JP2013202505A - 吸湿シート - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな吸湿容量を有し、加熱処理により速やかに再生使用が可能で、白色で黄変の少ない吸湿シートを提供する。
【解決手段】基材上に少なくともALPO系ゼオライトと有機バインダーとを含む吸着材層を設けた吸湿シート。吸着材層は下記(I)〜(IV)の条件を全て満たす。
(I)20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
(II)160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
(III)白色度が60以上である。
(IV)有機バインダーの含有量が5〜20重量%で、主成分としてシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンの1つ以上を含有する。
【選択図】なし
【解決手段】基材上に少なくともALPO系ゼオライトと有機バインダーとを含む吸着材層を設けた吸湿シート。吸着材層は下記(I)〜(IV)の条件を全て満たす。
(I)20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
(II)160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
(III)白色度が60以上である。
(IV)有機バインダーの含有量が5〜20重量%で、主成分としてシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンの1つ以上を含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ALPO系ゼオライトを用いた吸湿シートであって、優れた吸湿性を有し、例えば、精密部品の輸送時、保管時等に使用される乾燥剤あるいは菓子類等の袋の中の湿気を取るための乾燥剤、除湿剤等として好適に用いられる再生可能な吸湿シートに関するものである。
従来、医薬品、食品、精密部品等の商品を、各種の梱包・保管容器内に入れて輸送、保管する場合、商品の吸湿、潮解等を防止し、水蒸気による変質等の悪影響から商品を保護する目的で乾燥剤が使用されてきた。
乾燥剤は、物理的乾燥剤と化学的乾燥剤に大別される。化学的乾燥剤は潮解や化学反応を利用して乾燥を行う乾燥剤であり、塩化カルシウムや塩化マグネシウム等の潮解性塩類、生石灰等が挙げられる。また、物理的乾燥剤は、細孔内に水蒸気を吸着することで乾燥を行う乾燥剤であり、シリカゲル、ゼオライト等が挙げられる。
化学的乾燥剤は主に食品等の保存用に使用されている。一方、物理的乾燥剤は、ガスの発生や潮解がなく安全性が高い為に、食品のみならず、例えば精密部品の輸送・保管などの用途にも使用することができる。特にシリカゲルは安価な乾燥剤であるため、様々な分野で広く使用されている。
シリカゲルは粉状又は粒状であるため、通常は透湿不透水性フィルム又は有孔フィルムからなる袋に収納されて使用される。しかしながら、袋に収納された場合、輸送中の衝撃で袋が破損する、或いはシリカゲルが砕けて微粒子状となって袋から漏れ出るなどの課題がある。
さらに、シリカゲルは低湿度領域での吸湿量が小さいため、低湿度で保管を行いたい場合には、大量のシリカゲルを封入する必要がある。つまり、この場合には、非常に嵩張るものとなるため、輸送・保管のコストが増大する。また、使用済みのシリカゲルの再生使用は困難であるため、保管容器を開封して、再度封止する際には、新たなシリカゲル袋に差し替える必要がある。
本来、シリカゲルは加熱により再生可能な乾燥剤であるが、袋状のシリカゲル乾燥剤の再生を効率的に行う為には、袋から中身のシリカゲルを取り出す作業が必要である。また、シリカゲルの再生温度は150〜200℃と比較的高温であるため、再生するには多くのエネルギーを要する。このため、多くの使用済みシリカゲルは再生使用されていないのが現状である。
このようなことから、廃棄処分されるシリカゲルは膨大であり、処分費用の増大も問題となっている。
このようなことから、廃棄処分されるシリカゲルは膨大であり、処分費用の増大も問題となっている。
上記の問題を解決するために、低温加熱で迅速に再生が可能であり、嵩張らず、薄いシート状に成形された吸湿シートが求められていた。
また、従来の乾燥剤は乾燥機能のみを追及しており、意匠性の低さから、商品パッケージのデザインを損なうという問題があった。よって、白色度が高く、黄変が少なく、商品の美観を損なうことのない吸湿シートが求められていた。
ところで、近年、低温加熱で再生が可能な物理的乾燥剤として、ALPO系ゼオライトが注目されており、乾燥剤としての利用も期待されている。ALPO系ゼオライトとは、骨格構造を構成する原子がAl及びPである、国際ゼオライト学会の定める結晶性アルミノフォスフェート類であり、このAl及び/又はPの一部が他のヘテロ原子で置換されたヘテロ原子−アルミノフォスフェートも含んだ総称である。
このALPO系ゼオライトをシート状に成形した吸湿シートとしては、特許文献1に、「少なくとも1種の熱可塑性樹脂と吸着材とを含む混合組成物を主成分として含有するフィルムを、少なくとも一軸方向に延伸して得られる多孔性吸着フィルムであって、吸着材が、ALPO系ゼオライトであり、かつ25℃で測定した水蒸気吸着等温線において相対蒸気圧0.01以上0.5以下の範囲で相対蒸気圧が0.15変化したときの吸着量変化が0.1g/g以上である相対蒸気圧域を有することを特徴とする多孔性吸着フィルム」が提案されており、その実施例には、平均粒子径2.7μmのSAPO(Pの一部がSiで置換されたALPO)、又は平均粒子径4.0μmのFAPO(Alの一部がFeで置換されたALPO)を使用したものが記載されている。
特許文献1に記載のフィルムは低温再生が可能であり、多孔質である為、加熱再生時間も比較的短くて済むが、延伸性を損なわずにこの多孔性吸着フィルムを安定的に製造するためには、混合組成物中のALPO系ゼオライトの含有量を少なくする必要があった。また、多孔性吸着フィルムの透気性を発現するために、高倍率で延伸する必要があり、フィルム面積あたりのALPO系ゼオライト量は少量となっていた。吸湿シートを乾燥剤として使用するには、フィルム面積あたりの吸湿量が10g/m2以上あることが好ましいが、本技術の多孔性吸着フィルムでは、フィルム面積あたりの吸湿量は10g/m2未満であり、本発明で目的とする乾燥剤としての用途に使用することはできなかった。
また、特許文献2には、基材上に吸着材層を設けた吸着性部材であって、該吸着材層は吸着性粒子とバインダーを必須成分とし、該バインダーが特定の化学構造を有するエポキシ硬化物であることを特徴とする吸着性部材が提案されており、その製造例にはSAPO(平均粒子径5μm)、セピオライト、エポキシ樹脂エマルジョン、硬化剤、増粘剤、水からなるスラリーを、アルミ箔上に塗布して乾燥、硬化させた吸着性シートの作製方法が記載されている。
特許文献2に記載の吸着性シートは、吸着性粒子が堆積した多孔質な吸着材層を有する為、加熱再生も迅速に行え、面積あたりの吸湿量が10g/m2以上のシートを得ることが可能である。しかしながら、有機バインダーがエポキシ樹脂であるため、熱処理を施した際に黄変しやすく、シートの白色度を低下させるという問題があった。また、バインダーのエポキシ樹脂を減らすと、黄変は低減できるが、基材との密着性が低下し、ゼオライトが脱落しやすくなるという問題があった。
特許文献2には基材への密着性を維持しつつ、白色で黄変の少ない吸湿シートを得る方法に関する具体的な検討の記載はなく、大きな吸湿容量、低温加熱による速やかな再生、高い白色度、黄変耐性の全てを満足する吸湿シートが望まれている。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、大きな吸湿容量を有し、低温の加熱処理により速やかに再生が可能で、白色で黄変の少ない吸湿シートを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材上にALPO系ゼオライトと特定の樹脂を主成分とする有機バインダーとで構成された、特定の物性を満たす吸着材層を設けた吸湿シートが、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 基材上に少なくともALPO系ゼオライトと有機バインダーとを含む吸着材層を設けた吸湿シートであって、下記(I)〜(IV)の条件を全て満たす吸湿シート。
