JP2013199013A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な記録媒体に応じた最適な搬送方法を提供し、そうすることによって、様々な記録媒体において高品質の画像を実現するインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置1は、ロールシート2と、上流搬送手段19と、プラテン7と、ヒータ12と、下流搬送手段20と、巻き取り装置4と、搬送制御手段18と、を有し、ロールシート2の材質に応じて、搬送制御手段18は上流搬送手段19と下流搬送手段20のうち少なくとも一つを制御して、ロールシート2がプラテン7と下流搬送手段20との間において撓み形状を保った状態で搬送される第1の搬送モードと、ロールシート2がプラテン7と下流搬送手段20との間において張力がかかった状態で搬送される第2の搬送モードとを切り替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロール状の記録媒体に対する記録装置に関する。
近年、サインアンドディスプレイの分野では、耐久性や環境特性に優れた水性ポリマー素材からなるラテックスインクを用いたインクジェット記録装置が増えてきている。ラテックスインクを用いたインクジェット記録装置では、記録媒体としてコート紙、非コート紙、布、塩化ビニル系素材、ポリエステル系素材など、幅広い種類の素材に記録することができる。また、ラテックスインクを用いたインクジェット記録装置は、屋外看板や屋内グラフィック、車両ラッピングなど、屋内外の様々な用途に用いられている。こうしたインクジェット記録装置において、耐水性や耐候性はもとより画質の高精度、高品位、及び高速印字が要求されている。それを実現する手段として、ヒータなどの加熱手段を用いて記録媒体を加熱して、記録媒体に着弾したインクを乾燥させ、インクの定着を促進させる方法がしばしば用いられている。
特許文献1では、インクの乾燥を加速させる手段として、記録媒体を印刷ヒータで加熱する方法が開示されている。印刷ヒータの加熱度合は記録媒体に応じて制御するものとしている。記録媒体に応じて適切に熱が与えられることにより、インクの乾燥が他に悪影響をほとんど与えずに加速されるので、記録媒体の歪みやインクの滲みが小さく、また高速かつ高品質の印刷が可能となる。
特許文献2では、ロール状の記録媒体と、記録を行うインクを吐出する記録ヘッドと、記録前に記録媒体を予め加熱するプリヒータと、記録後の記録媒体を乾燥させるアフターヒータとが備えられた記録装置が開示されている。この記録装置は、記録後の記録媒体を巻き取る巻き取り装置も備えられた構成となっている。この記録装置の構成では、記録媒体表面がプリヒータにより予め加熱されているため、記録ヘッドのノズルから噴射されて着弾したインク滴を、記録媒体表面部分で早期に加熱乾燥することができる。また、アフターヒータによって、インク滴が着弾箇所周囲のメディアに広く浸透するのを防ぐことができ、絵図や文字を滲みなく鮮明に記録できることを特徴としている。
特許第3329882号公報 国際公開第04/094150号
しかしながら、上述したような巻き取り装置を有する構成においては、記録媒体の特性のために加熱によって記録媒体にしわが発生する場合や、記録媒体を円滑に搬送できない場合がある。
例えば、屋外ディスプレイ広告用の記録媒体として、塩化ビニル系フィルムや、フィラメント(長繊維)層に高分子樹脂フィルムを積層したターポリン(防水布)が用いられる。
塩化ビニル系フィルムのような材質の記録媒体は、加熱すると容易に軟化するため、巻き取り装置によって張力を与えて記録媒体を巻き取ることによりしわが発生してしまう問題がある。このしわは、記録媒体が一軸方向に伸長するように引張を受けると記録媒体自体に圧縮応力が働いて生じるものである。またこのしわは、記録媒体の画像形成領域に発生し、記録ヘッドが記録する際に、印字ムラや滲みなどといった画像品位の低下を招く原因となる。
一方、ターポリンのような材質の記録媒体は、高温加熱されることにより、裏面が軟化して粘着性を有するため、プラテン上に張り付き易くプラテン上を円滑に搬送できない場合がある。
