JP2006124776A - 耐熱合金および耐熱合金の製造方法 - Google Patents

耐熱合金および耐熱合金の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温における、耐力、クリープ破断強度などの機械的強度特性や、耐酸化特性などの耐環境特性に優れた耐熱合金および耐熱合金の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:0.5〜2、Ti:2〜3、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下に調整してなることを特徴とする。高温状態における所望の高温特性を有することができ、長時間にわたって、安定した高温特性を確保することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱合金および耐熱合金の製造方法に関し、特に蒸気タービンの発電設備の部材として優れた性能を示す耐熱合金および耐熱合金の製造方法に関する。
火力発電設備の高温部品材料として、1Cr−1Mo−0.25V鋼に代表される低合金耐熱鋼や、12Cr−1Mo−VNbN鋼に代表される高Cr系耐熱鋼が多用されている。しかし、近年の火力発電設備は、蒸気温度の高温化が急速に進められ、より高温特性に優れた高Cr系耐熱鋼の使用が増加してきた(例えば、特許文献1−4参照。)。
また、蒸気タービン高温部におけるボルト、翼などの小型部品には、機械的性質が被締結部品と同等で、高温特性に優れたフェライト系耐熱鋼が使用されてきた。しかし、近年は、上述したように、火力発電プラントの高効率化が積極的に進められ、600℃程度の高温蒸気を利用した蒸気タービンが運転されている。このような蒸気タービンにおいては、フェライト系耐熱鋼では部品としての要求特性を満足することができないので、より高温特性に優れた鍛造用耐熱合金が使用される場合がある(例えば、特許文献5−6参照。)。
特公昭60−54385号公報 特開平2−149649号公報 特開平6−306550号公報 特開平8−3697号公報 特開平10−298682号公報 特開2002−235134号公報
しかしながら、上記した従来の合金は、高温特性には優れているが、600℃程度の加熱による脆化が不可避であるという欠点がある。また、従来の合金において、靭性が低い素材で形成された部品は、それを一定期間毎に取り外すときに不可避的に生じる衝撃力に対する抵抗力も低く、割れ、破壊などの機械的損傷が発生しやすいなどの欠点がある。さらに、従来の合金をより高温の、例えば700℃程度で用いた場合には、加熱による強度低下や初期応力の緩和が著しく、例えば数万時間の長期間にわたる信頼性の高い運用を行うことは難しい。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、高温における、耐力、クリープ破断強度などの機械的強度特性や、耐酸化特性などの耐環境特性に優れた耐熱合金および耐熱合金の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の耐熱合金は、重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:0.5〜2、Ti:2〜3、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であることを特徴とする。
また、本発明の耐熱合金は、重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:0.5〜2、Ti:2〜3、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であり、NiとCrとの合計が60〜75であることを特徴とする。
さらに、本発明の耐熱合金は、重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:2〜4.1、Ti:0.5〜2、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であることを特徴とする。
また、本発明の耐熱合金は、重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:2〜4.1、Ti:0.5〜2、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であり、NiとCrとの合計が60〜75であることを特徴とする。
本発明の耐熱合金の製造方法は、上記した耐熱合金のいずれかの組成成分を有する耐熱合金の製造方法であって、前記組成成分を有する合金を真空誘導溶解する真空誘導溶解工程と、前記真空誘導溶解された合金を1100℃以上に加熱後、900℃以下にならないように温度を維持して、熱間鍛造する熱間鍛造工程と、前記熱間鍛造後、1090〜1150℃の温度範囲内において溶体化処理を行う溶体化処理工程と、前記溶体化処理後、830〜860℃の温度範囲内において第1の時効熱処理を行い、その後740〜770℃の温度範囲内において第2の時効熱処理を行う時効熱処理工程とを具備することを特徴とする。
