JP2013204381A - 太陽電池付き防水シートの施工方法、太陽電池付き防水シートの交換方法および防水構造体 - Google Patents

太陽電池付き防水シートの施工方法、太陽電池付き防水シートの交換方法および防水構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】交換すべき太陽電池付き防水シートのみを容易に取り外し、交換することができる太陽電池付き防水シートの施工方法、太陽電池付き防水シートの交換方法および防水構造体を提供すること。
【解決手段】防水構造体は、建造物の躯体10上に設けられた太陽電池付き防水シート140を備えている。また、防水構造体は、固定具151、152を有し、躯体10に下地層を固定する固定手段と、固定具151、152上およびその周辺の前記下地層上に、固定具151、152を覆うように敷設され、固定具151、152に固着された防水層130とを備え、平面視で、固定具151、152と太陽電池付き防水シート140とが重ならないように、下地層上および固定具151、152の周辺の防水層130上に、太陽電池付き防水シート140が敷設され、防水層130に太陽電池付き防水シート140が固着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池付き防水シートの施工方法、太陽電池付き防水シートの交換方法および防水構造体に関するものである。
屋根面に防水シート一体型の屋根防水構造体(防水構造体)が敷設されて構成されたものとして、屋根躯体上に断熱材が敷設され、その断熱材上に太陽電池付き防水シート(太陽電池一体型防水シート)が設置されたものが知られている(特許文献1)。
しかしながら、このような従来の屋根防水構造体では、太陽電池付き防水シートは、屋根防水構造体として一体化されて設置されているので、太陽電池付き防水シートのみの交換や取り外しは、困難であった。
特開2007−67131号公報
本発明の目的は、交換すべき太陽電池付き防水シートのみを容易に取り外し、交換することができる太陽電池付き防水シートの施工方法、太陽電池付き防水シートの交換方法および防水構造体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(16)の本発明により達成される。
(1) 防水シートと、フィルム状の太陽電池セルとを有する太陽電池付き防水シートを建造物の躯体上に設ける太陽電池付き防水シートの施工方法であって、
前記躯体上に敷設された少なくとも1層で構成されている断熱性および絶縁性を有する下地層上に配置される固定具を有する固定手段により、前記躯体に前記下地層を固定し、
前記固定具上および該固定具の周辺の前記下地層上に、前記固定具を覆うように防水層を敷設し、前記固定具に前記防水層を固着し、
平面視で、前記固定具と前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記固定具の周辺の前記防水層上に、前記太陽電池付き防水シートを敷設し、前記防水層に前記太陽電池付き防水シートを固着する太陽電池付き防水シートの施工方法。
(2) 前記固定手段は、形状の異なる2種の前記固定具を有する上記(1)に記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
(3) 前記太陽電池付き防水シートは、帯状なし、
複数の前記太陽電池付き防水シートを間を隔てて並設する上記(1)または(2)に記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
(4) 複数の前記固定具を、前記敷設される各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に設ける上記(3)に記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
(5) 前記固定手段は、前記固定具に係合する係合部を有し、前記下地層を貫通して前記躯体に前記下地層を固定する棒状部材を備える上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
(6) 建造物の躯体上に設けられ、防水シートと、フィルム状の太陽電池セルとを有する太陽電池付き防水シートを交換する方法であって、
前記躯体上に敷設された少なくとも1層で構成されている断熱性および絶縁性を有する下地層上に配置される固定具を有する固定手段により、前記躯体に前記下地層が固定され、
前記固定具上および該固定具の周辺の前記下地層上に、前記固定具を覆うように防水層が敷設され、前記固定具に前記防水層が固着され、
平面視で、前記固定具と前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記固定具の周辺の前記防水層上に、前記太陽電池付き防水シートが敷設され、前記防水層に前記太陽電池付き防水シートが固着されており、