このように、記録媒体に応じて加熱制御を行っても、例えば、塩化ビニル系フィルムとターポリンの両方の場合で高品質の画像を実現することはできない。
本発明は、様々な記録媒体に応じた最適な搬送方法を提供し、そうすることによって、様々な記録媒体において高品質の画像を実現するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明の記録装置は、記録媒体としてのロールシートと、前記ロールシートを画像記録領域へ搬送する上流搬送手段と、前記画像記録領域において前記ロールシートを支持するプラテンと、前記ロールシートを加熱するために前記プラテンに対向した位置に配置されたヒータと、前記プラテンから排出された前記ロールシートを搬送する下流搬送手段と、前記下流搬送手段から排出された前記ロールシートを巻き取る巻き取り装置と、前記上流搬送手段の搬送速度と前記下流搬送手段の搬送速度とを個別に制御可能な搬送制御手段と、を有し、前記ロールシートの材質に応じて、前記搬送制御手段は前記上流搬送手段と前記下流搬送手段のうち少なくとも一つを制御して、前記ロールシートが前記プラテンと前記下流搬送手段との間において撓み形状を保った状態で搬送される第1の搬送モードと、前記ロールシートが前記プラテンと前記下流搬送手段との間において張力がかかった状態で搬送される第2の搬送モードとを切り替える。
本発明では、様々な記録媒体に応じた最適な搬送方法を提供し、そうすることによって、様々な記録媒体において高品質の画像を実現するインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明では、ロールシートの材質に応じて、搬送制御手段が上流搬送手段と下流搬送手段のうち少なくとも一つを制御することにより、ロールシートを最適な方法で搬送し、よって高品質の印刷を可能にする。
本発明の第1の実施形態に係る記録装置の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置の側面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置の要部側面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る記録装置の要部側面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る本体制御回路ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る制御動作フローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る各搬送速度の動作チャートである。 本発明の第3の実施形態に係る制御動作フローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る各搬送速度の動作チャートである。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ただし、実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲を限定する主旨のものではない。なお、各図面を通して同一符号は、同一または対応部分を示すものである。
図1は本発明の第1の実施形態のインクジェット記録装置1(以下、「プリンタ」と呼ぶ)の斜視図である。プリンタ1には、記録媒体としてロールシート2がセットされており、また操作パネル3が備わっている。操作パネル3に設置された各種のスイッチ等により、ロールシート2の材質、横幅、オンライン/オフライン、コマンドなどが指示される。プリンタ1の底前面には、ロールシート2を巻き取るための巻き取り装置4が設置されている。