上記した耐熱合金および耐熱合金の製造方法によれば、上記した各元素を所定の範囲で含有し、Mo当量(Mo量とW量/2の合計の含有率(重量%))を所定の範囲とし、主として微細なγ’相を所定量析出させることができる。また、必要に応じてNiとCrの総含有率を所定の範囲に調整し、不純物元素量を抑制した上で、所定の体積率のγ’相を析出させてもよい。これによって、高温状態における所望の、耐力、クリープ破断強度などの機械的強度特性や、耐酸化特性などの耐環境特性を有することができ、長時間にわたって、安定した高温特性を確保することができ、さらに運用にともなう熱応力の発生を抑制することができる。
本発明の耐熱合金および耐熱合金の製造方法によれば、高温における、耐力、クリープ破断強度などの機械的強度特性や、耐酸化特性などの耐環境特性に優れている。
以下、本発明の一実施の形態を説明する。
本発明の耐熱合金は、次に示す(M1)〜(M4)の化学組成範囲の耐熱合金から条件に応じて適宜に選択される。なお、以下に示す化学組成の割合は、特に明記しない限り重量%とする。
(M1)C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:0.5〜2、Ti:2〜3、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下である耐熱合金。
(M2)C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:0.5〜2、Ti:2〜3、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であり、NiとCrとの合計が60〜75である耐熱合金。
(M3)C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:2〜4.1、Ti:0.5〜2、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下である耐熱合金。
(M4)C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:2〜4.1、Ti:0.5〜2、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であり、NiとCrとの合計が60〜75である耐熱合金。
次に、耐熱合金の各成分を上記した範囲内に限定した理由を説明する。
(1)C(炭素)
Cは、各種炭化物の構成元素として有用な元素である。Cの含有率が0.1%を超えると粗大な未固溶炭化物や共晶炭化物の生成量が急激に増加するため、Cの含有率は0.1%以下が好ましい。さらに、Cの有用性を発揮するためには、Cの含有率が0.01%以上であることが好ましい。そのため、Cの含有率を0.01〜0.1%とした。
(2)Si(ケイ素)
Siは、脱酸剤として有用であり、また、耐水蒸気酸化性を向上させる。しかし、その含有量が高い場合は、靭性の低下および脆化を促進するため、この観点から、Siの含有量は、可能な限り抑制することが望ましい。Siの含有率が0.5%を超えると上記特性が著しく低下するため、Siの含有率は0.5%以下が好ましい。さらに、Siの脱酸剤としての有用性および耐水蒸気酸化性を発揮するためには、Siの含有率が0.05%以上であることが好ましい。そのため、Siの含有率を0.05〜0.5%とした。
(3)Mn(マンガン)
Mnは、脱硫剤として有用な元素であるが、Mnの含有率が0.5%を超えて添加すると非金属介在物の生成量が増加するため、Mnの含有率を0.5%以下が好ましい。さらに、Mnの脱硫剤としての有用性を発揮するためには、Mnの含有率が0.05%以上であることが好ましい。そのため、Mnの含有率を0.05〜0.5%とした。
(4)Cr(クロム)
Crは、耐酸化性、耐食性に有効である。Crの含有率が7%未満の場合には、高温水蒸気環境下でCr酸化物の皮膜形成が十分でないため耐水蒸気酸化特性が確保できず、12%を超えると高温での膨張量を増加させる。そのため、Crの含有率を7〜12%とした。また、Crの含有率のより好ましい範囲は、9〜12%である。
(5)B(ホウ素)
Bは、析出物の高温安定性を高めるとともに結晶粒界の強化に寄与する。これらの効果は、Bの含有率が0.003%以上の添加で認められるが、0.01%を超えると成形性を著しく悪化させる。そのため、Bの含有率を0.003〜0.01%とした。また、Bの含有率のより好ましい範囲は、0.003〜0.007%である。
(6)W(タングステン)