複数の前記太陽電池付き防水シートのうちの一部を交換する際、前記固定具上の前記防水層が交換すべき前記太陽電池付き防水シートに付かないように、前記固定具の周辺の前記防水層を切断し、前記交換すべき太陽電池付き防水シートを取り外し、
前記切断された防水層上および該切断された防水層の周辺の前記下地層上に、新たな防水層を敷設し、
平面視で、前記固定具と新たな前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記新たな防水層上に、前記新たな太陽電池付き防水シートを敷設し、前記新たな防水層に前記新たな太陽電池付き防水シートを固着する太陽電池付き防水シートの交換方法。
(7) 前記太陽電池付き防水シートは、切断しない上記(6)に記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
(8) 前記固定手段は、形状の異なる2種の前記固定具を有する上記(6)または(7)に記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
(9) 前記固定具は、長手形状をなし、
前記固定具が複数の前記太陽電池付き防水シートに跨るように設けられている上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
(10) 複数の前記固定具が、前記敷設される各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に設けられている上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
(11) 前記固定手段は、前記固定具に係合する係合部を有し、前記下地層を貫通して前記躯体に前記下地層を固定する棒状部材を備える上記(6)ないし(10)のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
(12) 建造物の躯体上に設けられ、防水シートと、フィルム状の太陽電池セルとを有する太陽電池付き防水シートを備える防水構造体であって、
前記躯体上に敷設された少なくとも1層で構成されている断熱性および絶縁性を有する下地層上に配置される固定具を有し、前記躯体に前記下地層を固定する固定手段と、
前記固定具上および該固定具の周辺の前記下地層上に、前記固定具を覆うように敷設され、前記固定具に固着された防水層とを備え、
平面視で、前記固定具と前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記固定具の周辺の前記防水層上に、前記太陽電池付き防水シートが敷設され、前記防水層に前記太陽電池付き防水シートが固着されている防水構造体。
(13) 前記固定手段は、形状の異なる2種の前記固定具を有する上記(12)に記載の防水構造体。
(14) 前記太陽電池付き防水シートは、帯状なし、
複数の前記太陽電池付き防水シートが間を隔てて並設されている上記(12)または(14)に記載の防水構造体。
(15) 前記防水層が、前記各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に位置するように、帯状に敷設されている上記(14)に記載の防水構造体。
(16) 前記固定手段は、前記固定具に係合する係合部を有し、前記下地層を貫通して前記躯体に前記下地層を固定する棒状部材を備える上記(12)ないし(15)のいずれかに記載の防水構造体。
本発明の太陽電池付き防水シートの施工方法では、前記固定具は、長手形状をなし、
前記固定具を複数の前記太陽電池付き防水シートに跨るように設けることが好ましい。
本発明の太陽電池付き防水シートの施工方法では、前記防水層を、前記敷設される各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に位置するように、帯状に敷設することが好ましい。
本発明の太陽電池付き防水シートの交換方法では、前記新たな防水層を敷設する際、前記切断、除去された防水層の部分を覆うように前記新たな防水層を敷設することが好ましい。
本発明の太陽電池付き防水シートの交換方法では、前記太陽電池付き防水シートは、帯状なし、
複数の前記太陽電池付き防水シートが間を隔てて並設されていることが好ましい。
本発明の太陽電池付き防水シートの交換方法では、前記防水層が、前記敷設される各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に位置するように、帯状に敷設されていることが好ましい。
本発明の防水構造体では、前記固定具は、長手形状をなし、
前記固定具が複数の前記太陽電池付き防水シートに跨るように設けられていることが好ましい。
本発明の防水構造体では、複数の前記固定具が、前記各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、平面視において、太陽電池付き防水シートと固定具とが重なっていないので、太陽電池付き防水シートの交換作業において、交換すべき太陽電池付き防水シートを取り外す際、固定具を取り外すことなく、その太陽電池付き防水シートを取り外すことができる。これにより、他の太陽電池付き防水シートを取り外すことなく、交換すべき太陽電池付き防水シートのみを取り外すことができ、交換作業を容易かつ迅速に行うことができる。
