JP2013204606A - フライホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】小型であっても始動時と高速回転時とで慣性モーメントを大きく変化させることができるフライホイールを提供する。
【解決手段】エンジンのクランクシャフトの端部に固定されることで同クランクシャフトと一体となって回転するフライホイール10に、同フライホイール10の中心軸線CLに対して周方向へ均等に配置された複数の可変マス25と、それら可変マス25の姿勢を変位させながらフライホイール10の外周側へ重心を移動させることが可能となるように各可変マス25をそれぞれ軸支するピン27と、それら可変マス25をフライホイール10の内周側へ付勢するリングバネ26とを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジンのクランクシャフトの端部に固定されることで同クランクシャフトと一体となって回転するフライホイール10に、同フライホイール10の中心軸線CLに対して周方向へ均等に配置された複数の可変マス25と、それら可変マス25の姿勢を変位させながらフライホイール10の外周側へ重心を移動させることが可能となるように各可変マス25をそれぞれ軸支するピン27と、それら可変マス25をフライホイール10の内周側へ付勢するリングバネ26とを設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フライホイールに関する。
内燃機関等の回転駆動源を安定して回転させるために、フライホイールが用いられている。フライホイールは、比較的大きな慣性モーメントを有する。そして、フライホイールが回転駆動源の出力軸に連結されることにより、出力軸の回転動作に伴う回転エネルギを保存する。
ここで、回転の安定性を高めるためには、フライホイールによる回転エネルギの保存量を増加させればよい。そして、回転エネルギの保存量を増加させるには、フライホイールの質量を大きくすればよい。ところが、フライホイールの質量を大きくすると、回転駆動源の始動時におけるフライホイールを回転させるために必要なエネルギまでもが大きくなるという問題が生じる。
上記問題を解消しようとするものとして、慣性モーメントを可変とするフライホイールが提案されている。このようなフライホイールとしては、例えば、径方向に移動可能な複数の重錘を設けるとともに、各重錘を回転軸線側に付勢する弾性部材を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
これにより、始動時には各重錘が弾性部材の付勢力により回転軸線側に寄せられているため、フライホイールの慣性モーメントは比較的小さくなっており、始動時の負荷が小さくなって円滑な始動を行うことができる。一方、高速回転時には重錘に作用する遠心力により各重錘が弾性部材の付勢力に抗して外周側へ移動するため、フライホイールの慣性モーメントは比較的大きくなって、安定した回転が得られる。
しかしながら、上記従来のフライホイールでは、重錘が径方向へ直線移動するものであるため、重錘の可動範囲が限られている。しかも、その径方向の外周側に弾性部材が配置されているため、重錘の可動範囲は更に限られている。その結果、慣性モーメントをあまり大きく変化させることができない。別の見方をすれば、慣性モーメントを大きく変化させるためには、フライホイール自体を大型化(大径化)することになるため、小型化の要求を満たすことができないという問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型であっても始動時と高速回転時とで慣性モーメントを大きく変化させることができるフライホイールを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、回転機のシャフトに連結されるフライホイールであって、フライホイールの回転中心に対して周方向へ均等に配置された複数の重錘と、前記重錘の姿勢を変位させながら外周側へ重心を移動させることが可能なガイド部と、前記重錘を内周側へ付勢する付勢部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、各重錘が単に移動するのではなく姿勢を変位させながら外周側へ重心を移動することになるため、限られた移動範囲内であっても慣性モーメントを最小時と最大時とで十分に大きな差をつけることができる。したがって、フライホイールが小型であっても始動時と高速回転時とで慣性モーメントを大きく変化させることができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記ガイド部が、前記重錘を当該重錘の重心から離れた位置において回動可能に支持するピンであることを特徴とする。
