JP2013193301A - 個人認証媒体及びこれに用いられるuv硬化インキ - Google Patents

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Abstract


【課題】個人認証媒体の基材及び画像部と、保護層との接着性を良好にする。
【解決手段】UV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有するインキ組成物を用い、画像層を形成するか、または画像層と接着層の間に透明インキ層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、個人認証媒体に関する。
近年、自動車運転免許証や従業員証等、資格所有者本人の確認が必要なIDカード類に、熱転写型記録を用いて氏名・住所・生年月日等の個人文字情報、パタン情報または、顔写真を記録したプラスチックIDカードが実用されている。このようなIDカードの作成は、罫線、共通模様などの共通情報をプレ印刷したプラスチックカードに、各カード個別の写真情報、文字情報、パタン情報を記録し、更にカード全体を破損や偽造から防護するために、最表面に透明な保護層を形成する。プラスチックカードの場合、プレ印刷は、カード表面が吸収性がなく、かつ乾燥機の長大化を防ぐために一般にオフセット印刷等の印刷方式で、紫外線硬化インキ(UV硬化インキ)を用いて行われる。UV硬化インキはプラスチックへの密着性、それ自体の耐久性は大きいが、一方で他のものとの接着性が低い。
IDカード等の基材表面を外部からの物理的、化学的なストレスから保護するため、表面保護層を形成することは広く行なわれている。
表面保護層を形成する方法は、例えば第1の方式として、PET等の支持体にポリエステル樹脂・アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を3〜5μmの厚さに塗布して乾燥させて保護層をもつ熱転写リボンを形成し、熱転写リボンの裏側から、ヒートローラで加熱および加圧して、カード表面にカードの部分のみ保護層を転写する方法が実用化されている。第1の方式は簡便であるため、身分証明書等に広く実用化されているが、150℃以下の温度で軟化してしまう樹脂を使用しているので、保護層が軟らかく、高温に弱く、かつトルエン・メチルエチルケトン等の溶剤への耐溶剤性も不十分である。
これに対し、第2の方式として、PET等の保護シート基材に熱転写用の接着層を0.1〜5μm形成した後に、カードとほぼ同一寸法及び形状に打ち抜いた保護シートを作成し、接着層面をカード表面に対向するように貼り合わせ、ヒートローラ等で加熱加圧して保護層を接着する方式がある。この方式は保護層がたとえば延伸PETなどフィルムで形成することが出来るため、保護層自体の機械的強度・対溶剤性が高いが、カードと保護シートの外形が正確に揃うように位置を合わせ貼り合せることが非常に難しいため、保護シートの外形がカード外形の内側になるように保護シートをカード寸法より0.5〜1.0mm程度小さくして使われている。
さらに、第3の方式としてアクリル酸エステルモノマー・オリゴマー、あるいは脂環式エポキシ樹脂等にそれぞれのモノマー・オリゴマーに応じたUV硬化開始剤を混ぜ、液体の状態でグラビアコータ等を使ってカード表面に塗布した後に、紫外線を照射して硬化させることにより、強い透明な保護層を形成するUV硬化液塗布方式も実用化されている。第3の方式は第1の方式と比較して、厚く硬い保護層を形成することができるが、液体であるのでメンテナンスが難しく、更に、塗布膜厚さのバラツキ、液の裏まわり等の技術課題がある。
第4の方式として第1の方式と第3の方式を組み合わせたものがある。この方式では熱可塑性樹脂とアクリルモノマー・オリゴマー、あるいは脂環式エポキシモノマー・オリゴマー等の紫外線硬化樹脂と紫外線硬化開始剤の混合物を支持体に塗布して見かけ上乾燥させ、未硬化の紫外線硬化樹脂が熱可塑性樹脂に分散している状態の熱転写リボンを形成し、これを第1の方式と同じように、IDカード表面に重ね合わせ、加熱および加圧し、熱転写させた後、紫外線を照射して保護層を完全に硬化させる方式が実用化されている。 この方式では紫外線硬化樹脂を用いているため、保護層としての機械的強度、耐溶剤性等が高いだけでなく、紫外線硬化樹脂の硬化によりカード表面との接着性は確保し易いが、一方で熱転写後に紫外線照射装置が必要になり装置が大型化し、かつ消費電力も大きい。
