JP2013205336A - イムノクロマトグラフ用試験具 - Google Patents

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Abstract

【課題】標識物質のパッドへの残留および展開液中での拡散を防ぐことにより、バックグラウンドの上昇を抑え、テストラインの視認性を向上させたイムノクロマト用試験具を提供する。
【解決手段】前記イムノクロマトグラフ用試験具は、(1)標識物質を保持するコンジュゲートパッド2と、(2)前記コンジュゲートパッドと間隔をあけて配置されており、分析物質に特異的な物質が固定化されている部位を有する反応膜1と、(3)前記コンジュゲートパッドおよび反応膜との双方と毛管現象を生じるように配置された展開パッド3とを具備し、ここで、前記コンジュゲートパッドと前記反応膜との間に空間を形成するように前記展開パッドが配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、イムノクロマトグラフ用試験具に関する。
毛管現象を利用するクロマトグラフの手法と免疫学的手法とを組み合わせたイムノクロマトグラフ法は、簡便、且つ短時間で、試料中の分析物質を分析できる方法として、広く利用されている。
図1に、従来の一般的なイムノクロマトグラフ用試験具を示す。展開方向の上流(同図において左側端部)から下流(同図において右側端部)に向かって、展開パッド3、コンジュゲートパッド2、反応膜1、および吸収パッド4の順に、バックシート5上に配置されている。コンジュゲートパッドには、金コロイド粒子等で標識された、分析物質と特異的に結合する第一抗体が含浸されている。反応膜は、第一抗体とは異なる部位で分析物質を特異的に捕捉する第二抗体が固定化されたテストライン6を有している。
つぎに、このイムノクロマトグラフ用試験具を用いた分析物質の分析について説明する。試験溶液を展開パッド3に供給すると、毛管現象により、コンジュゲートパッド2に移動する。すると、コンジュゲートパッドに含浸された標識第一抗体が、試験溶液中に溶出する。標識第一抗体を溶解した試験溶液は順次、毛管現象により反応膜1上のテストライン6へと展開する。ここで、試料中に分析物質が含まれていれば、展開中に形成された標識第一抗体と分析物質との複合体が、テストラインに固定化されている第二抗体に捕捉される。その結果、捕捉された標識物質により生じるシグナルの有無または程度を判定することにより、試料中の分析物質を分析することができる。
しかし、従来の構成では、コンジュゲートパッドでの標識物質の一部残留に伴う検出感度低下や、展開液の蒸発に伴った残留標識物質の反応膜への再供給による反応膜のバックグラウンド上昇等の問題が高頻度におこり、結果判定の障害となっていた。
このような標識物質の残留による問題を回避するために、コンジュゲートパッドと反応膜とが互いに接触しないように配置されたイムノクロマトグラフ用試験具は有用であると考えられる。例えば、特許文献1では、コンジュゲートパッドとイムノクロマトグラフィー展開膜の間に分析物質を含む展開液が保持される反応ポートを有するイムノクロマトグラフィー分析装置が提供されている。また、特許文献2では、標識保持部材とクロマト用膜担体の間に展開用部材を設けた試験具が提供されている。
特開2009−229343号公報 特開2006−194687号公報
しかしながら、検出感度の向上を目的とした特許文献1の分析装置は、分析物質と標識物質とを十分に反応させるために、標識物質を溶出した展開液が一旦反応ポートに保持されることから、標識物質が反応ポートで展開液全体に拡散してしまうと考えられる。そのため、展開終了時に拡散した標識物質の一部が反応膜上に停滞し、判定部分を含む反応膜全体のバックグラウンドが上昇することが懸念される。さらに、複雑な構造のケーシング内に、各パッドを個別に配置する必要があることから、製造工程も煩雑である。
また、特許文献2の試験具においては、標識物質の溶出速度を高めることを目的として、標識保持部材とクロマト用膜担体との間を好ましくは5mm以上をあけて展開用部材を配しているが、展開用部材内で展開液の流れが乱れるために標識物質が拡散してしまい、特許文献1と同様に、膜全体のバックグランドが高くなるという問題があった。
そこで本発明の課題は、標識物質のパッドへの残留および展開液中での拡散を防ぐことにより、バックグラウンドの上昇を抑え、テストラインの視認性を向上させたイムノクロマト用試験具を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コンジュゲートパッドと反応膜との間に空間を設けることにより、コンジュゲートパッドでの標識物質の溶出が向上し、残留標識物質の再供給によるバックグラウンドの上昇を抑えつつ、さらに、標識物質を拡散させずに反応膜上のテストラインまで展開できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)標識物質を保持するコンジュゲートパッドと、
