JP2013204692A - コイル成形体の導入具および導入方法 - Google Patents

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Abstract

【構成】 導入具60は、マンホール14の入り口14Aに嵌り合う通過部62、通過部62の上方に連続して形成される傾斜部64、傾斜部64の上方に連続して形成されてコイル成形体16を受け入れる大きさの投入部66を含み、投入部66に投入したコイル成形体16の線材の先端は、傾斜部64で縮径されながら通過部62を通過してマンホール14内に臨む。マンホール14内において通過部を通過したコイル成形体の線材の先端をコイル成形体の巻回方向に回転させ、かつ引き込むことによって、コイル成形体をマンホール内に導入する。
【効果】 コイル成形体を効率よくマンホール内に導入できる。
【選択図】図17

Description

この発明は、コイル成形体の導入具および導入方法に関し、特にたとえば、既設管を更生するために既設管内に敷設するコイル成形体を、既設管に引き込むためにマンホール内に導入するための、新規なコイル成形体の導入具および導入方法に関する。
本件出願人等が提案した新しいライニング工法の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1の技術では、老朽化した既設管内に、コイル成形体と呼ばれる補強部材を、既設管内面に密着するように敷設し、コイル成形体の内側に公知のライニング管を挿入して、ライニング管の外面がコイル成形体内面に密着するように敷設する。
特許文献1の技術では、コイル成形体が補強部材として機能するため、ライニング管の強度があまり大きくなくてもよいという利点がある。
特開2011‐158087号[F16L1/00]
コイル成形体は既設管の管径に応じたサイズに設計されるが、既設管の管径によっては、コイル成形体の外径がマンホールの入り口の口径より大きくなることがある。上述の背景技術を採用する場合、このような大径のコイル成形体を効率よくマンホールに導入するという技術的要請がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、コイル成形体の導入具および導入方法を提供することである。
この発明の他の目的は、大径のコイル成形体を効率よくマンホールに導入することができる、コイル成形体の導入具および導入方法を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、既設管内にコイル成形体を敷設し、そのコイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生するライニング工法において、マンホールの入り口の口径より大きな外径を有するコイル成形体をマンホール内に導入するための導入具であって、マンホールの入り口に嵌り合い、コイル成形体が通過する通過部、および通過部の上方に、通過部と連続して形成され、コイル成形体の縮径を助ける傾斜部を備え、マンホール内において通過部を通過したコイル成形体の線材の先端をコイル成形体の巻回方向に回転させ、かつ引き込むことによって、コイル成形体をマンホール内に導入するようにした、コイル成形体の導入具である。
第1の発明では、導入具(60、90)は、マンホール(14)の入り口(14A)に嵌り合う、たとえば中空円筒状の通過部(62、92)を含み、傾斜部(64、94)は、通過部(62、92)の上方に、たとえば通過部と連続して、上方に向かうにつれて外方へ拡がるように設けられる。傾斜部にコイル成形体を載せると、傾斜部は下方に向かうにつれて内方に傾斜しているので、傾斜部は縮径作用を発揮する。傾斜部の縮径作用によって、コイル成形体が縮径されながら、コイル成形体の線材の先端は、通過部に至り、通過部を越えて、マンホール内に臨まされる。したがって、マンホール内において通過部を通過したコイル成形体の線材の先端をコイル成形体の巻回方向に回転させ、かつ引き込むようにすれば、コイル成形体をマンホール内に導入することができる。
第1の発明によれば、導入具にコイル成形体をセットし、マンホール内でコイル成形体の線材の先端を巻回方向に回転させるだけで、簡単にコイル成形体をマンホール内に導入できる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、傾斜部の上方に、傾斜部と連続して形成され、コイル成形体を受け入れる投入部をさらに備える、コイル成形体の導入具である。
第2の発明では、投入部(66、96)にコイル成形体(16)を投入するだけで、コイル成形体の先端をマンホール内に臨ませることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、通過部の下方に、通過部と連続して形成され、マンホール内に配置される解放部をさらに備える、コイル成形体の導入具である。
第3の発明では、解放部(68、98)はたとえば半割部品として構成され、マンホール(14)内で通過部(62、92)の下方に取り付けることができる。解放部は、下方に向かうにつれて外方に拡がる傾斜面を有し、マンホール内でコイル成形体の線材が暴れてマンホール内壁などを損傷するのを防止できる。
第4の発明は、第1ないし第3のいずれかの発明に従属し、先端の回転に伴うコイル成形体の引き込み量を規制する規制手段をさらに備える、コイル成形体の導入具である。
第4の発明では、実施例では整流板と呼ばれる規制手段が設けられる。つまり、コイル成形体(16)全体は整流板(40)を越えられないが、コイル成形体を巻回方向に回転させると、その回転した分だけコイル成形体が整流板を越えられるようにしている。したがって、整流板は、規制手段として機能する。
第5の発明は、第1ないし第4のいずれかに記載の導入具を用いてマンホール内に導入したコイル成形体を既設管内に敷設し、その後ライニング材を前記コイル成形体内に敷設した、更生管路である。
この発明の導入具によればコイル成形体を容易にマンホール内に導入できるので、第5の発明のような更生管路を効率的に形成することができる。
