JP2009234056A - 印刷方法 - Google Patents

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守 玉越
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Abstract

【課題】インキ剥離性のガラス板上にインキを塗工・予備乾燥してインキ膜を形成し、その後、樹脂製凸版をインキ膜に押圧して非画像部を除去して、上記ガラス板上に画像パターンを残し、最後に、残された画像パターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に画像パターンを形成する印刷方法において、版の伸縮、つぶれ等により印刷物の版再現性が悪い。高精細パターンを版再現性良く形成するための改良印刷方法を新たに提供する。
【解決手段】インキ剥離性のガラス板とガラス製凸版を同時に使用し、両者の内、少なくとも一方に湾曲可能な薄板状ガラスを用いることを特徴とする印刷方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基材やプラスチックフィルム、特に生産効率の良い長尺状のプラスチックフィルムなどの可撓性基材上へ、高精細パターンを形成する印刷方法に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイは、省エネルギー、省スペース、可搬性などの点から据え置き型、壁掛け型、携帯型の様々な用途の画像表示装置として利用されている。
特に携帯型においては、携帯時に落下させても破損しないような耐衝撃性や、軽量化、薄型化などの点からプラスチック化への要求がある。また、壁掛け型においても円柱状の柱へのディスプレイの設置という点から可撓性のディスプレイへの要求がある。
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、何れもガラス基板上に製造された物であり、プラスチック基板上に製造することは難しかった。
その理由は、従来のフラットパネルディスプレイの部材の作製には高温での加熱工程とフォトリソ工程が含まれているためである。
例えば、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造においては、感光性樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程があり、プラスチック基板の熱や水分による損傷や伸縮が生じてしまう。
また、ディスプレイの駆動電極である薄膜トランジスタの製造工程では、シリコン半導体や、絶縁膜の形成には300℃以上の高温工程を含み、プラスチック基板の耐熱性を上回っていた。
また、フォトリソ工程は、製膜、露光、現像、剥離を材料毎に行うので、製造設備も大掛かりとなり、製造のコストが高い。
以上のことから、プラスチック基材上への精密なパターニングが可能な印刷方法が求められていた。
プラスチック基材上への印刷法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできることから材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、もっとも簡便なパターニング方法として期待されている。
しかしながら、現状のインクジェットのインク液滴の直径は数十μm程度であり、着弾精度も数μm程度ある。
また、インクジェット法を用いて精密なパターニングをするためには、あらかじめ基板上にフォトリソ工程により隔壁を形成しなければならず、カラーフィルタのブラックマトリクスや印刷方式の薄膜トランジスタ配線などの10μm程度のパターンを形成する方法としては、採用することができない。
インクジェット法以外の方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印
刷法は、電子部品における配線や抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。
しかしながら、孔版印刷であることからインキはペースト状の高粘度のものに限られ、また、スクリーンメッシュの精細度から数十μm程度のパターンの厚膜の印刷法としては採用できても、10μm前後のパターンを形成する方法としては、採用できない。
そこで、インクジェット法およびスクリーン印刷法以外の方法として、フィルムへ乾燥インキ膜をあらかじめ設けた、いわゆるドライフィルムを熱圧によりパターン除去した後、残ったパターンを目的の基材に転写する転写方法が考案された(特許文献1参照)。
しかしながら、フィルムからインキ層を転写する際に熱圧を用いるために、フィルム基材の膨張・収縮や版の膨張、インキ層の溶融・軟化を伴うことから、数十μm程度の微小なパターンの再現性を得る事が困難である。また、熱圧を均一に与える為の装置も複雑になり、大画面への対応も困難となってしまう。
また、版胴に巻き付けたブランケット上にインキを塗工・予備乾燥してインキ膜を形成し、その後、画像パターンを凹部として形成された凸版をインキ膜に押圧することによりブランケット上に画像パターンを形成し、最後に、ブランケット上の画像パターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に画像パターンを形成する印刷方法が試みられている。(特許文献2参照)
