JP2013195134A - 微小変位量計測方法及び微小変位量計測装置 - Google Patents

微小変位量計測方法及び微小変位量計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像装置の撮影画像上に移動しない点が発生した場合でも、変位量の計測を高精度に行う微小変位量計測方法を提供する。
【解決手段】撮像装置により基準画像及び照合画像を撮影する撮影工程を実行する(S1、S2)。次に、基準画像及び照合画像の撮影画像信号を、画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割し、それら基準画像及び照合画像の同一ラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算するライン変位量演算工程を実行する(S3、S6)。次いで、各ライン毎のライン変位量を、大小の順位で配列した際の中間的な順位に位置される複数個のライン変位量を抽出する抽出工程を実行する。この後、抽出された複数個のライン変位量の平均値を算出し(S5、S8)、その結果を当該ラインの延びる方向に関する対象の変位量算出結果とする平均変位量算出工程を実行する(S9)。
【選択図】図3

Description

本発明は、撮像装置により、変位量を計測すべき対象の移動前の基準画像及び移動後の照合画像を撮影し、それら2つの画像信号から、位相限定相関法を用いて対象の微小変位量を計測する微小変位量計測方法及び微小変位量計測装置に関する。
自動車用の精密電子機器等においては、例えば出荷前の検査過程において、環境温度の変化に伴う部品の位置変動といった微小な変位量を計測(検査)することが行われる。特に、通常のカメラが入らない部位や高温度となる部位等における検査を行うために、光ファイバを束にしたイメージファイバを備え、そのイメージファイバを通してCCD撮像素子により画像の取込みを行う微小変位量計測装置が供されている。
このような微小変位量計測装置では、撮影した2つの画像信号をコンピュータで処理して、対象の移動量(微小変位量)を計測するのであるが、そのための手法として、位相限定相関法を用いる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この位相限定相関法では、移動前の基準画像信号をフーリエ変換して位相情報を取出し、移動後の照合画像信号をフーリエ変換した位相情報との相関(マッチング)をとってピークを検出することにより、微小変位量を求めるようにしている。また、非特許文献1にも、位相限定相関法を用いて微小変位量を計測する手法が開示されている。
特開2001−175864号公報 「位相限定相関法に基づく高精度マシンビジョン」(電気情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review 第1巻(2007年度)第1号(7月))
ところで、上記したイメージファイバを備えた微小変位量計測装置にあっては、使用途中で光ファイバに損傷(折れ)が発生し、その部分の画像データに欠陥(黒点欠陥)が生ずる事情がある。この場合、実使用上は、光ファイバの損傷は避けられないものとして、所定範囲(例えば全体の0.5%程度)までの欠陥は許容されている。
ところが、そのような光ファイバの欠陥は、撮像装置の撮影画像上において、対象の移動前後で移動しない点となるので、位相限定相関法を用いて変位量を求めた際に、実際の変位量よりも小さい結果となる等、計測精度の低下を招いてしまうことになる。尚、このような不都合(ノイズの発生)は、光ファイバの損傷以外にも、撮像素子における欠陥や、レンズ等の光学系におけるゴミの付着等の理由によっても起り得る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、対象の移動前後の画像信号から位相限定相関法を用いて変位量を計測するものにあって、撮像装置の撮影画像上に移動しない点が発生した場合でも、変位量の計測を高精度に行うことができる微小変位量計測方法及び微小変位量計測装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の微小変位量計測方法は、撮像装置により、変位量を計測すべき対象の移動前の基準画像及び移動後の照合画像を撮影し、それら2つの画像信号から、位相限定相関法を用いて前記対象の微小変