第6の発明は、既設管内にコイル成形体を敷設し、そのコイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生するライニング工法において、マンホールの入り口の口径より大きな外径を有するコイル成形体をマンホール内に導入する導入方法であって、マンホール内において、コイル成形体の線材の先端をコイル成形体の巻回方向に回転させ、かつ引き込むことによって、コイル成形体をマンホール内に導入するようにした、コイル成形体の導入方法である。
第6の発明では、マンホール(14)内において、コイル成形体(16)(の線材)の先端を、コイル成形体の巻方向に回転させることによって、コイル成形体が縮径する。コイル成形体が縮径するので、コイル成形体を容易にマンホール内に引き込むことができる。
第7の発明は、第1ないし第5のいずれかの発明の導入具を用いてコイル成形体をマンホール内に導入し、そのコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生する、既設管の更生方法である。
この発明の導入具によればコイル成形体を容易にマンホール内に導入できるので、第7の発明のような更生管路を効率的に形成することができる。
第8の発明は、第6の発明に従ってコイル成形体をマンホール内に導入し、そのコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生する、既設管の更生方法である。
第6の発明では、コイル成形体を容易にマンホール内に引き込むことができるので、第8の発明のような更生管路を効率的に形成することができる。
第9の発明は、第6または第7の発明の更生方法で更生した、更生管路である。
第6または第7の発明の更生方法に従えば、コイル成形体を容易にマンホール内に導入できるので、第9の発明のような更生管路を効率的に形成することができる。
この発明によれば、大径のコイル成形体を効率的にマンホール内に導入することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1はこの発明の背景となる更生方法に従って施工した更生管路を示す断面図である。 図2は図1に示す更生方法を実施するために利用可能なコイル成形体の一例を示す図解図であり、図2(a)は平面(側面)図であり、図2(b)はそのコイル成形体の線材の断面図である。 図3は図2のコイル成形体を既設管に引き込む、この発明の関連技術の一例を示す図解図である。 図4は図3の関連技術における整流板を例示する図解図であり、図4(a)は円形の整流板の例を示し、図4(b)は十字形の整流板の例を示し、図4(c)は3角形の整流板の例を示す。 図5は整流板の機能(作用)を示す図解図である。 図6は特に図3における押えローラや挟みローラ対の構造を示すために既設管入り口付近を拡大して示す図解図である。 図7は図6に示す挟みローラ対の機能(作用)を示す図解図である。 図8は図6に示す押えローラおよび挟みローラ対の取付け構造の一例を示す図解図である。 図9は図3の関連技術に従って既設管全長に亘って既設管内にコイル成形体を敷設した状態を示す図解図である。 図10は図1の更生方法においてコイル成形体の内側に敷設するライニング管の一例を示す断面図である。 図11は図1の更生方法を実施するために利用可能なコイル成形体の他の例を示す平面(側面)図である。 図12は図1の更生方法を実施するために利用可能なコイル成形体の他の例を示す平面(側面)図である。 図13は図1の更生方法を実施するために利用可能なコイル成形体の他の例を示す平面(側面)図である。 図14は図1の更生方法を実施するために利用可能な長尺のコイル成形体を、定尺のコイル成形体を連結して作る方法を例示する図解図である。 図15は図14における定尺のコイル成形体の連結状態を示す図解図である。 図16はマンホール内にコイル成形体を導入するために利用できる、この発明の一実施例の導入具を示す図解図であり、図16(a)は斜視図であり、図16(b)は断面図である。 図17は図16実施例の導入具を用いてコイル成形体をマンホール内に導入する様子を示す図解図である。 図18は図16実施例の導入具に取り付けられた整流板を例示する図解図である。 図19は図18実施例の整流板の機能(作用)を示す図解図である。 図20はマンホール内にコイル成形体を導入するために利用できる、この発明の他の実施例の導入具を示す図解図であり、図20(a)は斜視図であり、図20(b)は断面図である。 図21はマンホール内にコイル成形体を導入するために利用できる、この発明の他の実施例の導入具を示す図解図である。 図22は図21実施例の導入具を用いてコイル成形体をマンホール内に導入する様子を示す断面図解図である。 図23はマンホール内にコイル成形体を導入するために利用できる、この発明の他の実施例の導入具を示す図解図である。 図24は図23実施例の導入具を用いてコイル成形体をマンホール内に導入する様子を示す断面図解図である。 図25はマンホール内にコイル成形体を導入するために利用できる、この発明のその他の実施例の導入具を示す図解図である。 図26は図25実施例の導入具を用いてコイル成形体をマンホール内に導入する様子を示す図解図である。
この発明に従った実施例の導入具および導入方法を説明する前に、この発明の関連技術を、この発明の理解を容易にするために必要な範囲で説明する。
図1の更生管路10において、既設管12は、マンホール14とマンホール14との間の地中に埋設されていて、この既設管12を含む更生管路10は、背景技術で提案する新しいライニング工法に従って、既設管12内にコイル成形体16を、コイル成形体16の外面が既設管12の内面に密着するように敷設し、次いで、コイル成形体16の内側に、外面がコイル成形体16の内面と密着するように、ライニング管18を敷設することによって、形成される。
このような更生管路10を形成するためには、コイル成形体16を既設管12の中に敷設する必要があるが、この発明の関連技術では、コイル成形体の敷設時間を短縮可能なように、長尺のコイル成形体を連続的に既設管内に引き込むようにしている。
