JP2011222558A - 薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法、薄膜太陽電池付き遮光シート及び薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法、薄膜太陽電池付き遮光シート及び薄膜太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜太陽電池付き遮光シートを、強風が吹いても剥がれたり裂けたりしにくい形で地面上に敷設できる薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法を提供する。
【解決手段】地面上の遮光対象区画に、複数の薄膜太陽電池付き遮光シート1を配置し、配置した薄膜太陽電池付き遮光シート1上に、当該薄膜太陽電池付き遮光シートと係合するように複数本のワイヤー33を配置し、配置した各ワイヤー33の端部を地面に対して固定することにより、薄膜太陽電池付き遮光シート1を遮光対象区画に敷設する。
【選択図】図5

Description

本発明は、薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法と、薄膜太陽電池付き遮光シートと、薄膜太陽電池モジュールとに、関する。
周知のように、太陽電池は、太陽光がありさえすれば発電が可能な、COなどの温室効果ガスを発生しないクリーンなエネルギー源である。そのため、太陽電池を、家屋の屋上や電子機器(腕時計、電卓等)に設けることが盛んに行われている。
そして、太陽電池を防草シート上に設けることも提案されている(例えば、特許文献1、2参照)のであるが、太陽電池を設けたシートを、強風が吹いても剥がれたり裂けたりしにくい形で土手地や法面上に敷設できる技術は未だ開発されていないのが現状である。
特開2004−316080号公報 特開2006−269610号公報
そこで、本発明の課題は、薄膜太陽電池付き遮光シートを、強風が吹いても剥がれたり裂けたりしにくい形で地面上に敷設できる薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、本発明の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法により敷設できる,遮光シートを交換しやすい構成を有する薄膜太陽電池付き遮光シート、及び、そのような薄膜太陽電池付き遮光シートを実現できる太陽電池モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法では、地面上の遮光対象区画に、薄膜太陽電池付き遮光シートを配置し、配置した薄膜太陽電池付き遮光シートの少なくとも周縁部が複数本のワイヤーで押さえつけられるようにし、配置した各ワイヤーの端部を地面に対して固定するといった手順で、薄膜太陽電池付き遮光シートが遮光対象区画に敷設される。
すなわち、本発明の第1の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法は、薄膜太陽電池付き遮光シートを、複数本のワイヤーによりその周縁部を押さえつける形で遮光対象区画上に固定するものとなっている。そして、シート状部材(防草シート等)の各所を地面に釘等で固定した場合には、強風が吹いたときに、釘等による固定箇所から裂けたり、シート状部材の下側に風が侵入して剥がれたりすることがある。従って、この第1の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法は、薄膜太陽電池付き遮光シートを、従来よりも(釘等で固定した場合よりも)、強風が吹いても剥がれたり裂けたりしくにくい形で地面上に敷設できるものとなっていると言うことが出来る。
この第1の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法を実施する際には、配置した
薄膜太陽電池付き遮光シートの少なくとも周縁部を複数の杭状部材により地面に対して固定した上で、当該周縁部が複数本のワイヤーで押さえつけられるようにしておくことが出来る。
また、本発明の第2の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法では、地面上の遮光対象区画を横切るように複数本のワイヤーを配設し、配設した複数本のワイヤーに対して薄膜太陽電池付き遮光シートを固定するといった手順で、薄膜太陽電池付き遮光シートが遮光対象区画に敷設される。
すなわち、本発明の第2の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法は、遮光対象区画に配設した複数本のワイヤーに、薄膜太陽電池付き遮光シートを固定することによって、薄膜太陽電池付き遮光シートを遮光対象区画に敷設するものとなっている。そして、ワイヤーへ薄膜太陽電池付き遮光シートを強固に固定することは、簡単に行えることである。従って、本敷設方法によっても、薄膜太陽電池付き遮光シートを、強風が吹いても剥がれたり裂けたりしくにくい形で地面上に敷設できることになる。
なお、本発明の第1、第2の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法における“複数本のワイヤー”は、薄膜太陽電池付き遮光シート上/下を複数回横切るように蛇行させた1本のワイヤーであっても良い。また、本発明の第2の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法を実施する際には、複数本のワイヤーに対する前記薄膜太陽電池付き遮光シートの固定が、薄膜太陽電池付き遮光シートの周縁部に設けられている複数の貫通孔をして行われるようにしておくことが出来る。
