JP2013203778A - 重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン交換容量が大きく、吸水膨潤時の寸法安定性に優れる電解質膜を与えるポリアリーレン系重合体乃至その前駆体となる重合体を提供する。
【解決手段】下記式(001)で表される構造単位を主鎖に有する重合体であって、重合体中の下記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量α(mmol/g)が2.0を超え、前記αと重合体の重量平均分子量Mwとが下記式(X)の関係を満たす重合体。
Figure 2013203778

Mw/(α*1000)>25(X)
【選択図】なし

Description

本発明は、スルホ基を有する重合体乃至その前駆体となる重合体に関する。また、本発明は、これら重合体の製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池における電解質膜の材料として、スルホ基を有する重合体が検討されている。この重合体としては、ナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロアルキレン系重合体が、古くから検討されているが、高価であり、また、耐熱性や強度が不十分であるという問題がある。このような問題を解消するため、ポリアリーレン系重合体が、近年、検討されており、その際、イオン交換容量を大きくし、ひいてはプロトン伝導性に優れる電解質膜を得るべく、スルホ基含有量を多くすることが検討されている。例えば、特許文献1及び2には、2つ乃至3つのスルホ基を置換基として有するフェニレン基を主鎖の構造単位として有するポリアリーレン系重合体が開示されている。
特開2010−70750号公報 特開2011−190237号公報
特許文献1及び2に開示のポリアリーレン系重合体は、イオン交換容量が大きいと、吸水膨潤時に寸法変化し易い電解質膜を与えることがある。そこで、本発明の目的は、イオン交換容量が大きく、吸水膨潤時の寸法安定性に優れる電解質膜を与えるポリアリーレン系重合体乃至その前駆体となる重合体を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、下記式(001)で表される構造単位を主鎖に有する重合体であって、重合体中の下記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量α(mmol/g)が2.0以上であり、前記αと重合体の重量平均分子量Mwとが下記式(X)の関係を満たす重合体を提供する。
Figure 2013203778
(A1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記式(1b)で表される基を表す。
Figure 2013203778
(R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Figure 2013203778
(Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Mw/(α*1000)>25 (X)
また、本発明は、前記重合体の好適な製造方法であって、下記式(5)で表される芳香族化合物(A)を、ニッケル化合物と、金属還元剤と、下記配位子(L1)、下記配位子(L2)及び下記配位子(L3)からなる群から選ばれる少なくとも2種の配位子との存在下に重合させる重合体の製造方法を提供する。
Figure 2013203778
(A1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記(1b)で表される基を表す。
Figure 2013203778
(R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Figure 2013203778
(Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。X及びX2は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
配位子(L1):電子求引性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子求引性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
配位子(L2):電子供与性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子供与性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
配位子(L3):2,2’−ビピリジンと、1,10−フェナントロリンとからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
本発明の重合体は、イオン交換容量が大きく、吸水膨潤時の寸法安定性に優れる電解質膜を与える。
本発明の重合体は、下記式(001)で表される構造単位を主鎖に有する重合体であって、重合体中の下記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量α(mmol/g)が2.0を超え、前記αと重合体の重量平均分子量Mwとが下記式(X)の関係を満たすことを特徴とする。
Figure 2013203778
(A1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記式(1b)で表される基を表す。
Figure 2013203778
(R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Figure 2013203778
(Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Mw/(α*1000)>25 (X)
本発明において、重合体の重量平均分子量(Mw)と重合体中の前記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量α(mmol/g)は次の様に算出する。
[重合体の重量平均分子量測定]
ゲル浸透クロマトグラフィ(以下、GPCと略記する。)により分析(分析条件は下記のとおり)し、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を算出する。
GPC測定装置:日立ハイテク製 L2000
RI検出器:SHODEX製 RI−101
光散乱検出器:Wyatt製 miniDawn
カラム:SHODEX製 Asahipak GF−7M HQ
カラム温度:60℃
流量:0.3mL/min
移動相:10mMテトラブチルアンモニウムブロミド NMP/DMSO=1/1溶液
[重合体中の前記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量α(mmol/g)の測定]
測定に供する重合体が、前記−SO、−SO、−SO及び−SOが、全てスルホ基(−SO2−OH)である場合、重合体を溶液キャスト法により成膜して重合体膜とし、形成された重合体膜を適当な重量になるように裁断し、裁断した重合体膜の乾燥重量を加熱温度105℃に設定されたハロゲン水分率計を用いて測定する。次いで、この膜を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5mLに浸漬した後、更に50mLのイオン交換水を加え、2時間放置する。その後、重合体膜が浸漬された溶液に、0.1mol/Lの塩酸を徐々に加えることで滴定を行って中和点を求め、使用した重合体膜(裁断した重合体膜)の乾燥重量と中和に要した塩酸の量から、重合体中の上記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量αを算出する。−SO、−SO、−SO及び−SOが、全てスルホ基(−SO2−OH)である場合、合計含有量αはイオン交換容量を示す。
前記A1〜A4が、式(1a)で表される基であり、R011が炭素数1〜20のアルキル基である場合、−SO〜−SOで表される基はスルホ基の前駆基である。この場合、予め測定に供する重合体の重量を測定し、その後、加水分解処理等を行い、−SO〜−SOを、スルホ基(−SO2−OH)に変換する。かかる加水分解処理は、特開2007−270118号公報等に記載の方法に準じて行われる。スルホ基に変換した後は、上記と同様に、重合体の乾燥重量と中和に要した塩酸の量から、重合体中の上記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量αを算出する。
前記A1〜A4が、式(1b)で表される基であり、Mがカチオンである場合、硫酸等の強酸により、−SO〜−SOを、スルホ基(−SO2−OH)に変換する。スルホ基に変換した後は、上記と同様に、重合体の乾燥重量と中和に要した塩酸の量から、重合体中の上記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量αを算出する。
前記Mwは、10,000〜10,000,000であり、中でも100,000〜5,000,000がより好ましく、150,000〜3,000,000がさらに好ましい。
前記α(mmol/g)は、2.0(mmol/g)より大きいことが好ましい。αが2.0(mmol/g)より大きいと、前記−SO、−SO、−SO及び−SOをスルホ基(−SO2−OH)に変換した場合、プロトン伝導性がより高くなり、燃料電池用の高分子電解質としての機能がより優れるので好ましく、α(mmol/g)は、3.0(mmol/g)以上であると、より好ましい。一方、αが7.0(mmol/g)以下であると、耐水性がより良好となるので好ましく、6.0(mmol/g)以下であるとさらに好ましい。該α(mmol/g)は、反応原料の仕込み比により、容易に調整できる。
前記式(001)において、−SO、−SO、−SO及び−SOの全てが、スルホ基(−SO2−OH)以外の基である場合、式(001)で表される構造単位はプロトン伝導性を発現しない。ただし、このようなスルホ基以外の−SO、−SO、−SO及び−SOで表される基は、容易にスルホ基に変換可能な、いわばスルホ基の前駆基であり、このような前駆基を有するポリマーは、優れたプロトン伝導性を発現するポリマーの前駆体として本発明の範疇に含まれるものである。
前記式(X)の関係を満たし、前記式(001)で表される構造単位を主鎖に有する重合体を含む高分子電解質膜が、吸水膨潤時の優れた寸法安定性を発現する理由は必ずしも明らかではない。しかしながら、本発明者は以下のように推定している。
イオン交換容量に対して重量平均分子量が一定の割合より大きいと高分子鎖の絡み合いや高分子鎖同士の相互作用が有効に作用し、吸水時の高分子鎖の動きを抑制することができ、また、前記式(001)で表される構造単位を有すると、疎水部の重量分率が相対的に高くなるため、結果として膜全体の寸法変化を抑制することができる。
Mw/(α*1000)=Qとすると、Q>25であり、Q≧40であることが好ましく、Q≧50であることがより好ましい。
1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記式(1b)で表される基を表す。
Figure 2013203778
(R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Figure 2013203778
(Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
ここで、「主鎖」とは、ポリマーを形成する最も長い鎖のことをいう。この鎖は共有結合により相互に結合した炭素原子から構成されていて、その際、この鎖は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等により中断されていてもよい。
以下、前記式(1a)及び式(1b)で表される基に関し、具体例を示して説明する。
1〜A4が、式(1a)で表される基であり、R011が水素原子であるとき、−SO〜−SOで表される基は、プロトン伝導性を発現するスルホ基(−SO−OH)となる。R011が炭素数1〜20のアルキル基である場合、−SO〜−SOで表される基はスルホ基の前駆基であり、例えば加水分解処理等により容易にスルホ基に変換することが可能である。この加水分解処理に関しても後述することとする。
また、A1〜A4が、式(1b)で表される基であるとき、−SO〜−SOで表される基は、カチオンで塩の形態となっているスルホ基に相当するものであり、このように塩の形態となっているスルホ基は公知のイオン交換処理により容易にスルホ基に変換可能である。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−メチルペンチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。
炭素数1〜20のアルコキシル基としては、例えば、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、イソプロポキシル基、ブトキシル基、sec−ブトキシル基、tert−ブトキシル基、ペンチルオキシル基、2,2−ジメチルプロポキシル基、ヘキシルオキシル基、シクロヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、オクチルオキシル基、ノニルオキシル基、デシルオキシル基、ウンデシルオキシル基、ドデシルオキシル基、トリデシルオキシル基、テトラデシルオキシル基、ペンタデシルオキシル基、ヘキサデシルオキシル基、ヘプタデシルオキシル基、オクタデシルオキシル基、ノナデシルオキシル基、イコシルオキシル基等の直鎖状、分枝鎖状又は環状の炭素数1〜20のアルコキシル基が挙げられ、炭素数1〜6のアルコキシル基が好ましく、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシル基がより好ましい。
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシル基としては、例えば、フェノキシル基、4−メチルフェノキシル基、2−メチルフェノキシル基、1−ナフチルオキシル基、2−ナフチルオキシル基、3−フェナントリルオキシル基、2−アントリルオキシル基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものなどが挙げられる。