位量を計測するための方法であって、前記基準画像及び照合画像の撮影画像信号を、画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割し、それら基準画像及び照合画像の同一ラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算するライン変位量演算工程と、前記各ライン毎のライン変位量を、大小の順位で配列した際の中間的な順位に位置される複数個のライン変位量を抽出する抽出工程と、前記抽出された複数個のライン変位量の平均値を算出し、その結果を当該ラインの延びる方向に関する前記対象の変位量算出結果とする平均変位量算出工程とを含むところに特徴を有する。
また、本発明の請求項5の微小変位量計測装置は、変位量を計測すべき対象の移動前の基準画像及び移動後の照合画像を撮影する撮像装置を備え、前記撮像装置により撮影された基準画像及び照合画像の画像信号から、位相限定相関法を用いて前記対象の微小変位量を計測する微小変位量計測装置であって、前記基準画像及び照合画像の撮影画像信号を、画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割し、それら基準画像及び照合画像の同一ラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算するライン変位量演算手段と、前記各ライン毎のライン変位量を、大小の順位で配列した際の中間的な順位に位置される複数個のライン変位量を抽出する抽出手段と、前記抽出された複数個のライン変位量の平均値を算出し、その結果を当該ラインの延びる方向に関する前記対象の変位量算出結果とする平均変位量算出手段とを備えるところに特徴を有する。
本発明によれば、撮像装置により、対象の移動前の基準画像及び移動後の照合画像が撮影されると、ライン変位量演算工程(ライン変位量演算手段)において、基準画像及び照合画像の撮影画像信号が、画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割され、それら基準画像及び照合画像の同一ラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量が演算される。そして、抽出工程(抽出手段)において、各ライン毎のライン変位量を、大小の順位で配列した際の中間的な順位に位置される複数個のライン変位量が抽出され、平均変位量算出工程(平均変位量算出手段)において、抽出された複数個のライン変位量の平均値が算出され、その結果が当該ラインの延びる方向に関する対象の変位量算出結果とされる。
ここで、撮像装置における欠陥等の理由により、撮像装置の撮影画像上に対象の移動前後で移動しない点が発生するケースがあり、この場合、ライン変位量演算工程(ライン変位量演算手段)で分割された複数のラインに、移動しない点を含むものと、含まないものとが生ずる。ライン毎に変位量が演算された際に、移動しない点を含むラインについては、変位量が小さく出てしまうことになる。従って、抽出工程(抽出手段)において、ライン変位量の大小の順位で配列した際の中間的な順位に部分を抽出し、平均変位量算出工程(平均変位量算出手段)において、それらを平均化すれば、移動しない点を除いた、画像のうち変位している部分のみの平均的な変位量を得ることが可能となる。
本発明の一実施例を示すもので、装置の全体構成を概略的に示す図 イメージファイバの断面構成を模式的に示す図 コンピュータが実行する変位量の計測の処理手順を示すフローチャート コンピュータが実行するライン単位の変位量演算の処理手順を示すフローチャート 基準画像(a)及び照合画像(b)の一例を示す図 画像信号をラインに分割する際のラインを横方向に設定する場合(a)、及び縦方向に設定する場合(b)の様子を示す図 変位量検出結果の例を実施例(a)及び従来例(b)について示す図
以下、本発明を具体化した一実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施例では、具体例として、図1に示すように、自動車用の部品、例えばケース(基板)Cに対してスナップフィット構造により取付けられるコネクタのハウジングHを、変位量の計測の対象としている。このとき、ハウジングHの外壁には、例えば黒丸からなるマークMが設けられており、外部から力(例えば−20℃〜+120℃の熱サイクル)が加わった際の、マークMの微小変位量を計測する場合を例とする。