(2)前記コンジュゲートパッドと間隔をあけて配置されており、分析物質に特異的な物質が固定化されている部位を有する反応膜と、
(3)前記コンジュゲートパッドおよび反応膜との双方と毛管現象を生じるように配置された展開パッドと
を具備し、ここで、前記コンジュゲートパッドと前記反応膜との間に空間を形成するように前記展開パッドが配置されていることを特徴とする、イムノクロマトグラフ用試験具、
に関する。
本発明のイムノクロマトグラフ用試験具を用いることにより、標識物質の溶出が向上し、なおかつ、標識物質複合体を拡散せずにテストラインまで展開させることができるため、バックグラウンドの上昇を抑えることができる。その結果、テストラインの視認性が向上し、明瞭かつ確実な判定結果を得ることができる。
比較例1に用いた、従来の一般的なイムノクロマトグラフ用試験具(但し、試料添加パッドについては省略)の模式的断面図である。 比較例2に用いたイムノクロマトグラフ用試験具の模式的断面図(同上)である。 比較例3に用いたイムノクロマトグラフ用試験具の模式的断面図(同上)である。 本発明のイムノクロマトグラフ用試験具の一態様の模式的断面図である。 実施例に用いた本発明のイムノクロマトグラフ用試験具の一態様の断面図である。
本明細書における「分析」には、分析物質の量を定量的又は半定量的に決定する「測定」と、分析物質の存在の有無を判定する「検出」との両方が含まれる。
本発明のイムノクロマトグラフ用試験具は、従来公知のイムノクロマトグラフ用試験具の改良発明であって、コンジュゲートパッドと反応膜との間に空間を備えていることを除いて、従来公知のイムノクロマトグラフ用試験具と同様の構成からなることができる。
以下、本発明のイムノクロマトグラフ用試験具について、添付図面を用いて説明する。例えば、図4に示す本発明のイムノクロマトグラフ試験具の一態様は、表面に粘着層を有するバックシート5上に、試料を導入するための展開パッド3と、分析物質と特異的に結合する標識第一物質を保持するコンジュゲートパッド2と、反応膜1と、吸収パッド4とを備える。
コンジュゲートパッドと反応膜とは直接的に接触しておらず、展開パッドを介して、相互に毛管現象が生じるように連結されている。ここで、展開パッドが反応膜側でバックシートと接触しないように配置されることで、コンジュゲートパッドと反応膜との間に空間が形成される。展開パッドが反応膜側でバックシート等の非吸水性部材に接触していると、接触部での泳動スピードが変化し、展開パターンの乱れが生じやすいため、コンジュゲートパッドと反応膜の間では、展開パッドが他の部材に直接的に接触しないことが好ましい。コンジュゲートパッドと反応膜との距離は各部材が接触しない距離であればよいが、側面への液漏れ、および展開パッドがバックシートに接触することを防止しやすいため、0mmより大きく3mm以内であることが好ましく、0mmより大きく2mm以内であることがより好ましく、1mm〜2mmが特に好ましい。
反応膜上には、分析物質を特異的に捕捉する第二物質が固定化されたテストライン、及び標識第一物質を捕捉する第三物質が固定化されたコントロールラインからなる判定部を有する。反応膜と展開パッド及び吸収パッドは液体受容関係にあり、反応膜は上流端側で展開パッドと、下流端側で吸収パッドと重なり合っている。
本発明のイムノクロマトグラフ試験具において、粘着性のバックシートを使うことで、各部材の配置位置を固定し、部材間の連結を強化することができる。シートの材質としては紙又はプラスチックなど種々の材質のものを用いることができる。また、粘着剤は検定実施に使用される全ての試薬に妨害を与えないものから選択することができる。
本発明のイムノクロマトグラフ試験具において、所望により、試料添加パッドを設けることができる。試料添加パッドは、導入された試料溶液を一時的に吸収・保持してから次のパッドに供給することのできる限り、その形状及び材質は特に限定されるものではない。展開パッドに直接試料を添加することも可能であるが、試料添加パッドを設けることにより、容易に試料中の不溶物等を濾過する機能を兼ね備えることもできるので好ましい。試料添加パッドはコンジュゲートパッドと直接接触するように配置されてもよいが、図5のように展開パッドを介して連結するように配置されてもよい。前記試料溶液には、分析物質が含まれる被検試料又はその処理物(例えば、希釈物)だけでなく、前記被検試料又はその処理物に各種試薬類(例えば、シグナル発生成分、抗原、抗体など)を添加した混合物も含まれる。
