JP2013201183A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ Download PDF

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辰也 石井
Kenichiro Masuda
健一郎 増田
Shigekazu Hidaka
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Abstract

【課題】結晶粒が1μm以下であっても優れた見かけの比誘電率と電気抵抗を有する積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】誘電体層と内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層は、半導体粒子と、前記半導体粒子の表面の少なくとも一部を覆う第1の相と、前記第1の相の表面の少なくとも一部を覆う第2の相と、前記内部電極層に沿って、前記誘電体層と前記内部電極層との間に形成された第3の相とを有し、前記第1の相はMgOを主成分とし、前記第2の相および前記第3の相はSiOを主成分とすることを特徴とする積層セラミックコンデンサとすること。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
近年、家電や自動車、携帯電話などの電子機器の小型化、高機能化に伴い、小型で大容量の積層セラミックコンデンサが求められている。このような要求を満足するためには、比誘電率の高い材料を用いることや誘電体層を薄層化することが必要である。
一方、見掛けの比誘電率ではあるが、高い比誘電率を有する材料の一つに半導体コンデンサが挙げられる。例えば特許文献1には、多結晶体を構成する各結晶粒が、半導電性酸化物の主相と、この主相成分と他成分とから成り、該主相を囲繞する導電性酸化物の複合相とから成る磁器組成物が開示されている。これは複合相を導電性酸化物としたことで見かけ比誘電率に優れる効果を有すると考えられ、実施例によれば20000以上の大きな見掛け比誘電率が得られている。
これに対して、特許文献2には、誘電体層を薄層化するために結晶粒を1μm以下に微粒化した半導体コンデンサを開示している。
特開昭63−141206号公報 特開2007−180297号公報
特許文献1の半導体磁器組成物の複合相は主相成分と他成分の固溶体である誘電性酸化物で形成されており、固溶面積が大きいと見かけ比誘電率の向上は困難であると考えられる。また、薄層化を想定した技術構成でないため、結晶粒は実施例から推定されるに5〜8μmあるいはそれ以上と大きく、近年、小型大容量の積層セラミックコンデンサの主流となりつつある0603サイズや0402サイズに設計される誘電体層厚みは1μm以下であるため、1μm以上の結晶粒を適用することは困難である。さらに内部電極層間の粒子数が少なくなるために、電気抵抗も低くなりがちである。
それに対して、特許文献2では結晶粒を1μm以下に微粒化しているが、見掛けの比誘電率は5000以上で実施例より7000程度までと考えられ、半導体コンデンサとしての見掛けの比誘電率としては低い。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであって、見掛けの比誘電率が8000以上と高く、さらに優れた電気抵抗を有する積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、誘電体層と、内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層は、半導体粒子と、前記半導体粒子の表面の少なくとも一部を覆う第1の相と、前記第1の相の表面の少なくとも一部を覆う第2の相と、前記内部電極層に隣接し、前記内部電極層に沿って形成された第3の相とを有し、前記第1の相はMgOを主成分とし、前記第2の相および前記第3の相はSiOを主成分とすることを特徴とする積層セラミックコンデンサとする。これにより、見かけの比誘電率および電気抵抗に優れた積層セラミックコンデンサを提供することができる。
さらに前記半導体粒子は、BaTiOのうちTiの一部をNbで置換したものであることが望ましい。NbはBaTiOのTiサイトを容易に置換するため、半導体化を促進し、半導体特性優れた半導体粒子を得ることが可能となる。
さらに前記半導体粒子の平均粒径が1μm以下であることが好ましい。これにより、薄層化が可能となり、より小型の積層セラミックコンデンサの製造が可能となる。
本発明は、積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体層に半導体粒子を用い、半導体粒子の表面を覆うように形成されたMgOを主成分とした第1の相と、第1の粒界相を覆うように形成されたSiOを主成分とした第2の相とを有し、さらに、誘電体層の内部電極に沿った領域にはSiOを主成分とした第3の相が存在する構造とすることで、結晶粒が1μm以下であっても見かけ比誘電率および電気抵抗に優れた積層セラミックコンデンサを提供することができる。
