図1〜図3は、本発明に係る製袋充填包装機の好適な一実施形態を示している。図に示すように、この製袋充填包装機は、上流側に配置された帯状の包装フィルムを用いて袋体を製造する製袋装置11と、その製袋装置11から順次搬出される袋体に対して開口部を開き、製品を充填し、密封処理をする充填包装装置12とを備える。
本実施形態の製袋装置11は、帯状の包装フィルムを連続して搬送しながら適宜位置を折り曲げるとともにシール・カットすることで、上部が開口し、下部並びに左右の側縁が閉塞した袋体を製袋する。この袋体1は、例えば図4に示すように、全体が矩形状で底部側で折り返されて断面がW状となっている。そして、両側縁1aは略帯状にシールされ底部1b側は円弧状にシールされる。これにより、最終的に包装体となった場合、底部が開いて自立できるようになる。そして、製袋装置11からは、製造された袋体1が一定間隔で一時停止することなく連続して搬出される。
次に、図5以降の図面に基づいて製袋装置11のより具体的な一実施形態を説明する。図5は製袋装置11の正面図であり、図6はその平面図であり、図7は図5におけるA−A線矢視断面図であり、図8は図5におけるB−B線矢視断面図である。
製袋装置11は、製袋装置本体31と、その製袋装置本体31に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置30とを備えている。フィルム供給装置30は、帯状の包装フィルム35を連続して製袋装置本体32に供給するためのものである。フィルム供給装置30は、複数本(ここでは2本)の支持軸33を備え、それぞれの支持軸33に包装フィルム35をロール状に巻き取った原反ロール34を装着する。この2本の原反ロール34のうちの一方が、実際に製袋装置本体31に包装フィルム35を供給するものとなり、他方の原反ロール34は予備用となる。つまり、現在供給中の原反ロール34から包装フィルム35の後端に、スプライサー32にて予備用の原反ロール34から引き出された包装フィルム35の先頭を接続し、包装フィルム35を製袋装置本体31に対して連続して供給できるようにしている。
このフィルム供給装置30は、機枠に対して2本の支持軸33を回転自在に軸受け支持させる。この支持軸33は、サーボモータ等の速度制御可能な駆動モータに連携されており、その駆動モータの回転力を受けて包装フィルム35が一定速度で繰り出されるように回転する。さらにフィルム供給装置30は、原反ロール34から連続して繰り出されたれた包装フィルム35を所定の搬送経路で搬送し、製袋装置本体31の搬入部位に導くための複数のローラ37を備える。このローラ37は、包装フィルム35に対してテンションを掛けるテンションローラや、包装フィルム35の搬送方向を変更したり搬送をガイドしたりするフリーローラや、包装フィルム35の弛み等を吸収するダンサローラなどがある。
また、搬送経路の途中に、包装フィルム35の所定位置をカットするためのダイロールカッターユニット36が配置される。このダイロールカッターユニット36は、包装フィルム35の所定位置に半円形の切り欠き孔部を形成する。この切り欠き孔部は、図4中、符号1cに示すように、袋体1の底部側の折り返し部位において内側に位置するフィルム部位1′側に形成する。これにより、折り返し部位の外側に位置するフィルム部位1″が切り欠き孔部1cを介して露出する。そして、この切り欠き孔部1cの形成位置は、袋体1を形成するに際し折り返した際に、フィルム部位に形成した切り欠き孔部1c同士が対向する位置にしている。
本実施形態で用いる包装フィルム35は、一方の面(装体1における内周面)が加熱により溶融し、その同一面の接触部位同士が熱シールされるシーラント面(シーラント層)となり、他方の面(装体1における外側表面)は、加熱されても溶融しない非シール面(ベースフィルム)となる。よって、上記の切り欠き孔部1cを介して露出する面は、フィルム部位のシーラント面となる。そして、この切り欠き孔部1cを介して露出するフィルム部位は、折り返された際に対向するフィルム部位の切り欠き孔部1cを介して露出する相手側のシーラント面と相対する。これにより、折り返し部位における外側に位置するフィルム部位同士が、露出するシーラント面により熱シールされて一体化し、底部の強度が増す。この切り欠き孔部を設け、底部の強度を増したタイプの袋体は、例えば実開平05−24534号に開示されている。
製袋装置本体31は、上流側に包装フィルム35の幅方向の中央部位の適宜位置を折曲げて断面略Wに形成する製袋板38を備える。この製袋板38は、上流側に配置される第1製袋部38aと、下流側に配置される第2製袋部38bを備える。第1製袋部38aは下方傾斜状に配置され、包装フィルム35の中央付近を下方に押し下げ、袋体の底部(最下端)を形成する。第2製袋部38bは上方傾斜状に配置され、包装フィルムの幅方向のセンターラインを上方に押し上げることで袋体1の底部に形成する折り返し部位を形成する。よって、水平面内で平坦に広がった状態で搬送される包装フィルム35は、製袋板38を通過することで、下方で折り曲げられて垂直面内で起立した状態となる。製袋装置本体31内を移動する包装フィルム35′は、そのように下方で折り曲げられた有底で上方が開口した状態のまま各装置を通過し、所定の処理が行われる。
さらに製袋装置本体31は、製袋板38の下流側に、第1フィルム送りローラ装置40,第2フィルム送りローラ装置41,予熱装置42,シール装置43,冷却装置44,トルク制御用ローラ装置45,ダイカットユニット装置46を備えている。これら各装置要素は、図9,図10に拡大して示す。
第1フィルム送りローラ装置40は、包装フィルム35′の左右両側に配置され、回転軸が上下方向に延びる一対のローラ40aを備え、その一対のローラ40aにて製袋板38を通過後の包装フィルム35′を左右両側から挟み込むとともに所定の圧力で加圧した状態で同期して回転する。ローラ40aの外周面は、包装フィルム35′に接触する部位は全体的に凹凸も無い曲面であり、ローラ40aは全体として略円柱形となる。一対のローラ40aは駆動モータの回転力を受け、同期して回転し、挟み込んだ包装フィルム35′に対し前方へ搬送力を与える。換言すると、製袋板38内を通過中の包装フィルム35を引っ張り出す機能を有する。ローラ40aは等速回転し、包装フィルム35′を一定速度で搬送するように搬送力を与える。
第2フィルム送りローラ装置41は、第1フィルム送りローラ装置40を経て一定速度で搬送される包装フィルム35′の左右両側に配置され、回転軸が上下方向に延びる一対のローラ41aを備え、その一対のローラ41aにて包装フィルム35′を左右両側から挟み込むとともに所定の圧力で加圧した状態で同期して回転する。ローラ41aの外周面は、包装フィルム35′に接触する部位は全体的に凹凸も無い曲面であり、ローラ41aは全体として略円柱形となる。一対のローラ41aは駆動モータの回転力を受け、同期して回転し、挟み込んだ包装フィルム35′に対し前方へ搬送力を与える。この第2フィルム送りローラ装置41が包装フィルム35′に与える搬送速度の方が第1フィルム送りローラ装置40よりも若干速くなるように設定し、包装フィルム35′が弛むこと無く搬送されるようにしている。なお、この第2フィルム送りローラ装置41は省略しても良い。
予熱装置42は、包装フィルム35′を挟んで左右両側に配置された一対のヒーターブロック42aを備える。このヒーターブロック42aは、逆T字型からなり、ヒータが内蔵される。さらにヒーターブロック42aは、対向面がシール面となり所定のパターンの凹凸が形成され、凸部の形成領域で包装フィルム35′に接触しシールする。この凸部のパターンは、具体的には、逆T字型の上下に伸びる部分では図4(a)に示す矩形状の袋体の周縁に略U字状のシール部位(側縁1a,底部1b)のうち、側縁1aに対応する部位に凸部が形成される。そして、逆T字型の横に伸びる部分では、底部の1bの半分ずつ、すなわち、進行方向前側の袋体の底部1bの後半分と、進行方向後側の袋体の底部1bの前半分に対応する部位に凸部が形成される。このヒーターブロック42aは、カムその他の動力変換伝達機構42bに連携されており、一対のヒーターブロック42aのヒータ面が対向した状態のまま所定の軌跡で公転移動し、互いに接近した際に一定期間、包装フィルム35′を挟み込んだまま同期して前進移動する。つまり、いわゆるボックスモーションタイプの動作をする。そしてこの挟み込んで前進移動している期間、一対のヒーターブロック42aは、凸部に接触するフィルム部位を加熱する。さらにこの動力変換伝達機構42bは、サーボモータ等の駆動モータ42cの出力を受けて駆動する。