炭素数2〜20のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族又は芳香族アシル基が挙げられる。
炭素数6〜20のアリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
前記カチオンとしては、金属イオン又はアンモニウムイオンであることが好ましい。
金属イオンとしては、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンであると、イオン交換手段により、容易にスルホ基に変換可能であるので好ましい。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等があげられる。アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン等があげられる。ただし、アルカリ土類金属イオンは2価カチオンであるので、前記−O以外のアニオンと結合している。通常、アルカリ土類金属イオン1モルが、スルホ基2モルとイオン結合して静電的に等価となっているか、アルカリ土類金属イオン1モル当たり、スルホ基1モルと他の1価アニオン1モルとがイオン結合して静電的に等価となっている。このような他の1価アニオンとしては、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、アルキル硫酸アニオン、アリール硫酸アニオン、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、クロロアニオン、ブロモアニオン、ヨードアニオン、水酸化物イオン等が挙げられる。
アンモニウムイオンとしては、第1級アンモニウムイオン、第2級アンモニウムイオン、第3級アンモニウムイオン又は第4級アンモニウムイオンのいずれでもよい。第1級アンモニウムイオンとしては、メチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、1−プロピルアンモニウムイオン、2−プロピルアンモニウムイオン、n−ブチルアンモニウムイオン、2−ブチルアンモニウムイオン、1−ペンチルアンモニウムイオン、2−ペンチルアンモニウムイオン、3−ペンチルアンモニウムイオン、ネオペンチルアンモニウムイオン、シクロペンチルアンモニウムイオン、1−ヘキシルアンモニウムイオン、2−ヘキシルアンモニウムイオン、3−ヘキシルアンモニウムイオン、シクロヘキシルアンモニウムイオン等が挙げられる。第2級アンモニウムイオンとしては、ジメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、ジ−1−プロピルアンモニウムイオン、ジ−2−プロピルアンモニウムイオン、ジ−n−ブチルアンモニウムイオン、ジ−2−ブチルアンモニウムイオン、ジ−1−ペンチルアンモニウムイオン、ジ−2−ペンチルアンモニウムイオン、ジ−3−ペンチルアンモニウムイオン、ジネオペンチルアンモニウムイオン、ジシクロペンチルアンモニウムイオン、ジ−1−ヘキシルアンモニウムイオン、ジ−2−ヘキシルアンモニウムイオン、ジ−3−ヘキシルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。第3級アンモニウムイオンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−1−プロピルアンモニウムイオン、トリ−2−プロピルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン、トリ−2−ブチルアンモニウムイオン、トリ−1−ペンチルアンモニウムイオン、トリ−2−ペンチルアンモニウムイオン、トリ−3−ペンチルアンモニウムイオン、トリネオペンチルアンモニウムイオン、トリシクロペンチルアンモニウムイオン、トリ−1−ヘキシルアンモニウムイオン、トリ−2−ヘキシルアンモニウムイオン、トリ−3−ヘキシルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。第4級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラ(1−プロピル)アンモニウムイオン、テトラ(2−プロピル)アンモニウムイオン、テトラ(1−ブチル)アンモニウムイオン、テトラ(2−ブチル)アンモニウムイオン、テトラ(1−ペンチル)アンモニウムイオン、テトラ(2−ペンチルアミン)アンモニウムイオン、テトラ(3−ペンチル)アンモニウムイオン、テトラ(ネオペンチル)アンモニウムイオン、テトラ(1−シクロペンチル)アンモニウムイオン、テトラ(1−ヘキシル)アンモニウムイオン、テトラ(2−ヘキシル)アンモニウムイオン、テトラ(3−ヘキシルアミン)アンモニウムイオン、テトラ(シクロヘキシル)アンモニウムイオン等が挙げられる。
−SO〜−SOで表される基がスルホン酸の前駆基である場合、すなわち、A1〜A4が、式(1a)で表される基であり、R11がアルキル基である場合、このような−SO〜−SOで表される基は、容易に加水分解処理等によってスルホ基に変換し易い傾向にある。かかる加水分解処理は、特開2007−270118号公報等に記載の方法に準じて行われる。
また、−SO〜−SOで表される基がスルホン酸の前駆基である式(001)で表される構造単位は、後述する本発明のポリマーの製造において、式(001)で表される構造単位を容易に導入し易いという利点もある。
前記式(001)中、R001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。
ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが例示される。
001〜R004としては、水素原子、フッ素原子、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシル基、シアノ基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。R001〜R004の全てが水素原子であることが特に好ましい。
前記A1〜A4は、それぞれ、同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さから、いずれも同一であるものが好ましい。
好ましいA1〜A4のうち少なくとも1つが、前記式(1a)で表される基であり、前記R011が、水素原子であることが好ましい。製造の容易さから、A1〜A4のうち2つ以上が、前記式(1a)で表される基であり、前記R011が、水素原子であることがより好ましく、A1〜A4の全てが、前記式(1a)で表される基であり、前記R011が、水素原子であることがさらに好ましい。
本発明体の重合体は、イオン交換基を有する式(001)で表される構造単位とイオン交換基を有しない構造単位とからなる共重合体が、高分子電解質膜としたとき、耐水性や機械強度に優れる傾向があるので、好ましい。この2種の構造単位の共重合様式は、ランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合の何れでもよく、好ましくは、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合であり、より好ましくは、ランダム共重合、ブロック共重合であり、特に好ましくはブロック共重合である。これらの共重合様式の組み合わせでもよい。
イオン交換基を有しない構造単位としては、下記式(002)で表される構造単位が好ましい。下記式(002)で表される構造単位は主鎖を主鎖に有する重合体が好ましい。
Figure 2013203778
(Ar000は、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
前記式(002)中、Ar000は、2価の芳香族基を表す。ここで、2価の芳香族基とは、芳香族化合物から、2個の水素原子を取り去った残基である。以降、同様の意味で、「2価の芳香族基」と言う言葉を用いる。芳香族化合物に含まれる芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環等の芳香族複素環が挙げられる。2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン等の2価の単環性芳香族基、1,3−ナフタレンジイル、1,4−ナフタレンジイル、1,5−ナフタレンジイル、1,6−ナフタレンジイル、1,7−ナフタレンジイル、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル等の2価の縮環系芳香族基、ピリジンジイル、キノキサリンジイル、チオフェンジイル等のヘテロ芳香族基等が挙げられる。好ましくは2価の単環性芳香族基である。
前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが例示される。
また、Ar000で表される2価の芳香族基が、アシル基を有する場合、該アシル基を有する2つの構造単位が隣接し、該2つの構造単位にあるアシル基同士が結合したり、このようにしてアシル基同士が結合した後、転位反応を生じたり、する場合がある。また、このように芳香環上の置換基同士が結合したり、結合後に転位反応を生じたりするような反応が生じたか否かは、例えば13C−核磁気共鳴スペクトルの測定により確認することができる。
ここで、前記式(002)で表される構造単位に関し、好適なものを例示する。
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
なお、これらの構造単位の例示において、「−Ph」はフェニル基を表す。
本発明において、好適な高分子電解質は、下記式(001a)で表される構造単位を有する、イオン交換基を有する構造単位と、前記式(002a)〜(002s)で表される構造単位を有する、イオン交換基を有しない構造単位とを有するものである。特に好適なイオン交換基を有する構造単位とイオン交換基を有しない構造単位の組み合わせとしては、(001a)と(002a)、(001a)と(002r)の構造単位の組み合わせをあげることができる。
Figure 2013203778
本発明の重合体は、イオン交換基を有するブロックと、イオン交換基を実質的に有しないブロックとを有するブロック共重合体であることが好ましい。特に好ましい共重合体として、主としてイオン交換基を有する式(001)で表される構造単位からなるブロック(イオン交換基を有するブロック)及び、主としてイオン交換基を有しない構造単位からなるブロック(イオン交換基を実質的に有しないブロック)とを有するブロック共重合体があげられる。
本発明において、「ブロック共重合体」とは、イオン交換基を有するポリマーと、イオン交換基を実質的に有さないポリマーとが、共有結合でつながり、長い連鎖になった分子構造のものをいう。本発明では、前記ポリマーを、「ブロック」という。ブロックとは、
骨格が同一の繰り返しが3個以上連結したものである。好ましくは、1種の繰り返し単位が5個以上連結したものである。ここで、該骨格とは、ポリマーを構成する主鎖であって置換基を含まないものをいう。
ここで、「イオン交換基を有するブロック」とは、イオン交換基が、該ブロックを構成する構造単位1個あたりで平均0.5個以上含まれているブロックであることを意味し、構造単位1個あたりで平均1.0個以上含まれているとより好ましい。
一方、「イオン交換基を実質的に有しないブロック」とは、イオン交換基が、該ブロックを構成する構造単位1個あたりで平均0.5個未満であるブロックであることを意味し、構造単位1個あたりで平均0.1個以下であるとより好ましく、平均0.05個以下であるとさらに好ましい。
典型的には、イオン交換基を有するブロックとイオン交換基を実質的に有しないブロックとが、直接結合で結合されているか、適当な原子又は原子団で結合された形態のブロック共重合体である。
前記イオン交換基を実質的に有しないブロックが、下記式(003)で表される構造を主鎖に有することが好ましい。
Figure 2013203778
(Ar〜Arは、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。Y及びYは、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表す。hは、2以上の整数を表す。)
a、b及びcは、互いに独立に0又は1を表す。hは、2以上の整数であり、好ましくは、例えば、2〜200の範囲の整数等を挙げることができ、より好ましくは、例えば、5〜200の範囲の整数等を挙げることができる。
Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが例示される。
1及びY2は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。また、Z001及びZ002は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、酸素原子であることが好ましい。
前記式(003)で表される構造のポリスチレン換算の重量平均式量としては、例えば、1,000〜2,000,000の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、1,000〜500,000の範囲等をあげることができる。本発明の重合体を固体高分子型燃料電池用の高分子電解質として用いる場合の好ましいポリスチレン換算の重量平均式量としては、例えば、2,000〜2,000,000の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、2,000〜1,000,000の範囲等を挙げることができ、より好ましくは、例えば、3,000〜800,000の範囲等が挙げられる。
前記式(003)で表される構造の具体例としては、例えば、下記式(003a)〜(003z)で表される構造等が挙げられる。なお、下記式中、nnは前記と同一の意味を表し、具体的には、例えば、2〜200の範囲等が挙げられ、好ましくは、例えば5〜200の範囲等が挙げられる。かかる前記式(003)で表される構造単位のポリスチレン換算の重量平均式量は、例えば、少なくとも1,000等を挙げることができ、好ましくは、例えば少なくとも2,000等を挙げることができ、より好ましくは、例えば、少なくとも3,000等が挙げられる。

Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
本発明の重合体全体のイオン交換基の導入量は、イオン交換容量で表して、2.0(meq/g)より大きいことが好ましい。イオン交換容量が2.0(meq/g)より大きいと、プロトン伝導性がより高くなり、燃料電池用の高分子電解質としての機能がより優れるので好ましく、3.0(meq/g)以上であるとより好ましい。一方、イオン交換基導入量を示すイオン交換容量が7.0meq/g以下であると、耐水性がより良好となるので好ましく、6.0(meq/g)以下であるとより好ましい。
イオン交換容量の測定方法としては、測定に供する重合体を溶液キャスト法により成膜して重合体膜とし、形成された重合体膜を適当な重量になるように裁断し、裁断した重合体膜の乾燥重量を加熱温度105℃に設定されたハロゲン水分率計を用いて測定する。次いで、この膜を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5mLに浸漬した後、更に50mLのイオン交換水を加え、2時間放置する。その後、重合体膜が浸漬された溶液に、0.1mol/Lの塩酸を徐々に加えることで滴定を行って中和点を求め、使用した重合体膜(裁断した重合体膜)の乾燥重量と中和に要した塩酸の量から、重合体のイオン交換容量を求める。
また、「イオン交換基」とは、イオン交換に係る基を表す。前記イオン交換基としては、ホスホン基(−PO)、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)、スルホンイミド基(−SO2−NH−SO2−R。ここでRはアルキル基、アリール基等の一価の置換基を表す。)、フェノール性水酸基(−OH)、水酸基(−OH)、メルカプト基(−SH)、一級アミノ基(−NH)、二級アミノ基(−NHR。Rは前記と同義である。)、三級アミノ基(−NRR’ 。Rは前記と同義である。)、四級アンモニウム基(−NRR’R’ ’ 。Rは前記と同義である。)、並びに、ピリジン、ピロール及びイミダゾール等の含窒素複素環基等が挙げられる。
本発明において、好適な高分子電解質は、下記式(001a)で表される構造単位を有するイオン交換基を有するブロック及び前記式(003a)〜(003z)で表される構造のいずれか1種以上を有するイオン交換基を実質的に有しないブロックを有するものである。また、(001a)で表される構造単位と、前記式(002a)〜(002s)で表される構造単位のいずれか1種以上とを有するイオン交換基を有するブロック及び前記式(003a)〜(003z)で表される構造のいずれか1種以上を有するイオン交換基を実質的に有しないブロックを有する高分子電解質も好適である。さらに好適なイオン交換基を有する構造単位とイオン交換基を有しない構造の組み合わせとしては、下記の表2の<004a>〜<004z>に示す組み合わせをあげることができる。
Figure 2013203778
Figure 2013203778
更に好ましくは、<004a>、<004b>、<004f>、<004h>、<004i>、<004k>、<004l>、<004m>、<004n>であり、より更に好ましくは<004a>、<004h>、<004i>、<004l>、<004m>又は<004n>であり、特に好ましくは<004a>、<004l>、<004m>又は<004n>であり、<004a>、<004l>、<004m>がより特に好ましい。
前記イオン交換基を有するブロックと、前記イオン交換基を実質的に有しないブロックとを有する重合体中の、前記イオン交換基を実質的に有しないブロックの含有量としては、例えば、5重量%以上、95重量%以下の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、10重量%以上、70重量%以下の範囲等が挙げられる。
次に、本発明の、好適な重合体の製造方法について説明する。
本重合体を得る重合方法としては例えば、下記式(5)で表される芳香族化合物(A)を、ニッケル化合物の存在下に重合させる方法があげられる。
Figure 2013203778
(A1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記(1b)で表される基を表す。
Figure 2013203778
(R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Figure 2013203778
(Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。X及びX2は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
前記ニッケル化合物としては、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル化合物、ハロゲン化ニッケル(例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル)、ニッケルカルボン酸塩(例えば、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル)、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等の2価ニッケル化合物等が挙げられ、好ましくは、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)及びハロゲン化ニッケルが挙げられる。
ニッケル化合物の使用量としては、反応に関与する全ての芳香族化合物1モルに対して、例えば、0.001〜5モルの範囲等が挙げられる。
触媒として2価のニッケル化合物を用いて重合する際に、含窒素二座配位子の存在下に行うことが好ましい。含窒素二座配位子としては、例えば、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。含窒素二座配位子を用いる場合の使用量としては、Mwを大きくする観点から、ニッケル化合物1モルに対して、例えば、0.2〜2モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、1〜1.5モルの範囲等が挙げられる。
触媒として2価のニッケル化合物を用いて重合する際に、さらに、金属還元剤を併用することが好ましい。金属還元剤とは、二価ニッケルをゼロ価ニッケルに還元可能な金属を意味する。具体的には、亜鉛、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ナトリウム等が挙げられ、亜鉛、マグネシウム及びマンガンが好ましく、亜鉛がより好ましい。通常、市販の金属還元剤が用いられる。また、金属還元剤の性状は、例えば、粉末状、チップ状等を挙げることができる。金属還元剤を用いる場合の使用量としては、Mwを大きくする観点から、反応に関与する全ての芳香族化合物1モルに対して、例えば、0.5〜10モルの範囲等を挙げることができる。
次に、本発明の特に好ましい重合体の製造方法について説明する。
本発明において、Q≧50となる重合体を得るには、下記式(5)で表される芳香族化合物(A)を、ニッケル化合物と、金属還元剤と、下記配位子(L1)、下記配位子(L2)及び下記配位子(L3)からなる群から選ばれる少なくとも2種の配位子との存在下に重合させることが好ましい。
Figure 2013203778
(A1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記(1b)で表される基を表す。
Figure 2013203778
(R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
Figure 2013203778
(Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。X及びX2は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
配位子(L1):電子求引性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子求引性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
配位子(L2):電子供与性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子供与性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
配位子(L3):2,2’−ビピリジンと、1,10−フェナントロリンとからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
前記式(5)における前記A1〜A4の好ましい具体例としては、それぞれ前記式(001)におけるA1〜A4と同様のものが例示され、好ましいものも同様のものである。前記式(5)における前記式(1a)及び前記式(1b)の好ましい具体例としては、それぞれ前記式(001)における前記式(1a)及び前記式(1b)と同様のものが例示され、好ましいものも同様のものである。前記式(5)における前記R001〜R004の好ましい具体例としては、それぞれ前記式(001)におけるR001〜R004と同様のものが例示され、好ましいものも同様のものである。但し、前記式(5)における前記R001〜R004は、(g1)以外の原子若しくは基又は(h1)以外の原子若しくは基であることが好ましい。
ここで、(g1)とは、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。
(g1)における炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及び炭素数1〜20のアルキル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。
(g1)を有する場合、(g1)としては、炭素数1〜20の無置換アルキル基、トリフルオロメチル基等のフッ素原子を有した炭素数1〜20のアルキル基、メトキシメチル基等の炭素数1〜20のアルコキシル基を有した炭素数1〜20のアルキル基、及び、シアノメチル基等のシアノ基を有した炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
ここで、(h1)とは、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基を表す。
(h1)における炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが例示される。
(h1)を有する場合、(h1)としては、炭素数2〜20の無置換アシル基、及び、フェノキシベンゾイル基等の炭素数6〜20のアリールオキシル基を有した炭素数2〜20のアシル基が好ましい。
及びX2としては、ヨウ素原子、臭素原子及び塩素原子であり、好ましくは、塩素原子及び臭素原子である。
芳香族化合物(A)としては、市販のものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。芳香族化合物(A)としては、例えば、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラオクチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラペンタデシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライコシル、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチルプロピル)、
4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラメチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラエチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラオクチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラペンタデシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライコシル等が挙げられる。
なかでも、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトライソプロピル及び4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチルプロピル)が好ましい。
芳香族化合物(A)は、例えば、WO2011/030921に記載の方法に従い製造することができる。
芳香族化合物(B)は、前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なり、芳香環と、前記芳香環に結合している塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選ばれる2つの脱離基とを有する芳香族化合物である。好ましくは、該脱離基が結合する炭素原子の隣接炭素原子に、下記(c1)、前記(g1)及び前記(h1)を有さない芳香族化合物である。より好ましくは、前記脱離基が結合する炭素原子の隣接炭素原子には水素原子が結合している芳香族化合物である。(g1)及び(h1)の例としては、それぞれ前記したものと同様のものが例示される。また、(g1)及び(h1)を有するときの好ましい例も、前記したものと同様である。
芳香族化合物(B)は、芳香族化合物(A)と構造的に異なっている。以下、芳香族化合物(A)、芳香族化合物(B)を纏めて、芳香族化合物と記すこともある。
芳香族化合物に含まれる芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環等の芳香族複素環が挙げられる。
ここで(c1)とは、下記式(10)で表される基を表す。
Figure 2013203778
(式(10)中、Aは炭素数1〜20のアルコキシル基を表す。ここで、前記アルコキシル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。)
(c1)の前記式(10)における炭素数1〜20のアルコキシル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
