図1は、本発明に係る開袋装置が実装される製袋充填包装機の一形態を示している。図1に示すように、この製袋充填包装機10は、上流側に配置された帯状の包装フィルムを用いて袋体を製造する製袋装置11と、その製袋装置11から順次搬出される袋体に対して開口部を開き、製品を充填し、密封処理をする充填包装装置12とを備える。
本実施形態の製袋装置11は、帯状の包装フィルムを連続して搬送しながら適宜位置を折り曲げるとともにシール・カットすることで、上部が開口し、下部並びに左右の側縁が閉塞した袋体を製袋する。この袋体1は、例えば図2に示すように、全体が矩形状で、底部側で折り返されて断面がW状となっている。そして、両側縁1aは略帯状にシールされ底部1b側は円弧状にシールされる。これにより、最終的に包装体となった場合、底部が開いて自立できるようになる。そして、製袋装置11からは、製造された袋体1が一定間隔で一時停止することなく連続して搬出される。
製袋装置11の搬出側には、渡りコンベア装置5を配置している。渡りコンベア装置5は、ベルト面が垂直平面にあり、所定経路で公転移動するベルトコンベア6と、補助ベルト7を備える。ベルトコンベア6は、製袋装置11から搬出される袋体1の搬出方向の延長線上に直線状の搬送路を有する。ベルトコンベア6を構成するエンドレスベルトのベルト幅は、例えば袋体1の高さに応じたものとなり、製袋装置11から搬出される袋体1の所定部位が接触して受けられるようにすると良い。エンドレスベルトは、例えば袋体1の上方側の所定領域に接触するものでも良いし、上方と下方の両側に接触するものでも良いし、上端部を除くほぼ全域としても良く、接触する部位並びにエンドレスベルトの本数は任意である。そして例えばベルト面に多数の貫通孔を有し、搬送路の区間に吸引装置を設置し、袋体1をベルト面に吸着保持するようにするとよい。
補助ベルト7は、細幅のエンドレスベルトを備え、ベルトコンベア6との間で袋体1の上方部を挟み込んで保持する。補助ベルト7とベルトコンベア6のベルト面は、上流側(製袋装置11の搬出端側)では離れており、進行方向下流側に進むにつれて徐々に接近し、最終的に接触する配置レイアウトをとる。これにより、製袋装置11から搬出される袋体1は、スムーズにベルトコンベア6と補助ベルト7の間に入り込み、そのまま前進することでベルトコンベア6と補助ベルト7にて挟み込まれて保持され、搬送される。よって、袋体1は、渡りコンベア装置5にて搬送され、先頭から順に次段の充填包装装置12の搬送装置13に移し替えられる。
充填包装装置12は、製袋装置11から順次搬出される袋体を1枚ずつ受け取るとともに所定の経路で連続搬送する搬送装置13と、その搬送装置13の搬送経路の途中に配置され袋体の開口部を開く開袋装置14と、開袋装置14の下流側に配置され開口部が開いた袋体内に被包装物を充填する被包装物供給装置15と、被包装物供給装置15の下流側に配置され開いた袋体の開口部を閉じると共に密封するシール装置16、シール装置16の下流側に配置され上端縁がシールされた製造された包装体を、次段の搬出ライン18へ搬出する排出装置17等を備える。
搬送装置13は、所定の軌跡で水平に連続走行する無端のチェーン20に一定間隔ごとにクランプ21を取り付けた構成とする。本実施形態では、チェーン20の移動軌跡(配置レイアウト)は一般的な円形・楕円形のようなものではなく、走行路が適宜位置で屈曲した形になっており、全体としては略三角形状となるレイアウトをとる。
これは、図3に示すように、チェーン20を構成する走行路の左右両側に走行路の軌跡を規定するチェーンガイド部材25を配置する。図3(a)に示すように、チェーン20は、上下に伸びるように平行に配置される多数のピン20aを連結して無端状にするもので、隣接する一組のピン20aの上下端をそれぞれ上連結バー20cと下連結バー20dで連結して略ロ字状の枠体を構成し、隣接する枠体同士を中間連結バー20eで連結することで無端状のチェーン20を構成する。そして、枠体ごとにクランプ21が取り付けられる。
中間連結バー20eは、隣接する枠体のピン20aの上下方向の中央付近に対して回転可能に軸受け支持するように連携する。中間連結バー20eの連携部位で回転することで、隣接する枠体同士の相対位置関係、すなわち、なす角は、変更可能となる。チェーン20を構成するピン20aには、複数のローラ20bを上下に重なるようにして接着する。より具体的には、ローラ20bは、中間連結バー20eの上下に2個ずつ、合計4個を装着する。同一のピン20aに装着した各ローラ20bは、その上下に隙間を設けるように配置し、上下のローラ20bが相互に接触することがないようにしている。
図3(b)に示すように、チェーンガイド部材25は、略凹状に形成され、内側面がガイド面となる。チェーンガイド部材25の内周面は、それぞれが走行路の左右両側のガイド面となる。図1において、搬送装置13は、反時計方向に公転移動する。進行方向の左側が内側となり、進行方向の右側が外側となる。そして、チェーンガイド部材25の進行方向左側に位置する内側面には、上下所定位置に内側ガイド部25aが2箇所に設けられる。2箇所の内側ガイド部25aは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中間連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bと、中間連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bに接触する。また、この内側ガイド部25aに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材25の進行方向右側に位置する内側面とは非接触となる。