シール装置43は、予熱装置42と同様に包装フィルム35′の左右両側に配置された一対のヒーターブロック43aを備える。このヒーターブロック43aは、逆T字型からなり、ヒータが内蔵される。さらにヒーターブロック43aは、対向面がシール面となり所定のパターンの凹凸が形成され、凸部の形成領域で包装フィルム35′に接触しシールする。この所定パターンは、予熱装置42のヒーターブロック42aに形成したものと同等のものである。そして、ヒーターブロック43aは、予熱装置42と同様に、カムその他の動力変換伝達機構43bに連携されており、一対のヒーターブロック43aのヒータ面が対向した状態のまま所定の軌跡で公転移動し、互いに接近した際に一定期間、包装フィルム35′を挟み込んだまま同期して前進移動する。この動力変換伝達機構43bは、サーボモータ等の駆動モータ43cの出力を受けて駆動する。
そしてこの挟み込んで前進移動している期間、一対のヒーターブロック43aは、凸部に接触するフィルム部位を所定圧力で加圧しながら加熱する。このシール装置43のヒーターブロック43aの凸部が接触するフィルム部位は、前段の予熱装置42のヒーターブロック42aの凸部が接触して予熱したフィルム部位と同じ位置になるように制御する。
よって、包装フィルム35′は、シール装置43を通過すると前段で予熱されたフィルム部位と同一箇所が加熱・加圧され、シーラント面同士が接触している部分がしっかりと溶融されて熱シールされる。
冷却装置44は、包装フィルム35′の左右両側に配置された一対のヒーターブロック44aを備える。このヒーターブロック44aは、矩形の枠体を備え、対向面にU字型の凸部が形成される。ヒーターブロック44aは、少なくとも周面が熱伝導性の良好な金属材料で構成することで、接触したフィルム部位の熱を効率よく吸熱してシール箇所を冷却し、安定したシールが行える。また、内部に冷却水を循環するようにし、強制的に冷却するようにしてもよい。このヒーターブロック44aも、カムその他の動力変換伝達機構44bに連携されており、一対のヒーターブロック44aのヒータ面(冷却面)が対向した状態のまま所定の軌跡で公転移動し、互いに接近した際に一定期間、包装フィルム35′を挟み込んだまま同期して前進移動する。つまり、いわゆるボックスモーションタイプの動作をする。
そして、ヒーターブロック44aの包装フィルム35′のシール部位に接触する部分はゴザ目となっており、シール箇所にゴザ目状のシール目を形成し、よりしっかりとシールするようになっている。シール目は、ゴザ目に限ることはなく、各種の形態を取ることができる。
上述した予熱装置42,シール装置43,冷却装置44は、それぞれ所定のサーボモータ等の駆動モータ42c,43c,44cに連係され、各ダイロール42,43や冷却ローラ44が所定の速度で回転する。本実施形態では、等速回転し、周面における接線方向の速度が等しくなるように制御される。駆動モータは、本実施形態では装置ごとに用意したが、1つの駆動モータの出力が複数の装置に伝わるようにしても良い。
トルク制御用ローラ装置45は、上端縁が開口された状態で略U字状のシール部位がフィルムの搬送方向に沿って繰り返し形成された包装フィルム35′の左右両側に配置され、回転軸が上下方向に延びる一対の挟持ローラ45aを備える。この挟持ローラ45aは、周面に所定パターンの凹凸を設け、熱シールしたフィルム部位に接触するようにしてもよいし、周面に係る凹凸を設けずに包装フィルム35′の全体に接触するようにしてもよい。このトルク制御用送りローラ装置45は、一対の挟持ローラ45aにて包装フィルム35′を左右から所定の圧力で挟み込んだ状態で回転することで、包装フィルム35′に対して搬送力を与え、次段の充填包装装置12に向けて包装フィルム35′を送り出す。このとき、一定のトルク制御により、トルク制御用ローラ装置45から送り出された包装フィルム35′は一定のトルクで搬出される。すなわち、原反ロール34から送り出された包装フィルム35が、フィルム供給装置30から製袋装置本体31の各装置要素を通過することで、各装置要素間で包装フィルムにかかるテンション・速度の差が生じた場合でもこのトルク制御用ローラ装置45を通過することでそれより上流側での状態の如何に関わらずトルクを一定の状態で包装フィルム35′をダイカットユニット装置46・充填包装装置12に供給することができる。特に、予熱装置42,シール装置43,冷却装置44の駆動をボックスモーションタイプとしたため、各ヒーターブロックで包装フィルム35′を挟み込んでフィルムと同期して移動する際に速度差等が生じ、加えるトルクが変動しやすいが、仮に速度差等が生じたとしてもトルク制御用ローラ装置45を設けることで下流側に一定のトルクの状態で搬送できる。
ダイカットユニット装置46は、包装フィルム35′の左右両側に配置され、回転軸が上下方向に延びる一対のダイロールカッター46aを備える。ダイロールカッター46aの周面に形成するカッター刃は、適宜のフィルム部位がシールされた連続した包装フィルム35′から、図4(a)に示す矩形状の袋体の外周縁に対向する部位に形成される。これにより、包装フィルム35′がダイカットユニット装置46を通過すると、回転するダイロールカッター46aにより適宜位置がカットされ、個々の袋体1が切り出される。この切り出された袋体1は、上方が開口し両側辺並びに底辺の所定部位がシールされた状態となっている。
なお、このトルク制御用ローラ装置45は、必ずしも設けなくても良い。すなわち、例えば本実施形態のように原反駆動で原反ロール35から一定速度で包装フィルム35を送ることで、各装置要素間で大きなテンションの差や速度差が発生しないと綺麗に製袋し、個々の袋体を製造することができる場合、トルク制御用ローラ45を設けない構成を採ると良い。
ダイカットユニット装置46の下流側には、第一渡りコンベア装置51,第二渡りコンベア装置52をその順に配置している。ダイカットユニット装置46にてカットされた個々の袋体1は、前後に隣接する部位が上下にカットされているものの接触した状態のままダイカットユニット装置46から搬出され、そのまま第一渡りコンベア総51に移し替えられる。
第一渡りコンベア装置51は、ベルト面が垂直平面にあり、所定経路で公転移動するベルトコンベア53を備える。このベルトコンベア53は、ダイカットユニット装置46から搬出される袋体1の搬出方向の延長線上に直線状の搬送路53aを有する。ベルトコンベア53を構成するエンドレスベルトのベルト幅は、例えば袋体1の高さに応じたものとなり、ダイカットユニット装置46から搬出される袋体1の所定部位が接触して受けられるようにすると良い。エンドレスベルトは、例えば袋体1の上方側の所定領域に接触するものでも良いし、上方と下方の両側に接触するものでも良いし、上端部を除くほぼ全域としても良く、接触する部位並びにエンドレスベルトの本数は任意である。そして例えばベルト面に多数の貫通孔を有し、搬送路53aの区間に吸引装置を設置し、袋体1をベルト面に吸着保持するようにするとよい。
また、第一渡りコンベア装置51の搬入側には、挿入ガイド板54が配置される。この挿入ガイド板54は、進行方向前方に行くに従ってベルト面との距離が徐々に短く(挿入ガイド板54とベルト面間の空間が狭く)なる傾斜路を有する。これにより、ダイカットユニット装置46から搬出された袋体1は、挿入ガイド板54によって案内され、確実にベルト面に沿い吸着保持されるようになる。
さらに挿入ガイド板54の下流側には、抑えローラ55は、挿入ガイド板54を通過した袋体1の所定部位をベルトコンベア53のベルト面に抑えつけるものである。例えばバネ力等を利用して、抑えローラ55がベルト面に付勢する構成とすると良い。係る構成を採ることで、挿入ガイド板54を通過した袋体1は、抑えローラ55によってより確実にベルト面に抑えつけられ、吸着される。このようにベルト面に吸着保持された袋体1は、ベルトコンベア53の回転移動に伴い前進移動する。
