JP2013205128A - 水銀濃度測定装置及び前処理器 - Google Patents

水銀濃度測定装置及び前処理器 Download PDF

Info

Publication number
JP2013205128A
JP2013205128A JP2012072654A JP2012072654A JP2013205128A JP 2013205128 A JP2013205128 A JP 2013205128A JP 2012072654 A JP2012072654 A JP 2012072654A JP 2012072654 A JP2012072654 A JP 2012072654A JP 2013205128 A JP2013205128 A JP 2013205128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mercury
sample gas
sodium carbonate
gas
concentration measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012072654A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5877540B2 (ja
Inventor
Nagatake Sedo
長武 瀬渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto Electronics Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kyoto Electronics Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto Electronics Manufacturing Co Ltd filed Critical Kyoto Electronics Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2012072654A priority Critical patent/JP5877540B2/ja
Publication of JP2013205128A publication Critical patent/JP2013205128A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5877540B2 publication Critical patent/JP5877540B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

【課題】排ガス中の水銀化合物を金属水銀に変換する還元触媒の応答特性を向上するとともに、還元触媒の寿命を延ばすことができる水銀濃度測定装置及びその前処理器を提供する。
【解決手段】石英管21の内部に還元剤としての粒径が0.2mmの炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物23を充填し、その両端にシリカウール22を詰めて封止する。この還元カラムに試料ガス25が流入すると、試料ガス25中に含まれる塩化水銀は炭酸ナトリウムにより原子状水銀に還元されるとともに、試料ガス25中に含まれる塩化水素は炭酸ナトリウムにより中和される。このように、還元触媒として炭酸ナトリウム結晶にシリカウールを混合したものを使用することにより、圧損が生じないので、粒径の小さな炭酸ナトリウムを使用することができ、反応表面積を増やして応答性を向上させることができるとともに、管の閉塞を防止し、還元剤の寿命を延ばすことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、廃棄物や化石燃料の燃焼排ガス中の水銀濃度を定量する水銀濃度測定装置、特に、試料ガス中の水銀化合物を金属水銀に変換する前処理器に関する。
近年、ごみ焼却処理場等からの排ガス中の微量元素に対する関心が高まっている。その中でも水銀は、揮発性および毒性が共に高いことから、ヨーロッパや米国では排出規制が実施されており、日本においても、早晩、水銀の排出基準が制定されるもの思われる。
金属水銀の沸点は約360℃であるため、ごみ焼却場の燃焼系に投入された水銀はその大半がここで気化し、燃焼ガスとともに煙道を通って煙突から大気開放されてしまう。
このような焼却施設の排気等に含まれる水銀の濃度を検出する装置として、例えば原子吸光分析法を用いた水銀濃度測定装置が使用されている。この水銀濃度測定装置は、測定部へ導入した試料ガスに光を照射して特定波長の光の吸収量を検出し、この吸光量に基づいて試料ガスに含まれる水銀の濃度を求める。
水銀濃度測定装置の測定部では、原子状水銀(金属水銀)の吸光量に基づいて水銀濃度の検出を行うため、試料ガス中の水銀濃度を正確に測定するには、試料ガス中に含まれる水銀化合物を原子状水銀に還元する必要がある。このため、測定部に試料ガスを導入する導入路には、水銀化合物を原子状水銀に還元するための還元部が設けられている。特に、焼却施設等の排気では、水銀化合物は主に塩化水銀であり、この塩化水銀を還元するための還元部が設けられる。
この還元部には種々の還元方式が利用されており、例えば、塩化錫溶液等の液相の還元剤を使用する方式があるが、このような液相方式では、還元剤が液体であるため還元剤の交換時の取り扱いに手数を要する上、大量の還元剤の溶液を廃液として処理する必要がある等のメンテナンス性の悪さが問題となる。
