JP2013199003A - 不燃性化粧パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表面化粧層、第1の金属層、芯材層、及び第2の金属層がこの順に積層された構造を有する不燃性化粧パネルであって、前記表面化粧層は、意匠面となる第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面化粧層基材からなる表面化粧層材料で構成され、前記芯材層は合成樹脂からなり、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は、厚みが0.2mm以上であり、化粧パネル全体の厚みが1.0〜8.0mmである不燃性化粧パネル。
【選択図】 図1
Description
[1] 表面化粧層、第1の金属層、芯材層、及び第2の金属層がこの順に積層された構造を有する不燃性化粧パネルであって、
前記表面化粧層は、意匠面となる第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面化粧層基材からなる表面化粧層材料で構成され、前記芯材層は合成樹脂からなり、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は、厚みが0.2mm以上であり、化粧パネル全体の厚みが1.0〜8.0mmであることを特徴とする不燃性化粧パネル。
[2] 前記第1の金属層及び前記第2の金属層はアルミニウム層である[1]に記載の不燃性化粧パネル。
[3] 前記合成樹脂が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂である請求項1又は2記載の不燃性化粧パネル。
[4] 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、平均粒径が30〜100nmのエマルジョン樹脂粒子を含む前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
[5] 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、非水溶性である、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
[6] 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するウレタンアクリル複合粒子を含む、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
[7] 前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプである、前記[6]に記載の不燃性化粧パネル。
[8] 前記不燃性化粧パネルが、第2の金属層の芯材層と反対側に更に表面化粧層を有する前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
本発明によれば、メラミン化粧板の表面硬度を維持しつつ、内外曲げ加工することができ、かつ、発熱量を抑制して充分な不燃性を有する不燃性化粧パネルを提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態の不燃性化粧パネルの断面の構成を示したものである。
不燃性化粧パネル101は、表面化粧層10、第1の金属層11、芯材層12、及び第2の金属層13とから構成されている。
本発明の不燃性化粧パネルは、表面化粧層、第1の金属層、芯材層、及び第2の金属層をこの順で積層することにより製造することができるものである。
本発明の不燃性化粧パネル101(以下、単に「化粧パネル」ということがある)は、
表面化粧層10、第1の金属層11、芯材層12、及び第2の金属層13が、この順に積層された構造を有する不燃性化粧パネルであって、
前記表面化粧層は、意匠面となる第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面化粧層基材からなる表面化粧層材料で構成され、前記芯材層は合成樹脂からなることを特徴とする。
本発明の表面化粧層材料は、表面化粧層基材の意匠面である第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する(すなわち意匠面と反対側である)第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持してなるものである。
前記表面化粧層基材の坪量は特に限定されないが、40〜150g/m2であることが好ましい。坪量が前記下限値未満であると、樹脂含浸工程での切れ、しわの問題から、塗工処理が困難であり、さらに第1の面と第2の面それぞれに担持させる樹脂含浸量を調整する事も困難である。一方、坪量が前記上限値を超えると、表面化粧層基材が担持する樹脂の含浸量にムラが生じ、表面化粧層10の柔軟性を低下させると共に、生産性低下、コスト高の原因となるため好ましくない。
メラミン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、メラミンとホルムアルデヒドを中性又は弱アルカリ下において反応させて得られるものを用いることができる。メラミンに対するホルムアルデヒドの反応モル比((ホルムアルデヒドのモル量)/(メラミンのモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は、特に限定されないが、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.0、さらに好ましくは1.1〜1.8として、反応させて得られたものを好適に用いることができる。反応モル比が前記下限値未満であると、未反応成分が増加し保存性低下、コスト高となり、前記上限値を超えると硬化後の樹脂柔軟性低下が著しくなる。なお、メラミン樹脂としては、1種類が単独で含まれるもの用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、メラミン樹脂としては、住友化学(株)製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