この方法は、インキ膜厚を調整することが容易である。この印刷法ではインキ剥離性のブランケット上に画像パターンを形成することから、被印刷基材へのインキ転写性が良好である。また、薄膜での微細パターン形成が可能である。
しかしながら、この方法は、シリコーンゴムまたはシリコーン樹脂からなるブランケット上でインキの予備乾燥を行う時に、ブランケット表面のインキ濡れ性や転写性が不安定になるという問題点を有していた。これはブランケットが版胴に固定されたまま乾燥を行うために均一な予備乾燥が困難であり、塗工されたインキ中の溶剤がブランケット内に吸収され膨潤していき、部分的な転写性や精度のバラツキができてしまうことが原因である。
また、転写後のクリーニングやブランケットの乾燥による膨潤量の調整を転写毎に行う必要があるため、連続加工に不向きである。また、ブランケットが版胴に固定されているので、あらかじめパターンが形成された基材上に転写する場合に、ブランケット上のパターンと基材上のマークとの位置合わせが困難である。
そこで、ブランケットとして版胴に巻き付けたシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂を用いる代わりに、インキ剥離性を有するように表面処理を施したガラス板を用いる方法が考案された。(特許文献3参照)
ガラス板を用いたブランケットであれば、インキ中の溶剤を吸収しないのため、膨潤は起こらない。
また、ブランケットとして用いた平板状のガラス上でインキの予備乾燥を行うため、均一な予備乾燥が可能であり、再現性の良い高精細なパターンを印刷することができると考えられる。
特開平9−90117号公報 特開2001−56405号公報 特開2007−185778号公報
しかしながら、特許文献3では、版胴に抱きつかせた樹脂製凸版を用いており、第一の転写工程と第二の転写工程との間の僅かな版の伸縮、転写時の押圧による樹脂版のつぶれ等により印刷物の版再現性が悪くなってしまう。また、樹脂製凸版がインキ中の溶剤を吸収して膨潤してしまい、連続印刷性が悪くなってしまう等の問題点を有していた。
そこで、本発明では、ブランケットに加えて、インキ除去のための凸版にもガラス板を用いることで、高精細パターンを版再現性良く形成する印刷方法を提供するものである。
本発明において上記課題を達成する為に、まず請求項1の発明は、インキ剥離性のガラス板上に、インキ液を塗工してインキ液膜を設けた後、該インキ液膜を予備乾燥させる工程と、
該インキ剥離性のガラス板と必要な画像パターンを凹部としたガラス製凸版とを接触、剥離させ、予備乾燥インキ膜の必要な画像パターン以外を該ガラス製凸版の凸部に転写し、該インキ剥離性のガラス板上から除去する第一の転写工程と、
該インキ剥離性のガラス板上に残っている画像パターンを目的の被印刷基材の表面へ転写させる第二の転写工程とからなる印刷方法であって、
該インキ剥離性のガラス板と該ガラス製凸版との少なくとも一方に湾曲可能な薄板状ガラスを用いることを特徴とする印刷方法としたものである。
請求項2の発明は、前記インキ剥離性のガラス板と前記ガラス製凸版は治具により固定することができ、このうち湾曲可能な薄板状ガラスを用いる方を固定する治具は、一軸方向に湾曲可能で、湾曲時の曲率半径が、固定する薄板状ガラスが曲げ応力により破断しない最小ロール半径と等しいかそれより大きいことを特徴とする請求項1に記載の印刷方法としたものである。
請求項3の発明は、第一の転写工程が、前記治具に固定した薄板状ガラスを湾曲させた状態で、他方のガラス板に、接触させる面の一端で接触させ、湾曲状態から平面状態に変化させる過程において、ガラス板同士を徐々に接触させていき、平面状態にしたとき全面で接触させる工程と、薄板状ガラスを再び湾曲状態に変化させる過程で、接触している面の一端から徐々に剥離する工程からなることを特徴とする請求項2に記載の印刷方法としたものである。
請求項4の発明は、前記予備乾燥インキ膜は、インキ液膜の予備乾燥によって粘着性を有し、形状は保っているが常温においては前記ガラス製凸版の凸部により外力を加えた部分のみが転移して除去され得る半乾燥状態であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷方法としたものである。
請求項5の発明では、前記インキ剥離性のガラス板が、ガラス板上にシリコーン樹脂層を積層してなるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷方法としたものである。
請求項6の発明では、前記インキ剥離性のガラス板は、ガラス板上にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも一種が表面に位置していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷方法としたものである。
請求項7の発明では、前記インキ剥離性のガラス板は、ガラス板上にゾル−ゲル法により酸化物膜が設けられ、さらにシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも一種が表面に位置していることを特徴とする請求項1乃至4の
いずれかに記載の印刷方法としたものである。
請求項8の発明では、前記インキ剥離性のガラス板が光学的に透明であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の印刷方法としたものである。
