JP2012234961A - 薄膜太陽電池一体型遮光シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 遮光シートの一方の面上に薄膜太陽電池モジュールを備えた薄膜太陽電池一体型遮光シートであって、前記遮光シートは、薄膜太陽電池モジュールが備えられていない部分に、風抜き機構を有することを特徴とする、薄膜太陽電池一体型遮光シートにより課題を解決する。
【選択図】図3
Description
一方で、太陽光に対して適切な角度となるように設置する場合、地面に対して角度を有するように設置することとなり、太陽電池と地面との間に空間が生じる。架台を設ける場合のように、太陽電池が強固に固定されている場合には、地面に対して角度を有するように設置したところで問題は生じないが、フレキシブルなシート状の太陽電池の場合、具体的には、防草機能を有する遮光シートに薄膜太陽電池を備えた薄膜太陽電池一体型遮光シートの場合には、太陽電池一体型遮光シートが風に煽られて、シートがばたつくこととなる。その結果、太陽光に対する太陽電池の受光面の角度が変化し安定な発電が困難となり、更にはシートがばたつくことで太陽電池が破損したり、複数の太陽電池をつなぐ配線が断線することで太陽電池の機能を失うという問題が生じた。本発明の課題は、太陽電池一体型遮光シートを用いた場合に生じる上記問題を解決することである。
前記遮光シートは、薄膜太陽電池モジュールが備えられていない部分に、風抜き機構を有することを特徴とする、薄膜太陽電池一体型遮光シートである。
また、前記薄膜太陽電池一体型遮光シートは、防草シートであることが好ましい。
発電層としては、薄膜単結晶シリコン、薄膜多結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、球状シリコンなどのシリコン系半導体材料、CIS系、CIGS系、GaAs系などの化合物半導体材料、有機色素材料、有機半導体材料等が挙げられる。
本発明において、薄膜太陽電池とは、柔軟性に富んだ曲げても割れない太陽電池であるが、通常太陽電池素子の膜厚が0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。また、通常500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下である。
上のものが更に好ましい。遮光性が高い遮光シートを採用しない場合には、雑草に日光が到達してしまい、防草性能が十分に発揮されない。
た場合には、少しの曲げ応力で太陽電池が割れてしまうため、フレキシブルな太陽電池とすることはできない。そのため、風に煽られてもこのような問題は生じ得ず、本発明の課題は、薄膜太陽電池とシートを一体化させたことにより新たに生じた課題である。
本発明の風抜き機構は、遮光シートのばたつきを抑えるために風を遮光シートから抜くものであり、風が抜けやすいほど効果が高いものである。一方、遮光シートの強度との関係では、風抜き機構が多ければ良いというものでもない。好ましくは風抜き機構がスリット状であることが好ましい。スリット状とは、直線状に伸びる切れ目を意味しており、円型のドット形状と区別するものである。ただし、単なる切れ目のみではなく、幅方向の長さがあっても良い。風抜き機構をスリット状とすることで、風によりシートが変形して風抜き機構が大きく開くため風の抜ける量が大きくなり、本発明の効果が大きい。また、スリット状の風抜き機構はドット状の風抜き機構と比較して必要となる面積が小さいため、太陽電池モジュールを配置することができる面積が大きくなり、効率的な発電が見込まれる。
スリット状の風抜き機構の長手方向の長さが長すぎるとシートの変形が大きくなりすぎるため、スリット状の風抜き機構の長手方向の長さはその延長線上にある遮光シートの両端間の長さに対して通常0.99以下、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.9以下、更に好ましくは0.8以下、最も好ましくは0.7以下である。
一方、短すぎると風が抜けづらくなるため、通常0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、最も好ましくは0.5以上である。
ドット状の風抜き機構の形状は、真円に限られず略真円もドット状に含まれる。大きさは特段限定されないが、風抜けの効果を考えると、通常直径が1cm以上であり、3cm以上であることが好ましく、5cm以上であることがより好ましい。
風抜き機構がスリット状の場合には、特に長手方向の端部に対して非常に強い引裂き力