なお、関連技術すなわちこの発明が適用できる既設管12としては、たとえば、上下水道管、ガス管、通信ケーブル保護管または電力ケーブル保護管等が考えられ、管の種類としては、鉄筋コンクリート管、陶管、鋳鉄管、鋼管および塩ビ管のような合成樹脂管等がある。
関連技術で用いられるコイル成形体16は、図2に示すように、断面矩形の、剛性の大きい線材16aを、矩形の長辺が既設管12の径方向に配置されかつ短辺が既設管12の軸方向に配置されるように、巻芯(図示せず)上に螺旋状に巻回することによって、空芯円筒状に形成される。
図2(a)に示すように、コイル成形体16の外径Dは、コイル成形体16の外面が既設管12の内面に確実に密着するように、既設管12の内径dと等しいかわずかに大きく設定される。また、この実施例では、図2(b)に示す線材16aの幅Wおよび厚みTは任意の寸法に設計され得るが、一例として、コイル成形体16の呼び径が450mmであるとすれば、W=13mm、T=6.5mm程度である。
線材16aの巻回ピッチつまり隣り合う線材16aの中心間の距離は、線材16aの幅Wと等しいかほぼ等しく設定されており、したがって、この実施例のコイル成形体16では、隣り合う線材16aどうしが密着するように、巻回されている。
関連技術すなわちこの発明が適用できるコイル成形体16の線材16aの材料としては、剛性の大きい材料、たとえば、アルミニウム合金、鋼またはステンレス鋼などの金属、合成樹脂、およびGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの繊維強化プラスチック等が考えられる。ただし、コイル成形体16の線材16aに必要な剛性は、埋設土圧に対する耐外圧強度との関係で決まり、ライニング管18の強度と合わせて更生管路10として必要な強度が得られるようにしている。
図3を参照して、コイル成形体16をマンホール14から引き込んで既設管12内へ敷設する、関連技術における施工方法について説明する。
コイル成形体16を既設管12内に引き込むために、既設管12内にまず、引込み機20を配置する。引込み機20は、たとえば鉄のような金属から作った中空の有底円筒形状の本体22を有し、この本体22には、前後にそれぞれ1対の、車輪24および26が、既設管12の軸方向に回転可能に設けられる。ただし、車輪24および26はともに、2対以上、本体22の円周方向たとえば90°ごとに設けられてもよい。
本体22内には、図示しないが、モータが設けられ、そのモータの回転軸28が本体22の後方に突出する。回転軸28の先端には、円盤状の回転体30が取り付けられる。回転体30内周には、図3では点線で示す固定部ないし保持部32が設けられる。保持部32は、導入すべきコイル成形体16の先端をこの回転体30の内周上に固定的に保持するための機構であり、任意の構造の保持部が利用可能である。たとえば、回転体30の内周上に径方向に変位可能な押え金具(図示せず)を設け、この押え金具と外周との間にコイル成形体16の先端の線材16aを挟み込んで保持する構造、あるいは、回転体30の内周に雌ねじを形成しておき、ボルト(図示せず)をその雌ねじに螺合させて先端の線材をボルトで固定するような構造、などが考えられる。
この保持部32によってコイル成形体16の先端の線材を保持した状態でモータ(図示せず)を回すと、コイル成形体16の先端が、コイル成形体16の巻回方向へ引き込まれ、コイル成形体16がその方向に回転する。
なお、このような引込み機20は、自走式のものであってよい。その場合には、1対または2対以上の車輪24および/または26のどれかに、駆動力を与える必要がある。駆動源としては、回転体30を回転させるためのモータの回転力を利用するようにしてもよいし、そのモータとは別の駆動源を本体22内に設けるようにしてもよい。いずれの場合も、引込み機20は、車輪24および/または26に与えられた回転駆動力によって、管軸方向の前方に自走できる。
ただし、引込み機20は自走式でなくてもよい。この場合、引込み機20の本体22の前面に円形の引掛け金具34を固着し、その金具34に、ワイヤ36のフック38を引掛けて、ワイヤ36を牽引すれば、引込み機20を手動によって前方に移動させることができる。
このような引込み機20は、ライニングシステムを構成する場合、コイル成形体の先端を、そのコイル成形体の巻き方向に回転させながら既設管内に引き込む引込み手段として機能する。
この実施例では、既設管12中に引き込むコイル成形体16の軸方向の長さは、既設管12の更生すべき部分の長さ、図1のマンホール14間全長であればたとえば50mである。このような長尺のコイル成形体16は、1つの連続した長いコイル成形体として作成するが、場合によっては、後に説明するように、比較的短尺の(軸方向長さが4‐5mの)コイル成形体を、既設管12内へ引き込む前に地上で必要個数だけ連結して作成するようにしてもよい。
図3の関連技術では、引込み機20の前述の回転体30の保持部32に、長尺のコイル成形体16の先端(の線材)を保持し、回転体30を、コイル成形体16の巻回方向に回転させる。そうすると、コイル成形体16の先端が巻回方向に引き込まれ、図3に示すようにコイル成形体16の径方向の大きさが小さくなる(縮径される)。したがって、その状態で引込み機20を前方に移動させれば、コイル成形体16の外面と既設管12の内面との接触による摩擦抵抗が小さくなり、コイル成形体16が円滑に既設管12内に引き込まれる。
ただし、コイル成形体16は、既設管12の入り口に後述の整流板40が設けられているために、引込み機20を前進させても、コイル成形体16が一気に既設管12内に入り込むことはない。つまり、コイル成形体16が既設管12の入り口から引き込まれるとき、既設管12の入り口に設けた整流板40がコイル成形体16の引き込み量を規制する。
詳しく説明すると、整流板40は、たとえば金属、プラスチック、木、ゴムなどの板からなり、図4(a)に示すように、全体として円板形状であり、その少なくとも一部の差し渡し長さLがコイル成形体16の内径以上、好ましくは、外径Dと同程度に設定され、既設管12の入り口に、たとえばねじ止めなど任意の手段で、固定される。整流板40には切欠きまたは空隙によって、線材通過部42が形成される。線材通過部42はコイル成形体16の線材16aはそこを通って既設管12内に進入できるが、コイル成形体16それ自体は通過させない大きさに設定される。