請求項9の発明では、前記インキ剥離性のガラス板上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを、すでに画像パターンが設けられている被印刷基材表面に転写する際に、被印刷基材とインキ剥離性のガラス板との平行状態を維持しながら、観察機器を用いてインキ剥離性のガラス板上に残された予備乾燥インキ膜の部分と被印刷基材表面にすでに設けられている画像パターンとの位置合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の印刷方法としたものである。
本発明の印刷方法は、以上の特徴を持つことから、下記に示す効果がある。
請求項1に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板上に、インキ液膜を塗工して設け、予備乾燥インキ膜を得た後ガラス製凸版を用いて接触、剥離させ、インキ剥離性のガラス板に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写することで、版再現性良く、高精細なパターン印刷方法とすることができる。
請求項2に係る発明によれば、薄板状ガラスを固定する湾曲可能な治具が薄板状ガラスが曲げ応力により破断しない最小のロール半径と等しいかそれより大きい曲率半径までしか湾曲しないことで、薄板状ガラスが湾曲により破断してしまうことを防ぎ、安定した印刷が可能となる。
請求項3に係る発明によれば、前記第一の転写工程において、ブランケットと凸版とがガラス板であっても、湾曲可能な治具によって固定された薄板状ガラスが、第一の転写工程において、印刷面の端から接触させていき、転写・剥離をすることができる。そのため、平板状ガラスのブランケットと版とでは見られていた剥離時のムラやインキ表面の荒れのない、版パターンを忠実に再現した高精細な印刷物をつくることができる。
請求項4に係る発明によれば、予備乾燥インキ膜がインキ液膜の予備乾燥によって粘着性を有し、形状は保っているが常温において外力により容易に形状が変化する半乾燥状態であることで、加熱処理を施すことなく、一部パターン除去や被転写基材への転写を行うことが可能となり、インキ剥離性のガラス板や被転写基材の熱膨張やパターンの熱溶融による形状変化の影響の受けることの無い、精密なパターンの印刷方法とすることができる。
請求項5に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板が、ガラス板上にシリコーン樹脂層を積層して設けられることで、凸版や目的の被印刷基材表面への転写性を高め、再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
請求項6に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板が、ガラス板上にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも一種を表面に設けることによって、ガラス板表面の平滑性を維持したままガラス板表面の濡れ性を低くすることが可能で、凸版や被印刷基材表面への転写性を高め、再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
請求項7に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板が、ガラス板上にゾル−ゲル法により酸化物膜を設けた基材面にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン
基、フッ素原子の少なくとも一種を表面に設けることによって、ガラス板表面の平滑性を維持したままフィルム基材表面の濡れ性を効果的に低くすることが可能で、凸版や被印刷基材表面への転写性を高め、再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
請求項8に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板が光学的に透明な基材とすることで、インキ剥離性のガラス板表面に残った画像パターンやアライメントマーク越しに、被印刷基材上の画像パターンやアライメントマークを確認することができることから、転写位置を正確に合わせこむことが容易となり再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
請求項9に係る発明によれば、インキ剥離性のガラス板上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを、すでに画像パターンが設けられている被印刷基材表面に転写する際に、被印刷基材と該インキ剥離性のガラス板とを平行に近づけ、該インキ剥離性のガラス板を介して、あるいは、被印刷基材と該インキ剥離性のガラス板との間からカメラ等の観察機器を用いて該インキ剥離性のガラス板上に残された画像部パターンと被印刷基材表面に設けられた画像パターンもしくは孔等のマークとの位置合わせを行うことにより、より再現性の高い高精細パターンの印刷方法とすることができる。
したがって、本発明は、被印刷基材として、ガラス基材あるいはプラスチック等可撓性基材へ高精細パターンの印刷を安定しておこなうことができ、ディスプレイ部材となるカラーフィルタのブラックマトリックス、ホワイトマトリックス、カラーパターン、スペーサーなどを作製することができる。また、印刷トランジスタのゲート電極、ソース/ドレイン電極、ゲート絶縁膜、有機半導体などの溶液型半導体パターンをこの印刷法にて作製することができる。さらに、高分子型有機ELの発光層のパターニングをこのような印刷法により効率良く作製することができる。
