JP2013204014A - ポリスチレン系樹脂フィルム、積層発泡シート、及び、発泡樹脂製容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂フィルム、積層発泡シート、及び、発泡樹脂製容器 Download PDF

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Abstract

【課題】環状ポリオレフィン樹脂の使用を抑制しつつも水蒸気バリア性に優れたポリスチレン系樹脂フィルム、及び、積層発泡シートを提供し、ひいては水蒸気バリア性に優れた発泡樹脂製容器を提供する。
【解決手段】ポリスチレン樹脂及びハイインパクトポリスチレン樹脂の一方又は両方が50質量%以上80%以下含有されており、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂の一方又は両方が20質量%以上50質量%以下含有されていることを特徴としているポリスチレン系樹脂フィルムを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂フィルム、積層発泡シート、及び、このような積層発泡シートが熱成形されてなる発泡樹脂製容器に関する。
従来、ポリスチレン樹脂やポリスチレン樹脂とポリオレフィン系樹脂とが接着一体化されたフィルムをポリスチレン系樹脂発泡シートに積層させた積層発泡シートが真空成形や圧空成形といった熱成形によってフードパック等の発泡樹脂製容器の原材料として広く用いられている。
特に、積層発泡シートは、即席麺用の発泡樹脂製容器としてカップ形状や丼形状に成形されて広く用いられている。
なお、即席麺は、上記のような発泡樹脂製容器に麺を収容させ、該発泡樹脂製容器をアルミラミネートフィルムによって密封させるなどして市販されている。
このような即席麺においては、乾燥した麺や具材を中袋等を用いずに発泡樹脂製容器に直接収容させるようなことが行われており、この種の用途に用いられる発泡樹脂製容器には、水蒸気バリア性が求められている。
このような要望に対し、下記特許文献1には、ポリスチレン樹脂とともに環状ポリオレフィン樹脂を含有させたポリスチレン系樹脂フィルムが水蒸気バリア性に優れることが記載されている。
しかし、一般に環状ポリオレフィン樹脂は価格が高いことから、環状ポリオレフィンの使用を抑制することが要望されており、環状ポリオレフィンを利用する方法に代わる方法が検討されている。
特開2002−20636号公報
なお、上記のような要望については、いまだ十分に満足させられてはいない。
即ち、本発明は、このような問題の解決を図ることを課題としており、環状ポリオレフィン樹脂の使用を抑制しつつも水蒸気バリア性に優れたポリスチレン系樹脂フィルム、及び、積層発泡シートを提供し、ひいては水蒸気バリア性に優れた発泡樹脂製容器を提供することを課題としている。
上記課題を解決すべく本発明者が鋭意検討を行った結果、ポリスチレン樹脂やハイインパクトポリスチレン樹脂をベースとしながら、所定のポリエチレン系樹脂を含有させることで当該ポリスチレン系樹脂を水蒸気バリア性に優れたものとし得ることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するためのポリスチレン系樹脂フィルムに係る本発明は、ポリスチレン樹脂及びハイインパクトポリスチレン樹脂の一方又は両方が50質量%以上80%以下含有されており、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂の一方又は両方が20質量%以上50質量%以下含有されていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するための積層発泡シートに係る本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に上記のようなポリスチレン系樹脂フィルムが積層されていることを特徴とし、発泡樹脂製容器に係る本発明はこのような積層発泡シートが熱成形されて形成されたことを特徴としている。
本発明によれば、水蒸気バリア性と強度に優れたポリスチレン系樹脂フィルムや積層発泡シートが提供され、発泡樹脂製容器に優れた水蒸気バリア性と強度とを付与することができる。
以下に、本発明の実施の形態についてポリスチレン系樹脂フィルムがポリスチレン系樹脂発泡シートの片面に積層された積層発泡シートを例にしつつ説明する。
本実施形態の積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡シートの片面にポリスチレン系樹脂フィルムが積層された2層構成を有している。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう)としては、原料のポリスチレン系樹脂をブタンなどの発泡剤とともに押出機に供給して溶融混練し、次いで、押出発泡することにより得られる一般的なポリスチレン系樹脂発泡シートを採用することができる。
ここで用いるポリスチレン系樹脂発泡シート2は、その発泡倍率や平均厚さは特に限定されないが、発泡倍率は、通常、1.1倍〜20倍程度とされ、好ましくは2倍〜15倍程度とされる。
また、平均厚さについては、通常、0.6mm〜3.0mm程度とされ、好ましくは1.5mm〜2.5mm程度である。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの原料樹脂は、特に限定されるものではなく、例えばスチレン単独重合体、あるいはスチレンを50質量%以上含む共重合体が挙げられる。
