JP2013204055A - 化成処理Al系めっき鋼板の製造方法、それによって得られる化成処理Al系めっき鋼板、および塗装Al系めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Al系めっき鋼板の表面に、ケイ酸塩をSi換算で0.1〜100mg/m2析出させる。次いで、ケイ酸塩を析出させたAl系めっき鋼板の表面に、第1級アミノ基を有するシランカップリング剤とウレタン樹脂やフェノール樹脂などの有機樹脂を含有する化成処理液を塗布し、化成処理皮膜を形成する。
【選択図】なし
Description
[1]Al系めっき鋼板の表面に、ケイ酸塩をSi換算で0.1〜100mg/m2析出させる工程と、前記ケイ酸塩を析出させた前記Al系めっき鋼板の表面に、シランカップリング剤および有機樹脂を含有する化成処理液を塗布して、化成処理皮膜を形成する工程と、を有する、化成処理Al系めっき鋼板の製造方法。
[2]前記ケイ酸塩を析出させる工程は、前記Al系めっき鋼板の表面に、Si換算で0.5〜10g/Lのケイ酸塩を含有し、かつpHが9〜14、液温が40〜80℃の第1処理液を接触させる工程と、前記第1処理液で処理した前記Al系めっき鋼板の表面に、Si換算で0.01〜0.5g/Lのケイ酸塩を含み、かつ液温が40〜80℃の第2処理液を接触させる工程と、を含む、[1]に記載の化成処理Al系めっき鋼板の製造方法。
[3]前記ケイ酸塩を析出させる工程の後、かつ前記化成処理皮膜を形成する工程の前に、前記Al系めっき鋼板の表面を、ケイ酸塩の濃度がSi換算で0.01g/L未満の第3処理液で洗浄する工程をさらに有する、[1]または[2]に記載の化成処理Al系めっき鋼板の製造方法。
[4]Al系めっき鋼板と、前記Al系めっき鋼板の表面に、ケイ酸塩がSi換算で0.1〜100mg/m2析出したケイ酸塩層と、前記ケイ酸塩層の上に形成された、シランカップリング剤および有機樹脂を含有する化成処理皮膜と、を有する、化成処理Al系めっき鋼板。
[5][4]に記載の化成処理Al系めっき鋼板と、前記化成処理皮膜の上に形成された塗膜と、を有する、塗装Al系めっき鋼板。
本発明の化成処理Al系めっき鋼板の製造方法は、Al系めっき鋼板の表面にケイ酸塩を析出させる工程と、Al系めっき鋼板の表面に化成処理皮膜を形成する工程と、を有する。また、ケイ酸塩を析出させた後、化成処理皮膜を形成する前に、Al系めっき鋼板の表面を洗浄する工程を有していてもよい。以下、各工程について、詳細に説明する。
第1工程では、Al系めっき鋼板の表面に、Si換算付着量で0.1〜100mg/m2のケイ酸塩を析出させる。たとえば、第1工程は、Al系めっき鋼板の表面に高濃度のケイ酸塩を含有する水溶液(第1処理液)を接触させる工程と、第1処理液で処理したAl系めっき鋼板の表面に低濃度のケイ酸塩を含有する水溶液(第2処理液)を接触させる工程とにより実施される。
A工程では、Al系めっき鋼板の表面に第1処理液を接触させて、Al系めっき鋼板の表面を脱脂して汚れを除去すると共に、Al系めっき鋼板の表面にケイ酸塩を析出させる。
B工程では、第1処理液を接触させたAl系めっき鋼板の表面に第2処理液を接触させて、Al系めっき鋼板の表面に対する密着性が不十分なケイ酸塩を除去すると共に、Al系めっき鋼板の表面のケイ酸塩が析出していない部分にケイ酸塩を析出させる。
前述したように、Al系めっき鋼板の表面にケイ酸塩を析出させた後、化成処理皮膜を形成する前に、Al系めっき鋼板の表面を水または低濃度のケイ酸塩水溶液(第3処理液)で洗浄する工程を有していてもよい。
第3工程では、ケイ酸塩を析出させたAl系めっき鋼板の表面に、シランカップリング剤と有機樹脂を含有する化成処理液を塗布して、化成処理皮膜を形成する。
上記のように化成処理Al系めっき鋼板を作製した後、さらに化成処理Al系めっき鋼板の表面に塗膜を形成する工程を経て塗装Al系めっき鋼板を製造してもよい。
第4工程では、第3工程後の化成処理皮膜の表面に、塗料を塗布して塗膜を形成する。
(1)Al系めっき鋼板
Al系めっき鋼板(塗装原板)として、板厚が0.5mmで片面あたりのめっき付着量が60mg/m2のZn−55%Al溶融めっき鋼板(GL)を準備した。
A.各処理液の調製
(A)第1処理液の調製
第1処理液は、水に、表1に示す各種塩(ケイ酸塩または水酸化ナトリウム)を所定の濃度になるように溶解させ、必要に応じてpHを調整することで調製した。表1に示すCの処理液には、ケイ酸塩に加えて、さらに界面活性剤(DKS NL−60;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;第一工業製薬株式会社)を2g/Lの濃度で配合した。表1に示すFの処理液には、水酸化ナトリウムに加えて、さらに界面活性剤(DKS NL−60)を10g/Lの濃度で配合した。
水に第1処理液と同じ塩を所定の濃度になるように溶解させて、表2および表3に示す第2処理液を調製した。
第3処理液として、表2および表3に示すように、水、または水に第1処理液と同じ塩を所定の濃度になるように溶解させた水溶液を準備した。
Al系めっき鋼板の表面に、表2および表3に示す条件で第1処理液をスプレー法で塗布した(第1工程)。次いで、Al系めっき鋼板の表面に表2および表3に示す条件で第2処理液をスプレー法で塗布した(第2工程)。最後に、Al系めっき鋼板の表面に表2および表3に示す条件で第3処理液をスプレー法で塗布して、Al系めっき鋼板の表面を洗浄した後(第3工程)、ゴムロールによる水切りおよび常温でのブロアー乾燥を行った。
