タービンに使用することを特徴とする溶接型タービンロータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された溶接型タービンロータであって、
    前記第二のNi基合金は、0.001〜0.1wt%のC,10〜20wt%のCr,2.0〜3.0wt%のAlを含み、かつWおよびMoの少なくともいずれかを含み、WおよびMoの和が5〜12wt%であって、残部がNi及び不可避的不純物よりなるNi基合金であることを特徴とする溶接型タービンロータ。
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