JP2013202489A - 塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試験塗布部における装置調整用ラインの凝集状態を制御し、当該ラインの撮像を確実に行うことが出来る塗布装置を提供する。
【解決手段】基板9を載置するステージ10と、流動性材料を吐出するノズル31と、ノズルを主走査方向に水平移動させる移動機構40と、を備え、ノズルからステージに載置された基板に対し流動性材料を吐出させることによって基板に流動性材料を塗布する塗布装置1が、基板への流動性材料の非塗布時に、移動機構によってノズルを主走査方向に水平移動させつつノズルから試験塗布用部材の被塗布面に対し流動性材料を吐出させて装置調整用のラインを形成する試験塗布部70を備えるようにし、被塗布面を、主走査方向に対して傾斜させてなるようにするとともに、被塗布面を撮像する撮像部80をさらに備え、撮像部の撮像視野を、被塗布面の主走査方向における中心位置よりも低い側に設定するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機EL表示装置用ガラス基板、液晶表示装置用ガラス基板、太陽電池用パネル基板、PDP用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、半導体ウエハ、磁気/光ディスク用のガラス/セラミック基板などの各種基板に流動性材料を塗布する塗布装置に関する。
有機EL表示装置、液晶表示装置、太陽電池用パネル基板、PDP(プラズマディスプレイパネル)や、種々の半導体デバイス、あるいは、磁気/光ディスクなどを製造するプロセスは、多くの場合、所定の塗布装置によって、ガラス基板、セラミック基板、あるいは半導体ウエハなどの基板の上面に種々の流動性材料を塗布する工程を含む。例えば、有機EL表示装置の製造工程では、有機EL表示装置用のガラス基板の上面に有機EL液を塗布する塗布装置が使用されている。
従来の塗布装置としては、基板の上面に向けて流動性材料を吐出するノズルと、基板に対してノズルを移動させる移動機構とを備えるもの(ノズルプリンティング装置)が一般的である(例えば特許文献1参照)。係る塗布装置は、ノズルから流動性材料を吐出させつつ、基板の上面に沿ってノズルを移動させることにより、基板の上面に流動性材料を塗布する。
また、ノズルからの流動性材料の吐出状態が確認できるよう、流動性材料を試験的に塗布する試験塗布部(プリスキャンステージ)を備える塗布装置も公知である(例えば特許文献1参照)。
特開2010−240511号公報
特許文献1に開示されている塗布装置では、試験塗布部において流動性材料を一方向に塗布することにより形成したライン(装置調整用ライン)をカメラにて撮像し、得られた撮像画像に基づいて、ノズルアライメントや、カメラアライメントなどの処理(装置調整処理)を行えるようになっている。なお、コスト抑制等の観点から、試験塗布部において流動性材料が塗布されるのは、本来の塗布対象である基板とは異なる材質の、テープ状の樹脂フィルムとされてなる。
ところが、係る装置調整処理の際、装置調整用ラインを形成後、カメラにて撮像するまでの間に、該装置調整用ラインをなす流動性材料がその塗布方向において不規則に凝集し、装置調整用ラインがその形状を維持できなくなるため、カメラによる撮像が行えないという不具合が起こり得る。係る凝集は、流動性材料が樹脂フィルムに対して必ずしも良好な濡れ性(塗布性)を有してはいないために生じるものである。流動性材料は、通常、基板に対する塗布性を考慮してその組成が定められるものであるので、必ずしも、試験塗布部に使用する樹脂フィルムに対してまで濡れ性が良いとは限らない。特に、複数のノズルを備え、一の撮像範囲内において複数の装置調整用ラインを形成する塗布装置の場合、カメラによる撮像までの間にどこかの装置調整用ラインで凝集が生じる確率がより高いという問題がある。
樹脂フィルムの材質を適宜のものとすることで濡れ性の改善を図る対応も考えられるが、係る対応は、流動性材料の組成によっては、十分な効果を得ることが難しい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、試験塗布部における装置調整用ラインの凝集状態を制御し、当該ラインの撮像を確実に行うことが出来る塗布装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板を載置するステージと、流動性材料を吐出するノズルと、前記ノズルを主走査方向に水平移動させる移動機構と、を備え、前記ノズルから前記ステージに載置された基板に対し流動性材料を吐出させることによって前記基板に前記流動性材料を塗布する塗布装置であって、前記基板への前記流動性材料の非塗布時に、前記移動機構によって前記ノズルを前記主走査方向に水平移動させつつ前記ノズルから試験塗布用部材の被塗布面に対し前記流動性材料を吐出させて装置調整用のラインを形成する試験塗布部、をさらに備え、前記被塗布面を、前記主走査方向に対して傾斜させてなる、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の塗布装置であって、前記被塗布面を撮像する撮像手段、をさらに備え、前記撮像手段の撮像視野が、前記被塗布面の前記主走査方向における中心位置よりも低い側に設定されてなる、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の塗布装置であって、前記試験塗布用部材が樹脂フィルムからなるテープであり、前記テープを張設することによって前記被塗布面が形成されてなる、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の