Wは、母相の固溶強化に寄与して高温強度を高めるとともに、高温での膨張量を低減する効果を有する。これらの効果は、Wの含有率が1%未満では認められない。一方、Wの含有率が7%を超えると、高温加熱により脆化相が経時的に析出し、また、合金の比重も増加する。そのため、Wの含有率を1〜7%とした。また、Wの含有率のより好ましい範囲は、1〜5%である。
(7)Mo(モリブデン)
Moは、母相の固溶強化に寄与して高温強度を高めるとともに、高温での膨張量を低減する効果を有する。これらの効果は、Moの含有率が9%未満では認められない。一方、Moの含有率が17%を超えると高温加熱により脆化相が経時的に析出し、また、合金の比重も増加する。そのため、Moの含有率を9〜17%とした。また、Moの含有率のより好ましい範囲は、9〜15%である。
(8)Co(コバルト)
Coは、母相の固溶強化にも寄与して高温強度を高めるとともに、高温長時間加熱によるγ’相の安定性を増加させる。これらの効果は、Coの含有率が、3%未満では認められない。一方、Coの含有率が15%を超えると加工性や経済性が著しく損なわれる。そのため、Coの含有率を3〜15%とした。また、Coの含有率のより好ましい範囲は、3〜10%である。
(9)Al(アルミニウム)
Alは、本発明の耐熱合金の主強化相であるγ’相の構成元素として不可欠な元素であるとともに、高温での耐酸化性を高める効果を有する。Alの含有率が0.5%未満では、γ’相の体積率が少なく所望の高温強度が発揮できず、また、耐酸化性が低い。高温強度を重視した場合には、Alの含有率が2%程度を上限に良好な特性が得られ、耐酸化性を重視した場合には、より多くのAlを添加してAl酸化物の生成を促進させる必要がある。この耐酸化性を重視した場合には、Alを主構成元素とするβ相の析出を促進し、粒界酸化やそれに誘発される粒界割れを抑制する効果も有する。一方、Alの含有率が4.1%を超えると成形性を著しく悪化させ、靭性の低下や切欠弱化を生じる。そのため、Alの含有率を0.5〜4.1%とした。特に、高温強度を重視した場合(Tiを2〜3%含有した場合)には、Alの含有率のより好ましい範囲は、0.5〜2%であり、さらに好ましい範囲は、0.5〜1.5%である。また、耐酸化性を重視した場合(Tiを0.5〜2%含有した場合)には、Alの含有率のより好ましい範囲は、2〜4.1%である。なお、耐酸化性を重視した場合のTiの含有率のより好ましい範囲は、0.5〜1.8%である。
(10)Ti(チタン)
Tiは、本発明の耐熱合金の主強化相であるγ’相の構成元素として不可欠な元素であるとともに、高温での耐酸化性を高める効果を有する。Tiの含有率が0.5%未満の添加ではγ’相の体積率が少なく所望の高温強度が発揮できず、また、耐酸化性が低い。この場合は、同種の効果を期待できるAlの添加量を増量する必要がある。一方、Alの添加量を抑制した場合は、Alの代替効果をTiに持たせる必要があり、所望のγ’相の体積率と耐酸化性を発揮させるためには、Tiの含有率が2%を超えることが必要となる。また、Tiの含有率が3%を超えると、成形性を著しく悪化させ、靭性の低下や切欠弱化を生じるとともに、粗大な炭化物の生成量が急激に増加する。そのため、Tiの含有率を0.5〜3%とした。
次に、Mo量とW量/2との合計を10〜17%に制限した理由を説明する。
上記(6)および(7)に記載したように、本発明の耐熱合金においてWとMoは、母相の固溶強化と熱膨張量の低減する効果を有し、また、γ’相の安定化に寄与する。一方でこれらの元素は、高温加熱にともない新たに析出する粗大な金属間化合物の構成元素でもあり、これらの析出は脆化を誘発するため、その析出は可能な限り抑制することが好ましい。W、Moの両元素が複合的に添加される本発明の耐熱合金においては、両元素の効果を一義的に表記可能なMo当量(Mo量とW量/2の合計の含有率(重量%))と称される指標を用いることが好適である。Mo当量が10%未満の場合には、固溶強化量並びにγ’相の安定化が十分に確保されず、高温強度および高温長時間加熱にともなう、例えば高温特性などの安定性が急激に低くなる。また、熱膨張量の抑制が困難となり、発生する熱応力が大きくなるという欠点を有する。ここで、高温特性とは、高温における、耐力、クリープ破断強度などの機械的強度特性や耐酸化特性などの耐環境特性などの特性をいう。
一方、Mo当量が17%を超えると、高温加熱中の金属間化合物の析出が不可避となり、材料の脆化が著しくなる。また、熱膨張量が過剰に小さくなるため、被締結部品の熱膨張量との兼ね合いで、熱応力発生が大きくなるという欠点を有する。高温特性などの安定性、熱膨張量の最適化の観点から、MoおよびWを所定の範囲で添加した上で、両者の複合添加指標であるMo当量を10〜17%とした。
次に、上記(M2)、(M4)の耐熱合金において、NiとCrとの合計を60〜75%に制限した理由を説明する。