また、塩化第1錫の皮膜を有する金属錫の粒子からなる固体の還元剤を使用する技術もある。この技術では、錫粒子表面の塩化第1錫が塩化水銀の還元に寄与しており、塩化水銀を還元することで塩化第1錫の皮膜は消耗されるが、試料ガス中に多量の塩化水素が含まれる場合は、錫粒子の表面が塩化水素と反応して新たな塩化第1錫の皮膜が形成されるため、長期間の使用が可能である。しかしながら、近年の焼却施設等の排気中に含まれる塩化水素は低濃度であるため、塩化水素との反応により塩化第1錫の皮膜を再生して還元能力を持続することができず、結果的に短期間で還元剤を交換しなければならないという問題があった。還元剤の交換周期が短いことは、例えば、焼却施設における排気のモニタ等の連続的に水銀濃度を測定する用途では、水銀濃度を測定できない時間が増大することになるため好ましくない。
水銀化合物は800度以上に加熱することで原子状水銀に分解(還元)されることが知られており、導入した試料ガスを800度以上に加熱する還元方式も存在するが、この方式では、試料ガスの温度を800度以上に加熱できる高価な加熱炉が必要であり、装置が高価格になるという問題がある。
一方、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基性化合物を含有する還元剤を使用する方式があり、この方式によれば塩化水銀を原子状水銀に還元することができるとともに、試料ガス中に塩化水素が含まれていても、塩化水素は還元剤である塩基性化合物と反応して試料ガス中から除去されるため、原子状水銀と結合して塩化水銀を生成することがなく、錫等の還元剤を採用している測定装置や測定方法と比較して、塩化水銀を原子状水銀に還元する還元能力を長期間持続させることができる。
しかしながら、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基性化合物を還元剤とする還元フィルタの還元能力は、塩化水素と塩化水銀のみを含む試料ガスに対して得られた塩化水銀の還元能力および塩化水素吸収能力が使用環境によっては大きく低下するという現象が生じる。
この性能低下現象が発生する原因は試料ガス中に含まれる炭酸ガス(CO)であり、塩化水素と塩化水銀を含む試料ガスに濃度が10%程度の炭酸ガスが共存する環境下では、ソーダライム(水酸化カルシウム)を充填した還元カラムを使用すると、還元効率が低下する。また、還元効率が低下した状態で炭酸ガスの供給を停止しても、還元効率の上昇は確認できるものの100%には回復しない。このような環境下では、ソーダライムと炭酸ガスとの反応により多量の炭酸カルシウムが生成されており、当該炭酸カルシウムが還元フィルタの主成分になっていると推測される。
このため、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩を主成分とする還元触媒を使用する水銀濃度測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩を主成分とする還元触媒を使用すれば、試料ガス中に塩化水素や炭酸ガスが含まれる場合であっても、塩化水素は還元剤と反応して試料ガス中から除去されるため、原子状水銀と結合して塩化水銀を生成することがなく、試料ガス中の水銀濃度を正確に測定することができるとともに、炭酸ガスとの反応がなく、塩化水銀を原子状水銀に還元する還元能力および試料ガス中から塩化水素を除去する能力を長期間持続することができる。
特開2012−21908号公報
上記のように、排ガス中の水銀化合物を金属水銀に変換する還元触媒としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウムを使用する場合、粒径0.3mm未満の炭酸塩粒子のみ選別して使用することにより、反応表面積を増やし、応答特性を向上させることができるが、圧損が大きくなって応答特性が悪くなる、という問題が生じる。また、微粉のみでは空隙率が小さくなり、連続使用していると、排ガス中の成分や水蒸気により炭酸ナトリウムの粒子同士が結合して管の閉塞が起きやすく、還元剤の寿命が短くなるという問題も生じる。
本発明は、上記の課題を解決するために創案されたものであり、排ガス中の水銀化合物を金属水銀に変換する還元触媒の応答特性を向上するとともに、還元触媒の寿命を延ばすことができる水銀濃度測定装置及びその前処理器を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置の前処理器は、石英管にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶と耐熱性繊維とを混合したものを充填した還元カラムであることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の水銀濃度測定装置の前処理器は、請求項1に係る発明の水銀濃度測定装置の前処理器において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶の粒径が0.3mm未満であることを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明の水銀濃度測定装置の前処理器は、石英管の前段に粒径の大きなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶を充填し、石英管の後段に粒径の小さいアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶と耐熱性繊維とを混合したものを充填した還元カラムであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の水銀濃度測定装置は、排ガス中の水銀化合物を金属水銀に変換する還元カラムと、前記還元カラムを加熱するヒータと、前記還元カラムにより試料ガス中の水銀化合物が金属水銀に変換された後の試料ガス中の液体を分離する気液分離手段と、前記気液分離手段を通過した試料ガスが導入され、当該試料ガス中に含まれる原子状水銀を定量する測定部とを備えた水銀濃度測定装置において、前記還元カラムとして請求項1〜3のいずれかに記載された前処理器を用いたことを特徴とする。
さらに、請求項5に係る発明の水銀濃度測定装置は、請求項4に係る発明の水銀濃度測定装置において、前記ヒータが前記還元カラムを400℃またはそれ以下に加熱することを特徴とする。
本発明の水銀濃度測定装置の前処理器によれば、還元触媒としての炭酸塩粒子に耐熱性繊維が混合されており、圧損が生じず、粒径の小さな炭酸塩粒子を使用することができるので、反応表面積を増やして応答性を向上させることができ、水銀排出抑制のための燃焼炉制御をより的確に実施することができる。また、還元触媒としての炭酸塩粒子に耐熱性繊維が混合されているので、連続使用しても、排ガス中の成分や水蒸気により炭酸塩の粒子同士が結合することがなく、管の閉塞が起きないので、還元剤の寿命を延ばすことができ、還元剤交換頻度が低下し、メンテナンスコストを低減することが可能となる。
また、還元カラムの前段に粒径の大きなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶を充填すれば、初期には水銀還元にも寄与するとともに、粒径の大きな還元剤は水銀還元能力喪失後も酸性ガス除去剤として機能するので、還元カラムの後段の粒径の小さい還元剤の劣化を防ぐことができる。
さらに、本発明の水銀濃度測定装置によれば、塩化水素と炭酸ガスを含有する試料ガス中の水銀濃度を連続的に測定する場合、試料ガスを加熱下でアルカリ金属の炭酸塩を主成分とする還元剤に接触させることにより、試料ガス中の塩化水素が除去されるとともに、当該試料ガス中に含まれる塩化水銀が原子状水銀に還元されるので、試料ガス中に塩化水素や炭酸ガスが含まれる場合であっても、試料ガス中の水銀濃度を正確に測定することができるとともに、炭酸ガスとの反応がなく、塩化水銀を原子状水銀に還元する還元能力および試料ガス中から塩化水素を除去する能力を長期間持続することができる。
本発明の前処理器を備えた水銀濃度測定装置の概略を示すブロック図である。 本発明の前処理器である還元手段の詳細な構造を示す図である。 粒径の大きな還元剤を使用した前処理器を備えた水銀濃度測定装置による水銀濃度の連続測定結果を示すグラフである。 本発明の前処理器を備えた水銀濃度測定装置による水銀濃度の連続測定結果を示すグラフである。 本発明の前処理器である還元手段の他の実施例の詳細な構造を示す図である。
以下、本発明の前処理器を備えた水銀濃度測定装置について図面により説明する。
図1は本発明の前処理器を備えた水銀濃度測定装置の概略を示すブロック図であり、1は本発明の前処理器である塩化水銀の還元を行う還元手段、2は気液分離手段、3はハニカム状水銀除去手段、4は電磁弁、5は測定セル、6は光源、7は受光器、8は吸引ポンプ、9は温度検出手段、10は圧力検出手段、11は演算手段である。
気液分離手段2は還元手段1により試料ガス中の水銀化合物が金属水銀に変換された後の試料ガスの結露水を分離する。ハニカム状水銀除去手段3は、水銀との直接の接触によりアマルガムを構成する金属、例えば金粒子を表面に有するハニカム構造体を備えることにより、試料ガス12中の水銀だけを効率よく除去して基準ガス13を生成し、この基準ガス13の透過光量と試料ガス12の透過光量との差から水銀の吸光量を高精度に求めることが可能となる。
電磁弁4は二つの流路のうちの一方の流路を選択する弁であり、試料ガス12は電磁弁4の方向とハニカム状水銀除去手段3の方向とに分岐した後、再度合流する構成となっており、合流点に備えた電磁弁4によりどちらか1つの経路が選択される。
測定セル5は試料ガス12または基準ガス13が通過するセルであり、光を透過する。この測定セル5には温度センサ、及び、圧力センサ(図示せず)が設けられている。光源6は水銀ランプ等の紫外線領域の光線を多く含む光を発光し、受光器7は光電管等よりなり、光源6から発光された光の測定セル5による透過光を受光し、受光量を演算手段11に出力する。吸引ポンプ8は煙道等から試料ガス12を吸引するものであり、この吸引ポンプ8の吸引により試料ガス12が還元手段1、気液分離手段2、ハニカム状水銀除去手段3、電磁弁4及び測定セル5を流れる。
温度検出手段9、圧力検出手段10は、測定セル5に設けられた温度センサ、及び、圧力センサからの出力を温度情報、圧力情報に変換して演算手段11に入力し、演算手段11は、これらの情報に基づいて、測定した水銀濃度に対して補正を行う。
水銀濃度測定装置は上記のように構成されており、以下の手順で試料ガス12中の水銀濃度を求める。
