JP2010094966A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基材やプラスチック基板、及び長尺状のプラスチックフィルムなどの可撓性基材上へ、連続的に高精細パターンを形成する印刷装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液を塗工する手段と、前記インキ液を予備乾燥し予備乾燥インキ膜とする手段と、画像部パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移させる手段と、前記インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを被印刷基材表面上へ転写する手段と、前記インキ剥離性のフィルム基材上の残存インク膜を洗浄し除去する洗浄手段と、を具備することを特徴とする印刷装置である。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液を塗工する手段と、前記インキ液を予備乾燥し予備乾燥インキ膜とする手段と、画像部パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移させる手段と、前記インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを被印刷基材表面上へ転写する手段と、前記インキ剥離性のフィルム基材上の残存インク膜を洗浄し除去する洗浄手段と、を具備することを特徴とする印刷装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス基材や長尺状のプラスチックフィルムなどの可撓性基材上へ、高精細パターンを連続的に形成する印刷装置に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイは、省エネルギー、省スペース、可搬性などの点から据え置き型、壁掛け型、携帯型の様々な用途の画像表示装置として利用されている。
特に携帯型においては、携帯時に落下させても破損しないような耐衝撃性や、軽量化、薄型化などの点からプラスチック化への要求がある。また、壁掛け型においても円柱状の柱へのディスプレイの設置という点から可撓性のディスプレイへの要求がある。
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、何れもガラス基板上に製造された物であり、プラスチック基板上に製造することは難しかった。
その一つの理由は、従来のフラットパネルディスプレイの部材の製造には高温での加熱工程とフォトリソ工程が含まれているためである。
例えば、液晶ディスプレイ用のカラーフィルターの製造においては、感光性着色樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程が必要であり、ベーキング中にプラスチック基板の熱による損傷や伸縮が生じてしまう。
また、ディスプレイの駆動素子である薄膜トランジスタの製造工程、シリコン半導体や、絶縁膜の形成に300℃以上の高温工程を含み、プラスチック基板の耐熱性を上回っていた。
また、フォトリソ工程は、製膜、露光、現像、剥離を材料ごとに行うので、製造設備も大掛かりとなり、製造のコストが高くなる。
以上のことから、加熱工程やフォトリソ工程が不要で安価で行なえるプラスチック基材上への精密なパターニングが可能な印刷方法が求められていた。
プラスチック基材上への印刷法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の箇所にのみ所定の材料を吐出できることから材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、簡便なパターニング方法として期待されている。
しかしながら、現状のインクジェットのインク液滴の直径は数十μm程度であり、着弾精度も数μm程度しかない。
そのため、インクジェット法では,カラーフィルターのブラックマトリクスの作成が困難であり,高精細である10μm程度のパターンを形成する方法としては、採用することができない。
インクジェット法以外の方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法は、電子部品における配線や抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。
しかしながら、孔版印刷であることからインキはペースト状の高粘度のものに限られ、
また、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、やはり10μm前後のパターンを形成する方法としては、採用できない。
また、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、やはり10μm前後のパターンを形成する方法としては、採用できない。
そこで、インクジェット法およびスクリーン印刷法以外の方法として、フィルムへ乾燥インキ膜を予め設けた、いわゆるドライフィルムを熱圧により所定部位の乾燥インキ膜を除去し、残った乾燥インキ膜のパターンを所望の基材に転写する転写方法が開発された(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、フィルムから基材へインキ層を転写する際に熱圧を用いるために、基材の膨張・収縮や版の膨張、インキ層の溶融・軟化を伴うことから、数十μm程度の微小なパターンの再現性を得る事が困難である。また、熱圧を均一に与えるための装置も複雑になり、大画面への対応も困難となってしまう。