なお、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、これらの中の1種類が単独で含まれるもの用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むもの用いることもできる。
前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、前記熱可塑性エマルジョン樹脂の25〜60質量%が好ましく、特に30〜45質量%が好ましい。これにより、前記熱可塑性エマルジョン樹脂の基材への含浸性を向上できる。
本発明の化粧パネルには、第1及び第2の金属層を用いる。これにより、雰囲気中からの吸湿を抑え、吸湿による膨潤を防ぎ、化粧パネル表面のフクレ発生を防止させることができる。
第1及び第2の金属層を形成する金属としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスなどが挙げられる。これらの中でも、汎用性、経時安定性、価格などの点から、アルミニウムを用いることが好ましい。
このアルミニウム層の厚みとしては、0.2mm以上とすることが好ましい。これにより、化粧板に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。
第1、第2の金属層の厚みが0.2mm未満であると、熱放散性が十分ではなく、また燃焼時の熱により貫通してしまい、十分な不燃性が得られない。
第1及び第2の金属層としては、このような厚みを有する金属箔、金属板などを用いることができる。
また、これらの金属層は、必要に応じて加熱時の放熱を促す処理、あるいは吸熱し芯材層への熱伝播を防ぐ処理を施してもよい。
金属層と接する層とを密着させる処理としては、プライマー処理、金属層腐食処理、サンディング処理等が挙げあられ、密着させる材料としては、エポキシ系、アクリル系、ポリウレタン系、合成ゴム系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、ポリオレフィン系、ポリアミド系などのホットメルト接着剤あるいは接着フィルム、ガラスクロスプリプレグなどが挙げられる。
更に、接着剤層、粘着フィルムに替えて、ポリエステル等の熱可塑性シートを介して、熱圧着により溶着すること、芯材層の表面に共押出によって接着層を設け密着させることもできる。
また、芯材層の樹脂によっては、樹脂の融点以上の温度をかけて直接溶着することもできる。
また、ガラスクロスを構成するガラスとしては、例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもTガラスが好ましい。これにより、ガラスクロスの熱膨張係数を小さくすることができる。
また、ガラスクロス以外にも、不織布、コア紙、チタン紙、カーボンファイバークロス、アラミド繊維クロスなどを用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、好ましくは環境に悪影響を及ぼすハロゲンを含まない、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等を用いることができる。
また、これらの合成樹脂には、必要に応じて加熱時の発熱、着火、樹脂流動を抑える難燃剤などの添加剤を含んでもよい。
本発明の化粧パネル全体の厚みは、1.0〜8.0mmである。化粧パネルの厚みが前記下限値を下回ると、化粧パネルの強度が低下し、前記上限値を超えると、内外曲げ加工が困難になり好ましくない。
例えば、表面化粧層、第1の金属層、芯材層及び第2の金属層の各層間に、密着させる処理を施すあるいは密着させる材料を介して積層する方法、
例えば、第1の金属層、芯材層及び第2の金属層をこの順で積層したものを作製しておき、別に作製した表面化粧層と、接着剤層、粘着フィルム等を介して積層することにより製造することができる。
この他、押出ラミネート成形、注入成形等の手段により複合板を製造することもできる。
押出ラミネート成形法としては、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などを例示することができる。
そして、本発明の化粧パネルは、得られた複合板の第1の金属層側に接着剤層を介して、表面化粧層の意匠面と反対側の面を積層し、コールドプレスにて0.1〜0.5MPaで圧着する、ことにより製造することができる。
あるいは、ヒートシールなどの粘着フィルムを介してホットラミネートする
(実施例1)
表面化粧層基材として、米坪80g/m2の酸化チタン含有化粧紙を用いた。
上記基材の第一の面側(意匠面側)には、メラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50重量%)を固形分で50g/m2塗工した。
上記基材の第二の面側には、ウレタンアクリル樹脂エマルジョンを含有する水性クリヤー(中央理化工業社製「SU−100」、平均粒径84nm)を固形分で40g/m2塗工し、加熱乾燥して、表面化粧層用含浸紙1を得た。
また、米坪145g/m2 の未晒しクラフト紙からなる基材に、フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比1.2にて乳化反応し、粘度120cps/20℃の脱水濃縮タイプのフェノール樹脂ワニスを得た後、メタノールにより粘度27cps/35℃に調整した含浸用フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥して、樹脂量48%、揮発分5%の接着含浸紙3を得た。
実施例1と同様にして表面化粧層用含浸紙1及び接着含浸紙3を得た。