インキ液膜を形成するインキ剥離性のガラス板は、清浄な面であれば一般に表面エネルギーが大きく、各種のインキが濡れやすいが、逆に後の工程でのインキ離れが不良となる。そこで、印刷に用いるインキに応じてガラス板上にインキ剥離性の処理を行うものである。
この処理の一方法として、通常のオフセット印刷などで使用するブランケット材料であるシリコーン樹脂を用いることができる。このシリコーン樹脂層を用いる場合は、シリコーン樹脂層の厚みを500μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは10μm以下とする。このシリコーン樹脂層が厚くなると、基板となるガラスの平坦性が損なわれて印圧のムラが生じやすく、また、インキ成分の溶媒や樹脂分がシリコーン樹脂層に浸透する。このインキ成分の浸透状態の差が、印刷条件を変化させるため、より安定な印刷を行うためには、前記のように薄くすることが好適である。
また、この処理の他の方法として、シランカップリング剤を用いることもできる。これにより分子レベルの膜厚のインキ剥離層を作製することができ、ガラス板の平面性を保てることと、インキ成分の浸透が実質的にない、あるいは、瞬時に飽和状態に達することができ、安定した印刷を行うことができる。
上記シランカップリング剤としては、ガラス板と反応できるトリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類などを用いることができる。このシランカップリング剤の一部位は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などの有機化合物との反応性基を持つものから選ぶことができ、あるいは、アルキル基やその一部にフッ素原子が
置換されたものやシロキサンが結合して、表面エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、シランカップリング剤でガラス板の表面を処理した後、所定の表面自由エネルギーになるような他のモノマー成分を塗工して、結合させることができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。また、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランなどを用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
上記シランカップリング剤をガラス板に固定化する方法としては、シランカップリング剤を使用した公知のガラス表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリング剤を水、酢酸水、水−アルコール混合液、あるいはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製する。前記溶液を公知の塗工方法であるスピンコート、ロールコート、アプリケータなどを用いてガラス表面に塗工し、次いで乾燥させることでシランカップリング剤をガラス板に固定化できる。また、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、次いで他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
上記シランカップリング剤を基材上に固定化するためには、あらかじめ基材上にSiO2やTiO2、ZrO2からなる薄膜、もしくはこれらの複合膜が設けられていることが好ましい。これら無機酸化物膜は既知の蒸着法やスパッタ法を用いて設けたものを用いることができる。
また、上記無機酸化物膜を設けるには、一般式M(OR)nで表される金属アルコキシド(MはSi、Ti、Al、Zrなどの金属、RはCH3、C2H5等のアルキル基)を水、アルコールの共存下で加水分解反応および縮重合反応させて得られたゲル溶液を表面にコーティング後、加熱することで無機酸化物膜を設ける、いわゆるゾル−ゲル法を用いることができる。
さらに、上記ゾル−ゲル法で用いる金属アルコキシド溶液中にあらかじめ上記シランカップリング剤を添加しておくこともできる。この場合、表面性改質に特に効果が得られる。
このようにして得られるインキ剥離性のガラス板に対するインキ剥離性は、ガラス板処理面へインキを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインキ剥離性が低下してパターンの欠陥(再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインキ液膜を形成する際にハジキが生じて、均一なインキ液膜を形成することが困難になる。
第一の転写工程において、必要な画像パターン以外の予備乾燥インキ液膜を除去するために用いられるガラス製凸版としては、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に成膜したCr膜等に感光性樹脂を用いてマスクパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウエットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの版深を設けたものを用いることができる。