チェーンガイド部材25の進行方向左側に位置する外側面には、上下所定位置に外側ガイド部25bが2箇所に設けられる。2箇所の外側ガイド部25bは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中間連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bと、中間連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bに接触する。また、この外側ガイド部25bに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材25の進行方向左側に位置する内側面とは非接触となる。
よって、チェーンが走行する際、各ローラ20bは内側ガイド部25aか外側ガイド部25bのいずれか一方に接触する。そして、各ローラ20bは、上下に隣接するローラ20bとは非接触で互いに独立して回転する。これによりチェーン20は、チェーンガイド部材25に案内され当該チェーンガイドで規定される経路で移動する。つまり、例えば進行方向左側に曲がる経路の場合、主に内側ガイド部25aに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内し、例えば進行方向右側に曲がる経路の場合、主に外側ガイド部25bに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内する。さらに、一つのピン20aに4個のローラ20bを設けることで、進行方向の左右両側とも、それぞれ上下二箇所で両ガイド部25a,25bに支持されるため、チェーン20は安定した起立した状態が保持される。
さらに、上連結バー20cには、その両側面にそれぞれ二個のコロ20fを回転自在に取り付けている。この二個のコロ20fは、チェーンガイド部材25の上面に接触する。よって、このコロ20fにより上下方向の移動が抑制され、安定した姿勢で所望の経路でチェーン20が移動することになる。
以上のような構成を採用したことでレイアウトの自由度を向上させることができた。特に搬送ラインを内側に向かって屈曲させるレイアウトが簡単に採れるようになった。つまり、チェーン20をチェーンガイド部材25ではなくスプロケット等を用いて屈曲させようとすれば、クランプ21に把持された袋体1が干渉しないように配慮しなければならないし、レイアウトにおいて緩やかにカーブした形にするのは難しい。その点、チェーンガイド部材25にすれば、スプロケット等がないため袋体1の干渉を考慮する必要はなく、カーブの形状についても所望の形に設計することができる。
そして、搬送装置13の走行路は、被包装物供給装置15に沿う部分が直線状のラインとなり、被包装物の供給区間を長く採りつつ、搬送装置13の専有面積が小さくなるようにしている。
図4に示すように、クランプ21は、開閉する一対の挟持爪部材31を備える。挟持爪部材31は、上連結バー20cの上部に取り付けられた連結ベース32に対して回転自在に連携される。挟持爪部材31は、連結ベース32に対して回転軸33aを中心に回転自在に取り付けられる第一アーム33と、その第一アーム33に対して連結される第二アーム34を備える。第一アーム33と第二アーム34はそれぞれ独立して回転可能となっている。
第一アーム33は、その基端側に第一作動ローラ35が連携され、先端は内側に向けて突出する円筒状の爪部33bが設けられる。また第一アーム33は、図示省略するバネ部材により互いの先端が接近する方向に付勢され、第一作動ローラ35を第一アーム33の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図4(a)に示すような基準姿勢となる。この基準姿勢の状態から、第一作動ローラ35を連結ベース32側に向けて押し込むと、第一アーム33は回転軸33aを中心に回転し、図4(b)に示すように一対の第一アーム33は、互いの先端が離反し開いた姿勢となる。また、このときの第一アーム33の先端の爪部33b間の距離は、袋体1の横幅よりも広い設定としている。図4(b)は第一作動ローラ35を最も押し込んだ状態を示しており、第一作動ローラ35の押し込み量を調整することで、第一アーム33は、図4(a)に示す基本姿勢の閉じた状態から図4(c)に示す開いた状態までの間の任意の角度の姿勢をとれる。この図4(a)に示す閉じた状態では一対の第一アーム33間の距離は袋体1の幅よりも短く、図4(c)に示す開いた状態では一対の第一アーム33間の距離は袋体1の幅よりも長く、図4(b)に示す両者の中間の姿勢のときで当該袋体1を一対の第一アーム33間の距離は袋体1の幅とほぼ等しく(若干短く)なる。
この図4(c)に示す状態から第一作動ローラ35に対する連結ベース32側に対する付勢力が解除されると、図示省略したバネ部材の弾性復元力により第一アーム33は回転軸33aを中心に回転し、図4(a)に示す基準姿勢に復帰する。