(I)該吸着材層は、20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
(II)該吸着材層は、160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
(III)該吸着材層は、白色度が60以上である。
(IV)該有機バインダーの含有量は、該吸着材層に占める重量割合で5〜20%であり、主成分としてシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンよりなる群から選ばれる何れか1つ以上を含有する。
(I)該吸着材層は、20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
(II)該吸着材層は、160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
(III)該吸着材層は、白色度が60以上である。
(IV)該有機バインダーの含有量は、該吸着材層に占める重量割合で5〜20%であり、主成分としてシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンよりなる群から選ばれる何れか1つ以上を含有する。
[2] 前記有機バインダーの副成分としてエポキシ樹脂を、該有機バインダーの総量に対する重量割合で50%未満含有することを特徴とする[1]に記載の吸湿シート。
[3] 前記ALPO系ゼオライトは、ALPO及び/又はSAPOであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の吸湿シート。
[4] 前記吸着材層の厚みが50〜200μmであることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の吸湿シート。
[5] 前記吸着材層に白色顔料を含むことを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の吸湿シート。
[6] 前記基材上の吸着材層と反対側の面に粘着剤層を設けたことを特徴とする[1]ないし[5]のいずれかに記載の吸湿シート。
本発明の吸湿シートは、ALPO系ゼオライトと、有機バインダーとを、所定の重量比で含む吸着材層を、基材上に設けた吸湿シートとすることで、有機バインダーによるALPO系ゼオライトの吸脱着阻害を低減することができ、ALPO系ゼオライト単体の特性を活かした、低温での速やかな再生(水分の脱着)を実現できる。具体的には、汎用樹脂の耐熱温度に相当する80℃で、シート状乾燥剤として望ましい10g/m2以上の吸着(吸湿)容量を再生できるシートが得られる。したがって、本発明の吸湿シートは、吸着材層の厚みが50〜200μmと、薄く省スペースであるにも関わらず、シート状乾燥剤としての実用上の要求特性を満足することができる。
また、有機バインダーは特定の樹脂を主成分として含有しているので、エポキシ樹脂を主成分とする有機バインダーを用いた従来技術よりも、加熱によるシートの黄変を低減することができ、白色度に優れたシートを得ることができる。
さらに、副成分としてエポキシ樹脂を使用することで、所定の耐黄変性を維持しつつ、吸着材層への密着性を向上させることができる。また、ALPO系ゼオライトのなかでも、ALPO及び/又はSAPOを使用したり、白色顔料を併用することで、シートの白色度をより高めることができる。
したがって、本発明の吸湿シートを保管用の乾燥剤として使用した場合、従来のシリカゲル乾燥剤を使用したときよりも、輸送・保管コストを低減できる上に、再生使用により廃棄処分される乾燥剤の量を減らすことができる。さらに、白色で黄変が少ないため、意匠性が求められる分野にも好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する範囲に何ら限定されるものではない。
本発明の吸湿シートは、基材上に少なくともALPO系ゼオライトと有機バインダーとを含む吸着材層を設けた吸湿シートであって、下記(I)〜(IV)の条件を全て満たすことを特徴とする。
(I)該吸着材層は、20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
(II)該吸着材層は、160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
(III)該吸着材層は、白色度が60以上である。
(IV)該有機バインダーの含有量は、該吸着材層に占める重量割合で5〜20%であり、主成分としてシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンよりなる群から選ばれる何れか1つ以上を含有する。
なお、本発明において、「主成分」とは、全体の50重量%以上を占める成分をさす。以下において、本発明に係る有機バインダーの主成分を構成するものを「主成分バインダー」と称し、主成分バインダー以外の有機バインダー成分を「副成分バインダー」と称す場合がある。
(I)該吸着材層は、20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
(II)該吸着材層は、160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
(III)該吸着材層は、白色度が60以上である。
(IV)該有機バインダーの含有量は、該吸着材層に占める重量割合で5〜20%であり、主成分としてシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンよりなる群から選ばれる何れか1つ以上を含有する。
なお、本発明において、「主成分」とは、全体の50重量%以上を占める成分をさす。以下において、本発明に係る有機バインダーの主成分を構成するものを「主成分バインダー」と称し、主成分バインダー以外の有機バインダー成分を「副成分バインダー」と称す場合がある。
[基材]
本発明の吸湿シートの基材の材質としては、紙、合成紙、有機又は無機不織布、金属箔、樹脂などが挙げられるが、中でも基材と吸着材層との密着性と、材料コストの観点から、紙、合成紙、アルミニウム箔等が好ましい。
本発明の吸湿シートの基材の材質としては、紙、合成紙、有機又は無機不織布、金属箔、樹脂などが挙げられるが、中でも基材と吸着材層との密着性と、材料コストの観点から、紙、合成紙、アルミニウム箔等が好ましい。
基材の厚さは、基材の材質や吸湿シートの用途に応じて適宜決定されるが、通常、10〜150μm、特に20〜100μmであることが好ましい。基材の厚さは取扱い時の機械的強度を確保する上で厚い方が好ましく、吸湿シートの省スペース性や軽量化の観点からは薄い方が好ましい。
なお、基材は異なる材質のものを用いた2層以上の多層積層構造を有するものであっても良く、その吸着材層形成面側に、プライマー処理、エンボス加工、親水化処理等の処理が施されても良く、また、吸着材層形成面と反対側の面に粘着処理、エンボス加工等の処理が施されていてもよい。更に、用途によっては、基材の両面に吸着材層が形成されていてもよい。
特に、基材の一方の面に吸着材層を設け、反対側の面に粘着剤層を設けた場合には、この粘着剤層を介して商品の保管容器の内壁面等に吸湿シートを貼着し用いるなどの使用形態を採用することができ、吸湿シートが場所をとらず、また、保管容器内で移動したりすることもなく、好適である。
[ALPO系ゼオライト]