がかかる場合がある。そのため、少なくとも長手方向の両端部に補強部材を有することが好ましい。
風抜き機構がドット状の場合には、スリット状とした場合ほど強い引裂き力がかかることはないが、シートが破れる可能性はあり、補強部材を備えることが好ましい。
一方、スリット状であっても短辺方向に大きさを有する場合や、ドット形状の場合には、風抜き機構から差込む光を減らす目的で、風抜き機構に減光シートを備えてもよい。減光シートは、風抜き機構の機能を阻害しないよう風を通す必要がある。具体的には樹脂やガラスのメッシュが挙げられる。
薄膜太陽電池素子は、そのまま薄膜太陽電池として使用すると薄膜太陽電池の設置環境による性能劣化が早いシートが得られてしまう。そのため、薄膜太陽電池素子は通常、その周りを封止層にて覆われており、また、封止層の受光面側に耐侯層を設ける態様が好ましい。耐侯層を設けることで、薄膜太陽電池一体型遮光シートの受光面上に溜まった雨水や埃が流れるため、太陽電池への耐水劣化を抑制できる。
層には耐熱性を有していることが好ましい。そのため、耐侯層の構成材料としては、その融点が通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下の材料を使用するべきである。加えて、耐候層に、紫外線遮断、熱線遮断、防汚性、防曇性、耐擦性、導電性、反射防止、防眩性、光拡散、光散乱、波長変換、ガスバリア性等の機能を付与してもよい。特に、太陽電池モジュールは太陽光からの強い紫外線にさらされるので、耐候層に、紫外線遮断機能を持たせてもよい。紫外線遮断機能を有する層を塗工製膜等により耐候層上に積層したり、紫外線遮断機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして耐候層に含有させることにより、紫外線遮断機能を耐候層に付与できる。
加えて、耐候層は、太陽電池モジュールにおいてできるだけ外側に設けることが好ましい。太陽電池モジュールの構成部材のうちより多くのものを保護できるようにするためである。したがって耐候層は太陽電池モジュールの最表面に設けておくことが好ましい。
などして封止層に含有させることにより行うことができる。
絶縁層としては、絶縁性を有する材料から構成され、太陽電池素子からの電気の漏洩を絶縁層により防止することができる。絶縁層に用いることができる材料は、絶縁性を有するものであれば特段限定されず、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
防草シートの機能を有する遮光シートは、地面に直接設置する場合が多く、その場合には太陽電池からの光を取り出す出力端子は受光面側から取り出すこととなる。しかしながらその場合には、外部環境にさらされることとなり、光を取り出す出力端子の耐侯劣化が問題となる。
池モジュールを連結した場合には、施工がし易い。
高温となった薄膜太陽電池一体型遮光シートの裏面は、水分が蒸発し易くなり防草効果が向上する。さらに、薄膜太陽電池一体型遮光シートと地面の間のスペース、及び遮光シートに設けたスリットのため、水分を積極的に除去することができ、防草効果が向上する。
このような更なる防草効果は、太陽電池の効率が高すぎる場合には十分な発熱を伴わず、また効率が低すぎる場合には、発電が十分できず本来の目的に合致しない。具体的には、発電効率が通常20%以下であり、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。また通常3%以上であり、4%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。
また、ガードレール建物などの固定物を利用して敷設する場合には、固定用の穴にワイヤーや紐を通し、固定物に固定することができる。
本発明の薄膜太陽電池一体型遮光シートを、薄膜太陽電池一体型遮光シートの地面への対向面が地面に対して角度を有するように設置する場合には、地面に対する角度は特段限定されないが、風により煽られる状況である場合に本発明の効果がより発揮されるため、通常、地面とシートとの間の角度が0度より大きく、好ましくは2度以上、より好ましくは5度以上である。また、通常90度以下であり、好ましくは85度以下、より好ましくは80度以下である。
ウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられる。なお、接着剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。縫い合わせる方法としては、太陽電池モジュールの周辺のみを縫うことが挙げられる。