また、版胴に巻き付けたブランケット上にインキを塗工・予備乾燥してインキ膜を形成し、その後、非画像部パターンが形成された凸版をインキ膜に押圧し引き離すことにより非画像部パターンを除去し、ブランケット上に画像パターンを形成し、最後に、ブランケット上に残置した画像パターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に画像パターンを形成する反転印刷法が試みられている(例えば、特許文献2参照)。この方法は、インキ膜厚を調整することが容易である。この印刷法ではインキ剥離性のブランケット上に画像パターンを形成することから、被印刷基材へのインキ転写性が良好である。そのため、インクジェット法やスクリーン印刷法では困難であった微細パターンの形成が容易に可能である。
しかしながら、特許文献2の方法は、シリコーンゴムまたはシリコーン樹脂からなるブランケット上でインキの予備乾燥を行う時に、シリンダに固定されたまま乾燥を行うために乾燥方法が限定され複雑な機構になり均一な予備乾燥が困難であったことや、同一ブランケットを連続して転写ごとに使用するため、ブランケットがインキによって膨潤してしまい,その結果,転写ごとにブランケット状態が変化していき,転写条件が変化するので精度のバラツキにつながった。
また、ブランケットが版胴に固定されているので、被印刷基材上に転写する場合に、ブランケット上のパターンにあるアライメント用マークと被印刷基材上のアライメント用マークの両方を光学的に認識し,位置合わせをおこなうことが困難であった。
従来の反転印刷法における上記のような課題を解決すべく、巻取りロールからインキ剥離性のフィルム基材を供給し,そのインキ剥離性のフィルム基材をブランケットとして使用する印刷方法が提案されている。この印刷方法によれば、新規インキ剥離性のフィルム基材を順次送り出し使用することが出来るため転写の連続安定性を確保することが可能である。また、インキ剥離性のフィルム基材が光学的に透明であることで、インキ剥離性のフィルム基材表面に残った画像パターンやアライメントマーク越しに、被印刷基材上の画像パターンやアライメントマークを視認することができることから、転写位置を正確に合わせこむことが容易となり再現性の高い高精細パターンを形成することが可能である。
しかしながら、印刷後のインキ剥離性のフィルム基材にはパターン外に残存インキ膜が存在していて、印刷後の搬送系などが汚染される等の問題があった。また、インキ剥離性のフィルム基材は使い捨てであるため、コスト面や廃棄物が多くなる点で問題がある。ま
た、例えば,印刷装置とは別のラインで印刷後の残存インキ膜の洗浄部を設けると、印刷装置と洗浄装置を移動するためにフィルム巻取り工程が増えてしまい、巻き取り不良による品質劣化や品質保護のために使用する保護フィルム等の副資材が多くなりコストが高くなってしまうという問題があった。
た、例えば,印刷装置とは別のラインで印刷後の残存インキ膜の洗浄部を設けると、印刷装置と洗浄装置を移動するためにフィルム巻取り工程が増えてしまい、巻き取り不良による品質劣化や品質保護のために使用する保護フィルム等の副資材が多くなりコストが高くなってしまうという問題があった。
本発明において上記課題を達成するための、請求項1に記載の発明は、
少なくとも、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液を塗工する手段と、
前記インキ液を予備乾燥し予備乾燥インキ膜とする手段と、
画像部パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移させる手段と、
前記インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを被印刷基材表面上へ転写する手段と、
前記インキ剥離性のフィルム基材上の残存インク膜を洗浄し除去する洗浄手段と、を具備することを特徴とする印刷装置としたものである。
少なくとも、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液を塗工する手段と、
前記インキ液を予備乾燥し予備乾燥インキ膜とする手段と、
画像部パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移させる手段と、
前記インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを被印刷基材表面上へ転写する手段と、
前記インキ剥離性のフィルム基材上の残存インク膜を洗浄し除去する洗浄手段と、を具備することを特徴とする印刷装置としたものである。
また請求項2に記載の発明は、前記洗浄手段が、プラスチックフィルム、繊維、金属、紙、ゴム等をインキ剥離性のフィルム基材に押し当ててから引き離す洗浄手段であることを請求項1に記載の印刷装置としたものである。
また請求項3に記載の発明は、前記洗浄手段が、インキ剥離性のフィルム基材に対して、流体を噴霧、もしくは液体中に浸漬する洗浄手段であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置としたものである。
また請求項4に記載の発明は、前記洗浄手段が、インキ剥離性のフィルム基材に対して、UV照射を行う洗浄手段であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置としたものである。
また請求項5に記載の発明は、前記インキ剥離性のフィルム基材がエンドレス状フィルム基材であって、エンドレス状フィルム基材が印刷装置内を回送循環する搬送手段を具備すること特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置としたものである。
本発明は以上の特徴を持つことから、下記に示す効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、インキ剥離性のフィルム基材の残存インキ膜の洗浄を印刷装置内で転写の直後に行うようにしたので、残存インク膜が搬送されることによる装置及び装置内の汚染が防止されるとともにインキ剥離性フィルムの再利用ができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、洗浄対象物がインキ剥離性のフィルム上の残存インキ膜なので、プラスチックフィルムや繊維、金属、紙、ゴムなどをあてがい、剥離させるだけで容易にインキ膜の除去が可能である。