本発明において、吸着材層に含まれるALPO系ゼオライトは、前述の如く、骨格構造を構成する原子がAl及びPである、国際ゼオライト学会の定める結晶性アルミノフォスフェート類であり、Al及び/又はPの一部が他の原子(ヘテロ原子)で置換されたヘテロ原子−アルミノフォスフェートを含む。このようなヘテロ原子−アルミノフォスフェートとしては、Alの一部がFe,Co,Mg,Znから選ばれる少なくとも一種類の元素で置換されたものや、Pの一部がSiで置換されたものが挙げられる。ALPO系ゼオライトとしては、国際ゼオライト学会が定める骨格構造を示すコードで、CHA型やAFI型が好ましく、具体的にはSAPO−34、ALPO−5、特公平1−57041号、特開2003−183020号、特開2004−136269号等の公報に記載された公知の合成法に従って製造されたシリコアルミノフォスフェート(SAPO)等のALPO系ゼオライトを好ましく使用することができる。白色度の観点から、遷移金属で置換されたALPO系ゼオライト(例えばFAPO)よりも、色味の少ないALPO及び/又はSAPOが特に好ましい。
本発明において、吸着材層に含まれるALPO系ゼオライトは、前述の如く、骨格構造を構成する原子がAl及びPである、国際ゼオライト学会の定める結晶性アルミノフォスフェート類であり、Al及び/又はPの一部が他の原子(ヘテロ原子)で置換されたヘテロ原子−アルミノフォスフェートを含む。このようなヘテロ原子−アルミノフォスフェートとしては、Alの一部がFe,Co,Mg,Znから選ばれる少なくとも一種類の元素で置換されたものや、Pの一部がSiで置換されたものが挙げられる。ALPO系ゼオライトとしては、国際ゼオライト学会が定める骨格構造を示すコードで、CHA型やAFI型が好ましく、具体的にはSAPO−34、ALPO−5、特公平1−57041号、特開2003−183020号、特開2004−136269号等の公報に記載された公知の合成法に従って製造されたシリコアルミノフォスフェート(SAPO)等のALPO系ゼオライトを好ましく使用することができる。白色度の観点から、遷移金属で置換されたALPO系ゼオライト(例えばFAPO)よりも、色味の少ないALPO及び/又はSAPOが特に好ましい。
<吸脱着特性>
吸着材層に含まれるALPO系ゼオライトとしては、比較的低い相対湿度域で吸脱着が可能でかつ、低温で再生可能なALPO系ゼオライトが好ましく、いわゆるS字型の吸着特性を有するものが好ましい。特に、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.01〜0.5の範囲で、相対蒸気圧が0.15変化したときの吸着量変化が0.1g/g以上である相対蒸気圧域を有するものが好ましい。このようなALPO系ゼオライトとしては、三菱樹脂(株)の商品名AQSOA−Z01、Z02、Z05等が挙げられる。
吸着材層に含まれるALPO系ゼオライトとしては、比較的低い相対湿度域で吸脱着が可能でかつ、低温で再生可能なALPO系ゼオライトが好ましく、いわゆるS字型の吸着特性を有するものが好ましい。特に、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.01〜0.5の範囲で、相対蒸気圧が0.15変化したときの吸着量変化が0.1g/g以上である相対蒸気圧域を有するものが好ましい。このようなALPO系ゼオライトとしては、三菱樹脂(株)の商品名AQSOA−Z01、Z02、Z05等が挙げられる。
<平均粒径>
ALPO系ゼオライトの平均粒径は0.5〜10μm、特に1〜10μmであることが好ましい。吸着材層と空気の界面を増やして、光の反射を高める観点と、吸脱着速度を向上させる観点から、ALPO系ゼオライトの平均粒径は10μm以下が好ましく、後述する有機バインダーとの接着面積を大きくして、粉落ちの発生を防止する観点から、ALPO系ゼオライトの平均粒径は0.5μm以上が好ましい。
ここで、ALPO系ゼオライトの平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。
ALPO系ゼオライトの平均粒径は0.5〜10μm、特に1〜10μmであることが好ましい。吸着材層と空気の界面を増やして、光の反射を高める観点と、吸脱着速度を向上させる観点から、ALPO系ゼオライトの平均粒径は10μm以下が好ましく、後述する有機バインダーとの接着面積を大きくして、粉落ちの発生を防止する観点から、ALPO系ゼオライトの平均粒径は0.5μm以上が好ましい。
ここで、ALPO系ゼオライトの平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。
<吸着材層に占める含有量>
吸着材層中のALPO系ゼオライトの含有量は、多ければ吸湿シートの単位面積当たりのゼオライト量を大きくすることが可能となり、少なければ有機バインダー量が相対的に多くなり、吸着材層の成形性、基材との接着性に優れたものとなる。従って、吸着材層中のALPO系ゼオライトの含有量は65〜95重量%、特に70〜90重量%であることが好ましい。
吸着材層中のALPO系ゼオライトの含有量は、多ければ吸湿シートの単位面積当たりのゼオライト量を大きくすることが可能となり、少なければ有機バインダー量が相対的に多くなり、吸着材層の成形性、基材との接着性に優れたものとなる。従って、吸着材層中のALPO系ゼオライトの含有量は65〜95重量%、特に70〜90重量%であることが好ましい。
なお、ALPO系ゼオライトは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[有機バインダー]
本発明の吸湿シートの吸着材層における有機バインダーは、吸着材同士、吸着材と基材との接着を目的として用いられる。
本発明の吸湿シートの吸着材層における有機バインダーは、吸着材同士、吸着材と基材との接着を目的として用いられる。
<樹脂種>
本発明における有機バインダーの主成分は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンよりなる群から選ばれる何れか1つ以上からなる。これらの樹脂は、従来技術にあるエポキシ樹脂と比較すると黄変が起こり難いため好ましい。また、エポキシ樹脂を副成分として有機バインダーの総量の50重量%未満併用することで、基材への密着性と白色度を両立しやすいので好ましい。
本発明における有機バインダーの主成分は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンよりなる群から選ばれる何れか1つ以上からなる。これらの樹脂は、従来技術にあるエポキシ樹脂と比較すると黄変が起こり難いため好ましい。また、エポキシ樹脂を副成分として有機バインダーの総量の50重量%未満併用することで、基材への密着性と白色度を両立しやすいので好ましい。
本発明における有機バインダーとしては、熱硬化性バインダーでも、活性エネルギー線硬化性バインダーでも、熱可塑性のバインダーでも良く、それぞれ、熱硬化性又は活性エネルギー線硬化性有機バインダーの特長である耐熱性、熱可塑性有機バインダーの特長である低温造膜性等を考慮に入れ、吸湿シートの用途に応じて最適なものあるいは最適の組み合わせを選択することが好ましい。有機バインダーは吸着材表面の被覆を少なくする観点から、常温で固形のものが好ましい。
本発明における有機バインダーとしては、媒体に溶解又は分散可能な有機バインダーの何れも使用可能であるが、一般に媒体に分散可能なものを用いた方が、吸着材層の空隙率を高めることができ、有機バインダーによるALPO系ゼオライト表面の被覆も少なくできるため好ましい。また、有機バインダーを分散させる分散媒体は環境保護上の観点から水が好ましく、水系エマルジョンを好ましく用いることができる。水系エマルジョンのベース樹脂は、常温で固形のものが好ましい。
<主成分バインダー>
主成分バインダーとしてのシリコーン樹脂を用いた水系シリコーンエマルジョンは、良好な塗膜が得られるため好ましく、その市販品としては、東レ・ダウコーニング社製のBY22−826EX等が挙げられる。
主成分バインダーとしてのシリコーン樹脂を用いた水系シリコーンエマルジョンは、良好な塗膜が得られるため好ましく、その市販品としては、東レ・ダウコーニング社製のBY22−826EX等が挙げられる。