第一アーム33の回転中心となる回転軸33aに、連結アーム36を回転自在に連携する。第二アーム34の基端側は、その連結アーム36に連結する。第二アーム34は、一端が連結アーム36に連結される帯板状の主アーム34aと、その主アーム34aの先端に回転可能に連結した爪片34bを備える。爪片34bは、その中間部位には連結ピン34cを起立させ、その連結ピン34cにて第一アーム33に回転自在に連結する。これにより、第二アーム34は、第一アーム33に対して回転軸33aと連結ピン34cを介して連携され、リンク機構を構成する。よって、第一アーム33の開閉に伴い一体となって開閉する。さらに爪片34bの先端には、円筒状の爪部34dが起立状態で設置され、その爪部34dと第一アーム33の爪部33bとの間で袋体1を把持可能となっている。
また、連結アーム36の適宜位置に第二作動ローラ37を取り付ける。さらに第一アーム33の基端側にL字プレート38を連結し、そのL字プレート38の先端と、第二アーム34を構成する主アーム34aの先端との間を、コイルスプリング39で連結する。コイルスプリング39の収縮しようとする弾性復元力により、主アーム34aをL字プレート38側に引き寄せる方向の付勢力が当該主アーム34aに働く。よって、第二作動ローラ37を第二アーム34の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図4(a)に示すように、第二アーム34の主アーム34aがL字プレート38側に引き寄せられ、それにともない、主アーム34aの先端に連携された爪片34bが連結ピン34cを中心に回転し、爪部34dが第一アーム33の爪部33bと接触する基準姿勢をとる。
この基準姿勢の状態から、第二作動ローラ37を先端側に向けて押し込むと、図4(b),(c)に示すように、連結アーム36は回転軸33aを中心に回転し、主アーム34aはコイルスプリング39の弾性復元力に抗して先端側に移動し、爪片34bが連結ピン34cを中心に回転して爪部34dが第一アーム33の爪部33bから離反する姿勢となる。
この図4(b),(c)に示す状態から第二作動ローラ37に対する先端側に対する付勢力が解除されると、コイルスプリング39の弾性復元力により第二アーム34の主アーム34aがL字プレート38側に引き寄せられて回転軸33aを中心に回転し、図4(a)に示す基準姿勢に復帰する。
図4(c)では、第一作動ローラ35と第二作動ローラ37が、共に付勢された状態を示しているが、一方に対して付勢したり、付勢する量を調整したりすることで、第一アーム33,第二アーム34は適宜の姿勢をとる。また、第一作動ローラ35と第二作動ローラ37に対する付勢力は、搬送装置13の搬送路に沿って適宜位置に設けた付勢ガイド板その他の付勢手段等により行う。
クランプ21は、2つの第一作動ローラ35と2つの第二作動ローラ37の合計4個の作動ローラを備えているが、それら4つの作動ローラの高さ位置はそれぞれ異なる位置に設定している。これにより、4個の作動ローラに対し、それぞれ異なる付勢ガイド板を接触させ、作動ローラに対する付勢の有無を適宜に設定することができる。
すなわち、搬送装置13の排出装置17の下流側から、製袋装置11の搬出側近傍までの区間は、2つの第一作動ローラ35と2つの第二作動ローラ37の合計4個の作動ローラは付勢ガイド板と非接触であり、クランプ21は図4(a)に示す基本姿勢の閉じた状態をとる。
搬送装置13の渡りコンベア装置5付近の上流側の区間では、第一作動ローラ35と第二作動ローラ37にそれぞれ接触し先端側に付勢する付勢ガイド板が搬送路に沿って配置している。これにより、クランプ21の挟持爪部材31は開いた状態、すなわち、第一アーム33の先端同士が離れ、両アーム33,34の爪部33b,34dが離れた図4(c)に示す状態となる。この状態のまま、渡りコンベア装置5と平行な区間に至ると、クランプ21の一対の第一アーム33の間に袋体1が位置した状態で、袋体1とクランプ21が同速度で移動するように動作を制御している。
この移動中に、第一作動ローラ35の連結ベース32へ向けて押す距離を減少させて第一アーム33の開き量を袋体1の横幅と同等かやや広めにするとともに、第二作動ローラ37への付勢を解除しコイルスプリング39の弾性復元力を利用して両爪部33b,34dを閉じ、袋体1の両端を把持する。これにより、図4(b)に示すように袋体1はピンと張った状態でその上方両端がクランプ21にて把持され、以降、クランプ21の移動に伴い搬送される。
開袋装置14は、袋体1の移動経路を挟んで配置された一対の吸着手段と、その吸着手段を互いの吸着面を対向させた状態のまま水平面内の所定の軌跡で公転移動させる駆動装置を備える。この所定の軌跡は、一対の吸着手段が互いに接近して袋体1の適宜位置を挟み込んで吸着し、その状態のまま一定区間にわたり袋体1の搬送方向に沿って前進移動し、次いで、前進移動しながら徐々に離反し、その後、離反した状態のまま後退移動するようにしている。そして、一対の吸着手段は、袋体1の所定部位を吸着した状態のまま袋体1の移動に追従して前進移動しながら離反するため、袋体1の開口部は、一対の吸着手段に引っ張られて開く。
また、この一対の吸着手段の開く動作に合せて搬送装置13のクランプ21の両端の間隔を狭め、袋体1の開口部を開き易くする(図4(a)の状態)。そして、搬送装置13は、開袋装置14の通過後はこのようにクランプ21の両端の間隔を狭めた状態のままクランプ21を移動するので、袋体1は開口部が開いた状態のまま搬送される。すなわち、この開袋装置14の設置位置からそれ以降の所定区間では、第一作動ローラ35,第二作動ローラ37に接触し、クランプ21の先端側に付勢する付勢ガイド板を設けない。これにより、クランプ21は基準姿勢になり、バネ部材やコイルスプリング39の作用によりその基準姿勢を維持する。詳細な構成は後述する。