更に第5の方式として、第4の方式において転写後に行なっていた紫外線照射を熱転写リボン製造時に行い、硬化済みの紫外線硬化膜を熱転写することによりカード表面に保護層を形成する方式も実用化されている。この方式では表面保護層転写形成装置に紫外線照射装置がなくなることにより、表面保護層転写形成装置の小型化、省電力化が可能になる利点がある。また、この方法では硬化済のUV硬化保護層自体には熱接着性がなく、第2の方式と同じように保護層のカード表面に接する部分には熱転写膜の接着層を0.1〜5μm程度の厚さ介在させる必要がある。熱転写膜の接着層としては第2の方式と同じように、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂など、またはそれらの共重合体樹脂からなる熱可塑性樹脂か使用される。第2、第5の方式において熱転写膜の接着層とカード表面の接着性はカード表面に使用されている材料に依存する。熱転写膜の接着層はその溶融と同時にカード表面も溶融または軟化する場合には高い接着性を得やすいが、カード表面が溶融または軟化しない場合、十分な接着性が得られない。たとえば前記UV硬化インキで文字またはパタンが形成されている場合、UV硬化インキは3次元の網目構造を形成しているため、高温でも軟化せず、熱転写膜の接着層との十分な接着性を得ることが非常に難しい。
特開2007−229931号公報
本発明の実施形態は、基材と保護層との接着性が良好な個人認証媒体を提供することを目的とする。
実施形態によれば、基材、該基材上に設けられた画像部、該画像部上に設けられた接着層、及び該接着層上に設けられた保護層を具備し、画像部がUV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有するか、あるいは画像部と接着層との間にUV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する透明インキ層が設けられていることを特徴とする個人認証媒体が提供される。
実施形態に使用可能なカード基材として代表的な構成の一例を表す図である。 実施形態に使用可能なカード基材として代表的な構成の一例を表す図である。 実施形態に使用可能なカード基材として代表的な構成の一例を表す図である。 第1の実施形態にかかる個人認証媒体の製造工程を表す図である。 第2の実施形態にかかる個人認証媒体の製造工程を表す図である。 実施形態に使用可能な保護シートの一例を表す断面図である。 保護シートをカード基材に接着させる様子の一例を表す模式図である。 保護シート熱転写リボンの一例を模式的に表す断面図である。 保護シート熱転写リボンの他の一例を模式的に表す断面図である。 保護シート転写リボンをカード基材に接着させる様子を表す模式図である。 実施形態にかかる個人認証媒体の一例を表す図である。 実施形態にかかる個人認証媒体の他の一例を表す図である。 図11の正面図である。
第1の実施形態にかかる個人認証媒体は、基材、基材上に設けられた画像部、画像部上に設けられた接着層、及び接着層上に設けられた保護層を具備する。画像部はUV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する。
第2の実施形態にかかる個人認証媒体は、基材、基材上に設けられた画像部、画像部上に設けられた接着層、及び接着層上に設けられた保護層を具備する。画像部と接着層の間にUV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する透明インキ層がさらに設けられる。
第3の実施形態にかかるインキ組成物は、個人認証媒体の画像部を形成するための、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する。
第4の実施形態にかかるインキ組成物は、個人認証媒体の画像部と接着層の間に透明インキ層を形成するための、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する。
第1及び第3の実施形態によれば、画像部がUV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有することにより、画像部を形成するUV硬化インキ自体にUV硬化粘着剤を添加することにより、画像部と保護層との接着性を向上させることができるので、基材と保護層との接着性が良好となる。