また、本発明の第3の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法では、地面上の遮光対象区画を覆うサイズのワイヤーネットに、薄膜太陽電池付き遮光シートを取り付け、薄膜太陽電池付き遮光シートを取り付けたワイヤーネットで遮光対象区画を覆ってから、ワイヤーネットの周囲を地面に対して固定するといった手順で、薄膜太陽電池付き遮光シートが遮光対象区画に敷設される。
すなわち、本発明の第3の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法は、ワイヤーネットに薄膜太陽電池付き遮光シートを取り付けた構造体を用意してから、当該構造体を遮光対象区画に配設することによって、薄膜太陽電池付き遮光シートを遮光対象区画に敷設するものとなっている。この方法により敷設される薄膜太陽電池付き遮光シートの最終的な形態は、本発明の第3の態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法のそれと本質的には同じものとなる。従って、本敷設方法によっても、薄膜太陽電池付き遮光シートを、強風が吹いても剥がれたり裂けたりしくにくい形で地面上に敷設できることになる。また、本敷設方法は、遮光対象区画に作業者が入らなくても薄膜太陽電池付き遮光シートを敷設できるものである。従って、この敷設方法によれば、どのような形状(凹凸状態)の遮光対象区画にも薄膜太陽電池付き遮光シートを敷設できることにもなる。
本発明の第1態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法を実施する際には、薄膜太陽電池付き遮光シートとして、遮光シートが露出している部分を有するものを採用し、複数法のワイヤーのそれぞれを、薄膜太陽電池付き遮光シートの,遮光シートが露出している部分上に、配設するようにしておくことが望ましい。何故ならば、そのようにしておけば、敷設により薄膜太陽電池付き遮光シートの出力が下がらないようにすることや、薄膜太陽電池付き遮光シートの薄膜太陽電池の全領域が常に機能するようにする(薄膜太陽電池付き遮光シート内に無駄な部分が存在しないようにする)ことが可能となるからである。
また、本発明の各態様の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法を実施するに際して、
薄膜太陽電池付き遮光シートが、所定サイズの遮光シート上に薄膜太陽電池を設けた薄膜太陽電池付き単位遮光シートを複数枚並べたシートとなるようにしておくことも出来る。
また、本発明の薄膜太陽電池付き遮光シートは、遮光性を有する遮光シートと、遮光シートの一方の面上に設けられた防湿層と、防湿層上に設けられた薄膜太陽電池とを備えた構成であって、防湿層のサイズが遮光シートのサイズよりも小さく、薄膜太陽電池のサイズが防湿層のサイズよりも小さい構成を有する。
すなわち、本発明の薄膜太陽電池付き遮光シートは、その周縁部に、ワイヤーに対する固定に使用しても出力が落ちない部分(薄膜太陽電池で覆われていない部分)を備えたものとなっている。従って、この薄膜太陽電池付き遮光シートは、上記した各態様の“薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法”により、太陽電池としての性能が低下しない形で、敷設できるものとなっていることになる。また、本発明の薄膜太陽電池付き遮光シートは、防湿層の端を遮光シートから剥がす際に影響を受けないサイズの薄膜太陽電池を備えている。従って、本発明の薄膜太陽電池付き遮光シートは遮光シートの交換が容易な(薄膜太陽電池にダメージを与えることなく行える)ものとなっていると言うことも出来る。
なお、シートの強度及び遮光性を高めるために、本発明の薄膜太陽電池付き遮光シートには、引張強度、JIS L1096による遮光率が、それぞれ、80N/5cm以上、
80%以上となっている遮光シートを採用しておくことが望ましい。
また、本発明の薄膜太陽電池モジュールは、防湿性を有する防湿層と、防湿層上に位置する,防湿層よりも小サイズの薄膜太陽電池素子とを備えた構成であって、防湿層の,薄膜太陽電池素子にて覆われていない部分に、複数の貫通孔が設けられている構成を有する。
従って、この薄膜太陽電池モジュールと遮光シートとを組み合わせれば、本発明の薄膜太陽電池付き遮光シート相当のものを実現できることになる。また、その際、薄膜太陽電池モジュールと遮光シートとの間を、貫通孔を利用して糸、紐、ロープ等で固定するようにしておけば、遮光シートの交換が特に行いやすい(糸等を切るだけで遮光シートを交換できる)太陽電池付き遮光シートを実現できることになる。
本発明によれば、薄膜太陽電池付き遮光シートを、強風が吹いても剥がれたり裂けたりしにくい形で地面上に敷設できる“薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法”、遮光シートを交換しやすい構成を有する薄膜太陽電池付き遮光シート、及び、そのような薄膜太陽電池付き遮光シートを実現できる太陽電池モジュールを、提供することが出来る。
第1実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの断面図。 第1実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの上面図。 第1実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法による薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設手順の説明図(その1)。 第1実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法による薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設手順の説明図(その2)。 