インキ剥離性のガラス板とガラス製凸版との少なくとも一方に用いる薄板状ガラスとし
ては、板厚が0.5mm以下が好ましい。例えば、板厚0.05mmの米国コーニング社製の商品名「1737F」ガラスを直径1mの円筒ロール芯に巻き付かせても破断しないことがわかっている。よって、板厚0.5mmの薄板状ガラスであれば、固定用の治具の湾曲時の曲率半径を固定する薄板状ガラスが曲げ応力により破断しない最小ロール半径の5mと等しいかそれより大きくすることで、湾曲させて用いることができる。
また、薄板状ガラスのインキ剥離性の処理もしくはエッチングによるパターン処理をしていない方の面に粘着性フィルムを貼り付けて保護し、薄板状ガラスが湾曲により破断しにくくなるようにすることもできる。
薄板状ガラスを固定する湾曲可能な治具としては、一軸方向に湾曲可能であって薄板状ガラスを固定できる強度を有するものとする。例えば、細長い板状の部材を並べて、互いの境界にて屈折可能になるように連結したものを用いることができる。治具を構成する細長い板の短軸方向と薄板状ガラスの転写方向とを一致させることで、前記第一・第二の転写工程が可能となる。
また、湾曲可能な治具に複数の吸着部材を備えることで、ポンプにより薄板状ガラスを吸着固定することが可能である。
その場合、治具を構成する細長い板状の部材間を管状のものにより連結することで、治具に接触させた薄板状ガラス面全体を吸着固定することが可能となる。
湾曲可能な治具は上記の例に限定されるものではなく、薄板状ガラスを固定するための適度な硬度を有するとともに、湾曲性をも備えた弾性体を使用することができることも、容易に考えられる。
上記に示したインキ剥離性のガラス板上へインキ液膜を形成する方法としては、インキの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いることができる。すなわち、スピンコート、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータ、スプレーコート、ディスペンサなどが挙げられる。中でもスピンコート、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータは、広い範囲の粘度のインキについて均一なインキ液膜を形成することができ、さらにその中でも可動するインキ剥離性のガラス板上へ連続的に形成する場合は、ダイコートが最も効率的で好適な形成方法である。
インキ剥離性のガラス板上へ前記方法によりインキ液膜を形成した後に、前記インキ液膜を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥などを用いることができ、また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
この予備乾燥では、前記インキ液膜の粘度またはチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とするもので、インキ液膜の完全乾燥はさせないで、いわゆる半乾燥状態を作り出すものである。乾燥が不十分な場合は、後工程で凸版の凸部を押し当て剥離する際に、インキ液膜が断裂し、不良が発生し、逆に乾燥が行過ぎた場合は、前記凸版にインキが転写していかない。そのため使用するインキの組成によって乾燥状態を調整する。
被印刷基材としては、ガラスやプラスチック板などが適用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることもできる。印刷に適用するインキの乾燥条件に合わせて選定すればよく、耐熱性のものとしてはポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミドなどが好適である。また、無機フィラーを樹脂に
添加して耐熱性を向上させた材料からなる基材でもよい。フィルムおよびシートは、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよく、また、可撓性基材には必要に応じてガスバリア層や平滑化層、インキ受像層が印刷面または他の面に積層されていても良い。
インキ材料としては、画像パターン形成材料を溶媒に溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、カラーフィルタにおいて赤色、緑色、青色からなるカラーパターン(着色層)やブラックマトリックス等を本発明の製造方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることによりインキとなる。
顔料には、例えば、赤、緑、青の各色で使用できる顔料として次のものが挙げられる。顔料の種類は、カラーインデックス(C.I.)No.で示す。まず、赤色顔料として、97、122、123、149、168、177、180、192、208、209、215などが、緑色顔料として7、36などが、青色顔料として、15、15:1、15:3、15:6、22、60、64などが挙げられる。墨顔料として、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。また、これら赤、緑及び青顔料の色調整及びインキの流動性を改善するために、次に挙げる顔料を必要量添加することができる。
赤色、緑色、青色以外にも、例えば、黄顔料として、17、83、109、110、128などが、紫顔料として、19、23などが、白顔料として、18、21、27、28などが、橙顔料として、38、43などが挙げられる。顔料は、単体以外に、顔料を予め分散剤、有機溶剤に分散させた顔料分散体であっても良い。
