JP2013205635A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Takashi Suzuki
剛史 鈴木
宇史 ▲高▼澤
Takafumi Takazawa
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Abstract

【課題】ガラス基板やプラスチックフィルム等の可撓性基板上へ、高精細パターンを形成するカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】カラーフィルタの製造方法は、インキ剥離性のフィルム基材3上にインキ液膜5を塗工するインキ液膜塗工工程と、予備乾燥インキ膜を得るインキ液膜乾燥工程と、予備乾燥インキ膜5のうち凸版6の凸部が押し当てられた部分を凸版6の凸部に転移させる転移工程と、被印刷基板9の表面上に受像層10を塗工する受像層塗工工程と、予備乾燥受像層10を得る受像層乾燥工程と、転移工程後にインキ剥離性のフィルム基材3上に残された画像パターン11を、被印刷基材9上の予備乾燥受像層10へ転写する転写工程と、転写工程後に、光線の照射により、予備乾燥受像層10に転写された画像パターン11と予備乾燥受像層10とを硬化する硬化工程とを含む。
【選択図】図1F

Description

本発明は、ガラス基板やプラスチックフィルムなどの可撓性基板上へ、高精細パターンを形成する製造方法に関する。
現在、フラットパネルディスプレイは、省エネルギー、省スペース、可搬性等の点から据え置き型、壁掛け型、携帯型の様々な用途の画像表示装置として広く利用されている。
特に、近年では、表示装置の軽量化、薄型化、耐衝撃性向上等の目的から、プラスチック基板を用いた可撓性を有するディスプレイへの注目が高まっている。
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、何れもガラス基板上に製造された物であり、プラスチック基板上に製造することは難しかった。
その理由は、従来のフラットパネルディスプレイの部材の作製には、高温での加熱工程とフォトリソ工程とが含まれているためである。
例えば、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造に於いては、感光性樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程があり、熱や水分によるプラスチック基板の損傷や伸縮が生じる。
又、ディスプレイの駆動電極である薄膜トランジスタの製造工程では、シリコーン半導体や、絶縁膜の形成には、300℃以上の高温工程を含み、プラスチック基板の損傷や伸縮を生じる。
又、フォトリソ工程は、製膜、露光、現像、剥離を材料毎に行うので、製造設備も大掛かりとなり、製造のコストが高い。
以上のことから、プラスチック基板上への精密なパターニングが可能な製造方法が求められていた。
プラスチック基板上へのパターニング方法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできる。そのため、材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、最も簡便なパターニング方法として期待されている。
しかしながら、現状のインクジェットのインク液滴の直径は数十μmであり、着弾精度も数μm程度ある。そのため、10μm程度のパターニングを形成する方法としては、採用することができない。
又、インクジェット法を用いて精密なパターニングをするためには、あらかじめ基板上にフォトリソ工程により障壁を形成しなければならない。そのため、カラーフィルタのブラックマトリクスや印刷方式の薄膜トランジスタ配線などの10μm程度のパターニングを形成する方法としては、採用することができない。
インクジェット法以外の方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法は、電子部品における配線や抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。
しかしながら、孔版印刷であることから、インキはペースト状の高粘度のものに限られ、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、やはり10μm前後のパターンを形成する方法としては、採用できない。
そこで、インクジェット法及びスクリーン印刷法以外の方法として、特許文献1に記載するように、フィルムへ乾燥インキ膜を予め設けた、いわゆるドライフィルムを、熱圧によりパターン除去した後、残ったパターンを基板に転写する転写方法が考案されている。
しかしながら、フィルムからインキ層を転写する際に熱圧を用いる為に、フィルムの膨張・収縮や版の変形、インキ層の溶融・軟化を伴う。そのため、数十mm程度の微小なパターンの再現性を得る事が困難である。又、熱圧を均一に与える為の装置も複雑になり、大画面への対応も困難となってしまう。
又、特許文献2に記載する製造方法では、版胴に巻きつけたブランケット上にインキを塗工・予備乾燥してインキ膜を形成した後、画像パターンを凹部として形成された凸版をインキ膜に押圧することによりブランケット上に画像パターンを形成する。そして、ブランケット上の画像パターンを被印刷基板上に転写し、被印刷基板上に画像パターンを形成する。この製造方法は、インキ膜厚を調整することが容易である。この製造方法では、インキ剥離性のブランケット上に画像パターンを形成することから、被印刷基板へのインキ転写性が良好である。又、薄膜での微細パターン形成が可能である。
しかしながら、特許文献2の方法は、シリコーンゴム又はシリコーン樹脂から成るブランケット上でインキの予備乾燥を行う時に、ブランケット表面のインキ濡れ性や転写性が不安定になるという問題点を有していた。これは、ブランケットが版胴に固定されたまま乾燥を行う為に、均一な予備乾燥が困難であり、塗工されたインキ中の溶剤がブランケット内に吸収され膨潤していき、部分的な転写性や精度のバラつきができてしまうことが原因である。
