JP2013206616A - リチウムイオン二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウム金属複合酸化物からなる核の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させてなる、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【選択図】図1
Description
(2)導電性コバルト酸化物がオキシ水酸化コバルトである、(1)記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
(3)リチウム金属複合酸化物が、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)、式(I):
LiαNixMnyO2 (I)
(ただし、0.90≦α≦1.05、0.40≦x≦0.60、x+y=1)
で表されるリチウム金属複合酸化物、
及び式(II):
LiαNixCoyMnzO2 (I)
(ただし、0.90≦α≦1.05、1/10≦x≦1/3、1/20≦y≦1/3、x+y+z=1)
で表されるリチウム金属複合酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)又は(2)に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
(4)リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、(1)〜(3)いずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(5)リチウム金属複合酸化物と、水酸化コバルトと、アルカリ金属水酸化物とを混合することにより、リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、(4)に記載の方法。
(6)リチウム金属複合酸化物の存在下、コバルト(II)酸性水溶液と、アルカリ金属水酸化物とを反応させることにより、水酸化コバルトが付着したリチウム金属複合酸化物を形成し、次いで、酸素含有ガス雰囲気下、水酸化コバルトが付着したリチウム金属複合酸化物をさらにアルカリ金属水酸化物と反応させることにより、リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、(4)記載の方法。
(7)リチウム金属複合酸化物と、コバルト(II)酸性水溶液とを混合することにより、コバルト(II)化合物が付着したリチウム金属複合酸化物を形成し、次いで、酸素含有ガス雰囲気下、コバルト(II)化合物が付着したリチウム金属複合酸化物を、アルカリ金属水酸化物と反応させることにより、リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、(4)記載の方法。
(8)(1)〜(3)いずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池。
[リチウムイオン二次電池用正極活物質]
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質は、リチウム金属複合酸化物からなる核の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させてなる。粉体抵抗は、優れたレート特性を実現するためには、1000kΩ/cm以下、特に500kΩ/cm以下、さらには200kΩ/cm以下が好ましい。粉体抵抗の下限値は、特に制限はないが、通常1kΩ/cm以上である。
LiαNixMnyO2 (I)
(ただし、0.90≦α≦1.05、0.40≦x≦0.60、好ましくは0.45≦x≦0.55、x+y=1)
で表されるリチウム金属複合酸化物、
及び式(II):
LiαNixCoyMnzO2 (II)
(ただし、0.90≦α≦1.05、1/10≦x≦1/3、1/20≦y≦1/3、x+y+z=1)
で表されるリチウム金属複合酸化物からなる群から選択される少なくとも1種をあげることができる。
上記正極活物質は、本発明に係る製造方法により製造することができる。
本発明に係るリチウムイオン電池は、本発明の正極活物質を用いたことを特徴とする。
1.粉体物性の測定方法
(1)金属原子の含有量(質量%)
各正極活物質粉末の金属原子含有量(質量%)は、塩酸で溶解しICP−AES(パーキンエルマー社製optima7300DV )により測定した。
(2)導電性コバルト酸化物による被覆量
導電性コバルト酸化物による被覆量は、ICP−AESにより測定したコバルト原子含有量(質量%)を用いて、下記式に基づいて計算した。
導電性コバルト酸化物の被覆量=導電性処理後の正極活物質粉末の金属原子含有量−導電性処理前の正極活物質粉末の金属原子含有量
(3)平均粒径
堀場製作所製LA−910を使用し、粉体の二次粒子径を測定した。測定条件は、操作手順書に従った。
(4)タップ密度・バルク密度
タップ密度:20mLセルの質量を測定し[A]、48meshのフルイで試料をセルに自然落下させ充填した。4cmスペーサ装着のセイシン企業株式会社製、「TAPDENSER KYT3000」を用いて200回タッピング後セルの重量[B]と充填容積[D]を測定し、次式によりタップ密度を求めた。
タップ密度=(B−A)/D g/cc
バルク密度(かさ密度):試料粒子を特定の容器に自然落下充填し、この時の質量(g)と体積(ml)から、質量(g)/体積(ml)で算出した。
(5)粉体pH
50mlガラス製ビーカーに活物質3gに対しイオン交換水30g加え、ガラス棒で2分間攪拌する。10分間静置した後、25℃での上澄み液のpH測定をした。
(6)粉体抵抗
活物質1gを直径18mmφのプラスチック製円筒型容器内において銅製ピストンで挟み、ペレットとし、10KNの圧力で加圧しながらペレット両端の粉体抵抗値を測定した。