また、第2及び第4の実施形態によれば、画像部と接着層との間にUV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する透明インキ層が設けられていることにより、画像部上にUV硬化粘着剤を添加した透明のUV硬化インキを印刷することで画像部と保護層との接着性を向上させることができるので、基材と保護層との接着性が良好となる。
UV硬化粘着剤の含有量は、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキの合計の重量に対し、好ましくは3ないし40重量%である。UV硬化粘着剤の含有量が3重量%未満であると、接着性が低下する傾向があり、40重量%を越えると、画像部または透明インキ層表面の粘着性が強くなりすぎる傾向がある。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
カード基材
実施形態に使用可能なカード基材として代表的な構成を図1ないし図3に示す。
図1は、カード基材10が、コアPETG層1,2,3の積層体と、その両面に各々設けられた表面PETG層4,5のみからなる構成のものである。ここでPETGはポリ塩化ビニルに置き換えても良い。また必要によりオーバーレイPETG上に受像層等を塗布形成することもできる。
図2は、カード基材20が、外装基材がPET層16,17で、内側がPETG層11、PET層12、PETG層13の積層体で構成されているものである。PET層16,17とPETG層11,13との間には、各々、接着剤層14,15が介在する。接着剤は通常、熱転写用接着層を用い、熱ラミネートにより接着する。外装基材がPET層16,17のうち表側外装PET層17表面には必要に応じ受像層18を形成する。外装基材にPETを用いることにより外装基材が耐溶剤性をもつため溶剤を用いた受像層などの塗布が可能になる。
図3は、カード基材30が、構成材としてPETGを用いずに中心部のPET層21と外装部のPET層24,25との間はそれぞれ厚い接着剤層22,23で構成されている。接着剤はラミネート方法により異なるが、熱ラミネートの場合には熱転写膜の接着層、常温付近の温度でのラミネートでは湿気硬化型接着剤、UV硬化型接着剤、二液硬化型接着剤などが使用できる。熱転写膜の接着層に硬化剤を含有させてもよい。なお、図1ないし図3のいずれの構成でも内側部分にICチップ、アンテナ等を含むインレットを配置し、非接触ICカード」として使うことも出来る。
図4に、第1の実施形態にかかる個人認証媒体の製造工程を表す図を示す。
図5に、第2の実施形態にかかる個人認証媒体の製造工程を表す図を示す。
第1の実施形態にかかる個人認証媒体の製造工程では、カード基材40表面にUV硬化インキで印刷する場合、UV硬化型粘着剤を含有するUV硬化着色インキを用いて形成された文字、パタン、絵柄等の画像部41が形成される。
一方、第2の実施形態にかかる個人認証媒体の製造工程では、カード基材40上にUV硬化型粘着剤を含有しないUV硬化着色インキにより文字、パタン、絵柄等の画像部42が形成される。さらにその上にUV硬化型粘着剤を含有するUV硬化透明インキを用いて透明インキ層43を積層印刷されている。
第1の実施形態にかかる個人認証媒体では、文字パタンを形成したUV硬化着色インキ自体にUV硬化粘着剤を添加することにより保護層との接着性を向上させ、第2の実施形態にかかる個人認証媒体では、文字パタンを形成したUV硬化粘着剤を含有しないUV硬化インキ上にUV硬化粘着剤を添加した透明のUV硬化インキを印刷することで保護層との接着性を向上させることができる。なお、第2の実施形態において、UV硬化インキによる文字パタン形成にはUV161墨S(T&K TOKA製)を使用した。
保護シート
図6は、実施形態に使用可能な保護シートの一例を表す断面図を示す。
この保護シート50は、カードとほぼ同一形状、寸法に裁断された保護層45と保護層45の片面に形成された接着層44とを有するものであり、第2の方式による保護シートである。
保護シート基材はPET等のフィルムが用いられ、接着層としてはポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂など、またはそれらの共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が使用できる。実施形態では、少なくともポリアクリル酸又はポリアクリル酸とポリアクリレート共重合体を含む構成であることが好ましい。なお、接着層にイソシアネートなどの硬化剤を含有させることでより接着性が向上する。
