JP2013197481A - 反射型マスクおよび反射型マスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、基板と、前記基板の表面に形成されたEUV光を反射する多層反射層と、前記多層反射層の上に形成された前記多層反射層の保護層と、前記保護層の上に形成された前記EUV光を吸収する吸収層とを備え、前記吸収層に形成された回路パターン領域を取り巻く外周部の少なくとも一部に、前記吸収層と前記保護層と前記多層反射層とが異方性ドライエッチングによりエッチング除去されて形成された溝部の側壁部に、EUV光を吸収する薄膜が形成されていることを特徴とする反射型マスク。
【選択図】図1
Description
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、波長が13.5nm近傍のEUVを光源に用いたEUVリソグラフィが提案されている。EUVリソグラフィは光源波長が短く光吸収性が非常に高いため、真空中で行われる必要がある。またEUVの波長領域においては、ほとんどの物質の屈折率は1よりもわずかに小さい値である。このため、EUVリソグラフィにおいては従来から用いられてきた透過型の屈折光学系を使用することができず、反射光学系となる。従って、原版となるフォトマスク(以下、マスクと呼ぶ)も、従来の透過型のマスクは使用できないため、反射型のマスクとする必要がある。
このような反射型マスクの元となる反射型マスクブランクは、低熱膨張基板の上に、露光光源波長に対して高い反射率を示す多層反射層と、露光光源波長の吸収層とが順次形成されており、更に基板の裏面には露光機内における静電チャックのための裏面導電膜が形成されている。また、多層反射層と、吸収層の間に緩衝層を有する構造を持つEUVマスクもある。反射形マスクブランクから反射形マスクへ加工する際には、EB(電子線)リソグラフィとエッチング技術とにより吸収層を部分的に除去し、緩衝層を有する構造の場合はこれも同じく除去し、吸収部と反射部とからなる回路パターンを形成する。このように作製された反射型マスクによって反射された光像が反射光学系を経て半導体基板上に転写される。
反射光学系を用いた露光方法では、マスク面に対して垂直方向から所定角度傾いた入射角(通常6°)で照射されるため、吸収層の膜厚が厚い場合、パターン自身の影が生じてしまい、この影となった部分における反射強度は、影になっていない部分よりも小さいため、コントラストが低下し、転写パターンには、エッジ部のぼやけや設計寸法からのずれが生じてしまう。これはシャドーイングと呼ばれ、反射マスクの原理的課題の一つである。
一方、反射型マスクを用いて半導体基板上に転写回路パターンを形成する際、一枚の半導体基板上には複数の回路パターンのチップが形成される。隣接するチップ間において、チップ外周部が重なる領域が存在する場合がある。これはウェハ1枚あたりに取れるチップを出来るだけ増加したいという生産性向上のために、チップを高密度に配置するためである。この場合、この領域については複数回(最大で4回)に渡り露光(多重露光)されることになる。この転写パターンのチップ外周部はマスク上でも外周部であり、通常、吸収層の部分である。しかしながら、上述したように吸収層上でのEUV光の反射率は、0.5〜2%程度あるために、多重露光によりチップ外周部が感光してしまう問題があった。このため、マスク上のチップ外周部に通常の吸収層よりもEUV光の遮光性の高い領域(以下、遮光枠と呼ぶ)を設ける必要性が出てきた。
ある。
基板上に、多層反射層と保護層と吸収層がこの順に形成されている反射型マスクブランクを用いてパターン領域に回路パターンを形成する回路パターン形成工程と、
前記回路パターン形成工程で形成された前記パターン領域の外周部の少なくとも一部に、前記多層反射層と前記保護層と前記吸収層をドライエッチングによる異方性エッチングで除去し形成した溝部を形成する遮光枠形成工程と、
前記溝部の側壁部にEUV光を吸収する物質をスパッタリング法により形成する側壁吸収膜形成工程と、からなることを特徴とする反射型マスクの製造方法である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
次に、更に本発明の反射型マスクの構成について詳細に説明する。