主成分バインダーとしてのアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸又はその誘導体を主成分としていることが好ましい。水系アクリル樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば、ROHMANDHAAS社製のプライマルK−3、プライマルTR−934、プライマルHA−8、プライマルNW−1402、プライマルNW−1715、プライマルE−693、プライマルE−1242E、ヘキスト合成(株)製のモビニール860、モビニール940、モビニール700、モビニール709、モビニール745、モビニール931、大日本インキ化学工業(株)製のボンコート3625、ボンコート3660K、ボンコートEC−863、ボンコートEC−898、ボンコートEC−818、ボンコートEC−840、ボンコートEC−846、ボンコートEC−856、等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコールを含むアクリル樹脂も好ましく使用できる。例えば、ポリアクリル鎖を主鎖とし、このポリアクリル鎖の主鎖又は側鎖にポリビニルアルコールが導入されたもの、ポリビニルアルコールを保護コロイドとして乳化されたもの等が挙げられる。このようなポリビニルアルコールを含むアクリル系樹脂の市販品としては、例えば、ダイセル化学工業社製のKCS−179、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル852、ダイセル化学工業社製のPA−82、日信化学工業社製のビニブラン2680、2683、2684、2685、2678、2689等に含まれるものが挙げられる。
また、アクリル系ラテックスも好適に使用できる。例えば、ダイセル化学工業(株)製のセビアンA4635、46583、4601など、日本ゼオン(株)製のNipolLx811、814、821、820、857等が挙げられる。特に、特開平10−264511号、特開2000−43409号、特開2000−343811号、特開2002−120452号の各公報に記載のアクリルシリコンラテックスの水系アクリルエマルジョン(市販品としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製のアクアブリッドシリーズUM7760、UM7611、UM4901、アクアブリッド903、同ASi−86、ASi−89、同ASi−91、ASi−753、同4635、同4901、同MSi−04S、同AU−124、同AU−131、同AEA−61、同AEC−69、同AEC−162など)等も好適に使用することができる。
一方、ウレタン樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエーテル系ウレタン樹脂、芳香族イソシアネート系エーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエステル系ウレタン樹脂、芳香族イソシアネート系エステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂、無黄変性ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記ポリエーテル系ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水分散型ウレタン樹脂VONDIC1040NS、同社製の水性ウレタン樹脂HYDRANHW−D01等が挙げられる。
また、上記無黄変性ポリエーテル系ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水分散型ウレタン樹脂VONDIC1930A−LS、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス110、600等が挙げられる。
また、上記芳香族イソシアネート系エーテル系ウレタン樹脂の市販品としては、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス870等が挙げられる。
上記ポリエステル系ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水性ウレタン樹脂HYDRANHW−301、HW−311、HW−337、HW−340、HW−350、AP−60LM等が挙げられる。
また、上記無黄変性ポリエステル系ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の水分散型ウレタン樹脂VONDICシリーズ1670NS、2210、2220、同社製の水性ウレタン樹脂HYDRANHW−112、HW−140SF、AP−10、AP−20、AP−70、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス620、E−2500等が挙げられる。
上記芳香族イソシアネート系エステル系ウレタン樹脂の市販品としては、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス700、750、820、830、840、860等が挙げられる。
また、上記無黄変性ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス126、150、150HS、170等が挙げられる。
また、上記無黄変性ポリエーテル・ポリエステル系ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス126、150、150HS、170等が挙げられる。
水系ポリオレフィン系エマルジョンとしては、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液が挙げられる。その市販品としては、東洋モートン株式会社製のAD−50C12、住友精化株式会社製のザイクセンAC、A−GH、L、N、ユニチカ株式会社製のアローベースSA−1200、SB−1200、SE−1200、SB−1010、東邦化学工業株式会社製のハイテックS−3121などが挙げられる。
主成分バインダーとしては、上記以外にもシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィンをベースとした変性樹脂やコアシェル型などの複合型のエマルジョンも好適に用いることができる。
上記の主成分バインダーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<副成分バインダー>
本発明に係る有機バインダーは、上記の主成分バインダーの他に、エポキシ樹脂等を副成分バインダーとして併用してもよい。この場合、エポキシ樹脂の使用量は、有機バインダーの総量に対して50重量%未満が好ましく、45重量%未満がより好ましい。エポキシ樹脂の含有量が少なければ、より黄変の少ない吸湿シートを得ることができ、エポキシ樹脂の含有量が多い場合は基材密着性に優れた吸湿シートを得ることができる。エポキシ樹脂は、例えば、有機バインダー中に10〜49重量%の割合で使用することが好ましい。
本発明に係る有機バインダーは、上記の主成分バインダーの他に、エポキシ樹脂等を副成分バインダーとして併用してもよい。この場合、エポキシ樹脂の使用量は、有機バインダーの総量に対して50重量%未満が好ましく、45重量%未満がより好ましい。エポキシ樹脂の含有量が少なければ、より黄変の少ない吸湿シートを得ることができ、エポキシ樹脂の含有量が多い場合は基材密着性に優れた吸湿シートを得ることができる。エポキシ樹脂は、例えば、有機バインダー中に10〜49重量%の割合で使用することが好ましい。
エポキシ樹脂としては、市販の水系エマルジョンを使用することができるが、特に特開2011−240330号公報に開示されているエポキシ樹脂エマルジョンを用いることが好ましい。また、脂環式のエポキシ樹脂を用いることもできる。
エポキシ樹脂についても、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<その他>
本発明における有機バインダーは、その種類に応じて、耐熱性や耐水性等の物性向上のために、必要な硬化剤や硬化促進剤と共に使用することが出来、この場合、これらの成分も含めて「有機バインダー」とする。
本発明における有機バインダーは、その種類に応じて、耐熱性や耐水性等の物性向上のために、必要な硬化剤や硬化促進剤と共に使用することが出来、この場合、これらの成分も含めて「有機バインダー」とする。
<吸着材層に占める含有量>