図2は、図1のプリンタ1の側面断面図である。ロールシート2はプリンタ1の内部に搬送されると、上流搬送手段である搬送ローラ5とピンチローラ6に挟持されるとともに搬送され画像記録領域21に到達する。画像記録領域21にはロールシート2を支持するプラテン7とプラテン面に対向した位置に画像形成手段である記録ヘッド8が配置されている。ロールシート2をプラテン7に吸着させて浮き上がらせないために、プラテン7には多数の吸引孔9が形成されている。プラテン7の下には、プラテン7と連通したダクト10が配置され、さらにダクト10の下には、ダクト10と連通した吸引ファン11が配置されており、ロールシート2をプラテン7に吸着させるように働いている。プラテン7に載置されたロールシート2のうち画像記録領域21に位置する部分に、画像情報に基づいて記録ヘッド8からインクが吐出されて画像を記録する。また、プラテン7面に対向した位置にプラテン7面上のロールシート2を加熱するための加熱手段としてヒータ12が配置されている。これにより、記録ヘッド8下方のプラテン7面上に搬送されてきたロールシート2を加熱し、ロールシート2表面に着弾するインク滴を早期に定着させ、また乾燥させることができる。画像が記録されたロールシート2は、搬送ローラ5によってプラテン7より排出される。排出されたロールシート2は、下流搬送手段である中間ローラ14と従動ローラ15によって挟持される。従動ローラ15は中間ローラ14から離間可能である。プラテン7より排出されたロールシート2表面を加熱するための加熱手段としてヒータ13が配置されている。これにより、ロールシート2表面に着弾後のインク滴を早期に乾燥させることができる。そして、ロールシート2は、中間ローラ14により搬送され、ターンローラ16を介して巻き取り装置4によって巻き取られる。
図3は、図1のプリンタ1の要部側面断面図である。プリンタ1は、搬送ローラ5と中間ローラ14がロールシート2を搬送する各搬送速度を個別に変更する搬送制御手段18を有する。この時、中間ローラ14の搬送速度をVM、搬送ローラ5の搬送速度をVLFと定義する。また、中間ローラ14とプラテン7の間にロールシート2の撓み量、張力、及び搬送速度を検出できる検出センサ17が装着されている。検出センサ17により取得した結果に応じて、搬送ローラ5と中間ローラ14の各搬送速度が制御可能である。図3において、実線で示されたロールシートP1は、搬送ローラ5と中間ローラ14とが成す最短の搬送経路の距離より冗長な撓んだ状態である。この時、中間ローラ14の搬送速度VMと搬送ローラ5の搬送速度VLFとは一致しており、ロールシートP1に撓みを持った形状を形成したまま搬送することができる(第1の搬送モード)。つまり、ロールシートP1自体に張力をかけずに搬送ローラ5と中間ローラ14によって搬送することができる。これによって、撓んだロールシートP1にかかる張力は0であるため、搬送ローラ5と中間ローラ14との間のロールシートP1におけるしわの発生を防ぐことができる。例えば塩化ビニル系フィルムといったような加熱されて張力が加わるとしわが発生しやすい材質の記録媒体であっても、記録媒体自体に張力が加わらないため、画像形成領域におけるしわの発生を最小限にさせることができる。そして、印字ムラや滲みなどを解消し画像品位の改善をすることができる。また、図3において、破線で示されたロールシートP2は張力をかけて搬送ローラ5と中間ローラ14によって保持された状態である。この状態で保持されたまま搬送されるモードを第2の搬送モードとする。
図4は本発明の第2の実施形態のプリンタ1の要部側面断面図である。ここでは第1の実施形態との違いのみを説明する。図4に示す様に、中間ローラ14及び従動ローラ15はプラテン7平面であるA面より上方に位置している。中間ローラ14には不図示のモータ、センサ、及びトルクリミッタが備えられている。中間ローラ14の駆動手段である不図示のモータは正反転可能である。ロールシートP3の傾きに応じて記録ヘッド8を破線で示された記録ヘッド8のように傾けても良い。図4において実線で示されたロールシートP3は、搬送ローラ5と中間ローラ14によって張力をかけて搬送されている。ここで中間ローラ14の搬送速度VMは搬送ローラ5の搬送速度VLFより大きく設定されている。ロールシートP3に張力がかけられ、プラテン7から引き剥がす方向に力が働くため、ロールシートP3のプラテン7への張り付きを抑えることができる。また、中間ローラ14は巻き取り装置4よりプラテン7に近い位置にあるため、ロールシートP3をプラテン7平面から剥がし易い方向に張力が働く。その結果、ロールシートP3のプラテン7平面への接触面積が小さくなり、ロールシートP3がプラテン7平面に張り付きにくくなる効果が得られ、ロールシートP3に対し与える張力が最小限で済む。中間ローラ14にはトルクリミッタが備えられているため、ロールシートP3に一定量の張力をかけることもでき、必要以上の張力をかけずにすむ。例えばターポリンのように加熱されることにより裏面に粘着性が生じるような材質のロールシートP3について、搬送ローラ5単体では搬送できない場合でも、円滑に搬送することができる。