この共重合体としては、例えば、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体が挙げられ、具体的には、スチレン−無水マレイン酸、スチレン−(メタ)アクリル酸、スチレン−アクリロニトリル等の共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン等の3元共重合樹脂等が挙げられる。
より詳しくは、前記スチレン系モノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなどが挙げられる。
また、このようなスチレン系モノマーと共重合体を形成するモノマーとしては、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブタジエン、無水マレイン酸などが挙げられる。
なかでも、この発泡シートの原料樹脂としては、スチレン単独重合体を主成分としたポリスチレン樹脂(GPPS)か、ブタジエンなどの共役ジエンとスチレン系モノマーとのブロック共重合体、ゴム成分がスチレンポリマーにグラフトされたグラフト共重合体、或いは、これらの水素添加物といったハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)か、又は、これら(GPPSとHIPS)を混合して用いることが好ましい。
また、本実施形態の積層発泡シートを熱成形して作製される発泡樹脂成形品に耐熱性が要求されるような場合には、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等のポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)を発泡シートの原料樹脂中における割合が10質量%〜50質量%となるように含有させることも可能である。
なお、前記原料樹脂としては、スチレンダイマー、スチレントリマーを含む低分子量成分を低減させた樹脂を使用することが、より低分子量成分の溶出を少なくすることができ、積層発泡シートを食品容器の形成材料に適したものとし得る点において好ましい。
本実施形態における発泡シートとしては上記のような原料樹脂を気泡調整剤や発泡剤とともに押出機で溶融混練して該押出機の先端に装着したサーキュラーダイから押出発泡させてシート化させたものを採用することができる。
該発泡シートの形成に用いられる前記発泡剤としては、押出発泡の際の樹脂温度以下の沸点を有する物理発泡剤や前記樹脂温度以下の分解温度を有する化学発泡剤を採用することができ、前記物理発泡剤としては、例えば、窒素、炭酸ガス、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、tert−ブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソヘプタン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、ジメチルエーテル、水等が挙げられる。
これらの物理発泡剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、これらの発泡剤の中でも、ノルマルブタンおよびイソブタンが特に好ましい。
該発泡シートの気泡サイズを約40μm以下とする場合は、発泡剤として窒素、炭酸ガスあるいは水を使用するのが好ましい。
特に、窒素および炭酸ガスは、安価であるという点においても好ましい。
このような物理発泡剤の押出発泡時における添加量は、通常、原料樹脂100質量部に対して0.25質量部〜5.0質量部程度とされる。
前記化学発泡剤としては、従来公知のものを採用することができ、例えば、前記分解型発泡剤としては、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素化ナトリウム等の無機系化学発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリルおよびジアゾアミノベンゼンなどのアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタンメチレンテトラミンおよびN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジドトリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート、クエン酸などが挙げられる。
該発泡剤とともに発泡シートの発泡状態を調節させるための気泡調整剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物などが採用可能である。
該気泡調節剤の添加量は、通常、原料樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜6.0質量部程度とされる。
また、発泡シートには、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、滑剤、着色剤等を添加してもよい。
このような発泡シートに積層される前記ポリスチレン系樹脂フィルムは、積層発泡シートに水蒸気バリア性を付与するためのものでポリスチレン系樹脂発泡シートに比べて防湿性に優れたものである。