塗布装置であって、前記試験塗布部が、前記主走査方向に対して傾斜させた上面を有するとともに前記上面に前記テープを吸着固定可能なテープ台、を備え、前記テープ台の前記上面に前記テープを吸着固定することによって前記テープの前記被塗布面を前記主走査方向に対して傾斜させてなる、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗布装置であって、前記被塗布面の傾斜角をαとするとき、0.002≦sinα≦0.02をみたす、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の塗布装置であって、前記流動性材料が発光物質と所定の溶媒とを混合させた有機EL液であり、前記基板がガラス基板である、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項6の発明によれば、塗布装置の試験塗布部において、流動性材料が試験塗布される被塗布面を主走査方向に対して傾斜させてなることで、流動性材料の凝集に起因した装置調整用ラインの不連続点の形成が、被塗布面の主走査方向における中心位置よりも高い側にてより優先的に起こりやすく、当該中心位置よりも低い側では起こりにくくすることが出来る。すなわち、被塗布面における流動性材料の凝集の進展と不連続点の形成とを制御することができる。
特に、請求項2の発明によれば、流動性材料の凝集による不連続点の形成が起こりにくい箇所が撮像されることになるので、不連続点のない装置調整用ラインの撮像を、より確実に行うことが出来る。
基板9に対して塗布処理を行うときの状態を示す、塗布装置1の上面図である。 ノズル部30が試験塗布部70に対して試験塗布を行うときの状態を示す、塗布装置1の上面図である。 塗布装置1を図1のIII−III位置から見た断面図である。 塗布装置1を図2のIV−IV位置から見た断面図である。 ノズル部30付近の詳細な構成を示した図である。 −X側に備わるテープユニット71の、YZ平面に沿った縦断面図である。 −X側に備わるテープユニット71の、XZ平面に沿った縦断面図である。 図6中のIX−IX位置から見たテープユニット71の水平断面図である。 制御部90と塗布装置1内の各部との間の接続構成を示したブロック図である。 塗布装置1を使用して基板9の上面に有機EL液を塗布するときの動作を示すフローチャートである。 塗布装置1の試験塗布時の動作を示すフローチャートである。 テープ712が水平に固定されてなる場合の、試験塗布後の装置調整用ラインLの状態変化を時系列的に示す図である。 本実施の形態における試験塗布後の装置調整用ラインLの状態変化を時系列的に示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照される各図には、各部材の位置関係や動作方向を明確化するために、共通の右手系のXYZ直交座標系を付している。
<1.塗布装置の構成>
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る塗布装置1の上面図である。図1は、基板9に対して塗布処理を行うときの状態を示している。また、図2は、ノズル部30が試験塗布部70に対して試験塗布を行うときの状態を示している。また、図3は、塗布装置1を図1のIII−III位置から見た断面図である。図4は、塗布装置1を図2のIV−IV位置から見た断面図である。
この塗布装置1は、有機EL表示装置を製造する工程において、矩形のガラス基板(以下、単に「基板」という。)9の上面に有機EL液を塗布するための装置である。図1〜図4に示したように、塗布装置1は、主として、ステージ10、ステージ移動機構20、ノズル部30、ノズル移動機構40、待機ポッド50、回収トレイ60、試験塗布部70、撮影部80、および制御部90を備えている。
ステージ10は、平板状の外形を有し、その上面に基板9を水平姿勢に載置して保持する保持部である。なお、ステージ部10は、X軸方向において、基板9よりもサイズが小さい。ステージ10の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されている。これにより、ステージ10上に基板9を載置したときには、基板9は吸引孔の吸引圧によりステージ10の上面に固定保持される。ステージ10上に載置される基板9の上面には、有機EL液が塗布される位置に予め多数本の平行な溝9aが形成されている。基板9は、これらの溝9aが主走査方向(X軸方向)を向くようにステージ10上に載置される。
ステージ移動機構20は、ステージ10を副走査方向(Y軸方向)に移動させるための機構である。ステージ移動機構20は、床面上に副走査方向に沿って延設された一対のガイドレール21と、ステージ10の下面側に固設された一対の移動子22とを有している。一対の移動子22は、例えば、リニアモータの駆動力により、ガイドレール21上を副走査方向に摺動可能となっている。ステージ10上に基板9を載置した状態で、ステージ移動機構20を動作させると、ステージ10、および基板9が、一体として副走査方向に移動する。
ノズル部30は、ステージ10上に載置された基板9の上面に向けて、有機EL液を吐出する吐出部である。ノズル部30は、赤色用、緑色用、および青色用の有機EL液を吐出する3つのノズル31,32,33を有している。なお、有機EL液は、発光物質と所定の溶媒とを混合させた液体であり、本発明の流動性材料の一例となっている。