被包装物供給装置15は、スナック菓子等の被包装物が定量ずつ供給されているカップを保持した状態で当該カップを搬送装置13の直線状のラインに沿って移動しながら徐々に傾斜することでカップを傾け、カップ内に供給されている被包装物を袋体の開口部から袋体内に供給するとともに、袋体1内に所定の不活性ガスを充填するものである。被包装物供給装置15を通過中は、袋体1はクランプ21にて上方開口部が開いた状態を維持する。そして被包装物供給装置15の下流側には袋体を密封するシール装置16が設置されているが、このシール装置16の直前位置にて、搬送装置13はクランプ21の第一アーム33をやや開いて袋体の開口部を閉じる処理を行う。
この被包装物供給装置15は、チェーン20の走行路が直線状の領域に沿って配置された製品充填装置本体24と、被包装物が供給されているカップ3を搬送し、当該カップ3を1つずつ順に製品充填装置本体24に渡すカップ搬送供給装置26と、製品充填装置本体24から搬出された空のカップ3を受け取り搬送するカップ搬出装置27を備える。図示省略するが、カップ搬出装置27の下流側と、カップ搬送供給装置26の上流側との間には、カップに対する物品供給装置が配置されており、被包装物を構成する定量された複数の物品がカップ内に供給される。これにより、被包装物供給装置15は、まず当該物品供給装置にてカップに定量の被包装物を供給する。そして、その被包装物が入ったカップをカップ搬送供給装置26が一列縦隊で搬送し、タイミングを合わせて先頭から1つずつ製品充填装置本体24に当該カップを渡す。製品充填装置本体24に渡されたカップは、直線状のラインに沿って移動する。この際、カップは循環する複数のカップ保持部の一つに底部を保持された状態で搬送されながら、カップ保持部が水平の状態から徐々に内側に傾斜することで傾けられ、最終的にカップの底部全体がカップの上方開口部よりも上に位置する。よって、カップ内の被包装物は、カップから落下し袋体1内に充填される。その後、カップ保持部が水平の状態に徐々に復帰することで、空のカップの底部が下降しカップの姿勢が元に戻る。そして、カップ搬出装置27は、製品充填装置本体24から搬出される空のカップ2を受け取り一列縦隊で搬送しカップに対する物品供給装置に至るように搬送する。
袋体1の上方部位をシールして袋体1を密封するシール装置16は、袋体1の搬送方向に沿って配置される一次シール装置22,二次シール装置(冷却装置)23を備える。一次シール装置22,冷却装置23は、ともに一対のバーシーラと、そのバーシーラを水平面内で所定の軌跡で公転移動させる駆動装置とを備える。バーシーラは、袋体の搬送方向と同一方向に伸びるように配置される。そして、一対のバーシーラは、互いに接近して袋体1の上端を挟み込み、その状態のまま袋体1の搬送に合せてその搬送方向に移動し、その後バーシーラが互いに離反するとともに袋体の位相方向と逆方向に移動して元の位置に復帰する。これにより、一次シール装置22において一対のバーシーラにて一定時間袋体の上端を挟み込んで加熱・加圧した後に、冷却装置23において水冷式のバーシーラでシール部分を挟み込んで冷却するとともにシール面に形成されたゴザ目でシール目を形成する。シール箇所を冷却することで安定したシールが行える。
さらに、シール装置16の下流側にはホールパンチ装置やトリミングカッター装置等が配置される。ホールパンチ装置は、シール装置16でシールした中央部位を打ち抜いて孔部を形成する。トリミングカッター装置は、袋体の角を曲線状に切り取る処理を行う。これにより被包装物が密封収納されたパウチが製造される。
搬出ライン18は、搬送装置13の走行路のシール装置16等が設置された直線状の区間の下流側に配置され、その直線状の走行路と略直交する方向に搬送装置13の外側に向けて延びるように配置される。搬出ライン18は、搬送面を構成するベルトコンベア18aと、ベルトコンベア18aの上方所定位置に配置された2本のガイドレール18bを備える。ガイドレール18bは、所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。
排出装置17は、搬送装置13のクランプ21にて保持されて搬送されてきたパウチを受け取り、搬出ライン18側へ導くものである。排出装置17は、水平面内で回転するチェーン17aと、そのチェーン17aに所定ピッチで取り付けられた複数の押送フィンガー17bと、円弧状に曲がった2本のガイドレール17cを備える。ガイドレール17cは、所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。2本のガイドレール17cの一端は、搬送装置13の搬送ライン上に至り、他端は搬出ライン18のガイドレール18bの一端に近接する。
これにより、クランプ21から離脱したパウチは、進行方向後ろ側の辺が押送フィンガー17bに押されて搬送される。パウチの上方部位は、2本のガイドレール17c間に入り、そのガイドレール17cのカーブに沿って進路が変更され、そのまま搬出ラインのガイドレール18b間に至る。これにともないパウチは、搬出ライン18のベルトコンベア18a上に至り、そのベルトコンベア18aからの搬送力を受けて前進する。
以下、図5以降の各図を用いて、本発明に係る開袋装置14の一実施形態を説明する。図5に示すように、本実施形態では、袋体1を両面から吸着保持する吸着手段40を、袋体1の搬送方向に沿って前後に2セット配置する。これにより、搬送装置13にて搬送される前後に並ぶ二個の袋体1に対し、一度に開袋処理を行うことができ、処理速度の高速化が図れる。