試料ガス12は、測定セル5の排気側に備えた吸引ポンプ8により吸引され、還元手段1、気液分離手段2を通過するが、まず、還元手段1、気液分離手段2及びハニカム状水銀除去手段3を通過した基準ガス13を測定セル5に導入し、特定の波長、例えば、原子状水銀の吸収波長である254nmの光強度を計測する。次に、電磁弁4を切り替えて測定セル5に還元手段1、気液分離手段2のみを通過した試料ガス11を導入し、上記特定の波長の光強度を計測する。このとき、両光強度の差は、ハニカム状水銀除去手段3により試料ガス12から除去された物質の吸光量となるので、この吸光量から特定波長における吸光量と水銀濃度との既知の関係に基づいて、試料ガス12中の水銀濃度を求めることができる。
次に、本発明の前処理器である還元手段1の詳細について図2の還元カラムの構造図により説明する。
図2において、21は石英管、22は耐熱性繊維であるシリカウール、23は還元剤としての粒径が0.2mmの炭酸ナトリウム結晶と耐熱性繊維であるシリカウールの混合物であり、図に示すように、石英管21の内部に炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物23を充填し、その両端にシリカウール22を詰めて封止している。なお、この還元カラムの周囲にはこの還元カラムを外部から加熱するヒータ(図示せず)を備え、加熱された還元カラムを保温する断熱材が還元カラムを外部から覆っており、測定時には還元カラムの温度が所定の温度、例えば400℃に保たれるようにヒータの発熱量が制御される。
この還元カラムに試料ガス25が流入すると、試料ガス25中に含まれる塩化水銀は、還元カラムを通過するときに、炭酸ナトリウムにより原子状水銀に還元されるとともに、試料ガス25中に含まれる塩化水素は炭酸ナトリウムにより中和される。
図3、図4は、粒径が0.5mmの炭酸ナトリウム結晶のみを石英管に充填した還元カラムと、粒径0.2mmの炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物を充填した還元カラムとに、それぞれ、金属水銀として170μg/m相当の塩化水銀蒸気を含有するガスを水分30%、塩化水素900ppmと共存状態でガス流量300mL/分で通過させて水銀濃度を連続測定した結果を示す。図3、図4に示すように、粒径0.2mmの炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物を充填した還元カラムでは、90%応答時間が粒径が0.5mmの炭酸ナトリウム結晶のみを石英管に充填した還元カラムの15分以上から6分に短縮している。
以上説明したように、還元触媒として炭酸ナトリウム結晶にシリカウールを混合したものを使用することにより、圧損が生じないので、粒径の小さな炭酸ナトリウムを使用することができ、反応表面積を増やして応答性を向上させることができ、水銀排出抑制のための燃焼炉制御がより的確に実施できるとともに、連続使用しても、排ガス中の成分や水蒸気により炭酸ナトリウムの粒子同士が結合することがなく、管の閉塞が起きないので、還元剤の寿命を延ばすことができ、還元剤交換頻度が低下し、メンテナンスコストを低減することが可能となる。
次に、本発明の前処理器である還元手段1の他の実施例について、図5の還元カラムの構造図により説明する。この還元カラムは図2の還元カラムに酸性ガス除去部を付加したものである。
図2と同様に、21は石英管、22はシリカウール、23は粒径0.2mmの炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物であり、24は粒径0.5mmの炭酸ナトリウム結晶である。図に示すように、石英管21の中心部にシリカウール22を充填し、その両側に炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物23と炭酸ナトリウム結晶24を充填し、その外側にシリカウール22を詰めて封止している。なお、この還元カラムの周囲にも還元カラムを外部から加熱するヒータが設けられ、測定時には還元カラムの温度が所定の温度、例えば400℃に保たれる。
この還元カラムに試料ガス25が流入すると、まず、炭酸ナトリウム結晶24を流通することにより試料ガス25から酸性ガスが除去されるとともに、塩化水銀が炭酸ナトリウムにより原子状水銀に還元された後、炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物23に流入し、ここでも炭酸ナトリウムにより塩化水銀が原子状水銀に還元されるとともに、試料ガス25中に含まれる塩化水素が炭酸ナトリウムにより中和される。
なお、粒径の大きな炭酸ナトリウム結晶24は初期には水銀還元にも寄与するが、早く水銀還元能力を喪失してしまう。しかしながら、粒径の大きな炭酸ナトリウム結晶24は、水銀還元能力喪失後も酸性ガス除去剤として機能するので、還元カラムの後段の粒径の小さい炭酸ナトリウムの劣化を防ぐことができる。
なお、上記の二つの実施例では、炭酸塩として炭酸ナトリウムを使用したが、
炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム等を使用することも可能である。
また、上記の二つの実施例では、耐熱性繊維としてシリカウールを使用したが、アラミド繊維や炭素繊維を使用することも可能である。
さらに、上記の二つの実施例では、粒径の小さな炭酸ナトリウム結晶として粒径0.2mmのものを使用し、粒径の大きな炭酸ナトリウム結晶として粒径0.5mmのものを使用したが、これらは一例であり、粒径の小さな炭酸ナトリウム結晶として粒径0.3mm未満のもの、粒径の大きな炭酸ナトリウム結晶として粒径0.3〜1.0mmのものを使用することができる。
