JP2012013978A - 薄膜パターン印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】次世代ディスプレイ関連部材の製造において、ガラスより耐熱性の劣る基板上に、反転印刷方法を介して、低コストで高精細な薄膜パターンを形成することを可能にする方法である。
【解決手段】熱耐性がガラスより劣る被印刷基板上に、高精細な薄膜パターンを形成する方法において、少なくとも表層がインク易剥離性を有するフィルム基材上にインクを塗工する工程と、前記インクを予備乾燥し予備乾燥インク膜を形成する工程と、非画像部パターンを凸部とした凸版を前記予備乾燥インク膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移する工程と、その後、前記インク易剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インク膜からなる画像部パターンを、受像膜を有する被印刷基板上へ転写する工程から成ることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂から成る基板上へ高精細な薄膜パターンを形成する印刷方法に関するものである。
モバイル分野における次世代ディスプレイでは、表示画素の高解像度化、軽量化、多機能化、等の技術革新が進んできた。今後のユビキタスネットワークの広がりにより、これらの次世代ディスプレイに関しては薄く、軽く、壊れにくいという特徴を持つべきであることが予想される。また、その特徴を活かして、折り曲げることが可能なディスプレイなども研究開発が進んでいる。このような背景をうけ、プラスチックなどに代表されるフレキシブルな基板を用いたディスプレイは上述した次世代ディスプレイを実現するための手段として有用な技術である。
従来、液晶ディスプレイの製造は、その部材の製造プロセスにおいて高温処理が避けられない為、耐熱が高く寸法安定性に優れたガラス基板が用いられている。
最近では、フレキシブルな液晶ディスプレイ開発のために、前記製造プロセスに対応し得る耐熱性、寸法安定性を有するフィルムの開発や、ガラス自体に柔軟性を持たせるべくガラス基板の更なる薄膜化等もおこなわれている。このような基板を使用すれば、現状の設備やプロセスをそのまま活用し、フレキシブルな基板を用いた次世代ディスプレイの部材の開発が可能である。
しかしながら、上述したようなフィルムやガラスは、その耐熱性や寸法安定性、柔軟性と引き換えに、表面平滑性、透明性、ハンドリング性、などの特性が犠牲になることが多く、その基板の製造コスト自体も汎用のフィルムと比較すると非常に高い。
一方で、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどに代表される汎用フィルムは、安価なうえに、表面平滑性、透明性、ハンドリング性に優れるが、耐熱性や寸法安定性に欠け、現行の製造プロセスに耐えられない。しかしながら、逆に、この製造プロセスの問題を解決できるならば、安価でハンドリング性や表面平滑性に優れる汎用フィルムを用いて、前記次世代ディスプレイの部材の開発を行なう手段となり、有意義である。これは、カラー化に必要不可欠なカラーフィルタも例外ではない。
現在、カラーフィルタを製造する工程では、フォトリソ方式を用いるのが一般的である。フォトリソ方式は、少なくとも光の3原色であるR(赤)・G(緑)・B(青)のカラーレジストを用いて、製膜、露光、現像、剥離工程を各カラーレジスト毎に行うため、品質的には優れた方式だが、製造設備も大掛かりとなり、製造のコストが高くなってしまう。
それゆえ、最近ではインクジェット法、反転印刷法などが用いられることが多くなってきた。これらの工法は、現像・露光などの大掛かりな工程が無く、非常に簡便・低コストである。
しかしながら、インクジェット法、反転印刷法などの工法においても、インクの硬化には熱工程が必須であり、汎用フィルム基板を使用すれば、基板はその熱履歴に耐えることができない。もし、汎用フィルムを使用するならば、熱をほとんど加えることのない製造プロセスが理想である。
熱を加えない、もしくは低加温にて、インクを硬化する方法の一つとして、基板上に受
像膜を設けて、その膜上にインクを受像させる方法が挙げられる。実際に、この方法を用いて、インクジェット法によって、カラーフィルタを作成している例もある。(特許文献1)
インクジェット法は、製造プロセスの簡便さ、装置の小型化、低コスト化に加え、非接触でパターンを形成できる優れた工法ではある。しかしながら、インクジェット法では、着弾する際にはそのインクの表面張力作用によって、受像する形状が円状になってしまう。また、インク液滴の微小化限界により、解像度的にも数十umオーダーが限界である。そのため、直線度の高いパターンエッジの形成やパターン同士が鋭角に交差するブラックマトリックスのようなパターン形成はパターン精度に問題がある。さらに、単純なストライプ形状や、用意されたブラックマトリックスに充填する形式のパターン形成であっても、高精細なパターンに関しては解像度不足の問題がある。
モバイル機器の次世代ディスプレイでは、低コスト化や高解像度化技術が求められており、上述のインクジェット法では、次世代ディスプレイの要求を満足できない。
特開2008-242190号公報