図5は、ノズル部30付近の詳細な構成を示した図である。図5に示したように、各ノズル31,32,33の下端部には、微小な(例えば、直径5〜70μm程度の)吐出口31a,32a,33aが形成されている。また、各ノズル31,32,33にはそれぞれ配管31b,32b,33bが接続されており、配管31b,32b,33bの上流側の端部には、それぞれ赤色用、緑色用、および青色の有機EL液を供給するための有機EL液供給源31c,32c,33cが接続されている。また、配管31b,32b,33bの経路途中には、それぞれバルブ31d,32d,33dが介挿されている。
バルブ31d,32d,33dを開放すると、有機EL液供給源31c,32c,33cから配管31b,32b,33bを介して各ノズル31,32,33に有機EL液が供給され、各ノズル31,32,33の吐出口31a,32a,33aから下方へ向けて赤色用、緑色用、および青色用の有機EL液が吐出される。各ノズル31,32,33から吐出された有機EL液は、各ノズル31,32,33の下方において細い(例えば、直径100μm程度の)液柱を形成する。
ノズル部30の3つのノズル31,32,33は、図1および図2に示したように、主走査方向に所定の間隔(例えば、数mmピッチ)で配列される一方、副走査方向の位置も少しずつずらして配置されている。各ノズル31,32,33の副走査方向の位置の違いは、処理対象となる基板9の上面に形成された溝9aのピッチ幅に対応している。係るノズル配置を有することで、ノズル部30は、3つのノズル31,32,33から同時に有機EL液を吐出することにより、基板9上の隣り合う3本の溝に対し同時に有機EL液を塗布することができる。
このように、この塗布装置1は、3つのノズル31,32,33を使用して基板9上に3列ずつ有機EL液を塗布することができる。すなわち、基板9の上面に効率よく有機EL液を塗布することができる。また、3つのノズル31,32,33の主走査方向および副走査方向の位置をいずれも相違させていることにより、各ノズル31,32,33自体を極端に小型化することなく、狭小な間隔で有機EL液を塗布することができる。
ノズル移動機構40は、ノズル部30を主走査方向に移動させるための機構である。図1および図2に示したように、ノズル移動機構40は、ノズル部30を支持するための支持部41と、支持部41を主走査方向に移動させるための移動部42とを有している。移動部42は、例えば、モータとボールねじとを組み合わせた機構や、あるいは、リニアモータを利用した機構により構成される。ノズル移動機構40は、待機ポッド50の上方位置と+X側の回収トレイ60の上方位置との間の任意の位置の間で、ノズル部30を主走査方向に移動させることができる。
待機ポッド50は、ステージ10の−X側の側方において、ノズル部30を洗浄しつつ待機させるための部位である。図1および図2に示したように、待機ポッド50には、3つの開口部51,52,53が形成されている。待機ポッド50の上方位置にノズル部30を移動させると、3つの開口部51,52,53の上方に3つのノズル31,32,33がそれぞれ配置される。待機ポッド50は、3つの開口部51,52,53から各ノズル31,32,33に洗浄液を供給するとともに、供給後の洗浄液を吸引することにより、各ノズル31,32,33の吐出口31a,32a,33aを洗浄する。
ノズル部30の3つのノズル31,32,33は、正常時には、有機EL液を液柱状に吐出する。しかしながら、乾燥等により、各ノズル31,32,33の先端に有機EL液の液溜まり(半乾燥状態の液滴)が付着した状態となる場合がある。待機ポッド50は、上記の洗浄を行うことにより、各ノズル31,32,33から液溜まりを除去することができる。
回収トレイ60は、ステージ10の+X側および−X側の側方においてノズル部30から吐出された有機EL液を回収するための容器である。回収トレイ60は、ステージ10の−X側(ステージ10と待機ポッド50との間)およびステージ10の+X側において、ノズル部30の移動経路の下方となる位置に配置されている。また、回収トレイ60は、基板9と主走査方向に関して部分的に重複するように配置されている。これにより、ステージ10の側方においてノズル部30から吐出される有機EL液は、回収トレイ60に連続的に回収される。また、回収トレイ60の内部には図示を省略する多孔性部材が配設されている。係る多孔性部材によって、ノズル部30から吐出された有機EL液が周囲に液跳ねすることが防止される。さらに、回収トレイ60の底部には、図示を省略する吸引機構が配設されている。係る吸引機構により、回収トレイ60に吐出された有機EL液が回収される。
試験塗布部70は、基板9への非塗布時に、ノズル部30からの有機EL液の吐出状態を確認するために、試験的に有機EL液が塗布される部位である。試験塗布部70は、ステージ10の+Y側に配置された2つのテープユニット71を有している。2つのテープユニット71は、主走査方向に離間するとともに、副走査方向のほぼ同じ位置に配置されている。各テープユニット71は、接続部材72を介してステージ10に固定されている。
図6および図7は、それぞれ、−X側に備わるテープユニット71の、YZ平面およびXZ平面に沿った縦断面図である。図6は、概略、図7中のVI−VI位置から見た縦断面図に相当し、図7は、概略、図6中のVII−VII位置から見た縦断面図に相当する。なお、図示は省略するが、+X側に備わるテープユニット71は、図6および図7に示す−X側に配置されたテープユニット71とYZ平面に対して対称な構成を有する。図6及び図7に示したように、テープユニット71は、主として、テープ台711、テープ712、テープ送り機構713、およびハウジング714を有している。
テープ712は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイト)等の樹脂により形成された帯状部材(樹脂フィルム)である。試験塗布時には、テープ712のうちテープ台711上に位置する平坦部である上面712aに、有機EL液が塗布される。すなわち、本実施の形態においては、テープ712の上面712aが、有機EL液が試験的に塗布される被塗布面(試験塗布面)となる。