本発明の防水構造体の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す防水構造体の平面図である。 図1中のA−A線での断面図である。 図1中のB−B線での断面図である。 図1に示す防水構造体の太陽電池付き防水シートを示す断面図である。 図1に示す防水構造体における太陽電池付き防水シートの交換方法を説明するための断面図である。 図1に示す防水構造体における太陽電池付き防水シートの交換方法を説明するための断面図である。
以下、本発明の太陽電池付き防水シートの施工方法、太陽電池付き防水シートの交換方法および防水構造体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の防水構造体の実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す防水構造体の平面図、図3は、図1中のA−A線での断面図、図4は、図1中のB−B線での断面図、図5は、図1に示す防水構造体の太陽電池層を示す断面図、図6および図7は、図1に示す防水構造体における太陽電池付き防水シートの交換方法を説明するための断面図である。
なお、以下では、図1〜図4、図6、図7中に矢印で「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」の方向を示し、また、図5中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図4では、アルミニウムテープ113の図示が省略されている。
各図に示す屋根防水構造体(防水構造体)1は、屋根や屋上などの躯体10の上面に敷設される(設けられる)。この屋根防水構造体1は、躯体10の上面に所定の間隙111を介して敷設される複数の断熱材(断熱層)110と、各断熱材110の上面に敷設される不燃性繊維を含有する複数の不燃絶縁層(絶縁層)120と、各不燃絶縁層120の上面に敷設される複数の防水層130と、各不燃絶縁層120および各防水層130の上面に敷設され、複数の電子部品セルである太陽電池セル141が内蔵されている複数の電子部品層である複数の太陽電池付き防水シート140とを有している。また、太陽電池付き防水シート140の各太陽電池セル141は、断熱材110と断熱材110との間隙111において配線される。また、断熱材110と不燃絶縁層120とにより、断熱性および絶縁性を有する下地層が構成される。なお、以下では、複数設けられた部材(層)については、代表してその1つを説明する。
躯体10の形態としては、特に限定されず、例えば、表面が前後方向で凹凸の金属屋根である下地デッキプレート、フラットデッキプレート、瓦棒、RC(reinforced concrete)、ALC(autoclaved light weight concrete)などが挙げられる。
各断熱材110は、前後方向に細長く上下方向に扁平で左右方向に一定幅の平板状の部材であり、各断熱材110が左右方向に所定の間隙111を介して躯体10の上面に敷設されている。その断熱材110表面には、本実施形態では、図示しない表面材が貼着されている。この表面材としては、例えば、アルミニウム箔、紙、ポリエチレン系樹脂フィルム、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムなどが挙げられる。また、間隙111の内面には、本実施形態では、金属層としてアルミニウムテープ112が被覆されている。
断熱材110の厚さは、特に限定されず、例えば、20〜100mmとされる。また、断熱材110の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォームなど、合成樹脂の発泡成形体などが挙げられる。
なお、断熱材110の上面には目地テープ114が貼着されている。目地テープ114は、飛び火による延焼を抑制する観点から不燃性のアルミニウムを基材としたアルミニウムテープであるのが好ましい。また、断熱材110の下層には要所に図示しない補助鋼板が配置されており、これが図示しないビスで躯体10に固定されている。
各不燃絶縁層120と各防水層130と各太陽電池付き防水シート140とは、各々がシート状をなしており、断熱材110の上面に順番に敷設されている。
図1、図3および図4に示すように、各不燃絶縁層120は、各断熱材110の上面に敷設されている。この場合、不燃絶縁層120は、その平面視での形状が断熱材110と同一であり、すなわち、前後方向に細長い矩形状をなしており、断熱材110の間隙111の上面開口には配置されていない。なお、各断熱材110の間隙111の上面開口は、金属層であるアルミニウムテープ113で封止されている。