また、ブラックマトリックスに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラックが単独又は混合して用いられる。
樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1−ブタノール、3メトキシ−3メチル−1ブタノール、1−ヘキサノール、1,3ブタンジオール、1−ペンタノール、2−メチル1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、エーテル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名 エクソン化学社製)などが挙げられる。
また、有機EL素子において有機発光層を形成する場合、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)といった高分子発光材料を溶媒としてトルエンやキシレンといった芳香族系有機溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、回路基板において、配線を形成する場合、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子分散液を水やアルコール、グリコール系溶媒に溶解、分散させることによりインキとなる。また、これらのインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等が添加されてもよい。なお、本発明のインキはこれらに限定されるものではない。
インキ剥離性のガラス板として薄板状ガラスを用いた本発明の可撓性基材への印刷方法を実施するための好適な印刷装置の構成事例を図1に、また、本発明の可撓性基材への印
刷工程の一事例を図2に示す。
図1に示す印刷装置架台には、湾曲可能な治具1、塗工部2、ガラス製凸版3、ローラー4、が配設される。この湾曲可能な治具1には、インキ剥離性の薄板状ガラス5を固定する。図1の塗工部2としては、例えば連続塗工に最も効率の良いダイ方式のものを図示しており、以降ダイ方式として説明するが、これに限定されるものではない。ダイヘッドには、別に用意されたインキ供給用のポンプから所定のインキを供給することができる。このダイヘッドとインキ剥離性の薄板状ガラス5とのギャップは、印刷開始前に設定してもよく、また、前記ダイヘッドが上下動して、インキ剥離性の薄板状ガラス5とのギャップを調整してもよい。
図2 (a)に示すように、塗工部2を構成するダイヘッドからインキを吐出し、インキ剥離性の薄板状ガラス5上に所定のインキ液膜6を形成し、乾燥によりインキ液膜6を半乾燥状態にする。
次に、図2 (b)に示すように、湾曲可能な治具1を利用した第一の転写工程により、インキ剥離性の薄板状ガラス5上に形成したインキ液膜6とガラス製凸版3との端同士を接触させた後、接触面の一端からローラー4を押し当て、治具上を転がすことで、インキ剥離性の薄板状ガラス5とガラス製凸版3を押圧しながら徐々に接触させていく。湾曲可能な治具1を湾曲状態から平面状態に変化させる過程では、ローラー4の押し当て以外にも湾曲可能な治具1を適度な張力で保持することが有効である。
なお、工程を説明する本図において、各部分の上下が前の工程の説明図と逆転したり、平行移動したりしているが、図示していない反転機構や可動機構を必要により作動させることで実現できる。以下の図の説明においても同様である。また、本実施形態では、薄板状ガラスを湾曲させた状態で他方のガラス板に接触させる際に、一端での接触から始めている。一端から順次接触させていき、平面状態に変化させる方が一般的には、機構上容易であり、かつ工程上安定であるが、これに限定されるものではない。
図2 (c)に示すように、ローラー4により、インキ液膜6をガラス製凸版の凸部全域へ接触させる。
次に、図2 (d)に示すように、治具1の湾曲により、インキ剥離性の薄板状ガラス5上からインキ液膜6を間にしてガラス製凸版3を剥離することで、インキ液膜6の内、画像パターン以外の部分をガラス製凸版3の凸部へ転写する。予め予備乾燥されて半乾燥状態になったインキ液膜6は、粘着性を有し、形状は保っているが常温においては前記ガラス製凸版の凸部により外力を加えた部分のみが転移して除去され得る。治具1の平面状態から湾曲状態に変化させる過程は、図2 (b)とは逆の動きであり、湾曲可能な治具1へのローラー4の押し当てと適度な張力の保持が有効であることは、図2 (b)と同様である。
次に、図2 (e)に示すように、インキ剥離性の薄板状ガラス5に形成された画像パターンとして残ったインキ液膜6を可撓性基材7へ転写する第二の転写工程により、可撓性基材7上に目的の画像パターンを得ることができる。
インキ剥離性の薄板状ガラス5に形成された画像パターンとして残ったインキ液膜6を可撓性基材7へ転写する第二の転写工程では、被印刷基材としての可撓性基材7とインキ剥離性の薄板状ガラス5との平行状態を維持しながら、観察機器を用いてインキ剥離性のガラス板上に残された予備乾燥インキ膜の部分と被印刷基材表面にすでに設けられている画像パターンとの位置合わせを行う。観察機器として通常はカメラを使用するが、形態は問わない。また、インキ剥離性のガラス板として光学的に透明なものを使用することにより、