従来、液晶ディスプレイに代表されるディスプレイ部材の製造は、その部材の製造プロセスにおいて高温処理が避けられない為、耐熱性が高く寸法安定性に優れたガラス基板が用いられている。しかしながら、上記従来の方法においては、モバイル機器等の次世代ディスプレイに要求される低コスト、高解像度で、しかも薄く、軽く、壊れにくいという特徴を具備するには多くの問題がある。本発明の目的は、前記次世代ディスプレイ関連部材の製造において、ガラスより耐熱性の劣る基板上に、低コストで高精細な薄膜パターンを形成することで上記問題を解消することにある。
本発明において上記課題を達成するための、請求項1に記載の発明は、 熱耐性がガラスより劣る被印刷基板上に、高精細な薄膜パターンを形成する方法において、少なくとも表層がインク易剥離性を有するフィルム基材上にインクを塗工する手段と、前記インクを予備乾燥し予備乾燥インク膜を形成する手段と、非画像部パターンを凸部とした凸版を前記予備乾燥インク膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移する手段と、その後、前記インク易剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インク膜からなる画像部パターンを被印刷基板上へ転写する手段から成ることを特徴とする薄膜パターン印刷方法である。
また請求項2に記載の発明は、前記被印刷基板が、熱可塑性樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の薄膜パターン印刷方法である。
また請求項3に記載の発明は、前記被印刷基板の最表面が受像膜を有し、該受像膜が、少なくともアクリル系共重合樹脂またはウレタン系共重合樹脂から成ることを特徴とする請求項1、又は、2の何れかに記載の薄膜パターン印刷方法である。
また請求項4に記載の発明は、前記インクが、紫外線硬化型インクであることを特徴とした請求項1〜3の何れかに記載の薄膜パターン印刷方法である。
また請求項5に記載の発明は、前記印刷物が前記受像膜、前記インク膜以外に、ガスバリア膜層、オーバーコート層、の何れか1つ以上を含むことを特徴とした請求項1〜4の何れかに記載の薄膜パターン印刷方法である。
本発明により、ディスプレイ関連部材の製造において、ガラスより耐熱性の劣る基板上に、低コストで高精細な薄膜パターンを形成することが可能となる。
反転印刷を介した薄膜パターニング形成工程 本発明により得られた薄膜パターン印刷結果
本実施形態に係る印刷方法は、インク剥離性のフィルム基材へインク液を塗工し、該インク液を予備乾燥した予備乾燥インク膜に、凸部パターンが非画像パターンである凸版を押し当て引き離すことで、予備乾燥インク膜の不要なパターンを版の凸部に転写除去し、該インク易剥離性のフィルム基材上に残った画像パターンを、受像膜処理された被印刷基板に転写することで、多様で高精細な薄膜パターンを得ることを特徴としている。
前記インク液の塗工に用いるフィルム基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリアミド、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることができる。さらに光透過性の基材を用いることにより、パターンの重ね合わせ時にアライメントを容易とすることができる。これらフィルム基材は長尺の巻き取りロールで供給され、ブランケットへ加工された後使用される。
前記フィルム基材にインク易剥離性を付与する方法としては、シリコーンオイル、シリコーンワニスで代表される離型剤を該フィルム基材上に塗布する方法が用いられる。離型剤としてシリコーンゴムの薄膜層を形成してもよい。また同じ目的でフッ素系樹脂、フッ素系ゴム、更にはフッ素樹脂微粉末をシリコーンゴムあるいは、普通のゴムに混ぜて剥離性を出すなどの使い方をしてもよい。これらシリコーン系の塗膜は通常フィルム基材との密着力が低いが、最表面に設けるシリコーン層の下部より基材との接着性の高い熱硬化または紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂層を、アンカー層としてあらかじめフィルム基材上に設けることで改善できる。
前記離型剤はいずれも適度のインク受容性を有すると同時に、一度受容したインクの完全なインク剥離性を有することが望ましい。
具体的には、シリコーンとして、ジメチルポリシロキサンの各種分子量のもの、その他メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、あるいはこれらポリシロキサンと有機化合物との共重合体など、変成したものを用いることができる。
シリコーンゴムとしては、二液型のジオルガノポリシロキサンと架橋剤としての三官能性以上のシラン、またはシロキサン及び硬化触媒を組み合わせたもの、あるいは一液型ではジオルガノポリシロキサンとアセトンオキシム、各種メトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等の組み合わせなどが用いられ、その他ゴム硬度を調節するためのポリシロキサンが適宜用いられる。
また、更に、前記フィルム基材にインク易剥離性を付与する方法として、前記フィルム基材に無機膜を設けた後、シランカップリング剤による表面処理を施し方法も用いることもできる。