吸着手段40は、搬送装置13の搬送ラインの外側に配置した第一上部吸盤41,第一下部吸盤42と、搬送ラインの内側に配置した第二上部吸盤43,第二下部吸盤44とを備える。これら第一上部吸盤41,第一下部吸盤42,第二上部吸盤43,第二下部吸盤44は、チューブを介して吸引ポンプに連係され、吸着面に接した物体を吸着保持可能としている。そして、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、互いに接近した際に袋体1の上端縁近傍に接触して挟み込み可能とする。そして、第一上部吸盤41,第二上部吸盤43は、袋体1の上端縁付近に接触して吸着保持した状態で互いに離反することで、上端開口部を開く機能を有する。また、第一下部吸盤42と第二下部吸盤44は、互いに接近した際に袋体1の中央部や下端縁近傍に接触して挟み込み可能とする。そして、第一下部吸盤42,第二下部吸盤44は、袋体1の中央部,下端縁付近に接触して吸着保持した状態で互いに離反することで、上端の開口部位が開くのを助けるとともに袋体1を全体的に広げる機能を有する。第一下部吸盤42と第二下部吸盤44は、それぞれ4個を逆T字状に配置する。つまり、袋体1の下端縁付近に接触するように横一列に3個の第一下部吸盤42と第二下部吸盤44をそれぞれ配置し、中央上方に1個の第一下部吸盤42と第二下部吸盤44をそれぞれ配置するレイアウトをとる。このようにすることで、本実施形態の袋体1は、底部側で折り返されて断面がW状となっているが、かかる折り返された部分をしっかりと広げることができる。
この第一上部吸盤41と第一下部吸盤42は、同一の支持プレート45の所定位置に取り付けて固定し、一体に移動する。支持プレート45は、袋体1の搬送方向に沿って、所定の間隔を置いて前後に位置しており、それらが水平方向に伸びる連結プレート46により連結される。連結プレート46は、上下に所定の間隔を置いて平行に配置される。それら二本の連結プレート46は、搬送方向に沿って所定の間隔をおいて平行に起立配置された第一支柱47に固定される。そして、その第一支柱47は、第一ベース板48に固定される。第一ベース板48は、駆動装置に連係されており、水平平面内で所定の軌跡で移動する。これにより、第一上部吸盤41と第一下部吸盤42は、第一ベース板48と一体となって所定の軌跡で移動する。
搬送方向に沿って前後に配置される第二上部吸盤43は、細長な帯状の上部支持プレート50の両端に取り付けられる。上部支持プレート50は、第二ベース板53に起立形成された二本の第二支柱52の上端にそれぞれ連結された連結棒51の先端に固定される。第二ベース板53は、駆動装置に連係されており、水平平面内で所定の軌跡で移動する。これにより、第二上部吸盤43は、第二ベース板53と一体となって所定の軌跡で移動する。
また、搬送方向に沿って前後に配置される第二下部吸盤44は、幅広な帯状の下部支持プレート55の適宜位置に取り付けられる。この下部支持プレート55は、連結プレート56上に固定される。連結プレート56は、縦断面が略L字型のプレートであり、垂直方向に起立した面に、下部支持プレート55が固定される。そして、連結プレート56の水平方向に折り曲げられた面が、駆動装置に連係されており、水平平面内で所定の軌跡で移動する。これにより、第二下部吸盤44は、連結プレート56と一体となって所定の軌跡で移動する。
さらに第二上部吸盤43・上部支持プレート50と、第二下部吸盤44・下部支持プレート55の間には、上下方向の所定位置に適度な空間が確保される。この空間内をクランプ21が移動する。
各吸盤を移動させるための駆動装置は、以下のように構成される。架台60の天面に設置された天板61上に、二個のレール受け部62を所定の間隔をおいて平行に設置する。レール受け部62は、上面に凹溝62aを有する。凹溝62aは、レール受け部62の軸方向に伸びるように形成され、両端が開口する。この凹溝62aが、袋体1の搬送方向と平行になるようにレール受け部62を設置する。また、この凹溝62aに、スライドベース64の底面に固定したスライドレール63を移動可能に装着する。これにより、スライドベース64は、スライドレール63とレール受け部62に案内されて、袋体1の搬送方向と平行に移動可能となる。
スライドベース64の上面には、袋体1の搬送方向と直交方向に沿う適宜位置に、二本の第一ガイドレール65と二本の第二ガイドレール66をそれぞれ設置する。第一ガイドレール65は、搬送装置13の搬送ラインの外側に、搬送方向に沿って前後に所定の間隔をおいて平行に配置する。また、第二ガイドレール66は、搬送装置13の搬送ラインの内側に、搬送方向に沿って前後に所定の間隔をおいて平行に配置する。
二本の第一ガイドレール65には、それぞれ第一スライダ67を移動自在に装着する。そして、一対の第一スライダ67間に渡るように、第一従動スライド板70を固定する。具体的には、第一従動スライド板70は、矩形平板状であり、長手方向の両端の下面に、それぞれ第一スライダ67を連結する。これにより、第一従動スライド板70は、第一ガイドレール65に沿って、袋体1の搬送方向と直交方向に往復直線移動、すなわち、搬送装置13の搬送ライン・袋体1に対して接近離反移動するとともに、スライドレール63・レール受け部62に案内されて袋体1の搬送方向と平行な方向に往復直線移動する。このように、第一従動スライド板70は、直交する二方向に対して移動可能となっているため、それぞれの方向の移動を適宜制御することで、水平平面内において所望の軌跡で移動可能となる。この第一従動スライド板70の上面に、第一上部吸盤41と第一下部吸盤42を支持する第一ベース板48を連結する。これにより、第一上部吸盤41と第一下部吸盤42は、第一従動スライド板70と一体になって所望の軌跡で移動する。