図1は本発明に係る積層セラミックコンデンサの一実施の形態を模式的に示した断面図である。 図2は図1に示した誘電体層および内部電極層の一部分(A部)を拡大した模式図である。
以下、本発明を、実施形態に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る積層セラミックコンデンサの外部電極まで含めた一実施の形態を模式的に示した断面図である。
該積層セラミックコンデンサ100は、誘電体層1に内部電極層2(2a〜2e)が埋設されると共に、誘電体層1の両端部には外部電極3a、3bが形成されている。すなわち、誘電体層1は、複数の誘電体層1a〜1fの積層焼結体からなり、誘電体層1a〜1fと内部電極層2a〜2eとが交互に積層された構造とされ、内部電極層2a、2c、2eは外部電極3aと電気的に接続され、内部電極層2b、2dは外部電極3bと電気的に接続されている。そして、内部電極層2a、2c、2eと内部電極層2b、2dとの対向面間で静電容量を形成している。
図2は、図1の内部電極間の一部分の領域を拡大した構造模式図である。2b、2cは内部電極層、1b、1c、1dは誘電体層、11は半導体粒子、12はMgOを主成分とした相、13、14はSiOを主成分とした相である。SiOを主成分とした相14は内部電極2b、2cに沿った領域にある。ここでいう主成分とは、その相全体に対して90wt%以上を占めるものを指す。残部については、本発明の効果を損なわない程度に、Mn、Ca、希土類等の元素を含む化合物や、不可避不純物等が含まれていてもよい。
内部電極層2は、製品コストを考慮すると卑金属であるNiまたはCuが好ましい。
誘電体層1は、主に半導体粒子11で構成され、その他、半導体粒子11の表面を覆うMgOを主成分とする第1の相12、前記第1の相12の表面を覆うSiOを主成分とする第2の相13、内部電極層2に隣接しかつ前記内部電極層2に沿って形成されたSiOを主成分とする第3の相14で構成される。換言すれば、複数の半導体粒子11間の粒界相として、半導体粒子11側から順に、MgOを主成分とする第1の相、SiOを主成分とする第2の相が、半導体粒子11を囲むように存在しており、内部電極層2と半導体粒子11との間にも前記同様の粒界相が存在するとともに、SiOが内部電極層2に沿って集まるようにして第3の相が形成されている。
半導体粒子11としては、たとえばBaTiO、SrTiOまたはBaZrOの一部をランタノイドで置換したものや、BaTiO、SrTiOまたはBaZrOの一部をNbやTaなどで置換したものが使用できる。
MgOを主成分とする第1の相12が存在することにより、半導体粒子の導電性を失うことなく、見かけ比誘電率を大きくすることができる。また、MgOは粒成長抑制効果を有しており、焼成後の結晶粒を容易に1μm以下に抑制することができる。さらに、MgOの粒界相はBaTiOへの反応性とSiOとの反応性の高さから、BaTiOとSiO粒界相のつなぎの役割を担っている。第1の相12の半導体粒子に対する被覆率は、好ましくは80%以上、より好ましく90%以上が望ましく、厚みは0.5nm以上が好ましく、より好ましくは1nm以上10nm以下である。
SiOを主成分とする第2の相13は、耐電圧が高く、粒界成分とすることで高い絶縁性が得られる。第2の相13の半導体粒子に対する被覆率は好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が望ましく、厚みは1nm以上が好ましく、より好ましくは3nm以上30nm以下が望ましい。
SiOを主成分とする第3の相14は、半導体粒子11と内部電極層2との間に存在することで、両者が導通することを防ぎ、誘電体層1と内部電極層2との密着性を向上させ、熱衝撃などに対して干渉層の役割を果たすのでクラックが抑制される。また、緻密性が向上するため、電気抵抗の向上および高温負荷寿命に対しても良特性を示す。第3の相14は、たとえば第2の相13の一部が内部電極層2に沿って偏析(析出)したもので形成することができる。内部電極層2の表面全体に対する第3の相14の被覆率は、導通の防止の観点から少なくとも被覆率80%以上程度あることが好ましい。厚みは1nm以上30nm以下が好ましい。
外部電極3は導電性金属粉末を含む導電性ペーストを付与し焼き付けることで形成される。その上にさらにめっき層を形成してもよい。
なお、第1の相12、第2の相13のそれぞれの厚みは、誘電体層断面のSTEM−EDS像を測定し、コントラストから粒子と粒界相を区別する。任意に選んだ100個の粒子の外接円を描き、その外接円の中心から任意に1本の線を引いた後、その線を基準に円中心から60°ずつ回転させた直線を2本引く。この作業によって1つの粒子に外接円中心から3本の直線が描かれ、粒子表面に6箇所直線が交差することになる。この方法によって1つの粒子から2箇所、2値化された相の厚みをそれぞれ測る。6点の平均を100個の粒子について同様にはかり、平均したものを厚みとして用いる。また、第3の相14の厚みはコントラストから粒子と粒界相と内部電極を区別し、任意に選んだ100個の内部電極に近接した粒子の外接円を描き、その外接円の中心から内部電極にかけて最短距離となるように直線を引く。この直線に交わる粒界相から内部電極にかけての距離を平均したものを厚みとして用いる。