蒸気タービンの運転中には、特にその高温部において酸化皮膜が生成し、その酸化皮膜が基材に強固に付着して基材を保護する効果を有する。しかしながら、加熱冷却の繰返しや飛来物の衝突によって、酸化皮膜が剥離して基材の減肉を生じたり、剥離した酸化皮膜が下流側の機器に損傷を与える場合がある。このため、本発明の耐熱合金においては、高温蒸気環境下での酸化皮膜の生成量を制御するため、Crの添加量に制限を加えた上で、NiとCrの合計の添加量についても制限することとした。
ここで、好ましい酸化皮膜の生成状態としては、基材表層がCrによって被覆された状態であり、基材を構成するNiの優れた耐酸化性を利用するものである。また、Alの添加量を増加した場合のように、基材とCrの中間にAlの皮膜を生成する被覆状態はさらに好適である。NiとCrの総含有率が60%以上の場合には、50μm程度以下のCrの保護皮膜が形成され、かつ基材のNiによる耐酸化性を確保し得る。NiとCrの2元素のうち、Crの含有率が7〜12%の範囲内の下限に近い場合には、Crの生成量(厚さ)は減少するが、基材のNiの含有量を相対的に増加させることで、耐熱合金としての耐酸化性を確保することが可能となる。NiとCrの総含有率が60%未満の場合には、Crによる耐酸化性とNiによる耐酸化性のバランスが崩れ、酸化皮膜の生成量が不十分となり、十分な保護皮膜の役割を果たさない状態となる。一方、NiとCrの総含有率が75%を超える場合には、耐酸化特性の観点からは好ましいが、Mo、W、Ti、Coなどの強化元素の含有量が相対的に低下するため、高温でのクリープ強度や高温加熱にともなう、高温特性などの低下が大きくなる。これらのことから、Crの含有率を上述の範囲に制限した上で、NiとCrの総含有率を60〜75%とした。
なお、上記成分ならびに主成分であるNiを添加する際に付随的に混入する不純物元素の含有量は、極力低減されることが望ましい。
また、本発明の耐熱合金は、上記成分ならびに主成分であるNiで構成されるとともに、Ni、AlおよびTiで主に形成される金属間化合物を析出し、この金属間化合物の体積率が6〜25%で、かつ個々の金属間化合物の平均直径が、熱処理後において0.2μmを超えないよう構成されてもよい。
ここで、Ni、AlおよびTiで主に形成される金属間化合物であり、主強化相であるγ’相(Ni(Al、Ti))の体積率を6〜25%に制限した理由を説明する。
本発明の耐熱合金の高温特性は、上記(6)、(7)および(8)の元素による母相の固溶強化に加え、(1)、(9)および(10)の元素を構成元素とする析出物による強化と、(5)の元素による析出物の安定化の複合作用とによって発揮される。このうちNiとAlあるいはTiから構成されるγ’相については、その体積率が低い場合には、所望の高温強度が発揮できず、また、その体積率が高い場合には、成形性および加工性が著しく低下することが定性的には明らかにされている。
したがって、所望のクリープ強度を発揮させ、かつ良好な成形性および加工性を確保するにはγ’相の体積率に制限を設ける必要がある。ただし、本発明の耐熱合金におけるγ’相は、平均直径が0.2μm未満の極めて微細な状態に調整されるため、実験的にγ’相の体積率を確認することは困難な場合が多い。また、γ’相の析出量は、AlやTiの含有量だけでなく、それ以外の添加元素の種類や含有量に少なからず影響を受ける。そこで、ここでは母相とγ’相中ヘの各元素の分配量を熱力学上の相平衡に基づいた回帰計算により算出し、γ’相の体積率の最適範囲を設定した。ここで、γ’相の体積率が大きい場合は、実測の体積率との対応関係が確認できており、γ’相の体積率が小さい場合は、実測は困難なものの、計算値の妥当性は、高温強度との対応関係から妥当なことが確認されている。これらの結果、本発明の耐熱合金の化学組成範囲では、γ’相の体積率が6%未満ではクリープ強度が低く、25%を超えると成形性および加工性が著しく低下するため、γ’相の体積率を6〜25%とした。
また、金属間化合物であるγ’相の平均直径が、熱処理後において0.2μmを超えないものと制限したのは、γ’相の直径が0.2μmを超えると、析出強化量が低下し、所望のクリープ強度を発揮できないからである。また、γ’相の平均直径のさらに好ましい範囲は、0.15μm未満である。
また、本発明の耐熱合金は、熱処理後における常温0.2%耐力(F)と、熱処理後、この熱処理の最終段階における熱処理温度未満の温度に所定時間晒された後における常温0.2%耐力(F)との比(F/F)が、0.8以上であることが好ましい。
ここで、上記した常温0.2%耐力比(F/F)を0.8以上であることが好適な理由を説明する。