該防湿フィルムは、実質上非発泡な状態となって積層発泡シートの形成に用いられ、その厚みは、通常、10μm〜200μmであり、15μm〜180μmとされることが好ましく、20μm〜150μmとされることがより好ましい。
なお、該ポリスチレン系樹脂フィルム(以下、「防湿フィルム」ともいう)は、その原料樹脂中にポリスチレン樹脂(GPPS)、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)の一方、又は、両方を50質量%以上80質量%以下含有させ、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)及び高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)の一方、又は、両方を20質量%以上50質量%以下含有させることが優れた水蒸気バリア性(防湿性)を発揮させるために重要である。
該防湿フィルムの形成に用いるポリスチレン樹脂(GPPS)やハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)は、発泡シートに用いるものと同じであっても異なっていてもよい。
なお、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)及び前記高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)としては、特に限定されることなく広く一般に用いられているものを本実施形態においても採用することができる。
即ち、ポリエチレン樹脂としては、エチレンを高圧下において重合させることで分子中に長鎖分岐を形成させた低密度ポリエチレン樹脂や、エチレンをチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて中低圧下において重合させた高密度ポリエチレン樹脂、及び、この高密度ポリエチレン樹脂の重合プロセスにおいて1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンといったαオレフィンを少量添加することで分子中に短鎖分岐を形成させた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が知られているが、本実施形態においては、この直鎖状低密度ポリエチレン樹脂や高密度ポリエチレン樹脂を防湿フィルムの原料樹脂に採用することができる。
より具体的には、前記高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)としては、密度が0.942g/cm3以上のものを用いることができる。
(高密度ポリエチレン樹脂の密度の上限値は、通常、0.970g/cm3
また、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)としては、前記高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)よりも密度が低いものを用いることができる。
(直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の密度の下限値は、通常、0.910g/cm3
なお、本実施形態の防湿フィルムの原料樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、及び、高密度ポリエチレン樹脂の内の1種類のみを採用してもよく複数を組み合わせて採用してもよい。
特には、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とを併用することが好ましい。
また、前記ポリスチレン樹脂やハイインパクトポリスチレン樹脂についても、両方を防湿フィルムの原料樹脂に採用する必要はないが、これら両方を防湿フィルムの原料樹脂として採用することが好ましい。
なかでも、前記防湿フィルムは、その原料樹脂に前記ポリスチレン樹脂が20質量%以上30質量%以下、前記ハイインパクトポリスチレン樹脂が20質量%以上30質量%以下含有されており、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が15質量%以上25質量%以下、前記高密度ポリエチレン樹脂が15質量%以上35質量%以下含有されていることが好ましい。
このような好ましい態様によれば、当該防湿フィルムを水蒸気バリア性に優れる状態にさせ得るばかりでなく、突き刺し強度などの機械的な特性にも優れたものとすることができる。
なお、この水蒸気バリア性とともに機械的物性において優れた特性をより顕著に発揮させ得る点においては、前記ポリスチレン樹脂としては、そのメルトマスフローレイト(以下、「MFR」ともいう)が5g/10min以上8.5g/10min以下であることが好ましい。
また、前記ハイインパクトポリスチレン樹脂としては、そのメルトマスフローレイト(MFR)が3g/10min以上8g/10min以下であることが好ましい。
また、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、そのメルトマスフローレイトが0.1g/10min以上2g/10min以下であることが好ましい。
さらに、前記高密度ポリエチレン樹脂としては、そのメルトマスフローレイトが0.1g/10min以上2g/10min以下であることが好ましい。