第二渡りコンベア装置52は、ベルト面が垂直平面にあり、所定経路で公転移動するベルトコンベア56を備える。このベルトコンベア56は、第一渡りコンベア装置51のベルトコンベア53の搬出路53aの延長線上に搬送路56aを備え、その搬送路56aの下流側には搬送路56aの延長線上から徐々に離れる離反区間56bを設ける。この第2渡りコンベア装置52のベルトコンベア56のベルト面にも多数の貫通孔を形成するとともに搬送路56aに吸着手段を配置する。
さらに、第一渡りコンベア装置51の搬送路53aの搬出側から第2渡りコンベア装置52の搬送路56aにわたって、外ガイド板57と内ガイド板58を配置する。それら外ガイド板57と内ガイド板58にて、袋体1の所定部位を挟み込むことで、当該袋体1を安定した姿勢・方向に搬送をガイドする。また、外ガイド板57並びに内ガイド板58の上流側は、第一渡りコンベア装置51側に位置しているため、第一渡りコンベア装置51のベルトコンベア53に吸着されている袋体1は、その吸着された状態のまま外ガイド板57と内ガイド板58にも挟み込まれる。よって、第一渡りコンベア装置51の搬出側に至った袋体1は、係る外ガイド板57と内ガイド板58に案内されて、そのまま第2渡りコンベア装置52側に移動する。
また、第2渡りコンベア装置52のエンドレスベルト56に吸着保持された袋体1は、両ガイド板57,58にも案内されて搬送路56aに沿ってまっすぐに搬送される。そして、この搬送路56aを移動する袋体1は、先頭から順に次段の充填包装装置12の搬送装置13に移し替えられる。
また、このように本実施形態では、両ガイド板57,58で袋体を保持する構造にしているが、係る構成に限るものでは無く、例えば一対のベルトコンベアを配置し、その一対のベルトコンベアで袋体の上方部位を挟み込むようにしてもよい。
充填包装装置12は、製袋装置11から順次搬出される袋体を1枚ずつ受け取るとともに所定の経路で連続搬送する搬送装置13と、その搬送装置13の搬送経路の途中に配置され袋体の開口部を開く開袋装置14と、開袋装置14の下流側に配置され開口部が開いた袋体内に被包装物を充填する被包装物供給装置15と、被包装物供給装置15の下流側に配置され開いた袋体の開口部を閉じると共に密封するシール装置16等を備える。
搬送装置13は、所定の軌跡で水平に連続走行する無端のチェーン20に一定間隔ごとにクランプ21を取り付けた構成とする。本実施形態では、チェーン20の移動軌跡(配置レイアウト)は一般的な円形・楕円形のようなものではなく走行路が屈曲した形になっている。
これは、図12に示すように、チェーン20を構成する走行路の左右両側に走行路の軌跡を規定するチェーンガイド部材81を配置する。図12(a)に示すように、チェーン20は、上下に伸びるように平行に配置される多数のピン20aを連結して無端状にするもので、隣接する一組のピン20aの上下端をそれぞれ上連結バー20cと下連結バー20dで連結して略ロ字状の枠体を構成し、隣接する枠体同士を中間連結バー20eで連結することで無端状のチェーン20を構成する。そして、枠体ごとにクランプ21が取り付けられる。
中間連結バー20eは、隣接する枠体のピン20aの上下方向の中央付近に対して回転可能に軸受け支持するように連携する。中央連結バー20eの連携部位で回転することで、隣接する枠体同士の相対位置関係、すなわち、なす角は、変更可能となる。チェーン20を構成するピン20aには、複数のローラ20bを上下に重なるようにして接着する。より具体的には、ローラ20bは、中央連結バー20eの上下に2個ずつ、合計4個を装着する。同一のピン20aに装着した各ローラ20bは、その上下に隙間を設けるように配置し、上下のローラ20bが相互に接触することがないようにしている。
図12(b)に示すように、チェーンガイド部材81は、略凹状に形成され、内側面がガイド面となる。チェーンガイド部材81の内周面は、それぞれが走行路の左右両側のガイド面となる。図1において、搬送装置13は、反時計方向に公転移動する。進行方向の左側が内側となり、進行方向の右側が外側となる。そして、チェーンガイド部材81の進行方向左側に位置する内側面には、上下所定位置に内側ガイド部81aが2箇所に設けられる。2箇所の内側ガイド部81aは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中央連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bと、中央連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bに接触する。また、この内側ガイド部81aに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材81の進行方向右側に位置する内側面とは非接触となる。
チェーンガイド部材81の進行方向左側に位置する外側面には、上下所定位置に外側ガイド部81bが2箇所に設けられる。2箇所の外側ガイド部81bは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中央連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bと、中央連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bに接触する。また、この外側ガイド部81bに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材81の進行方向左側に位置する内側面とは非接触となる。
よって、チェーンが走行する際、各ローラ20bは内側ガイド部81aか外側ガイド部81bのいずれか一方に接触する。そして、各ローラ20bは、上下に隣接するローラ20bとは非接触で互いに独立して回転する。これによりチェーン20は、チェーンガイド部材81に案内され当該チェーンガイドで規定される経路で移動する。つまり、例えば進行方向左側に曲がる経路の場合、主に内側ガイド部81aに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内し、例えば進行方向右側に曲がる経路の場合、主に外側ガイド部81bに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内する。さらに、一つのピン20aに4個のローラ20bを設けることで、進行方向の左右両側とも、それぞれ上下二箇所でガイド部81a,81bに支持されるため、チェーン20は安定した起立した状態が保持される。
さらに、上連結バー20cには、その両側面にそれぞれ二個のコロ20fを回転自在に取り付けている。この二個のコロ20fは、チェーンガイド部材81の上面に接触する。よって、このコロ20fにより上下方向の移動が抑制され、安定した姿勢で所望の経路でチェーン20が移動することになる。
以上のような構成を採用したことでレイアウトの自由度を向上させることができた。特に搬送ラインを内側に向かって屈曲させるレイアウトが簡単に採れるようになった。つまり、チェーン20をチェーンガイド部材81ではなくスプロケット等を用いて屈曲させようとすれば、クランプ21に把持された袋体1が干渉しないように配慮しなければならないし、レイアウトにおいて緩やかにカーブした形にするのは難しい。その点、チェーンガイド部材81にすれば、スプロケット等がないため袋体1の干渉を考慮する必要はなく、カーブの形状についても所望の形に設計することができる。さらに、カーブ内やカーブ付近にも付帯装置を配置することができるためコンパクト化を図れるメリットもある。
図13に示すように、クランプ21は、開閉する一対の挟持爪部材91を備える。挟持爪部材91は、上連結バー21cの上部に取り付けられた連結ベース92に対して回転自在に連携される。挟持爪部材91は、連結ベース92に対して回転軸93aを中心に回転自在に取り付けられる第一アーム93と、その第一アーム93に対して連結される第二アーム94を備える。第一アーム93と第二アーム94はそれぞれ独立して回転可能となっている。