シランカップリング剤としては、トリメトキシシラン類、トリエトキシシラン類などや、該シランカップリング剤の一部位が、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などの有機化合物との反応性基を有するもの、あるいはアルキル基やその一部にフッ素原子が置換されたものや、更にはシロキサンが結合して、表面自由エネルギーの小さな表面を形成できる置換基が結合したものを用いることができる。前者の反応性基を有するシランカップリング剤を用いる場合には、該シランカップリング剤で基材表面を処理した後、他のモノマー成分を塗工して、結合させることで、所定の表面自由エネルギーに調整することができる。反応性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができ、モノマーとして、スチレン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、ラウリルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを用いることができる。また、反応性基を有さないシランカップリング剤としてはメチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシランなどを用いることができる。但し、アルキル基に限定されるものではない。
上記シランカップリング剤を前記フィルム基材に固定化する方法としては、定法の表面処理方法を用いることができる。例えば、シランカップリング剤を水、酢酸水溶液、水−アルコール混合液、あるいはアルコール溶液に希釈させた溶液を調製し、該溶液を公知の塗工方法であるグラビアコーター、ロールコーター、ダイコーター等を用いて前記フィルム基材表面に塗工し、次いで乾燥させることでシランカップリング剤を固定化できる。また、反応性基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、次いで他のモノマー成分を同様に塗工して結合させることができる。
上記シランカップリング剤を前記フィルム基材上に固定化するためには、あらかじめ基材上にSiO2やTiO2、ZrO2もしくはこれらの複合膜が設けられていることが好ましい。これら無機酸化膜は既知の蒸着法やスパッタ法を用いて設けたものを用いることができる。
また、上記無機酸化膜を設ける方法として、一般式M(OR)nで表される金属アルコキシド(MはSi、Ti、Al、Zrなどの金属、RはCH3、C2H5などのアルキル基)を水、アルコールの共存下で加水分解反応および縮重合反応させて得られたゲル溶液を表面にコーティング後、加熱することで無機酸化物膜を設ける、いわゆるゾル−ゲル法を用いることができる。
さらに、上記ゾル−ゲル法で用いる金属アルコキシド溶液中にあらかじめ上記シランカップリング剤を添加しておくこともできる。この場合、表面性改質に特に効果が得られる。
このようにして得られるインク易剥離性を有するフィルム基材に対する剥離性の評価は、接触角を尺度とし、易剥離性としては処理面へインクを滴下した際の接触角が、10°以上90°以下となるのが好ましく、より好ましくは20°以上70°以下である。この接触角が小さいと後工程でのインク剥離性が低下してパターンの欠陥(出っ張り、ブリッジ、あるいは再現性不良等)が発生しやすくなり、接触角が大きいとインク液膜を形成する際にハジキが生じてしまう。
上記に示したインク易剥離性を有するフィルム基材上へインク液膜を形成する方法としては、インクの粘度や溶媒の乾燥性によって公知の塗工方法を用いることができる。すなわち、例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等が挙げられる。中でも、ダイコート、キャップコート、ロールコート、アプリケータは、広い範囲の粘度のインクについて均一なインク液膜を形成することができる。
インク易剥離性のフィルム基材上へ前記方法によりインク液膜を形成した後に、前記インク液膜を予備乾燥する。この予備乾燥には自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波照射、減圧乾燥などを用いることができ、また、紫外線、電子線などの放射線を用いることもできる。
この予備乾燥では、前記インク液膜の粘度またはチキソトロピー性、脆性を上げることを目的とする。予備乾燥による乾燥が不十分な場合は、後工程の凸版の凸部を押し当て剥離する際に、インク液膜が断裂し不良が発生してしまう。逆に乾燥が行き過ぎた場合は、インク膜表面のタック性が無くなり、前記凸版にインクが転写されない。そのため、使用するインクの組成によって乾燥状態を乾燥時間や雰囲気温度により調節し、予備乾燥後の残留溶剤が0.5重量%から4重量%である状態が好ましい。
いわゆるドライフィルムといわれるppmオーダーの溶剤残留量では乾燥が行き過ぎであり、インクが転写されない不具合や、版の押し付けによりインク膜が部分的に剥離してゴミの原因になったりする不具合があるため、予備乾燥インク膜の条件として適さない。
前記予備乾燥インク膜から非画線部を剥離転移する凸版の作製方法は、無アルカリガラス等の低膨張ガラス表面に感光性樹脂を塗布し、マスク露光、現像によりパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウエットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理からなり、2μmから30μmの版深を設けたものを作製することができる。