テープ送り機構713は、テープ712の+Y側の端部が接続されたドラム状の巻き出し部713aと、テープ712の−Y側の端部が接続されたドラム状の巻き取り部713bと、複数の中継ローラRとを有している。図6においては、4つの中継ローラRが設けられてなる場合を例示している。なお、複数の中継ローラRのうち、テープ台711の上方においてテープ712を張設させて平坦面である上面712aを形成する2つの中継ローラRを特に、張設ローラR1、R2とも称する。
テープ送り機構713は、巻き出し部713aと巻き取り部713bとを回転させることにより、テープ台711上において、テープ712を−Y側に送ることができる。これにより、テープ712のテープ台711上に位置する部分が変更される。
テープ台711は、試験塗布時にテープ712が吸着固定される台である。テープ台711の上面711aには、テープ712を真空吸着する吸引孔(図示省略)が形成されている。テープ台711は、試験塗布時には、吸引孔に負圧を発生させることにより、その上面711aにテープ712を吸着させる。また、テープ送り機構713によりテープ712を送るときには、テープ台711の上面711aに対するテープ712の吸着が解除される。
なお、テープ台711は、その上面711aにテープ712が吸着された状態において、テープ712の上面712aの高さと、ステージ10上に載置された基板9の上面とが略同一となるように配置されてなる。ただし、テープ台711は、図4では簡略化のためにその上面711aが水平であるかのように示されているが、厳密には、図7に示すように、テープ台711は、その上面712aが、装置の外側に向かうほど低くなる態様にて主走査方向であるX軸方向に対しわずかに傾斜するように配置されてなる。その傾斜角αは、
0.002≦sinα≦0.02 ・・・(式1)
をみたすものとされる。例えば、上面711aの幅(Y軸方向に垂直な方向の距離)が100mmの場合であれば、(式1)は、テープ台711の2つの側面711cと711dでの上面711aの高さの差が0.2mm以上2mm以下の範囲であればみたされる。
そして、本実施の形態においては、このようにテープ台711の上面711aが傾斜してなることに応じて、テープ712も、この上面711aの傾斜に沿ってX軸方向に対し傾斜する態様にてテープ台711に吸着固定される。すなわち、(式1)は、テープ台711の上面711aの傾斜を規定するとともに、試験塗布時におけるテープ712の傾斜状態をも規定する。
なお、(式1)をみたす傾斜角αの値は大きくてもせいぜい1°強であることから、係るテープ712の傾斜は、テープ712がある程度の弾性を有し、かつ、テープ台711の吸着固定力が十分なものであれば、単にテープ712を吸着固定することで良好に実現されるが、例えば、2つの張設ローラR1、R2をテープ台711の上面711aの傾斜に応じて傾斜させて設けることなどによって実現されてもよい。このようにテープ712にテープ台711に沿った傾斜を設けることによる作用効果については後述する。
なお、図7では、テープ台711全体が傾くことで上面711aが傾斜した状態が示されているが、これは必須の態様ではない。上面711aが傾斜してさえいれば、テープ台711は、下面711bは水平であってもよいし、側面711cおよび711dは鉛直方向に沿っていてもよい。
ハウジング714は、テープ台711、テープ712、およびテープ送り機構713を内部に収容する筐体である。ハウジング714は、テープ台711の上方に開口714aを有する。ハウジング714の上方位置においてノズル31,32,33から吐出された有機EL液は、開口714aを介して、テープ台711上のテープ712の上面711aに塗布される。また、図7に示したように、テープ台711の+X側及び−X側には、試験用回収トレイ73が設けられている。試験塗布時に、テープ712の+Y側および−Y側の側方においてノズル部30から吐出された有機EL液は、試験用回収トレイ73に回収される。
ハウジング714は、接続部材72を介してステージ10に固定されている。また、ハウジング714の下面には、スライダ715が固定されている。スライダ715は、副走査方向に摺動可能な状態で、ガイドレール21に取り付けられている。上記のステージ移動機構20を動作させると、ステージ10とともに、一対のテープユニット71、一対の接続部材72、および試験用回収トレイ73も、一体として副走査方向に移動する。
図7に示したように、テープ台711には、テープ台711の上面711aから主走査方向にはみ出したテープ712の側辺を、下方へ向けて湾曲させる当接部材716が設けられている。試験塗布時には、ノズル部30が有機EL液を吐出しつつテープ712の上方を通過するが、テープ712の側辺712b(図8参照)が下方へ向けて湾曲されているため、側辺712bからテープ712の下面側への有機EL液の侵入は抑制される。これにより、テープ台711とテープ712との間への有機EL液の侵入も抑制され、テープの巻き取り不良が防止される。
当接部材716は、例えば、アルミニウム等の金属材料により形成することができる。但し、当接部材716は、テープ712より高い剛性を有するものであれば、他の材料により形成されていてもよい。
図8は、図6中のIX−IX位置から見たテープユニット71の水平断面図である。図8に示したように、当接部材716は、テープ台711の+X側の端部と、−X側の端部とに、2つずつ設けられている。+X側の端部に設けられた2つの当接部材716は、テープ台711の上面711aから+X側にはみ出したテープ712の側辺712bに当接する。また、−X側の端部に設けられた2つの当接部材716は、テープ台711の上面711aから−X側にはみ出したテープ712の側辺712bに当接する。これにより、テープ712の両側辺712bが下方へ湾曲される。これにより、テープ712の両側辺712bからテープ712の下面側への有機EL液の侵入が抑制される。