図7は、図6の保護シートを図4に示すカード基材に接着させる様子を表す模式図である。
図示するように、図4に示すカード基材40表面に、UV硬化インキの絵柄等が形成され画像部41を介して、保護シート50の接着層44を重ね合わせ、加熱されたヒートローラ46と対向配置されたバックアップローラ47とにより熱圧着されて保護シート50が接着される。
バックアップローラ47は加熱されていても良い。一般にヒートローラ46の温度は接着層の溶融温度、カード、熱転写リボン、ヒートローラの熱容量、熱伝導率によるが、100℃から200℃程度までの適正な値に制御される。
保護シート熱転写リボン
図8は、保護シート熱転写リボンの一例を模式的に表す断面図を示す。
図9は、保護シート熱転写リボンの他の一例を模式的に表す断面図を示す。
図8に示すように、保護シート転写リボン60は、フィルム基材48の片面に、保護層45及び接着層44を順に積層した構成を有する。
また、図9に示す保護シート転写リボン70は、フィルム基材48の片面に、剥離層49を介して保護層45及び接着層44を順に積層した構成を有する。
剥離層の目的は、熱転写後、フィルム基材から保護層が適正に剥がれるように剥離力を制御するためである。
熱転写リボンの製造方法は、PET等のフィルム基材上に、剥離層、保護層、熱転写膜の接着層を順次塗布乾燥させるものであり、保護層の乾燥後は紫外線照射による硬化も行なわれる。熱転写リボン中の熱転写膜の接着層は後述する。
保護層
保護層は少なくとも紫外線硬化した樹脂を含有した層であり、基本構成としてたとえばアクリル酸エステル系、脂環式エポキシ系、オキセタン系等の紫外線硬化型のオリゴマー・モノマーにアクリル酸エステル系であればラジカル重合開始剤、脂環式エポキシ系、オキセタン系であればトリアリールスルホニウム塩などの重合開始剤が含有され、熱転写リボンの製造工程ですでにUV照射による硬化が完了している。更に保護層の中には紫外線硬化樹脂の他に熱可塑性樹脂を含有させた方が、積層する樹脂層との濡れ性、親和性が大きくなり望ましい。保護層中の熱可塑性樹脂の含有比率は20重量%から80重量%が適当である。20重量%以下では熱転写膜の接着層との親和性が得られず、80重量%以上では保護層としての耐溶剤性、機械的強度を満足できない。
剥離層
剥離層としては、溶融温度が高く(100℃以上)かつ耐溶剤性が高いことが要求される。耐溶剤性の必要な理由は熱転写リボンの製造工程上、剥離層上に溶剤を含有させた保護層を塗布乾燥するときに耐溶剤性がないと剥離層が溶解してしまうためである。これらを満足するものとして、たとえば熱可塑性のポリビニルアルコール、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、熱硬化型のポリエステル、エポキシ、フェノール、メラミン樹脂等、又は熱硬化シリコーン膜等が望ましい。
保護層形成プロセス
図10は、図8の保護シート転写リボンを図4に示すカード基材に接着させる様子を表す模式図である。
図示するように、図4に示すカード基材40表面に、UV硬化インキの絵柄等が形成され画像部41を介して、保護シート50の接着層44を重ね合わせ、加熱されたヒートローラ46と対向配置されたバックアップローラ47とにより熱圧着されて保護シート50が接着される。接着後、フィルム基材48は剥離ローラ49により剥離され、カード基材40表面にUV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する画像部41及び接着層44を介して保護層45が形成され、図11に示すIDカード80が得られる。バックアップローラは加熱されていても良い。
図8の保護シート転写リボンの代わりに、図9の保護シート転写リボンを使用することができる。図9の保護シート転写リボンを使用した場合、剥離層49はフィルム基材48側に残るが、保護層45側に転写させることもできる。一般にヒートローラの温度は転写させる塗工液の溶融温度、カード、熱転写リボン、ヒートローラの熱容量、熱伝導率によるが、100℃から200℃程度までの適正な値に制御される。
また、図4に示すカード基材の代わりに、図5に示すカード基材を用いることができる。この場合には、接着後、フィルム基材48は剥離ローラ49により剥離され、カード基材40表面に、UV硬化着色インキを用いて形成された画像部42と、UV硬化型粘着剤及びUV硬化透明インキを含有する透明インキ層43と、及び接着層44を介して、保護層45が形成され、図12に示すIDカード90が得られる。