また、第1の相12を構成するMgOと第2の相13を構成するSiOはその界面で一部、化合物を作り、MgSiOもしくはMgSiOとなってもよいが、その厚みはSiOすなわち第2の相13の厚みを超えない。
上記積層セラミックコンデンサ100の誘電体層1の見かけ比誘電率は8000以上で電気抵抗は1012Ω・μm以上を得ることができる。さらに、結晶粒は1μm以下に抑制されるため、薄層多層化に好適に用いられ、小型大容量の積層セラミックコンデンサを得ることが可能となる。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ100は、たとえば以下のような方法で製造される。
本実施形態に係る半導体粒子の製造においては、BaTiOの一部をNbで置換した半導体粒子を作成する場合、まず、所定の粒子性状を有するBaTiOの原料とNb含有粉末を準備する。BaTiOの原料としては、本実施形態では、BaCOおよびTiOを用いることが好ましい。BaCOの比表面積は、好ましくは20m/g以上、さらに好ましくは30〜100m/gの範囲にあり、TiOの比表面積が30m/g以上、さらに好ましくは40〜100m/gの範囲にある。
Nb含有粉末は、酸化物であってもよく、また炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等であってもよいが、粒子性状の制御および入手の容易さなどの観点から酸化物が好ましく用いられる。Nb含有粉末の比表面積は5.0m/g以上、さらに好ましくは10〜100m/gの範囲にある。
原料であるBaCO、TiO、Nb含有粉末の比表面積が上記範囲にあると、微粒であり均一な粒度のBaTiOが得られる。比表面積が比較的小さく、粗粒の原料粉末を用いると、BaTiOが得られるものの、微粒子が得られにくくなる。
次に準備した原料を、所定の組成比となるように秤量して混合、必要に応じて粉砕し、原料混合物を得る。混合・粉砕する方法としては、たとえば、水等の溶媒とともに原料をボールミル等の公知の粉砕容器に投入し、混合・粉砕する湿式法が挙げられる。また、乾式ミキサーなどを用いて行う乾式法により、混合・粉砕してもよい。なお、原料粉末の比表面積は、混合粉末を準備する際の粉砕により上記範囲に調整してもよい。また、混合粉砕時には、投入した原料の分散性を向上させるために、分散剤を添加するのが好ましい。分散剤としては公知のものを用いればよい。
次に、得られた原料混合物を、必要に応じて乾燥した後、熱処理を行う。熱処理雰囲気は還元雰囲気、大気雰囲気の何れであってもよいが、大気雰囲気が好ましい。このような熱処理を行うことで、Nbが、BaTiOのTiサイトを置換し、BaTiO系半導体粒子の生成が促進される。このようにすることで、BaTiO系半導体粒子が細かい粒子として得られる。
次にBaTiO系半導体粒子をMgOおよびSiOで被覆するが、被覆する方法は特には限定されない。例えば、BaTiO系半導体粒子にMgOを添加し、均一に混合後、仮焼することでMgOで被覆されたBaTiO系半導体粒子を作製し、その後、SiOを添加し、均一に混合後、仮焼することで第1層目にMgO、第2層目にSiOを被覆したBaTiOを作製することができる。そのほか、Mgのアルコール系スラリーにBaTiO系半導体粒子を含浸させ、スプレー乾燥後、次にSiのアルコール系スラリーに含浸し、スプレー乾燥し、大気中で仮焼することでも合成できる。さらには、BaTiO系半導体粒子をターゲットとし、Mgをスパッタ後、Siをスパッタすることでも同様の被覆体を得ることができる。MgO被覆膜厚みは0.5〜10nm、SiOは1〜30nmとなるように添加することが好ましい。
このようにして合成されたMgOおよびSiOで被覆されたBaTiO系半導体粒子に有機バインダや可塑剤を適量添加して十分に長時間湿式で混合し、これによりセラミックスラリーを得る。
次に、ドクターブレード法等の成形加工法を使用してセラミックスラリーに成形加工を施し、焼成後の厚みが所定厚み(例えば1μm程度)となるようにセラミックグリーンシートを作製する。
次いで、内部電極用導電性ペーストを使用してセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷を施し、前記セラミックグリーンシートの表面に所定パターンの導電膜を形成する。
尚、内部電極用導電性ペーストに含有される導電性材料としては特に限定されるものではないが、半導体セラミック層とのオーミック接触の確実性や低コスト化の観点からは、NiやCu等の卑金属材料を使用するのが好ましい。
次いで、導電膜が形成されたセラミックグリーンシートを所定方向に複数枚積層し、導電膜の形成されていないセラミックグリーンシートで挟持し、圧着し、所定寸法に切断してセラミック積層体を作製する。
そしてこの後、大気雰囲気下で脱バインダー処理を行ない、次いで、HガスとNガスが所定の流量比(例えば、H:N=1:100)に調製された強還元雰囲気下、一次焼成を行ってセラミック積層体を焼結させる。
そしてその後、窒素−水蒸気雰囲気下、NiやCu等の内部電極材料が酸化しないように二次焼成を行い、半導体セラミックを再酸化して粒界絶縁層を形成し、これにより内部電極層2と誘電体層1とで構成された部品素体が作製される。誘電体層1は、半導体粒子11と、半導体粒子11の表面を覆いMgOを主成分とする第1の相12、第1の相12の表面を覆いSiOを主成分とする第2の相13、および内部電極層2に沿って形成されSiOを主成分とする第3の相14を有する構造となる。