吸着材層中に占める有機バインダーの含有量は、最大で吸着材層中のALPO系ゼオライトを除いた量であるが、吸着材層中の重量割合で5〜20%が好ましく、10〜15%がより好ましい。吸着材層中の有機バインダー量が多ければ、ALPO系ゼオライトの脱落や、吸着材層のクラック発生を防止し、加工性に優れた吸湿シートを得ることができる。吸着材層中の有機バインダー量が少なければ、ALPO系ゼオライトの含有量が相対的に多くなり、十分な吸湿容量が得られる上に、吸着材層中の空孔率が高まり、加熱再生を速やかに行うことができるようになる。
吸着材層中に占める有機バインダーの含有量は、最大で吸着材層中のALPO系ゼオライトを除いた量であるが、吸着材層中の重量割合で5〜20%が好ましく、10〜15%がより好ましい。吸着材層中の有機バインダー量が多ければ、ALPO系ゼオライトの脱落や、吸着材層のクラック発生を防止し、加工性に優れた吸湿シートを得ることができる。吸着材層中の有機バインダー量が少なければ、ALPO系ゼオライトの含有量が相対的に多くなり、十分な吸湿容量が得られる上に、吸着材層中の空孔率が高まり、加熱再生を速やかに行うことができるようになる。
[白色顔料]
本発明に係る吸着材層には、白色顔料を配合することができる。
白色顔料としては、塗工紙などに使われる高速塗工可能な白色顔料を好適に用いることができ、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン等を用いることが好ましい。また、吸着材層の光線反射率を高めるために、酸化チタンや酸化亜鉛といった、高屈折率の粒子を添加することもできる。
これらの白色顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に係る吸着材層には、白色顔料を配合することができる。
白色顔料としては、塗工紙などに使われる高速塗工可能な白色顔料を好適に用いることができ、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン等を用いることが好ましい。また、吸着材層の光線反射率を高めるために、酸化チタンや酸化亜鉛といった、高屈折率の粒子を添加することもできる。
これらの白色顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
吸着材層に占める白色顔料の重量割合は1〜15%が好ましく、1〜10%が更に好ましい。吸着材層中の白色顔料の含有量が多すぎると、ALPO系ゼオライトの含有量が相対的に減ってしまい、十分な吸湿量を得られない可能性がある。また、白色顔料の含有量が少なすぎると、上記の配合効果を十分に得ることができない。
なお、白色顔料の平均粒径は、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。ここで、白色顔料の平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。
[その他の成分]
本発明の吸湿シートの吸着材層には、ALPO系ゼオライトと上記の有機バインダー及び必要に応じて配合される白色顔料の他、更に必要に応じて、その機能を損なわない範囲で、分散剤やレベリング改良剤、増粘剤、流動性改良剤、粘弾性調整剤、破泡剤、消泡剤、脱泡剤等の添加剤の1種又は2種以上を配合することができる。
本発明の吸湿シートの吸着材層には、ALPO系ゼオライトと上記の有機バインダー及び必要に応じて配合される白色顔料の他、更に必要に応じて、その機能を損なわない範囲で、分散剤やレベリング改良剤、増粘剤、流動性改良剤、粘弾性調整剤、破泡剤、消泡剤、脱泡剤等の添加剤の1種又は2種以上を配合することができる。
<低温加熱での再生速さ>
本発明の吸着材層は、80℃という低温の熱処理で速やかに水を脱着することが可能であり、その低温加熱での再生速さとして、以下の条件(I)を満たす。
(I)20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
本発明の吸着材層は、80℃という低温の熱処理で速やかに水を脱着することが可能であり、その低温加熱での再生速さとして、以下の条件(I)を満たす。
(I)20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
80℃の熱処理で短時間に再生できれば、いわゆる汎用樹脂製品と同時に熱処理することが可能であり、乾燥剤としては画期的な特性である。一般的に再生温度を高くすれば、再生に要する時間を短くすることができるが、本発明における吸着材層は、20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理を行ったときに、10g/m2以上の水分を脱着するものであり、この脱着量は好ましくは12g/m2以上である。
<反射イエローインデックス値変化(ΔYI)>
本発明における吸着材層は、黄変耐性に優れたものであり、その黄変耐性の程度として、以下の条件(II)を満たす。
(II)160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
好ましくは、この160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)は、4以下である。
ここで、ΔYIは、熱処理後のYIから熱処理前のYIを引いた値であり、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明における吸着材層は、黄変耐性に優れたものであり、その黄変耐性の程度として、以下の条件(II)を満たす。
(II)160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
好ましくは、この160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)は、4以下である。
ここで、ΔYIは、熱処理後のYIから熱処理前のYIを引いた値であり、後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
<白色度>
本発明における吸着材層は、白色度が高いものであり、その白色度の程度として、以下の条件(III)を満たす。
(III)白色度が60以上である。
この白色度は、好ましくは65以上である。
本発明における吸着材層は、白色度が高いものであり、その白色度の程度として、以下の条件(III)を満たす。
(III)白色度が60以上である。
この白色度は、好ましくは65以上である。
ここで、吸着材層の白色度はJIS Z−8722に準じた光学条件により、色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式により求めた値である。
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
本発明における吸着材層は、好ましくは160℃、1時間熱処理後においても白色度60以上を維持する。
<空孔率>
本発明の吸湿シートの吸着材層は、後掲の実施例の項に記載される方法で求めた空孔率が30〜65%、特に35〜60%であることが好ましい。吸着材層の吸脱着速度を高める点で空孔率は大きい方が好ましく、吸着材層の強度や基材への密着性を高める点で空孔率は小さい方が好ましい。
本発明の吸湿シートの吸着材層は、後掲の実施例の項に記載される方法で求めた空孔率が30〜65%、特に35〜60%であることが好ましい。吸着材層の吸脱着速度を高める点で空孔率は大きい方が好ましく、吸着材層の強度や基材への密着性を高める点で空孔率は小さい方が好ましい。
<厚み>
本発明の吸着材層の厚みは50〜200μmが好ましく、70〜150μmがより好ましい。吸着材層の厚みが厚ければ、吸湿容量を高めることができ、薄ければ、塗工時の乾燥性が良好になり、また、曲げなどの変形に対するシートの欠陥を防止することができる。
本発明の吸着材層の厚みは50〜200μmが好ましく、70〜150μmがより好ましい。吸着材層の厚みが厚ければ、吸湿容量を高めることができ、薄ければ、塗工時の乾燥性が良好になり、また、曲げなどの変形に対するシートの欠陥を防止することができる。
[吸湿シート]
本発明の吸湿シートは、少なくとも1つの吸着材層と基材とからなるが、1つの吸着材層と基材を合わせた厚みは60〜350μmが好ましく、90〜250μmが更に好ましい。