A.化成処理液の調製
水に、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシランおよびカチオン性ウレタン樹脂の混合物(質量比6:4)を配合して、固形分濃度が5質量%の化成処理液を調製した。カチオン性ウレタン樹脂は、以下の手順で調製した。ポリエーテルポリオール160質量部、トリメチロールプロパン5質量部、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン25質量部、イソホロンジイソシアナート95質量部およびメチルエチルケトン130質量部を反応容器に入れ、75℃で30分間加熱してウレタンプレポリマーを得た。次いで、ウレタンプレポリマーに硫酸ジメチル18質量部を配合し、55℃で40分間加熱して、カチオン性ウレタンプレポリマーを得た。次いで、カチオン性ウレタンプレポリマーに、水600質量部を加えて、均一に乳化させた後、メチルエチルケトンを回収して、カチオン性ウレタン樹脂を調製した。
各Al系めっき鋼板の表面に、調製した化成処理液をロールコート法で塗布し、80℃で乾燥させて、皮膜付着量が90mg/m2の化成処理皮膜を形成した。
化成処理皮膜上に、ポリエステル系下塗り塗料を塗布し、到達板温度200℃で焼付けて、膜厚5μmの下塗り塗膜を形成した。次いで、ポリエステル系上塗り塗料を下塗り塗膜の表面に塗布し、到達板温度230℃で焼付けて、膜厚15μmの上塗り塗膜を形成した。
(1)密着性試験
化成処理皮膜の密着性は、塗装Al系めっき鋼板の180度折り曲げ加工を行った後の、塗膜の残存率により評価した。具体的には、塗膜が外側になるように、塗装Al系めっき鋼板を180度密着折り曲げ加工した。次いで、曲げ稜線部にセロハンテープを貼り付け、曲げ稜線に対して垂直方向にセロハンテープを剥がし、塗膜の残存率を測定した。塗膜の残存率が90%以上の場合、加工密着性に極めて優れるとして「◎」、塗膜の残存率が70%以上であって90%未満の場合、加工密着性に優れるとして「○」、塗膜の残存率が70%未満の場合、加工密着性に改善が見られないとして「×」と評価した。
各塗装Al系めっき鋼板について、使用した処理液の種類、Al系めっき鋼板表面のケイ酸塩のSi換算析出量および密着性試験の結果を表2および表3に示す。
その結果、ケイ酸塩の析出量がSi換算で0.1〜100mg/m2の塗装Al系めっき鋼板では、塗装原板としてZn−55%Al溶融めっき鋼板を使用した場合と同様に、密着性の評価が「○」または「◎」と良好であった。
Claims (5)
- Al系めっき鋼板の表面に、ケイ酸塩をSi換算で0.1〜100mg/m2析出させる工程と、
前記ケイ酸塩を析出させた前記Al系めっき鋼板の表面に、シランカップリング剤および有機樹脂を含有する化成処理液を塗布して、化成処理皮膜を形成する工程と、
を有する、化成処理Al系めっき鋼板の製造方法。 - 前記ケイ酸塩を析出させる工程は、
前記Al系めっき鋼板の表面に、Si換算で0.5〜10g/Lのケイ酸塩を含有し、かつpHが9〜14、液温が40〜80℃の第1処理液を接触させる工程と、
前記第1処理液を接触させた前記Al系めっき鋼板の表面に、Si換算で0.01〜0.5g/Lのケイ酸塩を含み、かつ液温が40〜80℃の第2処理液を接触させる工程と、
を含む、
請求項1に記載の化成処理Al系めっき鋼板の製造方法。 - 前記ケイ酸塩を析出させる工程の後、かつ前記化成処理皮膜を形成する工程の前に、前記Al系めっき鋼板の表面を、ケイ酸塩の濃度がSi換算で0.01g/L未満の第3処理液で洗浄する工程をさらに有する、請求項1に記載の化成処理Al系めっき鋼板の製造方法。
- Al系めっき鋼板と、
前記Al系めっき鋼板の表面に、ケイ酸塩がSi換算で0.1〜100mg/m2析出したケイ酸塩層と、
前記ケイ酸塩層の上に形成された、シランカップリング剤および有機樹脂を含有する化成処理皮膜と、
を有する、化成処理Al系めっき鋼板。 - 請求項4に記載の化成処理Al系めっき鋼板と、
前記化成処理皮膜の上に形成された塗膜と、
を有する、塗装Al系めっき鋼板。
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JP2000319786A (ja) * | 1999-04-30 | 2000-11-21 | Nkk Corp | 耐食性に優れた表面処理鋼板 |
JP2005008949A (ja) * | 2003-06-19 | 2005-01-13 | Nippon Parkerizing Co Ltd | アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理方法 |
JP2006265622A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Jfe Steel Kk | 耐食性と耐疵付き性に優れた表面処理鋼板及びその製造方法 |
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2012
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