本発明で用いるコンジュゲートパッドの材質としては、分析物質及び標識第一物質を毛管現象により移動することができるものであれば特に限定されないが、液体保持能力および液体リリース能力の両方を兼ね備えた材質、例えば、ガラス繊維、一般的な濾紙、スポンジ、綿など挙げることができる。より具体的には、例えば、ガラス繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、セルロース繊維、レーヨン繊維などからなる繊維シート、又は前記繊維の混合物(例えば、ガラス繊維とPVA繊維との組み合わせ、セルロースとガラスとの組み合わせ)からなる繊維シートなどを用いることができ、ガラス繊維とPVA繊維との組み合わせからなる繊維シート、セルロースとガラスとの組み合わせからなる繊維シート、レーヨンからなる繊維シートが好ましい。
コンジュゲートパッドの長さ及び幅は、所定量の標識物質を保持することができれば特に限定されるものではなく、適宜決定することができる。なお、本明細書における長さとは、イムノクロマト試験具の長軸方向に沿った距離を意味し、幅とはイムノクロマト試験具の短軸方向に沿った距離を意味する。
コンジュゲートパッドに保持される第一物質は、分析物質と特異的に反応する物質から選択され、抗原、抗体等が挙げられる。抗体は、酵素処理あるいは化学処理により、F(ab’)、Fab’、或いはFab断片として使用してもよい。標識物質としては、視覚的に検知し得るシグナルが得られるものであって、これを第一物質に標識したものが毛管現象により移動可能なものであれば特に限定されないが、例えば、金コロイド、白金コロイド、又は銀コロイド等の金属コロイドの他、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体のような有機高分子のラテックス着色粒子、色素を含有したリポゾームやマイクロカプセル等が挙げられる。なお、前記第一物質と前記標識物質との結合は、常法により行うことができる。
本発明で用いる展開パッドの材質としては、展開パターンが乱れにくいことから、前記コンジュゲートパッドと同様の材質を用いることが好ましい。展開パッドの長さは、連結する部材およびその配置位置に応じて適宜決定することができ、その幅は、前記コンジュゲートパッドと同様である。
本発明における反応膜の材質としては、例えば、ニトロセルロース、セルロース、ナイロン、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ガラスファイバー等の多孔質膜を用いることができる。
前記反応膜は、テストラインを1つだけ備えていてもよく、2つ以上備えることも可能である。テストラインに固定化される第二物質は、分析物質と特異的に結合する物質から選択され、抗原、抗体等が挙げられる。抗体は、酵素処理あるいは化学処理により、F(ab’)、Fab’、或いはFab断片として使用してもよい。
また前記反応膜は、所望により、テストラインの下流側にコントロールラインを備える。コントロールラインに固定化される第三物質は、標識第一物質と反応する物質から選択され、抗原−抗体、あるいは、リガンド−レセプター等の組合せから適宜決定することができる。
本発明における吸収パッドの材質としては、例えば、セルロース濾紙、不織布、布等の吸水性材料が挙げられる。その材質及び大きさ等により、展開液が吸収パッドに届いてからの試料展開速度が異なるので、分析条件に応じて適宜決定することができる。
本発明のイムノクロマトグラフ試験具で分析される物質は、タンパク質、多糖類、アレルゲン、細菌やウイルス等の病原体等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明のイムノクロマトグラフ試験具において、導入した試料溶液が、反応膜に到達するまでの挙動について説明する。
展開パッドに試料を導入すると、毛管現象により、試料は展開パッドを介してコンジュゲートパッドに移動し、コンジュゲートパッドに含浸された標識第一物質が、試料溶液中に溶出する。標識第一物質を溶出した試料溶液は、表面張力により、速やかに展開パッドとバックシートで形成された狭い空間に流れ込む。これにより、コンジュゲートパッドから標識第一物質を滞りなく溶出することができる。その後、空間に流れ込んだ試料溶液は、展開パッドを介して、順次、反応膜へと供給される。展開パッドがバックシート等に接触していないことにより、展開パターンの乱れを最小限に抑えることができる。展開終了間際では、標識第一物質をほとんど含まない試料溶液が反応膜に供給される。