二本の第二ガイドレール66には、それぞれに第二スライダ68と第三スライダ69を一個ずつ移動自在に装着する。具体的には、搬送装置13の搬送ラインに近い側に第二スライダ68を装着し、搬送ラインから遠い側に第三スライダ69を装着する。そして、一対の第二スライダ68間に渡るように、基準スライド板71を固定する。また、一対の第三スライダ69間に渡るように、第二従動スライド板72を固定する。
これにより、基準スライド板71,第二従動スライド板72は、第二ガイドレール66に沿って、袋体1の搬送方向と直交方向に往復直線移動、すなわち、搬送装置13の搬送ライン・袋体1に対して接近離反移動するとともに、スライドレール63・レール受け部62に案内されて袋体1の搬送方向と平行な方向に往復直線移動する。このように、基準スライド板71と第二従動スライド板72は、直交する二方向に対して移動可能となっているため、それぞれの方向の移動を適宜制御することで、水平平面内において所望の軌跡で移動可能となる。
この基準スライド板71の上面に、第二下部吸盤44を支持する連結プレート56を連結する。これにより、第二下部吸盤44は、基準スライド板71と一体になって所望の軌跡で移動する。また、第二従動スライド板72の上面に、第二上部吸盤43を支持する第二ベース板53を連結する。これにより、第二上部吸盤43は、第二従動スライド板72と一体になって所望の軌跡で移動する。
第一従動スライド板70,基準スライド板71並びに第二従動スライド板72を所定の軌跡で移動するための駆動源は、本実施形態では、それらスライド板を袋体1の移動方向に沿って前後進させるための第一駆動モータ75と、その移動方向と直交する方向に沿って移動させるための第二駆動モータ76を備える。第一駆動モータ75は、架台60の天面の中央の下方に配置する。この例では、第一駆動モータ75は、取付ブラケット77を介して天板61に固定している。また、第一駆動モータ75の出力軸は、上下方向に伸びるように配置する。そして、その出力軸にクランクホイール78を連結する。このクランクホイール78には、偏芯した所定位置に軸受け部を介してホイールピン79を連結する。そして、ホイールピン79は、クランクホイール78の上面より上方に突出するように配置し、そのホイールピン79の上端にスライダ73を配置する。一方、このスライダ73に対向するスライドベース64の下面所定位置にガイドレール74を配置し、スライダ73をガイドレール74に往復移動可能に連結する。これにより、第一駆動モータ75の回転に伴い、クランクホイール78が同一方向に自転し、それに追従してホイールピン79も公転移動する。このホイールピン79の移動に伴い、スライダ73がガイドレール74に対して相対的に移動し、スライドベース64は、袋体1の搬送方向に沿って前後進移動する。よって、スライドベース64と一体となって移動する第一上部吸盤41,第一下部吸盤42,第二上部吸盤43,第二下部吸盤44は、搬送方向に沿って前後進移動する。さらに、クランクホイール78が等速回転をすると、半径方向に移動するホイールピン79により移動するスライドベース64は移動範囲の前端あるいは後端に近づくにつれて前後方向の移動速度が低下し、折り返し地点では速度が0となる。そこで、本実施形態では、クランクホイール78一回転する間で適宜変速し、少なくとも各吸盤が袋体1に接触している間は、袋体1の移動速度と各吸盤の前後の移動速度が一致するように制御する。具体的には、上述したように、スライドベース64の移動範囲の前端あるいは後端に近づくにつれて前後方向の移動速度が低下するので、クランクホイール78の回転を高くするように制御する。係る制御は、例えば、駆動モータ自体の回転数を制御したり、途中に変速機を配置してそこで制御したりすると良い。
一方、第二駆動モータ76は、架台60の天面の下方所定位置に配置される。この第二駆動モータ76の出力軸は、水平平面内で袋体1の搬送方向と直交する方向に伸びるように配置する。この第二駆動モータ76の出力は、動力伝達ベルト81を介して一対の円筒カム83のカム軸に伝達するように構成する。一対の円筒カム83のカム軸は、第二駆動モータ76の出力軸と平行に配置する。そして、一対の円筒カム83は、袋体1の搬送方向に沿って、前後に所定の距離をおいて配置する。この円筒カム83は、その側周面にカム溝83aを備える。カム溝83aは、円周方向の角度位置により袋体1の搬送方向と直交方向の位置が適宜変位するように設計される。
また、この一対の円筒カム83を跨ぐように、その上方に動力伝達プレート84を配置する。動力伝達プレート84は、細長な帯状からなり、その両端の下面にはそれぞれ第四スライダ85を取り付ける。この第四スライダ85は、架台60の天板61上に設置した第三ガイドレール86に対し、移動自在に装着する。第三ガイドレール86は、袋体1の搬送方向と直交方向に伸びるように配置する。さらに、動力伝達プレート84の両端近傍には、下方に突出するようにカムフォロア88を取り付ける。このカムフォロア88が、円筒カム83のカム溝83aに符合する。よって、第二駆動モータ76の回転に伴い円筒カム83が回転すると、カム溝83aに案内されてカムフォロア88が袋体1の搬送方向と直交する方向に往復移動する。係る往復移動は、動力伝達プレート84に伝わり、動力伝達プレート84が第三ガイドレール86・第四スライダ85にガイドされて、安定して搬送方向と直交する方向に往復移動する。