また、上記請求項3に係る発明によれば、2次汚染もなく複数種の汚染も簡単かつ低コストで洗浄でき、裏面も同時に洗浄できる。
また、上記請求項4に係る発明によれば、残存インク膜を紫外線により励起させて、揮発性に変化させ洗浄対象物から飛ばして排気することで、除去効果が高く汎用性があり、
低ダメージ、低コストで洗浄できる。
低ダメージ、低コストで洗浄できる。
また、上記請求項5に係る発明によれば、インキ剥離性のフィルム基材を円環状のエンドレスフィルムにすることで、フィルム交換なく効率よく印刷することができ、またフィルム巻き取る必要がないため、インキ剥離性のフィルム用保護フィルムも使用する必要がなく、タクト、コスト面で有利である。
従って、本発明の印刷装置ではガラス基材あるいはプラスチック等可撓性基材へ高精細パターンの印刷を連続してインク汚染物なく安定して低コストでおこなうことができ、ディスプレイ部材となるカラーフィルターのブラックマトリックス、ホワイトマトリックス、カラーパターン、スペーサーなどを作製することができる。
また、印刷装置の主たる部材であるインク剥離性フィルムに関しても、洗浄を行なうことで、装置内の他箇所へ汚染が拡がることがなく、洗浄をおこなったインキ剥離性フィルムは再利用も可能なため、コスト面、生産効率で有利であり、廃棄物も少ないため環境面に関しても有利である。
また、印刷装置の主たる部材であるインク剥離性フィルムに関しても、洗浄を行なうことで、装置内の他箇所へ汚染が拡がることがなく、洗浄をおこなったインキ剥離性フィルムは再利用も可能なため、コスト面、生産効率で有利であり、廃棄物も少ないため環境面に関しても有利である。
本発明に用いるフィルム基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることができる。さらに光透過性の基材を用いることにより、パターンの重ね合わせ時にアライメントを容易とすることができる。これらフィルム基材は長尺の巻き取りロールで供給され、ブランケットへ加工された後使用される。
インキ剥離性のフィルム基材は、上記基材へシリコーンオイル、シリコーンワニスで代表される離型剤を塗布する必要がある。離型剤としてシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。また同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴムも利用できるし、フッ素樹脂微粉末をシリコーンゴムあるいは、普通のゴムに混ぜて剥離性を出すなどの使い方をしてもよい。これらシリコーン系の塗膜は通常フィルム基材との密着力が低いが、最表面に設けるシリコーン層の下部より基材との接着性の高い熱硬化または紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂層を、アンカー層としてあらかじめフィルム基材上に設けることで改善できる。
いずれも適度のインキ受容性を有すると同時に、一度受容したインキの完全なインキ剥離性を有することが望ましい。
具体的には、シリコーンとして、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、あるいはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体など、変成したものを用いることができる。
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、またはシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、あるいは一液型で
はジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせなどが用いられ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンが適宜用いられる。
はジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせなどが用いられ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンが適宜用いられる。
また、本発明に用いるインキ剥離性のフィルム基材として、前記基材に無機膜を設けた後、シランカップリング剤による表面処理を施したものを用いることもできる。
シランカップリング剤としては、トリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類などを用いることができる。このシランカップリング剤の一部位は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などの有機化合物との反応性基を持つものから選ぶことができ、あるいはアルキル基やその一部にフッ素原子が置換されたものやシロキサンが結合して、表面自由エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、シランカップリング剤で基材表面を処理した後、所定の表面自由エネルギーになるような他のモノマー成分を塗工して、結合させることができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。また、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランなどを用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