又、転写後のクリーニングやブランケットの乾燥による膨潤量の調整を転写毎に行う必要がある。そのため、連続加工に不向きである。又、ブランケットが版胴に固定されているので、予めパターンが形成された基板上に転写する場合に、ブランケット上のパターンと基板上のマークとの位置合わせが困難である。
一方、特許文献2の有する課題を鑑みて発明された特許文献3の方法では、巻き取りロールから供給されたインキ剥離性のフィルム基板上にインキ液膜を塗工して設けている。そして、インキ液膜を予備乾燥して予備乾燥インキ膜を得た後、必要な画像部パターンを凹部とした凸版を該予備乾燥インキ膜に押し当て、非画像部を該凸版の凸部に転移させ、該インキ剥離性のフィルム基板上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを目的の被印刷基板表面上へ転写するというものである。
この方法では、インキ剥離性のフィルム基板の作製にあたり、フィルム基板表面の平滑性を維持したままフィルム基板表面の濡れ性を低くすることが可能であり、該インキ剥離性のフィルム基板を巻き出し装置から順次繰り出して、常に新しいインキ剥離性のフィルム基板を印刷に使用することができる。そのため、安定した連続印刷が可能で、再現性の高い高精細パターンを形成することができる。
又、インキ剥離性のフィルム基板が光学的に透明であることで、インキ剥離性の基板表面に残された画像パターンやアライメントマーク越しに、被印刷基板上の画像パターンやアライメントマークを確認することができる。そのため、転写位置を正確に合わせこむことが容易であり、再現性の高い高精細パターンを形成することができる。
特開平9−90117号公報 特開2001−56405号公報 特開2008−105400号公報
しかしながら、特許文献3の方法は、インキ剥離性のフィルム基板上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを、ローラーによる押圧で目的の被印刷基板上へ複数回転写する際に、先に形成された画像パターンとインキ剥離性のフィルム基板が接触し、画像パターンにムラが生じる課題や、被印刷基板上に形成されるパターンが版設計値よりも大きくなる“潰れ”が生じるというという課題があった。
本発明は、上記に示す従来の問題点を解決し、ガラス基板やプラスチックフィルム等の可撓性基板上へ、高精細パターンを形成するカラーフィルタの製造方法を提供するものである。その課題とするところは、画像パターンのムラと潰れである。
上記課題を達成するためになされた第1の発明は、基材上に複数色の画像パターンが形成されているカラーフィルタの製造方法であって、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液膜を塗工するインキ液膜塗工工程と、インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得るインキ液膜乾燥工程と、画像パターンに対応して凹部が形成された凸版を予備乾燥インキ膜に押し当て、その予備乾燥インキ膜のうち凸版の凸部が押し当てられた部分を凸版の凸部に転移させる転移工程と、被印刷基板の表面上に受像層を塗工する受像層塗工工程と、受像層を予備乾燥し、予備乾燥受像層を得る受像層乾燥工程と、転移工程後にインキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを、被印刷基材上の予備乾燥受像層へ転写する転写工程と、転写工程後に、光線の照射により、予備乾燥受像層に転写された画像パターンと予備乾燥受像層とを硬化する硬化工程とを含むことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明のカラーフィルタの製造方法において、硬化工程が、予備乾燥受像層に転写された画像パターンを硬化させるパターン硬化工程と、パターン硬化工程後に予備乾燥受像層を硬化させる受像層硬化工程とを含むことを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明のカラーフィルタの製造方法において、硬化工程における予備乾燥受像層に転写された画像パターンの硬化を、転写工程を行うごとに行うことで、複数の画像パターンを形成することを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明のカラーフィルタの製造方法において、予備乾燥インキ膜の硬化波長領域と予備乾燥受像層の硬化波長領域とが互いに異なることを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明のカラーフィルタの製造方法において、硬化工程において画像パターンに光線を照射する際に、光線露光機から出射された光線から、予備乾燥受像層を硬化させる波長帯域をカットするカットフィルターを設けることを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明のカラーフィルタの製造方法において、最後の画像パターンを被印刷基材上の予備乾燥受像層へ転写する転写工程の後は、光線の照射により、予備乾燥受像層に転写された最後の画像パターンと予備乾燥受像層とを同時に硬化させる。
第1の発明によれば、被印刷基板上へ受像層を塗工・予備乾燥し、予備乾燥受像層を得た後、該予備乾燥受像層にインキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを転写することで、予備乾燥受像層の受像性能により、画像パターンの潰れを生ずること無く、平坦性の高い高精細パターンを形成することができる。又、予備乾燥インキ膜による画像パターンや予備乾燥受像層をUV照射により硬化することで、形成後の該画像パターンの剥がれを防ぐことができる。