第1実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法による薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設手順の説明図(その3)。 第2実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの上面図。 第2実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法における薄膜太陽電池付き遮光シートのワイヤーへの固定法を説明するための図。 第3実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法におけるワイヤーネットの固定手順を説明するための図。 薄膜太陽電池付き遮光シートの変形形態を説明するための図。 第1実施形態に係る薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法の変形形態を説明するための図。 薄膜太陽電池付き遮光シートの変形形態の断面図。
以下、本発明に係る『薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法』(以下、単に、敷設方法とも表記する)の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態に係る敷設方法は、地面(土手地、盛土、法面、窪地等)上の遮光すべき区画(草を繁茂させたくない区画等;以下、遮光対象区画と表記する)に、薄膜太陽電池付き遮光シートを敷設するための方法である。
まず、図1及び図2を用いて、本敷設方法にて敷設するものとして開発した薄膜太陽電池付き遮光シート1の概略構成を説明する。なお、図1、図2は、それぞれ、薄膜太陽電池付き遮光シート1の断面図、上面図である。また、以下の説明において、裏面とは、図1における下側の面のことである。
図1及び図2に示してあるように、薄膜太陽電池付き遮光シート1(以下、単に、シート1とも表記する)は、遮光シート20の中央部に、遮光シート20よりも小サイズの防湿層15と、防湿層15よりも小サイズの薄膜太陽電池(図では、薄膜PV)10とを積層した構成を有している。
遮光シート20は、遮光性等を有する,比較的に機械強度が高いシート状部材である。この遮光シート20の周縁部には、複数の貫通孔20aが設けられている。
防湿層15は、遮光シート20側(地面側)からの水分による薄膜太陽電池10の劣化を防止することなど(詳細は後述)を目的として設けられている層である。
薄膜太陽電池10は、薄膜型の太陽電池(つまり、薄膜型であるが故に、薄膜太陽電池付き遮光シート1が多少曲がっても壊れない太陽電池)である。この薄膜太陽電池10の出力を取り出すための2本のリード線は、シート1(遮光シート20)の裏面に設けられている端子箱23に導入されている。そして、各リード線は、当該端子箱23内で、自シート1内の薄膜太陽電池10を他のシート1内の薄膜太陽電池10と直列または並列に電気接続するためのケーブル25に接続されている。
以下、シート1(薄膜太陽電池付き遮光シート1)の構成をさらに具体的に説明する。
・薄膜太陽電池10
シート1の薄膜太陽電池10(図1参照)としては、薄膜型の太陽電池でありさえすれば、どのような太陽電池も使用することが出来る。ただし、薄膜太陽電池素子(図では、薄膜PV素子)13をそのまま薄膜太陽電池10として使用すると、薄膜太陽電池10(薄膜太陽電池素子13)の設置環境による性能劣化が早いシート1が得られてしまうことになる。そのため、薄膜太陽電池10としては、図1に示してあるように、薄膜太陽電池素子13の周囲が封止層12にて覆われ、その受光面側に耐候性層11が設けられているものを採用しておくことが望ましい。
その際、薄膜太陽電池素子13としては、一対の電極で、発電層(光電変換層、光吸収層)を挟んだものや、そのようなものを、複数個、直列および/または並列接続したものを用いることができる。また、発電層としても、様々なものを採用することができる。ただし、発電層は、薄膜単結晶シリコン、薄膜多結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、球状シリコンなどのシリコン系半導体材料、CIS系、CIGS系、GaAs系などの化合物半導体材料、有機色素材料、有機半導体材料等からなる層としておくことが好ましい。何故ならば、これらの材料を用いておけば、発電効率が比較的高く、薄く、軽量な薄膜太陽電池10を実現できるからである。さらに、より効率を高くするために、薄膜太陽電池素子13を、結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層した,HIT型の素子や、吸収波長域の異なる発電層を積層した,タンデム型の素子としておくことも出来る。
耐候性層11は、薄膜太陽電池素子13を何らかの形で保護できるものでありさえすれば良い。従って、耐候性層11としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、白板ガラス、無アルカリガラスなどのガラスおよびこれらの強化ガラス;ポリメチルメタクリレート、架橋アクリレート等のアクリル樹脂、ピスフェノールAポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリシクロオレフィン等の非晶性ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)等のフッ素樹脂等の合成樹脂からなるものを使用することが出来る。ただし、シート1の可撓性が高い方が、敷設面の凹凸にシート1を追従させ易くなる。そのため、耐候性層11としては、可撓性を有する樹脂材料層(樹脂シート)を使用しておくことが好ましく、特に、耐候性が高いフッ素樹脂材料層(ETFEシート等)を使用しておくことが望ましい。