第一アーム93は、その基端側に第一作動ローラ95が連携され、先端は内側に向けて突出する爪部93bが設けられる。また第一アーム93は、図示省略する弾性付勢手段たるバネ部材(例えばコイルスプリング)により互いの先端が接近する方向に付勢され、第一作動ローラ95を第一アーム93の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図13(a)に示すような基準姿勢となる。この基準姿勢の状態から、第一作動ローラ95を連結ベース92側に向けて押し込むと、第一アーム93は回転軸93aを中心に回転し、図13(b)に示すように一対の第一アーム93は、互いの先端が離反し開いた姿勢となる。また、このときの第一アーム93の先端の爪部93b間の距離は、袋体1の横幅よりも広い設定としている。図13(b)は第一作動ローラ95を最も押し込んだ状態を示しており、第一作動ローラ95の押し込み量を調整することで、第一アーム93は、図13(a)に示す基準姿勢の状態から図13(b)に示す状態までの間の任意の角度の姿勢をとれる。
この図13(b)に示す状態から第一作動ローラ95に対する連結ベース92側に対する付勢力が解除されると、図示省略したバネ部材の弾性復元力により第一アーム93は回転軸93aを中心に回転し、図13(a)に示す基準姿勢に復帰する。
第一アーム93の回転中心となる回転軸93aに、連結アーム96を回転自在に連携する。第二アーム94の基端側は、その連結アーム96に連結する。第二アーム94は、一端が連結アーム96に連結される帯板状の主アーム94aと、その主アーム94aの先端に回転可能に連結した爪片94bを備える。爪片94bは、その中間部位には連結ピン94cを起立させ、その連結ピン94cにて第一アーム93に回転自在に連結する。これにより、第二アーム94は、第一アーム93に対して回転軸93aと連結ピン94cを介して連携され、リンク機構を構成する。よって、第一アーム93の開閉に伴い一体となって開閉する。さらに爪片94bの先端には、円筒状の爪部94dが起立状態で設置され、その爪部94dと第一アーム93の爪部93bとの間で袋体1を把持可能となっている。これにより、爪部94dと爪部93bにより把持部を構成する。
また、連結アーム96の適宜位置に第2作動ローラ97を取り付ける。さらに第一アーム93の基端側にL字プレート98を連結し、そのL字プレート98の先端と、第二アーム94を構成する主アーム94aの先端との間を、弾性付勢手段たるコイルスプリング99で連結する。コイルスプリング99の収縮しようとする弾性復元力により、主アーム94aをL字プレート98側に引き寄せる方向の付勢力が当該種アーム94aに働く。よって、第二作動ローラ97を第二アーム94の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図13(a)に示すように、第二アーム94の主アーム94aがL字プレート98側に引き寄せられ、それにともない、主アーム94aの先端に連携された爪片94bが連結ピン94cを中心に回転し、爪部94dが第一アーム93の爪部93bと接触する基準姿勢をとる。
この基準姿勢の状態から、第二作動ローラ97を先端側に向けて押し込むと、図13(b)に示すように、連結アーム96は回転軸93aを中心に回転し、主アーム94aはコイルスプリング99の弾性復元力に抗して先端側に移動し、爪片94bが連結ピン94cを中心に回転して爪部94dが第一アーム93の爪部93bから離反する姿勢となる。
この図13(b)に示す状態から第二作動ローラ97に対する先端側に対する付勢力が解除されると、コイルスプリング99の弾性復元力により第二アーム94の主アーム94aがL字プレート98側に引き寄せられて回転軸93aを中心に回転し、図13(a)に示す基準姿勢に復帰する。
図13(b)では、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97が、共に付勢された状態を示しているが、一方に対して付勢したり、付勢する量を調整したりすることで、第一アーム93,第二アーム94は適宜の姿勢をとる。また、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97に対する付勢力は、搬送装置13の搬送路に沿って適宜位置に設けた付勢ガイド板その他の付勢手段等により行う。
クランプ21は、2つの第一作動ローラ95と2つの第二作動ローラ97の合計4個の作動ローラを備えているが、それら4つの作動ローラの高さ位置はそれぞれ異なる位置に設定している。これにより、4個の作動ローラに対し、それぞれ異なる付勢ガイド板を接触させ、作動ローラに対する付勢の有無を適宜に設定することができる。つまり、例えば、2つの第一アーム93の開閉動作をずらすこともできるし、同時に行うこともできる。また、2つの第二アーム94の開閉動作をずらすこともできるし、同時に行うこともできる。さらに、第一アーム93とそれに取り付けられる第二アーム94の開閉動作のタイミングもずらすこともできるし、同時に行うこともできる。このクランプ21を開閉動作等させるために各作動ローラ95,97に対して付勢する付勢ガイド板等の付勢手段の具体的な構成は、充填包装装置12を構成する各装置の説明とともに適宜合わせて説明する。
まず図11に示すように、搬送装置13の第二渡りコンベア装置52付近の上流側の区間では、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97にそれぞれ接触し先端側に付勢する付勢ガイド板が搬送路に沿って配置される。これにより、図示するようにクランプ21の挟持爪部材91は開いた状態、すなわち、第一アーム93の先端同士が離れ、両アーム93,94の爪部93b,94dが離れた図13(b)に示す状態となる。この状態のまま、第二渡りコンベア装置52の両ガイド板57,58と平行な区間に至る。クランプ21の第一アーム93,第二アーム94は、その先端が両ガイド板57,58の上方を移動する。そして、その両ガイド板57,58の上方には、第二渡りコンベア装置52のベルトコンベア56に吸着された袋体1の上方が突出しており、クランプ21の一対の第一アーム93の間に袋体1が位置した状態で、袋体1とクランプ21が同速度で移動するように動作制御している。
この移動中に、第一作動ローラ95の連結ベース92へ向けて押す距離を減少させて第一アーム93の開き量を袋体1の横幅と同等かやや広めにするとともに、第二作動ローラ97への付勢を解除しコイルスプリング99の弾性復元力を利用して両爪部93b,94dを閉じ、袋体1の両端を把持する。これにより、袋体1はピンと張った状態でその上方両端がクランプ21にて把持され、以降、クランプ21の移動に伴い搬送される。
開閉装置14は、一対の吸盤(第1吸盤14a,第2吸盤14b)と、それら第1,第2吸盤14a,14bを水平面内の所定の軌跡で回転移動させる駆動装置14cを備える。駆動装置14cは、サーボモータを駆動源とし、そのサーボモータの回転出力により水平面内で回転する一対の回転体(歯車)14d,14e(図1ではカバーにより隠れている)と、各歯車14d,14eに対してそれぞれ偏芯した位置に連携されるとともに袋体1の移動経路に向けて延びるように配置された一対の連結部材14f,14gとを備える。この連結部材14f,14gの先端にそれぞれ第1,第2吸盤14a,14bを取り付ける。これにより、一対の連結部材14f,14gに取り付けた第1,第2吸盤14a,14bは、一対の歯車14d,14eの回転に伴い、吸着面が対向した状態を維持しながら接近してその吸着面が袋体1の開口部の両外表面に接触して吸着し、その吸着した状態のまま袋体1の移動に追従して前進移動しながら離反する。よって、袋体1の開口部は、第1,第2吸盤14a,14bに引っ張られて開く。
また、この第1,第2吸盤14a,14bの開く動作に合せて搬送装置13のクランプ21の両端の間隔を狭め、袋体1の開口部を開き易くする。そして、搬送装置13は、開袋装置14の通過後はこのようにクランプ21の両端の間隔を狭めた状態のままクランプ21を移動するので、袋体1は開口部が開いた状態のまま移送される。すなわち、この開袋装置14の設置位置からそれ以降の所定区間では、第一作動ローラ95,第二作動ローラ97に接触し、クランプ21の先端側に付勢する付勢ガイド板を設けない。これにより、クランプ21は基準姿勢になり、バネ部材やコイルスプリング99の作用によりその基準姿勢を維持する。