次に、誘電体層1および内部電極層2の、内部電極層2が露出した両端面に外部電極用導電性ペーストを塗布し、焼付処理を行い、外部電極3a、3bを形成し、これにより積層セラミックコンデンサ100が製造される。尚、外部電極用導電性ペーストに含有される導電性材料についても特に限定されるものではないが、オーミック接触に好適なGa、In、Ni、Cu等の材料を使用するのが好ましい。さらに、これらのオーミック接触に好適な電極上にAg電極を形成することも可能である。また、外部電極3a、3bの形成方法として、セラミック積層体の両端面に外部電極用導電性ペーストを塗布した後、セラミック積層体と同時に焼成処理を施すようにしてもよい。
このように本実施の形態では、上述した誘電体層1の構造を有する積層セラミックコンデンサとしているので、各半導体セラミック層1a〜1fの層厚を1μm以下に薄層化することが可能となり、しかも薄層化しても1層当たりの見かけ比誘電率を8000以上と大きくすることができ、小型・大容量の積層セラミックコンデンサを得ることができる。
また、図1では、誘電体層1a〜1fと内部電極層2a〜2eとが交互に積層されてなる積層セラミックコンデンサを示したが、セラミックの単板(例えば、厚みが500nm程度)に内部電極を蒸着等で形成し、この単板の数層(例えば、2、3層)を接着剤等で貼り合わせた構造を有する積層セラミックコンデンサも可能である。このような構造は、例えば、低容量の用途に用いられる積層セラミックコンデンサに有効である。また、本実施形態では、予めMgOおよびSiOで被覆したBaTiO系半導体粒子を用いたが、最終的に積層セラミックコンデンサの誘電体層内で半導体粒子と各相が本発明の構成となるように製造されれば、その製造方法については前述のものに限定されない。たとえば、第3の相は、半導体粒子へのSiO被覆量や焼成条件の制御によって内部電極層側へ析出させる方法のほか、内部電極層に沿った第3の相を別工程にて設ける方法であってもよい。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例1)
BaCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、窒素と水素の混合雰囲気中で熱処理し、窒素ガス流量は
1.92L/min、水素ガス流量は0.08L/minとなるようにマスフローコントローラーにて制御し、炉内に導入するようにした。昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に950℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、酸素欠損したBaTiO3−x粒子を得た。
次に、酸素欠損したBaTiO3−x粉末をMgのアルコール系スラリー(MgO3nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOが被覆した酸素欠損したBaTiO3−x粉末を得た。
次に、MgOが被覆した酸素欠損したBaTiO3−x粉末をSiのアルコール系スラリーSiO10nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOおよびSiOが被覆した酸素欠損したBaTiO3−xを得た。
(実施例2)
BaCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)および
Nb(比表面積10m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、大気中で熱処理し、昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に950℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、BaTi0.99Nb0.01粒子を得た。
次に、BaTi0.99Nb0.01粉末をMgのアルコール系スラリー(MgO3nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末を得た。
次に、MgOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末をSiのアルコール系スラリーSiO10nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOおよびSiOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末を得た。
(実施例3)
SrCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)およびLa(OH)(比表面積10m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、大気中で熱処理し、昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に1400℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、Sr0.99La0.01TiO粒子を得た。