不燃絶縁層120は、本実施形態では、不燃性繊維を含有する樹脂シートからなり、不燃性繊維がシート状の不織布として形成されている。より具体的には、不燃絶縁層120は、不燃性繊維の不織布を芯材として、その両面または片面に樹脂シートを貼り合わせた構成となっている。なお、不燃性繊維は、不織布に限らず、織布でもよいことは、言うまでもない。
この不燃絶縁層120の不燃性繊維としては、特に限定されないが、ガラス繊維が好ましい。また、樹脂シートは、としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂などが挙げられる。また、ガラス繊維(不燃性繊維)の含有量は、特に限定されないが、例えば、質量70g/m以上が樹脂シートに含有されていることが好ましい。
ガラス繊維が樹脂シートに質量70g/m以上含有されていることにより、飛び火による火種を、不燃絶縁層120で効果的に阻止し、屋根面への燃え抜けを防止することができる。
なお、不燃性繊維としては、施工性、経済性等を考慮すれば、ガラス繊維が好ましいが、ガラス繊維には限定されず、この他、例えば、金属繊維、セラミック繊維なども用いることができる。
また、樹脂シートの構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられるが、これらのうちでは、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンを用いることにより、太陽電池付き防水シート140の例えば軟質PVC(ポリ塩化ビニル)製の後述する防水シート147と接した際に、防水シート147に含有される可塑剤の移行を確実に防止することができる。また、施工時の強度を維持する面からも好ましい。
また、不燃絶縁層120では、不燃性繊維と樹脂シートとの接着性を向上させるために、不燃性繊維と樹脂シートとの層間には、接着層として、LDPE(低密度ポリエチレン)で構成された樹脂層を介在させることが好ましい。
また、上記の樹脂シートは、断熱性を考慮して、ポリエチレン製の不織布とすることもできる。ポリエチレン製の不織布を用いることにより、縦横方向の伸びが抑えられ、不燃性繊維の伸びや破損を防ぐこともできる。なお、ポリエチレン製の不織布は、延伸してテープ状に成形したポリエチレンフィルムを2軸(縦横)または3軸(縦・両斜め)の格子状に配置して、その交点を接着したシートを芯材として、両面にポリエチレンフィルムをラミネートして得ることができる。
また、不燃絶縁層120のその他の形態としては、不燃性繊維を短繊維(チョップドストランド)として、それを樹脂に含有させ、押出成形やカレンダー成形によりシート状に成形加工した樹脂シートが挙げられる。この場合、繊維の直径は、特に限定されないが、6〜24μmであることが好ましい。
図3および図4に示すように、各不燃絶縁層120は、固定具151と、固定具151と形状の異なる固定具152とが不燃絶縁層120を押さえ止める態様で、頭部(係合部)1501を有する複数のビス(棒状部材)150によって複数の固定具151、152を躯体10に固定することで、その躯体10に固定されている。すなわち、不燃絶縁層120は、全面ではなく、その一部において、固定具151、152およびビス150により、躯体10に固定されている。
なお、ビス150は、不燃絶縁層120を貫通して躯体10に挿入され、その頭部1501が固定具151、152に係合することで躯体10に不燃絶縁層120を固定する。また、固定具151、152とビス150とにより、固定手段が構成される。
ここで、図1および図2に示すように、本実施形態では、固定具151として、例えば、円盤状の固定具である円盤固定金具等を用いる。そして、複数の固定具151は、各太陽電池付き防水シート140の隣り合う2つの太陽電池付き防水シート140の間隙に設けられている。
また、本実施形態では、固定具152として、長手形状をなし、例えば、長方形の平板状の固定具である平板固定金具等を用いる。そして、固定具152は、複数の太陽電池付き防水シート140に跨るように設けられている。
また、各防水層130は、細長いシート状(帯状)をなしている。すなわち、各防水層130は、各太陽電池付き防水シート140の隣り合う2つの太陽電池付き防水シート140の間に位置するように、帯状に敷設されている。具体的には、防水層130は、例えば、前後方向に細長く、左右方向に複数配列した下層と、左右方向に細長く、前後方向に複数配列した上層とがクロスした2層構造に形成されている。ここで、防水層130の構成材料としては、特に限定されないが、PVC(ポリ塩化ビニル)が好ましい。防水層130をPVCで構成することにより、その自己消火性により、飛び火による延焼を効果的に抑制することができる。
この防水層130は、固定具151、152の上面および固定具151、152の周辺の不燃絶縁層120の上面に敷設されており、固定具151、152に固着されている。すなわち、防水層130は、固定具151、152と、固定具151、152の周辺の不燃絶縁層120とを覆っており、固定具151、152の周辺以外の不燃絶縁層120は、覆っていない。
