JP4792942B2 - 可撓性基材への印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックフィルム、特に生産効率のよい長尺状のプラスチックフィルムなどの可撓性基材上への高精細パターンを形成する印刷方法及びその印刷装置に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイは、省エネルギ、省スペース、可搬性などの点から据え置き型、壁掛け型、携帯型のさまざまな用途の画像表示装置として利用されている。特に携帯型においては、携帯時に落下させても破損しないような耐衝撃性や、軽量化、薄型などの点からプラスチック化への要求がある。また、壁掛け型においても円柱状の柱へのディスプレイの設置という点から可撓性のディスプレイへの要求がある。
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、いずれもガラス基板上に製造する方法であり、プラスチック基板上に製造することは難しかった。すなわち、従来のフラットパネルディスプレイの部材の作製にはフォトリソ工程と高温での加熱工程とが含まれている。たとえば液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造にあたっては、感光性樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程があり、プラスチック基板の損傷や伸縮が生じてしまう。また、ディスプレイの駆動電極である薄膜トランジスタの製造工程では、シリコン半導体や絶縁膜の形成に300℃以上の高温工程を含み、プラスチック基板の耐熱性を上回っていた。さらに、フォトリソ工程は、製膜、露光、現像、剥離を材料ごとに行うプロセスであり、製造設備も大掛かりとなり、製造のコストの点からも大きな課題を抱えている。
このような、課題からプラスチック上で精密なパターニングが可能な印刷方法が求められていた。そこで印刷法の一つとしてインクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできることから材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、もっとも簡便なパターニング方法として期待されている。しかしながら、現状のインクジェットのインク液滴の直径は数十μm程度であり、また着弾精度も数μm程度であるため、精密なパターニングのためには、あらかじめ基板上にフォトリソ工程による隔壁などの形成が必要である。そのため、カラーフィルタのブラックマトリクスや印刷方式の薄膜トランジスタの配線などの10μm程度のパターニング方法としては、採用することができない。
また、他の方法としてスクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法は、電子部品における配線や抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。しかしながら、孔版印刷であることからインキはペースト状の高粘度のものに限られ、また、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、やはり10μm前後のパターニング法としては、採用できない。
一方、被印刷体にガラス基板を用いたものであるが、近年新しい印刷方式が開発されてきている。すなわち、転写用平板部材上面に所定の厚さの印刷材料を塗布し、該転写用平板部材に対し印刷版を押圧して該印刷材料を印刷版側に転写し、該印刷版を被印刷体であるガラス基板に押圧して該印刷版上に転写されている前記印刷材料を該ガラス基板側に転写し、以て該ガラス基板上に印刷膜を形成する印刷方法において、前記転写用平板部材を表面に所定の深さのエッチングパターンが設けられているガラス板より構成されている印刷装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記印刷方式では、被印刷体としてプラスチックフィルム、とりわけ生産効率のよい長尺状のプラスチックフィルムには適用が困難で、かつまた、転写用平板部材である表面がエッチングされたガラス板では、このガラス板のインキの濡れ性が良く、よって印刷版へのインキの転写性(膜厚)が不安定になるので、高精細パターンの再現性が不安定になるという問題点があった。
以下に、上記先行技術文献を示す。
特開平5−138860号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、プラスチックフィルムの如く可撓性基材、特に生産効率に優れる長尺状の可撓性基材に適用可能で、かつ高精細パターンの再現性に優れた可撓性基材への印刷方法及びその印刷装置を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、可動ステージ上に固定されたインキ剥離性のガラス板上へインキ液膜を施し、該インキ液膜をマイクロ波または減圧乾燥を用いて予備乾燥し、該予備乾燥されたインキ液膜に、回転する円筒状の版胴に装着された樹脂製の凸版の凸部を押し当て、前記予備乾燥されたインキ液膜を該樹脂製の凸版の凸部に転移し、該樹脂製の凸版の凸部に転移されたインキ液膜を可撓性基材へ転写する可撓性基材への印刷方法であって、前記可撓性基材を前記版胴に装着された樹脂製の凸版とそれに接する円筒状の圧胴との間に挟持することを特徴とする可撓性基材への印刷方法としたものである。