また、その他の凸版の材料として、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ジエン共重合体などの樹脂、更にはエチレン−プロピレン系、ブチル系、ウレタン系ゴムなどの材料を用いることもできる。このような樹脂製の凸版は、すでに凸版印刷やフレキソ印刷用に用いられており、予め作製した型に所定の樹脂を流し込んで版とする、あるいは彫刻によっても作製することができるが、感光性樹脂を用いる方法がより高精度のものを作製できる。
本発明の印刷方法は、ガラスやプラスチック板などへの印刷に適用できるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリアミド、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのフィルム、シートを用いることもできる。
前記インキの材料としては、画像パターン形成材料に溶媒を溶解又は分散させたものを用いることができる。例えば、カラーフィルタにおいて赤色、緑色、青色からなるカラーパターン(着色層)やブラックマトリックス等を本発明の製造方法により形成する場合、顔料成分と樹脂成分を溶媒中に溶解、分散させることによりインキを調製することができる。
前記顔料には、例えば、赤、緑、青の各色で使用できる顔料として次のものが挙げられる。顔料の種類は、カラーインデックス(C.I.)No.で示す。まず、赤色顔料として、97、122、123、149、168、177、180、192、208、209、215などが、緑色顔料として7、36などが、青色顔料として、15、15:1、15:3、15:6、22、60、64などが挙げられる。墨顔料として、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。また、これら赤、緑及び青顔料の色調整及びインキの流動性を改善するために、次に挙げる顔料を必要量添加することができる。
例えば、黄顔料として、17、83、109、110、128などが、紫顔料として、19、23などが、白顔料として、18、21、27、28などが、橙顔料として、38、43などが挙げられる。また、顔料は単体以外に、顔料を予め分散剤、有機溶剤に分散させた顔料分散体であっても良い。
また、ブラックマトリックスに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラックが単独又は混合して用いられる。
前記樹脂成分には、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂からなる群から選ばれる1つ以上のものが使用される。溶剤には、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤及び炭化水素系溶剤などが使用される。エステル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、アルコール系溶剤として、1−ブタノール、3メトキシ−3メチル−1ブタノール、1−ヘキサノール、1,3ブタンジオール、1−ペンタノール、2−メチル1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、エーテル系溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、炭化水素系溶剤として、ソルベッソ100、ソルベッソ150(製品名エクソン化学社製)などが挙げられる。
また、有機EL素子において有機発光層を形成する場合、例えば、ポリフェニレンビニレン(PPV)といった高分子発光材料を、溶媒としてトルエンやキシレンといった芳香族系有機溶媒に溶解、分散させることによりインキを調整することができる。また、回路基材において、配線を形成する場合、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム等の金属微粒子分散液を水やアルコール、グリコール系溶媒に溶解、分散させることによりインキを調整することができる。また、これらのインキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、レベリング剤等が添加されてもよい。なお、本発明のインキはこれらに限定されるものではない。
またプラスチックフィルムにガスバリア層を付与すると、該プラスチックフィルムのガス透過性が大幅に低下し、外気に含まれる水蒸気、酸素の透過を抑制することができる。液晶ディスプレイに用いる場合においても、基材にガスバリア層が無いと素子内への水蒸気や酸素などのガス混入により、表示品質を劣化させ寿命を短くする原因となる。
本発明では熱可塑性樹脂で形成されている基板にガスバリア層が少なくとも1層設けるとよい。ガスバリア層を有することで、ガス透過を抑制するだけでなく、プロセス中、洗浄などの液体に接触する工程においても、寸法変化を抑えることができる。
前記ガスバリア層としては、透明性を有する無機膜を設けることが好ましい。特にこれ
に限定されるわけではないが、透明性、ガスバリア性の観点から酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、SiAlONなどが使用できる。さらに耐酸、耐アルカリ性の観点から、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物を主成分とすることが好ましい。