図13は、図11に示すカードの正面図である。
図示するように、このIDカード80は、カード基材上に設けられたUV硬化粘着剤を含有するUV硬化インキを用いて形成された文字画像51及び写真画像52を含む及び写真画像41を有する。
また、図12に示すIDカードの正面図は、UV硬化粘着剤を含有するUV硬化インキを用いて形成された文字画像51の代わりに通常のUV硬化インキを用いて形成された文字画像が設けられ、画像部と図示しない接着層との間にUV硬化粘着剤を含有するUV硬化インキを用いて形成された図示しない透明インキ層が設けられていること以外は、図13と同様である。
UV硬化インキ、UV硬化粘着剤含有UV硬化インキ
画像部42に使用可能なUV硬化インキとしては、オフセットインキ、スクリーンインキ、フレキソインキ、インクジェットインキは等いずれも使用可能である。UVインキは一般に2官能以上の多官能アクリル酸エステル系オリゴマー、モノマーにUV重合反応開始剤、体質顔料、着色顔料、その他添加剤を加えた構成よりなり、UV硬化により2官能以上のアクリル酸エステル系オリゴマー、モノマーが重合架橋反応を起し、3次元網目構造を形成する。
画像部41に使用可能なUV硬化粘着剤を含有するUV硬化インキでは、通常の上記UV硬化インキ中に粘着剤を添加することにより、熱転写膜の接着層の濡れ性が向上し、かつUV硬化インキと相溶することにより、接着性が向上する。粘着剤としては、水系のエマルジョン型、溶剤型があるが、いずれも水及び溶剤の乾燥ができないためUV硬化インキへの添加が困難である。よって本発明で使用する粘着剤は、UV硬化粘着剤とする。
UV硬化粘着剤の種類としては、ウレタンアクリレート系、マレイミド硬化型等があり、いずれも使用できる。アクリルシロップ系についは空気中の酸素阻害により、使用できない。
UV硬化粘着剤の含有量はUV硬化インキと添加するUV硬化粘着剤の合計の重量に対し、3〜40重量%が望ましい。また、UV硬化型粘着剤の含有量が3重量%未満であると、カードと保護層との十分な接着性が得られない傾向がある。また、UV硬化型粘着剤の含有量が40重量%を越えると、UV硬化粘着剤の量が過剰となり、印刷後のカード自体が粘着性を持ち、カードどうしが貼り付いてしまったり、搬送性に影響を与えてしまう傾向がある。
なお、一般にUV硬化インキには表面に光沢感を付与するためにワックス等の離型性物質を含有させることがあるが、実施形態に使用されるUV硬化粘着剤を添加するUV硬化インキとしては、接着性の観点から離形性物質を含有しない「アンカーメジウム」「メジウム」等が望ましい。
UV硬化粘着剤は比較的粘度が高いことから、UV硬化インキと混合する際には、粘度調整剤を用いることができる。具体的にはレジューサ、コンテックスなどのインキメーカー粘度調整剤を適量添加する。
さらに、添加したUV硬化粘着剤に対し硬化のための反応開始剤を添加することが好ましい。反応開始剤の添加量は全インキ重量に対し3重量%から5重量%程度が適量である。反応開始剤としては、一般に用いるラジカル重合の開始剤であれば使用できるが、以下の実施例では常温液体であるダロキュア7311を使用した。また、インキメーカーの市販している増感剤も使用可能である。
接着層
接着層としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂など、またはそれらの共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が使用できる。実施形態では少なくともポリアクリル酸又はポリアクリル酸とポリアクリレート共重合体を含むことができる。使用可能な材料として、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸とポリアクリル酸エステル共重合体があげられる。それ以外にもポリアクリル酸とエポキシアクリル酸エステル、及びウレタンアクリル酸エステルとの共重合体も使用できる。ポリアクリル酸又はポリアクリル酸とポリアクリル酸エステル共重合体のTgは0℃以上100℃以下が更に望ましくは10℃以上70℃以下が望ましい。0℃以下では熱転写膜の接着層自体の他材料とのブロッキング等保存性能が低下し、一方80℃以上では接着性が得られない。なお、熱転写膜の接着層にイソシアネートなどの硬化剤を含有させることでより接着性が向上させることも可能である。
実施例1
構成A
(カード基材)