まず、図1及び図2を参照して、本実施例に係る微小変位量計測装置1(以下単に「計測装置1」という)の概略構成について述べる。図1に示すように、計測装置1は、変位量を計測すべき対象の画像を撮影する撮像装置2と、この撮像装置2の動作を制御すると共に撮像装置2の撮影画像信号の処理等を行うコンピュータ3とを備えて構成される。そのうち、撮像装置2は、本体部4と、その本体部4の先端から長く延びて設けられるファイバースコープ部5とを備えている。
前記ファイバースコープ部5は、可撓性及び耐熱性を有する管6の中に、撮影(画像伝送)用のイメージファイバ7と、照明用のライトガイドファイバ8とを組み込んで構成される。前記ライトガイドファイバ8の基端側は、光源装置9に接続されている。これにて、光源装置9から出力された照明光が、ライトガイドファイバ8により先端側に導かれ、ファイバースコープ部5の先端から対象に向けて出射されるように構成されている。
前記イメージファイバ7は、図2に示すように、多数本(例えば数千本〜数万本)の光ファイバ10を、縦横に規則的に並べて束にして構成されたイメージサークル11の外周に、シリカジャケット12及びプラスティックコート13を有する周知構成を備えている。図1に示すように、イメージファイバ7の先端側には、対物レンズ14が配設されており、イメージファイバ7の基端側(前記本体部4側)には、接眼レンズ15が配設されている。そして、前記本体部4には、例えばCCDイメージセンサからなる撮像素子16が設けられている。
これにて、イメージファイバ7は、対物レンズ14を介して、対象からの反射光を受光し、これを本体部4側に導いて、接眼レンズ15を介して撮像素子17に写し込むように構成されている。この場合、ファイバースコープ部5を備えた撮像装置2により、狭い所や、高温となる場所でも、ファイバースコープ部5を通して撮影することが可能となっている。尚、ここでは、図2に示すように、ファイバースコープ部5はケースCの穴を通して内部に導かれ、ファイバースコープ部5の固定的な位置でハウジングHの外壁のマークM部分を撮影することに基づき、熱膨張、熱収縮に伴う微小変位量が計測される。
さて、本実施例では、前記コンピュータ3は、そのソフトウエア的構成(計測プログラムの実行)により、前記撮像装置2を制御して、前記マークM部分の移動前の基準画像と、移動後の照合画像を撮影させる。そして、それら2つの画像信号から、位相限定相関法を用いて対象(マークM)の微小変位量を計測する。このとき、後の作用説明で詳述するように、コンピュータ3によって本実施例に係る計測方法が実施される。
具体的には、コンピュータ3により、次の工程が実行される。即ち、まず、撮像装置2により基準画像及び照合画像を撮影する撮影工程が実行される。次に、前記基準画像及び照合画像の撮影画像信号を、画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割し、それら基準画像及び照合画像の同一ラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算するライン変位量演算工程が実行される。
次いで、前記各ライン毎のライン変位量を、大小の順位で配列した際の中間的な順位に位置される複数個のライン変位量を抽出する抽出工程が実行される。この後、前記抽出された複数個のライン変位量の平均値を算出し、その結果を当該ラインの延びる方向に関する前記対象の変位量算出結果とする平均変位量算出工程が実行される。従って、コンピュータ3が、ライン変位量演算手段、抽出手段、平均変位量算出手段として機能する。
このとき、本実施例では、前記抽出工程において、ライン変位量を大小の順で配列した際に、中央値に近い全体の半数のラインについての変位量を抽出するようになっている。つまり、配列されたライン変位量のうち大きい側の1/4と、小さい側の1/4とを除去するようにして、残りの半数(1/2)のものを抽出する。更に、本実施例では、前記ラインは、横方向Lh及び縦方向Lvの双方に設定され(図6参照)、夫々の方向のラインLh、Lvに関して、前記ライン変位量演算工程、抽出工程、平均変位量算出工程が実行されるようになっている。