次に、Sr0.99La0.01TiO粉末をMgのアルコール系スラリー(MgO3nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOが被覆したSr0.99La0.01TiO粉末を得た。
次に、MgOが被覆したSr0.99La0.01TiO粉末をSiのアルコール系スラリーSiO10nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOおよびSiOが被覆したSr0.99La0.01TiO粉末を得た。
(実施例4)
ZnO(比表面積10m/g)を準備した。
次に、ZnO粉末をMgのアルコール系スラリー(MgO3nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOが被覆したZnO粉末を得た。
次に、MgOが被覆したZnO粉末をSiのアルコール系スラリーSiO10nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOおよびSiOが被覆したZnO粉末を得た。
(比較例1)
BaCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)およびNb(比表面積10m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、大気中で熱処理し、昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に950℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、BaTi0.99Nb0.01粒子を得た。
次に、BaTi0.99Nb0.01粉末をMgのアルコール系スラリー(MgO3nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末を得た。
(比較例2)
BaCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)およびNb(比表面積10m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、大気中で熱処理し、昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に950℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、BaTi0.99Nb0.01粒子を得た。
次に、BaTi0.99Nb0.01粉末をSiのアルコール系スラリーSiO10nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでSiOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末を得た。
(比較例3)
BaCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)およびNb(比表面積10m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、大気中で熱処理し、昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に950℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、BaTi0.99Nb0.01粒子を得た。
次に、BaTi0.99Nb0.01粉末をMgのアルコール系スラリー(MgO3nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末を得た。
次に、MgOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末をSiのアルコール系スラリーSiO0.5nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでMgOおよびSiOが被覆したBaTi0.99Nb0.01粉末を得た。
(比較例4)
SrCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)およびLa(OH)(比表面積10m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、大気中で熱処理し、昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に950℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、Sr0.99La0.01TiO粒子を得た。
次に、Sr0.99La0.01TiO粉末をSiのアルコール系スラリーSiO10nm相当量)に含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中400℃で熱処理することでSiOが被覆したSr0.99La0.01TiO粉末を得た。