前述の如く、基材の両面に吸着材層を設けても良いが、吸着材層の一方の面にのみ吸着材層を設け、反対側の面に粘着剤層を設けても良い。この場合は、吸湿シートの総厚みは110〜550μmが好ましく、160〜400μmがより好ましい。
吸着材層が厚いことにより吸湿シートの総厚みが厚ければ、吸湿容量を高めることができ、また、基材が厚いことにより吸湿シートの総厚みが厚ければ、取扱い時の機械的強度を確保することができる。吸湿シートの総厚みが薄ければ、曲げなどの変形に対するシートの欠陥を防止することができる。
本発明の吸湿シートは、少なくとも1つの吸着材層と基材とからなるが、1つの吸着材層と基材を合わせた厚みは60〜350μmが好ましく、90〜250μmが更に好ましい。
前述の如く、基材の両面に吸着材層を設けても良いが、吸着材層の一方の面にのみ吸着材層を設け、反対側の面に粘着剤層を設けても良い。この場合は、吸湿シートの総厚みは110〜550μmが好ましく、160〜400μmがより好ましい。
吸着材層が厚いことにより吸湿シートの総厚みが厚ければ、吸湿容量を高めることができ、また、基材が厚いことにより吸湿シートの総厚みが厚ければ、取扱い時の機械的強度を確保することができる。吸湿シートの総厚みが薄ければ、曲げなどの変形に対するシートの欠陥を防止することができる。
[吸湿シートの製造方法]
本発明の吸湿シートを製造する方法としては、例えば、本発明の有機バインダーを構成する前述のエマルジョンに、ALPO系ゼオライト、必要に応じて用いられる白色顔料及びその他の成分を所定の割合で添加混合して吸着材層形成用のスラリーを調製し、この吸着材層形成用スラリーを基材に塗布した後、乾燥する方法が挙げられる。
本発明の吸湿シートを製造する方法としては、例えば、本発明の有機バインダーを構成する前述のエマルジョンに、ALPO系ゼオライト、必要に応じて用いられる白色顔料及びその他の成分を所定の割合で添加混合して吸着材層形成用のスラリーを調製し、この吸着材層形成用スラリーを基材に塗布した後、乾燥する方法が挙げられる。
吸着材層形成用スラリーの塗布方法としては、従来公知の塗布方法を用いることができる。具体的には、スクリーン印刷、パッド印刷、オフセット印刷、ダイコーター、ロールコーター、スプレーコーター、ワイヤーバーコーター、ナイフコーター、コンマコーターによる塗布が挙げられる。なかでも、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、コンマコーター、ダイコーターが生産性の観点から好ましい。
吸着材層形成用スラリー塗布後の乾燥は、通常80〜150℃で3〜30分程度行われる。
吸着材層形成用スラリー塗布後の乾燥は、通常80〜150℃で3〜30分程度行われる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
以下において、作製された吸湿シートの吸着材層及びシートの評価は、以下に記載の方法で行った。
(1)80℃,10分間加熱したときの水脱着量
片面に吸着材層を設けたシートを50mm×50mmの大きさに切り出し、20℃、30%Rhの恒温恒湿室にて重量変化がなくなるまで放置した後、株式会社島津製作所製の商品名「MOC63u」の時間停止モードにて加熱前後の重量変化を測定した。シートは吸着材層のある面を上に向けた状態で設置し、設定温度は80℃,設定時間は10分で測定を行った。熱処理前の重量から熱処理後の重量を引いた値を400倍した値を、シート1m2あたりの水の脱着量とし、下記の評価基準で判定した。
○:シート1m2あたりの水の脱着量が10g以上。
×:シート1m2あたりの水の脱着量が10g未満。
片面に吸着材層を設けたシートを50mm×50mmの大きさに切り出し、20℃、30%Rhの恒温恒湿室にて重量変化がなくなるまで放置した後、株式会社島津製作所製の商品名「MOC63u」の時間停止モードにて加熱前後の重量変化を測定した。シートは吸着材層のある面を上に向けた状態で設置し、設定温度は80℃,設定時間は10分で測定を行った。熱処理前の重量から熱処理後の重量を引いた値を400倍した値を、シート1m2あたりの水の脱着量とし、下記の評価基準で判定した。
○:シート1m2あたりの水の脱着量が10g以上。
×:シート1m2あたりの水の脱着量が10g未満。
(2)ΔYI
分光測色計(スガ試験機(株)製「SC−T」)を用いて、JIS K−7103に基づき、160℃,1時間の熱処理の前後で黄色度(YI値)を測定し、熱処理後のYI値から熱処理前のYI値を引いた値をΔYIとし、下記の評価基準で判定した。
○:ΔYIが5以下。
×:ΔYIが5よりも大きい。
分光測色計(スガ試験機(株)製「SC−T」)を用いて、JIS K−7103に基づき、160℃,1時間の熱処理の前後で黄色度(YI値)を測定し、熱処理後のYI値から熱処理前のYI値を引いた値をΔYIとし、下記の評価基準で判定した。
○:ΔYIが5以下。
×:ΔYIが5よりも大きい。
(3)白色度
白色度はJIS Z−8722に準じた光学条件により、色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式により求めた。
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
測定は、160℃,1時間の熱処理の前後で行い、下記の評価基準で判定した。
○:熱処理前の白色度が60以上、熱処理後の白色度も60以上。
△:熱処理前の白色度が60以上、熱処理後の白色度が60未満。
×:熱処理前の白色度が60未満、熱処理後の白色度が60未満。
白色度はJIS Z−8722に準じた光学条件により、色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式により求めた。
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
測定は、160℃,1時間の熱処理の前後で行い、下記の評価基準で判定した。
○:熱処理前の白色度が60以上、熱処理後の白色度も60以上。
△:熱処理前の白色度が60以上、熱処理後の白色度が60未満。
×:熱処理前の白色度が60未満、熱処理後の白色度が60未満。
(4)密着性
基材と吸着材層との密着性をJIS K5600−5−6記載のクロスカット法によるテープ剥離(碁盤目試験)により評価した。クロスカットにより、吸着材層を2mm間隔で格子状にカットし、テープ剥離後の吸着材層(塗膜)の状態を観察し、下記の評価基準で判定した。
○:塗膜の状態の分類が0、1、2の何れかである。
△:塗膜の状態の分類が3である。
×:塗膜の状態の分類が4、5の何れかである。
基材と吸着材層との密着性をJIS K5600−5−6記載のクロスカット法によるテープ剥離(碁盤目試験)により評価した。クロスカットにより、吸着材層を2mm間隔で格子状にカットし、テープ剥離後の吸着材層(塗膜)の状態を観察し、下記の評価基準で判定した。
○:塗膜の状態の分類が0、1、2の何れかである。
△:塗膜の状態の分類が3である。
×:塗膜の状態の分類が4、5の何れかである。
(5)空孔率
吸着材層の乾燥重量と体積から、吸着材層の見かけ密度ρを求め、液相置換法(ピクノメーター法)にて、乾燥状態の吸着材層の真密度ρ0を求めた。空孔率はこれらρ及びρ0から以下の式により求めた。
空孔率=(ρ0−ρ)/ρ0×100(%)
吸着材層の乾燥重量と体積から、吸着材層の見かけ密度ρを求め、液相置換法(ピクノメーター法)にて、乾燥状態の吸着材層の真密度ρ0を求めた。空孔率はこれらρ及びρ0から以下の式により求めた。
空孔率=(ρ0−ρ)/ρ0×100(%)
(6)吸着材層の厚み
凍結割断法で断面を出した後、走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡により非接触で測定した。
凍結割断法で断面を出した後、走査型電子顕微鏡又はレーザー顕微鏡により非接触で測定した。
[実施例1]
<吸着材層形成用スラリーの調製>