次に、上記構成の計測装置1の作用について、図3〜図7も参照して述べる。図3のフローチャートは、上記コンピュータ3が実行する、対象この場合コネクタのハウジングHの微小変位量の計測の処理手順を示している。まずステップS1では、移動前(例えば常温時)の基準画像が撮影され(取込まれ)、次のステップS2では、移動後(例えば120℃までの温度上昇時)の照合画像が撮影される(取込まれる)。
今、図5(a)は基準画像Vbの例、図5(b)は照合画像Vrの例を夫々概略的に示しており、例えば、縦横各64画素の画像信号が得られる。基準画像Vb(a)に対して照合画像Vr(b)は、マークMが画面内のやや右側に移動している。ここで、図2に示したように、多数本の光ファイバ10を束ねて構成されるイメージファイバ7にあっては、使用途中で光ファイバ10に損傷(折れ)Dが発生することがある。実使用上は、光ファイバ10の損傷Dは避けられないものとして、所定範囲(例えば全体の0.5%程度)までの欠陥は許容されている。
ところが、そのような光ファイバ10の欠陥は、図5、図6に示すように、撮像装置2の撮影画像Vb,Vr上において、対象の移動前後で移動しない点(黒点欠陥)Sとなり、位相限定相関法を用いて変位量を求める際に、計測精度の低下を招いてしまう虞がある。また、このような不都合(ノイズの発生)は、光ファイバ10の損傷以外にも、前記撮像素子16における欠陥や、各レンズ14,15等の光学系におけるゴミの付着等の理由によっても起り得る。
そこで、本実施例では、ステップS3以降の処理によって、高精度の微小変位量の計測を実現するようになっている。即ち、ステップS3では、図6(a)に基準画像Vbにて例示するように、基準画像Vb及び照合画像Vrの画像信号を、夫々、画素が横一列に並ぶようなラインLh単位(行単位、つまり高さ1画素、幅64画素のライン単位)に分割し、基準画像Vb及び照合画像Vrの同一ライン(64に分割された各ライン)に関して、位相限定相間法を用いて各ラインLh毎の変位量を演算するライン変位量演算工程が実行される。
図4のフローチャートは、このステップS3における位相限定相関法を用いた変位量算出の処理の詳細を示している。ここで、基準画像Vb及び照合画像Vrにおける、横方向に延びるラインLhは、例えば上から順に1番、2番、‥、k番、‥と番号が付され、1番目のラインから順に次の処理が実行される。まず、基準画像Vbの画像信号に関し、ステップS11では、k番目のラインが選択され、ステップS12にて、その画像信号の両端の影響を抑えるためのハニング窓が乗算され、ステップS13にて、離散フーリエ変換が行われる。この画像信号の離散フーリエ変換により、ステップS14にて、周波数領域での位相信号と振幅信号とが得られる。
同様の処理を、照合画像Vrの画像信号(同一のラインLh)に関しても実行することにより(ステップS16〜ステップS19)、周波数領域での位相信号と振幅信号とが得られる。ステップS21では、双方の位相信号を取出し、正規化相互パワースペクトルを求める処理が実行される。そして、ステップS22にて、離散フーリエ逆変換を行い、ステップS23にて、ピーク位置を求めることにより、k番目のラインにおける変位量が演算される。以上の処理が全ラインLh(64本のライン)に関して繰返され(ステップS24)、全ラインLhに関する処理が終了することにより(ステップS24にてYes)、ラインLhの本数分(この場合64本)の変位量が得られる(ステップS25)。
図3に戻って、次のステップS4では、得られたライン本数分の変位量を昇順(大小順)に並び替える(配列する)処理が行われる。そして、ステップS5では、昇順に配列した64個の変位量のうち、大きい側の16個及び小さい側の16個を除去し、中間的な順位である中央値に近い32個を抽出(選択)する処理(抽出工程)が行われ、それら32個の変位量の平均値を求める処理(平均変位量算出工程)が行われる。
このとき、例えば上記した撮像装置2(光ファイバ10)の損傷Dに起因して、撮影画像Vb、Vr上に移動前後で移動しない点(黒点欠陥)Sが発生するケースがあり、この場合、図6(a)にも示すように、分割された複数のラインLhに、移動しない点Sを含むものと、含まないものとが生ずる。移動しない点Sを含むラインLhでは、図4のステップS23の処理にて演算された変位量は、本来の変位量よりも小さい値となる。
従って、抽出工程において、ライン変位量の大小の順位で配列した際の中間的な順位に部分を抽出し、平均変位量算出工程において、それらを平均化すれば、移動しない点Sを除いた、画像のうち変位している部分のみの平均的な変位量を得ることが可能となるのである。このようなステップS3〜ステップS5の処理によって、対象の横方向の微小変位量を求めることができるのである。