前記ガスバリア層は、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの物理蒸着法(PVD)法、プラズマCVD(chemical vapor deposition)などの化学蒸着法、またはゾルゲル法などで作製することができる。中でもスパッタリング法で作製すると、密着力が高く、緻密でガスバリア性の高い膜が得られ易く好ましい。ガスバリア層の成膜工程は、枚葉方式あるいはロール・トゥ・ロール方式のいずれも適用できるが、プラスチックフィルム上に成膜を行なうため、ロール・トゥ・ロール方式で行なうと生産性が向上する。ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物のスパッタリング成膜は、DC(直流)スパッタリング法、RF(高周波)スパッタリング法、これにマグネトロンスパッタリングを組み合わせた方法、さらに中間的な周波数領域を用いたデュアルマグネトロン(DMS)スパッタリング法などの従来技術を、単独でまたは組み合わせて用いることができる。スパッタリング雰囲気中には、He、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガス、酸素、窒素のうち少なくとも1種のプロセスガスを用いることができる。DCスパッタリングやDMSスパッタリングでケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物のスパッタリングを行なう際には、そのターゲットにSiを用いることができる。プロセスガス中に酸素や窒素を導入することで、ケイ素の酸化物、窒化物または酸化窒素化物の薄膜を作ることができる。RF(高周波)スパッタリング法でこれらを成膜する場合は、SiO2やSi3N4などのセラミックターゲットを用いることもできる。生産性の観点から、Siターゲットを用い、DCスパッタリングやDMSスパッタリング等で、酸素や窒素を導入しながら成膜することが好ましい。
前記ガスバリア層は両面あるいは片面に2層以上設けても良い。特に、両面にガスバリア層を設けると、工程中の寸法変化が抑えられるため好ましい。片面に2層以上設ける場合、ガスバリア層の間に有機コート層が設けられていることが好ましい。この有機コート層を中間層に設けることは、ガスバリア層を連続して2層設けた場合に比較して、ガス透過率が低下することから好ましい。これは、有機コート層が、先に設けられたガスバリア層の欠点を覆い隠して平滑化することで、次に設けるガスバリア層が前のガスバリア層の欠点をきっかけとした、ピンホールなどの欠点を作りにくくするためと考えられている。また、この有機コート層はプラスチックフィルムとガスバリア層の間にも設けられて良い。各有機コート層は、それぞれが同じ材料でも異なる材料でもよい。
前記有機コート層は、通常、透明性、密着性および耐熱性を有する化合物が良く、熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、アクリル系架橋樹脂などの紫外線・電子線架橋樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。有機コート層は原料化合物を溶液、ラテックスあるいは無溶媒のまま、ワイヤーバー、イクストルージョン、マイクログラビア、リバースロールなどの方法で塗工することができる。かかる有機コート層の厚さは、0.5μmから5μmの範囲が、欠点の被覆性と密着性や透明性のバランスから好適である。
本発明に係る被印刷基板は受像膜を有している。該受像膜は、高い透明性、インク中の溶剤成分の高い吸収性、色材の高い定着性及び優れた耐変色や耐褪色などの性能が要求され、高分子ポリマー、溶剤、および微粒子などを添加した塗布組成物から得られる。
前記高分子ポリマーとしては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸エステル、スチレンーブタジエン共重合体、ブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ベンゾグアナミン樹脂、フエノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、n−イソブチルアクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、シリコーン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、等が挙げられるがこれに限定されるものではない。これら高分子ポリマーにアクリル基、カルボキシル基、イソシアネート基などの反応性部位を付与したもの、更にはこれらに必要に応じて架橋剤、光開始剤などを添加して、硬化型ポリマーとしても使用できる。
前記溶剤としては、受像膜組成物の塗布性、分散安定性などの点から、適宜選択して使用されるものであり、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジクライム、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
また、インクの吸収性を高めるために、透明性を損なわない範囲内で、インク受像膜に微粒子(フィラー)を含有させることも有効である。フィラーとしては、無機微粒子では微粉末珪酸、有機微粒子ではアクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、及びフッソ樹脂などが挙げられる。透明性の点からは、アクリル樹脂が好ましい。また、フィラーの添加量は、インク受像膜100重量%に対し1〜10重量%が好ましい。