なお、整流板40の形状は、図4(b)や図4(c)に示す形状であってもよい。図4(b)の整流板40は、全体形状が十字または+(プラス)形状であり、この整流板40においても少なくとも一部がコイル成形体16の内径以上、好ましくは、外径と同程度の所定長さLに設定される。図4(b)の整流板40では、4つの線材通過部42が形成され、そのうちのどれか1つを通って、コイル成形体16の線材16aが既設管12内に引き込まれる。
図4(c)の整流板40は全体として3角形状に形成され、この場合、3角形の各辺と既設管12の内径との間の空隙が線材通過部42として機能する。3角形状の整流板40では、各辺の長さが、既設管12の入り口に整流板40を固定できる差し渡し長さにされている。図4(c)の整流板40においても、3つの線材通過部42のどれか1つを線材16aが通過するように設定する。
図5に整流板40の機能(作用)を図解しているが、引込み機20の回転体30によってコイル成形体16の先端を巻回方向に回すと、それにつれて、コイル成形体16も全体的に巻回方向に回転する。コイル成形体16が1回転すると、そのターンの線材が整流板40を越えるので、コイル成形体16は全体として、1ターン分(1ピッチ)だけ線材通過部42を通って既設管12内に引き込まれる。つまり、コイル成形体16の全体の通過は阻止するが線材16aは通過できる整流板40を、既設管12の入り口に設けているため、コイル成形体16は1ターン分(1ピッチ)ずつ既設管12内に引き込まれるとともに、コイル成形体16が一気に既設管12内に入り込むのが防止できる。したがって、コイル成形体16の線材16aがねじれたり、絡み合ったりすることがない。このように、既設管12の入り口に設けた整流板40には、線材通過部42を通してのコイル成形体16の定量的引込みと、コイル成形体16のいわゆる暴れの抑制の効果が期待できる。
さらに、この図3に示す関連技術では、上述のように線材通過部42を有する整流板40を、マンホール14内でコイル成形体16が垂直状態から水平状態へ曲がる曲り部に1つ以上設けことができる。曲り部に設けた整流板40によっても、既設管12の入り口の整流板と同様に、線材通過部42を通してのコイル成形体16の定量的引込みと、コイル成形体16のいわゆる暴れの抑制の効果が期待できる。
ただし、この実施例では、曲り部に設けた整流板40は、断面楔形状にされていて、それによって曲り部におけるコイル成形体16の変形を有効に防止しようとしているが、他の整流板と同様に、単純な平板状の整流板であってもよい。
図3の関連技術ではさらに、マンホール14内においてコイル成形体16が垂直方向に送られる垂直部にも1つ以上の整流板40を設けることができる。垂直部に設けた整流板40には、上述の定量的引込みと暴れの抑制の効果に加えて、マンホール14内でコイル成形体16が自重によって伸びたり変形したりするのを抑制する、損傷抑制効果も期待できる。
このような整流板40は、ライニングシステムを構成する場合、引込み手段によるコイル成形体の先端の回転に伴うコイル成形体の引き込み量を規制する規制手段として機能する。つまり、整流板40は、上述のように、コイル成形体16を管軸方向に移動させてもコイル成形体16はこの整流板40を越えられないが、コイル成形体16を管軸周りに回転させると、その回転した分だけコイル成形体16が整流板40を越えられる、という点で、整流板40は、規制ステップを実行し、あるいは規制手段として機能する。
なお、上述の垂直部の整流板と同様に、マンホール14の入り口に整流板40を設けるようにしてもよい。
図3の関連技術では、図6に部分的に拡大して示すように、さらに、既設管12の入り口にローラ44および挟みローラ対46を設けている。ローラ44は、軸(図示せず)によって回転自在に、かつ既設管12に引き込まれる前で、コイル成形体16の線材16aの外面に接触する位置に、設けられる。このローラ44は、コイル成形体16の引込み機20による回転に伴ってコイル成形体16の外周面に当接しながら回転される。そして、ローラ44はコイル成形体16の外周面を径方向内側へ少し押し付けるような位置に設けられている。コイル成形体16の外周面が既設管12の内面やマンホール14の底部にあたると摩擦が大きくなるが、この実施例では、ローラ44によってコイル成形体16が少し浮き上がるように力を受けるので、上述の摩擦を低減できるという効果が期待できる。
ローラ44とは別に既設管12の入り口近傍の整流板40より後方に、挟みローラ対46を設けている。挟みローラ対46は、駆動ローラ46aと従動ローラ46bでコイル成形体16の1本または2本以上の線材16aの内面および外面を挟むことができる。図7に示すように、挟みローラ対46で線材16aを挟んだ状態で駆動ローラ46aを回転させると、その駆動ローラ46aの駆動力によって、線材16aがその線材16aの長さ方向へ押され、結局、コイル成形体16の引込み機20による回転を助長する。したがって、コイル成形体16の既設管12内への引き込みが一層円滑に行われ得る。コイル成形体16の敷設距離が短い場合にはコイル成形体16による摩擦はあまり大きくないので、場合によっては、挟みローラ対46を設けなくてもよいかもしれない。しかしながら、敷設距離が長くなれば挟みローラ対46による摩擦低減効果が効果的に作用するので、挟みローラ対46を設けたほうがよい。
なお、これらのローラ44のローラ軸、挟みローラ対46の2本のローラ軸はいずれも、図8に示すようなドーナツ形状の取付け板48に取り付けられ、この取付け板48が整流板40とともに既設管12の入り口に、任意の手段で固定される。