上記シランカップリング剤を上記基材に固定化する方法としては、定法の表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリング剤を水、酢酸水溶液、水−アルコール混合液、あるいはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製する。前記溶液を公知の塗工方法であるグラビアコーター、ロールコーター、ダイコーター等を用いて基材表面に塗工し、次いで乾燥させることでシランカップリング剤を固定化できる。また、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、次いで他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
上記シランカップリング剤を基材上に固定化するためには、あらかじめ基材上にSiO2やTiO2、ZrO2もしくはこれらの複合膜が設けられていることが好ましい。これら無機酸化膜は既知の蒸着法やスパッタ法を用いて設けたものを用いることができる。
また、上記無機酸化膜を設ける方法として、一般式M(OR)nで表される金属アルコキシド(MはSi、Ti、Al、Zrなどの金属、RはCH3、C2H5などのアルキル基)を水、アルコールの共存下で加水分解反応および縮重合反応させて得られたゲル溶液を表面にコーティング後、加熱することで無機酸化物膜を設ける、いわゆるゾル−ゲル法を用いることができる。
さらに、上記ゾル−ゲル法で用いる金属アルコキシド溶液中にあらかじめ上記シランカップリング剤を添加しておくこともできる。この場合、表面性改質に特に効果が得られる。
このようにして得られるインキ剥離性のフィルム基材に対するインキ剥離性の評価は、接触角を尺度とすると、処理面へインキを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下
となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインキ剥離性が低下してパターンの欠陥(出っ張り、ブリッジ、あるいは再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインキ液膜を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜を形成することが困難になる。
となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインキ剥離性が低下してパターンの欠陥(出っ張り、ブリッジ、あるいは再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインキ液膜を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜を形成することが困難になる。
上記に示したインキ剥離性のフィルム基材上へインキ液膜を形成する方法としては、インキの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いることができる。すなわち、例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。中でも、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータは、広い範囲の粘度のインキについて均一なインキ液膜を形成することができ、さらにその中でもインキ剥離性のフィルム基材上へ連続的に形成する場合は、ダイコートが最も効率的で好適な形成方法である。
インキ剥離性のフィルム基材上へ前記方法によりインキ液膜を形成した後に、前記インキ液膜を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波照射、減圧乾燥などを用いることができ、また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
この予備乾燥では、前記インキ液膜の粘度またはチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とする。予備乾燥による乾燥が不十分な場合は、後工程の凸版の凸部を押し当て剥離する際に、インキ液膜が断裂し不良が発生してしまう。逆に乾燥が行き過ぎた場合は、インキ膜表面のタック性が無くなり、前記凸版にインキが転写されない。そのため、使用するインキの組成によって乾燥状態を乾燥時間や雰囲気温度により調節するが、乾燥したインキ膜に対して0.5重量%から4重量%の溶剤の残留が認められる状態が好ましい。
いわゆるドライフィルムといわれるppmオーダーの溶剤残留量では乾燥が行き過ぎであり、インキが転写されない不具合や、版の押し付けによりインキ膜が部分的に剥離してゴミの原因になったりする不具合があるため、予備乾燥インキ膜の条件として適さない。
凸版としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に感光性樹脂を塗布し、マスク露光、現像によりパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウエットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの版深を設けたものを用いることができる。
また、凸版にはナイロン、アクリル、シリコーン樹脂、スチレン−ジエン共重合体などからなるものを用いることもできる。またエチレン−プロピレン系、ブチル系、ウレタン系ゴムなどのゴム製の版を用いることもできる。このような樹脂製の凸版は、すでに凸版印刷やフレキソ印刷用に用いられており、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで版とする、あるいは彫刻によっても作製することができるが、感光性樹脂を用いる方法がより高精度のものを作製できる。