また、耐候性層11の透過率が高い方が、より多くの発電量を得ることが出来る。従って、耐候性層11としては、日射透過率が、通常75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上であるものを採用しておくべきである。
さらに、薄膜太陽電池10は、太陽光にさらされるものであるため、耐候性層11には、耐熱性を有していることが望まれる。従って、耐候性層11の構成材料としては、その融点が、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下の材料を使用しておくべきである。
耐候性層11の厚みは特に規定されないが、樹脂材料の場合、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。
また、耐候性層11に、紫外線遮断、熱線遮断、防汚性、防曇性、耐擦性、導電性、反射防止、防眩性、光拡散、光散乱、波長変換、ガスバリア性等の機能を付与しておくことも出来る。特に、薄膜太陽電池10が、太陽光からの強い紫外線にさらされるものであるという観点からは、耐候性層11に、紫外線遮断機能を持たせておくことが好ましい。なお、紫外線遮断機能の耐候性層11への付与は、紫外線遮断機能を有する層を塗工製膜等により耐候性層11上に積層することや、紫外線遮断機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして耐候性層11に含有させることにより、行うことができる。
封止層12は、薄膜太陽電池素子13の上下に配置した封止層を溶着させることによって形成することが出来る。その際、各封止層の構成材料としては、薄膜太陽電池10を補強することや、薄膜太陽電池素子13を何らかの形で保護することができるものでありさえすれば、どのような材料も使用することが出来る。具体的には、各封止層の構成材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂フィルム、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、合成ゴム等を使用できる。なお、各封止層は、1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていても良い。また、各封止層は、単層フィルムであっても、2層以上のフィルムからなるものであっても良い。
薄膜太陽電池素子13の受光面側に設ける封止層としては、発電量が低くなることを防止するために、光透過率が高いものを採用しておくべきである。具体的には、この封止層としては、日射透過率が、通常75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上の層を採用しておくべきである。当然、薄膜太陽電池素子13の受光面と反対側に設ける封止層は、光を透過するものである必要はなく、不透明なものであっても良い。
さらに、薄膜太陽電池10は光を受けて熱せられることが多いため、各封止層も、耐候性層11と同様に、耐熱性を有するものであることが好ましい。従って、各封止層の構成材料としては、その融点が、100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下であるものを採用しておくべきである。
各封止層の厚みは特に規定されないが、通常50μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上であり、また、通常1000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは600μm以下である。各封止層を厚くすると、薄膜太陽電池10の全体的な強度は高まるが、各封止層を厚くしすぎると、薄膜太陽電池10の柔軟性が低下するためである。
各封止層に、紫外線遮断、熱線遮断、導電性、易接着性、防眩性、光反射、光拡散、光散乱、波長変換、ガスバリア性等の機能を付与しておいてもよい。また、薄膜太陽電池10は、太陽光からの強い紫外線にさらされるものであるため、太陽電池素子13の受光面側の封止層には、紫外線遮断機能を持たせておくことが好ましい。なお、紫外線遮断機能の封止層への付与は、紫外線遮断機能を有する層を塗工製膜等により封止層上に積層することや、紫外線遮断機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして封止層に含有させることにより、行うことができる。
・防湿層15
防湿層15は、遮光シート20側からの水分により薄膜太陽電池素子13が劣化することを防止するための層である。
この防湿層15としては、防湿性、機械強度、耐候性に優れた各種の樹脂のフィルムおよびシートを使用することができる。なお、そのような樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルースチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリ
スルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等を例示できる。
これらの樹脂のシートの中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂のシートを使用することが好ましい。なお、これらは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
防湿層15として、金属材料からなるシートを用いることもできる。例えば、アルミニウム箔および板、ステンレス製薄膜および板、鋼板などが挙げられる。かかる金属材料には、腐食防止を施していることが好ましい。なお、前記の金属は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、防湿層15として、樹脂と金属の複合材料からなるシートを用いることができる。例えばアルミニウム箔の両面にフッ素系樹脂フイルムを接着した防水性の高いシートを用いることができる。フッ素系樹脂としては、例えば、一弗化エチレン(商品名:テドラー,デュポン社製)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。なお、フッ素系樹脂は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