かかるアルコキシル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい。
炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
(c1)を有する場合、(c1)としては、Aが、イソプロポキシル基、2,2−ジメチルプロポキシル基、シクロヘキシルオキシル基である前記式(10)で表される基が好ましい。
前記脱離基が結合する炭素原子の隣接炭素原子以外の炭素原子には、前記(c1)、(g1)及び(h1)が結合していてもよい。
前記(c1)、(g1)及び(h1)は、芳香族化合物のカップリング反応に関与し
ない基である。
また、前記芳香環は、前記(c1)、(g1)及び(h1)以外の基であって芳香族化合物のカップリング反応に関与しない基を有していてもよい。
前記(c1)、(g1)及び(h1)以外の反応に関与しない基としては、例えば、下記(a1)、(b1)、(d1)、(e1)及び(f1)等が挙げられる。
(a1)フッ素原子;
(b1)シアノ基;
(d1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシル基;
(e1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシル基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(f1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシル基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシル基;
(d1)、(e1)及び(f1)における炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。
(d1)としては、炭素数1〜20の無置換アルコキシル基、メトキシメトキシル基等の炭素数1〜20のアルコキシル基を有した炭素数1〜20のアルコキシル基が好ましい。
(e1)としては、炭素数6〜20の無置換アリール基が好ましい。
(f1)としては、炭素数6〜20の無置換アリールオキシル基が好ましい。
反応に関与しない基としては、前記(c1)、(d1)、(g1)及び(h1)が好ましい。
芳香族化合物(B)としては、市販のものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
芳香族化合物(B)としては、例えば、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、3,5−ジクロロトルエン、3,5−ジブロモトルエン、3,5−ジヨードトルエン、3,4−ジブロモトルエン、
2,5−ジクロロアニソール、2,4−ジクロロアニソール、3,5−ジクロロアニソール、2,5−ジブロモアニソール、2,4−ジブロモアニソール、3,5−ジブロモアニソール、3,5−ジヨードアニソール、1,3−ジクロロ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−2−フェノキシベンゼン、1,5−ジクロロ−3−フェノキシベンゼン、1,4−ジブロモ−2−フェノキシベンゼン、1,5−ジブロモ−3−フェノキシベンゼン、
3,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、1,3−ジブロモ−5−エチルベンゼン、1,4−ジブロモ−2−メトキシベンゼン、ジメチル 2,5−ジブロモテレフタレート、1,4−ジブロモナフタレン、1,1’−ジブロモ−4,4’−ビフェニル、1,4−ジブロモ−2,5−ジヘキシルオキシベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、3−ブロモ−5−クロロトルエン、3−ブロモ−5−クロロ−2−プロピルベンゼン、3,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモチオフェン、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェン、2,5−ジクロロ−3−フェニルチオフェン、2,5−ジクロロピリジン、3,5−ジクロロピリジン、2,5−ジブロモピリジン、4−メチル−2,6−ジクロロピリジン、4−ヘキシル−2,6−ジクロロピリジン、5,5’−ジクロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジクロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジオクチル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン、
2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、
1,2−エチレングリコール ビス(p−クロロベンゾエート)、1,2−エチレングリコール ビス(m−クロロベンゾエート)、1,4−ブタンジオール ビス(p−クロロベンゾエート)、1,4−ブタンジオール ビス(m−クロロベンゾエート)、1,7−ヘプタンジオール ビス(p−クロロベンゾエート)、1,7−ヘプタンジオール ビス(m−クロロベンゾエート)等が挙げられる。
芳香族化合物(B)の異なる例示としては、下記式(6)で表される芳香族化合物を挙げることができる。
Figure 2013203778
(Ar〜Arは、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。Y及びYは、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表す。hは、2以上の整数を表す。X5及びX6は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
前記式(6)中、Ar〜Ar、Y、Y、Z、Z、a、b、c及びhは、それぞれ、前記式(003)中、Ar〜Ar、Y、Y、Z、Z、a、b、c及びhと、それぞれ同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
但し、前記式(6)中、X5が結合しているAr1及びX6が結合しているAr2の炭素原子の隣接炭素原子には、
(a2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基
及び
(e2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基;ただし、Xが結合しているAr及びArの炭素原子の隣接炭素原子には、(a2)及び(e2)は結合しない。
が結合しないことが好ましい。
5及びX6としては、それぞれ、塩素原子又は臭素原子であるが好ましい。
前記式(6)で表される芳香族化合物の具体例としては、下記に示す化合物、下記に示す化合物の両末端の塩素原子が臭素原子に代わった化合物等が挙げられる。なお、下記式中、hは前記と同一の意味を表す。
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
前記式(6)で表される芳香族化合物としては、日本国特許第2,745,727号公報等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセルPES等が挙げられる。
前記式(6)で表される芳香族化合物としては、そのポリスチレン換算の重量平均分子量が、例えば、1,000〜2,000,000の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、1,000〜500,000の範囲等をあげることができる。本発明の重合体を固体高分子型燃料電池用の高分子電解質として用いる場合の好ましいポリスチレン換算の重量平均分子量としては、例えば、2,000〜2,000,000の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、2,000〜1,000,000の範囲等を挙げることができ、より好ましくは、例えば、3,000〜800,000の範囲等が挙げられる。
芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合の具体例としては、
芳香族化合物(B)として、該芳芳香族化合物(A)とは異なる前記式(5)で表される芳香族化合物を用いる場合;及び
香族化合物(B)として、前記式(6)で表される芳香族化合物を用いる場合が挙げられる。
芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合、芳香族化合物(A)と芳香族化合物(B)の使用量をそれぞれ調整することにより、得られる重合体中の、芳香族化合物(A)から導かれる繰り返し単位及び芳香族化合物(B)から導かれる繰り返し単位の含量をそれぞれ調整することができる。
ニッケル化合物とはニッケルを含有する化合物であり、例えば、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル化合物;ハロゲン化ニッケル(例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等)、ニッケルカルボン酸塩(例えば、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等)、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル等の2価ニッケル化合物等を挙げることができ、好ましくは、例えば、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)及びハロゲン化ニッケル等が挙げられる。
ニッケル化合物の使用量は、反応に関与する全ての芳香族化合物1モルに対して、例えば、0.001〜0.8モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは0.01〜0.3モルの範囲等が挙げられる。
ニッケル化合物が、0.001モル以上であると、重合体の収率が向上する傾向があることから好ましく、0.8モル以下であると、反応終了後の重合体の取り出し操作が容易になる傾向があることから好ましい。
金属還元剤とは、二価ニッケルをゼロ価ニッケルに還元可能な金属を意味する。具体的には、亜鉛、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ナトリウム等が挙げられ、亜鉛、マグネシウム及びマンガンが好ましく、亜鉛がより好ましい。通常、市販の金属還元剤が用いられる。また、金属還元剤の性状は、例えば、粉末状、チップ状等を挙げることができる。
金属還元剤の使用量は、反応に関与する全ての芳香族化合物1モルに対して、例えば、1〜10モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは、1〜5モルの範囲である。
配位子は、配位子(L1)、配位子(L2)及び配位子(L3)からなる群から選ばれる少なくとも2種の配位子を用いる。少なくとも2種の組み合わせとしては、配位子(L1)及び配位子(L2)の組み合わせ、配位子(L1)及び配位子(L3)の組み合わせ、配位子(L2)及び配位子(L3)の組み合わせ並びに配位子(L1)、配位子(L2)及び配位子(L3)の組み合わせが挙げられ、配位子(L1)及び配位子(L2)の組み合わせが好ましい。
配位子(L1)は、電子求引性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子求引性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子である。
ここで、電子求引性基とは、Chemical Reviews 1991,91,165−195に記載のHammett式で定義されるσの値が正の置換基を意味する。
電子求引性基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜20のフッ化アルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基及びニトロ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のフッ化アルキル基としては、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族又は芳香族アシル基等が挙げられる。
好ましい電子求引性基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜20のフッ化アルキル基及び炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基等を挙げることができ、より好ましくは、メトキシカルボニル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
配位子(L1)における2,2’−ビピリジン化合物は、分子内に少なくとも一つの電子求引性基を有し、且つ、3位、6位、3’位及び6’位には水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物であればよく、電子求引性基以外の基を3位、6位、3’位及び6’位以外の位置に有していてもよい。
配位子(L1)における1,10−フェナントロリン化合物は、分子内に少なくとも一つの電子求引性基を有し、且つ、2位及び9位には水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物であればよく、電子求引性基以外の基を2位及び9位以外の位置に有していてもよい。
配位子(L1)は、少なくとも二つの電子求引性基を有することが好ましい。
配位子(L1)が2,2’−ビピリジン化合物である場合、2つのピリジン環のそれぞれが、一つの電子求引性基を有することが好ましい。
配位子(L1)が1,10−フェナントロリン化合物である場合、窒素原子を含む環のそれぞれが、一つの電子求引性基を有することが好ましい。
配位子(L1)としては、少なくとも二つの電子求引性基を有し、且つ、3位、6位、3’位及び6’位には水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物が好ましい。
少なくとも二つの電子求引性基を有し、且つ、3位、6位、3’位及び6’位に水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物としては、例えば、下記式(1)で表されるビピリジン化合物等を挙げることができる。