図1は、本発明の薄膜太陽電池一体型遮光シートの断面を表した模式図であり、層構成の一態様を表している。遮光シート8上に接着層を介して薄膜太陽電池モジュール7を接着する。薄膜太陽電池モジュール7は、受光面側から耐候層1、封止層3、薄膜太陽電池素子2、封止層3、防湿層4、補強層5の順に積層される。
薄膜太陽電池素子2は通常封止層3に覆われており、封止層3により薄膜太陽電池素子2への機械的ダメージや環境ダメージが軽減される。さらなる環境ダメージの軽減のために、特に屋外で太陽電池を施工する際には、耐侯層1を備えることが好ましい。
また、受光面と反対の面からの水分が薄膜太陽電池素子2の劣化に及ぼす影響を防ぐために、薄膜太陽電池素子2の受光面と反対の面には、防湿層4を設けることが好ましい。また、薄膜太陽電池一体型遮光シートの施工性を向上させるために、薄膜太陽電池モジュールに補強層5を設けることも好ましい態様である。
そして、薄膜太陽電池モジュール7は遮光シート8に固定されるが、固定手段としては接着層6を設けて固定することが容易である。
一方、図3のように、薄膜太陽電池モジュール7を複数設置して、その間に風抜き機構を設ける態様は、発電効率の観点からも、風による太陽電池への影響の観点からも好ましい。
固定穴11は敷設する場所、必要な固定強度に応じて個数・大きさを適宜選択することができる。固定穴11は、風抜き機構10とは区別されるものであり、風抜き機構は遮光シートの周縁部には存在しない。周縁部とは、通常遮光シートの端部から20cm以内を表すものであり、30cm以内であることが好ましく、40cm以内であることがより好ましい。
また、敷設時には、所望の電力が取り出せるように、太陽電池の正極、及び負極から電気を取り出す出力端子12とケーブル13を接続しておくが、出力端子12は耐侯性の観点から遮光シートの受光面と反対の面に設けられることが好ましい。出力端子12には端子箱などの耐侯性を向上させるカバー等を取り付けることができる。
また、風抜き機構10は遮光機能を有しないため、図4(c)のように風抜き機構上を、風を通す減光シートで覆うこともできる。
2 薄膜太陽電池素子
3 封止層
4 防湿層
5 補強層
6 接着層
7 太陽電池モジュール
8 遮光シート
10 風抜き機構
11 固定穴
12 出力端子
13 ケーブル
14 補強部材
15 減光シート
Claims (8)
- 遮光シートの一方の面上に薄膜太陽電池モジュールを備えた薄膜太陽電池一体型遮光シートであって、
前記遮光シートは、薄膜太陽電池モジュールが備えられていない部分に風抜き機構を有することを特徴とする、薄膜太陽電池一体型遮光シート。 - 前記遮光シートは複数の薄膜太陽電池モジュールを備え、前記風抜き機構が薄膜太陽電池モジュール間に位置することを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池一体型遮光シート。
- 前記風抜き機構は、スリット状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜太陽電池一体型遮光シート。
- 前記風抜き機構は、少なくともその一部に補強部材を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池一体型遮光シート。
- 前記薄膜太陽電池一体型遮光シートは、薄膜太陽電池モジュールの正極、及び負極から電気を取り出す出力端子を備え、該出力端子は薄膜太陽電池一体型遮光シートの受光面と反対の面に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池一体型遮光シート。
- 前記薄膜太陽電池一体型遮光シートは、受光面の最表面にフッ素系樹脂からなる耐侯層を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池一体型遮光シート。
- 前記薄膜太陽電池一体型遮光シートは、防草シートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池一体型遮光シート。
- 薄膜太陽電池一体型遮光シートの敷設方法であって、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池一体型遮光シートを、該薄膜太陽電池一体型遮光シートの地面への対向面が地面に対して角度を有するように設置することを特徴とする薄膜太陽電池一体型遮光シートの敷設方法。
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