第2の発明によれば、予備乾燥受像層の硬化が予備乾燥インキ膜による画像パターンの硬化後に行われることで、予備乾燥インキ膜による画像パターンの予備乾燥受像層への複数回の転写の際も、受像層の受像性能を維持することができ、画像パターンの潰れを生ずること無く、高精細パターンを形成することができる。
第3の発明によれば、インキ剥離性のフィルム基材上の予備乾燥インキ膜による画像パターンを受像層に転写するごとに、予備乾燥インキ膜による画像パターンの硬化を毎回行うことで、インキ剥離性のフィルム基材上の予備乾燥インキ膜による画像パターンを複数回受像層に転写する際に、先に形成された画像パターンにインキ剥離性のフィルム基材が接触したとしても、画像パターンの剥がれが起こらず、ムラのない高精細パターンを形成することができる。
第4の発明によれば、予備乾燥インキ膜と予備乾燥受像層の硬化波長領域が互いに異なることで光線の照射による硬化のタイミングを制御することができる。
第5の発明によれば、UV露光機に特定の波長をカットするカットフィルターを付けることにより、予備乾燥インキ膜と前記予備乾燥受像層を硬化させる際の照射波長領域を制御することができる。
第6の発明によれば、光線の照射により最後の画像パターンと予備乾燥受像層とを同時に硬化させることで、カラーフィルタの製造時間を短縮することができる。
以上のことから、第1から第6の発明の各々のカラーフィルタの製造方法によれば、ガラス基板やプラスチックフィルム等の可撓性基板上へ、画像パターンのムラや潰れが無い高精細パターンを形成することができる。
実施形態におけるインキ液膜塗工工程を示す断面図 実施形態における転移工程において凸版を予備乾燥インキ膜に押し当てる工程の断面図 実施形態における転移工程において凸版からインキ剥離性のフィルム基材を剥離する工程の断面図 実施形態における受像層塗工工程を示す断面図 実施形態における第1転写工程を示す断面図 パターン硬化工程を示す断面図 第2転写工程を示す断面図 受像層硬化工程を示す断面図
以下、図1A〜図1Hを用いて、本発明に係るカラーフィルタの製造方法の実施の形態について説明する。
図1Aは本発明の実施形態であるカラーフィルタの製造方法における、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液膜を塗工する工程を示し、図1Bは、必要な画像パターンを凹部とした凸版を予備乾燥インキ膜に押し当てる工程を示し、図1Cは、必要な画像パターンを凹部とした凸版からインキ剥離性のフィルム基材を剥離し、予備乾燥インキ膜から画像パターンに不要な部分を該凸版の凸部に転移させる工程を示し、図1Dは、目的の被印刷基材へ受像層を塗工し、予備乾燥する工程を示し、図1Eは、インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜を被印刷基材上の予備乾燥受像層に転写する工程を示し、図1Fは、カットフィルター付きUV露光機(紫外線露光機)にてUV照射(紫外線照射)することにより予備乾燥インキ膜による第1の画像パターンを硬化する工程を示し、図1Gは、図1A〜図1C工程により同様にして得られたインキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜による第2の画像パターンを、第1の画像パターンがパターニングされた予備乾燥受像層に転写する工程を示し、図1Hは、UV照射により予備乾燥インキ膜による第2の画像パターンと予備乾燥受像層を硬化させる工程を示す。
(インキ液膜塗工工程)
図1Aに示すように、インキ剥離性のフィルム基材3上にインキ液膜5を塗工するインキ液膜塗工工程が行われる。インキ液膜塗工工程では、支持基材であるフィルム基材1と、インキ剥離層2とから成るインキ剥離性のフィルム基材3上に、ダイコーター4を用いてインキ液膜5を塗工する。
インキ剥離性のフィルム基材3には、プラスチック等の可撓性基材を支持基材として加工したものを使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることができる。さらに光透過性の基材を用いることにより、パターンの重ね合わせ時にアライメントを容易とすることができる。これら可撓性基材は、長尺の巻取りロールで供給され、ブランケットへ加工された後に使用される。
インキ剥離性のフィルム基材3は、上記支持基材へシリコーンオイル、シリコーンワニスに代表される離型剤を塗っても良いし、或いは、上記支持基材にシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。又、同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴムも利用され得るし、フッ素樹脂微粉末をシリコーンゴム、或いは、普通のゴムに混ぜて、剥離性を出す等の使い方をしてもよい。これらシリコーン系の塗膜は、通常フィルム基板との密着は低いが、熱硬化性又は紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、最表面に設けるシリコーン層に対して、よりフィルム基材との密着性の高い樹脂層を、アンカー層として予めフィルム基材上に設け、そのアンカー層の上層に設けることもできる。
具体的なシリコーンとしては、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、或いはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体等、変性したものを用いることができる。