CHA型のSAPOであるAQSOA(登録商標)−Z02(商品名、三菱樹脂(株)製品、平均粒径3μm)を95gと、イオン交換水116.1gを添加し、十分冷却した後に、バインダーとして水系シリコーンエマルジョンであるBY22−826EX(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名、造膜性ポリジメチルシリコーン、固形分:45重量%)を11.1g(固形分換算:5g)混合し、固形分が約45重量%のスラリーを得た。
<吸着材層形成用スラリーの調製>
CHA型のSAPOであるAQSOA(登録商標)−Z02(商品名、三菱樹脂(株)製品、平均粒径3μm)を95gと、イオン交換水116.1gを添加し、十分冷却した後に、バインダーとして水系シリコーンエマルジョンであるBY22−826EX(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名、造膜性ポリジメチルシリコーン、固形分:45重量%)を11.1g(固形分換算:5g)混合し、固形分が約45重量%のスラリーを得た。
<吸湿シートの作製>
得られたスラリーをワイヤーバーにて100μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥後、120℃で30分間熱処理を行った。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
得られたスラリーをワイヤーバーにて100μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥後、120℃で30分間熱処理を行った。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[実施例2]
AQSOA−Z02を90g、イオン交換水を110.0g、BY22−826EXを22.2g(固形分換算:10g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
AQSOA−Z02を90g、イオン交換水を110.0g、BY22−826EXを22.2g(固形分換算:10g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[実施例3]
AQSOA−Z02を80g、イオン交換水を97.8g、BY22−826EXを44.4g(固形分換算:20g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
AQSOA−Z02を80g、イオン交換水を97.8g、BY22−826EXを44.4g(固形分換算:20g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[実施例4]
実施例3のBY22−826EXを、水系ウレタン樹脂エマルジョンであるスーパーフレックス110(第一工業製薬(株)製、商品名、ポリエーテル系ウレタン樹脂乳化物、固形分:30重量%)66.7gに置き換え、イオン交換水を75.5gに変更して、実施例3と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
実施例3のBY22−826EXを、水系ウレタン樹脂エマルジョンであるスーパーフレックス110(第一工業製薬(株)製、商品名、ポリエーテル系ウレタン樹脂乳化物、固形分:30重量%)66.7gに置き換え、イオン交換水を75.5gに変更して、実施例3と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[実施例5]
実施例4のスーパーフレックス110を、水系ポリオレフィン系エマルジョンであるザイクセンAC(商品名、住友精化(株)製、エチレン−アクリル酸共重合体水性分散液、固形分:30重量%)に置き換えて、実施例4と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
実施例4のスーパーフレックス110を、水系ポリオレフィン系エマルジョンであるザイクセンAC(商品名、住友精化(株)製、エチレン−アクリル酸共重合体水性分散液、固形分:30重量%)に置き換えて、実施例4と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[実施例6]
実施例4のスーパーフレックス110を、水系アクリル樹脂エマルジョンであるビニブラン2684(商品名、日信化学工業(株)製、ポリビニルアルコールの保護コロイドで被覆されたノニオン性アクリル酸共重合体、固形分:30重量%)に置き換えて、実施例4と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
実施例4のスーパーフレックス110を、水系アクリル樹脂エマルジョンであるビニブラン2684(商品名、日信化学工業(株)製、ポリビニルアルコールの保護コロイドで被覆されたノニオン性アクリル酸共重合体、固形分:30重量%)に置き換えて、実施例4と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1のAQSOA−Z02を70g、イオン交換水を85.5g、BY22−826EXを66.7g(固形分換算:30g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
実施例1のAQSOA−Z02を70g、イオン交換水を85.5g、BY22−826EXを66.7g(固形分換算:30g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1のAQSOA−Z02を90g、イオン交換水を110.0gに変更して、更にBY22−826EXを、エポキシバインダーA(三菱化学(株)の商品名:jER1256の水系エマルジョン、平均粒径:0.5μm、固形分:45重量%、ノニオン)11.1g(固形分換算5g)と、エポキシバインダーB(DIC(株)の商品名:EPICLON EXA−4816の水系エマルジョン、平均粒径0.5μm、固形分:45%、ノニオン)11.1g(固形分換算:5g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。AQSOA−Z02とエポキシバインダーの配合比は、特許文献2の製造例に記載の方法と同様に調整した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
実施例1のAQSOA−Z02を90g、イオン交換水を110.0gに変更して、更にBY22−826EXを、エポキシバインダーA(三菱化学(株)の商品名:jER1256の水系エマルジョン、平均粒径:0.5μm、固形分:45重量%、ノニオン)11.1g(固形分換算5g)と、エポキシバインダーB(DIC(株)の商品名:EPICLON EXA−4816の水系エマルジョン、平均粒径0.5μm、固形分:45%、ノニオン)11.1g(固形分換算:5g)に変更して、実施例1と同様の手順で吸湿シートを作製した。AQSOA−Z02とエポキシバインダーの配合比は、特許文献2の製造例に記載の方法と同様に調整した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
[比較例3]
比較例2のAQSOA−Z02を80gに減量し、エポキシバインダーAを22.2g、エポキシバインダーBを22.2gに増量し、比較例2と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
比較例2のAQSOA−Z02を80gに減量し、エポキシバインダーAを22.2g、エポキシバインダーBを22.2gに増量し、比較例2と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表1に示した。
実施例1〜3及び比較例1から明らかなように、吸着材層に占める有機バインダーの含有量が20重量%までであれば、80℃,10分で、10g/m2以上の水を脱着することができる。また、比較例2及び比較例3から、従来技術に記載されているように、有機バインダーとしてエポキシ樹脂のみを使用した場合は、吸着材層に占める含有量が10重量%であっても、ΔYIが5以上となり、黄変が大きいことが分かる。
[実施例7]
実施例6のビニブラン2684を40g(固形分換算:12g)に減量し、代わりにエポキシバインダーAを8.9g(固形分換算:4g)、エポキシバインダーBを8.9g(固形分換算:4g)追加して、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表2に示した。