本発明の印刷方法は、ガラスやプラスチック板などへの印刷に適用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることもできる。印刷に使用するインキの乾燥条件に合わせて選定すればよく、耐熱性のものとしてはポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミドなどが好適である。また、無機フィラーを樹脂に添加して耐熱性を向上させた材料からなる基材でもよい。フィルムおよびシート
は、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよく、また、可撓性基材には必要に応じてガスバリア層や平滑化層、インキ受像層が印刷面または他の面に積層されていても良い。
は、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよく、また、可撓性基材には必要に応じてガスバリア層や平滑化層、インキ受像層が印刷面または他の面に積層されていても良い。
インキ液膜の材料としては、画像パターン形成材料に溶媒を溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、カラーフィルターにおいて赤色、緑色、青色からなるカラーパターン(着色層)やブラックマトリックス等を本発明の製造方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることによりインキとなる。
顔料には、例えば、赤、緑、青の各色で使用できる顔料として次のものが挙げられる。顔料の種類は、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。まず、赤色顔料として、97、122、123、149、168、177、180、192、208、209、215などが、緑色顔料として7、36などが、青色顔料として、15、15:1、15:3、15:6、22、60、64などが挙げられる。墨顔料として、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。また、これら赤、緑及び青顔料の色調整及びインキの流動性を改善するために、次に挙げる顔料を必要量添加することができる。
赤色、緑色、青色以外にも、例えば、黄顔料として、17、83、109、110、128などが、紫顔料として、19、23などが、白顔料として、18、21、27、28などが、橙顔料として、38、43などが挙げられる。顔料は、単体以外に、顔料を予め分散剤、有機溶剤に分散させた顔料分散体であっても良い。
また、ブラックマトリックスに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラックが単独又は混合して用いられる。
樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1−ブタノール、3メトキシ−3メチル−1ブタノール、1−ヘキサノール、1、3ブタンジオール、1−ペンタノール、2−メチル1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、エーテル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名エクソン化学社製)などが挙げられる。
また、有機EL素子において有機発光層を形成する場合、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)といった高分子発光材料をトルエンやキシレンといった芳香族系有機溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、回路基材において、配線を形成する場合、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子分散液を水やアルコール、グリコール系溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、これらのインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等が添加されてもよい。なお、インキはこれらに限定されるものではない。
以下に、これら材料を用いて精密パターンの転写を実施するための一例を説明する。
本実施形態に係る印刷方法は、インキ剥離性のフィルム基材へインキ液を塗工し、該イ
ンキ液を予備乾燥した予備乾燥インキ膜に、凸部パターンが非画像パターンである凸版を押し当て引き離すことで、予備乾燥インキ膜の不要なパターンを版の凸部に転写除去し、該インキ剥離性のフィルム基材上に残った画像パターンを被印刷基材へ転写し、その後、残存インク膜が付着しているインキ剥離性フィルム基材を洗浄して、再び印刷に使用することを特徴とする。
ンキ液を予備乾燥した予備乾燥インキ膜に、凸部パターンが非画像パターンである凸版を押し当て引き離すことで、予備乾燥インキ膜の不要なパターンを版の凸部に転写除去し、該インキ剥離性のフィルム基材上に残った画像パターンを被印刷基材へ転写し、その後、残存インク膜が付着しているインキ剥離性フィルム基材を洗浄して、再び印刷に使用することを特徴とする。
次に、本発明による印刷方法を具体化する印刷装置の一例を、被印刷基材をフィルム基材とした場合として図1に示し、実際のパターニング工程に沿って説明する。
印刷装置は、インキ剥離性フィルム基材112と当該フィルムの搬送の制御を行なうフィードローラ107、バックテンションローラ110、フィルムテンション制御ローラ111と、被印刷基材116と当該基材の搬送の制御を行なう、被印刷基材巻き出し部113、被印刷基材巻取り部114の搬送系とインク剥離性フィルム塗工部101、乾燥部102、パターン除去部103、アライメント部104、基材貼りあわせ部105、インキ剥離性フィルム洗浄部106、108、109、被印刷基材乾燥部115によって構成される。