動力伝達プレート84の上面には、長手方向に沿って伸びる第四ガイドレール90を配置する。この第四ガイドレール90には、第五スライダ91を移動自在に装着する。そして、この第五スライダ91上に基準スライド板71を連結する。これにより、基準スライド板71と動力伝達プレート84は、動力伝達プレート84の長手方向、すなわち、搬送方向と平行な方向への相対移動を許容しつつ、その搬送方向と直交する方向には一体となって移動する。よって、第二駆動モータ76・円筒カム83の回転に伴い動力伝達プレート84が、袋体1の搬送方向と直交方向に往復移動すると、係る移動が基準スライド板71に伝達し、基準スライド板71ひいてはそれに連係された第二下部吸盤44が搬送方向と直交方向に往復移動する。つまり、第二下部吸盤44は、袋体1に対して接近離反移動する。また、上述したように基準スライド板71は、第一駆動モータ75・クランクホイール78・ホイールピン79により袋体1の搬送方向に沿って前後進移動するが、係る前後進移動は、第四ガイドレール90と第五スライダ91の相対移動により許容される。
また、動力伝達プレート84を基準として、搬送装置13の搬送ラインの外側に第一リンク機構95を配置し、搬送装置13の搬送ラインの内側に第二リンク機構96を配置する。第一リンク機構95は、一端95aを基準スライド板71に連結し、他端95bを第一従動スライド板70に連結する。そして、中間のリンクに固定プレート95cを用いてスライドベース64に連係する。各連結点は、軸受け部により回転可能となっている。これにより、動力伝達プレート84が、袋体1の搬送方向と直交方向に往復移動すると、係る移動が第一リンク機構95を介して第一従動スライド板70に伝達し、第一従動スライド板70ひいてはそれに連係された第一上部吸盤41,第一下部吸盤42が搬送方向と直交方向に往復移動する。つまり、第一上部吸盤41,第一下部吸盤42は、袋体1に対して接近離反移動する。さらに、固定プレート95cは、中央のリンクの長手方向中心から一端95a側に近い側に偏芯した位置で連結しているため、第一リンク機構95の他端95bの変位距離は、一端95aの変位距離も大きくなる。よって、第一リンク機構95の一端95aの変位距離は、動力伝達プレート84の変位距離、すなわち、円筒カム83のカム溝83aの変位距離と等しいので、第一リンク機構95の他端95b、すなわち第一従動スライド板70は、カム溝83aの変位距離よりも大きく距離を移動させることができる。例えば、変位距離は、2倍にすることができ、また、他の変倍率としてもよい。
また、第二リンク機構96は、一端96aを基準スライド板71に連結し、他端を第二従動スライド板72に連結する。そして中間のリンクに固定プレート96cを用いてスライドベース64に連係する。これにより、動力伝達プレート84が、袋体1の搬送方向と直交方向に往復移動すると、係る移動が基準スライド板71から第二リンク機構96を介して第二従動スライド板72に伝達し、第二従動スライド板72ひいてはそれに連係された第二上部吸盤43が搬送方向と直交方向に往復移動する。つまり、第二上部吸盤43は、袋体1に対して接近離反移動する。そして、この第二リンク機構96も第一リンク機構95と同様に変倍機構を構成しており、他端96bの変位距離は、一端96aの変位距離も大きくなる。例えば、変位距離は、2倍にすることができ、また、他の変倍率としてもよい。
上記の構成によれば、第一上部吸盤41と第一下部吸盤42は、第一従動スライド板70により一体となって移動するため、第一リンク機構95による変倍効果により、円筒カム83による変位距離よりも大きくなる。しかも第一上部吸盤41と第一下部吸盤42の移動距離は、等しくなる。一方、第二上部吸盤43は、第二リンク機構96による変倍効果により、円筒カム83による変位距離よりも大きくなる。また、第二下部吸盤44は、動力伝達プレート84に連結された基準スライド板71とともに移動するため、その変位距離は、動力伝達プレート84の移動距離すなわち円筒カム83による変位距離と等しくなる。よって、第二上部吸盤43の開閉のための変位距離(袋体1の搬送ラインに対する接近離反移動距離)は、第二下部吸盤44の開閉のための変位距離(袋体1の搬送ラインに対する接近離反移動距離)よりも大きくなる。
その結果、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43同士の開閉距離を、第一下部吸盤42と第二下部吸盤44同士の開閉距離よりも大きくすることができる。よって、袋体1の上部開口部を大きく広げて開口することで製品を供給しやすくなる。一方、袋体の下端は、例えばシールされているなどして広げられる許容距離が開口部よりも狭いことがあり、袋体1の中央や下端を広げる距離を適宜に抑えることができる。
上述したように、本実施形態では、吸着手段40を所定の軌跡で公転移動させる駆動装置として、袋体1の搬送方向に沿って前後進移動させるための駆動系と、その搬送方向と直交方向に接近離反移動させるための駆動系を独立した別の駆動モータ(第一駆動モータ75,第二駆動モータ76)と、その駆動モータの回転出力を所定の方向の往復直線運動に変換して伝える動力伝達機構を備えている。そして、それらの動作を適宜に制御することで、一対の吸着手段40の移動軌跡を以下のようにする。