図4において破線で示されたロールシートP4は、撓んで張力がかからない状態で搬送ローラ5と中間ローラ14によって搬送されている。従動ローラ15は、中間ローラ14の中心を支点として搬送方向上流側にオフセットして配置されてロールシートP4を挟持している。この時のオフセット角度は5°から15°程度の大きさとなっている。これにより、撓んだロールシートP4は、従動ローラ15をオフセットした角度分だけ中間ローラ14を中心とした回転方向に押圧される。つまり、破線で示されるロールシートP4は、プラテン7と中間ローラ14の間で、プラテン7の平面であるA面より下方側に撓む。これによって、ロールシートP4がA面より上方に撓むことを防止でき、画像形成領域におけるロールシートP4と記録ヘッド8を接触させずに済む。そして、ロールシートP4による記録ヘッド8へのダメージを軽減することができ、ヘッド擦れによるロールシートP4の画像品位低下を改善できる。
また、搬送制御手段18は、中間ローラ14の搬送速度VMを搬送ローラ5の搬送速度VLFより遅くするか、あるいは搬送速度VMが0であるように制御するか、あるいは中間ローラ14を逆回転させるように制御することができる。これにより、ロールシートP4は搬送ローラ5と中間ローラ14とが成す最短の搬送経路の距離より冗長である撓んだ状態になる。つまり、搬送制御手段18によって中間ローラ14の搬送速度VMを制御することにより、ロールシートP3の張力のかかった状態から、ロールシートP4の張力のかかっていない状態に移行させることができる。搬送制御手段18によって、中間ローラ14の搬送速度VMが搬送ローラ5の搬送速度VLFと一致するように断続的に同期させて制御を行うことにより、ロールシートP4のように張力をかけないまま記録媒体を搬送することができる。これによって、第1の実施形態と同様の効果を得る。また、搬送制御手段18は、中間ローラ14の搬送速度VMが搬送ローラ5の搬送速度VLFより速くなるように制御することができる。これにより、搬送制御手段18によって、ロールシートP4の張力のかかっていない状態からロールシートP3の張力のかかった状態に移行させることができる。また、記録媒体の撓み量、張力、搬送速度といった検出センサ17より取得した結果に応じて、各搬送速度を搬送制御手段18によって制御してもよい。
図5は、搬送ローラ5と中間ローラ14の各搬送速度の制御と本体動作の相関についての本体制御ブロック図である。まず、記録開始前の搬送ローラ5と中間ローラ14の動作に関して説明する。ロールシート2はセット済みであり、セット時に操作パネル3から入力されたロールシート2に関する情報、及びマルチセンサ22によって得られたロールシート2の種類、紙幅、紙長、撓み量などの情報を本体は取得している。また、ホストPCより画像データと共に記録条件の情報を本体CPUが受信している。そして、取得した情報から搬送ローラ5と中間ローラ14の動作を決定し、その動作に応じて各モータを駆動させてロールシート2の搬送速度を制御して記録を開始する。
図6は、上記各動作と搬送ローラ5と中間ローラ14の各搬送速度制御の相関についての制御動作のフローチャートである。ステップS1で、記録媒体であるロールシート2の情報を読み取り、ロールシート2の種類が塩化ビニル系か否かを判別する。塩化ビニル系である場合、ステップS2で、印刷前にロールシート2を撓ませて張力がかからないように撓み処理を行う。すなわち、中間ローラ14の搬送速度VMと搬送ローラ5の搬送速度VLFは、記録条件に対応したあらかじめ収納されている不図示のテーブルを参照して決定され、VMはVLFより小さい値に設定される。ここで、記録条件とは記録されるロールシート2の材質、印字物の大きさ、浮き量、記録画像の濃度、記録パス数といったものである。ロールシート2は中間ローラ14によって搬送ローラ5よりも遅く搬送されるか、あるいは逆方向に搬送されるため、ロールシート2は撓むことになる。ステップS3にて、搬送ローラ5と中間ローラ14の各搬送速度を一致させて同期させる。VMとVLFの値が同期することで、撓みを維持したまま搬送することができる。ステップS4で記録を開始し、ステップS5で記録を終了する。ステップS6に移り、ロールシート2は撓んだ状態であるため、その撓みを解消する撓み取り処理を行う。この時、VMはVLFより大きい値になるように変更する。これにより、ロールシート2は搬送ローラ5によって中間ローラ14よりも遅く搬送されるか、あるいは逆方向に搬送されるため、ロールシート2の撓みが解消される。最後に記録待機状態に移行する。