図8に示したように、テープ台711の+X側の端部に設けられた2つの当接部材716は、有機EL液が塗布される領域712cの+Y側および−Y側に配置されている。また、テープ台711の−X側の端部に設けられた2つの当接部材716も、有機EL液が塗布される領域712cの+Y側および−Y側に配置されている。すなわち、4つの当接部材716は全て、テープ712の側辺712bのうち、有機EL液が塗布される領域712cの両側の部分にのみ当接する。これにより、当接部材716自体に有機EL液が付着することを防止しつつ、テープ712の両側辺712bを湾曲させることができる。
図1〜図4に戻る。撮影部80は、試験塗布後のテープ712の上面712aを撮影するための機構である。撮影部80は、図2の状態において、一対のテープユニット71の上方に位置する一対のカメラ81を有している。一対のカメラ81は、テープユニット71の上方位置からテープ712の上面712aを撮影する。一対のカメラ81により取得された画像データは、制御部90に送信され、有機EL液の塗布状態(塗布の有無、塗布幅、塗布ピッチなど)を分析するために使用される。
制御部90は、塗布装置1内の各部を動作制御するための処理部である。図9は、制御部90と塗布装置1内の各部との間の接続構成を示したブロック図である。図9に示したように、制御部90は、上記のステージ移動機構20、バルブ31d,32d,33d、ノズル移動機構40、待機ポッド50、一対のテープユニット71、および一対のカメラ81と電気的に接続されており、これらの動作を制御する。制御部90は、例えばCPUやメモリを有するコンピュータによって構成され、コンピュータにインストールされたプログラムおよびユーザからの操作入力に従ってコンピュータが動作することにより、上記各部の動作制御を行う。
<2.塗布装置の動作>
<2−1.基板に対する塗布処理時の動作>
続いて、上記の塗布装置1を使用して基板9の上面に有機EL液を塗布するときの動作について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
この塗布装置1において基板9に対する塗布処理を行うときには、まず、作業者は、ステージ10の上面に基板9を載置する(ステップS11)。基板9は、その上面に形成された複数の溝9aが主走査方向を向くように、ステージ10上に載置される。そして、塗布装置1の制御部90において作業者が所定のスタート操作を行うと、制御部90による装置各部の動作制御が開始される。
塗布装置1は、まず、ステージ移動機構20を動作させて、ステージ10をスタート位置(図1の位置)に移動させる(ステップS12)。これにより、基板9上の最初に有機EL液が塗布される3本の溝9aが、ノズル部30の移動経路の下方に位置する状態となる。
塗布装置1のノズル部30は、予め待機ポッド50の上方位置で待機している。上記のスタート操作が行われると、まず、待機ポッド50の3つの開口部51,52,53から各ノズル31,32,33に対する洗浄液の供給と、供給後の洗浄液の吸引とが行われる。これにより、各ノズル31,32,33の吐出口31a,32a,33aおよびその周囲が洗浄される(ステップS13)。
ノズル31,32,33の洗浄が終了すると、次に、塗布装置1は、各ノズル31,32,33からの有機EL液の吐出を開始する(ステップS14)。具体的には、バルブ31d,32d,33dが開放されることより、有機EL液供給源31c,32c,33cから配管31b,32b,33bを介して各ノズル31,32,33へ、赤色用、緑色用、および青色用の有機EL液が供給される。そして、各ノズル31,32,33の吐出口31a,32a,33aから有機EL液が吐出される。
続いて、塗布装置1は、ノズル移動機構40を動作させることにより、ノズル部30を+X側へ移動させる。ノズル部30は、各ノズル31,32,33から有機EL液を吐出しつつ、基板9の上面に沿って移動する。これにより、基板9上の3本の溝9a上に有機ELが塗布される。塗布装置1は、ノズル部30を回収トレイ60の上部まで移動させると、次に、3つのノズル31,32,33の塗布幅分(すなわち、溝9aの3列分)だけステージ10および基板9を副走査方向に移動させる。そして、引き続きノズル31,32,33から有機EL液を吐出しつつ、ノズル部30を−X側へ移動させる。これにより、基板9上の次の3本の溝9a上に有機EL液が塗布される。
このように、塗布装置1は、ノズル部30の塗布幅分だけ基板9を副走査方向にずらしながら、主走査方向への有機EL液の塗布を所定回数繰り返し、基板9上の全ての溝9a上に有機EL液を塗布する(ステップS15)。
基板9への有機EL液の塗布が完了すると、塗布装置1は、ノズル部30からの有機EL液の吐出を停止させ、ノズル部30を待機ポッド50の上方位置へ戻す。その後、作業者は、塗布処理後の基板9をステージ10から取り外す。なお、ステージ10への基板9の搬入、搬出は、搬送ロボットにより行なってもよい。その場合、基板9が搬入又は搬出されたことをセンサ等により検出することに応答して、装置各部の動作制御の開始、終了を行ってもよい。
<2−2.試験塗布時の動作>
続いて、塗布装置1の試験塗布時の動作について、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、この試験塗布は、基板9に対する塗布処理の前後において、ノズル部30からの有機EL液の吐出状態を確認するために、実行される処理である。