被包装物供給装置15は、スナック菓子等の被包装物が定量ずつ供給されているカップを保持した状態で当該カップを半円弧状の軌跡を移動しながら徐々に傾斜することでカップを傾け、カップ内に供給されている被包装物を袋体の開口部から袋体内に供給するものである。この被包装物供給装置15は、チェーン20の走行路が円弧状の領域の内側に配置されたロータリー式製品充填装置本体17と、被包装物が供給されているカップ3を搬送し、当該カップ3を1つずつ順にロータリー式製品充填装置本体17に渡すカップ搬送供給装置18と、ロータリー式製品充填装置本体17から搬出された空のカップ3を受け取り搬送するカップ搬出装置19を備える。図示省略するが、カップ搬出装置19の下流側と、カップ搬送供給装置18の上流側との間には、カップに対する物品供給装置が配置されており、被包装物を構成する定量された複数の物品がカップ内に供給される。これにより、被包装物供給装置15は、まず当該物品供給装置にてカップに定量の被包装物を供給する。そして、その被包装物が入ったカップをカップ搬送供給装置18が一列縦隊で搬送し、タイミングを合わせて先頭から1つずつロータリー式製品充填装置本体17に当該カップを渡す。ロータリー式製品充填装置本体17に渡されたカップは、円周上に沿って移動する。この際、カップは循環する複数のカップ保持部の一つに底部を保持された状態で搬送されながら、カップ保持部が水平の状態から徐々に内側に傾斜することで傾けられ、最終的にカップの底部全体がカップの上方開口部よりも上に位置する。よって、カップ内の被包装物は、カップから落下し袋体内に充填される。その後、カップ保持部が水平の状態に徐々に復帰することで、空のカップの底部が下降しカップの姿勢が元に戻る。そして、カップ搬出装置19は、ロータリー式製品充填装置本体17から搬出される空のカップ2を受け取り一列縦隊で搬送しカップに対する物品供給装置に至るように搬送する。
被包装物供給装置15を通過中は、袋体1はクランプ21にて上方開口部が開いた状態を維持する。そして被包装物供給装置15には袋体を密封するシール装置16が設置されているが、このシール装置16の直前位置にて、搬送装置13はクランプ21の第一アーム93をやや開いて袋体の開口部を閉じる処理を行う。具体的には、図14に示すようになる。
図14(a)に示すように第一付勢ガイド板101と第二付勢ガイド板102を上下に重ねて配置する。第一付勢ガイド板101は、進行方向前方(図14(b)中右側)の第一作動ローラ95に接触し、第二付勢ガイド板102は、進行方向後方(図14(b)中左側)の第一作動ローラ95に接触する。
第一付勢ガイド板101は、上流側(図14中左側)から、切欠部101a、傾斜部101b、付勢部101cを設けている。切欠部101aは、基準姿勢の状態にある第一作動ローラ95が非接触或いは接触しても第一作動ローラ95を付勢しない位置に配置され、付勢部101cでは第一作動ローラ95を所定距離だけ先端側(連結ベース側)に押し込むように付勢する位置に配置され、傾斜部101bは係る付勢部101bに至るまでに第一作動ローラ95を徐々に押し込むようにしている。付勢部101cにおける押し込み量は、第一アーム93が進行方向とほぼ直交し、袋体1をピンと張った状態にするために必要な距離であり、例えば、最大押し込み量の半分程度である。
第二付勢ガイド板102は、上流側(図14中左側)から、傾斜部102b、付勢部102cを設けている。傾斜部102b,付勢部102cの構成・機能は第一付勢ガイド板101のそれぞれと同じである。第二付勢ガイド板102、切欠部を設けず上流眼の最初から傾斜部102bとし、進行方向後方側の第一作動ローラ95は第二付勢ガイド板102に接触した当初から徐々に押し出されるようにしている。そして、切欠部101aの長さは、一対の第一作動ローラ95の間隔と一致させている。コレにより、前後の一つの第一作動ローラ95は、同一タイミングでそれぞれの傾斜部101b,102bに接触して徐々に押され、付勢部101c,102cで同じ所望距離だけ押される。よって、一対の第一アーム93は、同時に開き始め所望の角度位置に至る動作をする。
そして、図14(b)中左側の第一付勢ガイド板101,第二付勢ガイド板102を設けていない区間を移動中のクランプ21は、基準姿勢の状態で移動し、図14(b)中右側のクランプ21に示すように、第一付勢ガイド板101,第二付勢ガイド板102を設置した区間に至ると、挟持爪部材91(第一アーム93,第二アーム94)がやや開いて袋体1の開口部をピンと張った状態で閉じる姿勢となる。
この第一付勢ガイド板101と第二付勢ガイド板102の付勢部101c,102cは、シール装置16の設置区間からさらに下流側まで形成している。よって、クランプ21は、図14(b)中右側に示す姿勢のまま、シール装置16を移動する。
密封するシール装置16は、袋体1の移送方向に沿って配置される一次シール装置22,二次シール装置(冷却装置)23を備える。一次シール装置22,冷却装置23は、ともに一対のバーシーラと、そのバーシーラを水平面内で所定の軌跡で公転移動させる駆動装置とを備える。バーシーラは、袋体の移送方向と同一方向に伸びるように配置される。そして、一対のバーシーラは、互いに接近して袋体1の上端を挟み込み、その状態のまま袋体1の移送に合せてその移送方向に移動し、その後バーシーラが互いに離反するとともに袋体の位相方向と逆方向に移動して元の位置に復帰する。これにより、一次シール装置22において一対のバーシーラにて一定時間袋体の上端を挟み込んで加熱・加圧した後に、冷却装置23において水冷式のバーシーラでシール部分を挟み込んで冷却するとともにシール面に形成されたゴザ目でシール目を形成する。シール箇所を冷却することで安定したシールが行える。
さらに、シール装置16の下流側にはホールパンチ装置24,トリミングカッター装置25が配置される。ホールパンチ装置24は、シール装置16でシールした中央部位を打ち抜いて孔部を形成する。トリミングカッター装置25は、袋体の角を曲線状に切り取る処理を行う。これにより被包装物が密封収納されたパウチ4が製造される。これらのホールパンチ装置24,トリミングカッター装置25を設置した区間も、図14に示した第一付勢ガイド板101と第二付勢ガイド板102の付勢部101c,102cが延長形成されているため、袋体1がピンと張った状態まま、各処理が行われる。
トリミングカッター装置25の下流側には、良否判定をする検査装置が設置されている。この検査装置の下流側には良品排出装置105が配置され、検査装置で良品と判定された場合に搬送装置13のクランプ21から良品のパウチ4を排出し、良品搬出コンベア26に移し替える。良品排出装置105は、図15に拡大して示すようにシリンダ106と、そのシリンダ16に連結された付勢部材107とを有する。付勢部材107は、第二作動ローラ97の高さ位置に設定されており、その付勢部材107の先端面が適宜の凹凸になっている。そして、シリンダ106の往複動作により付勢部材107は第二付勢ガイド板102の下側空間を前後進移動する。
そして良品の場合、図15(a)に示すようにシリンダ106の往動作により付勢部材107が前進移動して第二作動ローラ97を先端側に押し込み、爪部94dを爪部93bから離反させて良品のパウチ4の把持を解除する。すると、良品のパウチ4は落下し、下方に位置する良品搬出コンベア26上に落下する。
不良品の場合、図15(b)に示すように付勢部材107は待機位置に位置しており、付勢部材107は第二作動ローラ97と非接触のままとなる。よって、袋体1は、一対の挟持爪部材91によって把持された状態のままとなるので良品搬出コンベア26上に落下すること無くそのままさらに搬送され、下流側に設けられた不良品搬出部に至る。
不良品排出部では、図16に示すように、第一付勢ガイド板101と第二付勢ガイド板102と第三付勢ガイド板103と第四付勢ガイド板104を上下に重ねて配置する。第一付勢ガイド板101は、進行方向前方(図16(b)中右側)の第一作動ローラ95に接触し、第二付勢ガイド板102は、進行方向後方(図16(b)中左側)の第一作動ローラ95に接触する。第三付勢ガイド板103は、進行方向後方(図16(b)中左側)の第二作動ローラ97に接触し、第四付勢ガイド板104は、進行方向前方(図16(b)中右側)の第二作動ローラ97に接触する。
第一付勢ガイド板101は、上流から順に切欠部101a、傾斜部101e、付勢部101fを設けている。切欠部101aは上述したシール装置付近に設けたものと同様に第一作動ローラ95に非接触か基準姿勢の第一作動ローラ95に接する位置としている。付勢部101fは、シール装置付近に設けた付勢部101cよりもクランプ21側に接近しており、第一作動ローラ95を大きく押し込むようになる。これにより、第一アーム93は、互いの先端が大きく開く。傾斜部101eは、切欠部101aに位置する第一作動ローラ95を徐々に押し込み付勢部101fに至るものである。