図3に示すように、図6に示す取付け板44と同様のドーナツ形状の取付け板を用いて、2つの挟みローラ対50および50を、マンホール14の外、つまり地上に設置することができる。これらの挟みローラ対50および50も、基本的には挟みローラ対46と同様の作用効果を奏するので、地上からマンホール14内へコイル成形体16を引き込む際の作業性を改善する機能(作用)を果たす。ただし、地上の挟みローラ対50および50と、既設管12入り口の挟みローラ対46とは同調させる必要がある。挟みローラ対50および50によるコイル成形体16の送り込み量が挟みローラ対46によるコイル成形体16の送り込み量(引き取り量)に比べて大きいと、コイル成形体16がマンホール14内でだぶつくし、小さいと、コイル成形体16がマンホール14内で引きつるなどのアンバランスが生じ、コイル成形体16の既設管12内への引き込みに支障をきたす可能性がある。
なお、マンホール14の外、つまり地上に挟みローラ対50、50を設ける場合、既設管12の入り口近傍の整流板40の後方に設けていた挟みローラ対46は省略するようにしてもよい。
図9を参照して、上述のようにして引込み機20の回転体30を回転させるとともに、引込み機20を前進させることによって、コイル成形体16を1ピッチずつ安定して既設管12内に引き込むことができる。コイル成形体16の既設管12内への引き込み作業を継続してやがて引込み機20が進行方向前方のマンホール14に至る。この状態では、後方すなわち既設管12の入り口側において既設管12に未だ引き込んでいないコイル成形体16がマンホール14内に残っている。しかしながら、引込み機20の回転体30の回転を止め、コイル成形体16の先端に与えていた回転力をなくし、必要に応じて挟みローラ対46から線材を外すと、コイル成形体16の後端が解放され、コイル成形体16は先端すなわち回転体30に保持していた先端側から順次拡径し、その拡径に伴ってコイル成形体16の先端側からコイル成形体の残りの部分を前方に拘引する拘引力が生じる。したがって、マンホール14内に残っていたコイル成形体16の終端部分が順次既設管12内に引き込まれ、ついには、後方側(左側)マンホール14内に残っていたコイル成形体16の一部(終端部)も既設管12内に完全に入り込む。その後、回転体30の保持部32で保持していたコイル成形体16の先端を解放する。そうすると、既設管12の全長に亘って、図9に示すように、コイル成形体16の外面が既設管12の内面に沿うように、既設管12全長に亘って、既設管12内にコイル成形体16が敷設される。
なお、図3の関連技術において、既設管12の内面に摩擦低減用のシート(図示せず)を敷設しておき、その後コイル成形体16を引き込むようにしてもよい。そうすれば、既設管12の内面とコイル成形体16の外面との間に摩擦低減用シートが介在することになるので、コイル成形体16の引き込み時の摩擦を低減させることができる。
図9のように、既設管12内にコイル成形体16を敷設した後、次に、ライニング管18をコイル成形体16の内面に敷設する必要がある。
ライニング管18は、関連技術では、図10に示すように、縮径加工により周方向の一部が押し込まれた断面略ハート形状を有する縮径管である。この略U字状の押し込まれた部分を押し込み部分50という。ライニング管18の構成材料は、合成樹脂(ポリエチレン、ポリブテン、ポリプロピレン、ナイロン、塩化ビニル等)や繊維強化プラスチックであるが、ここでは、ポリエチレンの実施例を示す。
ライニング管18は、所定の温度に加熱しかつ加圧されることにより円筒形に復元され、後に詳細を説明するように、コイル成形体16の内面に略密着するライニング管18を形成する。ライニング管18は、復元したときの外径がコイル成形体16の内径と略等しいサイズとなるように設定されている。
このライニング管18は、従来公知の方法によって製造することができるので、その製造方法の詳細な説明は省略する。簡単に言えば、所定の径で押出成形された直管に対して、軟化点以上融点以下の範囲における所定の温度(この実施例では、たとえば約100℃程度)に加熱して、押し板やローラ等を用いて縮径加工を施すことによって押し込み部分50を形成する。したがって、再び軟化点以上融点以下の温度に加熱し加圧することによって、押し込み部分50は外面側へ戻されて、所定形状(円筒形等)に復元する。
すなわち、ライニング管18を先に既設管12内に敷設されたコイル成形体16の内部に挿入する。具体的には、図示は省略するが、牽引ワイヤをコイル成形体16内に挿通して、この牽引ワイヤを既設管12の入り口(進行方向後方)側のライニング管18に接続する。そして、牽引ワイヤをウインチで巻き取って、ライニング管18をその先端が既設管12の出口(進行方向前方)に到達するまで挿入する。
次に、ライニング管18内に蒸気や温水を供給した後、所定圧力に加圧して、コイル成形体16内にライニング管18を形成する。具体的には、ライニング管18は、加熱されるとともに内圧がかけられることで、その断面形状が真円または真円に十分に近い略真円形に復元する。そして、復元したライニング管18の外周面の全体をコイル成形体16の内面の全体に密着させる。これによって、図1に示すような、既設管12内にその全長に亘って更生管路10が形成されることとなる。
図3の関連技術のライニング工法では、既設管12の内面とライニング管18の外面との間にコイル成形体16が介在される。このため、コイル成形体16に埋設土圧に対する耐外圧強度をもたせて、ライニング管18の管壁の厚みを薄くすることで、ライニング管18を円筒形に復元させるための時間を短縮することができる。つまり、このライニング工法によれば、ライニング管14を形成するための時間を短縮することができる。また、ライニング管18の管壁の厚みを薄くすることで、その分だけライニング管18の重量が小さくなるため、ライニング管18の運搬および取扱いも容易となる。したがって、施工性に優れる。
さらにまた、この実施例では、既設管12への引き込み時に、コイル成形体16を縮径させるため、コイル成形体16が既設管12の曲がり管部や段差部(いずれも図示せず)をスムーズに通過することができる。つまり、この実施例によれば、コイル成形体16が既設管12に容易に挿入される。
なお、上述の実施例では、線材16aの断面形状が矩形のコイル成形体16を用いたが、コイル成形体16は、図11に示すように断面形状が円形の線材16aを螺旋状に巻回したものであってよく、さらには、図12に示すように、断面形状が半円形の線材16aを螺旋状に巻回したものなどであってよい。