試験塗布を行うときには、まず、ステージ移動機構20を動作させて、試験塗布部70がノズル部30の移動経路の下方に位置する状態(図2の状態)とする(ステップS21)。また、各テープユニット71は、テープ712の未使用の部分がテープ台711上に位置するようにテープ712を送り、テープ台711の上面711aにテープ712を吸着させる(ステップS22)。
次に、待機ポッド50上で待機するノズル部30の洗浄が行われる(ステップS23)。ここでは、待機ポッド50の3つの開口部51,52,53から各ノズル31,32,33に対する洗浄液の供給と、供給後の洗浄液の吸引とが行われる。これにより、テープ712の下面側に侵入し易い有機EL液の液溜まりを、各ノズル31,32,33の先端から予め除去しておく。
ノズル31,32,33の洗浄が終了すると、ノズル部30は、各ノズル31,32,33からの有機EL液の吐出を開始する(ステップS24)。具体的には、バルブ31d,32d,33dが開放されることより、有機EL液供給源31c,32c,33cから配管31b,32b,33bを介して各ノズル31,32,33へ、赤色用、緑色用、および青色用の有機EL液が供給される。そして、各ノズル31,32,33の吐出口31a,32a,33aから有機EL液が吐出される。
続いて、塗布装置1は、ノズル移動機構40を動作させて、ノズル部30を+X側へ移動させる。ノズル部30は、各ノズル31,32,33から有機EL液を吐出しつつ、一対のテープユニット71の上方位置を経て、+X側の回収トレイ60の上方位置まで移動する。これにより、一対のテープユニット71の各テープ712の上面712aに、有機EL液が塗布され、テープ712の上面712aに3本の有機EL液のライン(装置調整用ライン)が形成される(ステップS25)。また、テープ712以外の位置において吐出された有機EL液は、回収トレイ60や試験用回収トレイ73に回収される。
ステップS25では、ノズル部30は、有機EL液を吐出しつつ、テープ712の上方を主走査方向に通過する。その際、テープ712の主走査方向の側辺712bは当接部材716により下方へ向けて湾曲されているので、側辺712bからテープ712の下面側への有機EL液の侵入は抑制される。
その後、撮影部80が、一対のカメラ81により各テープ712の上面711aを撮影する(ステップS26)。撮影により取得された画像データは、各カメラ81から制御部90に送信され、有機EL液の塗布状態を分析し、ノズルアライメントやカメラアライメントなど、塗布装置1の状態を調整するための種々の処理(装置調整処理)に使用される。具体的には、塗布装置1は、各カメラ81において取得した画像データに基づいて、有機EL液の塗布ピッチの計測・調整、有機EL液が液柱状に吐出されているか否かの確認、基板9の溝9aの方向に対するノズル部30の移動方向の調整等の処理を行う。
<2−3.テープを傾斜させることの効果>
上述のように、試験塗布時においては、カメラ81による撮像結果に基づいて、有機EL液の塗布状態が分析される。この場合、当然ながら、カメラ81によって取得された撮像画像が、ノズル部30から塗布された有機EL液の状態を正しく映し出している必要がある。また、係る場合においては、実際に基板9に対して塗布された場合と同様の状態が再現されることが好ましい。
ところが、有機EL液は、通常、基板9に対する塗布性等を考慮してその組成が定められるものであるので、必ずしも、試験塗布部70に使用するテープ712に対してまで濡れ性が良いとは限らない。それゆえ、塗布処理後、カメラ81による撮像までの間に、凝集が生じる可能性がある。係る凝集が生じることで装置調整用ラインに断線が生じてしまうと、撮像画像に基づく分析が行えなくなり、試験塗布を何度も繰り返す必要が生じ得るため、好ましくない。
本実施の形態に係る塗布装置1においては、係る不具合の発生を、テープ712の試験塗布の対象となる箇所に対し上述した態様にて傾斜を与えることによって抑制してなる。以下、その詳細について説明する。
図12は、比較のために示す、テープ712に傾斜を与えていない場合、つまりは、テープ712が(より詳細にはその上面712aが)水平に固定されてなる場合の、試験塗布後の装置調整用ラインLの状態変化を時系列的に示す図である。なお、図12においては、説明の便宜上、1本の装置調整用ラインLのみを図示しているが、上述のように3本の装置調整用ラインを形成する場合でも、個々の装置調整用ラインに生じる変化は同様である。また、テープ712については、その上面712a以外の図示を省略している。
まず、時刻t=t0において装置調整用ラインLが形成されたとする。この時点では装置調整用ラインLは連続線となっている。しかしながら、その後、時間が経過するにつれて(t0→t1→t2→t3→・・・)、矢印AR1〜AR3にて示すように、装置調整用ラインLの状態は変化する。具体的には、有機EL液の凝集が進み、その結果として、装置調整用ラインLには、次々と不連続点Pが形成されていく。なお、係る不連続点Pは、その形成位置にもともと存在していた有機EL液に対し装置調整用ラインLの延在方向に沿って作用する凝集力fが、テープ712との間に作用していた界面張力を上回ることで形成されるものと考えられる。ここで、凝集力fとは、有機EL液とテープ712のそれぞれの表面自由エネルギーに由来して生じる、有機EL液を凝集させようとする力である。
係る場合、t=t1のときのように、カメラ81の撮像視野(カメラ視野)VWの範囲内において不連続点Pが存在しなければ、当該カメラ視野VWで撮像を行う限りは、所望の撮像画像を得ることは可能である。あるいは、t=t0からt=t1の状態変化が矢印AR1αにて示すような場合は、カメラ視野VWを初期位置(t=t0における位置)から移動させることで、不連続点Pの存在しない範囲での撮像が可能である。