同様に第二付勢ガイド板102も上流から順に切欠部102a、傾斜部102e、付勢部102fを設けている。各部は第一付勢ガイド板101の対応するものと同じであり、一対の第一作動ローラ95が同時に押し込まれるようにするために設置位置を前後に所定距離ずらしている。
第三付勢ガイド板103は、上流から順に傾斜部103b、付勢部103cを設けている。第四付勢ガイド板104は、上流から順に切欠部104a、傾斜部104b、付勢部104cを設けている。第二作動ローラ97がそれぞれの傾斜部103b,104bに接触することで徐々に押し込まれて第二アーム94の爪部94dが第一アーム93の爪部92bから徐々に離反する。そして、第二作動ローラ97がそれぞれの付勢部103c,104cに至ると、図16(a)中左側に示すように、両爪部92b,94dは大きく開く。よって、一対の挟持爪部材91の先端は、不良品のパウチの両端から離反するため、係る、不良品のパウチ4′は、下方に位置する不良品排出コンベア27上に落下し、当該コンベア27により排出される。
上述したように、本発明では、チェーン20を構成する走行路の左右両側に配置するチェーンガイド部材81を適宜に設定することで、チェーン20の走行路の軌跡、すなわち、搬送装置13の搬送経路を任意の形状に設定することが出来る。
図17は、主に搬送装置13′の搬送経路,設置レイアウトを変更した製袋充填包装機の変形例を示しており、図18は排出装置117,搬出ライン118の部分を拡大した平面図を示している。この変形例の製袋充填包装機も、上流側に配置された帯状の包装フィルムを用いて袋体を製造する製袋装置11′と、その製袋装置11′から順次搬出される袋体に対して開口部を開き、製品を充填し、密封処理をする充填包装装置12′とを備える。
製袋装置11′の搬出側には、渡りコンベア装置114を配置している。渡りコンベア装置114は、ベルト面が垂直平面にあり、所定経路で公転移動するベルトコンベア115と、補助ベルト116を備える。ベルトコンベア115は、製袋装置11′から搬出される袋体1の搬出方向の延長線上に直線状の搬送路を有する。ベルトコンベア115を構成するエンドレスベルトのベルト幅は、例えば袋体1の高さに応じたものとなり、製袋装置11′から搬出される袋体1の所定部位が接触して受けられるようにすると良い。エンドレスベルトは、例えば袋体1の上方側の所定領域に接触するものでも良いし、上方と下方の両側に接触するものでも良いし、上端部を除くほぼ全域としても良く、接触する部位並びにエンドレスベルトの本数は任意である。そして例えばベルト面に多数の貫通孔を有し、搬送路の区間に吸引装置を設置し、袋体1をベルト面に吸着保持するようにするとよい。
補助ベルト116は、細幅のエンドレスベルトを備え、ベルトコンベア115との間で袋体1の上方部を挟み込んで保持する。補助ベルト116とベルトコンベア115のベルト面は、上流側(製袋装置11′の搬出端側)では離れており、進行方向下流側に進むにつれて徐々に接近し、最終的に接触する配置レイアウトをとる。これにより、製袋装置11′から搬出される袋体1は、スムーズにベルトコンベア115と補助ベルト116の間に入り込み、そのまま前進することでベルトコンベア115と補助ベルト116にて挟み込まれて保持され、搬送される。よって、袋体1は、渡りコンベア装置5にて搬送され、先頭から順に次段の充填包装装置12′の搬送装置13′に移し替えられる。
充填包装装置12′は、製袋装置11′から順次搬出される袋体1を1枚ずつ受け取るとともに所定の経路で連続搬送する搬送装置13′と、その搬送装置13′の搬送経路の途中に配置され袋体1の開口部を開く開袋装置14′と、開袋装置14′の下流側に配置され開口部が開いた袋体内に被包装物を充填する被包装物供給装置15′と、被包装物供給装置15′の下流側に配置され開いた袋体の開口部を閉じると共に密封するシール装置16′、シール装置16′の下流側に配置され上端縁がシールされた製造された包装体を、次段の搬出ライン118へ搬出する排出装置117等を備える。
搬送装置13′は、所定の軌跡で水平に連続走行する無端のチェーン20に一定間隔ごとにクランプ21′を取り付けた構成とする。本実施形態では、チェーン20の移動軌跡(配置レイアウト)は一般的な円形・楕円形のようなものではなく、走行路が適宜位置で屈曲した形になっており、全体としては略三角形状となるレイアウトをとる。この略三角形状のレイアウトは、例えば上述した実施形態の図12を用いて説明したチェーン20の走行経路を規定するチェーンガイド部材81の走行路を適宜に設定することで行う。
本実施形態においても、チェーン20に、袋体1を把持する多数のクランプ21′が一定間隔ごとに取り付けられている。このクランプ21′は、図19,図20に示すように、基本的な構成は上述した実施形態と同様である。そこで、対応する部材については同一符号を付している。
図19に示すように、クランプ21′は、開閉する一対の挟持爪部材91を備える。挟持爪部材91は、上連結バー20cの上部に取り付けられた連結ベース92に対して回転自在に連携される。挟持爪部材91は、連結ベース92に対して回転軸93aを中心に回転自在に取り付けられる第一アーム93と、その第一アーム93に対して連結される第二アーム94を備える。第一アーム93と第二アーム94はそれぞれ独立して回転可能となっている。
第一アーム93は、その基端側に第一作動ローラ95が連携され、先端は内側に向けて突出する円筒状の爪部93b′が設けられる。このように、上述した実施形態では、第一アーム93の先端の爪部93bは帯板状のプレートであったが、この変形例では第二アーム94の先端94aの爪部94bと同様に円筒状に形成した。なお、この変形例においても、第一アーム93の爪部を実施形態と同様にしてもよいし、実施形態の第一アーム93の爪部の形状を本変形例のようにしても良い。
また第一アーム93は、図示省略するバネ部材により互いの先端が接近する方向に付勢され、第一作動ローラ95を第一アーム93の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図19(a)に示すような基準姿勢となる。この基準姿勢の状態から、第一作動ローラ95を連結ベース92側に向けて押し込むと、第一アーム93は回転軸93aを中心に回転し、図19(b)に示すように一対の第一アーム93は、互いの先端が離反し開いた姿勢となる。また、このときの第一アーム93の先端の爪部93b′間の距離は、袋体1の横幅よりも広い設定としている。図19(b)は第一作動ローラ95を最も押し込んだ状態を示しており、第一作動ローラ95の押し込み量を調整することで、第一アーム93は、図19(a)に示す基準姿勢の閉じた状態から図19(c)に示す開いた状態までの間の任意の角度の姿勢をとれる。この図19(a)に示す閉じた状態では一対の第一アーム93間の距離は袋体1の幅よりも短く、図19(c)に示す開いた状態では一対の第一アーム93間の距離は袋体1の幅よりも長く、図19(b)に示す両者の中間の姿勢のときで当該袋体1を一対の第一アーム93間の距離は袋体1の幅とほぼ等しく(若干短く)なる。
この図19(c)に示す状態から第一作動ローラ95に対する連結ベース92側に対する付勢力が解除されると、図示省略したバネ部材の弾性復元力により第一アーム93は回転軸93aを中心に回転し、図19(a)に示す基準姿勢に復帰する。
第一アーム93の回転中心となる回転軸93aに、連結アーム96を回転自在に連携する。第二アーム94の基端側は、その連結アーム96に連結する。第二アーム94は、一端が連結アーム96に連結される帯板状の主アーム94aと、その主アーム94aの先端に回転可能に連結した爪片94bを備える。爪片94bは、その中間部位には連結ピン94cを起立させ、その連結ピン94cにて第一アーム93に回転自在に連結する。これにより、第二アーム94は、第一アーム93に対して回転軸93aと連結ピン94cを介して連携され、リンク機構を構成する。よって、第一アーム93の開閉に伴い一体となって開閉する。さらに爪片94bの先端には、円筒状の爪部94dが起立状態で設置され、その爪部94dと第一アーム93の爪部93b′との間で袋体1を把持可能となっている。