図11は、一対の吸着手段40の一例である第一上部吸盤41と第二上部吸盤43における公転移動する際の遷移の状態を示している。そして、係る遷移は、図12に示すような円筒カム83の各回転角度におけるカム溝83aやクランクホイール78の位置関係となるように、制御することで行う。図において、aは、円筒カム83の角度0度の状態を示す。この角度0度の時、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、最も離反するとともに、搬送方向に沿って前後の中央付近で対向するように位置する。この状態から、b→c→d→……→lを経て、再び角度0度のaに戻ることで一回の公転移動を完了する。図では、円筒カム83の回転角度位置を30度刻みで示している。
図から明らかなように、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、離反した状態のまま後方に移動し、最後端位置(e)に至ると、進行方向を反転して前進移動する。この後方移動から前進移動に反転する際、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、徐々に接近していく。そして、前進移動に反転した比較的早いタイミング(g:回転角度が180度)で第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は接触する。実際には、図12に示すように、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43の間には、袋体1が位置しているため、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、袋体1を両側から挟み込んで接触し、吸着保持する。
その後、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、袋体1の移動速度に同期して、同じ速度で前進移動する。このとき、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、徐々に離反移動する。この離反移動時には、真空ポンプによる吸引は継続しているため、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43にそれぞれ吸着保持された袋体1の両表面は、それぞれ吸着されている第一上部吸盤41あるいは第二上部吸盤43に引っ張られ、これにより、袋体1は開口する(図12におけるh(回転角度が210度))。その後、吸引を停止すると、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43による袋体1の吸着も解除される(回転角度が240度)。この例では、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43が最も離反する位置よりも早い段階(hからiの間)で吸着を解除して吸盤は袋体1から離反する。また、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43が、袋体1の搬送方向の最前端(i)に位置するより前で吸着を解除して吸盤は袋体1から離反する。その後、第一上部吸盤41と第二上部吸盤43は、離反した状態を維持したまま後方に移動し、角度0度の基準位置に戻る。
なお、図示省略するが、対向する第一下部吸盤42と第二下部吸盤44の公転移動する際の遷移状態も図11とほぼ同様となる。但し、上述したように、第二下部吸盤44の袋体1の搬送ライン対する接近離反の移動距離は、第二上部吸盤43の移動距離よりも短いため、係る搬送ラインに対する接近離反の方向の変位量、対向する第二下部吸盤44との離反距離は図示のものよりも短くなる。
[変形例]
クランクホイール78は等速回転でも良いし、変速回転でも良い。変速回転の場合、第一駆動モータ75の出力自体を変速しても良いし、回転数は一定とし、第一駆動モータ75とクランクホイール78の間に変速機を設け、公転移動の途中で速度を換えるようにしても良いい。いずれの場合も、クランクホイール78や第一駆動モータ75の回転方向は同一方向を向くようにする。よって、高速運転が可能となる。
また、上述した実施形態では、第二上部吸盤43は第二リンク機構96を用いて円筒カム83の変位量よりも大きく変位させる一方、第二下部吸盤44は円筒カム83の変位量と等しくする設定としたが、第二下部吸盤44も適宜の変倍機能を備えたリンク機構を用いて連携し、円筒カム83の変位量よりも大きく変位させるようにしてもよい。この場合にそれぞれの反閇率を等しくしてもよいし、異ならせてもよい。
また、上述した実施形態では、第一上部吸盤41と第一下部吸盤42を同じ第一従動スライド板70に設け、一体に移動するようにしたが、第二上部吸盤43と第二下部吸盤44のようにそれぞれを別に開閉移動させるようにしてもよい。
さらに、第一上部吸盤41と第一下部吸盤42と第二上部吸盤43は、本実施形態では変倍機能を備えたリンク機構で連携し、円筒カム83の変位量よりも大きく移動するようにしたが、所定の吸盤の搬送ラインに対する接近離反の変位量を円筒カム83の変位量と等しくするようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、製袋装置11を用い、袋体1の製造から一貫して行うシステムとしたが、例えば袋体1はあらかじめ作成したのを用い、給袋装置により充填包装装置に供給するようにしても良い。