また、上述の実施例では、コイル成形体16のピッチを線材16aの幅Wと同じにし、隣接する線材どうしが密着する(間隔を隔てない)ように線材16aを巻回したが、これも図13に示すように、隣接する線材間に間隔を設けて線材16aを巻回してもよい。
図3の関連技術では、長尺のコイル成形体16を、そのまま既設管12内に引き込むようにしたので効率的にコイル成形体既設管内に引込み、敷設することができる。ただし、長尺のコイル成形体16は1本の線材16aを連続的に螺旋状に巻回したものであってもよく、または、図14および図15に示すように、比較的短い定尺のコイル成形体16Aを連結具52で連結することによって、長尺のコイル成形体16を形成するようにしてもよい。定尺のコイル成形体16Aを連結して長尺のコイル成形体16を形成する場合、地上で連結作業を行ってもよいが、コイル成形体16を送り込む側(図1では左側)のマンホール14の中で連結作業を行ってもよい。
連結手段としての連結具52は、図14および図15に示すように、その両端に接続部52aを有するソケット形状に形成される。接続部52aは、たとえば受口構造をしており、コイル成形体16Aどうしを連結する場合には、その受口にコイル成形体16Aの線材16aの端部をそれぞれ挿入して、それらを接合する。
ただし、定尺のコイル成形体16Aを連結して長尺の連続コイル成形体16を形成する連結手段としては、他の任意の手段が採用できる。たとえば、コイル成形体16Aの線材の先端と後端とをリベットや溶接で連結する方法などが考えられる。
このように、たとえば連結具52を用いて定尺のコイル成形体16Aどうしを連結して、長尺のコイル成形体16を形成するようにすれば、定尺のコイル成形体を定尺のコイル成形体を利用する場合にも、この発明のように長尺のコイル成形体を利用する場合にも使えるので、コイル成形体のコストを抑制が期待できる。
たとえば、ライニング管18としては、図10に示すような、縮径加工により周方向の一部が押し込まれたまたは折畳まれて扁平化された縮径管に限らず、断面略円形等の直管をそのままの形状で縮径した縮径管でもよい。
さらにまた、ライニング管18は、必ずしも縮径管を復元したものである必要はない。たとえば、長尺の帯状部材を螺旋状に巻回したライニング管や、板状部材を周方向や長手方向に貼り付けたライニング管など、種々のライニング管を適用可能であり、さらには、樹脂材料以外のライニング管を適用することも可能である。
先の関連技術の説明において、長尺のコイル成形体16を作るために、図14に示すように、定尺のコイル成形体16Aを連結する方法を採用する可能性を述べたが、定尺のコイル成形体16Aを連結する場合、上述のように、地上で作業する場合と、マンホール14内に作業する場合が考えられる。
以下に説明するこの発明の一実施例の導入具は、コイル成形体をマンホール内に導入するためのものであり、上述の関連技術において、長尺のコイル成形体を連続して既設管12内に引き込む際に、定尺のコイル成形体16Aをマンホール14内に導入し、マンホール内で定尺のコイル成形体を連結して長尺のコイル成形体を作る場合に特に有利に適用できる。したがって、この発明は、場合によっては、上述した関連技術のライニング工法をそのまま、または適宜変更して含むものである。
しかしながら、この発明に従った導入具は、上で説明した実施例のような場合に限らず、また、定尺のコイル成形体か長尺のコイル成形体かに拘らず、一般に、マンホール14の入り口の口径より大きい外径を有する任意のコイル成形体をマンホール内に導入するために利用可能であることを予め留意されたい。
図16はこの発明の一実施例の導入具を示す図解図であり、この導入具60は、全体として、金属や樹脂の板からなり、マンホール14の入り口の内径、たとえば600mmに嵌り合う外径を有する中空円筒状の通過部62と、通過部62の上端から延びて外方に拡がるように傾斜する傾斜部64と、傾斜部64の上端から延びて、コイル成形体の外径より大きい内径の中空円筒状の投入部66を含む。通過部62の下端に、下方に行くに従って外方に拡がる解放部68が取り付けられる。解放部68の少なくとも下端はマンホール14の入り口の内径600mmより大きいので、この解放部68を通過部62に取り付けたまま、導入具60をマンホール14の入り口に取り付けることはできない。したがって、この実施例では、解放部68は取り外し可能な半割部品として構成され、通過部62をマンホール14の入り口14a(図17)に嵌めた後、マンホール14内で、通過部62の下端に取り付けられる。
通過部62は、コイル成形体16がマンホール14の入り口14aを通過する際の案内手段として機能する。傾斜部64は、下方に向かうにつれて内方に傾斜しているので、投入部66に投入したコイル成形体16を通過部62に向かって縮径させるための縮径手段として機能する。
ただし、投入部66は、上述のようにコイル成形体16の外径より大きい内径を必ずしも必要とするものではなく、投入部66に投入されたコイル成形体を受け入れる(受容する)サイズであればよい。
図16実施例の導入具60をマンホール14の入り口14aに図17に示すように取り付けた後、投入部66内に、たとえば図11に示すような、断面円形のコイル成形体16を、コイル成形体16の外面が投入部66の内面に沿うように、投入する。
なお、先の関連技術の説明では、長尺のコイル成形体には参照号「16」を付し、定尺のコイル成形体には参照符号「16A」を付してコイル成形体を区別したが、以下の説明では、便宜上、定尺のコイル成形体か長尺のコイル成形体かに拘らず、コイル成形体にはすべて同じ参照符号「16」を付していることを予め指摘しておく。
投入部66にコイル成形体16を投入すると、それの自重で、コイル成形体16の下部は傾斜部64に入り込んで縮径され、さらには、通過部62を越えて、コイル成形体16の先端はマンホール14内に落ち込む。