防湿層15としては、外部からの水分の浸入を遮断できるようにする(外部からの水分により太陽電池素子13等が劣化するのを防止できるようにする)ために、水蒸気透過率が比較的に小さなもの、より具体的には、40℃、相対湿度90%の環境下、100μm厚での水蒸気透過率が、15g/m/day以下、好ましくは10g/m/day以下、さらに好ましくは1g/m/day以下のものを採用しておくべきである。
防湿層15の膜厚は、通常50μm以上、好ましくは100μm以上である。また、通常5mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは800μm以下、さらに好ましくは500μm以下である。上記範囲より薄いと防湿性が担保できない恐れがあり、厚いと重量が増加してしまうからである。
・遮光シート20
遮光シート20としては、遮光性、機械強度(耐風圧性能)が比較的に高く、透水性、可撓性を有する部材を採用しておくべきである。
特に、シート1を、防草シートとして製造する場合には、遮光シート20として、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の遮光性(JIS L109
6準拠)を有するものを採用しておくことが望ましい。遮光性が高い遮光シート20を採用しておかないと、雑草に日光が到達してしまう(防草性能が低いシート1が得られてしまう)からである。
遮光シート20の引張強度や引裂強度が弱いと、遮光シート20(シート1)が強風時に破れてしまう恐れがある。そのため、遮光シート20としては、引張強度(JIS L
1096に準拠)が、通常80N/5cm以上、好ましくは100N/5cm以上、より好ましくは300N/5cm、さらに好ましくは800N/5cm以上であり、引裂強度(JIS L1096準拠)が、通常50N以上、好ましくは80N以上、より好ましく
は100N以上であるものを採用しておくべきである。
また、ほとんど伸びない遮光シート20を採用した場合、敷設しにくく、かつ、応力が作用した場合に応力集中により破損してしまう恐れがあるシート1が得られてしまうことになる。逆に、大きく伸びる遮光シート20を採用した場合には、強風が吹いたときに、本来覆うべき部分を覆わない形状に変形してしまうシート1が得られてしまうことになる。従って、遮光シート20としては、伸び率(JIS L1096に準拠)が、5%〜1
00%、好ましくは8%〜80%、より好ましくは10%〜60%のものを採用しておくべきである。
遮光シート20の透水性が低過ぎると、シート1上に水溜りができやすく、汚れやすくなる。ただし、遮光シート20の透水性が高すぎると、水はけの悪い地面上にシート1を敷設した場合に、地面側から水分が、遮光シート20の上面側(太陽電池10側)に侵入し易くなることにもなる。
そのため、遮光シート20としては、透水性(JIS A1218準拠)が、10−4
〜1cm/sec以下、好ましくは10−3〜0.1cm/sec以下、好ましくは10−3〜0.05cm/sec以下のものか、排水のための穴を各所に形成したものを採用しておくべきである。
遮光シート20の構造としては、フィルム、織布、不織布およびこれらを組み合わせた積層シートを例示できる。なかでも、機械強度と遮光性および隙間がないために高い防草効果が得られる点から、不織布シート、フィルム・織布の積層シートが好ましく、さらに透水性が良好な点から、不織布が特に好ましい。また、機械強度向上のためにガラス、プラスチック等の補強繊維を含んでいてもよい。
遮光シート20の膜厚は、通常50μm以上、好ましくは100μm以上である。また、遮光シート20の膜厚は、通常5mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは800μm以下、さらに好ましくは500μm以下である。上記範囲より薄いと、シート1の機械強度や遮光性が不足する恐れがあり、上記範囲より厚いとシート重量が増加してしまう結果として、シート1の敷設が困難になるからである。
遮光シート20の構成材料は、上記のようなことを考慮して決定すれば良いが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルニトリルなどのアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの材料を、遮光シート20の構成材料として挙げられる。なお、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂は、高い機械強度を有する樹脂である。そして、遮光シート20は、高い機械強度を有していた方が良いものなので、遮光シート20の構成材料としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂を採用しておくことが好ましい。
また、遮光シート20は、上記のような性質のものでありさえすれば、単一の材料からなるものでなくても良いものである。従って、遮光シート20を、上記材料の複合体もしくは積層体としておくことも出来る。
次に、シート1の全体構成(各構成要素のサイズ等)及び製造手順を説明する。
既に説明したように、遮光シート20は、周縁部に、複数の貫通孔20aが設けられているものである。これらの貫通孔20aが薄膜太陽電池10によって覆われないようにするために、遮光シート20に対する薄膜太陽電池10の面積割合は、通常0.95以下、