また、請求項2の発明では、前記インキ剥離性のガラス板が、ガラス板表面にシリコーン樹脂層を積層したものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性基材への印刷方法としたものである。
また、請求項3の発明では、前記インキ剥離性のガラス板が、ガラス板表面にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも何れか一つを化学結合させたものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性基材への印刷方法としたものである。
また、請求項4の発明では、前記可撓性基材の印刷面にインキ受理層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可撓性基材への印刷方法としたものである。
また、請求項5の発明では、 前記インキ剥離性のガラス板上のインキ液膜が前記樹脂製の凸版の凸部に転移されて残った不要なインキ液膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の可撓性基材への印刷方法としたものである。
さらにまた、請求項6の発明では、請求項1乃至5のいずれかに記載の可撓性基材への印刷方法を搭載したことを特徴とする可撓性基材への印刷装置としたものである。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、可動ステージ上に固定されたインキ剥離性のガラス板上へインキ液膜を施し、該インキ液膜を予備乾燥し、該予備乾燥されたインキ液
膜に、回転する円筒状の版胴に装着された樹脂製の凸版の凸部を押し当て、前記予備乾燥されたインキ液膜を該樹脂製の凸版の凸部に転移し、該樹脂製の凸版の凸部に転移されたインキ液膜を可撓性基材へ転写する可撓性基材への印刷方法において、前記可撓性基材を前記版胴に装着された樹脂製の凸版とそれに接する円筒状の圧胴との間に挟持することによって、可撓性基材、とりわけ長尺状の可撓性基材へ高精細パターンの印刷を可能にする可撓性基材への印刷方法とすることができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板の表面に、シリコーン樹脂層を積層することによって、インキ剥離性のガラス板表面のインキの濡れ性が悪くなり、よって樹脂製の凸版の凸部へのインキ液膜の転移性が良くなり、転移されたインキ液膜の厚みが安定するので、高精細パターンの再現性が安定した可撓性基材への印刷方法とすることができる。
また、上記請求項3に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス基板の表面に、シランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも何れか一つが化学結合せしめることによって、インキ剥離性のガラス板表面のインキの濡れ性が悪くなり、よって樹脂製の凸版の凸部へのインキ液膜の転移性が良くなり、転移されたインキ液膜の厚みが安定するので、高精細パターンの再現性が安定した可撓性基材への印刷方法とすることができる。
また、上記請求項4に係る発明によれば、可撓性基材の印刷面にインキ受理層が積層されていることによって、樹脂製の凸版の凸部からのインキ液膜の転移がインキ受理性に優れるインキ受理層で良くなり、得られる可撓性基材上の高精細パターンが優れた再現性を有するものとする可撓性基材への印刷方法とするこどができる。
また、上記請求項5に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板上のインキ液膜が前記樹脂製の凸版の凸部に転移されて残った不要なインキ液膜を除去する工程を有することによって、次々と連続して印刷するに際し、新しいインキ液膜のみ(前回の印刷で残った予備乾燥された古いインキ液膜のないもの)をインキ剥離性のガラス板上に形成するようになるので、高精細パターンの再現性により優れた可撓性基材への印刷方法とすることができる。前回までの古いインキ液膜が残っていると、それがガラス板上に徐々に堆積し、印刷の再現性を不安定にするからである。
さらにまた、上記請求項6に係る発明によれば、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の可撓性基材への印刷方法を搭載した印刷装置とすることによって、可撓性基材、とりわけ長尺状の可撓性基材へ高精細パターンの印刷を可能にし、さらにその高精細パターンの再現性が安定して優れたものとする可撓性基材への印刷装置とすることができる。
従って本発明は、プラスチックフィルム等可撓性基材、とりわけ長尺状の可撓性基材へ高精細パターンの薄膜印刷を安定して行うことができ、カラーフィルタのブラックマトリクス、ホワイトマトリクス、カラーパターン、スペーサなど、高効率の印刷法にて作製することができる。また、印刷トランジスタのゲート電極、ソース/ドレイン電極、ゲート絶縁膜、有機半導体材料などの溶液型半導体パターンをこの印刷法にて作製することができる。さらにまた、高分子型有機ELの発光層のパターニングをこのような印刷法により効率良く作製することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明の可撓性基材への印刷方法に適用できる可撓性基材としては、ガラスやプラスチ