しかしながら、係る場合、有機EL液の凝集による不連続点Pの形成は、あくまで、装置調整用ラインLの任意の位置に任意のタイミングにてランダムに起こり得る現象であるので、このような撮像可能状態が確実に確保される保証はない。例えば、試験塗布の後、直ちに、図12においてt=t2あるいはt=t3にて示す状態となる可能性もある。すなわち、水平に固定されたテープ712を対象に試験塗布を行う限りは、塗布および撮像のやり直しの可能性があることは、本質的に避けられない。
一方、図13は、本実施の形態における試験塗布後の装置調整用ラインLの状態変化を時系列的に示す図である。ただし、図13は、−X側に備わる試験塗布部70を示しているものとする。それゆえ、テープ台711に固定されているテープ712の上面712aは、テープ台711の一方の側面711c側(−X側)よりも、他方の側面711d側(+X側)の方が低くなる態様にて傾斜した状態となっている。なお、図13においても、説明の便宜上、1本の装置調整用ラインLのみを図示しているが、上述のように3本の装置調整用ラインを形成する場合でも、個々の装置調整用ラインに生じる変化は同様である。また、テープ712については、その上面712a以外の図示を省略している。
まず、図13に示す本実施の形態の場合においても、図12に示す場合と同様、時刻t=t0において装置調整用ラインLが形成されたとする。この場合も、有機EL液には、凝集力fが作用するので、時間が経過するにつれて(t0→tα→tβ→tγ→・・・)、矢印AR11〜AR13にて示すように、装置調整用ラインLには次々と不連続点Pが形成されていく。
しかしながら、本実施の形態の場合は、テープ712の上面712aが傾斜しているために、装置調整用ラインLを構成する有機EL液には絶えず、重力の分力Fgが傾斜方向下向きに作用している。それゆえ、装置調整用ラインLの任意の位置において、有機EL液に作用する力はX軸方向において均一ではなく、−X軸方向に対し+X軸方向よりも相対的に大きな力が作用する。換言すれば、装置調整用ラインLを構成する有機EL液は、+X側から−X側に向けて流れやすい状態にある。そのため、凝集の過程において、有機EL液は+X軸方向ではなく−X軸方向に優先的に流れようとする。ところが、実際に有機EL液が流れた先においては、この流れ込みによって有機EL液の凝集が阻害される。側面711dに近い場所ほどより多くの有機EL液が流れ込み得ることから、結果として、本実施の形態においては、図13に示すように、装置調整用ラインLの−X側(テープ712の上面712aの主走査方向における中心位置よりも低い側)における有機EL液の凝集および不連続点Pの形成は抑制され、+X側(テープ712の上面712aの主走査方向における中心位置よりも高い側)ほど不連続点Pが優先的に形成されるようになっている。
このことは、本実施の形態に係る塗布装置1においては、テープ台711の上面711aを傾斜させることによってテープ712を傾斜させて固定するという比較的簡単な手法にて、装置調整用ラインLを構成する有機EL液の凝集の進展および不連続点Pの形成が制御されてなることを意味している。
また、本実施の形態では、図13に示すように、装置調整用ラインLを撮像するカメラ81のカメラ視野VWを、テープ712の上面712aの主走査方向における中心位置よりも−X側に偏在した位置、つまりは、当該中心位置よりも低い側に設定する。これは、装置調整用ラインLのうち、有機EL液の凝集が生じにくい−X側の部分が、カメラ視野VWの範囲に含まれるようにするためである。このようにすることで、カメラ視野VWの範囲内においては、装置調整用ラインLの形状がより長い時間維持されるので、不連続点Pのない装置調整用ラインLの撮像を、より確実に行うことができるようになる。
なお、テープ712の上面712aにsinαが0.002を下回る傾斜角αを与えるのみでは、+X側において優先的に凝集を生じさせる一方で−X側において装置調整用ラインを維持するという効果が得られないため不適である。一方、sinαが0.02を上回る傾斜角αを与えるのは、装置調整用ラインLの形成自体が難しくなるため好ましくない。仮に、装置調整用ラインLが形成できたとしても、重力の分力Fgの影響が大きくなり、−X側に有機EL液が過剰に流入して装置調整用ラインLがその幅を維持出来なくなるため不適である。(式1)をみたす傾斜角αの範囲であれば、−X側において、カメラ81による撮像までの間、カメラ視野VW内において装置調整用ラインLの形状を好適に維持することができる。
また、試験塗布では、X軸方向に水平移動するノズル部30から傾斜を有するテープ712の上面712aに向けて有機EL液が吐出されるので、ノズル31,32,33の吐出口31a,32a,33aとテープ712の上面712aとの距離は一定でない。それゆえ、厳密にいえば、形成される装置調整用ラインLの幅は場所によって異なることとなるが、(式1)をみたす限りにおいては、係る幅の差異は許容誤差の範囲内に収まることから、実質的には問題はない。ただし、テープ712の上面712aとの距離が一定となるように吐出口31a,32a,33aの高さが調整可能とされる態様であってもよい。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、基板に有機EL液を塗布する塗布装置の試験塗布部において、有機EL液が試験塗布される樹脂フィルム製のテープを、テープ台の上面を傾斜させることによって有機EL液の塗布方向である主走査方向に対して傾斜させた状態で配置することで、有機EL液の塗布によって形成された装置調整用ラインにおける不連続点の発生位置を制御することができる。そして、有機EL液の凝集が生じにくい、テープの上面の主走査方向における中心位置よりも低い側をカメラにて撮像するようにすることで、装置調整処理に使用する装置調整用ラインの画像データを確実に得ることが出来る。