好ましくは0.90以下、より好ましくは0.8以下とされる。ただし、遮光シート20に対する薄膜太陽電池10の面積割合を、過度に小さくしておいた場合、実用上十分な電力量が得られないことになる。そのため、遮光シート20に対する薄膜太陽電池10の面積割合は、通常0.20以上、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.3以上とされる。なお、遮光シート20に設けられる各貫通孔20aは、機械強度を確保するために、通常、輪状の金具(所謂はとめ)が取り付けられているか、穴の周囲に補強シートが貼られたものである。
防湿層15として、遮光シート20と同程度のサイズのものを使用すると、透水性の良い遮光シート20(透水性の良い材料からなる遮光シート20、又は、各所に孔が設けられている遮光シート20)を使用している意味がなくなってしまう。また、一般に、遮光シート20の方が薄膜太陽電池10よりも早く劣化するが、防湿層15として、薄膜太陽電池10と同程度のサイズのものを使用しておいた場合には、薄膜太陽電池10にダメージを与えることなく、シート1の遮光シート20の交換することが困難になる。
そのため、防湿層15としては、薄膜太陽電池10よりも大きく、遮光シート20よりも小さなものを使用しておくことが望ましい。
或るサイズの遮光対象区画を覆うのに必要なシート1の枚数は、遮光シート20のサイズ(つまり、シート1のサイズ)が小さくなるにつれ、多くなる。そして、遮光対象区画を覆うのに必要なシート1の枚数が多くなるにつれ、シート1の敷設作業に要する時間は長くなる。従って、遮光シート20のサイズを過度に小さなものとしておくことは好ましくないが、遮光シート20のサイズが過度に大きい場合には、シート1の持ち運びが困難になる。
そのため、遮光シート20として、縦、横の長さが0.5〜4mの範囲内に入っているものを採用しておくことが好ましく、縦、横の長さが0.8〜3mの範囲内に入っているものを採用しておくことがより好ましく、縦、横の長さが0.8〜2mの範囲内に入っているものを採用しておくことが特に好ましい。
シート1の各構成要素間は、熱ラミネート(真空ラミネート)により溶着固定することも、接着剤により接着固定することも、粘着剤・テープなどによる粘着固定することも、ステープラ、縫い合わせ、アンカー、ピンなどにより機械的に固定することも出来る。ただし、薄膜太陽電池10と防湿層15とからなる部分(以下、薄膜太陽電池モジュールと表記する)は、薄膜太陽電池10の製造と同時に(薄膜太陽電池13と2つの封止層と耐候性層11とを一体化する際に)、熱ラミネート(真空ラミネート)により製造してしまうのが簡単である。
より具体的には、上記薄膜太陽電池モジュールの製造時には、まず、薄膜太陽電池素子13を製造するために、例えば、薄膜太陽電池素子基材としてのPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム上に、裏面電極とアモルファスシリコン層(発電層)と透明電極とを形成する。
次いで、例えば、耐候性層11としてのETFEフィルム(AGC社製)、封止層としてのEVAフィルム(First社製)、製造した薄膜太陽電池素子13、封止層としてのEVAフィルム(同上)、防湿層15としてのETFEフィルム(AGC社製、40℃、相対湿度90%での100μm厚における水蒸気透過率<10g/m・day)を積層し、150℃での真空ラミネート(真空5分、加圧5分、保持10分)を行うことにより、薄膜太陽電池モジュールを製造することが出来る。
そして、そのようにして製造した薄膜太陽電池モジュールを、遮光シート20の中央に、接着剤、粘着剤、ステープラ、糸、紐、ロープ等により固定しておけば、遮光シート20の交換が可能なシート1を実現できることになる。
次に、図3〜図5を用いて、第1実施形態に係る敷設方法の内容を説明する。
本実施形態に係る敷設方法によるシート1の敷設時には、まず、図3に示したように、遮光対象区画に、複数のシート1が、隣接する2枚のシート1の一辺の各貫通孔20aが一致するように一部を重ねて配置される。この作業時には、所望の電力が取り出せるように、各シート1間のケーブル25(図示略)を、直接的に接続する作業や、延長ケーブル等を介して接続する作業も行われる。
その後、図4に示してあるように、各シート1の各貫通孔20aを通す形で、ピン状の固定具30が差し込まれる。この固定具30としては、ワイヤー33(図5参照)と係合させることが出来る形状のもの(ワイヤー33を通す孔が開いているもの、ワイヤー33をクランプするための部品を備えたもの等)が使用される。
なお、この固定具30としては、上記形状を有すると共に、貫通孔20aに差し込むことによって、貫通孔20aが覆われることになる形状(その途中にフランジ状部材を備えた形状等;図4参照。)を有するものを使用しておくことが望ましい。何故ならば、そのような固定具30を使用しておけば、貫通孔20aから露出している部分を遮光するための作業を、別途行う必要がなくなるからである。
固定具30の設置後には、図5に示したように、各シート1の各辺に沿って並んだ固定具30群毎に、鋼、ステンレスなどの金属材料製のワイヤー33を這わせる作業と、各ワイヤー33の各端部を地面に固定する作業とが行われる。後者の作業としては、図5に示してあるように、シート1群の周縁に複数のコンクリートブロック35を設置し、設置したコンクリートブロック35にワイヤー33を接続する作業が簡単である。ただし、後者の作業は、当然、『地面(地盤)に固定された杭や柱に固定する』といった作業や、『ワイヤー33の端部を地面(地盤)に埋める』といった作業や、『地面にあけた穴にワイヤー33の端部を置いた後、当該穴にセメントや樹脂を流し込む』といった作業であっても良い。さらに、ワイヤー33を接続したコンクリートブロック35を、固定強度を高めるために土に埋めるようにしておくことも出来る。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る敷設方法は、遮光対象区画に配置された各シート1を、固定具30によって水平方向に動きにくくすると共に、張力をかけた複数本のワイヤー33により各シート1の上面側を押さえ付けることによって、固定するものとなっている。従って、本実施形態に係る敷設方法を用いれば、シート1のような構成を有する薄膜太陽電池付き遮光シートを、強風時にも剥がれたり裂けたりしない形で遮光対象区画に配設できることになる。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る敷設方法の内容を、上記した第1実施形態に係る敷設方法と異なる部分を中心に、説明する。