なお、防水層130の端縁同士は、例えば、溶剤、熱、接着剤等で溶着、融着、または接着されており、防水性が保持されている。
各太陽電池付き防水シート140は、全体として前後方向に細長い長方形のシート状(帯状)をなしており、行列状に配置された前後方向に細長い長方形の複数の太陽電池セル141を有している。この複数の太陽電池セル141の数および配置は、特に限定されないが、例えば、左右方向に2列、前後方向に4列などが挙げられる。
図5に示すように、この太陽電池付き防水シート140は、防水シート147と、積層構造の接着層142と、裏面保護層143と、下面封止材144と、フィルム状の太陽電池セル141と、上面封止材145と、表面保護層146とが、防水層130側からこの順序で積層された積層構造を有している。防水シート147の端縁同士は、例えば、溶剤、熱、接着剤等で溶着、融着、または接着されており、防水性が保持されている。
防水シート147の構成材料としては、特に限定されず、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)などが挙げられる。
また、接着層142の構成材料としては、特に限定されず、例えば、酢酸ビニル系樹脂などが挙げられる。
また、裏面保護層143の構成材料としては、特に限定されず、例えば、フッ素系樹脂などが挙げられる。この裏面保護層143は、フィルム状をなしている。
また、下面封止材144の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどが挙げられる。この下面封止材144は、太陽電池セル141下面を封止するものであり、フィルム状をなしている。
また、太陽電池セル141としては、特に限定されず、例えば、フィルム状のアモルファスシリコン系の太陽電池セルなどが挙げられる。
上面封止材145の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどが挙げられる。この上面封止材145は、太陽電池セル141の上面を封止するものであり、フィルム状をなしている。
また、表面保護層146の構成材料としては、特に限定されず、例えば、フッ素系樹脂などが挙げられる。この表面保護層146は、フィルム状をなしている。
また、太陽電池付き防水シート140の寸法は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるが、上面封止材145の厚さは、0.3mm〜0.55mmであることが好ましく、総厚が0.45mm〜0.95mmであることが好ましく、そして、特に、上面封止材145の厚さが0.3mmで下面封止材144の厚さが0.15mmであることが好ましい。
このような各太陽電池付き防水シート140は、左右方向および前後方向にそれぞれ間を隔て並設されている。そして、太陽電池付き防水シート140は、平面視で、固定具151、152と重ならないように、不燃絶縁層120の上面および固定具151、152の周辺の防水層130の上面に敷設されており、その端部が防水層130に固着されている。この場合、太陽電池付き防水シート140の外周部全体が防水層130に固着されている。太陽電池付き防水シート140の防水層130への固着方法は、特に限定されず、例えば、溶着等が挙げられる。
なお、太陽電池付き防水シート140は、その端部のみが防水層130を介して固定具151、152に固定されているので、全面が固定されている場合に比べて、強風などによる太陽電池付き防水シート140の太陽電池セル141の破損や損傷を防止または抑制することができる。
また、太陽電池付き防水シート140では、太陽電池セル141に電気的に接続されている出力端子ユニット161がその下面に設置されており、この出力端子ユニット161が図示しないコネクタなどを介してケーブル163に電気的に接続されている(配線されている)。このような出力端子ユニット161、コネクタ、ケーブル163などは、断熱材110の間隙111に配置されている。
なお、太陽電池付き防水シート140の形態は、前述したものには限定されない。太陽電池付き防水シート140の別の形態としては、防水シート147と、下面封止材144と、フィルム状の太陽電池セル141と、上面封止材145と、表面保護層146とが、防水層130側からこの順序で積層された積層構造などが挙げられる。この場合、防水シート147および太陽電池セル141としては、前述した太陽電池付き防水シート140と同様であり、下面封止材144および上面封止材145の構成材料としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂などを用いる。また、太陽電池付き防水シート140の寸法は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるが、上面封止材145および下面封止材144の厚さは、それぞれ、0.6mm以下であることが好ましく、0.4mmであることがより好ましい。