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、又はシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、或いは一液型ではジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせ等が用いられ、その他にゴム硬度を調節する為のポリシロキサンが適宜用いられる。
又、インキ剥離性のフィルム基材3は、上記支持基材に無機膜を設けた後、シランカップリング剤による表面処理を施したものを用いてもよい。
シランカップリング剤としては、トリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類等を用いることができる。このシランカップリング剤の一部位は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等の有機化合物との反応性基を有するものから選ぶことができるし、或いは、アルキル基やその一部にフッ素原子が置換されたものや、シロキサンが結合して、表面自由エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、シランカップリング剤で基材表面を処理した後、所定の表面自由エネルギーになるよう他のモノマー成分を塗工して、結合させることができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を用いることができる。又、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン等を用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
上記シランカップリング剤を上記支持基材に固定化する方法としては、シランカップリング剤を使用した公知の表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリング剤を、水、酢酸水溶液、水−アルコール混合液、或いはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製する。この溶液を公知の塗工方法であるグラビアコーター、ロールコーター、或いはダイコーター等を用いて基材表面に塗工し、次いで、乾燥させることでシランカップリング剤を固定化できる。又、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合は、次いで、他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
上記シランカップリング剤を基材上に固定化する為には、予め基材上に、SiO2やTiO2、ZrO2若しくはこれらの複合膜が設けられていることが好ましい。これら無機酸化膜は、既知の蒸着法やスパッタ法を用いて設けたものを用いることができる。
又、上記無機酸化膜を設ける方法として、一般式M(OR)nで表される金属アルコシキド(MがSi、Ti、Al、Zr等の金属を表し、RがCH3、C25等のアルキル基を表す。)を、水、アルコールの共存下で加水分解反応及び縮重反応させてゲル溶液を得て、得られたゲル溶液を表面にコーティングした後、加熱することで無機酸化物膜を設ける、いわゆるゾル−ゲル法を用いることができる。
さらに、上記ゾル−ゲル法で用いる金属アルコキシド溶液中に、予め上記シランカップリング剤を添加しておくこともできる。この場合、表面性改質に特に効果が得られる。
このようにして得られるインキ剥離性のフィルム基材3は、処理面へ滴下したインキ液滴の接触角が、10°以上90°以下となることが好ましく、20°以上70°以下となることがさらに好ましい。この接触角が小さすぎると、後工程でのインキ剥離性が低下して、パターンの欠陥(再現性不良等)が発生しやすくなる。一方、この接触角が大きすぎると、インキ液膜5を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜5を形成することが困難になる。
インキ液膜5の材料としては、画像パターン形成材料に溶媒を溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解又は分散させることによりインキとする。
又、本発明により用いられるインキ液膜5の材料は、カラーフィルタにおいて赤色、緑色、青色から成るカラーパターン(着色層)を形成する材料でも良い。その場合に使用する有機顔料には、例えば、C.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214、C.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73、C.I. Pigment Green 7、10、36、37、C.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの有機顔料は、要望の色相を得る為に2種類以上を混合して用いても構わない。
又、上記有機顔料と組み合わせて、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保する為に、無機顔料を組み合わせて用いることもできる。使用できる無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら、カドミウム等、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色の為、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