被印刷基材表面にすでに設けられている画像パターンと転写される画像パターンとをインキ剥離性のガラス板を通して同時に観察できるので、位置合わせが容易になる。粗い位置合わせを目視で行うことも容易になる。
一方、非画像部のインキ除去のための凸版として薄板状ガラスを用いた、本発明の可撓性基材への印刷方法を実施するための好適な印刷装置の構成を示す事例を図3に、また、本発明の可撓性基材への印刷工程の他の事例を図4に示す。
図3に示す印刷装置架台には、可動ステージ10、インキ剥離性のガラス板11、塗工部12、湾曲可能な治具13、薄板状のガラス製凸版14、ローラー15が配設される。この湾曲可能な治具13には、薄板状のガラス製凸版14を固定する。図3の塗工部12は、前述のダイ方式を使用することができる。
図4 (a)に示すように、塗工部12を構成するダイヘッドからインキを吐出し、インキ剥離性のガラス板11上に所定のインキ液膜16を形成し、乾燥によりインキ液膜16を半乾燥状態にする。
次に、図4 (b)に示すように、湾曲可能な治具13を利用した第一の転写工程により、インキ剥離性のガラス板11上に形成したインキ液膜16と湾曲可能な治具13に固定した薄板状のガラス製凸版14との端同士を接触させた後、接触面の一端からローラー15を押し当て、治具上を転がすことで、インキ剥離性のガラス板11と薄板状のガラス製凸版14を押圧しながら接触させていく。湾曲可能な治具13を湾曲状態から平面状態に変化させる過程では、ローラー15の押し当て以外にも湾曲可能な治具13を適度な張力で保持することが有効である。
図4 (c)に示すように、ローラー15により、薄板状のガラス製凸版14の凸部全域をインキ剥離性のガラス板11上のインキ液膜16へ接触させる。
次に、図4 (d)に示すように、湾曲可能な治具13の湾曲により、インキ剥離性のガラス板11からインキ液膜16を間にして薄板状のガラス製凸版14を剥離することで、インキ液膜16の内、画像パターン以外の部分を薄板状のガラス製凸版14の凸部へ転写する。治具13の平面状態から湾曲状態に変化させる過程は、図4 (b)とは逆の動きであり、湾曲可能な治具13へのローラー15の押し当てと適度な張力の保持が有効であることは、図4 (b)と同様である。
次に、図4 (e)に示すように、インキ剥離性のガラス板11上に形成された画像パターンとして残ったインキ液膜16を可撓性基材17へ転写する第二の転写工程により、可撓性基材17上に目的の画像パターンを得ることができる。
カラーフィルタ用赤色インキを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し、さらに5μmのフィルタでろ過して赤色顔料の分散体を得た。
[カラーフィルタ用赤色顔料分散体の組成]
・赤色顔料:
C.I.Pigment Red 254 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
「イルガーフォーレッド B−CF」) 18重量部
C.I.Pigment Red 177 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
「クロモフタールレッド A2B」) 2重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 108重量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタでろ過して赤色着色インキを得た。
[赤色着色インキの組成]
・上記分散体 100重量部
・メチル化メチロールメラミン: MW−30(三洋化成社製) 20重量部
・レベリング剤:メガファックF−483SF(大日本インキ化学工業社製)1重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 85重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45重量部。
インキ剥離性の薄板状ガラスは次の要領で表面を処理した。
厚さ0.5mmの薄板状ガラスに、n−ヘキシルトリメトキシシランをイソプロピルアルコールに溶解させた溶液を、スピンコート法を用いて塗布した後、120℃ で乾燥し、インキ剥離性表面を形成した。
また、パターンの除去版としては、200mm幅(パターン有効幅は150mm)のガラス製凸版を用意した。パターンは凸部20μm幅、凹部80μm幅の連続したストライプパターンと、4つの角に位置する200μm□内へ設けられたアライメントマークを設けた。
さらに、被印刷基材としてフィルム厚120μmの光透過性PET基材を300mm幅、20mのロール状で用意した。
上記部材を用い、図1の装置を用いて加工を行った。
まず、湾曲可能な治具に固定したインキ剥離性の薄板状ガラス上に、200mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ200mm、膜厚0.8μmでインキを塗布した。
次に、設置された40℃ホットプレート上で30秒インキ予備乾燥を行い、塗工部がインキ液膜の非画像部除去のためのガラス製凸版上に設置されるまで搬送を行った。
次に、湾曲可能な治具の湾曲性を利用した、上記第一の転写工程により、インキ剥離性の薄板状ガラス上に画像パターンを形成した。
次に、上記第二の転写工程により、PET基材上に版設計値からのズレ±5μmの精度で画像パターンを形成した。