次いで、ステップS6〜ステップS8では、上記した基準画像Vb及び照合画像Vrの画像信号に関し、今度は、図6(b)に示すように、夫々、画素が縦一列に並ぶような縦方向に延びるラインLv単位(列単位、つまり高さ64画素、幅1画素のライン単位)に分割し、ライン変位量演算工程、抽出工程、平均変位量算出工程が実行される。ライン変位量演算工程は、ライン方向が角度90度異なるだけで、図4のフローチャートと同様の処理により行なわれる。また、抽出工程、平均変位量算出工程も同様に行なわれる。
これにて、ステップS6〜S8の処理によって、縦方向に延びるラインLv単位で、移動しない点Sを除いた、画像のうち変位している部分のみの平均的な変位量を得ることが可能となり、対象の縦方向の微小変位量を求めることができる。そして、ステップS9では、上記ステップS5で求められた横方向の平均変位量と、ステップS8で求められた縦方向の平均変位量とが合成され、対象の縦横の2次元的な変位量が計測結果として求められるのである。
以上のようにして、画像信号をライン単位に分割した上で位相限定相関法を用いて対象の微小変位量を求めることにより、変位量の計測の精度を高めることができる。ちなみに、図7は、光ファイバ10における損傷D(画素の欠陥)の個数(0個〜6個)と、対象を1画素分だけ移動させた際の変位量計測結果との関係を調べた試験結果を示している。図7(a)が本実施例の方法によるもの、図7(b)が従来の方法(一般的な位相限定相関法を用いたもの)によるものである。また、損傷D(欠陥)として黒点欠陥と白点欠陥との双方について調べている。
図7(a)から明らかなように、本実施例の計測方法では、損傷D(欠陥)の個数がいくつであっても、常に正確な変位量計測値(1.00)が得られている。図7(a)では黒点欠陥及び白点欠陥の結果が重なっている。これに対し、従来の方法では、図7(b)に示すように、黒点欠陥、白点欠陥共に、損傷D(欠陥)の個数が多くなるに従って、変位量計測結果が次第に低下(90%以下)していく傾向が見られた。これは、従来の方法では、本来の移動による相関関数と、ノイズ(移動しない点)による相関関数とが合成された相関関数が、変位量計測結果として現れるからであると考えられる。尚、図7(b)の結果では、コントラストの差によって、黒点欠陥の方が大きな誤差が現れていた。
このように本実施例によれば、対象の移動前後の画像信号から位相限定相関法を用いて変位量を計測するものにあって、ライン変位量演算工程において、基準画像及び照合画像の撮影画像信号を画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割し、同一ラインに関して位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算し、抽出工程においてライン変位量の大小の順位で配列した際の中間的な順位に部分を抽出し、平均変位量算出工程においてそれらを平均化するようにしたので、撮像装置2の撮影画像上に移動しない点Sが発生した場合でも、画像のうち変位している部分のみの平均的な変位量を得ることが可能となり、変位量の計測を高精度に行うことができるという優れた効果を奏する。
尚、上記実施例では、基準画像Vb及び照合画像Vrに対し、横方向のラインLhと縦方向のラインLvとの双方を設定して、ライン変位量演算工程、抽出工程、平均変位量算出工程を夫々について実行するようにしたが、予め、対象の画像が変位する方向が判明している(予測可能な)場合には、ラインをその変位方向に沿って平行に延びるように設定すれば、図3のステップS1〜ステップS5の処理を行うことにより、当該変位方向の変位量を求めることができる。撮像装置2の視野に対して、対象が斜め方向に変位するケースであれば、斜め方向にラインを設けるようにしても良い。
さらに、上記実施例では、変位計測対象(ハウジングH)にマークMを設けるようにしたが、マーク等は特に設けなくても、対象の形状そのものや、或いは対象表面のツールマークと称される微細な傷(模様)によっても、位相限定相関法を用いて変位を計測することは可能である。その他、計測装置全体のハードウエア構成についても、ファイバースコープ部を備えていない撮像装置であっても良いなど、様々な変更が可能であり、また、本発明は、微小変位量を計測する様々な対象に対して適用することができる等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