高温下で使用される材料は、その材料特性が初期状態と比べ少なからず変化する。特に、本発明の耐熱合金のように、微細なγ’相を析出させ、その析出強化に依存して高温特性を発揮する材料においては、高温加熱によるγ’相の粗大化に伴い、特に、強度特性が低下することが知られている。通常、機器設計は、材料の初期特性を基準に行われており、使用中の材質劣化や強度特性の低下は反映されていない。そのため、使用温度環境との兼ね合いで、強度特性の低下の度合いに制限を設けない場合は、高温状態における長期間での安定運用が不可能となる。そこで、耐熱合金の化学組成および析出物の体積率を制限した上で、長期間にわたり十分な強度特性を発揮させる限界として、常温0.2%耐力比(F/F)を0.8以上とした。
さらに、本発明の耐熱合金は、熱処理後における残留応力(σ)と、熱処理後、この熱処理の最終段階における熱処理温度未満の温度において、所定のひずみが付与された状態に所定時間晒された後における残留応力(σ)との比(σ/σ)が、0.7以上であることが好ましい。
ここで、上記した残留応力比(σ/σ)が0.7以上であることが好適な理由を説明する。
特に、締結部品材料においては、高温環境下での運転中の蒸気漏洩を抑制するため、応力緩和特性が重要となり、高温下での運転中の残留応力が高いほど締結部品としての機能に優れていることになる。上記した残留応力比(σ/σ)が0.7を下回ると、締結部品材料として用いた耐熱合金の材質劣化が進行して、材料の強度特性が低下し、増し締めや交換などの対処が必要となる。そこで、耐熱合金の化学組成および析出物の体積率を制限した上で、長期間にわたり十分な締め付け力を発揮させる限界として、残留応力比(σ/σ)を0.7以上とした。
また、本発明の耐熱合金は、500〜700℃の温度において、温度(T)と、熱膨張率の10倍の値(E)と、定数Aと、定数Bとの間に、「E=A×T+B」の関係が成り立ち、その際、定数Aは0.0055〜0.007、定数Bは9〜11である。
ここで、温度(T)と熱膨張率の10倍の値(E)との「E=A×T+B」の関係において、定数Aが0.0055〜0.007、定数Bが9〜11であることが好適な理由を説明する。
締結部は、異なる材質の部品から構成される場合が多く、機器設計に当たっては強度特性とともに、これらの熱膨張量の差や熱伝導度の差によって生じるひずみ量を十分に考慮する必要がある。被締結部品は、その形状が比較的大型で複雑形状の場合が多く、その製造が困難な材質が多いため、現実的には被締結部品材料に用いることが可能な材質は限定される。したがって、本発明の耐熱合金を締結部品の材料として用いる場合は、被締結部品の材料との熱膨張量や熱伝導度の差から生じるひずみ量が、少なくとも従来から安定に運用されてきたフェライト系耐熱鋼どうしの締結構造において発生するひずみ量と同等以下に抑制されることが好ましい。
上記した定数AおよびBの範囲は、被締結部品と締結部品がいずれもフェライト系耐熱鋼で構成されている場合の熱膨張差と熱伝導度から算出される熱ひずみの上限値および下限値に基づくものである。本発明の耐熱合金は、被締結部品の材料としてフェライト系耐熱鋼もしくは固溶強化型の超耐熱合金を用いることを前提としており、この際、定数Aが0.0055〜0.007、定数Bが9〜11にある場合は、締結部品として用いる本発明の耐熱合金自体の熱膨張差と熱伝導度から算出される熱ひずみ、および被締結備品材料として上述の材料を用いた締結部の起動・停止にともなう熱ひずみが抑制され、長期間の安定運用が可能になる。このことに基づいて、定数Aを0.0055〜0.007、定数Bを9〜11とした。
本発明の一実施の形態における耐熱合金によれば、上記(1)〜(10)に述べた元素を所定の範囲で含有し、Mo当量を所定の範囲とし、必要に応じてNiとCrの総含有率を所定の範囲に調整し、不純物元素量を抑制した上で、所定の体積率のγ’相を析出させることができる。これによって、高温状態において、所望の高温特性を有することができ、長時間にわたって安定した高温特性を確保することができ、さらに運用にともなう熱応力の発生を抑制することができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
(第1の実施例)
ここでは、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金が優れた特性を有することを説明する。
第1の実施例における供試合金は、本発明の化学組成範囲にある材料約30kgを真空誘導溶解後、鋳込んだ鋳塊を熱間鍛造し、続いて溶体化熱処理を行い、さらに時効熱処理で諸特性を調整して作製された。ここで、溶体化熱処理は、1090〜1150℃の温度範囲で行った。また、時効熱処理においては、830〜860℃の温度範囲で第1の時効熱処理を行い、その後に、さらに740〜770℃の温度範囲で第2の時効熱処理を行った。そして、作製された供試合金は、常温0.2%耐力が800〜900MPa程度に調整されている。
表1に、作製された供試合金の化学組成を示す。表1に示された供試合金のうち合金P1〜合金P14は、本発明に係る組成範囲にある耐熱合金である。一方、合金C1〜合金C6は、その組成が本発明記載の化学組成範囲にない耐熱合金であり、比較例である。なお、これらの合金は、熱処理後に、表1に併記したγ’相の体積率に調整されている。また、表1に示された数値の単位は、重量%である。