マンホール14内には、図3の関連技術で説明した引込み機20と同様の引込み機54が設置されている。引込み機54は、車輪がないという点で、引込み機20とは異なるが、モータ(図示せず)によって駆動される回転軸56に取り付けた回転体58を有するという点では同様である。ただし、この実施例の引込み機54では、回転軸56を伸縮可能に構成している点も図3の引込み機20と異なる。そして、図17では図示していないが、回転体58の内方に保持部(図3の保持部32に相当する)が設けられている。
上述のように、コイル成形体16の先端が解放部68を経てマンホール14内に垂下するので、引込み機54の回転軸56を伸ばした状態で、線材の先端を回転体68の保持部(図示せず)に保持し、回転体58を、コイル成形体16の巻回方向に回す。そうすると、コイル成形体16の先端が巻回方向に引き込まれ、図17に示すようにコイル成形体16の径方向の大きさが小さくなる(縮径される)。したがって、その状態で引込み機54の回転軸56を徐々に縮めていけば、回転体58が下方へ移動し、その移動に伴って、回転体58の保持されているコイル成形体16の先端が徐々に下方に引き込まれる。回転体58の回転を継続し、回転軸56を縮ませ続ければ、やがて、コイル成形体16はすべてマンホール14内に引き込まれることになる。つまり、コイル成形体16がマンホール14内に落下する。解放部68は、このときにコイル成形体16の線材が暴れてマンホール14の内壁に当たって損傷させたりするのを防止できる。このように、コイル成形体16の先端を巻回方向に回転させることによって縮径させながら、マンホール14内に引き込むようにすれば、コイル成形体16を円滑にマンホール14内に引き込むことができる。
ただし、図18に示すように、導入具60の通過部62の上端に先に説明したような整流板40が設けられているために、引込み機54出をコイル成形体16の線材の先端を引き込んでも、コイル成形体16が一気にマンホール14内に落下してしまうことはない。つまり、コイル成形体16が通過部62を経て下方に引き込まれるとき、先に説明した関連技術と同様に、通過部62に設けた整流板40がコイル成形体16の引き込み量を規制する。
この実施例でも整流板40は、たとえば金属などの板からなり、全体として円板形状に形成され、その少なくとも一部の差し渡し長さがコイル成形体16の内径以上、好ましくは、外径D(図2)と同程度に設定され、通過部62の上端に、たとえばねじ止めなど任意の手段で、固定される。整流板40には切欠きまたは空隙によって、線材通過部42が形成される。線材通過部42はコイル成形体16の線材16aはそこを通って既設管12内に進入できるが、コイル成形体16それ自体は通過させない大きさに設定される。
図19に整流板40の機能(作用)を図解しているが、引込み機54の回転体58によってコイル成形体16の先端を巻回方向に回すと、それにつれて、コイル成形体16も全体的に巻回方向に回転する。コイル成形体16が1回転すると、そのターンの線材が整流板40を越えるので、コイル成形体16は全体として、1ターン分(1ピッチ)だけ線材通過部42を通って下方に引き込まれる。したがって、コイル成形体16が一気に落下してマンホール14内に入り込むのが防止できる。したがって、コイル成形体16の線材16aがねじれたり、絡み合ったりすることがない。この実施例においても、導入具60内に設けた整流板40は、コイル成形体16の引込み量を規制する手段として機能する。
なお、上の実施例では、円形の整流板40を通過部62の上端に設けたが、整流板40を設ける位置は、通過部62、傾斜部64、投入部66の任意の位置でよく、形状も円形に限ることはない。
また、上述の実施例では、図17に示す引込み機64を利用して、コイル成形体16の先端の線材を巻回方向に回転させながら、マンホール14内へ引き込むようにしたので、人手によるより安全にコイル成形体16をマンホール14内に導入できる。しかしながら、引込み機54の構造は実施例のようなものに限られるものではなく、コイル成形体16の先端の巻回方向への回転とマンホール14内への引き込みを同時にまたは順次に行える構造であれば、任意の構造を採用できる。
さらにまた、引込み機のような機械装置を準備できない場合には、たとえばコイル成形体16の線材の先端をプライヤのような挟み工具で挟んで、人手によって、上述の回転と引込みを実行するようにしてもよい。
図20はこの発明の他の実施例の導入60を示し、この実施例の導入具60は、通過部62、傾斜部64および投入部66の壁面(内壁)に、多数のローラ70を軸72によって自由回転可能に設けたこと以外、図16実施例の導入具60と同様である。ローラ70は、導入具60の内壁に部分的に突出しかつ回転自在であるため、導入具60内にコイル成形体16を投入して回転させるときの摩擦を低減することができる。したがって、人手によっても、コイル成形体を容易に回転させることができる。
図21はこの発明のさらに他の実施例の導入具を示し、この実施例では、図20のようなローラ付の導入具60と、同じくローラ付の内導入具80を用いる。内導入具80は、導入具60と同様に、金属や樹脂で作られ、中空円筒状の通過部82と、通過部82の上端から延びて外方に拡がるように傾斜する傾斜部84と、傾斜部84の上端から延びて、コイル成形体の内径より小さい外径の中空円筒状の投入部86を含む。ただし、内導入具80には解放部68に相当する部分はない。
内導入具80にも、導入具60と同様に、通過部82、傾斜部84および投入部86の壁面(内壁)に、多数のローラ74を自由回転可能に設けている。
内導入具80は、導入具60とほぼ相似形に形成され、図22に示すように、内導入具80のローラ74の外周と、導入具60のローラ70の外周との間に、コイル成形体16の線材16aが入り込める隙間を形成する。つまり、外導入具60と内導入具80とで図22に示すようにコイル成形体16(の線材16a)を挟み、その状態で、先の実施例と同様に、コイル成形体16の線材の先端を、コイル成形体16の巻回方向に回転させる。
図21および図22の実施例では、図20の実施例と同様に、コイル成形体16と導入具60との間の摩擦を低減できるとともに、内導入具80と外導入具60とでコイル成形体16を挟み込むので、コイル成形体16の暴れなどを抑えて、コイル成形体16を一層円滑にマンホール14内に導入することができる。