受像膜の厚さは、0.05μm〜5μmが好ましい。0.05μm未満では、溶剤の吸収性の低下に伴う印刷性の低下が生ずる傾向があり、5μmを超えると、溶剤の吸収性の増加に伴い、ブロッキングの発生などの印刷性の低下を来たす傾向がある。
本発明に係る熱可塑性樹脂で形成されている基板では、オーバーコート層を、形成することで、薄膜パターンの保護、パターン印刷ムラ、段差軽減などが期待できる。
オーバーコート層の形成材料としては、硬化性ポリマー、架橋剤、溶剤を主成分とした塗布組成物を使用することができる。本発明のオーバーコート層としては、熱、光、電子線などのエネルギーにより硬化すること、透明であること、形成した塗膜の表面が平滑であること、また変色や褪色がないこと、耐溶剤性があること、などの性能が要求される。
硬化性ポリマーとしては、エチレン性不飽和二重結合、イソシアネート基、カルボキシキル基、アミノ基、水酸基など、熱、光、電子線で硬化可能な成分を有するポリマーが使用することができる。
架橋剤としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のアクリルモノマーやジカルボン酸ジヒドラジドはマロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、ズベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドのアミン系架橋剤、等を挙げることが出来る。これらの化合物は、単独で、叉は2種以上を混合して用いることが出来る。
溶剤としては、オーバーコート層組成物の塗布性、分散安定性などの点から、適宜選択して使用されるものであり、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジクライム、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
オーバーコート層の厚さは、例えば0.1μmないし10μmにすることができる。0.1μm未満では、表面の平滑性への効果が乏しく、また10μmを超えると可撓性に影響が生ずる傾向がある。
以下に、本発明を熱可塑性樹脂から成る前記被印刷基板を例として、図1に示す反転印刷を介した薄膜パターニング形成工程に沿って説明する。
該反転印刷を行う装置は、図1示す通り、インク剥離性フィルム基材106と、受像膜処理された被印刷基板109,当該インク易剥離性フィルム基材の搬送の制御を行なう、インク易剥離性フィルム基材巻き出し部107、インク易剥離性フィルム基材巻き取り部108、の搬送系とインク塗工部101、インク乾燥部102、パターン除去部103、アライメント部104、基材貼りあわせ部105、によって構成される。
インク易剥離性フィルム基材巻き出し部107、インク易剥離性フィルム基材巻き取り部108の搬送部は、回転やテンションを制御してフィルム基材を搬送するためのモーターを備える。装着されるフィルム原反幅は100mm〜1000mmが選択できるが、パターンの実用性と転写位置精度を考慮し選択される。
また、フィルム基材のテンションの制御は、これら装置以外に搬送系にニップ部を設置して基材を保持することでも調節を行うことができる。ニップ部は、主に搬送ロールに備わったエアー吸着孔による吸着ニップが用いられる。
搬送は、各工程で必要な時間差を緩和し、フィルムの連続搬送を行うためのバッファを備えた場合には、連続搬送を行うことができるが、インク易剥離性フィルム基材を、工程ごとに必要な長さの搬送を行なうことが好ましい。
インク塗工部101は、可動ステージと、可動ステージ上に設けられたインク易剥離性フィルム基材に対しインクを塗布する塗工装置が設置されている。可動ステージは、ボールねじやリニアモーター等で駆動するものを用いることができ、金属製、石製などのものを用いることができるが少なくとも水平方向に水平を保ったまま往復運動することができ、インク易剥離性フィルム基材を吸着することができることが望ましい。吸着による表面の凹凸を防ぐためにフィルムのエッジ付近のみ吸着孔を設ける方法や、多孔質性材料を用いた吸着表面を用いる方法を選択することができる。
塗工装置は、連続加工や膜厚の均一性が優れるダイ方式のものについて説明するが、これに限定するものではない。ダイヘッドには、別に用意されたインク供給用のポンプから所定量のインクを供給することができる。このダイヘッドとインク易剥離性フィルム基材とのギャップは印刷開始前に設定してもよく、また可動式ステージの搬送に合わせてダイヘッドを上下動させて調整してもよい。
インク乾燥部102は、上記塗工部101でインク易剥離性フィルム基材へ塗工したインクを乾燥させるために設置されるもので、ホットプレート、オーブン、温風、減圧乾燥
、紫外線照射などの乾燥装置を設けてもよい。
パターン除去部103は易剥離性フィルム上のインク膜から非画像部パターンを除去する部分である。可動ステージに樹脂製またはガラス製の非画像部パターンを凸部とした凸版が吸着により装着されており、インク易剥離性フィルム基材上のインク塗工面を該凸版に近づけた後、ステージに設けられているローラをインク易剥離性フィルム基材の上から押し当て、回転させながら印圧をかけ、インク易剥離性フィルム基材を該凸版から剥がすことにより、凸版の凸部と接した塗工膜を凸版に転移させる。
このとき、ローラ外周の材料としては、ゴムや金属、プラスチックなどの材料が使用できる。とりわけ、ゴムは可塑的な性質を持ち個体ではあるがその性質は液体に近く、均等に力を加えることが出来る。具体的なゴムの種類は、力学的性質に特化しているウレタンゴムや広い温度範囲でゴム弾性が優れているシリコーンゴムなどが挙げられる。またローラの曲率としては、使用する凸版の底に接触しないよう曲率の小さいものを使用することが望ましい。