この構成によれば、簡易なガイド構成によって請求項1が奏する効果を享受することが可能となる。しかも、重錘を回動式とすることにより、同じ区間を直線的に変位する場合と比較して、重錘のストロークを稼ぐことができ、請求項1が奏する効果を一層高めることができる。
請求項3の発明は、請求項2において、前記ピンが、前記重錘が内周側に配置されている状態で、フライホイールの回転中心に対して周方向の一端となる側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、始動時には重錘全体を内周側に配置しておくことができるので、慣性モーメントを十分に小さくすることができる。一方、高速回転時には重錘のピン側の部分が内周側に残された状態で重錘が回動することになるため、重錘の移動量に対する慣性モーメントの変化率が過度に大きくなることを抑制することができる。
請求項4の発明は、請求項3において、前記重錘が、前記ピン側から周方向の他端へ離れた側に重心が設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、重錘の姿勢が変化して重錘の重心が外周側へ移った際に、重錘の重さを慣性モーメントの増大に効率よく利用することができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つにおいて、前記各重錘は、内周側の第1周壁部に当接した位置から外周側の第2周壁部に当接した位置までの範囲で変位可能であり、前記各重錘が内周側にある場合に前記第1周壁部に面接触する形状、かつ、前記各重錘が外周側に変位した場合に前記第2周壁部に面接触する形状をなすことを特徴とする。
この構成によれば、第1周壁部及び第2周壁部によって挟まれた範囲内で重錘が変位可能な制約がある状況下において、回動式の重錘の変位量を最大限に稼ぐことができるばかりか、慣性モーメントの最小時と最大時との幅を大きくすることができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つにおいて、前記付勢部は、環状に形成されかつ内周側へ向けて付勢力を発生させるコイルバネであり、前記コイルバネは、前記各重錘が内周側に配置されるように前記各重錘を包囲しており、前記各重錘の外周側には前記コイルバネの一部が入り込む溝が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、コイルバネを環状に形成して各重錘を包囲する構成とすることにより、コイルバネの巻数を増やして付勢力を高めることができる。しかも、フライホイールの回転速度が上がって重錘が外周側へ変位したとしても、重錘を包囲しているコイルバネは各重錘に形成された溝内に収容されることとなり、コイルバネによって重錘の変位範囲が制限されることを抑制することができる。これにより、慣性モーメントの変化の幅がコイルバネの存在によって制限されることを抑えることができる。
請求項7の発明においては、請求項1乃至請求項5のいずれか1つにおいて、前記付勢部は、引きバネであり、前記引きバネは、前記重錘の変位領域から周方向へ外れた箇所に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、引きバネは、重錘の変位領域から周方向へ外れた箇所に配置されているため、引きバネの存在が重錘の変位範囲を制限することがない。これにより、慣性モーメントの変化の幅がバネの存在によって制限されることを抑えることができる。
本発明によれば、小型であっても始動時と高速回転時とで慣性モーメントを大きく変化させることができる。
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態を図1及び図2に基づき説明する。
以下、第1の実施の形態を図1及び図2に基づき説明する。
本実施の形態に示すフライホイール10は、自動車のエンジン(回転駆動装置)から延びる出力軸(クランクシャフト)の一端部に取り付けられることにより、エンジン等の回転を安定化させることを目的として設けられるものであり、エンジン本体とクラッチとの間に介在するようにして配置されている。エンジン(クランクシャフト)やクラッチの構造については公知の構造であるため説明を省略する。