ック板などの可撓性を有さないもの以外であれば適用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることができる。印刷に適用するインキの乾燥条件に合わせて選定すればよく、耐熱性のものとしてはポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミドなどが好適である。また、無機フィラーを樹脂に添加して耐熱性を向上させた材料からなる基材でもよい。フィルムおよびシートは、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよく、また、可撓性基材には必要に応じてガスバリア層や平滑化層、すべり層が印刷面または他の面に積層されていても良い。
また、インキ液膜を形成するインキ剥離性のガラス板は、清浄な面であれば一般に表面エネルギが大きく、各種のインキが濡れやすいが、逆に後の工程でのインキ離れが不良となる。そこで、印刷に用いるインキに応じてガラス板上にインキ剥離性の処理を行うものである。
この処理の一方法として、通常のオフセット印刷などで使用するブランケット材料であるシリコーン樹脂を用いることができる。このシリコーン樹脂層を用いる場合は、シリコーン樹脂層の厚みを500μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは10μm以下とする。このシリコーン樹脂層が厚くなると、基板となるガラスの平坦性が損なわれて印圧のムラが生じやすく、また、インキ成分の溶媒や樹脂分がシリコーン樹脂層に浸透する。このインキ成分の浸透状態の差が、印刷条件を変化させるため、より安定な印刷を行うためには、前記のように薄くすることが好適である。
また、この処理の他の方法として、シランカップリング剤を用いることもできる。これにより分子レベルの膜厚のインキ剥離層を作製することができ、ガラス板の平面性を保てることと、インキ成分の浸透が実質的にない、あるいは、瞬時に飽和状態に達することができ、安定した印刷を行うことができる。
上記シランカップリング剤としては、ガラス板と反応できるトリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類などを用いることができる。このシランカップリング剤の一部位は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などの有機化合物との反応性基を持つものから選ぶことができ、あるいは、アルキル基やその一部にフッ素原子が置換されたものやシロキサンが結合して、表面エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、シランカップリング剤でガラス板の表面を処理した後、所定の表面自由エネルギーになるような他のモノマー成分を塗工して、結合させることができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。また、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランなどを用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
上記シランカップリング剤をガラス板に固定化する方法としては、シランカップリング剤を使用した公知のガラス表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリ
ング剤を水、酢酸水、水−アルコール混合液、あるいはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製する。前記溶液を公知の塗工方法であるスピンコート、ロールコート、アプリケータなどを用いてガラス表面に塗工し、次いで乾燥させることでシランカップリング剤をガラス板に固定化できる。また、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、次いで他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
インキ剥離性のガラス板に対するインキ剥離性は、ガラス板処理面へインキを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインキ剥離性が低下してパターンの欠陥(再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインキ液膜を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜を形成することが困難になる。
上記に示したインキ剥離性のガラス板上へインキ液膜を形成する方法としては、インキの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いることができる。すなわち、スピンコート、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータ、スプレーコート、ディスペンサなどが挙げられる。中でもスピンコート、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータは、広い範囲の粘度のインキについて均一なインキ液膜を形成することができ、さらにその中でも可動するインキ剥離性のガラス板上へ連続的に形成する場合は、ダイコートが最も効率的で好適な形成方法である。