本発明のインキ液膜5に用いることのできる透明樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、及びこれらを変性したもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のインキ液膜5に用いることのできる重合性モノマー及びオリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いることもできるし、2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明のインキ液膜5をUV照射により硬化する場合に用いる光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン、1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−〔1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン〕ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。市販品としては、チバスペシャリティケミカル社製IRGACURE369、IRGACURE(R)2959、IRGACURE819、IRGACURE1300、IRGACURE2022、IRGACURE907が挙げられる。これらは単独で用いることもできるし、2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明に係る製造方法のインキ液膜5に用いることのできる溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いることもできるし、2種類以上を混合して用いることもできる。
上記に示したインキ剥離性のフィルム基板3上へインキ液膜5を形成する方法としては、インキの粘度や溶媒の乾燥性に応じて、公知の塗工方法を選択することができる。塗工方法としては、例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、インクジェット法、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。中でも、ダイコートは、広い範囲の粘度のインキについて均一なインキ液膜5を形成することができる。
(インキ液膜乾燥工程)
次に、インキ液膜5を予備乾燥して、予備乾燥インキ膜5を得るインキ液膜乾燥工程が行われる。インキ液膜乾燥工程では、前記方法によりインキ剥離性のフィルム基材3上へ形成されたインキ液膜5を予備乾燥する。
予備乾燥には、自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥等を用いることができる。又、予備乾燥には、紫外線、電子線等の放射線を用いることもできる。
この予備乾燥は、前記インキ液膜5の粘度又はチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とするもので、インキ液膜5を完全には乾燥させないで、いわゆる半乾燥状態を作り出すものである。つまり、予備乾燥インキ膜5は半乾燥状態である。乾燥が不十分な場合は、後工程で凸版6を押し当て予備乾燥インキ膜5を剥離する際に、予備乾燥インキ膜5が断裂し不良が発生する。乾燥が行き過ぎた場合は、予備乾燥インキ膜5表面のタック性が無くなり、凸版6にインキが転写されない。そのため、使用するインキの組成によって予備乾燥インキ膜5の乾燥状態を調節する。
所謂ドライフィルムと言われるppmオーダーの溶剤残留量では、乾燥が行き過ぎであり、インキが転写されない不具合や、凸版6の押し付けによりインキ膜5が部分的に剥離してゴミの原因になったりする不具合がある為、予備乾燥インキ膜5の条件として不適である。
(転移工程)
次に、凸版6を予備乾燥インキ膜5に押し当てて、画像パターンに不必要なインキ液膜5を凸版6の凸部に転移させる転移工程が行われる。転移工程では、図1Bに示すように、必要な画像パターンに対応して凹部が形成された凸版6に予備乾燥インキ膜5を押し当てる。つまり、インキ剥離性のフィルム基材3の予備乾燥インキ膜5側が凸版6の凹凸面に押し当てられる。そして、図1Cに示すように、凸版6からインキ剥離性のフィルム基材3を剥離し、予備乾燥インキ膜5から、画像パターンに不必要な部分8(予備乾燥インキ膜5のうち凸版6の凸部が押し当てられた部分8)を凸版6の凸部に転移させる。インキ剥離性のフィルム基材3の表面には、画像パターンに必要な予備乾燥インキ膜5が残る。
凸版6としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に感光性樹脂を用いてマスクパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウェットエッチング処理、若しくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの版深を設けたものを用いることができる。
又、凸版6には、ナイロン、アクリル、シリコーン樹脂、スチレン−ジエン共重合体等から成るものを用いることもできる。また、エチレン−プロピレン系、ブチル系、ウレタン系ゴム等のゴム製の版を用いることもできる。このような樹脂製の凸版6は、既に凸版印刷やフレキソ印刷用に用いられている。樹脂製の凸版6は、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで版とする、或いは、彫刻によっても作製することができるが、感光性樹脂を用いる方法がより高精度のものを作製できる。
(受像層塗工工程)
次に、被印刷基板9の表面上へ受像層10を塗工する受像層塗工工程が行われる。受像層塗工では、図1Dに示すように、被印刷基材9上に、ダイコーター4(薄膜塗布工具)を用いて受像層10を塗工する。
被印刷基材9には、ガラスやプラスチック板等を使用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムやシートも使用できる。耐熱性のものとしては、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド等が好適である。又、無機フィラーを樹脂に添加して耐熱性を向上させた材料から成る基材でもよい。フィルム及びシートは、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよい。又、可撓性基材には、必要に応じてガスバリア層や平滑化層が、印刷面又は他の面に積層されていてもよい。