1 還元手段
2 気液分離手段
3 ハニカム状水銀除去手段
4 電磁弁
5 測定セル
6 光源
7 受光器
8 吸引ポンプ
9 温度検出手段
10 圧力検出手段
11 演算手段
21 石英管
22 シリカウール
23 炭酸ナトリウム結晶とシリカウールの混合物
24 粒径0.5mmの炭酸ナトリウム結晶

Claims (5)

  1. 石英管にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶と耐熱性繊維とを混合したものを充填した還元カラムであることを特徴とする水銀濃度測定装置の前処理器。
  2. 請求項1に記載された水銀濃度測定装置の前処理器において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶の粒径が0.3mm未満であることを特徴とする水銀濃度測定装置の前処理器。
  3. 石英管の前段に粒径の大きなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶を充填し、石英管の後段に粒径の小さいアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩結晶と耐熱性繊維とを混合したものを充填した還元カラムであることを特徴とする水銀濃度測定装置の前処理器。
  4. 排ガス中の水銀化合物を金属水銀に変換する還元カラムと、前記還元カラムを加熱するヒータと、前記還元カラムにより試料ガス中の水銀化合物が金属水銀に変換された後の試料ガス中の液体を分離する気液分離手段と、前記気液分離手段を通過した試料ガスが導入され、当該試料ガス中に含まれる原子状水銀を定量する測定部とを備えた水銀濃度測定装置において、前記還元カラムとして請求項1〜3のいずれかに記載された前処理器を用いたことを特徴とする水銀濃度測定装置。
  5. 請求項4に記載された水銀濃度測定装置において、前記ヒータが前記還元カラムを400℃またはそれ以下に加熱することを特徴とする水銀濃度測定装置。
JP2012072654A 2012-03-28 2012-03-28 水銀濃度測定装置及び前処理器 Active JP5877540B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012072654A JP5877540B2 (ja) 2012-03-28 2012-03-28 水銀濃度測定装置及び前処理器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012072654A JP5877540B2 (ja) 2012-03-28 2012-03-28 水銀濃度測定装置及び前処理器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013205128A true JP2013205128A (ja) 2013-10-07
JP5877540B2 JP5877540B2 (ja) 2016-03-08

Family

ID=49524365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012072654A Active JP5877540B2 (ja) 2012-03-28 2012-03-28 水銀濃度測定装置及び前処理器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5877540B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7461025B2 (ja) 2020-03-16 2024-04-03 国立大学法人高知大学 完全閉鎖セル式水銀分析装置および完全閉鎖セル式水銀分析方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110095445B (zh) * 2019-05-15 2021-11-23 北京诺德泰科仪器仪表有限公司 一种紫外荧光总硫分析仪燃烧管

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6150042A (ja) * 1984-08-20 1986-03-12 Kankyo Gijutsu Kenkyusho:Kk ガス状全水銀の連続分析法
JPS63148854U (ja) * 1987-03-20 1988-09-30
JP2000117024A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 Toyobo Co Ltd 空気浄化用フィルター
JP2005098713A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Kyoto Electron Mfg Co Ltd 水銀濃度測定装置及び水銀濃度測定方法
JP2006184261A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nippon Instrument Kk ガス中水銀の測定装置の自動洗浄
JP2007271460A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Horiba Ltd 石炭燃焼排気ガス中の水銀測定方法および測定装置