本発明の第2実施形態に係る敷設方法にて敷設される薄膜太陽電池付き遮光シートは、シート1と本質的には同構成のものである。ただし、図6に示したように、第2実施形態に係る敷設方法にて敷設される薄膜太陽電池付き遮光シート2(以下、単に、シート2とも表記する)は、『より多くの、より小サイズの貫通孔20aが、より縁に近い部分に設けられている遮光シート20』が用いられたものとなっている。
そして、第2実施形態に係る敷設方法によるシート2の配設時には、まず、複数本のワイヤー(又はワイヤーネット)が遮光対象区画上に配設される。このワイヤーの配設時には、通常、格子状にワイヤーが配設される。
その後、シート2を、1枚ずつ、他のシート2と電気的に接続しつつ、配設した複数本のワイヤー(又はワイヤーネット)に、幾つかの貫通孔20aを利用して固定していく作業が行われる。なお、幾つかの貫通孔20aとは、ワイヤー(ワイヤーネットを構成しているワイヤー)に対して固定しやすい位置にある貫通孔20a群のことである。また、貫通孔20aを利用したシート2のワイヤーへの固定は、図7に模式的に示したように、貫通孔20aとシート2の縁との間の帯状部分を、金属製のリング38でワイヤー37に対して固定することにより行われる。なお、当然のことではあるが、このシート2のワイヤーへの固定を、結束バンドや紐、針金等を用いて行うことも出来る。
第2実施形態に係る敷設方法は、このような手順でシート2が遮光対象区画上に配設されるものとなっている。そして、シート2の各所がワイヤーに固定されていれば、強風時にも、シート2が剥がれたり裂けたりしないことになる。従って、本実施形態に係る敷設方法を用いても、薄膜太陽電池付き遮光シートを、強風時にも剥がれたり裂けたりしない形で遮光対象区画に配設できることになる。
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る敷設方法の内容を、第2実施形態に係る敷設方法と異なる部分を中心に、説明する。
本実施形態に係る敷設方法は、第2実施形態に係る施設方法と本質的には同じものである。
ただし、第3実施形態に係る敷設方法では、まず、遮光対象区画を覆えるサイズのワイヤーネットに、複数のシート2を第2実施形態で説明したものと同様の手順で固定する作業が、遮光対象区画近傍で行われる。その後、第3実施形態に係る敷設方法では、複数のシート2を固定したワイヤーネット(以下、処理済ワイヤーネットと表記する)が遮光対象区画に配設される。この作業は、図8に模式的に示してあるように、処理済ワイヤーネットの対向する2辺(端)にビーム45を取り付けてから、各ビーム45を地面に固定するといった手順や、地面に固定されているビーム45に対して、処理済ワイヤーネットを固定するといった手順で行われる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る敷設方法は、遮光対象区画に比較的に大きな凹部があっても、シート2の敷設が行えるように、第2実施形態に係る敷設方法を変形したものとなっている。
より具体的には、複数本のワイヤー(又はワイヤーネット)を配設した後にシート2の固定を行う第2実施形態に係る敷設方法では、遮光対象区画に存在する凹部のサイズによっては、シート2の固定ができない(シート2を固定するための足場がない)場合があることになる。一方、本実施形態に係る敷設方法は、遮光対象区画以外の場所で、シート2のワイヤーネットへの固定を行えるものである。従って、本実施形態に係る敷設方法によれば、第2(及び第1)実施形態に係る敷設方法では薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設が行えないような遮遮光対象区画上にも、薄膜太陽電池付き遮光シートを敷設できることになる。
《変形形態》
上記した各実施形態に係る敷設方法(薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法)は、各
種の変形を行うことが出来るものである。
例えば、シート1の製造に、図9に示したように、複数の貫通孔15a(輪状の金具が取り付けられているもの等)が周縁部に設けられている防湿層15を採用しておくと共に、シート1の固定具30による固定時に、図10に示したように、各貫通孔15aに固定具40を差し込むことによる補助的なシート1の固定も行われるようにしておくことが出来る。なお、貫通孔15aを設けていない防湿層15の周縁部に固定具40を差し込むことによって、シート1の補助的な固定を行うことも出来る。また、貫通孔15aの形成を、薄膜太陽電池モジュール(薄膜太陽電池10と防湿層15とからなる部分)の製造後に行うことも出来る。
シート1、2を、多数の貫通孔15aが外周に設けられている防湿層15を備え、それらの貫通孔15aを利用して、糸、紐、ロープ等にて、薄膜太陽電池10と防湿層15とからなる部分の,遮光シート20への固定が行われているものに変形することも出来る。なお、そのようにシート1、2を変形しておけば、薄膜太陽電池10に殆どダメージを与えることなく遮光シート20を交換できる薄膜太陽電池付き遮光シートを実現できることになる。
また、第1実施形態に係る敷設方法を、固定具30による固定が行われず、シート1に対してワイヤー33が各所で固定される(例えば、糸を通した針により、ワイヤー33の各所がシート1に縫いつけられる)ものに変形することも出来る。なお、この場合、当然、シート1を貫通孔20aを有さないものとしておくことが出来る。