受像層10には公知の材料を用いることができるが、透明であること、インクの変色や褪色がないこと、諸耐性があることなどの性能が要求される。受像層10には、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル樹脂やアクリル共重合体樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂から1つ以上を適宜選択して用いる。
又、受像層10の密着性を高める為に、この樹脂に微粒子(フィラー)を含有させることも有効である。フィラーとしては、無機微粒子では微粉末珪酸、有機微粒子ではアクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等から適宜選択して用いる。又、フィラーの添加量は、受像層10の100重量部に対し1〜10重量部が好ましい。
本発明の受像層10をUV照射により硬化する場合に用いる光重合開始剤としては、本発明のインキ液膜5に含まれている光重合開始剤と異なる波長領域に硬化波長領域がある光重合開始剤を適宜選択して用いる。これにより、予備乾燥インキ膜5が紫外線により硬化する硬化波長領域と、予備乾燥受像層10が紫外線により硬化する硬化波長領域とを互いに異ならせる。
上記のような材料を用いて受像層10を形成する際には、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法、インクジェット法等が挙げられる。中でも、ダイコート、インクジェット法は、均一なインク液膜を形成することができるため好適な形成方法である。
上記のようにして形成された受像層10の乾燥状態の膜厚は、0.05μm以上10μm以下であることが好ましく、0.05μm以上5μm以下であることがさらに好ましい。受像層10の膜厚が0.05μm未満であると、膜厚が薄すぎて受像性能が充分に得られなくなる。一方、受像層10の膜厚が10μmを超えると、膜厚が厚すぎて塗工膜厚の精度が低下する為好ましくない。
(受像層乾燥工程)
次に、受像層10を予備乾燥して、予備乾燥受像層10を得る受像層乾燥工程が行われる。受像層乾燥工程では、前記方法により被印刷基材9上にダイコーター4にて形成された受像層10を予備乾燥する。
受像層10の予備乾燥には、本願明細書の段落[0062]〜[0064]に示すインキ液膜乾燥工程に記載の方法を用いることができる。具体的に、この予備乾燥には、自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥等を用いることができる。又、予備乾燥には、紫外線、電子線等の放射線を用いることもできる。予備乾燥受像層10は半乾燥状態である。
(第1転写工程)
次に、転移工程後にインキ剥離性のフィルム基材3上に残された予備乾燥インキ膜5による第1の画像パターン11を被印刷基材9上の予備乾燥受像層10に転写する第1転写工程が行われる。この第1転写工程では、図1Eに示すように、ローラー7を使用して、被印刷基材9上の予備乾燥受像層10に、インキ剥離性のフィルム基材3上に残された予備乾燥インキ膜5による第1の画像パターン11を転写する。
(パターン硬化工程)
次に、第1転写工程で予備乾燥受像層10に転写された第1の画像パターン11を硬化させるパターン硬化工程が行われる。図1Fに示すように、パターン硬化工程では、予備乾燥受像層10の硬化波長領域をカットするカットフィルター12をUV露光機13に付けた状態で、予備乾燥受像層10の上方からUV照射する。UV照射により、予備乾燥受像層10上の第1の画像パターン11(予備乾燥インキ膜5による第1の画像パターン11)を硬化させると、第1の画像パターン付きの一次印刷基材14が得られる。
(第2転写工程)
次に、第2転写工程が行われる。第2転写工程は、パターン硬化工程で得られた一次印刷基材14に、第1転写工程とは別の予備乾燥インキ液膜5による第2の画像パターン15を転写する工程である。なお、説明は省略するが、第2転写工程で転写する第2の画像パターン15は、第1転写工程で転写する第1の画像パターン11と同様に、インキ液膜塗工工程とインキ液膜乾燥工程と転移工程とを順番に行うことで得られている。図1Gに示すように、第2転写工程では、図1A〜図1Cの工程にて作成されたインキ剥離性のフィルム基材17上に残された予備乾燥インキ膜5による第2の画像パターン15が、一次印刷基材14上に第1の画像パターン11に重ならないように転写される。
(受像層硬化工程)
そして、予備乾燥受像層10を硬化させる受像層硬化工程が行われる。受像層硬化工程では、第2転写工程で一次印刷基材14に転写された第2の画像パターン15も硬化させる。受像層硬化工程では、図1Hに示すように、パターン硬化工程で使用したカットフィルター12を付けない状態で、UV露光機13によって予備乾燥受像層10にUV照射する。UV照射により、第2の画像パターン15と予備乾燥受像層10とを硬化させると、第1の画像パターン11および第2の画像パターン15付きの二次印刷基材16(最終印刷基材)が得られる。なお、3つ以上の画像パターンが形成されたカラーフィルタを製造する場合は、最後に転写された画像パターン以外の画像パターンは、パターン硬化工程により硬化され、最後に転写された画像パターンは、受像層硬化工程により硬化される。なお、受像層硬化工程およびパターン硬化工程に使用される光線は、紫外線に限定されない。