上述した本実施形態の屋根防水構造体1では、最上層の太陽電池付き防水シート140の各太陽電池セル141が太陽光を受光して発電する。そして、発電された電力は、各断熱材110の間隙111に挿通されている出力端子ユニット161、コネクタ、ケーブル163などを介して外部に出力される。
ここで、太陽電池付き防水シート140が故障した場合は、その太陽電池付き防水シート140を交換する。この太陽電池付き防水シート140の故障は、例えば、目視で確認することができ、また、定期点検などにおいて、太陽電池付き防水シート140の太陽電池セル141の出力を測定することなどで検出することができる。
なお、太陽電池付き防水シート140全体のうち、故障している太陽電池付き防水シート140のみを交換する。また、防水層130については、防水層130が劣化していない場合や、防水層130の劣化の程度が比較的少ない場合は、交換しなくてよい。以下では、防水層130については、交換しない場合を説明する。
次に、太陽電池付き防水シート140を躯体10上に設ける際の手順(太陽電池付き防水シート140の施工方法)について説明する。
まず、図1〜図4に示すように、躯体10の上面に所定の間隙111を介して複数の断熱材110を敷設し、その内面および間隙111の上面にアルミニウムテープ112、113を貼着する。
次に、不燃性繊維を含有する複数の不燃絶縁層120を複数の断熱材110の上面に敷設する。この不燃絶縁層120は、複数の断熱材110の間隙111の上面には配置されない。
次に、不燃絶縁層120上に複数の固定具151、152を配置し、その固定具151、152を複数のビス150により、躯体10に固定する。これにより、固定具151、152およびビス150により、不燃絶縁層120が躯体10上に固定される。この場合、各固定具151は、各太陽電池付き防水シート140の隣り合う2つの太陽電池付き防水シート140の間に設けられる。また、固定具152は、複数の太陽電池付き防水シート140に跨るように設けられる。
次に、複数の防水層130を、各太陽電池付き防水シート140の隣り合う2つの太陽電池付き防水シート140の間に位置するように、帯状に敷設する。この場合、複数の防水層130を固定具151、152の上面および固定具151、152の周辺の不燃絶縁層120の上面に敷設し、固定具151、152を覆い、防水層130を固定具151、152に固着する。この固着方法は、前述したように、特に限定されず、例えば、溶着等が挙げられる。
次に、複数の太陽電池付き防水シート140を不燃絶縁層120の上面に間を隔て敷設(並設)し、太陽電池付き防水シート140の端部を防水層130に固着する。この固着方法は、前述したように、特に限定されず、例えば、溶着等が挙げられる。
また、この際、太陽電池付き防水シート140の各太陽電池セル141を断熱材110の間隙111において配線する。
なお、各防水シート147、各防水層130については、その端縁同士を、例えば、溶剤、熱、接着剤等で溶着、融着、または接着する。
ここで、平面視において、太陽電池付き防水シート140と固定具151、152とが重ならないようにする。
これにより、後述する太陽電池付き防水シート140の交換において、その太陽電池付き防水シート140を取り外す際、固定具151、152を取り外すことなく、太陽電池付き防水シート140を取り外すことができる。これによって、他の太陽電池付き防水シート140を取り外すことなく、交換すべき太陽電池付き防水シート140のみを取り外すことができ、交換作業を容易かつ迅速に行うことができる。
次に、躯体10上に設けられた太陽電池付き防水シート140を交換する際の手順(太陽電池付き防水シート140の交換方法)について説明する。
まず、複数の太陽電池付き防水シート140のうちの一部の太陽電池付き防水シート140を交換する場合、図6に示すように、交換すべき(取り外すべき)太陽電池付き防水シート140側にその交換すべき太陽電池付き防水シート140を固定している固定具151、152が含まれないように、すなわち、固定具151、152上の防水層130が交換すべき太陽電池付き防水シート140に付かないように、固定具151、152の周辺の防水層130を切断する。そして、交換すべき太陽電池付き防水シート140を取り外す。なお、太陽電池付き防水シート140は、切断しない。
この場合、平面視において、太陽電池付き防水シート140と固定具151、152とが重なっていないので、固定具151、152を取り外すことなく、太陽電池付き防水シート140を取り外すことができる。これによって、他の太陽電池付き防水シート140を取り外すことなく、交換すべき太陽電池付き防水シート140のみを取り外すことができる。
次に、図7に示すように、新たな防水層130aを切断、除去された防水層130の上面および切断された防水層130の周辺の不燃絶縁層120の上面に敷設し、新たな防水層130aを防水層130に固着する。なお、切断、除去された防水層130の部分を覆うように新たな防水層130を敷設する。この固着方法は、特に限定されず、例えば、溶着等が挙げられる。