なお、本実施の形態に示すフライホイール10は、自動車のエンジンへの適用に限定されるものではなく、慣性モーメントを利用した回転の安定化や回転エネルギの保存等を図る目的で用いられるのであれば、その適用対象(例えばレコーダ、玩具、プレス機)は任意である。
フライホイール10はエンジンの出力軸(クランクシャフト)側に位置するフライホイール本体20を備えている。フライホイール本体20はクランクシャフトの中心軸線CLを中心とする円板部21を有しており、円板部21の中央には、エンジンとは反対側に突出するとともにクランクシャフトが挿通される軸受け用のボス部22が形成されている。ボス部22は、クランクシャフトの接続部としての機能が付与されている。具体的には、ボス部22は円板部21の中心軸線CLを中心とする円筒状をなしており、その内径寸法がクランクシャフトの外径寸法と一致するように構成されている。このボス部22に挿通されたクランクシャフトがフライホイール本体20に固定されることで、クランクシャフトとフライホイール10とが一体化される。
円板部21の外周縁には、ボス部22と同じ側(クラッチ側)に突出するようにして環状凸部23が形成されている。環状凸部23は上記中心軸線CLを中心とする円筒状をなしており、ボス部22の外壁面22aと環状凸部23の内壁面23aとは一定の隙間を隔てて対向している。つまり、これら外壁面22aと内壁面23aとによって挟まれた領域は、フライホイール10を可変式とするための各種構成を収容する収容領域AEとなっている。
収容領域AEには、フライホイール10の中心軸線CLに対して周方向へ均等(等間隔)となるように配置された複数(詳しくは4つ)の可変マス25と、それら可変マス25よりも内壁面23a側に位置し、環状に形成され各可変マス25を包囲するように配置されたリングバネ26とが配設されている。リングバネ26はコイルバネを全体として円環状となるように形成して構成されている。フライホイール本体20の収容領域AEはエンジンとは反対側(クラッチ側)に開放されており、この開放された部分がフライホイール本体20に固定されたカバー24によって覆われることにより、同収容領域AEからの可変マス25及びリングバネ26の脱落が回避されている。
可変マス25及びリングバネ26の構成について詳細に説明する。
可変マス25は、ボス部22の外壁面22aに沿って周方向に延びており、その周方向の一端部(偏心位置)において中心軸線CLと同一方向に延びるピン27によって軸支されている。可変マス25はピン27を中心として収容領域AE内にて回動可能となっているが、上記リングバネ26には、これら可変マス25を内側(外壁面22a側)へ付勢する機能が付与されており、フライホイール10が回転を停止している場合には、それら可変マス25がリングバネ26の付勢力によってボス部22の外壁面22aに押し付けられた状態となっている。以下、このように可変マス25が外壁面22aに押し付けられた状態を「初期状態」と称する。
各可変マス25の形状は同一となっており、各配置及びピン27による軸支箇所については中心軸線CLを基準として対称となるように設定されている。これにより、上記初期状態においては、フライホイール10の重量バランスに偏りが生じることはない。
可変マス25においてボス部22の外壁面22aと対峙している部分(以下、内面25aという)は、初期状態にてそのほぼ全体が同外壁面22aに面接触するようにして形成されている。これにより、初期状態における可変マス25の位置をできる限りボス部22に近づけることができ、フライホイール10が回転を開始した際の慣性モーメントを小さくすることが可能となっている。また、限られた範囲内(収容領域AE内)にて可変マス25の変位量(回転量)をできるだけ大きくすることが可能となっている。
可変マス25は、周方向においてピン27にて軸支されている側とは反対側となる他端部に向けて、その幅寸法、すなわち中心軸線CLと直交する方向での長さ寸法が徐々に大きくなるように形成されており、その重心位置が他端部側に偏倚している(偏心している)。このため、可変マス25は、ピン27を中心として回動することにより、その姿勢を変位させながら外周側(内壁面23a側)へと重心を大きく移動させることが可能となっている。
可変マス25においてボス部22の外壁面22aとは反対側となる部分(以下、外面25bという)は、可変マス25がピン27を中心として回動した場合に、環状凸部23の内壁面23aに面接触可能な形状となるように形成されている。これにより、初期状態から可変マス25が回動した場合における可変マス25の位置をできる限り環状凸部23に近づけることができ、フライホイール10が高速回転している際の慣性モーメントを大きくすることが可能となっている。但し、本実施の形態では、リングバネ26が可変マス25の外面25bと環状凸部23の内壁面23aとの間に介在されていることから、可変マス25と環状凸部23とが当接することはない。