表2には、各合金について実施したクリープ破断試験に基づいて、700℃−10万時間クリープ破断強度に外挿した結果が示されている。ここで、表2の700℃−10万時間クリープ破断強度の結果において、クリープ破断強度が150MPa以下の場合には「1」、150MPaを超え250MPa以下の場合には「2」、250MPaを超える場合には「3」と表記して、クリープ破断強度を区分けして示している。
表2に示された700℃−10万時間クリープ破断強度の結果から、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)におけるクリープ破断強度は、「2」または「3」のクリープ破断強度の区分に属し、少なくとも150MPaを超えるクリープ破断強度であった。本発明の耐熱合金のクリープ破断強度には、Mo当量とγ’相の体積率とが主として影響しているが、これらのバランスの調整により、いずれも150MPaを超えるクリープ破断強度を示している。一方、比較例では、合金C3〜合金C6は、「1」のクリープ破断強度の区分に属し、150MPa以下のクリープ破断強度であった。また、合金C1および合金C2は、「3」のクリープ破断強度の区分に属し、250MPaを超えるクリープ破断強度を示したが、合金C2は、鍛造成形が不可能な成分比率であり、合金C1は、成形が極めて難しい成分比率であり、強度以外の面で種々の問題を備えている。
また、熱処理後の各合金における常温0.2%耐力(F)、および熱処理後の各合金に700℃で1万時間の恒温時効処理を施して常温0.2%耐力(F)を測定した。表2には、700℃で1万時間の恒温時効処理を施した後の常温0.2%耐力(F)を、熱処理後の常温0.2%耐力(F)で除した、常温0.2%耐力比(F/F)が示されている。
表2に示された常温0.2%耐力比から、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)における常温0.2%耐力比は、0.85〜0.9程度であり、高温での強度特性の安定性は極めて高かった。また、比較例における合金C1〜C4についても、この常温0.2%耐力比に関して遜色がない。一方、比較例の合金C5は、著しい強度低下を示した。また、比較例の合金C6が1以上の数値を示しているのは、初期強度が低いためである。
さらに、熱処理後の各合金に700℃で0.2%のひずみを付与し、残留応力の時間変化を測定した。表2には、1万時間を経過した時点での残留応力(σ)を、0.1時間を経過した時点での残留応力(σ)で除した、残留応力比(σ/σ)が示されている。
表2に示された残留応力比から、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)における残留応力比は、0.75〜0.8であり、優れた応力緩和特性を示した。また、比較例における合金C1およびC2についても、この残留応力比に関して遜色がない。一方、比較例の合金C3〜C6は、残留応力の低下が著しかった。なお、ここでは、700℃で0.2%のひずみを付与して0.1時間を経過した時点での残留応力(σ)に対する残留応力比(σ/σ)が示されているが、残留応力の時間変化の測定開始時における残留応力に対する残留応力比においても0.7以上の値を得ることができる。
また、熱処理後の各合金を700℃の水蒸気環境下で1万時間加熱し、その前後での重量変化を測定した。表2には、1万時間加熱後の単位面積当りの重量から1万時間加熱前の単位面積当りの重量を減算した、重量変化(g/cm)が示されている。
表2に示された重量変化から、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)における重量変化は、最大でも0.004未満であり、優れた耐水蒸気酸化特性を示した。比較例においても合金C5以外は、良好な耐水蒸気酸化特性を示すが、合金C1および合金C2は、前述のように素材の成形性が劣り、合金C3、合金C4および合金C6は、前述の残留応力比が著しく小さかった。
以上の測定結果から、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)は、所定のγ’相の体積率に調整された場合には、700℃−10万時間クリープ破断強度、700℃−1万時間加熱後の強度、700℃−ひずみ0.2%における1万時間経過後の残留応力、700℃−1万時間後の重量変化、および素材の成形性のすべてについて、所望の特性を満足するものであった。この結果から、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)は、優れた高温特性を有するものであることが明らかになった。一方、本発明記載の化学組成範囲にない比較例の耐熱合金(合金C1〜C6)は、上記した各項目すべての所望の特性を満足するものではなかった。