次に、新たな太陽電池付き防水シート140aを不燃絶縁層120の上面および新たな防水層130aの上面に敷設し、新たな太陽電池付き防水シート140aの端部を新たな防水層130aに固着する。この固着方法は、特に限定されず、例えば、溶着等が挙げられる。ここで、平面視において、新たな太陽電池付き防水シート140と固定具151、152とが重ならないようにする。
なお、新たな太陽電池付き防水シート140aについては、その太陽電池セル141について、例えば、所定のテスターなどを用いて正常であることを確認する。
以上説明したように、本発明によれば、太陽電池付き防水シート140の交換作業において、交換すべき太陽電池付き防水シート140を取り外す際、固定具151、152を取り外すことなく、その太陽電池付き防水シート140を取り外すことができる。これにより、他の太陽電池付き防水シート140を取り外すことなく、交換すべき太陽電池付き防水シート140のみを取り外すことができ、交換作業を容易かつ迅速に行うことができる。
また、新たな防水層130aに新たな太陽電池付き防水シート140aを固着するので、その太陽電池付き防水シート140の交換後においても防水性を確実に維持することができる。
また、太陽電池付き防水シート140は、従来の一般的な太陽電池パネルとは異なり、柔軟なシート状に形成されているため、その施工が容易である。しかも、その下層に位置する防水層130および不燃絶縁層120が柔軟なシート状に形成されているため、さらに施工が容易である。
また、屋根防水構造体1は、専用の2層クロスの防水層130だけでなく、最上層の太陽電池付き防水シート140が防水シート147を有しているので、3重に防水シート(防水層)が形成されることになり、その防水性能が良好である。
以上、本発明の太陽電池付き防水シートの施工方法、太陽電池付き防水シートの交換方法および防水構造体を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
なお、前記実施形態では、下地層は、断熱材110と不燃絶縁層120との2層で構成されているが、本発明では、これに限定されず、下地層は、1層で構成されていてもよく、また、3層以上で構成されていてもよい。
また、本発明では、断熱材110の間隙111の上面開口が不燃絶縁層120で封止されていてもよい。
また、本発明では、断熱材110の間隙111の内部が別体の断熱部材で充填されていてもよい。この断熱部材の構成材料としては、例えば、断熱材110と同様のものを用いることができる。
また、前記実施形態の防水構造体は、屋根や屋上などの躯体の上面に設けられるものであるが、本発明では、これに限定されず、防水構造体は、建造物の躯体上であれば、他の部位に設けられるものでもよい。
また、前記実施形態の太陽電池付き防水シートの施工方法では、太陽電池付き防水シートを屋根や屋上などの躯体の上面に設けているが、本発明では、これに限定されず、太陽電池付き防水シートを、建造物の躯体上であれば、他の部位に設けてもよい。
また、前記実施形態の太陽電池付き防水シートの交換方法では、太陽電池付き防水シートは、屋根や屋上などの躯体の上面に設けられているが、本発明では、これに限定されず、太陽電池付き防水シートは、建造物の躯体上であれば、他の部位に設けられていてもよい。
1 屋根防水構造体
10 躯体
110 断熱材
111 間隙
112 アルミニウムテープ
113 アルミニウムテープ
114 目地テープ
120 不燃絶縁層
130、130a 防水層
140、140a 太陽電池付き防水シート
141 太陽電池セル
142 接着層
143 裏面保護層
144 下面封止材
145 上面封止材
146 表面保護層
147 防水シート
150 ビス
1501 頭部
151、152 固定具
161 出力端子ユニット
163 ケーブル

Claims (16)

  1. 防水シートと、フィルム状の太陽電池セルとを有する太陽電池付き防水シートを建造物の躯体上に設ける太陽電池付き防水シートの施工方法であって、
    前記躯体上に敷設された少なくとも1層で構成されている断熱性および絶縁性を有する下地層上に配置される固定具を有する固定手段により、前記躯体に前記下地層を固定し、
    前記固定具上および該固定具の周辺の前記下地層上に、前記固定具を覆うように防水層を敷設し、前記固定具に前記防水層を固着し、
    平面視で、前記固定具と前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記固定具の周辺の前記防水層上に、前記太陽電池付き防水シートを敷設し、前記防水層に前記太陽電池付き防水シートを固着する太陽電池付き防水シートの施工方法。
  2. 前記固定手段は、形状の異なる2種の前記固定具を有する請求項1に記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
  3. 前記太陽電池付き防水シートは、帯状なし、
    複数の前記太陽電池付き防水シートを間を隔てて並設する請求項1または2に記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