(比較例5)
SrCO(比表面積25m/g)、TiO(比表面積50m/g)およびLa(OH)(比表面積10m/g)を準備した。
表1記載の組成となるように、秤量して、水および分散剤とともにボールミルにて混合した。得られた混合粉は、大気中で熱処理し、昇降温速度は200℃/hrで行い、650℃で1hr保持した後に950℃で2hr保持し、その後、室温まで温度を下げた。このようにして、Sr0.99La0.01TiO粒子を得た。
次に、Sr0.99La0.01TiO粉末をMgのアルコール系スラリーとSiのアルコール系スラリーの混合スラリーに含浸させた混合スラリーを200℃でスプレー乾燥後、大気中850℃で熱処理することでMgSiO(10nm相当)が被覆したSr0.99La0.01TiO粉末を得た。
(比較例6)
ZnO(比表面積10m/g)を準備した。粒径を大きくするために、大気中で1250℃5hr熱処理し、平均粒径8μmのZnO粉末を得た。
次にZnO1molに対して、CaClを2mol%、TiClを3mol%となるように加え、水を溶媒とし、ボールミルで混合したスラリーにアンモニア水5mol添加しZnO上にCaおよびTi成分の微粒子を沈殿させた。この沈殿物をろ過して乾燥後、大気中850℃で熱処理することで、(Zn,Ca)TiOが被覆したZnOを得た。
上記、実施例、比較例において、「焼結体の比誘電率」、「焼結体の比抵抗」および「焼結体の粒径」は以下のように測定した。
<焼結体の比誘電率>
合成粉末を用いて、図1の形状となるようにサンプルを作製し、LCRメータ(Hewlett Packard社製HP4284A)を用いて、比誘電率を測定した。表1中の値は、温度20℃にて、周波数1kHz、電圧1Vrmsで測定した値である。
<焼結体の比抵抗>
絶縁抵抗は温度20℃にて、1Vの直流電圧を30秒印加した後の値であり、比抵抗の形で表記した(単位:Ω・μm)。
<焼結体の粒径>
焼結体の粒子性状を、SEMにより1000個の粒子について観察測定し、各粒子の円
相当換算径から、平均粒径を算出した。
Figure 2013201183
表1から明らかなように、半導体粒子をMgOおよびSiOの2成分の粒界相で覆うことで、8000以上の高い比誘電率を得られ、かつ1012Ω・μm以上の高い比抵抗が得られ、さらに焼結体粒径は1μm以下に抑制できた(実施例1〜4)。
粒界が一相のみの場合はなんらかの不具合が発生した。50000以上の高い比誘電率が得られても比抵抗が10Ω・μm以下と低いものであった(比較例1および比較例2)。SiOの相が薄く、内部電極層に沿った相が十分に形成されなかったため、高い比抵抗が得られなかった(比較例3)。比抵抗が1013Ω・μm以上を得られても比誘電率は8000以下で低かった(比較例4および比較例5)。1μm以上に粒成長してしまった(比較例5および比較例6)。
また、断面観察したところ、実施例1〜4、比較例2および比較例4で内部電極層に沿ってSiOの相が確認され、比較例1、比較例3、比較例5および比較例6では確認されなかった。
以上のように、本発明に係る積層セラミックコンデンサは、結晶粒が1μm以下であっても見掛け比誘電率および電気抵抗は高く、有用である。
100・・・積層セラミックコンデンサ
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f・・・誘電体層
2,2a,2b,2c,2d,2e・・・内部電極層
3・・・外部電極 11・・・半導体粒子 12・・・MgOを主成分とする第1の相
13・・・SiOを主成分とする第2の相 14・・・SiOを主成分とする第3の相

Claims (3)

  1. 誘電体層と内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサにおいて、
    前記誘電体層は、半導体粒子と、
    前記半導体粒子の表面の少なくとも一部を覆う第1の相と、
    前記第1の相の表面の少なくとも一部を覆う第2の相と、
    前記内部電極層に隣接し、前記内部電極層に沿って形成された第3の相とを有し、
    前記第1の相はMgOを主成分とし、前記第2の相および前記第3の相はSiOを主成分とすることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記半導体粒子は、BaTiOのうちTiの一部をNbで置換したものであることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記半導体粒子の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
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JP2021009919A (ja) * 2019-07-01 2021-01-28 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法

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