Figure 2013203778
(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は電子求引性基を表し、少なくとも1つが電子求引性基である。)
前記式(1)で表されるビピリジン化合物としては、例えば、4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジン、5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジン、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン等が挙げられ、好ましくは、例えば、4,4’−ビス(トリフルオ
ロメチル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン等が挙げられる。
少なくとも二つの電子求引性基を有し、且つ、2位及び9位には水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物としては、例えば、下記式(2)で表されるフェナントロリン化合物等を挙げることができる。

Figure 2013203778
(R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は電子求引性基を表し、少なくとも1つが電子求引性基である。)
前記式(2)で表されるフェナントロリン化合物としては、例えば、4,7−ジクロロ−1,10−フェナントロリン等が挙げられる。
配位子(L1)として、二種以上の2,2’−ビピリジン化合物を用いてもよいし、二種以上の1,10−フェナントロリン化合物を用いてもよいし、2,2’−ビピリジン化合物と1,10−フェナントロリン化合物とを併用してもよい。
配位子(L1)としては、前記式(1)で表される2,2’−ビピリジン化合物がより好ましい。
配位子(L2)は、電子供与性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子供与性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子である。
ここで、電子供与性基とは、Chemical Reviews 1991,91,165−195に記載のHammett式で定義されるσの値が負の置換基を意味する。
電子供与性基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数1〜20のジアルキルアミノ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−メチルペンチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシル基としては、例えば、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、イソプロポキシル基、n−ブトキシル基、sec−ブトキシル基、tert−ブトキシル基、ペンチルオキシル基、2,2−ジメチルプロポキシル基、ヘキシルオキシル基、シクロヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、オクチルオキシル基、ノニルオキシル基、デシルオキシル基、ウンデシルオキシル基、ドデシルオキシル基、トリデシルオキシル基、テトラデシルオキシル基、ペンタデシルオキシル基、ヘキサデシルオキシル基、ヘプタデシルオキシル基、オクタデシルオキシル基、ノナデシルオキシル基、イコシルオキシル基等が挙げられ、好ましくは、例えば、メトキシル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられ、好ましくは、例えば、フェニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のジアルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(2,2−ジメチルプロピル)アミノ基等が挙げられ、好ましくは、例えば、ジメチルアミノ基等が挙げられる。
好ましい電子供与性基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシル基等を挙げることができ、より好ましくは、tert−ブチル基、メトキシル基等が挙げられる。
配位子(L2)における2,2’−ビピリジン化合物は、分子内に少なくとも一つの電子供与性基を有し、且つ、3位、6位、3’位及び6’位には水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物であればよく、電子供与性基以外の基を3位、6位、3’位及び6’位以外の位置に有していてもよい。
配位子(L2)における1,10−フェナントロリン化合物は、分子内に少なくとも一つの電子供与性基を有し、且つ、2位及び9位には水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物であればよく、電子供与性基以外の基を2位及び9位以外の位置に有していてもよい。
配位子(L2)は、少なくとも二つの電子供与性基を有することが好ましい。
配位子(L2)が2,2’−ビピリジン化合物である場合、2つのピリジン環のそれぞれが、一つの電子供与性基を有することが好ましい。
配位子(L2)が1,10−フェナントロリン化合物である場合、窒素原子を含む環のそれぞれが、一つの電子供与性基を有することが好ましい。
配位子(L2)としては、少なくとも二つの電子供与性基を有し、且つ、3位、6位、3’位及び6’位には水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物が好ましい。
少なくとも二つの電子供与性基を有し、且つ、3位、6位、3’位及び6’位には水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物としては、例えば、下記式(3)で表されるビピリジン化合物等を挙げることができる。