このように、本発明のイムノクロマトグラフ試験具においては、コンジュゲートパッドと反応膜との間に配した空間の働きにより、標識物質の溶出を高めることができ、図1に示す従来の試験具のように、コンジュゲートパッドでの標識物質の一部残留に伴う検出感度低下や、展開液の蒸発に伴った残留標識物質の反応膜への再供給による反応膜のバックグラウンド上昇を抑制することが可能である。また、該空間の働きにより、標識物質を溶出した展開液の流れを乱さず、順序良く反応膜へと供給することができるため、図2に示す従来の試験具のように、展開液中に標識物質が拡散することがなく、展開終了時に標識物質が反応膜上に停滞することによるバックグラウンドの上昇を抑制することが可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:イムノクロマトグラフ用試験具の作製》
以下の方法に従って、標識試薬、対照試薬を調製し、続いてコンジュゲートパッド、反応膜を作製し、さらにこれらを用いて、イムノクロマトグラフ用試験具を作製した。
(1)標識試薬の作製
(1−1)ストレプトアビジン固定化金コロイドの調製
520nmの吸光度が10となるように5mmol/Lリン酸緩衝液pH7.5で調製した10mLの金コロイド溶液(粒径40nm、田中貴金属)に、ストレプトアビジン(和光純薬)を混合時終濃度が0.1mg/mLとなるように混合した。
混合液を1時間撹拌した後、ポリエチレングリコール(Mw.20000、和光純薬社)溶液を終濃度0.5%となるように加え、さらに1時間撹拌した。続いてBSA(SIGMA社)溶液を終濃度1%となるよう加え、1時間撹拌しブロッキングを行った。この溶液を4℃、10000×g、10分間遠心分離して上清を取り除き、分散用緩衝液(1%BSA、0.05%ポリエチレングリコールを含む5mmol/Lリン酸緩衝液pH7.5)を加えて再分散した。再び4℃、10000×g、10分間遠心分離して上清を取り除き、分散用緩衝液に再分散させ、ストレプトアビジン固定化金コロイド溶液を調製した。
(1−2)ビオチン化抗体(捕捉試薬)の調製
抗マイコプラズマ・ニューモニエ マウスモノクローナル抗体(MCM12)由来の2mg/mL F(ab’)を、SH基還元剤(TCEP:PIERCE)を終濃度0.4mmol/Lになる様に添加しFab’化した後、マレイミド化ビオチン試薬であるEZ−Link Maleimide−PEG2−Biotin(スペーサー長29.1Å、PIERCE)を終濃度0.4mmol/Lになる様に添加し、結合させた。この反応物を分画分子量1万の限外ろ過膜を用いて、50mmol/Lリン酸緩衝液pH7.5にバッファー交換し、ビオチン化抗体を調製した。
(1−3)標識試薬の調製
(1−1)で得られたストレプトアビジン固定化金コロイド溶液(OD520nm=9)10mLに、(1−2)で得られたビオチン化抗体を混合時終濃度が0.14mg/mLとなるように加え、25℃、1時間撹拌した後、4℃、20時間静置し、4℃、10000×g、10分間遠心分離して上清を取り除き、分散用緩衝液を加えて再分散した。再び4℃、10000×g、10分間遠心分離して上清を取り除き、分散用緩衝液に再分散させ、標識試薬とした。
(2)対照試薬の作製
12mg/mL BSA(SIGMA)に、アミノ基に反応するビオチン化試薬EZ−Link NHS−PEG12−Biotin(スペーサー長56Å、PIERCE)を終濃度3.2mmol/Lになる様に添加し、結合させた後、分画分子量5万の限外ろ過膜を用いて、50mmol/Lリン酸緩衝液pH7.5にバッファー交換し、対照試薬とした。
(3)イムノクロマトグラフ用試験具の作製
(3−1)コンジュゲートパッドの作製
(1)で調製した標識試薬を、分散用緩衝液でOD520nm=4.5となるように調製した。これを、5mm×6mmのガラスファイバーパッド(ミリポア)に10μL染み込ませ、一晩室温で乾燥させて、コンジュゲートパッドを作製した。
(3−2)反応膜の作製
30mm×6mmのニトロセルロースメンブレン(ミリポア)に、テストラインとして2mg/mLとなるように調製した抗マイコプラズマ・ニューモニエ マウスモノクローナル抗体(MCM19)溶液、コントロールラインとして2mg/mLとなるように調製した(2)の対照試薬を、塗布機(BioDot)を用いて幅1mm程度のライン状に塗布し、乾燥させて、反応膜を作製した。コントロールラインは、ニトロセルロースメンブレン下流端から9mmの位置に、テストラインは、ニトロセルロースメンブレン下流端から14mmの位置に設けた。
(3−3)イムノクロマトグラフ用試験具の組み立て