フィードローラ107、バックテンションローラ110、被印刷基材巻き出し部113、被印刷基材巻き取り部114等の搬送部は、回転やテンションを制御してフィルム基材を搬送するためのモーターを備える。フィルムテンション制御ローラ111は、シリンダ等でフィルムに一定荷重を負荷しテンションを一定の値に維持する。装着されるフィルム原反幅は100mm〜1000mmが選択できるが、パターンの実用性と転写位置精度を考慮し選択される。
また、フィルム基材のテンションの制御は、これら装置以外に搬送系にニップ部を設置して基材を保持することでも調節を行うことができる。ニップ部は、主に搬送ロールに備わったエアー吸着孔による吸着ニップが用いられる。
搬送は、各工程で必要な時間差を緩和し、フィルムの連続搬送を行うためのバッファを備えた場合には、連続搬送を行うことができるが、インキ剥離性フィルム基材や被印刷基材を、工程ごとに必要な長さの搬送を行なうことが好ましい。
塗工部101は、可動ステージと、可動ステージ上に設けられたインキ剥離性フィルム基材に対しインキを塗布する塗工装置が設置されている。可動ステージは、ボールねじやリニアモーター等で駆動するものを用いることができ、金属製、石製などのものを用いることができるが少なくとも水平方向に水平を保ったまま往復運動することができ、インキ剥離性フィルム基材を吸着することができることが望ましい。吸着による表面の凹凸を防ぐためにフィルムのエッジ付近のみ吸着孔を設ける方法や、多孔質性材料を用いた吸着表面を用いる方法を選択することができる。
塗工装置は、連続加工や膜厚の均一性が優れるダイ方式のものについて説明するが、これに限定するものではない。ダイヘッドには、別に用意されたインキ供給用のポンプから所定量のインキを供給することができる。このダイヘッドとインキ剥離性フィルム基材とのギャップは印刷開始前に設定してもよく、また可動式ステージの搬送に合わせてダイヘッドを上下動させて調整してもよい。
乾燥部102は、上記塗工部101でインキ剥離性フィルム基材へ塗工したインキを乾燥させるために設置されるもので、ホットプレート、オーブン、温風、減圧乾燥、紫外線照射などの乾燥装置を設けてもよい。
パターン除去部103は、可動ステージに樹脂製またはガラス製の凸版が吸着により装着されており、インキ剥離性フィルム基材上のインキ塗工面を該凸版に近づけた後、ステージに設けられているローラをインキ剥離性フィルム基材の上から押し当て、回転させながら印圧をかけ、インキ剥離性フィルム基材を該凸版から剥がすことにより、凸版の凸部と接した塗工膜を凸版に転移させる。
このとき、ローラ外周の材料としては、ゴムや金属、プラスチックなどの材料が使用できる。とりわけ、ゴムは可塑的な性質を持ち個体ではあるがその性質は液体に近く、均等に力を加えることが出来る。具体的なゴムの種類は、力学的性質に特化しているウレタンゴムや広い温度範囲でゴム弾性が優れているシリコーンゴムなどが挙げられる。またローラの曲率としては、使用する凸版の底に接触しないよう曲率の小さいものを使用することが望ましい。
アライメント部104は、可動性ステージと複数の顕微鏡カメラから構成されており、可動性ステージ上に吸着した被印刷基材上に、インキ剥離性フィルム基材上の予備乾燥インキ膜面を100〜250μmに近づけた後、インキ剥離性フィルム基材が透明なことを利用して、インキ剥離性フィルム基材上に得られたパターンの一部やアライメント用のマークパターンと、被印刷基材上のパターンを透過画像で認識し、それぞれの基材パターンを認識した画像を基に可動性ステージを動作させ転写位置の補正を行うことができる。
また、インキ剥離性フィルム基材と被印刷基材の間に顕微鏡カメラを挿入し、それぞれの基材上のパターンを認識した画像を基に位置の補正を行う方法も選択できる。
上記の顕微鏡カメラは光学顕微鏡、CCD(Charge Coupled Device)顕微鏡のどちらであっても良いが、オートフォーカス又は電気的に制御可能な手動焦点制御機構のいずれか、もしくはその両方の機能を必要とし、取得した画像を観察するために外部に設置したモニターや位置補正のための画像処理装置へ出力するインターフェースを持つものとする。
貼りあわせ部105には、前記アライメント部104に設置された可動性ステージ上にローラが設けられる。パターン除去部と同様にローラ外周の材料としては、ゴムや金属、プラスチックなどの材料が使用できる。このとき、ローラの曲率としては、微小なインキ膜の凹凸に追従するよう曲率の大きいものを使用することが望ましい。
前記貼り合わせ部105に設置された可動性ステージに固定された被印刷基材と、わずかな隙間をあけて設置されたインキ剥離性フィルム基材の上から、同じく前記貼り合わせ部105に設置されたローラを押し当て、可動性ステージの移動と共にローラを回転させながら印圧をかけ、つぎにインキ剥離性フィルム基材を被印刷基材から剥がすことにより画像部パターンを被印刷基材上へ転写することができる。
フィルム基材乾燥部115は、被印刷基材上に転写された画像パターンを乾燥させるために設置されるもので、ホットプレート、オーブン、温風、減圧乾燥、紫外線照射などの乾燥装置を設けることが可能であるが、被印刷基材の巻き取り時のブロッキングを防止するために必要な乾燥が可能であればよく、具体的には150℃で数分間の熱乾燥を行うのが良い。
インキ剥離性フィルム洗浄部106には、インク剥離性のフィルムの残存インク膜を除去するために、金属ローラが設けられている。フィルム搬送を通して金属ローラとインキ剥離性フィルムが接触することで、残存インク膜が除去される。
インキ剥離性フィルム洗浄部108には、UVによる洗浄部が設けられている。使用するランプは、低圧水銀ランプとキセノンエキシマランプのどちらでも良いが、照射距離の制限はあるが、高速洗浄可能、装置小型化、低温処理が可能、超寿命・省エネルギーであるキセノンエキシマランプが望ましい。
インキ剥離性フィルム洗浄部109には、流体による洗浄部が設けられている。その方法は、例えば気液二相流を噴霧する方法や溶剤に浸漬する方法などを選択できる。また、UVによる洗浄と組み合わせることで、大幅な洗浄力向上が望める。