ここで、図2に基づいて、フライホイール10の動作に伴う可変マス25の位置の変化とフライホイール10の慣性モーメントの変化とについて説明する。図2(a)はフライホイール10の回転が停止している状態を示し、図2(b)はフライホイール10の回転速度が所定速度以上となった高速回転状態を示している。
エンジンが停止してクランクシャフトの回転が止まっており、図2(a)に示すようにフライホイール10についても回転が停止している状態では、全ての可変マス25がリングバネ26の付勢力によってボス部22の外壁面22aに押し付けられている(初期状態となっている)。
この初期状態からエンジンを始動させると、フライホイール10が回転を開始する。この場合、各可変マス25がボス部22に沿うようにして待機しているため始動時の慣性モーメントが小さくなっており、エンジン始動時にフライホイール10を回転させるためのエネルギが無駄に大きくなることが回避される。
その後、エンジンの回転数が上がってフライホイール10の回転速度が上昇すると、遠心力の作用により可変マス25がリングバネ26の付勢力に抗してその姿勢を変位させながら外周側へ重心を移動させることとなる。これにより慣性モーメントは、始動時と比べて徐々に大きくなる。
フライホイール10の回転速度が所定速度に達して高速回転状態になると、図2(b)に示すように、可変マス25の外面25bに押されたリングバネ26が環状凸部23の内壁面23aに押し付けられ、それ以上の可変マス25の変位が制限されることとなる。この状態では、フライホイール10の慣性モーメントが最大となり、回転の安定性が増すこととなる。
エンジンの出力が低下して、フライホイール10の回転速度が低下すると、可変マス25に作用する遠心力が徐々に小さくなる。そして、この力がリングバネ26の付勢力よりも下回ることにより、可変マス25は変位前の位置へと押し戻されることとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
可変マス25の姿勢を変位させながら外周側へ重心を移動させることが可能となっているため、姿勢を変える際に可変マス25自体に内周寄りとなる部分を残しつつ徐々に外周側へその重心を移動させることができる。このような姿勢の変化を伴う重心移動を行うことにより、単に可変マス25全体が外周側へ移動する場合と比較して、可変マス25の径方向への移動量に対する慣性モーメントの変化率が過度に大きくなることを抑制することができる。
特に本実施の形態では、可変マス25がピン27を用いた回動式とされていることにより、同じ区間を直線的に変位する場合と比較して、簡単な構成によって可変マス25のストロークを稼ぐことができる。しかも、可変マス25の回動中心部をフライホイール10の内周寄り(ボス部22寄り)に配置しており、可変マス25が回動した際にも、可変マス25の一部がボス部22寄りとなる位置に残ることとなる。これにより、上記変化率の過度の変化を好適に抑えることが可能となっている。
可変マス25の回動中心部が、初期状態にてフライホイール10の回転中心に対して周方向の一端となる側に配置されている。かかる構成によれば、可変マス25の姿勢の変化を大きくすることができ、慣性モーメントの変化量の増大に貢献することができる。
可変マス25の重心位置については、自身の回動中心部から周方向の他端へ離れた側、すなわち回動先端部寄りとなる位置に設定されている。これにより、可変マス25の姿勢が変化して可変マス25の重心が外周側へ移った際に、可変マス25の自重を慣性モーメントの増大に効率よく利用することができる。
また、本フライホイール10によれば、外周側への移動時に可変マス25の姿勢変化によってリングバネ26が膨張することとなり、径方向に伸縮するコイルバネを採用して付勢力を発揮させる場合と比較して、バネの巻数を稼ぎつつ可変マス25の変位量を大きくすることができる。このように、限られた範囲内での可変マス25の変位量を大きくすることができることにより、フライホイール10の大型化(大径化)を抑えつつ慣性モーメントの変化量を大きくすることが可能となる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、リングバネ26が実質上のストッパとして機能することで、可変マス25の外周側への変位が阻止される構成としたが、本実施の形態においては、このストッパ機能を変更することにより、慣性モーメントの最大値を増大させる工夫が施されている。