図面中、1は微小変位量計測装置、2は撮像装置、3はコンピュータ(ライン変位量演算手段、抽出手段、平均変位量算出手段)、5はファイバースコープ部、7はイメージファイバ、10は光ファイバ、16は撮像素子を示す。

Claims (8)

  1. 撮像装置(2)により、変位量を計測すべき対象(H)の移動前の基準画像及び移動後の照合画像を撮影し、それら2つの画像信号から、位相限定相関法を用いて前記対象(H)の微小変位量を計測するための方法であって、
    前記基準画像及び照合画像の撮影画像信号を、画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割し、それら基準画像及び照合画像の同一ラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算するライン変位量演算工程と、
    前記各ライン毎のライン変位量を、大小の順位で配列した際の中間的な順位に位置される複数個のライン変位量を抽出する抽出工程と、
    前記抽出された複数個のライン変位量の平均値を算出し、その結果を当該ラインの延びる方向に関する前記対象(H)の変位量算出結果とする平均変位量算出工程とを含むことを特徴とする微小変位量計測方法。
  2. 前記撮像装置は、多数本の光ファイバ(10)を規則的に並べて構成されるイメージファイバ(7)を含んでおり、
    前記抽出工程は、前記光ファイバ(10)の欠陥の個数を考慮した個数だけ、配列されたライン変位量のうち大きい側と小さい側とを除去するようにして、残りのものを抽出することにより行われることを特徴とする請求項1記載の微小変位量計測方法。
  3. 前記ラインは、横方向及び縦方向の双方に設定され、夫々の方向のラインに関して、前記ライン変位量演算工程、抽出工程、平均変位量算出工程が実行されることを特徴とする請求項1又は2記載の微小変位量計測方法。
  4. 前記ラインは、前記対象の画像が変位すると予測される方向に沿って平行に延びるように予め設定されることを特徴とする請求項1又は2記載の微小変位量計測方法。
  5. 変位量を計測すべき対象(H)の移動前の基準画像及び移動後の照合画像を撮影する撮像装置(2)を備え、前記撮像装置(2)により撮影された基準画像及び照合画像の画像信号から、位相限定相関法を用いて前記対象(H)の微小変位量を計測する微小変位量計測装置(1)であって、
    前記基準画像及び照合画像の撮影画像信号を、画素が一列に並ぶライン単位に夫々分割し、それら基準画像及び照合画像の同一ラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算するライン変位量演算手段(3)と、
    前記各ライン毎のライン変位量を、大小の順位で配列した際の中間的な順位に位置される複数個のライン変位量を抽出する抽出手段(3)と、
    前記抽出された複数個のライン変位量の平均値を算出し、その結果を当該ラインの延びる方向に関する前記対象の変位量算出結果とする平均変位量算出手段(3)とを備えることを特徴とする微小変位量計測装置。
  6. 前記撮像装置は、多数本の光ファイバ(10)を規則的に並べて構成されるイメージファイバ(7)を含んでおり、
    前記抽出手段は、前記光ファイバ(10)の欠陥の個数を考慮した個数だけ、配列されたライン変位量のうち大きい側と小さい側とを除去するようにして、残りのものを抽出することを特徴とする請求項5記載の微小変位量計測装置。
  7. 前記ライン変位量演算手段は、前記ラインを、横方向及び縦方向の双方に設定し、夫々の方向のラインに関して、位相限定相関法を用いて各ライン毎の変位量を演算し、
    前記抽出手段は、前記各方向のラインに関してライン変位量を抽出すると共に、前記平均変位量算出手段は、前記各方向のラインに関してライン変位量の平均値を算出することを特徴とする請求項5又は6記載の微小変位量計測装置。
  8. 前記ライン変位量演算手段は、前記ラインを、前記対象の画像が変位すると予測される方向に沿って延びるように予め設定することを特徴とする請求項5又は6記載の微小変位量計測装置。
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