Figure 2013203778
(R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は電子供与性基を表し、少なくとも1つが電子供与性基である。)
前記式(3)で表されるビピリジン化合物としては、例えば、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン等が挙げられ、好ましくは、例えば、4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン等が挙げられる。
少なくとも二つの電子供与性基を有し、且つ、2位及び9位には水素原子が結合して10いる1,10−フェナントロリン化合物としては、例えば、下記式(4)で表されるフェナントロリン化合物等を挙げることができる。
Figure 2013203778
(R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は電子求引性基を表し、少なくとも1つが電子供与性基である。)
前記式(4)で表されるフェナントロリン化合物としては、例えば、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン等が挙げられる。
配位子(L2)として、二種以上の2,2’−ビピリジン化合物を用いてもよいし、二種以上の1,10−フェナントロリン化合物を用いてもよいし、2,2’−ビピリジン化合物と1,10−フェナントロリン化合物とを併用してもよい。
配位子(L2)としては、前記式(3)で表される2,2’−ビピリジン化合物がより好ましい。
配位子(L3)は、2,2’−ビピリジンと、1,10−フェナントロリンとからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子である。好ましくは、2,2’−ビピリジンである。
前記少なくとも2種の配位子として、好ましい配位子(L1)及び配位子(L2)の具体的な組み合わせとしては、例えば、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、
4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、及び、
5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジンと4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン等が挙げられる。
配位子の合計の使用量としては、ニッケル化合物1モルに対して、例えば、0.2〜2モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは0.5〜1.7モルの範囲等が挙げられる。
配位子として、配位子(L1)及び配位子(L2)を用いる場合のそれぞれの使用量としては、例えば、合計の使用量1に対する一方の使用量の割合は、例えば、0.01〜0.99の範囲等が挙げられ、好ましくは0.1〜0.9の範囲等が挙げられる。配位子として、配位子(L1)及び配位子(L2)を用いる場合、配位子(L2)の使用量が、配位子(L1)の使用量よりも多いことがより好ましい。
本発明の製造方法は、芳香族化合物、ニッケル化合物、金属還元剤、前記少なくとも2種の配位子を混合することにより行われ、その混合順序は制限されないが、予め、ニッケル化合物及び前記少なくとも2種の配位子を混合する工程(以下、錯体調製工程と記すことがある)を有することが好ましい。ここでは、前記少なくとも2種の配位子として、好ましい配位子(L1)及び配位子(L2)を用いる場合を説明する。
具体的には、例えば、配位子(L1)、配位子(L2)及びニッケル化合物を溶媒中で混合する工程;
前記工程で得られた混合物からさらに配位子(L1)、配位子(L2)及びニッケル化合物からなるニッケル錯体を取り出す工程;
配位子(L1)とニッケル化合物とを溶媒中で混合する第1工程と、配位子(L2)とニッケル化合物とを溶媒中で混合する第2工程と、第1工程で得られた混合物と第2工程で得られた混合物とを混合する工程とからなる工程;
前記第1工程で得られた混合物からさらに配位子(L1)及びニッケル化合物からなるニッケル錯体を取り出す第1’工程と、前記第2工程と、第1’工程で得られたニッケル錯体と第2工程で得られた混合物とを混合する工程とからなる工程;
前記第1工程と、前記第2工程で得られた混合物からさらに配位子(L2)及びニッケル化合物からなるニッケル錯体を取り出す第2’工程と、第1工程で得られた混合物と第2’工程で得られたニッケル錯体とを混合する工程とからなる工程;
前記第1工程で得られた混合物からさらに配位子(L1)及びニッケル化合物からなるニッケル錯体を取り出す第1’工程と、前記第2工程で得られた混合物からさらに配位子(L2)及びニッケル化合物からなるニッケル錯体を取り出す第2’工程と、第1’工程で得られたニッケル錯体と第2’工程で得られたニッケル錯体とを混合する工程とからなる工程;
等を挙げることができる。
尚、混合物の色相の変化により、触媒調製工程においてニッケル錯体が調製されたことを判別することができる。
好ましい触媒調製工程としては、配位子(L1)、配位子(L2)及びニッケル化合物を溶媒中で混合する工程を有する製造方法である。
触媒調製工程は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
触媒調製工程における反応温度は、例えば、0〜250℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは30〜100℃の範囲を挙げることができる。
触媒調製工程における反応時間は、例えば、0.5〜48時間の範囲等を挙げることができる。
触媒調製工程を経由して得られたニッケル錯体と、前記金属還元剤との存在下、前記芳香族化合物(A)を重合させる工程(以下、反応工程と記すことがある)を経由して、重合体を製造することができる。
反応工程は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。
溶媒としては、用いる芳香族化合物及び生成する重合体が溶解し得る溶媒であればよい。かかる溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、エーテル溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。
溶媒の使用量としては、用いる全ての芳香族化合物1重量部に対して、例えば、1〜200重量部の範囲等を挙げることができ、好ましくは、例えば、5〜100重量部の範囲等を挙げることができる。溶媒が1重量部以上であると、芳香族化合物が少なくとも2つの脱離基を有する場合、得られる重合体の分子量が増大する傾向があることから好ましく、200重量部以下であると、得られる重合体を含む反応混合物の粘度が低下して取扱いが容易になる傾向があることから好ましい。
反応工程は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
反応工程における反応温度は、例えば、0〜250℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは30〜100℃の範囲を挙げることができる。
反応工程における反応時間は、例えば、0.5〜48時間の範囲等を挙げることができる。
反応工程の反応速度の向上のために、ハロゲン化合物を反応系に添加してもよい。
ハロゲン化合物としては、例えば、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化カリウム、例えば、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等のハロゲン化第4級アンモニウム等を挙げることができる。好ましくは、例えば、ハロゲン化ナトリウム等が挙げられ、より好ましく、ヨウ化ナトリウム等が挙げられる。
その使用量は、反応に関与する全ての芳香族化合物1モルに対して、通常0.001〜1モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。
生成した重合体は、反応工程終了後、生成した重合体を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合することにより、重合体を析出させ、析出した重合体を濾過により、反応混合物から分離することにより取り出すことができる。生成した重合体を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合した後、塩酸等の酸の水溶液を加え、析出した重合体を濾過により、反応混合物から分離してもよい。得られた重合体の分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。生成した重合体を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒としては、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル等が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。
原料モノマーとして、芳香族化合物(A)単独で重合反応させる場合、得られる重合体の具体例としては、下記式(23a)〜(23c)で表される繰り返し単位からなる重合体が挙げられる。
Figure 2013203778
上記重合体は、例えば、2〜10,000個範囲等の繰り返し単位を有する場合が挙げられ、該重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば、1,000〜6,000,000の範囲等が挙げられる。
原料モノマーとして、芳香族化合物(A)及び芳香族化合物(B)として前記式(6)で表される芳香族化合物を用いた場合、得られる重合体の具体例としては、前記式(23a)〜(23c)で表される繰り返し単位のうちのいずれか一つ以上の繰り返し単位とで表される繰り返し単位と(24a)〜(24y)で表される繰り返し単位のうちのいずれか一つ以上の繰り返し単位とで表される繰り返し単位とを主鎖に有する重合体等が挙げられる。該重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば、3,000〜3,000,000の範囲等が挙げられる。
前記式(001)で表される繰り返し単位を有するブロックと前記式(003)で表される構造を有するブロックとを有する重合体としては、例えば、前記式(23a)〜(23c)で表される繰り返し単位のうちのいずれか一つ以上の繰り返し単位と前記式(24a)〜(24y)で表されるブロックのうちのいずれか一つ以上のブロックとを有する重合体等が挙げられる。
具体的には、下記(III−1)〜(III−6)で表される重合体が挙げられる。ここで、下記式中、hは前記と同一の意味を表し、pは少なくとも2の整数を表す。
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
Figure 2013203778
二種類以上の繰り返し単位を有する重合体中の各繰り返し単位の含量は、用いる芳香族化合物の使用量を適宜調整することにより、調整することができる。
前記のようにして得られた重合体は、前記式(001)で表される構造単位を主鎖に有する重合体が、(1a)で表される基を含み、かつ、R011が1〜20のアルキル基である場合、脱保護反応を行い、R011を水素原子に変換するか、(1a)で表される基を(1b)で表される基に変換することが好ましい。かかる脱保護反応は、特開2007−270118号公報等に記載の方法に準じて行われる。
かくして得られた重合体は、いずれも燃料電池用の部材として好適に用いることができる。本発明の重合体は、燃料電池等の電気化学デバイスの高分子電解質として好ましく使用され、高分子電解質膜として、特に好ましく使用される。すなわち、本発明の高分子電解質は、本発明の重合体を含有する高分子電解質であり、本発明の高分子電解質膜は、本発明の高分子電解質を含有する高分子電解質膜である。なお、以下の説明においては、前記高分子電解質膜の場合を主として説明する。
この場合は、本発明の高分子電解質を膜の形態へ転化する。この方法(製膜法)には特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)を用いて製膜することが好ましい。溶液キャスト法は、高分子電解質膜製造として当業分野で、これまで広範に使用されている方法であり、工業的に特に有用である。
具体的には、本発明の高分子電解質を適当な溶媒に溶かして高分子電解質溶液を調製し、該高分子電解質溶液を支持基材上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。かかる支持基材としては、例えば、ガラス板や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等のプラスチックフィルムが挙げられる。
溶液キャスト法に使用する溶媒(キャスト溶媒)は、本発明の高分子電解質を十分溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、NMP、DMAc、DMF、DMI、DMSOは、本発明の高分子電解質の溶解性が高く、また、耐水性の高い高分子電解質膜が得られるため好ましい。
このようにして得られる高分子電解質膜の厚みは、特に制限はないが、燃料電池用高分子電解質膜(隔膜)としての実用的な範囲で5〜300μmが好ましい。膜厚が5μm以上の膜では実用的な強度が優れるため好ましく、300μm以下の膜では膜抵抗自体が小さくなる傾向があるので好ましい。膜厚は、前記溶液の濃度及び支持基材上の塗膜の塗布厚により制御できる。
また、膜の各種物性改良を目的として、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等の添加剤を本発明の重合体に添加して、高分子電解質を調製してもよい。また、同一溶剤に混合共キャストする等の方法により、他の重合体を本発明の共重合体と複合アロイ化して高分子電解質を調製することも可能である。このように、本発明の重合体と、添加剤及び/又は他の重合体とを組み合わせて高分子電解質を調製する場合には、該高分子電解質を燃料電池用部材に適用したときに、所望の特性が得られるようにして、添加剤及び/又は他の重合体の種類や使用量を決定する。
さらに燃料電池用途においては、燃料電池内で発生する水を有効に利用するために、無機又は有機の微粒子を保水剤として添加することも知られている。これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。また、このようにして得られた高分子電解質膜に関し、その機械的強度向上等を目的として、電子線・放射線等を照射するといった処理を施してもよい。
また、本発明の高分子電解質を用いた高分子電解質膜の強度や柔軟性、耐久性のさらなる向上のために、本発明の重合体を含む高分子電解質を多孔質基材に含浸させ複合化することにより、高分子電解質複合膜(以下、「複合膜」という。)とすることも可能である。複合化方法は公知の方法を使用し得る。
多孔質基材としては、上述の使用目的を満たすものであれば特に制限は無く、例えば多孔質膜、織布、不織布等が挙げられ、上述の使用目的にかなうものであれば、その形状や材質によらず用いることができる。多孔質基材の材質としては、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を考慮すると、脂肪族系高分子、芳香族系高分子が好ましい。
本発明の高分子電解質を用いた複合膜を、高分子電解質膜として使用する場合、多孔質基材の膜厚は、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmである。多孔質基材の孔径は、好ましくは0.01〜100μm、さらに好ましくは0.02〜10μmである。多孔質基材の空隙率は、好ましくは20〜98%、さらに好ましくは40〜95%である。
多孔質基材の膜厚が1μm以上であると、複合化後の強度補強の効果あるいは、柔軟性や耐久性を付与するといった補強効果がより優れ、ガス漏れ(クロスリーク)が発生しにくくなる。また、該膜厚が100μm以下であると、電気抵抗がより低くなり、得られた複合膜が燃料電池用高分子電解質膜として、より優れたものとなる。該孔径が0.01μm以上であると、本発明の重合体の充填がより容易となり、100μm以下であると、補強効果がより大きくなる。空隙率が20%以上であると、高分子電解質膜としての抵抗がより小さくなり、98%以下であると、多孔質基材自体の強度がより大きくなり補強効果がより向上するので好ましい。
また、本発明の高分子電解質を用いてなる複合膜と、本発明の高分子電解質を用いてなる高分子電解質膜とを積層してプロトン伝導膜として用いることもできる。
次に本発明の燃料電池について説明する。
燃料電池の基本的な単位となる、本発明の膜電極接合体(以下、「MEA」ということがある。)は、本発明の高分子電解質膜、本発明の高分子電解質複合膜、及び、本発明の高分子電解質と、触媒成分とを含む触媒組成物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いて製造することができる。
ここで触媒成分としては、水素又は酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金又は白金系合金の微粒子を触媒成分として用いることが好ましい。白金又は白金系合金の微粒子はしばしば活性炭や黒鉛などの粒子状又は繊維状のカーボンに担持されて用いられることもある。
カーボンに担持された白金又は白金系合金(カーボン担持触媒)を、本発明の高分子電解質の溶液及び/又は高分子電解質としてのパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂のアルコール溶液と共に混合してペースト化した触媒組成物を、ガス拡散層及び/又は高分子電解質膜及び/又は高分子電解質複合膜に塗布・乾燥することにより触媒層が得られる。具体的な方法としては例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。このようにして、高分子電解質膜の両面に触媒層を形成させることで、MEAが得られる。なお、該MEAの製造において、ガス拡散層となる基材上に触媒層を形成した場合は、得られるMEAは高分子電解質膜の両面にガス拡散層と触媒層とをともに備えた膜−電極−ガス拡散層接合体の形態で得られる。また、ペースト化した触媒組成物を高分子電解質膜に塗布して高分子電解質膜上に触媒層を形成させた場合は、得られた触媒層上にさらにガス拡散層を形成させることで、膜−電極−ガス拡散層接合体が得られる。
ガス拡散層には公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布、カーボン不織布又はカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
このようにして製造されたMEAを備えた燃料電池は、燃料として水素ガス又は改質水素ガスを使用する形式はもとより、メタノールを用いる各種の形式で使用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
分子量の測定:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。
[ 条件1 ]
GPC測定装置:日立ハイテク製 L2000
RI検出器:SHODEX製 RI−101
光散乱検出器:Wyatt製 miniDawn
カラム:SHODEX製 Asahipak GF−7M HQ
カラム温度:60℃
流量:0.3mL/min
移動相:10mMテトラブチルアンモニウムブロミド NMP/DMSO=1/1溶液
[ 条件2 ]
GPC測定装置:株式会社島津製作所製 CTO−10A
カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL
検出波長:300nm
カラム温度:40℃
流量:0.5mL/min
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
α(mmol/g)の測定:
測定に供する重合体を溶液キャスト法により成膜して重合体膜とし、形成された重合体膜を適当な重量になるように裁断し、裁断した重合体膜の乾燥重量を加熱温度105℃に設定されたハロゲン水分率計を用いて測定した。次いで、この膜を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5mLに浸漬した後、更に50mLのイオン交換水を加え、2時間放置した。その後、重合体膜が浸漬された溶液に、0.1mol/Lの塩酸を徐々に加えることで滴定を行って中和点を求め、使用した重合体膜(裁断した重合体膜)の乾燥重量と中和に要した塩酸の量から、重合体のα(mmol/g)を算出した。
吸水膨潤時の寸法変化率:
23℃相対湿度50%の条件下で乾燥させた膜の面方向の寸法(Ld)と、80℃ 熱水中に膜を1時間以上浸漬し膨潤させた直後の膜の面方向の寸法(Lw)を測定し、以下のように計算して求めた。
寸法変化率[ % ] = ( L w − L d ) ÷ L d × 1 0 0 [ % ]
Qの計算:
Q=Mw/(α*1000)より求めた。
実施例1
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、下記式(i)
Figure 2013203778
で表されるWO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した重合体(Mw 3,200、Mn 1,700:前記分析条件2で測定)6.26gと、2,2’−ビピリジン7.85gと、N−メチル−2−ピロリドン29g、テトラヒドロフラン193gとを含む溶液を50℃に昇温し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)15.0gと、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)12.5gを加えてから70℃に昇温し、2時間攪拌した。
得られた反応混合物をメタノール993gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキをメタノールで3回、17%塩酸で2回洗浄し、さらに濾液のpHが4を超えるまで水洗を行なった。次に、冷却器を備えたフラスコに、ケーキと、ケーキと水との合計重量が393gになるように水を加え、さらに、メタノール393gを加え、バス温90℃で1時間過熱攪拌した。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥した。
乾燥したケーキをN−メチル−2−ピロリドン344gに溶解した後、35%塩酸を12.0g加え120℃で12時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン929gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で3回、熱水で5回、水で1回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は13.52gであった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