上記第1の実施の形態においては、リングバネ26が実質上のストッパとして機能することで、可変マス25の外周側への変位が阻止される構成としたが、本実施の形態においては、このストッパ機能を変更することにより、慣性モーメントの最大値を増大させる工夫が施されている。
以下、図3に基づいて、第2の実施の形態におけるフライホイール10Aの構成について説明する。なお、フライホイール10Aについては、上記工夫にかかる構成以外は第1の実施の形態と共通であるため、これら共通する構成についての説明を省略し、相違点にかかる構成についてのみ説明を行う。図3(a)はフライホイール10Aの回転が停止している状態を示し、図3(b)はフライホイール10Aの回転速度が所定速度以上の高速回転状態を示している。
図3(a)に示すように、可変マス25Aにおいてボス部22の外壁面22aとは反対となる部分(以下、外面25bAという)には、リングバネ26を収容する収容溝28Aが形成されている。なお、外面25bAの形状は、収容溝28Aを有すること以外は、第1の実施の形態における外面25bの形状と同一である。収容溝28Aは、可変マス25Aの外面全域に形成されているのではなく、その範囲を環状凸部23の内壁面23aと面接触が生じる外面25bAのみに形成されているため、可変マス25Aの重量が過度に小さくなることはない。
収容溝28Aの深さ寸法はリングバネ26において当該収容溝28Aに収容されている部分が同収容溝28Aから径方向外側へ突出しない程度に設定されている。そのため、図3(b)に示すように、フライホイール10Aの回転速度が所定速度に達して高速回転状態になった場合、可変マス25Aの外面25bAが環状凸部23の内壁面23aに面接触する。これにより、それ以上の可変マス25Aの変位が制限されることとなる。
このように、リングバネ26を収容する収容溝28Aを設けることにより、第1の実施の形態と比較して、リングバネ26の厚さ分だけ可変マス25Aの可動範囲を拡張することができる。これにより、高速回転時の回転モーメントを更に増大させることが可能となっている。つまり、慣性モーメントの変化量がリングバネ26の存在によって制限されることを抑えることができる。
また、可変マス25Aの外面25bAが環状凸部23の内壁面23aに面接触する構成とすることにより、限られた範囲内にて可変マス25A(詳しくは重心位置)をできるだけ外周側へと変位させることが可能となっている。このようにして、可変マス25Aの可動範囲を拡げることにより、慣性モーメントの変位量を好適に拡大することができる。
なお、本実施の形態においては、可変マス25Aにリングバネ26用の収容溝28Aを形成したが、これを省略し、フライホイール本体20側(詳しくは環状凸部23)にも収容溝28Aに相当する構成を設けてもよい。
また、これら可変マス25A及び環状凸部23の両者に上記収容溝28Aよりも深さの浅い収容溝をそれぞれ形成し、それら両収容溝が一体となってリングバネ26を収容することも可能である。フライホイール本体20の肉厚(剛性)確保及び可変マス25Aの重量の低減を抑えて慣性モーメントを効率的に増大させる上では、フライホイール本体20及び可変マス25Aの両者にそれぞれ収容溝を形成することが実用上好ましい。
<第3の実施の形態>
上記各実施の形態においては、1のリングバネ26によって全ての可変マス25,25Aを内周側へと付勢する構成としたが、本実施の形態においては、付勢力を付与するための構成が上記各実施の形態と相違している。そこで以下、図4及び図5に基づいて、第3の実施の形態を説明する。なお、付勢力を付与するための構成以外については、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
上記各実施の形態においては、1のリングバネ26によって全ての可変マス25,25Aを内周側へと付勢する構成としたが、本実施の形態においては、付勢力を付与するための構成が上記各実施の形態と相違している。そこで以下、図4及び図5に基づいて、第3の実施の形態を説明する。なお、付勢力を付与するための構成以外については、上記第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