JP2009053046A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Nippon Instrument Kk 炭化水素を主成分とする試料中の水銀を測定する水銀測定装置
JP2012021908A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Kyoto Electron Mfg Co Ltd 水銀濃度測定装置および水銀濃度測定方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6150042A (ja) * 1984-08-20 1986-03-12 Kankyo Gijutsu Kenkyusho:Kk ガス状全水銀の連続分析法
JPS63148854U (ja) * 1987-03-20 1988-09-30
JP2000117024A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 Toyobo Co Ltd 空気浄化用フィルター
JP2005098713A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Kyoto Electron Mfg Co Ltd 水銀濃度測定装置及び水銀濃度測定方法
JP2006184261A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nippon Instrument Kk ガス中水銀の測定装置の自動洗浄
JP2007271460A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Horiba Ltd 石炭燃焼排気ガス中の水銀測定方法および測定装置
JP2009053046A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Nippon Instrument Kk 炭化水素を主成分とする試料中の水銀を測定する水銀測定装置
JP2012021908A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Kyoto Electron Mfg Co Ltd 水銀濃度測定装置および水銀濃度測定方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7461025B2 (ja) 2020-03-16 2024-04-03 国立大学法人高知大学 完全閉鎖セル式水銀分析装置および完全閉鎖セル式水銀分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5877540B2 (ja) 2016-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5001419B2 (ja) 水銀分析用の加熱燃焼管、加熱分解装置および水銀分析装置
Wang et al. A wet process for oxidation-absorption of nitric oxide by persulfate/calcium peroxide
JP2011121036A (ja) 燃焼排ガスの水銀除去方法及び燃焼排ガス浄化装置。
CN107389547B (zh) 智能环保型光源漂移自动校正原子荧光光谱仪
JP5877540B2 (ja) 水銀濃度測定装置及び前処理器
JP2010096688A (ja) 水銀分析のための加熱分解装置および水銀分析装置ならびにその方法
CN109142017A (zh) 一种原油中汞的分离、收集设备及方法
JP5169006B2 (ja) 分析装置
JP2011158451A (ja) 水銀測定装置
JP4868356B2 (ja) 排ガス中の水銀分析方法およびその装置
JP5468483B2 (ja) 水銀濃度測定装置および水銀濃度測定方法
JP2010096753A (ja) 水銀捕集剤、水銀捕集ユニットおよび水銀分析装置ならびにその方法
CN109351116A (zh) 封闭式储油罐油气处理工艺装置
JP2007271460A (ja) 石炭燃焼排気ガス中の水銀測定方法および測定装置
JP6124436B2 (ja) 水銀濃度測定装置
JP2008200544A (ja) 廃棄物の溶融処理方法
JP5010498B2 (ja) ガス中のpcbのオンライン簡易計測装置及び方法、pcb処理設備の監視システム
JP2007181757A (ja) 排ガス中の水銀除去方法
JP2005077355A (ja) 水銀濃度測定装置、及び水銀濃度測定方法
JP2010122160A (ja) 水銀分析装置およびその方法
WO2012026114A1 (ja) 排ガス処理装置
JP5182195B2 (ja) 排ガス中の水銀分析装置
JP3613146B2 (ja) ガス中微量成分分析方法及び装置
JP2005098713A (ja) 水銀濃度測定装置及び水銀濃度測定方法
JP2017080670A (ja) 酸性ガス回収方法及びシステム並びに鉄イオン分析方法及びシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5877540

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250