(7)X線回折ピークの測定方法
株式会社リガクのRINT2200で2θ=10−70°、step幅=0.03°、40KV、40mAで測定したデータを付属ソフトJADEを用いて2θ=18.6°付近にある(003)面と2θ=44.6°付近にある(104)に該当するピークの半値幅を求めた。
(1)実施例1
特開2002−201028号公報に記載された方法により得られた、ニッケル:コバルト:マンガン=約1:1:1(原子数比)のニッケル・コバルト・マンガン複合水酸化物500gに、リチウム化合物として炭酸リチウム198gを混合し、950℃20時間、空気雰囲気下で加熱焼成することにより、リチウム金属複合酸化物を調製した。
特開2002−201028号公報に記載された方法により得られた、ニッケル:コバルト:マンガン=約1:1:1(原子数比)のニッケル・コバルト・マンガン複合水酸化物500gに、リチウム化合物として炭酸リチウム198gを混合し、950℃20時間、空気雰囲気下で加熱焼成することにより、リチウム金属複合酸化物を調製した。
硫安を使用せず、添加する硫酸コバルト液を実施例5では8ml、実施例6では14ml、実施例7では19mlとした以外は、実施例2〜4と同様にして、正極板を得た。
(4)実施例8〜10
特開2002−201028号公報に記載された方法により得られた、ニッケル:コバルト:マンガン=約1:1:1(原子数比)のニッケル・コバルト・マンガン複合水酸化物500gに、リチウム化合物として炭酸リチウム198gを混合し、950℃20時間、空気雰囲気下で加熱焼成することにより、リチウム金属複合酸化物を調製した。
特開2002−201028号公報に記載された方法により得られた、ニッケル:コバルト:マンガン=約1:1:1(原子数比)のニッケル・コバルト・マンガン複合水酸化物500gに、リチウム化合物として炭酸リチウム198gを混合し、950℃20時間、空気雰囲気下で加熱焼成することにより、リチウム金属複合酸化物を調製した。
正極活物質として、特開2002−201028号公報に記載された方法により得られた、ニッケル:コバルト:マンガン=約1:1:1(原子数比)のニッケル・コバルト・マンガン複合水酸化物500gに、リチウム化合物として炭酸リチウム198gを混合し、950℃20時間、空気雰囲気下で加熱焼成することにより得られたリチウム金属複合酸化物を直接用いて、実施例1〜3と同様に正極板を作製した。
実施例1〜14及び比較例1の正極板と、非水電解質として六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)を1mol/l溶解したエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC)=3:7の混合溶媒と、負極として金属リチウムを用いて電池を作製し、得られた電池を4.3Vで充電した後、正極板を取り出し示差走査熱分析(DSC)で分析した。さらに、放電電流値を変更することによりレート特性を評価した。
表1及び表2に結果を示した。これらの結果から、DSCによる発熱ピーク温度が、いずれも高温側にシフトしていることから、本発明の正極活物質を用いることにより、熱安定性を向上させることができると言える。
Claims (8)
- リチウム金属複合酸化物に、導電性コバルト酸化物を付着させてなり、粉体抵抗が1000kΩ/cm以下であるリチウムイオン二次電池用正極活物質。
- 導電性コバルト酸化物がオキシ水酸化コバルトである、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
- リチウム金属複合酸化物が、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn2O4)、式(I):
LiαNixMnyO2 (I)
(ただし、0.90≦α≦1.05、0.40≦x≦0.60、x+y=1)
で表されるリチウム金属複合酸化物、
及び式(II):
LiαNixCoyMnzO2 (I)
(ただし、0.90≦α≦1.05、1/10≦x≦1/3、1/20≦y≦1/3、x+y+z=1)
で表されるリチウム金属複合酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。 - リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- リチウム金属複合酸化物と、水酸化コバルトと、アルカリ金属水酸化物とを混合することにより、リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
- リチウム金属複合酸化物の存在下、コバルト(II)酸性水溶液と、アルカリ金属水酸化物とを反応させることにより、水酸化コバルトが付着したリチウム金属複合酸化物を形成し、次いで、水酸化コバルトが付着したリチウム金属複合酸化物をさらにアルカリ金属水酸化物と反応させることにより、リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、請求項4記載の方法。
- リチウム金属複合酸化物と、コバルト(II)酸性水溶液とを混合することにより、コバルト(II)化合物が付着したリチウム金属複合酸化物を形成し、次いで、コバルト(II)化合物が付着したリチウム金属複合酸化物を、アルカリ金属水酸化物と反応させることにより、リチウム金属複合酸化物の表面に、導電性コバルト酸化物を付着させることを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 請求項1〜3いずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質を含む正極を備えたリチウムイオン二次電池。
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