また、ポリスチレン樹脂とハイインパクトポリスチレン樹脂とを混合して用いるのに際しては、その混合樹脂のメルトマスフローレイト(MFR)が3.5g/10min以上8.5g/10min以下となるように混合割合や用いる樹脂を選択することが好ましい。
また、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とを混合して用いるのに際しては、その混合樹脂のメルトマスフローレイト(MFR)が0.3g/10min以上1.5g/10min以下となるように混合割合や用いる樹脂を選択することが好ましい。
なお、このMFRとは、本実施形態においては、JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載の方法により測定された値を意味する。
具体的には、測定装置(セミオートメルトインデクサー((株)東洋精機製作所製)のシリンダーに樹脂サンプル3〜8gを充てんし、充てん棒を用いて材料を圧縮し、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、及び、これらの混合樹脂においては、試験温度190℃、試験荷重21.18Nとし、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、及び、これらの混合樹脂においては、試験温度200℃、試験荷重49.03Nとした上で、各測定に予熱時間を4分程度確保して、3回程度の試験回数を重ねて平均値を計算することによって前記MFRの値を求めることができる。
なお、前記防湿フィルムについても、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、滑剤、着色剤等を含有させてもよい。
該防湿フィルムを前記発泡シートに積層させて積層発泡シートを形成させるには、前記発泡シートを押出発泡させるのに際して前記防湿フィルムを形成させるための原材料を共押出して積層させる共押出法、予め作製した発泡シートと防湿フィルムとを熱ロールを通過させるなどして熱融着させる熱ラミネート法、予め作製した発泡シートの上に防湿フィルムを形成させるための原材料をフィルム状に押出して前記発泡シートに熱融着させる押出ラミネート法などの従来積層発泡シートを作製するために広く用いられている方法を採用することができる。
また、要すれば、予め作製した発泡シートと防湿フィルムとを接着剤で貼り合せる方法を採用して積層発泡シートを形成させてもよい。
なお、本実施形態においては、ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面にのみ防湿フィルムを積層させているが、要すれば、他方の面にも防湿フィルムや該防湿フィルム以外の樹脂フィルムを積層させて3層構造、或いは、それ以上の積層構造を有する積層発泡シートを形成させるようにしてもよい。
本実施形態における前記積層シートは熱成形によって発泡樹脂製容器などの成形品を作製させるための原料シートとして好適に用いられうる。
なかでも、断熱性と軽量性とが求められるとともに内部の乾燥麺や具材を湿気から保護することが求められる即席麺用容器の形成材料として好適であるといえる。
このような発泡樹脂製容器を形成させるための熱成形に際しては、例えば、積層発泡シートを温度が230℃〜300℃に設定された加熱炉を通過させて軟化させた後、所望の成形型を用い成形時間3秒〜20秒の時間をかけて、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形、プレス成形などを行う方法が挙げられる。
なお、作製する発泡樹脂製容器として、前記即席麺用容器を形成させる場合には、その形状や寸法は、特に限定されず、例えば、カップ形状や丼形状とすることができる。
なお、本実施形態においては、ポリスチレン系樹脂フィルムを積層発泡シートの防湿フィルムとして利用する場合を例示しているが、本発明のポリスチレン系樹脂フィルムは、その用途が積層発泡シートに限定されるものではない。
また、本発明においては、ポリスチレン系樹脂フィルムを容器の形成に利用するような場合に、外部からの水分の侵入を防止する目的のみに利用されるものではない。
例えば、ポリスチレン系樹脂フィルム単独でハムなどを収容するための透明パック容器を形成させて、収容物たるハムの水気が失われることを防止するような場合も本発明が意図する範囲のものである。
即ち、本発明は上記例示に特に限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(原料樹脂)
ポリスチレン系樹脂フィルムを作製するために、以下のような樹脂を用いた。
1.「H850」
東洋スチレン社製、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)、商品名「H850」、ゴム成分8.9質量%含有、MFR(JIS K 7210の条件H(試験温度200℃、試験荷重49.03N))=3.5g/10min

2.「HRM10N」
東洋スチレン社製、ポリスチレン樹脂(GPPS)、商品名「HRM10N」、MFR(JIS K 7210の条件H(試験温度200℃、試験荷重49.03N))=6.6g/10min

3.「HY540」
日本ポリエチレン社製、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、商品名「HY540」、MFR(JIS K 7210の条件D(試験温度190℃、試験荷重21.18N))=1.0g/10min、密度=0.960g/cm3

4.「UH411」