図23はこの発明のなおも他の実施例の導入具を示す図解図であり、この実施例では、内導入具80にローラ74が設けられていないという点以外は、図21および図22で示す実施例と同様である。
ただし、この実施例では、内導入具80に軸88を設け、この軸88に回転力を付与することによって、コイル成形体16の巻回方向への回転を助長することができる。つまり、図24に示すように、内導入具80の外周と、導入具60のローラ70の外周との間に、コイル成形体16の線材16aが入り込める隙間を形成し、その隙間にコイル成形体16(の線材16a)を挟み、その状態で、コイル成形体16の線材の先端を、コイル成形体16の巻回方向に回転させるのであるが、軸88に回転力を付与すると、内導入具80が全体に回転するので、マンホール14内でコイル成形体の先端を巻回方向に回転させるときに、軽く回転できるようになり、あまり大きな力が必要なくなる。
図25はこの発明のその他の実施例の導入具90を示し、この実施例では、導入具90は先の導入具60と同様に、通過部92、傾斜部64、投入部96および解放部98を含むが、解放部98を除く各部の内壁に、螺旋状の案内溝100を連続的に形成し、その案内溝100に部分的にローラ102を分散配置している。
そして、図26に示すように、螺旋状の案内溝100にコイル成形体16の線材を嵌め込んだ状態で、コイル成形体の線材の先端を、コイル成形体16の巻回方向に回転させ、マンホール14内に引き込む。このとき、分散配置したローラ102によって、コイル成形体16と導入具90との間の摩擦が軽減され得る。
図25および図26の実施例では、案内溝100に、コイル成形体16の螺旋状に巻き回した線材16aが嵌り合い、コイル成形体16の線材が整列した状態で、整流板のような規制部材がなくても、コイル成形体の回転に応じて定量的な導入が可能になる。しかも、この線材が案内溝に嵌まっているので、導入具90内でのコイル成形体の暴れなどが抑制できる。
なお、図21および図23などの実施例において、ローラ70は自由回転ローラとした。しかしながら、これらのローラ70の全部または一部のローラに回転駆動力を与えるようにしてもよい。図25実施例のローラ102についても同様である。
さらに、上述の実施例における解放部68や98は、省略することも可能である。また、投入部66、96も省略可能である。つまり、導入具としては、最低限、マンホールの入り口に嵌り合う通過部とその通過部の上方に形成されてコイル成形体の縮径を助ける傾斜部があればよい。
なお、上述した径や幅、高さ等の具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
10 …更生管路
12 …既設管
14 …マンホール
16 …コイル成形体
54 …引込み機
60、90 …導入具
62、82、92 …通過部
64、84、94 …傾斜部
66、86、96 …投入部
68、98 …解放部
70、102 …ローラ
80 …内導入具
20 …引込み機

Claims (9)

  1. 既設管内にコイル成形体を敷設し、そのコイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生するライニング工法において、マンホールの入り口の口径より大きな外径を有するコイル成形体をマンホール内に導入するための導入具であって、
    前記マンホールの入り口に嵌り合い、前記コイル成形体が通過する通過部、および
    前記通過部の上方に、通過部と連続して形成され、前記コイル成形体の縮径を助ける傾斜部を備え、
    前記マンホール内において前記通過部を通過したコイル成形体の線材の先端をコイル成形体の巻回方向に回転させ、かつ引き込むことによって、前記コイル成形体をマンホール内に導入するようにした、コイル成形体の導入具。
  2. 前記傾斜部の上方に、傾斜部と連続して形成され、前記コイル成形体を受け入れる投入部をさらに備える、請求項1記載のコイル成形体の導入具。
  3. 前記通過部の下方に、通過部と連続して形成され、前記マンホール内に配置される解放部をさらに備える、請求項1または2記載のコイル成形体の導入具。
  4. 前記先端の回転に伴うコイル成形体の引き込み量を規制する規制手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載のコイル成形体の導入具。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の導入具を用いてマンホール内に導入したコイル成形体を前記既設管内に敷設し、その後前記ライニング材を前記コイル成形体内に敷設した、更生管路。
  6. 既設管内にコイル成形体を敷設し、そのコイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生するライニング工法において、マンホールの入り口の口径より大きな外径を有するコイル成形体をマンホール内に導入する導入方法であって、
    前記マンホール内において、前記コイル成形体の線材の先端をコイル成形体の巻回方向に回転させ、かつ引き込むことによって、前記コイル成形体をマンホール内に導入するようにした、コイル成形体の導入方法。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の導入具を用いてコイル成形体をマンホール内に導入し、そのコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生する、既設管の更生方法。
  8. 請求項6記載の導入方法に従ってコイル成形体をマンホール内に導入し、そのコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体の内側にライニング材を敷設することによって既設管を更生する、既設管の更生方法。
  9. 請求項7または請求項8記載の更生方法で更生した、更生管路。
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