実施例6のビニブラン2684を40g(固形分換算:12g)に減量し、代わりにエポキシバインダーAを8.9g(固形分換算:4g)、エポキシバインダーBを8.9g(固形分換算:4g)追加して、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表2に示した。
[比較例4]
実施例6のビニブラン2684を33.3g(固形分換算:10g)に減量し、代わりにエポキシバインダーAを11.1g(固形分換算:5g)、エポキシバインダーBを11.1g(固形分換算:5g)追加して、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表2に示した。
実施例6のビニブラン2684を33.3g(固形分換算:10g)に減量し、代わりにエポキシバインダーAを11.1g(固形分換算:5g)、エポキシバインダーBを11.1g(固形分換算:5g)追加して、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表2に示した。
[比較例5]
実施例6のビニブラン2684を26.7g(固形分換算:8g)に減量し、代わりにエポキシバインダーAを13.3g(固形分換算:6g)、エポキシバインダーBを13.3g(固形分換算:6g)追加して、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表2に示した。
実施例6のビニブラン2684を26.7g(固形分換算:8g)に減量し、代わりにエポキシバインダーAを13.3g(固形分換算:6g)、エポキシバインダーBを13.3g(固形分換算:6g)追加して、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表2に示した。
なお、表2には、実施例6と比較例3の結果を併記した。
実施例6〜7及び比較例3〜5から、エポキシ樹脂が有機バインダーの総量に対して50重量%未満であれば、ΔYIは5以下で黄変も小さく、一方で、エポキシ樹脂添加による密着性の向上効果を得ることができることが分かる。
[実施例8]
実施例6のAQSOA−Z02を75gに変更し、重質炭酸カルシウムであるソフトン1200(商品名、白石カルシウム(株)製、重質炭酸カルシウム、平均粒径1.8μm)を5g追加した以外は、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を、実施例6の吸湿シートの評価結果と共に表3に示した。
実施例6のAQSOA−Z02を75gに変更し、重質炭酸カルシウムであるソフトン1200(商品名、白石カルシウム(株)製、重質炭酸カルシウム、平均粒径1.8μm)を5g追加した以外は、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を、実施例6の吸湿シートの評価結果と共に表3に示した。
[参考例1]
実施例6のAQSOA−Z02を、FAPO−5であるAQSOA−Z01(商品名、三菱樹脂(株)製、平均粒径5μm)に変更した以外は、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表3に示した。
実施例6のAQSOA−Z02を、FAPO−5であるAQSOA−Z01(商品名、三菱樹脂(株)製、平均粒径5μm)に変更した以外は、実施例6と同様の手順で吸湿シートを作製した。得られた吸湿シートの評価結果を表3に示した。
実施例6と実施例8から、白色顔料として重質炭酸カルシウムを添加することで、白色度が向上することが分かる。また、実施例6と参考例1から、同じALPO系ゼオライトであっても、FAPO(一部がFeで置換されたALPO)では白色にならないことがあり、実施例6のSAPO(一部がSiで置換されたALPO)は、ALPO系ゼオライトの中でも白色であり、SAPO又はALPOを用いることで、白色度の高いシートを得ることができることが分かる。
〔10%Rhでの吸湿容量、及び、80℃での再生速度〕
以下に本発明の吸湿シートと、一般的に市販されているシート状乾燥剤の比較を行った。
以下に本発明の吸湿シートと、一般的に市販されているシート状乾燥剤の比較を行った。
[実施例9]
実施例2で作製した吸湿シートを50mm×50mmの大きさに切り出し、20℃、10%Rhの恒温恒湿室にて重量変化がなくなるまで放置し、シートの重量変化から、20℃、10%Rhでのシートの飽和吸湿量を求め、この値を400倍することで、1m2当たりの飽和吸湿量を求めた。
実施例2で作製した吸湿シートを50mm×50mmの大きさに切り出し、20℃、10%Rhの恒温恒湿室にて重量変化がなくなるまで放置し、シートの重量変化から、20℃、10%Rhでのシートの飽和吸湿量を求め、この値を400倍することで、1m2当たりの飽和吸湿量を求めた。
続いて、株式会社島津製作所製の商品名「MOC63u」の時間停止モードにて、温度を80℃に設定し、加熱開始から3分後、5分後、10分後、20分後の重量をそれぞれ読み取り、各加熱時間における熱処理前の重量からの重量減少量を脱着量(吸湿容量の再生量)とした。また、この脱着量を400倍した値を、シート1m2あたりの水の脱着量とした。測定結果を表4に示す。
[比較例6]
厚みが1mmのゼオシート(品川化成(株)の商品名、合成ゼオライトA4を板状に成形し、有孔ポリエチレンフィルムを両面にラミネートしてある乾燥剤、中間層の合成ゼオライトA4含有量は75質量%)を、50mm×50mmの大きさに切り出し、実施例9と同様の手順で飽和吸湿量と脱着量を測定した。測定結果を表4に示す。
厚みが1mmのゼオシート(品川化成(株)の商品名、合成ゼオライトA4を板状に成形し、有孔ポリエチレンフィルムを両面にラミネートしてある乾燥剤、中間層の合成ゼオライトA4含有量は75質量%)を、50mm×50mmの大きさに切り出し、実施例9と同様の手順で飽和吸湿量と脱着量を測定した。測定結果を表4に示す。
実施例9と比較例6から、本発明の吸湿シートは、薄膜でありながら低い相対湿度(10%Rh以下)条件下にて10g/m2以上の大きな吸湿容量を有し、また、80℃程度の低温の熱処理によって、速やかに水を脱着し、吸湿容量を再生することが可能であることが分かる。
Claims (6)
- 基材上に少なくともALPO系ゼオライトと有機バインダーとを含む吸着材層を設けた吸湿シートであって、下記(I)〜(IV)の条件を全て満たす吸湿シート。
(I)該吸着材層は、20℃,30%Rhで飽和吸着した後に、80℃,10分の熱処理により10g/m2以上の水分を脱着する。
(II)該吸着材層は、160℃で1時間の熱処理を施した際の反射イエローインデックス値変化(ΔYI)が5以下である。
(III)該吸着材層は、白色度が60以上である。
(IV)該有機バインダーの含有量は、該吸着材層に占める重量割合で5〜20%であり、主成分としてシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びポリオレフィンよりなる群から選ばれる何れか1つ以上を含有する。 - 前記有機バインダーの副成分としてエポキシ樹脂を、該有機バインダーの総量に対する重量割合で50%未満含有することを特徴とする請求項1に記載の吸湿シート。
- 前記ALPO系ゼオライトは、ALPO及び/又はSAPOであることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿シート。
- 前記吸着材層の厚みが50〜200μmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吸湿シート。
- 前記吸着材層に白色顔料を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の吸湿シート。
- 前記基材の吸着材層と反対側の面に粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の吸湿シート。
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