図4に示すように、フライホイール10Bの収容領域AEには、上記リングバネ26に代えて、各可変マス25Bに1対1で対応させて圧縮コイルバネ40Bが設けられている。圧縮コイルバネ40Bは、その一端部が可変マス25Bの回動先端部に軸ピン41Bを介して取り付けられており、その他端部が固定ピン42Bによってフライホイール10Bに固定されている。
既に説明したように可変マス25Bはピン27によって回動可能に軸支されており、可変マス25Bの内面25aBがボス部22の外壁面22aに面接触する位置から同可変マス25Bの外面25bBが環状凸部23の内壁面23aに面接触する位置まで変位可能となっている。このような回動範囲(動作範囲ME:図5におけるドットハッチング部参照)から周方向へ外れた箇所に上記圧縮コイルバネ40Bが配置されていることにより、可変マス25Bの変位量が圧縮コイルバネ40Bの存在によって規制されることがない。
そして、フライホイール10Bが回転を開始すると、遠心力により可変マス25Bが圧縮コイルバネ40Bの付勢力(引っ張り力)に抗して外周側に移動する。そして、フライホイール10Bの回転速度が低下することで、遠心力よりも圧縮コイルバネ40Bの付勢力が勝り、可変マス25Bが元の位置へと復帰することとなる。
本実施の形態においては、圧縮コイルバネ40Bを可変マス25Bの動作範囲MEから周方向へ外れた箇所に配置したことから、圧縮コイルバネ40Bの存在が可変マス25Bの変位範囲を制限することがない。その結果、慣性モーメントの変化量を最大限確保することができる。
なお、上記各実施の形態によれば、「ガイド部」としてのピン27による取付位置を環状凸部23及びボス部22のうち後者寄りとしたが、これを変更し前者寄りとすることも可能である。また、「ガイド部」としては、ピン27による回動方式以外にも、例えばガイド溝及びガイドピンを円板部21及び可変マス25,25A,25Bに設けて、ガイド溝に沿ってガイドピンが案内されることで、可変マス25,25A,25Bの姿勢を変位させながら重心を移動させることができる。
10…フライホイール、20…フライホイール本体、22…ボス部、22a…第1周壁部としての外壁面、23…環状凸部、23a…第2周壁部としての内壁面、25…重錘としての可変マス、25A…重錘としての可変マス、25B…重錘としての可変マス、26…付勢部(コイルバネ)としてのリングバネ、27…ガイド部としてのピン、28A…収容溝、40B…付勢部(引きバネ)としての圧縮コイルバネ、ME…変位領域としての動作範囲。
Claims (7)
- 回転機のシャフトに連結されるフライホイールであって、
フライホイールの回転中心に対して周方向へ均等に配置された複数の重錘と、
前記重錘の姿勢を変位させながら外周側へ重心を移動させることが可能なガイド部と、
前記重錘を内周側へ付勢する付勢部と、
を備えたことを特徴とするフライホイール。 - 前記ガイド部は、前記重錘を当該重錘の重心から離れた位置において回動可能に支持するピンであることを特徴とする請求項1に記載のフライホイール。
- 前記ピンは、前記重錘が内周側に配置されている状態で、フライホイールの回転中心に対して周方向の一端となる側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のフライホイール。
- 前記重錘は、前記ピン側から周方向の他端へ離れた側に重心が設定されていることを特徴とする請求項3に記載のフライホイール。
- 前記各重錘は、内周側の第1周壁部に当接した位置から外周側の第2周壁部に当接した位置までの範囲で変位可能であり、
前記各重錘が内周側にある場合に前記第1周壁部に面接触する形状、かつ、前記各重錘が外周側に変位した場合に前記第2周壁部に面接触する形状をなすことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のフライホイール。 - 前記付勢部は、環状に形成されかつ内周側へ向けて付勢力を発生させるコイルバネであり、
前記コイルバネは、前記各重錘が内周側に配置されるように前記各重錘を包囲しており、
前記各重錘の外周側には前記コイルバネの一部が入り込む溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のフライホイール。 - 前記付勢部は、引きバネであり、
前記引きバネは、前記重錘の変位領域から周方向へ外れた箇所に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のフライホイール。
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