<3.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は上記の例に限定されるものではない。
また、上記の実施形態では、ノズル31,32,33の先端に形成された液溜まりを、待機ポッド50の洗浄で除去していたが、他の方法により液溜まりを除去するようにしてもよい。例えば、ノズル部30の移動経路の下方に、待機ポッド50とは別に洗浄機構や吸引機構を設けてもよい。また、ノズル31,32,33の先端に形成された液溜まりを掻き落とすスクレイパーを、ノズル部30の移動経路の下方に設けてもよい。
また、上記の例では、ノズル部30の3つのノズル31,32,33から、赤色用、緑色用、および青色用の有機EL液が吐出されていたが、3つのノズル31,32,33は、同色用の有機EL液を吐出するものであってもよい。また、上記の例では、1つのノズル部30に3つのノズル31,32,33が搭載されていたが、ノズル部30に搭載されるノズルの数は、1つや2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
また、上記の例では、基板9の上面に多数本の平行な溝9aが形成されていたが、本発明の基板塗布装置は、このような溝が形成されていない基板に対して塗布処理を行うものであってもよい。
また、上記の例では、テープ台711の+X側及び−X側に試験用回収トレイ73が設けられ、試験塗布時に、テープ712の+Y側および−Y側の側方においてノズル部30から吐出された有機EL液が、試験用回収トレイ73に回収されるが、試験塗布時において有機EL液を回収する態様はこれに限られるものではない。例えば、テープ712がハウジング714の+Y側および−Y側において側方に(幅方向に)張り出す構成を採用してもよい。このような構成を採用することで、回収トレイ60がテープ712の下方の侵入可能となり、試験塗布時においても回収トレイ60を用いて有機EL液を回収することができる。
また、上記の塗布装置1は、有機EL表示装置の発光層を形成する有機EL材料を基板9の上面に塗布するための装置であったが、本発明の塗布装置は、他の流動性材料を基板の上面に塗布するものであってもよい。例えば、有機EL表示装置の正孔輸送層を形成する正孔輸送材料を基板の上面に塗布するための装置であってもよい。
1 塗布装置
9 基板
9a 溝
10 ステージ
20 ステージ移動機構
30 ノズル部
31,32,33 ノズル
40 ノズル移動機構
50 待機ポッド
60 回収トレイ
70 試験塗布部
71 テープユニット
80 撮影部
81 カメラ
90 制御部
711 テープ台
711a (テープ台の)上面
711b (テープ台の)下面
711c、711d (テープ台の)側面
712 テープ
712a (テープの)上面
713 テープ送り機構
L 装置調整用ライン
P (装置調整用ラインの)不連続点
R 中継ローラ
R1、R2 張設ローラ
VW カメラ視野

Claims (6)

  1. 基板を載置するステージと、
    流動性材料を吐出するノズルと、
    前記ノズルを主走査方向に水平移動させる移動機構と、
    を備え、前記ノズルから前記ステージに載置された基板に対し流動性材料を吐出させることによって前記基板に前記流動性材料を塗布する塗布装置であって、
    前記基板への前記流動性材料の非塗布時に、前記移動機構によって前記ノズルを前記主走査方向に水平移動させつつ前記ノズルから試験塗布用部材の被塗布面に対し前記流動性材料を吐出させて装置調整用のラインを形成する試験塗布部、
    をさらに備え、
    前記被塗布面を、前記主走査方向に対して傾斜させてなる、
    ことを特徴とする塗布装置。
  2. 請求項1に記載の塗布装置であって、
    前記被塗布面を撮像する撮像手段、
    をさらに備え、
    前記撮像手段の撮像視野が、前記被塗布面の前記主走査方向における中心位置よりも低い側に設定されてなる、
    ことを特徴とする塗布装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の塗布装置であって、
    前記試験塗布用部材が樹脂フィルムからなるテープであり、前記テープを張設することによって前記被塗布面が形成されてなる、
    ことを特徴とする塗布装置。
  4. 請求項3に記載の塗布装置であって、
    前記試験塗布部が、
    前記主走査方向に対して傾斜させた上面を有するとともに前記上面に前記テープを吸着固定可能なテープ台、
    を備え、
    前記テープ台の前記上面に前記テープを吸着固定することによって前記テープの前記被塗布面を前記主走査方向に対して傾斜させてなる、
    ことを特徴とする塗布装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗布装置であって、
    前記被塗布面の傾斜角をαとするとき、
    0.002≦sinα≦0.02
    をみたす、
    ことを特徴とする塗布装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の塗布装置であって、
    前記流動性材料が発光物質と所定の溶媒とを混合させた有機EL液であり、
    前記基板がガラス基板である、
    ことを特徴とする塗布装置。
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