PET−Gコアシート(太平化学薬品製)200μm2枚、50μm1枚 を熱ラミネートにより積層し得られたコア材の両面に接着シートとしてアロンメルトPES111EEW(東亜合成製) 30μmを挟み、帝人デュポンフィルム製PET(製品名:U298W125μm)を外装PETとして熱プレス機によりラミネートし、その後JIS X 6301 ID−1のカード形状に裁断した。
表側の外装PETには事前に以下組成の材料をワイヤーバーにて乾燥時5μmになるように塗布し120℃で乾燥させ、受像層を形成した。
BL−S(積水化学製) 30重量部
コロネート2513(日本ポリウレタン) 3重量部
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 30重量部
(UV硬化インキ組成物)
以下の4種を混合攪拌し実質透明のUV硬化インキを作成した。
UV硬化インキ:T&K TOKA製 UV161墨S 5重量部
UV硬化粘着剤:日本合成化学製UV−3630ID80 ウレタンアクリレート
35重量部
反応性希釈剤:T&K TOKA製 UVDGレジューサ
11重量部
反応性開始剤:BASF製 ダロキュア1173 4.4重量部
上記UV硬化インキをカード基材上全面にUVオフセット印刷機 EP8000(シナノケンシ製)により厚さ約2μmに印刷した。
また、以下の条件で熱転写リボンを作成した。
(熱転写リボンの形成)
支持体として、厚さが25μmのポリエステルフィルム(東レ製 S10)を用意した。
支持体上ゴーセノールNL−05をワイヤーバーにて塗布、120℃にて乾燥し0.5μmの剥離層を形成した。
以下に示す組成の樹脂液を厚さ2μmになるようにグラビヤコート法で塗布、100℃のオーブンにて1分間乾燥、250mW/cmの水銀灯下に1分間放置し、保護層を形成した。
ダイヤナールBR87(三菱レーヨン製)熱可塑性アクリル樹脂 5 重量部
KAYARAD・FM−400(日本化薬製) 25 重量部
UV硬化性オリゴマー9550(新中村化学製) UV硬化性オリゴマー 5 重量部
イルガキュア651 (BASF製)ラジカル重合開始剤 1.5 重量部
トルエン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 50 重量部
メチルエチルケトン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 50 重量部
保護層上にジュリマーET510(ポリアクリル酸エステル共重合体)Tg:27.5℃をワイヤーバーを用い2μm厚に形成し乾燥し、接着層を形成した。
(ラミネート)
上記UV硬化インキ層を全面に形成したカード基材とホットメルト接着剤シートを重ね合わせ熱ラミネート装置を用い120℃の温度で貼り合せ保護層を形成し、支持体を剥離することにより図11及び図13と同様の構成を有するIDカードを形成した。
(接着性試験)
保護層上からカッターでカード基材に達する切り込みを入れセロテープ(登録商標)による5×5の碁盤目剥離試験を行なった。
全25マス中接着しているマスの数が
20マス以上の場合を○、10〜19マスの場合を△、10マス以下の場合を×として評価した(インキ表面粘着性試験)
カード同士を重ねてその上に1.5Kgのおもりをのせ1時間放置させる。その後カード同士をはがした。
抵抗なく分離できる場合を○、若干抵抗はあるが分離できる場合を△、粘着力が強く貼りついている場合を×として評価した。
実施例2ないし13
UV硬化インキ組成物中のUV硬化インキ、UV硬化粘着剤、反応性希釈剤、反応性開始剤を各々下記表1のように変更する以外は実施例1と同様にしてIDカードを形成した。
実施例14
構成B
(カード基材)
カード基材は実施例1と同様に作成した。
(UV硬化透明インキ)
以下の4種を混合攪拌し、UV硬化インキを作成した。
UV硬化インキ:T&K TOKA製UV161メジウムS 65重量部
UV硬化粘着剤:日本合成化学製UV−3630ID80 ウレタンアクリレート
35重量部
反応性希釈剤:T&K TOKA製 UVDGレジューサ 11重量部
反応性開始剤:BASF製 ダロキュア1173 4.4重量部
カード基材上に、UV161墨Sで図10に示す文字・パタンの印刷をUVオフセット印刷機 EP8000(シナノケンシ製)により厚さ約2μmのべた印刷した。さらに上記の構成のUV硬化透明インキをUVオフセット印刷機 EP8000(シナノケンシ製)により厚さ約2μmに全面印刷した。
(保護層の形成)
実施例1と同様にして熱転写リボンを作成した。