一方で、ロールシート2の種類が塩化ビニル系でない場合は、ステップS7に移りVMとVLFとは、記録条件に対応したあらかじめ収納されている不図示のテーブルを参照して決定される。この時、張力をかけて搬送するためVMの値はVLFの値以上となっている。ステップS8で記録を開始し、ステップS9で記録を終了する。最後に記録待機状態に移行する。
図7は、記録時における中間ローラ14の搬送速度VMと搬送ローラ5の搬送速度VLFとの動作チャートの一例であり、画像を記録した後に撓み取り処理を行う様子を表している。中間ローラ14の搬送速度VMは、逆回転するように搬送速度v3に設定され、時刻t1には0となるように制御される。斜線部S1の面積が、ロールシート2が搬送経路よりも冗長となる搬送量となり、ロールシート2は撓んだ状態となる。時刻t1には中間ローラ14の搬送速度VMと搬送ローラ5の搬送速度VLFが同期し、記録開始となる時刻T0には搬送速度v1に設定され制御される。これによって、ロールシート2は撓みを維持したまま搬送される。記録終了となる時刻T1を経過した後、時刻t2に中間ローラ14は停止する。一方、搬送ローラ5は逆回転するように搬送速度v2に設定され制御される。t3時にはロールシート2の撓みが解消される。この時、斜線部S2の面積は斜線部S1の面積と等しい。なお、S2がS1より大きくなるように搬送速度v2及びv3や時刻t1及びt3を設定して、ロールシート2により大きな張力をかけてもよい。
図8は本発明の第3の実施形態の制御動作フローチャート図である。ステップS1で、記録媒体であるロールシート2の情報を読み取り、ロールシート2の種類が塩化ビニル系か否かを判別する。塩化ビニル系である場合、ステップS2で、印刷前にロールシート2を撓ませて張力をかからないように撓み処理を行う。そして、中間ローラ14の搬送速度VMと搬送ローラ5の搬送速度VLFは、記録条件に対応したあらかじめ収納されている不図示のテーブルを参照して決定される。ここで、中間ローラ14にはウェイト時間が設定されており、搬送ローラ5が先行してロールシート2の搬送を行う。これにより、ロールシート2は搬送ローラ5によって中間ローラ14よりも速く搬送され、ロールシート2は撓むことになる。ステップS3にて、搬送ローラ5と中間ローラ14の各搬送速度を一致させるように同期させる。VMとVLFの値が同期することで、撓みを維持したまま搬送することができる。ステップS4で記録を開始し、ステップS5で記録を終了する。ステップS6では、記録開始から記録終了までのS4からS5の間に、次に記録する画像データを本体CPUが受信しているか否かを判断する。受信している場合は、連続記録となるためステップS4に戻り、受信していない場合は、ステップS7に移って撓み取り処理を行う。最後に記録待機状態に移行する。
一方で、ロールシート2の種類が塩化ビニル系でない場合はステップS8に移り、VMとVLFとは記録条件に対応したあらかじめ収納されている不図示のテーブルを参照して決定される。ステップS9で記録を開始し、ステップS10で記録を終了する。最後に記録待機状態に移行する。