カラーフィルター用赤色インキを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し、さらに5μmのフィルタでろ過して赤色顔料の分散体を得た。
[カラーフィルター用赤色顔料分散体の組成]
・赤色顔料:
C.I.Pigment Red 254 18重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッドB−CF」)
C.I.Pigment Red 177 2重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)
アクリルワニス(固形分20%) 108重量部
・赤色顔料:
C.I.Pigment Red 254 18重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッドB−CF」)
C.I.Pigment Red 177 2重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)
アクリルワニス(固形分20%) 108重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インキを得た。
〔赤色着色インキの組成〕
・上記分散体 100重量部
・メチル化メチロールメラミン:MW−30(三洋化成社製) 20重量部
・レベリング剤:メガファックF−483SF(大日本インキ化学工業社製)
1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45重量部
・上記分散体 100重量部
・メチル化メチロールメラミン:MW−30(三洋化成社製) 20重量部
・レベリング剤:メガファックF−483SF(大日本インキ化学工業社製)
1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45重量部
インキ剥離性フィルム基材としては、基材厚約120μmのシリコーン系離形ポリエステルフィルム:K1504(東洋紡績社製)を300mm幅、500mのロール状で用意した。
また、パターンの除去版としては、200mm幅(パターン有効幅は150mm)の樹脂製フレキソ用版(東洋紡績社製)を用意した。パターンは凸部20μm幅、凹部80μm幅の連続したストライプパターンと、4つの角に位置する200μm内へ設けられたアライメントマークを設けた。
さらに、被印刷基材としてフィルム厚120μmの光透過性PET基材を300mm幅、20mのロール状で用意した。
上記部材を用い、図1の装置を用いて印刷加工を行った。
まず、塗工部ステージ上でインキ剥離性フィルム基材に、200mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ200mm、膜厚0.8μmでインキをコーティングした。
次に、設置された40℃のIR炉内を通過させて乾燥を行い、塗工部がパターン除去部ステージ上に設置されるまで搬送を行った後、さらに120秒待機した。
あらかじめパターン除去部に設置しておいたフレキソ版に塗工部をゴムローラで押し当て非画像部を除去した後、アライメント部ステージへ画像部パターンが来るように搬送した。2つのアライメント用カメラで対角上のアライメントマークを確認した後、さらにゴムローラでインキ剥離性フィルム基材と被印刷基材を貼り合わせた後、インキ剥離性フィルム基材を被印刷基材から剥がすことによって、被印刷基材への画像パターンの転写を行った。
画像パターンが転写された被印刷基材を乾燥部へ搬送し、ホットプレート120秒で乾燥し、パターン印刷物を得た。
被印刷基材に転写を行なった後のインキ剥離性フィルムは、インキ剥離性フィルム洗浄部106、108、109を通して洗浄される。
その後、洗浄をおこなったインキ剥離性フィルムを使用して同様の印刷をおこなった。その結果、洗浄後のインキ剥離性フィルムを使用しても同等の品質のパターン印刷物を得た。
本発明の印刷装置を使用してカラーフィルターのブラックマトリックスのパターンニングをおこなった。
カラーフィルター用黒色インキを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し黒色インキを得た。
[カラーフィルター用黒色インキの組成]
・ポリイミド前駆体 東レ(株)製:「セミコファインSP−510」 10重量部
・黒色顔料 カーボンブラック 7.5重量部
・溶媒 N‐メチル‐2‐ピロリドン (NMP) 130重量部
・分散剤 銅フタロシアニン誘導体 5重量部
・レベリング剤 ビックケミージャパン(株)製 「BYK333」0.5重量部
[カラーフィルター用黒色インキの組成]
・ポリイミド前駆体 東レ(株)製:「セミコファインSP−510」 10重量部
・黒色顔料 カーボンブラック 7.5重量部
・溶媒 N‐メチル‐2‐ピロリドン (NMP) 130重量部
・分散剤 銅フタロシアニン誘導体 5重量部
・レベリング剤 ビックケミージャパン(株)製 「BYK333」0.5重量部
パターンの除去版としては、300mm幅(パターン有効幅は230mm)の硝子製基板にエッチング加工を行ない、凸版を作成し使用した。パターンは縦線幅30μm幅、横線幅40μm幅の連続したブラックマトリックスパターン、4つの角に位置するアライメントマーク、アクセサリマークとして線幅10μmの格子パターンを設けた。
被印刷基材としてフィルム厚120μmの光透過性耐熱性フィルム基材を300mm幅、20mのロール状で用意した。
インキ剥離性フィルム基材は、ポリエチレンテレフタレートに剥離性シリコーンゴムを厚さ10μm塗布して乾燥させたものを、印刷装置の搬送部周回長さと同程度のエンドレス状に加工して使用した。
上記部材を用い、図1の装置を用いて印刷加工を行った。
最初に、エンドレス状のインク剥離性フィルム基材の搬送を行い、インキ剥離性フィル