アライメント部104は、可動性ステージと複数の顕微鏡カメラから構成されており、可動性ステージ上に吸着した被印刷基板上に、インク易剥離性フィルム基材上の予備乾燥インク膜面を100〜250μmに近づけた後、インク易剥離性フィルム基材が透明なことを利用して、インク剥離性フィルム基材上に得られたパターンの一部やアライメント用のマークパターンと、被印刷基板上のパターンを透過画像で認識し、それぞれのパターンを認識した画像を基に可動性ステージを動作させ転写位置の補正を行うことができる。
また、インク易剥離性フィルム基材と被印刷基板の間に顕微鏡カメラを挿入し、それぞれのパターンを認識した画像を基に位置の補正を行う方法も選択できる。
上記の顕微鏡カメラは光学顕微鏡、CCD(Charge Coupled Device)顕微鏡のどちらであっても良いが、オートフォーカス又は電気的に制御可能な手動焦点制御機構のいずれか、もしくはその両方の機能を必要とし、取得した画像を観察するために外部に設置したモニターや位置補正のための画像処理装置へ出力するインターフェースを持つものとする。
貼りあわせ部105には、前記アライメント部104に設置された可動性ステージ上にローラが設けられる。パターン除去部と同様にローラ外周の材料としては、ゴムや金属、プラスチックなどの材料が使用できる。このとき、ローラの曲率としては、微小なインク膜の凹凸に追従するよう曲率の大きいものを使用することが望ましい。
前記貼り合わせ部105に設置された可動性ステージに固定された被印刷基板と、わずかな隙間をあけて設置されたインク易剥離性フィルム基材の上から、同じく前記貼り合わせ部105に設置されたローラを押し当て、可動性ステージの移動と共にローラを回転させながら印圧をかけ、つぎにインク易剥離性フィルム基材を被印刷基板から剥がすことにより転写することができる。
本発明では、必要に応じて、受像層処理前にバリア層、反転印刷の薄膜パターン形成後にオーバーコート層を設ければ良い。
本発明の印刷方法にて、PETフィルム上にカラーフィルタの作製をおこなった。目標作製パターンは、インク膜厚1〜3μm、線幅20〜60μm程度のブラックマトリックス及びストライプ状のRGBパターンである。
被印刷基板として、帝人ディポン社のPETフィルム(KDL8W)を□300mm幅、で用意し、エキシマUV処理、気液2流体の噴きつけによる洗浄を行なった。
このPETフィルムを、スパッタ装置に装填し、DCマグネトロンスパッタにより、Siをターゲットとして用いて、到達真空度1.0×10−4Pa以下、成膜温度180℃でプロセスガスとしてアルゴンガスと酸素ガスを導入し反応性スパッタでプラスチックフィルム上に膜厚50nmのSiOx(x=1.8,XPSによる)の成膜を行って、ガスバリア層を形成した。
ガスバリア成膜されたPETフィルムに受像膜処理として、メチルメタクリレート50部、エチルアクリレート40部、アクリル酸10部を水200部中で乳化重合し、アクリル共重合ポリマーを合成した液をマイクログラビア方式により乾燥後膜厚が約1.0μmとなるように塗布した。
カラーフィルタ用黒色インクを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し黒色インクを得た。
ポリイミド前駆体(東レ(株)製:セミコファインSP−510) 10.0質量部
黒色顔料(カーボンブラック) 7.5質量部
溶媒(N―メチル−2−ピロリドン:NMP) 130.0質量部
分散剤(銅フタロシアニン誘導体) 5.0質量部
レベリング剤(ビックケミージャパン(株)製:BYK333) 0.5質量部
画像部パターンを凹部とした凸版のパターンの除去版としては、300mm幅(パターン有効幅は230mm)の硝子製基板にエッチング加工を行ない、凸版を作成し使用した。パターンは縦線幅20μm幅、横線幅40μm幅の連続したブラックマトリックスパターンとし、4つの角に位置するアライメントマークを設けた。
インク剥離性フィルム基材として、基材厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに剥離性シリコーンゴムを厚さ10μm塗布して乾燥させたものを使用した。
最初に、塗工部101ステージ上でインク剥離性フィルム基材に、300mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ400mm、膜厚5.0μmでインクをコーティングした。
塗工が終わったインク剥離性フィルム基材は、搬送速度を調整しながら乾燥部102の60℃のIR(赤外線加熱)炉内を通過させて予備乾燥を行い、塗工部がパターン除去部103ステージ上に設置されるまで搬送を行なった。
あらかじめパターン除去部に設置しておいた凸版に、インク塗工部をゴムローラで押し当て非画像部を除去した後、アライメント部104ステージへ画像部パターンが来るように搬送した。その後、ゴムローラでインク剥離性フィルム基材106と被印刷基板109を貼り合わせた後、インク剥離性フィルム基材を被印刷基板から剥がすことによって、被印刷基板への画像パターンの転写を行った。
転写印刷されたブラックマトリックスパターンは、設計値どおりの線幅で直線線性もよく、交差する部分では、そのエッジも鋭く、ほぼ90°で直交している。
続いて、カラーフィルタ用赤色インクを次の要領で調製した。下記の組成の混合物を均