(ラミネート)
実施例1と同様にしてラミネートを行い、図12及び図13と同様の構成を有するIDカードを形成した。
(接着性試験)
実施例1と同様の条件で行った。
(インキ表面粘着性試験)
実施例1と同様の条件で行った。
実施例15ないし46
UV硬化インキ組成物中のUV硬化インキ、UV硬化粘着剤、反応性希釈剤、反応性開始剤を各々下記表1及び2のように変更する以外は実施例1と同様にしてIDカードを形成した。
比較例1ないし3
UV硬化インキ組成物中のUV硬化インキ、UV硬化粘着剤、反応性希釈剤、反応性開始剤を各々下記表1及び2のように変更する以外は実施例1と同様にしてIDカードを形成した。
各実施例・比較例のインキ組成を下記表1及び表2、評価結果を表3及び表4に示す。
Figure 2013193301
Figure 2013193301
Figure 2013193301
Figure 2013193301
なお、表中の(1)〜(9)は以下に対応している。
(UV硬化インキ)
(1) UV161墨S(T&K TOKA製)
(2)UV161メジウム S(T&K TOKA製)
(3)FDSアンカーメジウムR(東洋インキ製)
(UV硬化粘着剤)
(4)UV−3630ID80 ウレタンアクリレート(日本合成化学製)
(5)UVA−E305 アロンタック(東亜合成製)※マレイミド硬化型
(反応性希釈剤)
(6)UVDG レジューサ(T&K TOKA製)
(7)NO.2UV コンテックス(T&K TOKA製)
(8)FDSレジューサ(東洋インキ製)
(反応開始剤)
(9)ダロキュア1173(BASF製)
以上の結果から、文字及び/パタンを形成するUV硬化インキ自体にUV硬化型粘着剤を添加すること、及び、文字パタンを形成したUV硬化インキ上にUV硬化粘着剤を添加した透明のUV硬化インキを印刷することで、保護層との接着性を向上させることが出来ることがわかった。
なお、実施形態に使用される保護層形成方法として、熱転写による保護層の形成法にした場合に関して説明したが、実施形態は熱転写に限定されず、熱と圧力を用いた接着であれば、例えばヒートローラを用いた保護シートごと保護層として基材に接着する場合にも適用できる。
また、実施例の構成Bにおいては、UV硬化インキからなる文字及び/またはパターンが形成されているが、文字及び/またはパタンがない基材の場合でも接着性の効果がある。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる
10,20,30,40…基材、41…UV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する画像部、42…UV硬化インキ画像部、43…透明インキ層、44…接着層、45…保護層、80,90…個人認証媒体

Claims (6)

  1. 基材、
    該基材上に設けられ、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有する画像部、
    該画像部上に設けられた接着層、及び
    該接着層上に設けられた保護層を具備することを特徴とする個人認証媒体。
  2. 基材、
    該基材上に設けられた画像部、
    該画像部上に設けられたUV硬化粘着剤及びUV硬化インキ層を含有する透明インキ層、
    該透明インキ層上に設けられた接着層、及び
    該接着層上に設けられた保護層を具備することを特徴とする個人認証媒体。
  3. 前記UV硬化粘着剤の含有量は、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキの合計の重量に対し、3ないし40重量%である請求項1または2に記載の個人認証媒体。
  4. 個人認証媒体の画像部を形成するための、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有するインキ組成物。
  5. 個人認証媒体の画像部と接着層の間に透明インキ層を形成するための、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキを含有するインキ組成物。
  6. 前記UV硬化粘着剤の含有量は、UV硬化粘着剤及びUV硬化インキの合計の重量に対し、3ないし40重量%である請求項4または5に記載のインキ組成物。
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