69mm×6mmのバックシート(日栄化工)上に以下のように各部材を貼り付け、イムノクロマトグラフ用試験具を作製した。バックシートの長辺を下にし、下から22mmの位置に、(3−2)で作製した反応膜を貼り付けた。
(3−1)で作製したコンジュゲートパッドは、コンジュゲートパッドの右側端部と反応膜の左側端部の距離がそれぞれ表1に示すように貼り付けた。なお、比較例3では、コンジュゲートパッドと反応膜の間の空間をアクリル板で埋めた。
次に、17mm×6mmに切ったガラスファイバーパッド(ミリポア)からなる展開パッドをいずれも反応膜と3mm重なるように貼り合わせた。最後に、10mm×6mmの試料添加パッド、および26.7mm×6mmの吸収パッド(日本ポール)を重ねて貼り付けて、イムノクロマトグラフ用試験具を作製した。
Figure 2013205336
《実施例2:イムノクロマト用試験具の評価(1)》
上記で作製したイムノクロマト用試験具を用いて、コンジュゲートパッドでの標識物質の残留、およびバックグラウンドの有無について確認した。
抽出液にマイコプラズマ・ニューモニエ培養菌を溶解し、1×10及び1×10CFU/mLの濃度のマイコプラズマ・ニューモニエ菌液添加希釈液を作製した。なお、抽出液の組成は、0.1mmol/L リン酸緩衝液pH7.5、0.15mmol/L NaCl、1% TritonX−100、1% BSAである。
各試験用イムノクロマトキットに、前記濃度のマイコプラズマ・ニューモニエ菌液添加希釈液を120μL滴下し、15分後に抗体固定メンブレンのテストラインおよびコントロールラインの染色度を判定した。染色度は、染色の強さが弱いものから強いものまでを「+」から「6+」として、判定用色見本と比較することにより半定量的に評価した。「−」は陰性の反応を示す。
同時に、コンジュゲートパッドでの標識第一物質の残留の有無を目視で確認し、それぞれ標識物質による色素が認められた場合は「あり」、色素が認められなかった場合は「なし」と評価した。同様に、反応膜上のバックグラウンドの有無を目視で確認し、バックグラウンドの上昇が認められた場合は「あり」、上昇が認められなかった場合は「なし」と評価した。
1×10CFU/mLマイコプラズマ・ニューモニエ菌液添加希釈液を用いた結果を表2に示す。コンジュゲートパッドと反応膜との間に空間を形成するように展開パッドが配置されることにより、コンジュゲートパッドでの標識物質の残留およびバックグラウンドの上昇が認められなくなった。なお、1×10CFU/mLマイコプラズマ・ニューモニエ菌液添加希釈液を用いた試験においても、同様の傾向が得られた。
Figure 2013205336
《実施例3:イムノクロマト用試験具の評価(2)》
コンジュゲートパッドの右側端部と反応膜の左側端部の距離を変更した以外は、実施例1と同様にしてイムノクロマト用試験具を作製し、実施例2と同様にしてコンジュゲートパッドでの標識物質の残留、およびバックグラウンドの有無について確認した。
1×10CFU/mLマイコプラズマ・ニューモニエ菌液添加希釈液を用いた結果を表3に示す。コンジュゲートパッドと反応膜との間の距離が3mmの試験具では、展開パッドとバックシートが接触しやすくなり、4mm以上の試験具では完全に展開パッドがバックシートに接触してしまい、空間が形成されなかった。コンジュゲートパッドでの標識物質の残留およびバックグラウンドの上昇については、コンジュゲートパッドと反応膜との間に距離が近いほど認められなくなった。なお、1×10CFU/mLマイコプラズマ・ニューモニエ菌液添加希釈液を用いた試験においても、同様の傾向が得られた。
Figure 2013205336
本発明のイムノクロマトグラフ用試験具を用いることにより、精度の高い判定結果を得ることが可能となり、産業上有用である。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
1・・・反応膜;2・・・コンジュゲートパッド;3・・・展開パッド;
4・・・吸収パッド;5・・・バックシート;6・・・テストライン;
7・・・コントロールライン;8・・・試料添加パッド。

Claims (1)

  1. 標識物質を保持するコンジュゲートパッドと、
    前記コンジュゲートパッドと間隔をあけて配置されており、分析物質に特異的な物質が固定化されている部位を有する反応膜と、
    前記コンジュゲートパッドおよび反応膜との双方と毛管現象を生じるように配置された展開パッドと
    を具備し、ここで、前記コンジュゲートパッドと前記反応膜との間に空間を形成するように前記展開パッドが配置されていることを特徴とする、イムノクロマトグラフ用試験具。
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