Figure 2006124776
Figure 2006124776
(第2の実施例)
ここでは、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金が、所定のγ’相の析出量を確保した状態に調整されることが好適なことを説明する。
第2の実施例では、表1で示した合金P2〜合金P4、合金P6、合金P10および合金P14について、1120℃における溶体化熱処理後、720〜850℃の温度範囲で、2段の時効熱処理が施され、γ’相の体積率が調整された供試合金が用いられた。
なお、表1に併記したγ’相の体積率は、熱力学上の相平衡に基づいた回帰計算で算出された値のため、その合金組成としては最も多量にγ’相が析出した状態の数値である。したがって、上記時効温度範囲での加熱によって析出するγ’相の体積率は、最大でも各合金について表1に記載された値以下となる。なお、γ’相の体積率が25%を超えると、成形性および加工性が著しく低下することは前述したとおりである。
表3には、上記した各供試合金における10万時間クリープ破断強度の推定結果が示されている。ここで、表3の700℃−10万時間クリープ破断強度の結果において、クリープ破断強度が150MPa以下の場合には「1」、150MPaを超え250MPa以下の場合には「2」、250MPaを超える場合には「3」と表記して、クリープ破断強度を区分けして示している。
表3に示された700℃−10万時間クリープ破断強度の結果から、上記した供試合金において、γ’相の体積率を本発明の範囲(6〜25%)に調整した場合(表3の実施例と記載された合金の場合)には、クリープ破断強度は、「2」または「3」のクリープ破断強度を区分に属し、少なくとも150MPaを超えるクリープ破断強度であった。一方、上記した供試合金において、γ’相の体積率を本発明の範囲(6〜25%)の下限未満に調整された場合(表3の比較例と記載された合金の場合)には、本発明の化学組成範囲にある合金であっても、700℃−10万時間クリープ破断強度は、「1」のクリープ破断強度を区分に属し、150MPa以下のクリープ破断強度であった。
以上の結果から、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金は、所定のγ’相の体積率に調整された場合、その所定のγ’相の体積率に満たない比較例に比べ、優れた初期のクリープ破断強度を発揮することが明らかになった。
Figure 2006124776
(第3の実施例)
ここでは、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金が、被締結部材との兼ね合いで良好な熱膨張特性を有することを説明する。
500〜700℃の温度における熱膨張量と温度との間に1次関数の関係が成り立ち、次の式(1)で表すことができる。
E=A×T+B …式(1)
ここで、Eは、熱膨張率の10倍の値であり、Tは温度である。また、A、Bは定数であり、本発明では、定数Aは0.0055〜0.007、定数Bは9〜11と規定している。
表1に示した各合金において計測された熱膨張量から、500〜700℃における熱膨張率を、上記した式(1)で近似し、その際の2種類の定数AおよびBの値を求めた。表2には、その算出した定数AおよびBを示す。
表2に示された定数AおよびBから、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)における定数AおよびBは、上記したそれぞれの規定値に範囲にあることが明らかとなった。また、比較例の合金C2および合金C3における定数AおよびBは、上記したそれぞれの規定値に範囲にあるが、成形性や応力緩和特性の観点から、所望の合金にはなり得ないことは前述したとおりである。一方、比較例の合金C1、合金C4〜合金C6における定数AおよびBは、そのいずれか、または双方が上記した規定値の範囲外となっている。
次に、大型品としての製造性や成形性に優れた比較例の合金C5を被締結部品として、本発明の化学組成範囲にある実施例の合金P1〜P14、比較例の合金C1〜合金C6を被締結部品と締結する締結部品として用いたと仮定し、600℃の温度での起動を想定した場合に発生するそれぞれの全ひずみ量を算出した。また、大型品としての製造性や成形性に優れた比較例の合金C6を被締結部品として、本発明の化学組成範囲にある実施例の合金P1〜P14、比較例の合金C1〜合金C4、合金C6を被締結部品と締結する締結部品として用いたと仮定し、700℃の温度での起動を想定した場合に発生するそれぞれの全ひずみ量を算出した。なお、全ひずみ量の算出において、被締結部品の肉厚は全て一定とした。
表4には、上記算出されたそれぞれの全ひずみ量に基づいて、締結部品の全ひずみ量を、被締結部品の全ひずみ量で除した、全ひずみの比を示す。