上述のように重合して得られた高分子電解質をジエチレングリコールジエチルエーテルに溶解して、濃度が6質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 6.89×105 [ 条件1 ]
α 4.8(mmol/g)
寸法変化率 10.1%
Q 144
実施例2
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、下記式(i)
Figure 2013203778
で表されるWO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した重合体(Mw 3,200、Mn 1,700:前記分析条件2で測定)20.87gと、2,2’−ビピリジン26.2gと、N−メチル−2−ピロリドン98g、テトラヒドロフラン642gとを含む溶液を50℃に昇温し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)50.0gと、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)41.7gを加えてから70℃に昇温し、2時間攪拌した。
得られた反応混合物をメタノール3687gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキをメタノールで3回、17%塩酸で2回、水で11回洗浄し乾燥した。
乾燥したケーキをN−メチル−2−ピロリドン1335gに溶解した後、35%塩酸を40.7g加え120℃で15時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン4219gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で3回、熱水で5回、水で1回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は39.09gであった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

上述のように重合して得られた高分子電解質をジエチレングリコールジエチルエーテルに溶解して、濃度が5質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 17.60×105[ 条件1 ]
α 4.8(mmol/g)
寸法変化率 8.3%
Q 365
実施例3
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル5.45g、2,2’−ビピリジン3.89gをN−メチル−2−ピロリドン75gに溶解させて70℃で2時間攪拌し得られた溶液を、亜鉛粉末3.26g、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)10.0g、下記式(i)
Figure 2013203778
で表されるWO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した重合体(Mw 3,200、Mn 1,700:前記分析条件2で測定)6.73gをN−メチル−2−ピロリドン75gに溶解させ、1.5%メタンスルホン酸を含むN−メチル−2−ピロリドン2.56gを加えた後40℃で3時間加熱し得られた溶液に加えた。その後、50℃で2時間攪拌した。
得られた反応混合物を7.3%塩酸306gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキを7.3%塩酸で1回洗浄し、さらに濾液のpHが4を超えるまで水洗を行なった。次に、冷却器を備えたフラスコに、ケーキと、ケーキと水との合計重量が311gになるように水を加え、さらに、メタノール311gを加え、バス温90℃で1時間過熱攪拌した。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥した。
乾燥したケーキをN−メチル−2−ピロリドン143gに溶解した後、35%塩酸を10.1g加え120℃で20時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン671gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で2回、熱水で5回、水で1回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は3.63gであった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

上述のように重合して得られた高分子電解質をジエチレングリコールジエチルエーテルに溶解して、濃度が10質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 1.82×105[ 条件1 ]
α 3.8(mmol/g)
寸法変化率 11.4%
Q 48
実施例4
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、下記式(i)
Figure 2013203778
で表されるWO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した重合体(Mw 3,200、Mn 1,700:前記分析条件2で測定)10.08gと、2,2’−ビピリジン10.75gと、N−メチル−2−ピロリドン30g、テトラヒドロフラン270gとを含む溶液を50℃に昇温し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)15.0gと、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)17.1gを加えてから70℃に昇温し、2時間攪拌した。
得られた反応混合物をメタノール1158gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキをメタノールで3回、17%塩酸で2回洗浄し、さらに濾液のpHが4を超えるまで水洗を行なった。次に、冷却器を備えたフラスコに、ケーキと、ケーキと水との合計重量が466gになるように水を加え、さらに、メタノール466gを加え、バス温90℃で1時間過熱攪拌した。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥した。
乾燥したケーキをN−メチル−2−ピロリドン645gに溶解した後、35%塩酸を14.0g加え120℃で20時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン1700gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で3回、熱水で5回、水で1回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は16.98gであった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

上述のように重合して得られた高分子電解質をジエチレングリコールジエチルエーテルに溶解して、濃度が5質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 9.63×105[ 条件1 ]
α 4.0(mmol/g)
寸法変化率 5.6%
Q 241
実施例5
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル29.9g、2,2’−ビピリジン21.4gをN−メチル−2−ピロリドン192gに溶解させて70℃で2時間攪拌し得られた溶液を、亜鉛粉末17.91g、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)40.0g、2,5−ジクロロベンゾフェノン22.2gをN−メチル−2−ピロリドン68gと、ジオキサン260gに溶解させ、1.5%メタンスルホン酸を含むN−メチル−2−ピロリドン14.0gを加えた後40℃で3時間加熱し得られた溶液に加えた。その後、50℃で2時間攪拌した。
得られた反応混合物をメタノール2013gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキをメタノールで3回、17%塩酸で2回洗浄し、さらに濾液のpHが4を超えるまで水洗を行なった。次に、冷却器を備えたフラスコに、ケーキと、ケーキと水との合計重量が1243gになるように水を加え、さらに、メタノール1243gを加え、バス温90℃で1時間過熱攪拌した。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥した。
乾燥したケーキをN−メチル−2−ピロリドン965gに溶解した後、35%塩酸を37.22g加え120℃で20時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン1040gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で3回、熱水で2回、水で6回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(002r)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は36.36gであった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778

上述のように重合して得られた高分子電解質をジエチレングリコールジエチルエーテルに溶解して、濃度が4質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 1.99×105[ 条件1 ]
α 4.7(mmol/g)
寸法変化率 0.4%
Q 42
実施例6
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、下記式(ii)
Figure 2013203778
で表されるJP 2010/272363[実施例B2]に記載の方法で合成した重合体(Mw 11,000、Mn 18,000:前記分析条件2で測定)17.8gと、2,2’−ビピリジン24.8gと、N−メチル−2−ピロリドン88g、テトラヒドロフラン792gとを含む溶液を50℃に昇温し、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)44.0gと、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)39.6gを加えてから70℃に昇温し、2時間攪拌した。
得られた反応混合物をメタノール2765gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキをメタノールで3回、17%塩酸で2回洗浄し、さらに濾液のpHが4を超えるまで水洗を行なった。次に、冷却器を備えたフラスコに、ケーキと、ケーキと水との合計重量が1154gになるように水を加え、さらに、メタノール1154gを加え、バス温90℃で1時間過熱攪拌した。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥した。
乾燥したケーキをN−メチル−2−ピロリドン1428gに溶解した後、35%塩酸を46.4g加え120℃で16時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン4592gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で3回、熱水で5回、水で1回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は41.31gであった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

上述のように重合して得られた高分子電解質をジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が3質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 23.18×105[ 条件1 ]
α 4.7(mmol/g)
寸法変化率 7.1%
Q 493
実施例7
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル2.37g、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン2.37g、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン0.296gをN−メチル−2−ピロリドン78gに溶解させて70℃で1時間攪拌した後トルエン260g加え得られた溶液を、亜鉛粉末4.73g、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)26.0g、 下記式(iii)
Figure 2013203778
で表されるJP 2010/272363[実施例B1]に記載の方法で合成した重合体(Mw 10,000、Mn 16,000:前記分析条件2で測定)21.5gをN−メチル−2−ピロリドン208gに溶解させ、1.5%メタンスルホン酸を含むN−メチル−2−ピロリドン3.71gを加えた後40℃で3時間加熱し得られた溶液に加えた。その後、70℃で2時間攪拌した。
得られた反応混合物を2−ブタノン331gと、トルエン80gと、N−メチル−2−ピロリドン45gをと含む溶液に注ぎ込み、18.9%塩酸197gを加え、80度で1時間攪拌した。静置した後、有機層を分離した。分離した有機層にN−メチル−2−ピロリドン957gを加え、減圧条件下で溶媒702gを留去した。得られた混合物に35%塩酸を26.1g加え120℃で20時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン1939gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で3回、熱水で5回、水で1回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(003b)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は33.48gであった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

上述のように重合して得られた高分子電解質をジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が10質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 1.78×105[ 条件1 ]
α 3.5(mmol/g)
寸法変化率 6.5%
Q 51
比較例1
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル3.88gをN−メチル−2−ピロリドン60gに溶解させて70℃で1時間攪拌した後2,2’−ビピリジン2.77g加え得られた溶液を、亜鉛粉末2.32g、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)8.0g、下記式(i)
Figure 2013203778

で表されるWO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した重合体(Mw 3,200、Mn 1,700:前記分析条件2で測定)3.18gをN−メチル−2−ピロリドン60gに溶解させ、1.5%メタンスルホン酸を含むN−メチル−2−ピロリドン1.89gを加えた後40℃で3時間加熱し得られた溶液に加えた。その後、50℃で2時間攪拌した。
得られた反応混合物を7.3%塩酸284gに注ぎ込み析出物を濾過し、濾過して得られたケーキを7.3%塩酸で1回洗浄し、さらに濾液のpHが4を超えるまで水洗を行なった。次に、冷却器を備えたフラスコに、ケーキと、ケーキと水との合計重量が311gになるように水を加え、さらに、メタノール311gを加え、バス温90℃で1時間過熱攪拌した。ケーキを濾過し、メタノールで1回洗浄し乾燥した。
乾燥したケーキをN−メチル−2−ピロリドン63gに溶解した後、35%塩酸を8.09g加え120℃で20時間攪拌した。
得られた混合物をアセトン230gに注ぎ込み、結晶を析出させた後、得られたケーキをアセトンで1回、13.2%塩酸で2回、熱水で5回、水で1回洗浄し、乾燥することにより、下記式(001a)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む高分子電解質を得た。収量は3.63gであった。
Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

上述のように重合して得られた高分子電解質をジメチルスルホキシドに溶解して、濃度が10質量%の高分子電解質溶液を調製した。
得られた高分子電解質溶液を、支持基材である巾300mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製、E5000グレード、厚さ100μm)に流延塗布して、流延膜を形成した。その後、支持基板と流延膜とを100℃に設定した熱風ヒーター乾燥炉へと搬送し、溶媒を除去して成膜した。
得られた膜を2N硫酸に2時間浸漬後、イオン交換水で水洗し、更に風乾した後に支持基材から剥離することで、高分子電解質膜を作製した。膜厚は10μmであった。