本発明のカットフィルター12としては、例えば250、275、300、325、350、385、400、422、430、450、470、490、510、530、550、570、590、610、630、650、670、690、710、730、750、780、810、840、870、900nm以下の波長をカットするカットフィルター等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。用途に応じて適宜選択して用いる。
<実施例1>
以下に、本発明の一実施例を示すが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においてこれに限定されるものではない。
インキ剥離性のフィルム基材には、基材厚約100μmのシリコーン系離型ポリエステルフィルム:K1504(東洋紡績(株)製)を300mm□(縦300mm×横300mm)に切り出したものを用いた。
凸版には、200mm幅(パターン有効幅は150mm)のドライエッチングを用いて作製した版深25μmのガラス版を用いた。画像パターンは、凸部20μm幅、凹部80μm幅の連続したストライプパターンと、4つの角に位置する200μm□内へ設けられたアライメントマークを設けた。
被印刷基材には、フィルム厚120μm、300mm□(縦300mm×横300mm)の光透過性PET基板を用いた。
カラーフィルタ用赤色・青色インキは、次の用量で調製した。下記の組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し、さらに5μmのフィルタで濾過して、赤色・青色顔料の分散体を得た。
[赤色インキ組成物]
・赤色顔料C.I.Pigment Red254"イルガフォーレッドB−CF"(チバスペシャルティケミカル社製)20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート100重量部
・アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
・メチル化メラミン樹脂"ニカラックMW−30"(三和ケミカル社製)5重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート "アロニクスM−450"(東亞合成社製)
5重量部
・光重合開始剤"IRGACURE784"(チバスペシャリティケミカル社製、最大吸収波長領域:385〜410nm)1重量部
[緑色インキ組成物]
・緑色顔料C.I.Pigment Green36 "リオノールグリーン6YK"(東洋インキ製造社製)20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 100重量部
・アクリル樹脂(メタクリル酸20重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート15重量部、メチルメタクリレート10重量部、ブチルメタクリレート55重量部の共重合体)
23重量部
・メチル化メラミン樹脂"ニカラックMW−30"(三和ケミカル社製)5重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート"アロニクスM−450"(東亞合成社製)
5重量部
・光重合開始剤"IRGACURE784"(チバスペシャリティケミカル社製、最大吸収波長領域:385〜410nm) 1重量部
受像層溶液としては、下記組成にて調製した溶液を用いた。
[受像層溶液の組成]
・アクリル共重合ポリマー(メチルメタクリレート50部、エチルアクリレート40部、アクリル酸10部を水200部中で乳化重合)18重量部
・光重合開始剤"IRGACURE907"(チバスペシャリティケミカル社製、最大吸収波長領域:280 〜 325 nm)1重量部
・トルエン 80重量部
まず、インキ液膜塗工工程を行った。このインキ液膜塗工工程では、上記インキ剥離性のフィルム基材上に、200mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ200mm、乾燥状態の膜厚が0.8μmになるように上記赤色インキをコーティングした。
次に、インキ液膜乾燥工程を行った。このインキ液膜乾燥工程では、インキ液膜塗工工程後のインキ剥離性のフィルム基材上の赤色インキ液膜を、40℃ホットプレート上で30秒乾燥し、予備乾燥赤色インキ膜を得た。
次に、転移工程を行った。この転移工程では、インキ液膜乾燥工程後のインキ剥離性のフィルム基材上の予備乾燥赤色インキ膜を上記凸版に押し当て、その後剥離し、インキ剥離性のフィルム基材上の予備乾燥赤色インキ液膜の内、非画像パターン部のみ、すなわち、凸版上の凸部に存在する赤色インキ液膜のみを凸版へ転移させた。そして、インキ剥離性のフィルム基材上に予備乾燥赤色インキ膜による第1の画像パターンを得た。
次に、受像層塗工工程を行った。受像層塗工工程では、被印刷基材上に、200mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ800mm、乾燥状態の受像層単独での膜厚が1.0μmになるように上記受像層溶液をコーティングした。
次に、受像層乾燥工程を行った。受像層乾燥工程では、受像層塗工工程で得られた印刷基材上の受像層を、40℃ホットプレート上で30秒乾燥し、予備乾燥受像層を得た。このとき、予備乾燥受像層のマルテンス硬さHM209Nmm2であった。
次に、第1転写工程を行った。第1転写工程では、受像層乾燥工程後の予備乾燥受像層に、転移工程後にインキ剥離性のフィルム基材上に残る予備乾燥赤色インキ膜による画像パターンを押し当て、その後剥離し、予備乾燥赤色インキ膜による第1の画像パターンを印刷基材上の予備乾燥受像層に転移させた。
その後、パターン硬化工程を行った。パターン硬化工程では、350nm以下の短波長をカットするカットフィルター UV350nm 50×50(朝日分光株式会社製)付きの超高圧水銀ランプ(ピーク波長:365nm)を、照度1000mWに調整して1s間照射し、予備乾燥受像層上の赤色インキ膜による第1の画像パターンを硬化させた。このとき、赤色インキ膜によるストライプパターンの幅は、80±1μmとなった。又、予備乾燥受像層のマルテンス硬さHMは、220Nmm2であり、カットフィルターにより硬度の変化を抑制することができた。