インキ剥離性のガラス板上へ前記方法によりインキ液膜を形成した後に、前記インキ液膜を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥などを用いることができ、また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
この予備乾燥では、前記インキ液膜の粘度またはチキソトロピー性、脆性を挙げることを目的とするもので、インキ液膜の完全乾燥はさせない。乾燥が不十分な場合は、後工程の凸版の凸部を押し当て剥離する際に、インキ液膜が断裂し、不良が発生し、逆に乾燥が行過ぎた場合は、前記凸版にインキが転写していかない。そのため使用するインキの組成によって乾燥状態を調整する。
また、樹脂製の凸版としては、ナイロン、アクリル、シリコーン樹脂、スチレン−ジエン共重合体などからなるものを用いることができる。またエチレンプロピレン系、ブチル系、ウレタン系ゴムなどのゴム製の版を用いることもできる。その凸版は、凸版印刷やフレキソ印刷用の版があり、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで版とする、あるいは彫刻によっても作製することができるが、感光性樹脂を用いる方法が高精度のものが作製できる。
上記の工程までにより樹脂製の凸版の凸部に形成されたインキ液膜を可撓性基材へ転写して所定のパターンを得ることができる。可撓性基材には、ポリビニルアルコール、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、アセタール系樹脂などの樹脂成分に、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、珪酸塩、珪酸カルシウム、ポリスチレンなどのフィラー成分、あるいはウレタン系樹脂等を主体としたエマルジョンやゼラチンと硬膜剤などで構成されるインキ受理層が積層されていると更に好ましい。
本発明の可撓性基材への印刷方法を搭載した好適な印刷装置の事例を図1に、また、本発明の可撓性基材への印刷工程の一事例を図2及び図3に示す。
図1に示す印刷装置架台には、可動ステージ20、塗工部21、樹脂製凸版2が装着される版胴22、圧胴23、残留インキ除去用バックロール24が配設される。この可動ステージ20は、ボールねじやリニアモータなどで駆動するものを用いることができ、金属製、石製などのものがある。さらにこの可動ステージ20は、少なくとも水平方向に水平を保ったまま往復運動することができ、この可動ステージ20には、インキ剥離性のガラス板1を固定する。図1の塗工部21としては、例えば連続塗工に最も効率の良いダイ方式のものを図示しており、以降ダイ方式として説明するが、これに限定されるものではない。ダイヘッドには、別に用意されたインキ供給用のポンプから所定のインキを供給することができる。このダイヘッドとインキ剥離性のガラス基板1とのギャップは、印刷開始前に設定してもよく、また、前記可動ステージ20の搬送に合わせて前記ダイヘッドが上下動して、インキ剥離性のガラス板1とのギャップを調整してもよい。
図2(a)に示すように、この可動ステージ20の搬送により、インキ剥離性のガラス板1が所定の位置に達したときに塗工部21を構成するダイヘッドからインキの吐出を開始して、インキ剥離性のガラス板1上に所定のインキ液膜3を形成する。
次いで、図2(b)に示すように、インキ剥離製のガラス板1は、版胴22の方向に搬送されるが、途中にオーブン、温風、減圧乾燥、紫外線照射などの乾燥装置を設けてもよい。この版胴22には樹脂製の凸版2を装着する。さらにこの胴部22は可動ステージ20の搬送に合わせて上下動してもよく、予め設定されていてもよい。この可動ステージ20の搬送に合わせて版胴22を回転させ、版胴22に装着される樹脂製の凸版2の凸部と接したインキ液膜3は、凸版2の凸部に転移する。
一方、図3(a)に示すように、可撓性基材4は、圧胴23により版胴22に装着された樹脂製の凸版2と接しており、この版胴22の回転により、樹脂製の凸版2に転移したインキ液膜3が可撓性基材4に再転移して所望の印刷パターンを得ることができる。
さらに、図3(b)に示すように、インキ剥離性のガラス板1上に残留したインキ液膜3を除去する装置の一例として、残留インキ除去用バックロール24は、粘着テープなどでなる粘着性基材5をインキ剥離性のガラス板1へ押圧し、残留したインキ液膜3を除去することができる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
図2(a)、(b)及び図3(a)、(b)に示す印刷工程図の要領でカラーフィルタ用赤色インキを使用してポリエチレンナフタレート(PEN)基材(帝人デュポン社製)への印刷を行った。
上記カラーフィルタ用赤色インキは次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
〔カラーフィルタ用赤色インキの分散体の組成〕
・赤色顔料:
C. I. Pigment Red 254 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレ
ッド B-CF」) 18重量部
C. I. Pigment Red 177 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」) 2重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 108重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インキを得た。
〔赤色着色インキの組成〕
・上記分散体 100重量部
・メチル化メチロールメラミン: MW-30(三洋化成社製)
20重量部
・レベリング剤:メガファックF-483SF(大日本インキ化学工業社製)
1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル
85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
45重量部
インキ剥離性のガラス板は、ドデシルトリメトキシシランをイソプロピルアルコールに溶解させた溶液を調製し、スピンコートを用いてガラス板上に塗布後、120℃で乾燥して作製し、続いてこのインキ剥離性のガラス板上に上記カラーフィルタ用赤色着色インキを塗布した後、60℃で予備乾燥してインキ液膜を形成した。凸版としてフレキソ版(東洋紡績社製)を用いて、その凸版の凸部に上記のインキを転移し、次いで上記PEN基材上に転写で印刷した。
図2(a)、(b)及び図3(a)、(b)に示す印刷工程図の要領で導電性インキを使用して、インキ受理層を積層したポリエチレンテレフタレート(PET)基材への印刷を行った。
インキ剥離性のガラス板は次の要領で表面を処理した。n-ヘキシルトリメトキシシランをイソプロピルアルコールに溶解させた溶液を調製し、スピンコートを用いてガラス板上に塗布後、120℃で乾燥して作製し、続いてこのインキ剥離性のガラス板上に導電性インキを形成した。
上記導電性インキ組成物は銀粒子水分散液(平均粒径20nm)を用いた。インキ受理層積層基材は、アクリル系水系エマルジョン材料をPET上にバーコーターで塗布後、60℃で乾燥して形成したものを用いた。
インキ剥離性のガラス板上に上記導電性インキ組成物を塗布した後、60℃での予備乾燥を行ってインキ液膜を形成した以外は、実施例1と同様にしてインキ受理層が積層されたPET上に転写で印刷した。
上記実施例1及び実施例2によれば、優れた再現性を有する高精細パターンが安定して印刷できる可撓性基材への印刷方法及びその装置であった。
本発明の可撓性基材への印刷装置の一事例を側断面で表した説明図である。 本発明の可撓性基材への印刷工程の前半の一事例を側断面で表したもので、(a)は、塗布部によるインキ液膜の形成を、(b)は、インキ液膜の凸版への転移を示すものである。 本発明の可撓性基材への印刷工程の後半の一事例を側断面で表したもので、(a)は、インキ液膜の可撓性基材への転写(印刷)を、(b)は、不要な残留インキの除去を示すものである。
符号の説明
1‥‥インキ剥離性のガラス基板
2‥‥樹脂製の凸版
3‥‥インキ液膜
4‥‥可撓性基材
5‥‥粘着性基材
20‥‥可動ステージ
21‥‥塗工部
22‥‥版胴
23‥‥圧胴
24‥‥残留インキ除去用バックロール

Claims (6)

  1. 可動ステージ上に固定されたインキ剥離性のガラス板上へインキ液膜を施し、該インキ液膜をマイクロ波または減圧乾燥を用いて予備乾燥し、該予備乾燥されたインキ液膜に、回転する円筒状の版胴に装着された樹脂製の凸版の凸部を押し当て、前記予備乾燥されたインキ液膜を該樹脂製の凸版の凸部に転移し、該樹脂製の凸版の凸部に転移されたインキ液膜を可撓性基材へ転写する可撓性基材への印刷方法であって、前記可撓性基材を前記版胴に装着された樹脂製の凸版とそれに接する円筒状の圧胴との間に挟持することを特徴とする可撓性基材への印刷方法。

  2. 前記インキ剥離性のガラス板が、ガラス板表面にシリコーン樹脂層を積層したものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性基材への印刷方法。
  3. 前記インキ剥離性のガラス板が、ガラス板表面にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも何れか一つを化学結合させたものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性基材への印刷方法。
  4. 前記可撓性基材の印刷面にインキ受理層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可撓性基材への印刷方法。
  5. 前記インキ剥離性のガラス板上のインキ液膜が前記樹脂製の凸版の凸部に転移されて残った不要なインキ液膜を除去する工程を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の可撓性基材への印刷方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の可撓性基材への印刷方法を搭載したことを特徴とする可撓性基材への印刷装置。
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