図9は、記録時における中間ローラ14の搬送速度VMと搬送ローラ5の搬送速度VLFとの動作チャートの一例であり、画像を2回連続記録した状態を示している。記録開始となる時刻t1までに、搬送ローラ5の搬送速度VLFは搬送速度v1に設定されてロールシート2を搬送する。一方、中間ローラの搬送速度VMは0のままである。この撓み処理によって生ずる斜線部S1の面積が、ロールシート2が搬送経路よりも冗長となる搬送量であり、ロールシート2は撓んだ状態となる。時刻t1に1回目の画像の記録開始となりロールシート2に1スキャン分だけ記録される。1スキャンの記録の終了する時刻t2に、搬送速度VMと搬送速度VLFが一致するように同期される。この際、搬送速度VMと搬送速度VLFは断続的に同期しても良い。これにより、ロールシート2は撓んだ状態で搬送される。3スキャン後の時刻T1で1回目の画像の記録終了となる。この時、2回目の画像を受信しているため、撓み取り処理は発生せずに2回目の記録に移る。時刻T2で2回目の画像の記録終了となり、搬送ローラ5は停止している。一方、中間ローラ14は時刻t3まで搬送するように制御される。この時、斜線部S1の面積は斜線部S2の面積と等しい。S2がS1より大きくなるように、時刻t1およびt2を設定しても良い。この撓み取り処理により、ロールシート2の撓みを解消することができる。
2、P1、P2、P3、P4 ロールシート
4 巻き取り装置
18 搬送制御手段
19 上流搬送手段
20 下流搬送手段

Claims (8)

  1. 記録媒体としてのロールシートと、前記ロールシートを画像記録領域へ搬送する上流搬送手段と、前記画像記録領域において前記ロールシートを支持するプラテンと、前記ロールシートを加熱するために前記プラテンに対向した位置に配置されたヒータと、前記プラテンから排出された前記ロールシートを搬送する下流搬送手段と、前記下流搬送手段から排出された前記ロールシートを巻き取る巻き取り装置と、前記上流搬送手段の搬送速度と前記下流搬送手段の搬送速度とを個別に制御可能な搬送制御手段と、を有し、
    前記ロールシートの材質に応じて、前記搬送制御手段は前記上流搬送手段と前記下流搬送手段のうち少なくとも一つを制御して、前記ロールシートが前記プラテンと前記下流搬送手段との間において撓み形状を保った状態で搬送される第1の搬送モードと、前記ロールシートが前記プラテンと前記下流搬送手段との間において張力がかかった状態で搬送される第2の搬送モードとを切り替える、記録装置。
  2. 前記ロールシートを前記ヒータにより加熱したうえで前記巻き取り装置により巻き取ったときに前記ロールシートにしわが発生する材質の場合、前記搬送制御手段は前記上流搬送手段と前記下流搬送手段のうち少なくとも一つを制御して、前記ロールシートが前記第1の搬送モードで搬送されるようにする、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記下流搬送手段は挟持した前記ロールシートを前記プラテン面より下方側に撓ませる、請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記ロールシートを前記ヒータにより加熱したときに前記ロールシートの裏面が粘着性を帯びる材質の場合、前記搬送制御手段は前記上流搬送手段と前記下流搬送手段のうち少なくとも一つを制御して、前記ロールシートが前記第2の搬送モードで搬送されるようにする、請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 操作パネルを有し、
    前記ロールシートの前記材質に関する情報が前記操作パネルから入力される、請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. マルチセンサを有し、
    前記ロールシートの前記材質に関する情報が前記マルチセンサにより得られる、請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記画像記録領域より前記ロールシートの搬送方向の下流側に前記ロールシートを乾燥させるための乾燥手段を有している、請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記搬送制御手段は、前記上流搬送手段の前記搬送速度より前記下流搬送手段の前記搬送速度を小さくさせる制御を行った後、あるいは記録開始の時刻から所定時間だけ前記下流搬送手段の前記搬送速度を0とする制御を行った後、前記上流搬送手段の前記搬送速度と前記下流搬送手段の前記搬送速度とを一致させるように同期させて搬送する制御を行う、請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
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