Mw 1.20×105[ 条件1 ]
α 4.8(mmol/g)
寸法変化率 19.1%
Q 25
実施例8
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル2.91g、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン2.23g、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン0.365gをN−メチル−2−ピロリドン160gに溶解させて70℃で1時間攪拌した後トルエン479g加え得られた溶液を、亜鉛粉末8.78g、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)45.0g、下記式(vii)
Figure 2013203778
で表されるWO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した芳香族化合物(Mw 3,200、Mn 1,700:前記分析条件で測定)18.8gをN−メチル−2−ピロリドン319gに溶解させ、5%メタンスルホン酸を含むN−メチル−2−ピロリドン6.90gを加えた後40℃で3時間加熱し得られた溶液に加えた。その後、70℃で2時間重合反応を行い、下式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは480,000、Mnは182,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例9
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル18.7mg、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン14.5mg、4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン2.7mgをN−メチル−2−ピロリドン3mLに溶解させて得られた溶液を、亜鉛粉末57.4mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)283mg、WO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した共役芳香族化合物(Mw 3,200、Mn 1,700:前記分析条件で測定)118mgをN−メチル−2−ピロリドン3mLに溶解させ、メタンスルホン酸0.65mgを加えた後50℃で2時間加熱し得られた溶液に加えた。その後、70℃で4時間重合反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは369,000、Mnは162,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例10
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル27.9mg、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン24.2mg、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン3.5mgをN,N−ジメチルアセトアミド3mLに溶解させて得られた溶液を、亜鉛粉末84.5mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’,6,6’−テトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)414mg、WO 2011/030921[実施例8]に記載の方法で合成した共役芳香族化合物(Mw 3,200、Mn 1,700[ 条件2 ])173mgをN,N−ジメチルアセトアミド3mLに溶解させ、メタンスルホン酸0.95mgを加えた後50℃で2時間加熱し得られた溶液に加えた。その後、70℃で4時間重合反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは525,000、Mnは217,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例11
実施例10において4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン24.2mgに代えて、4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン30.0mgを用いた以外は同様に反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは307,000、Mnは143,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例12
実施例10において4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン24.2mgに代えて、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン20.1mgを用いた以外は同様に反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは502,000、Mnは218,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例13
実施例10において4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン24.2mgに代えて、2,2’−ビピリジン17.4mgを用いた以外は同様に反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは292,000、Mnは133,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例14
実施例10において4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン24.2mg、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン3.5mgに代えて、4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン19.3mg、4,4’−ジトリフルオロメチル−2,2’−ビピリジン2.5.mgを用いた以外は同様に反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは50,000、Mnは26,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例15
実施例10において4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン24.2mgに代えて、1,10−フェナントロリン20.4mgを用いた以外は同様に反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは65,000、Mnは31,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)
実施例16
実施例10において4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン24.2mgに代えて、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン29.7mgを用いた以外は同様に反応を行い、下記式(i)で表される繰り返し単位と、下記式(003p)で表される構造とを含む重合体を得た。得られた重合体のMwは103,000、Mnは39,000[ 条件2 ]であった。

Figure 2013203778

Figure 2013203778
(hは繰り返し単位数を表す。)

Claims (32)

  1. 下記式(001)で表される構造単位を主鎖に有する重合体であって、重合体中の下記−SO、−SO、−SO及び−SOの合計含有量α(mmol/g)が2.0を超え、前記αと重合体の重量平均分子量Mwとが下記式(X)の関係を満たす重合体。
    Figure 2013203778
    (A1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記式(1b)で表される基を表す。
    Figure 2013203778
    (R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
    Figure 2013203778
    (Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
    001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
    Mw/(α*1000)>25 (X)
  2. 下記式(002)で表される構造単位をさらに主鎖に有する請求項1に記載の重合体。
    Figure 2013203778
    (Ar000は、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
  3. イオン交換基を有するブロックと、イオン交換基を実質的に有しないブロックとを有する請求項1又は2に記載の重合体。
  4. 前記イオン交換基を有するブロックが、前記式(001)で表される構造単位を主鎖に有する請求項3に記載の重合体。
  5. 前記イオン交換基を実質的に有しないブロックが、下記式(003)で表される構造を主鎖に有する請求項3又は4に記載の重合体。
    Figure 2013203778
    (Ar〜Arは、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。Y及びYは、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表す。hは、2以上の整数を表す。)
  6. 前記hが、5以上の整数である請求項5に記載の重合体。
  7. 前記A1〜A4が、それぞれ、前記式(1a)で表される基であり、前記R011が、水素原子である請求項1〜6のいずれかに記載の重合体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の重合体を含む電解質。
  9. 請求項8に記載の高分子電解質を含む電解質膜。
  10. 多孔質基材をさらに含む請求項8に記載の電解質膜。
  11. 請求項8に記載の高分子電解質と、触媒成分とを含む触媒組成物。
  12. 請求項9又は10に記載の電解質膜及び請求項11に記載の触媒組成物からなる群から選ばれる少なくとも1つを有する膜電極接合体。
  13. 請求項12に記載の膜電極接合体を有する燃料電池。
  14. 下記式(5)で表される芳香族化合物(A)を、ニッケル化合物と、金属還元剤と、下記配位子(L1)、下記配位子(L2)及び下記配位子(L3)からなる群から選ばれる少なくとも2種の配位子との存在下に重合させる重合体の製造方法。
    Figure 2013203778
    (A1〜A4は、それぞれ独立に、下記式(1a)又は下記(1b)で表される基を表す。
    Figure 2013203778
    (R011は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記アルキル基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及び炭素数6〜20のアリールスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。)
    Figure 2013203778
    (Mは、カチオンを表す。前記カチオンは、2価以上のカチオンである場合、前記−O以外のアニオンと結合している。)
    001〜R004は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。X及びX2は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
    配位子(L1):電子求引性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子求引性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
    配位子(L2):電子供与性基を有し、3位、6位、3’位及び6’位にそれぞれ水素原子が結合している2,2’−ビピリジン化合物と、電子供与性基を有し、2位及び9位にそれぞれ水素原子が結合している1,10−フェナントロリン化合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
    配位子(L3):2,2’−ビピリジンと、1,10−フェナントロリンとからなる群から選ばれる少なくとも1つの配位子。
  15. 前記少なくとも2種の配位子が、前記配位子(L1)および前記配位子(L2)である請求項14に記載の重合体の製造方法。
  16. 前記芳香族化合物(A)とは異なり、芳香環と、前記芳香環に結合している塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選ばれる2つの脱離基とを有する芳香族化合物(B)を、さらに重合させる請求項14又は15に記載の重合体の製造方法。
  17. 前記芳香族化合物(B)が、下記式(7)で表される芳香族化合物である請求項16に記載の重合体の製造方法。
    Figure 2013203778
    (Ar000は、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。X3及びX4は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
  18. 前記配位子(L1)が、少なくとも2つの電子求引性基を有する請求項14〜17のいずれかに記載の重合体の製造方法。
  19. 前記配位子(L1)が、下記式(1)で表されるビピリジン化合物を含む請求項14〜18のいずれかに記載の重合体の製造方法。
    Figure 2013203778
    (R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は電子求引性基を表し、少なくとも1つが電子求引性基である。)
  20. 前記配位子(L1)が、下記式(2)で表されるフェナントロリン化合物を含む請求項14〜19のいずれかに記載の重合体の製造方法。
    Figure 2013203778
    (R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は電子求引性基を表し、少なくとも1つが電子求引性基である。)
  21. 前記電子求引性基が、フッ素原子、炭素数1〜20のフッ化アルキル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアシル基、シアノ基又はニトロ基である請求項14〜20のいずれかに記載の重合体の製造方法。
  22. 前記配位子(L2)が、少なくとも2つの電子供与性基を有する請求項14〜21のいずれかに記載の重合体の製造方法。
  23. 前記配位子(L2)が、下記式(3)で表されるビピリジン化合物を含む請求項14〜22のいずれかに記載の重合体の製造方法。
    Figure 2013203778
    (R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は電子供与性基を表し、少なくとも1つが電子供与性基である。)
  24. 前記配位子(L2)が、下記式(4)で表されるフェナントロリン化合物を含む請求項14〜23のいずれかに記載の重合体の製造方法。
    Figure 2013203778

    (R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は電子求引性基を表し、少なくとも1つが電子供与性基である。)
  25. 前記電子供与性基が、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基である請求項14〜24のいずれかに記載の重合体の製造方法。
  26. 前記芳香族化合物(B)が有する芳香環が、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環及びピリジン環からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項16〜25のいずれかに記載の重合体の製造方法。
  27. 前記芳香族化合物(B)が、下記式(6)で表される芳香族化合物である請求項16〜26のいずれかに記載の重合体の製造方法。
    Figure 2013203778
    (Ar〜Arは、それぞれ独立に、2価の芳香族基を表す。前記芳香族基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。前記アルキル基、前記アルコキシル基、前記アリール基、前記アリールオキシル基及び前記アシル基は、それぞれ独立に、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有していてもよい。Y及びYは、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表す。hは、2以上の整数を表す。X5及びX6は、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
  28. 前記hが、5以上の整数である請求項27に記載の重合体の製造方法。
  29. 前記ニッケル化合物が、ハロゲン化ニッケルである請求項14〜28のいずれかに記載の製造方法。
  30. 前記ニッケル化合物が、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)である請求項14〜28のいずれかに記載の製造方法。
  31. 前記金属還元剤が、亜鉛である請求項14〜30のいずれかに記載の製造方法。
  32. 前記ニッケル化合物、前記配位子(L1)及び前記配位子(L2)を混合する工程と、前記工程で得られたニッケル錯体と、前記金属還元剤との存在下に、前記芳香族化合物(A)を重合させる工程とを有する請求項14〜31のいずれかに記載の重合体の製造方法。
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