次に、赤色インキの場合と同様にして、インキ塗工工程とインキ液膜乾燥工程と転移工程とを順次行うことにより、インキ剥離性のフィルム基材上に予備乾燥緑色インキ膜による第2の画像パターンを得た。
次に、第2転写工程を行った。第2転写工程では、パターン硬化工程後の予備乾燥受像層に、インキ剥離性のフィルム基材上の予備乾燥緑色インキ膜による第2の画像パターンを押し当て、その後剥離し、予備乾燥緑色インキ膜による第2の画像パターンを印刷基材上の予備乾燥受像層に転写した。
その後、受像層硬化工程を行った。受像層硬化工程では、超高圧水銀ランプ(ピーク波長:365nm)を照度1000mWに調整して、第2転写工程後の予備乾燥受像層に1s間UV照射し、予備乾燥受像層上の緑色インキ膜による第2の画像パターンと予備乾燥受像層を硬化させた。このとき、緑色インキ膜によるストライプパターンの幅は、80±1μmとなった。又、予備乾燥受像層のマルテンス硬さHMは、427Nmm2であった。
以上により、可撓性基板であるプラスチックフィルム上へ画像パターンのムラや潰れが無い高精細パターンを形成することができた。
<比較例1>
(実施例1)のパターン硬化工程において、350nm以下の短波長をカットするカットフィルター UV350nm 50×50(朝日分光株式会社製)を用いずに、超高圧水銀ランプ(ピーク波長:365nm)を照度1000mWに調整して1s間照射し、予備乾燥受像層上の赤色インキ膜による画像パターンを硬化させた。このとき、赤色インキ膜によるストライプパターンの幅は、80±1μmとなった。又、予備乾燥受像層のマルテンス硬さHMは307Nmm2であり、予備乾燥受像層の硬化も又進行した。
その後、第2転写工程において、予備乾燥した受像層上に赤色インキ膜と同様にして得られた予備乾燥緑色インキ膜による第2の画像パターンを、印刷基材上の予備受像層に転写させ、超高圧水銀ランプ(ピーク波長:365nm)を照度1000mWに調整して1s間照射し、硬化させた。このとき、緑色インキ膜によるストライプパターンの幅は、80±20μmとなり、大幅な潰れが見受けら、高精細パターンを形成することができなかった。
本発明は、ガラス基板やプラスチックフィルムなどの可撓性基板上へ高精細パターンを形成する製造方法に対して有用である。
1 フィルム基材
2 インキ剥離層
3 インキ剥離性のフィルム基材
4 ダイコーター
5 インキ液膜、予備乾燥インキ膜
6 凸版
7 ローラー
8 画像パターンに不必要な予備乾燥インキ膜
9 被印刷基材
10 受像層、予備乾燥受像層
11 第1の画像パターン
12 カットフィルター
13 UV露光機
14 一次印刷基材
15 第2の画像パターン
16 二次印刷基材
17 インキ剥離性のフィルム基材

Claims (6)

  1. 基材上に複数色の画像パターンが形成されているカラーフィルタの製造方法であって、
    インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液膜を塗工するインキ液膜塗工工程と、
    前記インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得るインキ液膜乾燥工程と、
    画像パターンに対応して凹部が形成された凸版を前記予備乾燥インキ膜に押し当て、該予備乾燥インキ膜のうち前記凸版の凸部が押し当てられた部分を前記凸版の凸部に転移させる転移工程と、
    被印刷基板の表面上に受像層を塗工する受像層塗工工程と、
    前記受像層を予備乾燥し、予備乾燥受像層を得る受像層乾燥工程と、
    前記転移工程後に前記インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを、前記被印刷基材上の前記予備乾燥受像層へ転写する転写工程と、
    前記転写工程後に、光線の照射により、前記予備乾燥受像層に転写された前記画像パターンと前記予備乾燥受像層とを硬化する硬化工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記硬化工程は、前記予備乾燥受像層に転写された前記画像パターンを硬化させるパターン硬化工程と、前記パターン硬化工程後に前記予備乾燥受像層を硬化させる受像層硬化工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記硬化工程における前記予備乾燥受像層に転写された前記画像パターンの硬化を、前記転写工程を行うごとに行うことで、複数の画像パターンを形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記予備乾燥インキ膜の硬化波長領域と前記予備乾燥受像層の硬化波長領域とが互いに異なることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記硬化工程において前記画像パターンに光線を照射する際に、光線露光機から出射された光線から、前記予備乾燥受像層を硬化させる波長帯域をカットするカットフィルターを設けることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 最後の画像パターンを前記被印刷基材上の前記予備乾燥受像層へ転写する転写工程の後は、光線の照射により、前記予備乾燥受像層に転写された前記最後の画像パターンと前記予備乾燥受像層とを同時に硬化させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載のカラーフィルタの製造方法。
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