これらの表面化粧層用含浸紙1、接着含浸紙3に続いて、第1の金属層として表面をエポキシ樹脂によるプライマー処理を施した厚さ0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)を挿入し、厚さ1.0mmの難燃ポリカーボネートシート、続いて第2の金属層として0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面エポキシプライマー処理品)を順次重ね合わせた後に、ステンレス艶消し板と表面化粧層用含浸紙1が接触する様に、かつ、このステンレス板間に、当該化粧板構成素材セットを背中合わせに2組ずつ組み込んだ。プレスは、スペーサーを介し、圧力2.0MPa に保持した。熱盤温度を160℃とし、製品最高温度が142℃になるまで加熱した後、冷却し、厚さ3.0mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。
表面化粧層基材として、米坪80g/m2の酸化チタン含有化粧紙を用いた。
上記基材の第一と第二の面にメラミン樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50重量%)を固形分で各55g/m2ずつ、計110g/m2塗工した。
実施例1において、表面化粧用含浸紙1に替えて、上記で得られた表面化粧層用含浸紙4を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ3.1mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。
(比較例2)
第1の金属層として両面サンディングされた厚さ0.1mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)、接着含浸紙7枚、第2の金属層として0.1mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面サンディング処理品)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ1.7mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。
第1の金属層と第2の金属層の間に用いる接着含浸紙を35枚にした以外は、実施例1と同様にして、厚さ8.5mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板を得た。芯材層部分の厚みは7.0mmであった。
(比較例4)
第1の金属層として両面サンディングされた厚さ0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)、接着含浸紙7枚、第2の金属層として0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面サンディング処理品)を順次重ね合わせた後に、圧力8.0MPa、熱盤温度を160℃とし、製品最高温度が142℃になるまで加熱プレスした後、冷却して試料1を得た。
表面化粧層基材として0.2mmオレフィンシート(塩化ビニル樹脂印刷シート)を用い、第一の金属層表面の表面化粧層基材側にウレタン系接着剤を施した試料1を重ね80℃、30分で硬化させ、厚さ3.1mmの試料を得た。
1.不燃性試験:運輸省鉄道営業法構造規則に定める鉄道車両用材料燃焼試験による。
2.内曲げR試験:室温(25℃)、75mmRにて外曲げ成形を行い、意匠面の割れの有無を確認した。
3.外曲げR試験:室温(25℃)、75mmRにて外曲げ成形を行い、意匠面の割れの有無を確認した。
4.表面硬度:JIS K 5401の塗膜鉛筆引っ掻き試験による。
5.耐汚染性試験:JIS K6902の耐汚染性試験(試薬A)による。
そして、表面化粧層には、従来の化粧板と同様の表面化粧層基材が使用できるため、豊富な色柄から自由に選択でき、且つ、車両等における不燃性を有する材料の規制を受ける天井、壁等の用途に広く適用することができるものである。
11 第1の金属層
12 芯材層
13 第2の金属層
101 不燃性化粧パネル
Claims (8)
- 表面化粧層、第1の金属層、芯材層、及び第2の金属層がこの順に積層された構造を有する不燃性化粧パネルであって、
前記表面化粧層は、意匠面となる第一の面側にはメラミン樹脂を含有する樹脂を担持し、前記第1の金属層と接する第二の面側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を担持する表面化粧層基材からなる表面化粧層材料で構成され、前記芯材層は合成樹脂からなり、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は、厚みが0.2mm以上であり、化粧パネル全体の厚みが1.0〜8.0mmであることを特徴とする不燃性化粧パネル。 - 前記第1の金属層及び前記第2の金属層はアルミニウム層である請求項1に記載の不燃性化粧パネル。
- 前記合成樹脂が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂である請求項1又は2記載の不燃性化粧パネル。
- 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、平均粒径が30〜100nmのエマルジョン樹脂粒子を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
- 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、非水溶性である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
- 前記熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するウレタンアクリル複合粒子を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
- 前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有する水性クリヤータイプである、請求項6に記載の不燃性化粧パネル。
- 前記不燃性化粧パネルが、第2の金属層の芯材層と反対側に更に表面化粧層を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の不燃性化粧パネル。
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