日本ポリエチレン社製、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、商品名「UH411」、MFR(JIS K 7210の条件D(試験温度190℃、試験荷重21.18N))=0.3、密度=0.924g/cm3
(配合.1−9)
(ポリスチレン系樹脂フィルムの作製)
下記表1に示す質量割合で原料樹脂を含むポリスチレン系樹脂フィルムを厚み約120μmとなるように形成させた。
(評価)
ポリスチレン系樹脂フィルムについては、水蒸気バリア性を以下の透湿度測定によって評価した。
<透湿度の測定方法>
透湿度は、JIS Z 0208記載の方法(条件B)に準拠し測定した。
即ち透湿カップ(JIS規格品φ60mm)に無水塩化カルシウム15gを入れ、φ70mmの試験片を用い、蓋をして、さらに蓋と透湿カップの接着断面に、漏れ防止の為に溶かしたパラフィンを塗り付け完全密封状態とした。
その後40±0.5℃、相対湿度90±2%の環境下に96時間放置し、その増加質量より透湿度を算出した。
透湿度は、測定された24時間ごとの数値を算術平均し、1m2あたりに1日(24h)で透湿する質量に換算した。
なお、配合1−9の防湿フィルムの防湿性能は、この透湿度の値が、
20(g/m2/24h/atm)以上のものを「×」、
15(g/m2/24h/atm)以上20(g/m2/24h/atm)未満を「△」
6.5(g/m2/24h/atm)以上15(g/m2/24h/atm)未満を「○」
6.5(g/m2/24h/atm)未満を「◎」
として判定した。
(突刺強度)
得られたポリスチレン系樹脂フィルムと積層発泡シートについては、ASTM−D1164に基づくピンホール試験に準拠し、下記のような評価を行った。
ポリスチレン系樹脂フィルムと積層発泡シートとのそれぞれから、25mm×100mmの短冊状のテストピースを切り出し、圧縮試験機(A&D社製、型名「テンシロンRTC−1210A)を用いて、直径1mmの丸棒状で先端が曲率半径0.5mmとなっている針を前記テストピースに試験速度50mm/分の条件で突刺し、前記針がテストピースを貫通するまでに観測された最大荷重を突刺強度として評価した。
なお、積層発泡シートに関しては、ポリスチレン系樹脂フィルムに対して5回ずつ実施し、表には5回の結果の算術平均値を示している。
なお、配合1−9の防湿フィルムの突刺強度は、その値が、
0.5kgf以下のものを「×」、
0.5kgfを超え0.7kgf以下のものを「△」、
0.7kgfを超え0.9kgf以下のものを「○」、
0.9kgfを超えるものを「◎」
として判定した。
Figure 2013204014
この表からは、本発明によれば、必ずしも環状ポリオレフィン樹脂を使用しなくても水蒸気バリア性に優れたポリスチレン系樹脂フィルムを得ることができ、積層発泡シートや該積層発泡シートを熱成形して得られる発泡樹脂成形品に優れた防湿性を付与させ得ることがわかる。

Claims (6)

  1. ポリスチレン樹脂及びハイインパクトポリスチレン樹脂の一方又は両方が50質量%以上80%以下含有されており、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂の一方又は両方が20質量%以上50質量%以下含有されていることを特徴とするポリスチレン系樹脂フィルム。
  2. 前記ポリスチレン樹脂が20質量%以上30質量%以下、前記ハイインパクトポリスチレン樹脂が20質量%以上30質量%以下、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が15質量%以上25質量%以下含有されており、さらに、前記高密度ポリエチレン樹脂が15質量%以上35質量%以下含有されている請求項1記載のポリスチレン系樹脂フィルム。
  3. 前記ポリスチレン樹脂のメルトマスフローレイトが5g/10min以上8.5g/10min以下で、前記ハイインパクトポリスチレン樹脂のメルトマスフローレイトが3g/10min以上8g/10min以下で、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂のメルトマスフローレイトが0.1g/10min以上2g/10min以下であり、さらに前記高密度ポリエチレン樹脂のメルトマスフローレイトが0.1g/10min以上2g/10min以下である請求項2記載のポリスチレン系樹脂フィルム。
  4. 前記ポリスチレン樹脂と前記ハイインパクトポリスチレン樹脂とは、その混合樹脂のメルトマスフローレイトが3.5g/10min以上8.5g/10min以下となるように含有され、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と前記高密度ポリエチレン樹脂とは、その混合樹脂のメルトマスフローレイトが0.3g/10min以上1.5g/10min以下となるように含有されている請求項2又は3記載のポリスチレン系樹脂フィルム。
  5. ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面に請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂フィルムが積層されていることを特徴とする積層発泡シート。
  6. 請求項5記載の積層発泡シートが熱成形されて形成されたことを特徴とする発泡樹脂製容器。
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