また、連結アーム96の適宜位置に第二作動ローラ97を取り付ける。さらに第一アーム93の基端側にL字プレート98を連結し、そのL字プレート98の先端と、第二アーム94を構成する主アーム94aの先端との間を、コイルスプリング99で連結する。コイルスプリング99の収縮しようとする弾性復元力により、主アーム94aをL字プレート98側に引き寄せる方向の付勢力が当該種アーム94aに働く。よって、第二作動ローラ97を第二アーム94の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図19(a)に示すように、第二アーム94の主アーム94aがL字プレート98側に引き寄せられ、それにともない、主アーム94aの先端に連携された爪片94bが連結ピン94cを中心に回転し、爪部94dが第一アーム93の爪部93b′と接触する基準姿勢をとる。
この基準姿勢の状態から、第二作動ローラ97を先端側に向けて押し込むと、図19(b),(c)に示すように、連結アーム96は回転軸93aを中心に回転し、主アーム94aはコイルスプリング99の弾性復元力に抗して先端側に移動し、爪片94bが連結ピン94cを中心に回転して爪部94dが第一アーム93の爪部93b′から離反する姿勢となる。
この図19(b),(c)に示す状態から第二作動ローラ97に対する先端側に対する付勢力が解除されると、コイルスプリング99の弾性復元力により第二アーム94の主アーム94aがL字プレート98側に引き寄せられて回転軸93aを中心に回転し、図19(a)に示す基準姿勢に復帰する。
図19(c)では、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97が、共に付勢された状態を示しているが、一方に対して付勢したり、付勢する量を調整したりすることで、第一アーム93,第二アーム94は適宜の姿勢をとる。また、第一作動ローラ95と第二作動ローラ97に対する付勢力は、搬送装置13′の搬送路に沿って適宜位置に設けた付勢ガイド板その他の付勢手段等により行う。
上述した実施形態でも説明したとおり、この変形例においても搬送装置13′に設けられるクランプ21′は、2つの第一作動ローラ95と2つの第二作動ローラ97の合計4個の作動ローラを備えているが、それら4つの作動ローラの高さ位置はそれぞれ異なる位置に設定している(図20参照)。これにより、4個の作動ローラに対し、それぞれ異なる付勢ガイド板を接触させ、作動ローラに対する付勢の有無を適宜に設定することができる。つまり、例えば一対の第一アーム93同士を同時に接近させたり、離反させたりして同じタイミングで一対の第一アーム93を開いたり閉じたりすることができる。また、一対の第一アーム93の開閉動作のタイミングをずらし、例えば図19(a)に示す基準姿勢の閉じた状態から、一方の第一アーム91のみを所定角度回転して開いた状態にしたり、一方の第一アーム93が回転開始後、所定時間遅れて他方の第一アーム93が回転し始めるようにしたりできる。また、例えば図19(b)の状態から、一方の第一アーム93とそれに連結された第二アーム94を開いて当該一方の側だけ図19(c)の状態にし、袋体1あるいはパウチ4の一方の側を離し、他方の側を持った状態にすることも出来る。また、それとは逆に図19(c)に示す状態から、例えば一方の側の第一アーム93,第二アーム94を先に閉じる動作を行うことで、袋体の一方の側を先行して把持することが出来る。これらの例示列挙した動作パターンは一例であり、4つの作動ローラのうちの任意のものを動かすことで、その動いた作動ローラが連携されるアームが開閉移動するため、これ以外にも挟持爪部材91と爪部93b′,94dの開閉動作について各種のパターンによる制御が行える。
さらに、図20に示す例では、4つの作動ローラの配置順は、一番上に位置するのは、進行方向前側の第一アーム93に接続された第一作動ローラ95であり、上から2番目に位置するのは進行方向後側の第一アーム93に接続された第一作動ローラ95である。また、上から3番目に位置するのは進行方向後側の第二アーム94に接続された第二作動ローラ97であり、一番下に位置するのは進行方向前側の第二アーム94に接続された第二作動ローラ97である。このように第一作動ローラ95同士を上下に隣接させ、同様に第二作動ローラ97同士を上下に隣接させると、例えば、上述した実施形態の図14を用いた説明のように、第一作動ローラ95のみを動作させたい場合に、各第一作動ローラ95を付勢する第一付勢ガイド板101と第二付勢ガイド板102を上下に重ねて配置することができる。よって、設置が簡易になるとともに、仮に上下に接触した状態で重ねるようにした場合には強度が増す。
開閉装置14′は、一対の吸盤(第一吸盤14a,第二吸盤14b)と、それら第一,第二吸盤14a′,14b′を互いの吸着面を対向させた状態のまま水平面内の所定の軌跡で公転移動させる駆動装置14c′を備える。この所定の軌跡は、第一吸盤14a′と第二吸盤14b′が互いに接近して袋体1の適宜位置を挟み込んで吸着し、その状態のまま一定区間にわたり袋体1の搬送方向に沿って前進移動し、次いで、前進移動しながら徐々に離反し、その後、離反した状態のまま後退移動するようにしている。そして、一対の第一,第二吸盤14a′,14b′は、袋体1の所定部位を吸着した状態のまま袋体1の移動に追従して前進移動しながら離反するため、袋体1の開口部は、第一,第二吸盤14a′,14b′に引っ張られて開く。
駆動装置14c′は、一対の第一,第二吸盤14a′,14b′を袋体1の移動方向に沿って前後進させるための駆動モータと、一対の第一,第二吸盤14a′,14b′を接近離反移動させるための駆動モータを備え、各駆動モータの出力をカムやリンク等の動力伝達機構を介して各吸盤に伝える。さらに本実施形態では、一対の第一,第二吸盤14a′,14b′を袋体1の進行方向に沿って前後に2組配置し、前後2個の袋体に対して一括して開口処理を行うようにしている。
また、この第一,第二吸盤14a′,14b′の開く動作に合せて搬送装置13′のクランプ21′の両端の間隔を狭め、袋体1の開口部を開き易くする(図19(a)の状態)。そして、搬送装置13′は、開袋装置14′の通過後はこのようにクランプ21′の両端の間隔を狭めた状態のままクランプ21′を移動するので、袋体1は開口部が開いた状態のまま移送される。すなわち、この開袋装置14′の設置位置からそれ以降の所定区間では、第一作動ローラ95,第二作動ローラ97に接触し、クランプ21の先端側に付勢する付勢ガイド板を設けない。これにより、クランプ21′は基準姿勢になり、バネ部材やコイルスプリング99の作用によりその基準姿勢(図19(a))を維持する。
被包装物供給装置15′は、スナック菓子等の被包装物が定量ずつ供給されているカップを保持した状態で当該カップを搬送装置13′の直線状のラインに沿って移動しながら徐々に傾斜することでカップを傾け、カップ内に供給されている被包装物を袋体の開口部から袋体内に供給するとともに、袋体1内に所定の不活性ガスを充填するものである。
被包装物供給装置15′を通過中は、袋体1はクランプ21′にて上方開口部が開いた状態を維持する。そして被包装物供給装置15′の下流側には袋体を密封するシール装置16′が設置されているが、このシール装置16′の直前位置にて、搬送装置13′はクランプ21′の第一アーム93をやや開いて袋体の開口部を閉じる処理を行う。
被包装物供給装置15′を通過中は、袋体1はクランプ21′にて上方開口部が開いた状態を維持する。そして被包装物供給装置15′の下流側には袋体を密封するシール装置16′が設置されているが、このシール装置16′の直前位置にて、搬送装置13′はクランプ21′の第一アーム93をやや開いて袋体の開口部を閉じる処理を行う。
袋体1の上方部位をシールして袋体1を密封するシール装置16′は、袋体1の移送方向に沿って配置される一次シール装置22,二次シール装置(冷却装置)23を備える。一次シール装置22,冷却装置23は、上述した実施形態と同じものを用いると良い。