一に撹拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用い、サンドミルで5時間分散し、さらに5μmのフィルタでろ過して赤色顔料の分散体を得た。
〔赤色顔料〕
C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
「イルガーフォーレッドB−CF」) 18質量部
C.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
「クロモフタールレッドA2B」) 2質量部
〔アクリルワニス(固形分20%)〕 108質量部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色着色インクを得た。
上記分散体 100質量部
メチル化メチロールメラミン:MW−30(三洋化成社製) 20質量部
レベリング剤:メガファックF−483SF(大日本インク化学工業社製)1質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 85質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45質量部
パターンの除去版としては、300mm幅(パターン有効幅は230mm)の硝子製基板にエッチング加工を行ない、凸版を作成し使用した。パターンは凸部20μm幅、凹部80μm幅の連続したストライプパターンと、4つの角に位置するアライメントマークを設けた。
上記部材を用い、図1の装置を用いてブラックマトリックスパターン形成済みの被印刷基板に再び印刷加工を行った。
ブラックマトリックスを作成したのと同様の手順で、インク易剥離性フィルム上に赤色インクの画像パターンを作成し、その画像パターンがアライメント部ステージへ来るように搬送した。
2つのアライメント用カメラで対角上のアライメントマークを確認した後、画像処理を用いて、インク易剥離性フィルム上の赤色インク画像パターンと被印刷基板上のブラックマトリックスの位置あわせを行なった。その後ゴムローラでインク易剥離性フィルム基材と被印刷基板を貼り合わせた後、インク易剥離性フィルム基材を被印刷基板から剥がすことによって、被印刷基板への赤色インク画像パターンの転写を行った。
転写されたREDのストライプ状パターンは、ブラックマトリックスの開口部に対して、精密に位置あわせが行なわれた。
REDと同様の手順で、GREEN、BLUEの転写印刷をおこなった。印刷結果を図2に示す。
すべてのパターン印刷後、被印刷基板上に、光硬化型アクリルポリマー(東亞合成製、アロニックスUVT−101)80部、多官能アクリルモノマー(東亞合成製、M−305)18部、光開始剤(チバスペシャリティケミカル製、ダロキュア4265)2部を混合した塗液をマイクログラビア方式により乾燥後膜厚が約3.0μmとなるように、ダイコーターで塗布をおこなった。
以上の工程にて、PETフィルム上に薄膜で高精細のCFパターンを加熱することなく印刷することができた。
101 ・・・インク塗工部
102 ・・・インク乾燥部
103 ・・・凸版貼りあわせ/パターン除去部
104 ・・・アライメント部
105 ・・・吸着ステージ/貼りあわせ部
106 ・・・インク剥離性フィルム
107 ・・・インク剥離性フィルム基材巻き出し部
108 ・・・インク剥離性フィルム基材巻き取り部
109 ・・・熱可塑性樹脂で形成されている被印刷基板

Claims (5)

  1. 熱耐性がガラスより劣る被印刷基板上に、高精細な薄膜パターンを形成する方法において、少なくとも表層がインク易剥離性を有するフィルム基材上にインクを塗工する工程と、前記インクを予備乾燥して予備乾燥インク膜を形成する工程と、非画像部パターンを凸部とした凸版を前記予備乾燥インク膜に押し当ててから引き離すことで、非画像部を前記凸版の凸部に転移する工程と、その後、前記インク易剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インク膜からなる画像部パターンを、受像膜を有する被印刷基板上へ転写する工程から成ることを特徴とする薄膜パターン印刷方法。
  2. 前記被印刷基板が、熱可塑性樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の薄膜パターン印刷方法。
  3. 前記受像膜を有する被印刷基板の受像膜が、少なくともアクリル系共重合樹脂またはウレタン系共重合樹脂から成ることを特徴とする請求項1、又は、2に記載の薄膜パターン印刷方法。
  4. 前記インクが、紫外線硬化型インクであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の薄膜パターン印刷方法。
  5. 前記被印刷基板が、前記受像膜、前記インク膜以外に、ガスバリア膜層、オーバーコート層、の何れか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の薄膜パターン印刷方法。
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JP2015072365A (ja) * 2013-10-03 2015-04-16 東レ株式会社 フレキシブルカラーフィルター、その製造方法ならびにそれを用いたフレキシブル発光デバイス

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