ム洗浄部106、108、109で前洗浄される。さらに、イオナイザーによる静電気除去も同時におこなった。
前洗浄や除電をおこなうことで、パターンニングの際に発生する異物欠陥の数を大幅に減らすことができる。図2に前洗浄の有無による異物欠陥の数を示す。サンプルとして4回計測をした結果、異物が激減していることがわかる。
ム洗浄部106、108、109で前洗浄される。さらに、イオナイザーによる静電気除去も同時におこなった。
前洗浄や除電をおこなうことで、パターンニングの際に発生する異物欠陥の数を大幅に減らすことができる。図2に前洗浄の有無による異物欠陥の数を示す。サンプルとして4回計測をした結果、異物が激減していることがわかる。
次に、塗工部ステージ上でインキ剥離性フィルム基材に、300mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ400mm、膜厚1.0μmでインキをコーティングした。
塗工が終わったインキ剥離性フィルム基材は、搬送速度を調整しながら60℃のIR炉内を通過させて乾燥を行い、塗工部がパターン除去部ステージ上に設置されるまで搬送を行なう。
あらかじめパターン除去部に設置しておいた凸版に、インキ塗工部をゴムローラで押し当て非画像部を除去した後、アライメント部ステージへ画像部パターンが来るように搬送した。その後、ゴムローラでインキ剥離性フィルム基材と被印刷基材を貼り合わせた後、インキ剥離性フィルム基材を被印刷基材から剥がすことによって、被印刷基材への画像パターンの転写を行った。
画像パターンが転写された被印刷基材を乾燥部へ搬送し、IR炉にて20分の乾燥を行いパターン印刷物を得た(図3を参照のこと)。
被印刷基材に転写を行なった後のインキ剥離性フィルムは、インキ剥離性フィルム洗浄部106、108、109を通して洗浄され、再び印刷加工が行なわれる。洗浄されたインク剥離性フィルムを用いて再度印刷をおこなった結果を図4に示す。
ブラックマトリックスパターン、アライメントマーク、格子パターンともに再現性良くパターニングできていることがわかる。
ブラックマトリックスパターン、アライメントマーク、格子パターンともに再現性良くパターニングできていることがわかる。
101 ・・・塗工部
102 ・・・乾燥部
103 ・・・凸版貼りあわせ/パターン除去部
104 ・・・アライメント部
105 ・・・吸着ステージ/貼りあわせ部
106 ・・・インキ剥離性フィルム洗浄部1
107 ・・・フィードローラ
108 ・・・インキ剥離性フィルム洗浄部2
109 ・・・インキ剥離性フィルム洗浄部3
110 ・・・バックテンションローラ
111 ・・・フィルムテンション制御ローラ
112 ・・・インク剥離性フィルム
113 ・・・被印刷基材巻き出し部
114 ・・・被印刷基材巻取り部
115 ・・・被印刷基材乾燥部
116 ・・・被印刷基材
102 ・・・乾燥部
103 ・・・凸版貼りあわせ/パターン除去部
104 ・・・アライメント部
105 ・・・吸着ステージ/貼りあわせ部
106 ・・・インキ剥離性フィルム洗浄部1
107 ・・・フィードローラ
108 ・・・インキ剥離性フィルム洗浄部2
109 ・・・インキ剥離性フィルム洗浄部3
110 ・・・バックテンションローラ
111 ・・・フィルムテンション制御ローラ
112 ・・・インク剥離性フィルム
113 ・・・被印刷基材巻き出し部
114 ・・・被印刷基材巻取り部
115 ・・・被印刷基材乾燥部
116 ・・・被印刷基材
Claims (5)
- 少なくとも、インキ剥離性のフィルム基材上にインキ液を塗工する手段と、
前記インキ液を予備乾燥し予備乾燥インキ膜とする手段と、
画像部パターンを凹部とした凸版を前記予備乾燥インキ膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移させる手段と、
前記インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜からなる画像パターンを被印刷基材表面上へ転写する手段と、
前記インキ剥離性のフィルム基材上の残存インク膜を洗浄し除去する洗浄手段と、を具備することを特徴とする印刷装置。 - 前記洗浄手段が、プラスチックフィルム、繊維、金属、紙、ゴム等をインキ剥離性のフィルム基材に押し当ててから引き離す洗浄手段であることを請求項1に記載の印刷装置。
- 前記洗浄手段が、インキ剥離性のフィルム基材に対して、流体を噴霧、もしくは液体中に浸漬する洗浄手段であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記洗浄手段が、インキ剥離性のフィルム基材に対して、UV照射を行う洗浄手段であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記インキ剥離性のフィルム基材がエンドレス状フィルム基材であって、エンドレス状フィルム基材が印刷装置内を回送循環する搬送手段を具備すること特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷装置。
Priority Applications (1)
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JP2019053822A (ja) * | 2017-09-12 | 2019-04-04 | トヨタ自動車株式会社 | 触媒転写方法 |
CN113183612A (zh) * | 2021-04-07 | 2021-07-30 | 黄山运佳装饰材料有限公司 | 一种超大尺寸高平整度pvc装饰膜的套色工艺及生产设备 |
-
2009
- 2009-02-24 JP JP2009040497A patent/JP2010094966A/ja active Pending
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