搬出ライン118は、搬送装置13′の走行路のシール装置16′等が設置された直線状の区間の下流側に配置され、その直線状の走行路と略直交する方向に搬送装置13′の外側に向けて延びるように配置される。搬出ライン118は、搬送面を構成するベルトコンベア118aと、ベルトコンベア118aの上方所定位置に配置された2本のガイドレール118bを備える。ガイドレール118bは、所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。ベルトコンベア118aの搬送面の高さ位置は、例えば、クランプ21′で把持されて搬送されるパウチ4の底面の位置に合わせると良い。このようにすると、クランプ21′から解放されたパウチ4は、落下供給されることなくスムーズにベルトコンベア118a側に移動する。
排出装置117は、搬送装置13′のクランプ21′にて保持されて搬送されてきたパウチを受け取り、搬出ライン118側へ導くものである。排出装置117は、段付きプーリ117dからの駆動力を受けて水平面内で回転するチェーン117aと、そのチェーン117aに所定ピッチで取り付けられた複数の押送フィンガー117bと、円弧状に曲がった2本のガイドレール117cを備える。ガイドレール117cは、所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。2本のガイドレール117cの一端は、搬送装置13′の搬送ライン上に至り、他端は搬出ライン118のガイドレール118bの一端に近接する。さらに、搬出装置117は、クランプ21′からパウチ4を受け取り、次段の搬出ライン118のベルトコンベア118aに至るまでの領域(例えば、ガイドレール117cのベルトコンベア118aから外れた上流側の円弧状の部分の下方等)には、パウチ4の底面を受ける底板117eが配置される。この底板117eは、クランプ21′で把持されて搬送されるパウチ4の底面の位置に合わせている。
これにより、クランプ21′から離脱したパウチは、進行方向後側の辺が押送フィンガー117bに押されて搬送される。搬出装置117に移行したパウチ4の上方部位は、2本のガイドレール117c間に入り、そのガイドレール117cのカーブに沿って進路が変更され、そのまま搬出ライン118のガイドレール118b間に至る。これにともないパウチは、搬出ライン118のベルトコンベア118a上に至り、そのベルトコンベア118aからの搬送力を受けて前進する。また、搬出装置117に移行したパウチ4の底面は底板117eに支えられて安定した起立状態を保つ。
そして、この排出装置117から搬出ライン118へ移し替える際に、4つの作動ローラ95,97への付勢ガイド板による付勢タイミングを適宜にずらすことで、前後の挟持爪部材91(第一アーム)の開閉タイミング並びに袋体1を把持する把持部となる爪部93b′,94dの開閉タイミングをずらす制御を行う。
すなわち、図21に示すように、第一付勢ガイド板101と第二付勢ガイド板102と第三付勢ガイド板103と第四付勢ガイド板104を上下に重ねて配置する。第一付勢ガイド板101は進行方向前側の第一アーム93に接続された第一作動ローラ95を付勢し、第二付勢ガイド板102は進行方向後側の第一アーム93に接続された第一作動ローラ95を付勢し、第三付勢ガイド板103は進行方向後側の第二アーム94に接続された第二作動ローラ97を付勢し、第四付勢ガイド板104は進行方向前側の第二アーム94に接続された第二作動ローラ97を付勢する。そして、上述した実施形態と同様に、その側面の適宜位置に傾斜面を設けて、当該側面の位置を外側に突出させて対応する作動ローラ95,97を搬送方向と交差する外側に付勢したり、その付勢力を解除したりする。
そして、図22(a)に示すように、まず、一対の挟持爪部材91が閉じた基準姿勢の状態で、一対の第一アーム93が閉じるとともに、それぞれの爪部93b′,94dも閉じて、パウチ4を前後両側から把持し、搬送経路に沿って搬送する。
次いで、図22(b)に示すように、第一付勢ガイド板101と第四付勢ガイド板104によって、進行方向前側の第一アーム93に接続された第一作動ローラ95と、第二アーム94に接続された第二作動ローラ97が外側(排出装置117側)に向けて付勢される。それに伴い、進行方向前側の第一アーム93と、第二爪部とアーム94が開く動作を行うことで、前側の挟持爪部材91が開くとともに当該前側の挟持爪部材91の一対の爪部93b′,94dも開いてパウチ4を解放する。この前側の挟持爪部材91がパウチ4の把持を解放する領域では、ガイドレール117cが配置されており、前方が解放されたパウチ4は、ガイドレール117cに案内されてスムーズに進路を変える。この前方が解放された際には、すでにパウチ4の底面は、底板117eに支持されているため、パウチ4は底板117上で起立した状態を保つ。また、この前方側が解放されたタイミングでは、図22(b)に示すように、パウチ4が排出装置117側の前後の押送フィンガー117bの間に位置し、後方の押送フィンガー117bからの搬送力を受けないが、後側の挟持爪部材91はパウチ4を把持した状態を維持しているのでクランプ21′の前進移動に伴い、係る把持した後ろ側の挟持爪部材91がパウチ4を前方に向けて押送し、パウチ4は底板117上を移動する。
その後、図22(c)に示すように、後方の押送フィンガー117bがパウチ4に追いつくタイミングで、第二付勢ガイド板102と第三付勢ガイド板103によって、進行方向後側の第一アーム93に接続された第一作動ローラ95と、第二アーム94に接続された第二作動ローラ97が外側(排出装置117側)に向けて付勢される。それに伴い、進行方向後側の第一アーム93と、第二爪部とアーム94が開く動作を行うことで、後側の挟持爪部材91が開くとともに当該前側の挟持爪部材91の一対の爪部93b′,94dも開いてパウチ4を解放する。これにより、パウチ4は、クランプ21′から解放され、排出装置117の押送フィンガー117bにより押送され、搬出ライン118にスムーズかつ安定して移し替えられる。
よって、例えば、2つの第一アーム93並びに第二アーム94が同時に開き、両サイドの二箇所で把持されているパウチ4が、2つの挟持爪部材91からの把持を同時に開放し、次段の搬送経路に落下供給するようにした場合、落下して当該搬送経路上に当たった際に受ける衝撃により、パウチに外力がかかり袋体や収納された物品が損傷するおそれもあるが、本発明では、上述したように2つの挟持爪部材91の開放タイミングをずらし、さらに、ベルトコンベア118aの搬送面の高さ位置をクランプ21′で把持されて搬送されるパウチ4の底面の位置に合わせると、クランプ21′から解放されたパウチ4は、落下することなくスムーズにベルトコンベア118a側に移し替えることができる。
具体的な図示は省略するが、例えば、製袋装置11′から搬出されてくる袋体1を把持する搬送装置13′の搬入側において、例えば、開いた状態の一対の挟持爪部91のうち、進行方向前側の挟持爪部材91を先に閉じて袋体1の前側を把持する。すなわち、第一アーム93を閉じるとともに、爪部93b′,94dを閉じて袋体1を把持する。これにより、袋体1の前側を把持したクランプ21′が当該袋体1を引っ張って搬送し、続いて進行方向の後側の挟持爪部材91(第一アーム93・爪部93b′,94d)が閉じて、袋体1の前後両側を把持し、しっかりと保持した状態で搬送する。また、上流側の装置から連続して搬出されてくる袋体1であっても、スムーズに把持することができる。
また、把持部を構成する爪部94dが閉じる動作は、連携される第一アーム93が閉じた後に行うようにするとよい。このようにすると、把持部(93b′,94d)が開いた状態のまま第一アーム93が閉じるので、確実に袋体1をつかむことができる。
なお、把持部(爪部94d)が閉じる動作を始めるタイミングは、第一アーム93が完全に閉じた後としてもよいし、第一アーム93が閉じる動作と、把持部が閉じる動作が一部重なっていても良い。
上述したように本形態では、前後の一対の第一アームの開閉をそれぞれ相互に独立して行え、前後の把持部(爪部94d)の開閉も相互並びに連携される第一アームの開閉と独立して行えるようにした。これにより、進行方向前側の第一アームの開閉タイミング,進行方向前側の把持部(爪部94d)の開閉タイミング、進行方向後側の第一アームの開閉タイミング,進行方向後側の把持部(爪部94d)の開閉タイミングを適宜にずらすことができる。よって、連続して搬送され袋体・パウチ等の袋状物に対し、袋状物を損傷・ダメージを与えることなく確実につかんだり、解放したりすることができる。
また、一対の第一アーム93,第二アーム94の開閉タイミングをそれぞれ任意のタイミングで開閉させる構成は、実施形態にも適用できるのはもちろんである。