非画像部のインキを除去する凸版として、ガラス製凸版の代わりに樹脂製のフレキソ用版を用いた場合では、基材上へ印刷されたパターンの版設計値からのズレは±10μm程度であり、本発明の方がより高い版再現精度で画像パターンを形成することが可能であった。
本発明の印刷方法は、ガラス基材や、プラスチックフィルム等の可撓性基材、とりわけ長尺状の可撓性基材へ高精細パターンの薄膜印刷を連続に安定して行うことができるので、カラーパターン、ブラックマトリクス、ホワイトマトリクス、スペーサー等のカラーフィルター部材、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、ゲート絶縁膜、有機半導体材料等のトランジスタ部材、有機発光層等の有機EL素子の製造に利用できる。
本発明において、インキ剥離性のガラス板に薄板状ガラスを用いた場合の可撓性基材への印刷装置の一構成事例を表した説明図である。 本発明において、インキ剥離性のガラス板に薄板状ガラスを用いた場合の可撓性基材への印刷工程の一事例を表した説明図である。 本発明において、ガラス製凸版に薄板状ガラスを用いた場合の可撓性基材への印刷装置の一構成事例を表した説明図である。 本発明において、ガラス製凸版に薄板状ガラスを用いた場合の可撓性基材への印刷工程の一事例を表した説明図である。
符号の説明
1・・・・湾曲可能な治具
2・・・・塗工部
3・・・・ガラス製凸版
4・・・・ローラー
5・・・・インキ剥離性の薄板状ガラス
6・・・・インキ液膜
7・・・・可撓性基材

10・・・・可動ステージ
11・・・・インキ剥離性のガラス板
12・・・・塗工部
13・・・・湾曲可能な治具
14・・・・薄板状のガラス製凸版
15・・・・ローラー
16・・・・インキ液膜
17・・・・可撓性基材

Claims (9)

  1. インキ剥離性のガラス板上に、インキ液を塗工してインキ液膜を設けた後、該インキ液膜を予備乾燥させる工程と、
    該インキ剥離性のガラス板と必要な画像パターンを凹部としたガラス製凸版とを接触、剥離させ、予備乾燥インキ膜の必要な画像パターン以外を該ガラス製凸版の凸部に転写し、該インキ剥離性のガラス板上から除去する第一の転写工程と、
    該インキ剥離性のガラス板上に残っている画像パターンを目的の被印刷基材の表面へ転写させる第二の転写工程とからなる印刷方法であって、
    該インキ剥離性のガラス板と該ガラス製凸版との少なくとも一方に湾曲可能な薄板状ガラスを用いることを特徴とする印刷方法。
  2. 前記インキ剥離性のガラス板と前記ガラス製凸版は治具により固定することができ、このうち湾曲可能な薄板状ガラスを用いる方を固定する治具は、一軸方向に湾曲可能で、湾曲時の曲率半径が、固定する薄板状ガラスが曲げ応力により破断しない最小ロール半径と等しいかそれより大きいことを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  3. 第一の転写工程が、前記治具に固定した薄板状ガラスを湾曲させた状態で、他方のガラス板に、接触させる面の一端で接触させ、湾曲状態から平面状態に変化させる過程において、ガラス板同士を徐々に接触させていき、平面状態にしたとき全面で接触させる工程と、薄板状ガラスを再び湾曲状態に変化させる過程で、接触している面の一端から徐々に剥離する工程からなることを特徴とする請求項2に記載の印刷方法。
  4. 前記予備乾燥インキ膜は、インキ液膜の予備乾燥によって粘着性を有し、形状は保っているが常温においては前記ガラス製凸版の凸部により外力を加えた部分のみが転移して除去され得る半乾燥状態であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷方法。
  5. 前記インキ剥離性のガラス板が、ガラス板上にシリコーン樹脂層を積層してなるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷方法。
  6. 前記インキ剥離性のガラス板は、ガラス板上にシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも一種が表面に位置していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷方法。
  7. 前記インキ剥離性のガラス板は、ガラス板上にゾル−ゲル法により酸化物膜が設けられ、さらにシランカップリング剤を介してアルキル基、シロキサン基、フッ素原子の少なくとも一種が表面に位置していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷方法。
  8. 前記インキ剥離性のガラス板が光学的に透明であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の印刷方法。
  9. 前記インキ剥離性のガラス板上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを、すでに画像パターンが設けられている被印刷基材表面に転写する際に、被印刷基材とインキ剥離性のガラス板との平行状態を維持しながら、観察機器を用いてインキ剥離性のガラス板上に残された予備乾燥インキ膜の部分と被印刷基材表面にすでに設けられている画像パターンとの位置合わせを行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の印刷方法。
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