同様に、第2、3実施形態に係る敷設方法を、貫通孔20aを有さないシート2の各所をワイヤー37/ワイヤーネットに対して縫いつけることによって、シート2のワイヤー37/ワーヤーネットへの固定を行うものに変形することも出来る。
また、シート1、2を、その上面又は裏面に、ワイヤーを嵌め込める部材やワイヤーをクランプするための機構を備えたものに変形することも出来る。
また、端子箱23は、耐候性の観点からは、シート1、2の非受光面側に設けられている(図2参照。)のが好ましい。ただし、端子箱23を、シート1、2の受光面側に設けておけば、シート1、2の敷設後に配線作業ができることになる。また、固定具30による固定時等に、ケーブル25(又は端子箱23)が誤って破損されることも防止できることになる。そのため、端子箱23を、耐候性を向上させるためのカバー等を取り付けた上で、シート1、2の受光面側に設けておくことも出来る。
さらに、シート1、2を、防湿層15を備えていないものや、図11(a)、(b)に示したように、防湿層15下に接着材層16を備えているものに変形しても良いことなどは、当然のことである。
1,2 薄膜太陽電池付き遮光シート
10 薄膜太陽電池
11 耐候性層
12 封止層
13 薄膜太陽電池素子
15 防湿層
15a,20a 貫通孔
16 接着剤層
20 遮光シート
23 端子箱
25 ケーブル
30,40 固定具
33、37 ワイヤー
35 コンクリートブロック
38 リング

Claims (10)

  1. 薄膜太陽電池が一方の面上に設けられている遮光シートである薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法であって、
    地面上の遮光対象区画に、薄膜太陽電池付き遮光シートを配置し、
    配置した薄膜太陽電池付き遮光シートの少なくとも周縁部が複数本のワイヤーで押さえつけられるようにし、
    各ワイヤーの端部を地面に対して固定する
    ことを特徴する薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法。
  2. 配置した薄膜太陽電池付き遮光シートの少なくとも周縁部を複数の杭状部材により地面に対して固定した上で、当該周縁部が複数本のワイヤーで押さえつけられるようにする
    ことを特徴する請求項1に記載の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法。
  3. 薄膜太陽電池が一方の面上に設けられている遮光シートである薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法であって、
    地面上の遮光対象区画を横切るように複数本のワイヤーを配設し、
    配設した複数本のワイヤーに対して前記薄膜太陽電池付き遮光シートを固定する
    ことを特徴する薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法。
  4. 前記複数本のワイヤーに対する前記薄膜太陽電池付き遮光シートの固定が、前記薄膜太陽電池付き遮光シートの周縁部に設けられている複数の貫通孔をして行われる
    ことを特徴する請求項3に記載の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法。
  5. 薄膜太陽電池が一方の面上に設けられている遮光シートである薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法であって、
    地面上の遮光対象区画を覆うサイズのワイヤーネットに、前記薄膜太陽電池付き遮光シートを取り付け、
    前記薄膜太陽電池付き遮光シートを取り付けた前記ワイヤーネットで前記遮光対象区画を覆ってから、前記ワイヤーネットの周囲を地面に対して固定する
    ことを特徴する薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法。
  6. 前記薄膜太陽電池付き遮光シートが、前記遮光シートが露出している部分を有するものであり、
    前記複数法のワイヤーのそれぞれが、前記薄膜太陽電池付き遮光シートの,前記遮光シートが露出している部分上に、配設される
    ことを特徴する請求項1又は請求項2に記載の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法。
  7. 前記薄膜太陽電池付き遮光シートが、所定サイズの遮光シート上に薄膜太陽電池を設けた薄膜太陽電池付き単位遮光シートを複数枚並べたシートである
    ことを特徴する請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の薄膜太陽電池付き遮光シートの敷設方法。
  8. 遮光性を有する遮光シートと、
    前記遮光シートの一方の面上に設けられた防湿層と、
    前記防湿層上に設けられた薄膜太陽電池とを、備え、
    前記防湿層のサイズが前記遮光シートのサイズよりも小さく、
    前記薄膜太陽電池のサイズが前記防湿層のサイズよりも小さい
    ことを特徴とする薄膜太陽電池付き遮光シート。
  9. 前記遮光シートの引張強度、JIS L1096による遮光率が、それぞれ、80N/
    5cm以上、80%以上である
    ことを特徴とする請求項8に記載の薄膜太陽電池付き遮光シート。
  10. 防湿性を有する防湿層と、
    前記防湿層上に位置する,前記防湿層よりも小サイズの薄膜太陽電池素子と、
    を備え、
    前記防湿層の,前記薄膜太陽電池素子にて覆われていない部分に、複数の貫通孔が設けられている
    ことを特徴とする薄膜太陽電池モジュール。
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