  4. 複数の前記固定具を、前記敷設される各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に設ける請求項3に記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
  5. 前記固定手段は、前記固定具に係合する係合部を有し、前記下地層を貫通して前記躯体に前記下地層を固定する棒状部材を備える請求項1ないし4のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの施工方法。
  6. 建造物の躯体上に設けられ、防水シートと、フィルム状の太陽電池セルとを有する太陽電池付き防水シートを交換する方法であって、
    前記躯体上に敷設された少なくとも1層で構成されている断熱性および絶縁性を有する下地層上に配置される固定具を有する固定手段により、前記躯体に前記下地層が固定され、
    前記固定具上および該固定具の周辺の前記下地層上に、前記固定具を覆うように防水層が敷設され、前記固定具に前記防水層が固着され、
    平面視で、前記固定具と前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記固定具の周辺の前記防水層上に、前記太陽電池付き防水シートが敷設され、前記防水層に前記太陽電池付き防水シートが固着されており、
    複数の前記太陽電池付き防水シートのうちの一部を交換する際、前記固定具上の前記防水層が交換すべき前記太陽電池付き防水シートに付かないように、前記固定具の周辺の前記防水層を切断し、前記交換すべき太陽電池付き防水シートを取り外し、
    前記切断された防水層上および該切断された防水層の周辺の前記下地層上に、新たな防水層を敷設し、
    平面視で、前記固定具と新たな前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記新たな防水層上に、前記新たな太陽電池付き防水シートを敷設し、前記新たな防水層に前記新たな太陽電池付き防水シートを固着する太陽電池付き防水シートの交換方法。
  7. 前記太陽電池付き防水シートは、切断しない請求項6に記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
  8. 前記固定手段は、形状の異なる2種の前記固定具を有する請求項6または7に記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
  9. 前記固定具は、長手形状をなし、
    前記固定具が複数の前記太陽電池付き防水シートに跨るように設けられている請求項6ないし8のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
  10. 複数の前記固定具が、前記敷設される各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に設けられている請求項6ないし8のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
  11. 前記固定手段は、前記固定具に係合する係合部を有し、前記下地層を貫通して前記躯体に前記下地層を固定する棒状部材を備える請求項6ないし10のいずれかに記載の太陽電池付き防水シートの交換方法。
  12. 建造物の躯体上に設けられ、防水シートと、フィルム状の太陽電池セルとを有する太陽電池付き防水シートを備える防水構造体であって、
    前記躯体上に敷設された少なくとも1層で構成されている断熱性および絶縁性を有する下地層上に配置される固定具を有し、前記躯体に前記下地層を固定する固定手段と、
    前記固定具上および該固定具の周辺の前記下地層上に、前記固定具を覆うように敷設され、前記固定具に固着された防水層とを備え、
    平面視で、前記固定具と前記太陽電池付き防水シートとが重ならないように、前記下地層上および前記固定具の周辺の前記防水層上に、前記太陽電池付き防水シートが敷設され、前記防水層に前記太陽電池付き防水シートが固着されている防水構造体。
  13. 前記固定手段は、形状の異なる2種の前記固定具を有する請求項12に記載の防水構造体。
  14. 前記太陽電池付き防水シートは、帯状なし、
    複数の前記太陽電池付き防水シートが間を隔てて並設されている請求項12または14に記載の防水構造体。
  15. 前記防水層が、前記各太陽電池付き防水シートの隣り合う2つの前記太陽電池付き防水シートの間に位置するように、帯状に敷設されている請求項14に記載の防水構造体。
  16. 前記固定手段は、前記固定具に係合する係合部を有し、前記下地層を貫通して前記躯体に前記下地層を固定する棒状部材を備える請求項12ないし15のいずれかに記載の防水構造体。
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