図1(a)及び(b)の多層反射層2は、EUV光に対して60%程度の反射率を達成できるように設計されており、基板からMoとSiがこの順に交互に40〜50ペア積層した積層膜で、さらに吸収層4を除いた場合の最上層に位置する保護層3は、2〜3nm厚のルテニウム(Ru)あるいは厚さ10nm程度のシリコン(Si)で構成されている。Ru層の下に隣接する層はSi層である。MoやSiが使われている理由は、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さく、且つMoとSiのEUV光での屈折率差が大きいために、SiとMoの界面での反射率を高く出来るためである。保護層3がRuの場合は、吸収層4の加工時におけるストッパーやマスク洗浄時の薬液に対する保護層としての役割を果たしている。一方、保護層3がSiの場合は、吸収層4との間に、緩衝層を挿入する場合もある。緩衝層は、吸収層4のエッチングやパターン修正時に、緩衝層の下に隣接する多層反射層2の最上層であるSi層を保護するために設けられており、クロム(Cr)の窒素化合物で構成されている。
図1(a)及び(b)の吸収層4は、EUV光に対して吸収率の高いタンタル(Ta)の窒素化合物で構成されている。他の材料として、タンタルホウ素窒化物、タンタルシリコン、タンタル(Ta)や、それらの酸化物等でも良い。
図1(a)及び(b)の裏面導電膜5は、一般にはCrNで構成されているが、導電性材料からなる材料であれば良い。また、図1(a)及び(b)では裏面導電膜5を有するかたちで記載したが、裏面導電膜5を有さない反射型マスクブランク及び反射型マスクとしても良い。
本発明の反射型マスク101の遮光枠11の形成方法について説明する。まずフォトリソグラフィもしくは電子線リソグラフィによって、遮光枠部のみが開口したレジストパターンを形成する。次に、フッ素系もしくは塩素系ガス(あるいはその両方)を用いたドライエッチングによって、レジストパターンの開口部の吸収層4と保護層3を除去する。次いで、多層反射層2を、フッ素系ガスもしくは塩素系ガスもしくはその両方を用いたドライエッチングによって、除去する。
図2(a)に示したような反射型マスクブランク201を用意した。これは、基板1の上に、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となるように設計されたMoとSiの40ペアの多層反射層2と、2.5nm厚のRuの保護層3と、更にその上に70nm厚のタンタルシリサイドからなる吸収層4が、順次形成されたものである。
評価パターンは、寸法200nmの1:1のライン&スペースパターンをマスク中心に配置した。パターン領域の大きさは、10cm×10cmとした。
2 多層反射層
3 保護層
4 吸収層
5 裏面導電膜
6 側壁吸収膜
9 レジスト
10 パターン領域
11 遮光枠
29 レジスト
101 本発明の反射型マスク
201 反射型マスクブランク
211 パターン領域に回路パターンが形成された反射型マスク
300 EUV入射光
301 吸収層部でのEUV反射光
302 遮光枠内部でのEUV反射光
303 遮光枠のエッジ部でのEUV反射光
304 遮光枠のエッジ部でのEUV反射光
Claims (5)
- 少なくとも、基板と、前記基板の表面に形成されたEUV光を反射する多層反射層と、前記多層反射層の上に形成された前記多層反射層の保護層と、前記保護層の上に形成された前記EUV光を吸収する吸収層とを備え、前記吸収層に形成された回路パターン領域を取り巻く外周部の少なくとも一部に、前記吸収層と前記保護層と前記多層反射層とが異方性ドライエッチングによりエッチング除去されて形成された溝部を有し、この溝部の側壁部に、EUV光を吸収する薄膜が形成されていることを特徴とする反射型マスク。
- 溝部の側壁部に形成されたEUV光を吸収する薄膜のEUV光に対する光学濃度が2.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の反射型マスク。
- 溝部の側壁部に形成されたEUV光を吸収する薄膜が、膜厚7.4nm以上のタンタル薄膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型マスク。
- 溝部の側壁部に形成されたタンタル薄膜の膜厚Dが、式(1)で表される値以上であることを特徴とする請求項3に記載の反射型マスク。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の反射型マスクの製造方法であって、少なくとも、
基板上に、多層反射層と保護層と吸収層がこの順に形成されている反射型マスクブランクを用いてパターン領域に回路パターンを形成する回路パターン形成工程と、
前記回路パターン形成工程で形成された前記パターン領域の外周部の少なくとも一部に、前記多層反射層と前記保護層と前記吸収層をドライエッチングによる異方性エッチングで除去し形成した溝部を形成する遮光枠形成工程と、
前記溝部の側壁部にEUV光を吸収する物質をスパッタリング法により形成する側壁吸収膜形成工程と、からなることを特徴とする反射型マスクの製造方法。
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