表4に示した全ひずみの比から、被締結部品の材料を合金C5とした場合の600℃における全ひずみ量の比は、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)を締結部品の材料に用いた場合には、2.565〜2.952であるのに対し、比較例の合金を締結部品の材料に用いた場合には、3.016〜3.444と大きな値を示した。
また、被締結部品の材料を合金C6とした場合の700℃における全ひずみ量の比は、本発明の化学組成範囲にある耐熱合金(合金P1〜P14)を締結部品の材料に用いた場合には、0.766〜0.796であるのに対し、比較例の合金を締結部品の材料に用いた場合には、0.807〜0.967と大きな値を示した。
以上の結果から、本発明の耐熱合金は、上記定数AおよびBに制限を設け、熱膨張率が比較的小さいのみならず、熱伝導率や比熱などと熱膨張率とのバランスが優れているため、全ひずみの発生量が小さく抑制されることが明らかになった。
Figure 2006124776

Claims (9)

  1. 重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:0.5〜2、Ti:2〜3、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であることを特徴とする耐熱合金。
  2. 重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:0.5〜2、Ti:2〜3、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であり、NiとCrとの合計が60〜75であることを特徴とする耐熱合金。
  3. 重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:2〜4.1、Ti:0.5〜2、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であることを特徴とする耐熱合金。
  4. 重量%で、C:0.1以下、Si:0.5以下、Mn:0.5以下、Cr:7〜12、B:0.003〜0.01、W:1〜7、Mo:9〜17、Co:3〜15、Al:2〜4.1、Ti:0.5〜2、MoとW/2との合計が10〜17であって、残部がNiおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうちP:0.01以下、S:0.01以下、Fe:5以下であり、NiとCrとの合計が60〜75であることを特徴とする耐熱合金。
  5. 熱処理によって主としてNiとAlとTiから構成される金属間化合物を析出させ、前記金属間化合物の体積率が6〜25%であり、かつ、個々の前記金属間化合物の直径が、熱処理後に0.2μmを超えないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の耐熱合金。
  6. 熱処理後における常温0.2%耐力(F)と、熱処理後、この熱処理の最終段階における熱処理温度未満の温度に所定時間晒された後における常温0.2%耐力(F)との比(F/F)が、0.8以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の耐熱合金。
  7. 熱処理後における残留応力(σ)と、熱処理後、この熱処理の最終段階における熱処理温度未満の温度において、所定のひずみが付与された状態に所定時間晒された後における残留応力(σ)との比(σ/σ)が、0.7以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の耐熱合金。
  8. 500〜700℃の温度において、温度(T)と、熱膨張率の10倍の値と、定数Aと、定数Bとの間に、E=A×T+Bの関係が成り立ち、前記定数Aが0.0055〜0.007であり、前記定数Bが9〜11であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の耐熱合金。
  9. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の組成成分を有する耐熱合金の製造方法であって、
    前記組成成分を有する合金を真空誘導溶解する真空誘導溶解工程と、
    前記真空誘導溶解された合金を1100℃以上に加熱後、900℃以下にならないように温度を維持して、熱間鍛造する熱間鍛造工程と、
    前記熱間鍛造後、1090〜1150℃の温度範囲内において溶体化処理を行う溶体化処理工程と、
    前記溶体化処理後、830〜860℃の温度範囲内において第1の時効熱処理を行い、その後740〜770℃の温度範囲内において第2の時効熱処理を行う時効熱処理工程と
    を具備することを特徴とする耐熱合金の製造方法。
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